マイコンテンプレートサイト更新完了

12月30日のPSoC 4、PSoC 4 BLE、PRoCテンプレート発売に間に合わなかったマイコンテンプレートサイトの更新が完了しました。

今回の更新では、LED照明ページを削除し、マイコンテンプレート関連のみのサイトとしました。昨年10月のサイト障害時の、“Simple is Best”の経験が理由です。

LPCXpresso v8.0.0へ更新

Freescaleを買収した新NXP、ARM Cortex-M0/M0+マイコンの今後のラインアップについては、気になるところですが解りません。NXPサイトを観ると、LPC8xx/111x、旧FreescaleのKinetisシリーズ全てがそのまま残っています。暫くは、様子を観察する必要がありそうです。

例えば、Cypressは、2014年末に買収したSpansionのFM0+マイコンを1年経過後の2015年11月、Cypress名で発売しました。このように、買収や合併で既販マイコンがどうなるかの判断は難しいものです。

そんななか、LPCXpressoは、v8へ更新されました(更新日は合併完了直前の2015/11月、LPCOpenは、V2.19のまま更新無し)。また、Kinetis Design StudioやProcessor Expertも更新されております。新マイコン追加等はありませんが、最新版へのUpdateをお勧めします。

Windows XPサポート終了とWindows 10への対応だと思います。どちらのIDEもEclipseベースですので、これも統合などがあるかもしれません。

PSoC 4、PSoC 4 BLE、PRoCテンプレート1.0版発売

CypressのPSoC 4、PSoC 4 BLE、PRoC向けマイコンテンプレート1.0版を1000円(税込)で発売します。
※CypressはマイコンではなくICと仰いますが、ここは解り易く「マイコンテンプレート」と記します。何とか年内発売に間に合いました…(^_^;)。

マイコンテンプレート概要、仕様、動作ボード

テンプレート概要と仕様、PSoC 4開発キットPSoC Pioneer Kit:CY8CKIT-042と、PSoC 4 BLE/PRoC開発キットPSoC 4 BLE Pioneer Kit:CY8CKIT-042-BLEでテンプレートを動作させた時の様子を示します。
これらは、テンプレート付属のもくじ資料P1~P3を抜粋したものです。

PSoC 4/PSoC 4 BLE/PRoCテンプレート概要
PSoC 4/PSoC 4 BLE/PRoCテンプレート概要(もくじP1)
PSoC 4/PSoC 4 BLE/PRoCテンプレート仕様
PSoC 4/PSoC 4 BLE/PRoCテンプレート仕様(もくじP2)
PSoC 4/PSoC 4 BLE/PRoCテンプレート動作(もくじP3)
PSoC 4/PSoC 4 BLE/PRoCテンプレート動作(もくじP3)

開発キット単独でテンプレートを動作させた時を「シンプルテンプレート」、開発キットとBaseboardを接続しLCDやUARTドライバ等の機能を追加して動作させた時を「ベースボードテンプレート」、CY8CKIT-042-BLEのBluetooth Low Energyを動作させた時を「BLEテンプレート」と名付けました。
Bluetooth 4.2認証デバイスの載せ替え搭載については、前回記事を参照ください。

機能追加に使用したBaseboardは、NXPのLPCマイコンテンプレートで使ったものと同じです。詳しくはコチラを参照ください。

Cypress開発キットは、単独でもCapSenseやUART- USB変換等かなりの機能を実装済みで、良質なサンプルファームや自習Videoも多数あります。
そこで、「PSoC 4/PSoC 4 BLE/PRoCの習得」だけでなく、これらサンプルファームを活用、流用したアプリケーションの早期開発、いわゆる「プロトタイピング開発にも役立つテンプレート」として開発しました。

P4以降のもくじに示したように、組込OSを使わずに簡単にマルチタスク処理ができるテンプレートの仕組みや、複数のサンプルファームを流用/活用してテンプレートへ組込み、アプリケーションを開発する方法に重点を置いて説明しています。

既に発売済みのRL78/G1x、LPC8xx、LPC111x、Kinetis Eマイコンテンプレートは、マイコンテンプレートサイトをご覧ください。

マイコンテンプレートサイトは2016年に更新

このサイトへ本PSoC 4、PSoC 4 BLE、PRoCテンプレートの情報も追加予定ですが、今日現在、サイト更新が本テンプレート発売に間に合っておりませんので、ブログでの通知のみとなりました。

全てのもくじ内容を含む「PSoC 4、PSoC 4 BLE、PRoCテンプレート」のご購入方法は、サイト記載と同じですので、ご希望の方は、コチラを参照してください。

年明け後、ゆっくりマイコンサイトの更新をいたします。本年も、いろいろお世話になりました。皆さま、よいお年をお迎えください。

PSoC 4 BLE Bluetooth 4.2認証済み

PSoC Creator起動時に表示されるStart Pageには、最近使ったプロジェクトやサンプルファームだけでなく、Cypressの最新情報が新しい順に表示されます。現在の最上位は、”PSoC 4 BLE now Bluetooth 4.2 Qualified”で、クリックすると当該ページがブラウザで表示されます。

PSoC 4 BLE now Blutooth 4.2 Qualified
PSoC 4 BLE now Bluetooth 4.2 Qualified

上記の関連日本語記事が、12月14日コチラに記載されました。Bluetooth 4.2仕様の4.1からの3つの変更点や、今のところBluetooth SIGの4.2フル機能認証デバイスが、Cypress製品のみであることが解ります。

CY8CKIT-042-BLEへBluetooth 4.2ボード搭載可能

このBluetooth 4.2認証済みのPSOC 4 BLEとPRoC BLEデバイスで、CY8CKIT-042-BLEへ搭載可能なDaughterボードがCypressサイトで各$15で販売中です。

Bluetooth 4.2仕様と4.1仕様のPSoC 4 BLEとPRoC Daughterボード
通称 Bluetooth 4.2 認証済み Bluetooth 4.1認証済み(CY8CKIT-042-BLE搭載)
PSoC 4 BLE CY8C4248LQI-BL583

CY8CKIT-143A
CY8CKIT-143A
CY8C4247LQI-BL483

PSoC BLE Daughterボード
PSoC BLE Daughterボード
PRoC BLE CYBL10573-56LQXI

CY5676
CY5676A
CYBL10563-56LQXI

PRoC BLE Daughterボード
PRoC BLE Daughterボード

 

Bluetooth 4.2仕様のBLEコンポーネントも、BLE 4.1現行版同様、簡単なプロパティ設定で使えます。
現行のCY8CKIT-042-BLE搭載のデバイスで4.2仕様は出来ませんが、同じ設計手法が使えるので安心です。
※CY8CKIT-042-BLE搭載デバイスは、以前の記事を参照してください。

Nexus 5Xなどの新スマホには、Bluetooth 4.2が搭載されています。弊社推薦開発環境のCY8CKIT-042-BLEは、Bluetooth 4.2/4.1両仕様のPSoC 4 BLEとPRoC BLEのDaughterボードが載せ替えられるので便利です。

PSoC 4, PSoC 4 BLE, PRoC習得Videoとテンプレート

2015年11月5日更新のPSoC 101 Video Library、Lesson00~Lesson17を紹介します。
CY8CKIT-042: PSoC 4 Pioneer Kitを使ってCreator基本操作からPSoC 4プログラミングまでが良く分かります。

Lesson内容

  • PSoC 101_Lesson00_Intro
  • PSoC 101_Lesson01_OutputPins
  • PSoC 101_Lesson02_InputPins
  • PSoC 101_Lesson03_Interrupts
  • PSoC 101_Lesson04_HardwarePins
  • PSoC 101_Lesson05_ToggleFF
  • PSoC 101_Lesson06_Basic_Counter
  • PSoC 101_Lesson07_Counter
  • PSoC 101_Lesson08_PWM
  • PSoC 101_Lesson09_Timer
  • PSoC 101_Lesson10_I2CRx
  • PSoC 101_Lesson11_I2CTx
  • PSoC 101_Lesson12_UART
  • PSoC 101_Lesson13_CapSense
  • PSoC 101_Lesson14_StatusReg
  • PSoC 101_Lesson15_ControlReg
  • PSoC 101_Lesson16_Sleep
  • PSoC 101_Lesson17_DeepSleep

英語版ですが、たとえ英語が全く分からなくても、私の下手な解説よりも内容が濃く、解り易いことは確実です。解像度は落ちますが、Videoダウンロードも可能ですので、スマホ等でオフライン視聴もできます。

CY8CKIT-042-BLEプロジェクトもダウンロード可能

CY8CKIT-042にBluetooth Low Energyを追加した弊社推薦開発キットCY8CKIT-042-BLE: Bluetooth Low Energy Pioneer Kit用のプロジェクトファイルもダウンロード可能です。CY8CKIT-042-BLEをお使いの方は、こちらを使って同じ内容が習得できるので便利です(BLE機能のVideoは、以前の記事参照)。

これらの内容を習得すれば、シングルタスクのPSoC 4、PSoC 4 BLE、PRoC開発は問題なくできると思います。

PSoC 4/PSoC 4 BLE/PRoCテンプレート

では、どのような時に開発中のテンプレートが役立つのでしょうか?

これらにより、さらに「実務に向いた実践的で、かつ効率的なアプリケーション開発」ができます。PSoC4/PSoC 4 BLE/PRoCテンプレートは、本年末リリース予定です。ご期待ください。

発売中のRL78/G1x、LPC8xx、LPC111x、Kinetis E対応マイコンテンプレートはコチラを参照してください。

新NXP誕生

NXPによるFreescale買収完了のお知らせメールが来ました。新NXPによる力強いメッセージは、コチラでご覧いただけます。
NXPとFreescaleのマイコンが今後どうなるかは、未だ不透明です。このままX-mas休暇に入るかもしれません。

ルネサス株式の一部売却や、東芝からSony/シャープへの技術移籍/移管が取りざたされています。日本半導体カンパニの先行きも不透明ですね。

DragonBoard 410cが気になる

DragonBoard 410c

入手性が良く価格も手ごろなIoT向けPCは、Raspberry Pi 2 Model Bや先日発売のRaspberry Pi Zeroが有名です。これらボードの比較は、コチラが参考になります。ボードへWindows 10 IoT Coreをインストールする記事も多くあります。

これらIoT向けPCには、ネットワークへ接続するためのEthernetポートを持っています(Pi Zero除く)。IoTセンサマイコンの情報収集や管理を行い、クラウド側コンピュータへ接続するためです。但し、マイコン側への接続は、GPIO経由でした。

ここに少し違和感を覚えていたのですが、この違和感が無いIoT向けPCが「DragonBoard™410c」です。

マルチOS対応のDragonBoard™410c

  • Android 5.1
  • UbuntuベースLinux
  • Windows 10 IoT Core

DragonBoard™410cで動作するOSは3種類です。Windows 10 IoT Coreは当然でも、Android 5.1も動作すること、IoTマイコン無線接続に使えるBluetooth 4.1を実装済みであることが気に入っています。Raspberryとの比較は、コチラを参照してください。

日本では、アロー・ユーイーシー・ジャパン株式会社とチップワンストップが独占販売するそうです。

Windows 10 IoT CoreとAndroidメリット

どちらのOSもBluetoothをサポート済みです。ボード購入時にインストール済みのAndroidには、直ぐに使えるアプリが多くあります。開発環境もVisual Studioがあれば、UWP:ユニバーサルWindowsプラットフォーム開発がなんとかなりそうです。

まだ参考記事数は少ないですが、今後いろいろな情報が出てくればと期待しています。

RL78/G1x機能比較と開発コンパイラの今後予測

RL78/G10の初期設定アプリケーションノートがRev.2.00に改版されました(ルネサスサポート情報 Vol.267 2015年11月26日発行)。この改版内容から、RL78/G1xコンパイラの今後を予測します。

汎用マイコンRL78/G1xの特徴

RL78/G1xの解り易い機能比較を示します。
RL78ファミリカタログを観ると、品種が多く機能満載なRL78は解るのですが、弊社テンプレート対象の汎用マイコンRL78/G1xの特徴は、逆に見えなくなるので、この比較図は重宝します。

RL78/G1x機能比較
RL78/G1x機能比較

最初の3列:RL78/G13~G10が、汎用中の汎用マイコン、G1A~G1Eがこれらに、右赤で表記した機能を強化したマイコンという構成です。

RL78/G1Dが、開発中のPSoC 4 BLEテンプレート対抗機です。Bluetooth Low Energyを搭載すると128 – 256KBのフラッシュROMが必要になり、IEEE802.15.4e/g搭載のRL78/G1Hでは、256 – 512KBに増えることが解ります。この容量では、残念ですが64KB制限の無償CS+を使うことができません。

もちろん、以前示したように上手く機能分割すれば無償版での部分開発も可能ですが、BLEや802.15の部分のみで64KBを超えることは、PSoCの例から考えると確実です。
現状の無償版制限がなくならない限りRL78/G1DやG1H開発は、かなりのコストアップになるでしょう。

RL78/G1xのCA78K0RコンパイラとCC-RLコンパイラ

現在のRL78/G1xテンプレートVer5は、CA78K0RとCC-RL両方のコンパイラに対応しています。

しかし、RL78/G10の初期設定アプリケーションノートRev.2.00の改定記録A-1ページを見ると、改定内容のCS+動作確認バージョン表2.1にCA78K0Rは含まれず、CC-RLコンパイラのみとなっています。
これは、新しいアプリケーションノートは、CS+ for CA, CXの「CA78K0Rコンパイラ動作確認はしない」とも読めます。深読みかもしれませんが、安全側の読みをすればこうなります。

RL78/G1xを使った出荷済み製品には、まだCA78K0Rコンパイラ版で開発したプログラム搭載機が多くあると思います。ルネサスからの正式な発表はありませんが、上記の状況を考慮すると、今後製品改良または、新規製品開発には、CC-RLコンパイラの利用が必須と考えます。

これらの事から、弊社RL78/G1xテンプレートも次版からは、「CC-RLコンパイラのみを対象」とする予定です。どうしてもCA78K0Rコンパイラ版が必要な方は、Ver5テンプレートのままですが提供いたします。

RL78/G1xテンプレートVer5は、CA78K0Rコンパイラでの動作確認もしています。ご安心ください。

半導体業界動向に惑わされないマイコン技術習得

NXPによるFreescale買収など、マイコン半導体ベンダーの動きが激しい2015年末ですが、唯一ともいえる日の丸半導体、ルネサスエレクトロニクスの筆頭株主の産業革新機構が、保有するルネサス株式の一部売却の検討に入ったというニュースが、11月21日報道されました。

売却先候補は、トヨタやパナソニックなどの日本企業と、ドイツ)インフィニオンなどが挙がっています。

日本企業がルネサスを保持したい理由は、自動車向けの需要や、相対的に弱体化した日本エレクトロニクス業界の現状が背景にあると思います。もちろん、日本人開発者にとっても、日本語環境や日本語コミュニティが提供されるルネサスマイコンは貴重な存在です。

今後の機構の動きは、要注意ですね。因みにルネサスのSynergy詳細が明らかになりました。
記事によると、“既存ファミリ「RX」「RZ」「RL」は長い成功の歴史があり、今後のロードマップが決定しており、顧客に長期サポートを約束しているので、ロードマップ変更ができない”、そこで、新たなCortex-M系を用いたSynergyが米国で開発されたようです。

つまり、「RX」「RZ」「RL」が既存国内資産継承と車載向け、「Synergy」が半導体業界の“Apple”目標のUS発新設計基盤でIoT向けのようです。
だとすると、この2つでルネサスを分割するシナリオが、最もありそうだ、と思いますが…?

マイコンは、「ARMとそれ以外」にコアが別れ、「車載とIoT」でマーケットが決まりつつあります。
自動車産業と同様、国レベルで保護や競争がある半導体業界のM&Aは、予測の域を超えています。しかし、状況がどう変わっても「開発者が生き残れる技術蓄積は必須」です。

シンプルな弊社マイコンテンプレートも、その1つになればと願っております。

PSoC 4 BLE Video Libraryの勧め

弊社推薦の評価キットCY8CKIT-042-BLE: Bluetooth Low Energy Pioneer Kitを使ってCypressのPSoC 4 BLEを自習する際に、とても役立つVideo Libraryを紹介します。

英語版ですが、PSoC CreatorのBluetooth Low Energy: BLEコンポーネント設定方法の解りやすい解説が得られます。Bluetooth仕様を全く知らなくても(=Zero Knowledge)、BLEコンポーネントの設定ができ、BLEを使ったアプリケーション開発ができる(かもしれません)。

ここが、このPSoC 4 BLE Video Library の優れた点です。
つまり、Bluetooth仕様理解よりも実用的な「BLEアプリケーション開発を重点に解説」しているので、解りやすく、かつ評価キットのみで動作確認ができます。「Bluetoothの必要最低限仕様を理解すれば開発ができる」のです。

Video Libraryアクセス方法

  1. PSoC Creator Start PageタブのProduct InformationのPSoC 4 BLEをクリックします。

    PSoC Creatorのクリック
    PSoC Creatorのクリック
  2. Cypressサイトが表示されますので、右のDESIGN SUPPORTのVideo Libraryをクリックします。

    Cypressサイトのクリック
    Cypressサイトのクリック
  3. Video Libraryページが表示されますので、PSoC > PSoC 4 BLEと選択すると、PSoC 4 BLE 101:1~6を含め2015年11月現在13個の動画が閲覧可能です。番号101は、内容が初心者向きであることを表すと思います(たぶん、20X、30Xが、中級/上級内容)。

    Video Libraryのクリック
    Video Libraryのクリック

ネットワーク回線が遅い、またはパソコンVideo能力が低い場合には、解像度は落ちますが個別にダウンロードも可能です。

Videoダウンロードのクリック
Videoダウンロードのクリック

* * *

内容が解りやすいことに加え、CreatorのAPI入力支援機能を使ったファームウエアソースの作成が「みもの」です。少量のソース追記で、実用的なBLEアプリケーション開発ができ、かつ拡張性も高いことが解ります。

これらソースは、Videoのように手動入力も可能ですが、CreatorのCode Exampleやキット付属ファームに同じものがあります。

BLEコンポーネントのGUIでBluetooth仕様が設定でき、さらに基本的な項目の設定さえできれば、その他はデフォルトで良さそうです。これなら、「UARTと同レベル」とまでは言い過ぎですが、簡単にBLEアプリケーションが開発できそうです。

Video Libraryには、紹介したPSoC 4 BLE以外にも多くの動画があります。聞きやすい英語で語られていますので、Cypressマイコン開発時は、是非視聴されることをお勧めします。

PSoC 4、PSoC 4 BLE、PRoC BLEサンプルファーム利用方法

Cypress評価キットCY8CKIT-042とCY8CKIT-042-BLEのサンプルファームを整理して示します。
前回の両キットへ機能追加する方法と合わせて、多くのCypress提供サンプルファームを効率よく使って、PSoC 4、PSoC 4 BLE、PRoC BLEを習得するためです。

Cypressの3サンプルファーム提供方法

一般的なマイコンベンダーは、AN:Application Noteと、IDE付属の「2つ」の方法でサンプルソフトを提供します。
※Cypressは、サンプルソフトを上位アプリケーションソフトと区別し、サンプルファームと呼びますので、以後ファームと記述します。

IDE付属は、マイコンの基本機能毎のファーム例、一方ANは、説明:Noteが必要な機能のファーム例です。

Cypressでは、さらに評価キット毎のファーム例も提供しますので、合計「3つ」のサンプルファーム提供方法があります。
評価キット付属ファームは、「キットのみ」で動作確認ができ、IDE付属ファームは、前回示した評価キットに「別途回路追加」が必要なものも含まれる点がその違いです。一覧にすると下表になります。

ファーム提供方法 提供場所 状況と概要(2015/11現在)
評価キット付属 CY8CKIT-042評価キットサイト 下記4種提供中

CY8CKIT-042サンプルファーム

CY8CKIT-042-BLE評価キットサイト 下記9種提供中

CY8CKIT-042-BLEサンプルファーム

AN AN90799などの個々にサイト提供 多数提供中

2015/10/2記事など

IDE付属 PSoC CreatorのCode Exampleで
PSoC 4200 BLEなどデバイス毎に提供
多数提供中

Code Exampleファーム

サンプルファーム留意点

CY8CKIT-042とCY8CKIT-042-BLEどちらの評価キット付属ファームもインストールすること

留意が必要なのは、CY8CKIT-042-BLEキット付属サンプルファームに、CY8CKIT-042キット付属のBlinking_LED(いわゆるLチカ)やDeep Sleepなどの最もベーシックなプロジェクトが無いことです。
理由は、これらプロジェクトが-042キットだけでなく、-042-BLEへも適用できるからです。

従って、CY8CKIT-042-BLEのみ購入した開発者でも、PSoC CreatorへCY8CKIT-042付属サンプルファームもインストールすることをお勧めします。
※⊞Kitsタブを開くとPSoC Creatorにインスト済みのキット付属ファームが表示されます。

なお、キット付属サンプルファーム単体の更新も行われます。因みに、CY8CKIT-042-BLE最新版は、10/06に更新されRevision *Fになりました。更新は、Update Managerまたは自動更新です。

IDE付属ファームのPDF説明書は、CY8CKIT-042を主として記述

CY8CKIT-042のリリースがCY8CKIT-042-BLEよりも早かったために、IDE付属ファームは、ADCなどの基本機能ほどCY8CKIT-042を主体に解説されています。
しかし、IDE付属ファームを基にプロジェクト化した時、Workspace Explorerに表示されるPDF説明書を注意して読めば、両キットのピン対応表などの注意事項が記載されているので、問題はないでしょう。

Workspace ExplorerのPDF説明書
Workspace ExplorerのPDF説明書

* * *

前回の評価キットへ簡単に機能追加するmbed-Xpresso Baseboardを使う方法と、今回の整理結果を念頭に置けば、サンプルファームを利用して効率良くPSoC 4 BLE、PRoC BLE、PSoC 4の習得ができると思います。

先ず評価キットのみで動作させるなら、評価キット付属サンプルファームで動作確認します。CY8CKIT-042-BLEのみ購入した開発者の方でも、CY8CKIT-042のサンプルファームをインストールし、Sleepなどのベーシック機能の動作確認もします。

プロジェクト変換方法

CY8CKIT-042プロジェクトをCY8CKIT-042-BLEプロジェクトへ変換するには、下記2方法が可能です。

  1. CY8CKIT-042-BLEで新規プロジェクトを作成し、CY8CKIT-042のTopDesign.cyschをコピー後、デザイン・ワイド・リソースを設定
  2. プロジェクト毎コピーして、Device SelectorでデバイスをCY8C4245AXI-483からCY8C4247LQI-BL483へ変更。さらにデザイン・ワイド・リソースを修正。