ルネサスツールニュース2016年4月16日号でIDEのCS+がV4、e2 studioがV5の更新が発表されました。
更新は、通常手順で問題ありません。しかしCS+は、セキュリティソフトAvastとの相性問題か、脅威検出が発生しました。
更新方法
CS+は、アップデートマネジャの起動で更新されます。但し、ラピッドスタート有効時は、一旦CS+を終了しアップデートマネジャ単独での処理が必要です。
e2 studio V5(Eclipse 4.5:Marsベース)は、V5のインストーラをダウンロードし、新規インストールが必要です。前版からは、V5へ更新できません。
これはEclipseベースのIDEでは周知のことで他社、例えば旧FreescaleのKinetis Design Studioも同様でした。
更新結果
CS+は、Windows 8サポートが終了し、Windows 10または8.1利用が必須となりました。
また、CS+起動時にMy Runesasへのログインダイアログが表示されるようになりました。ログインすると、同意確認ダイアログが表示されます。Windows 10の情報収集と同じような機能だと思います。
![MyRunesas Login and Confirmation](http://happytech.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/04/32f76abc5067987f28bc7e1243954838.png)
気持ちが悪い人は、CS+起動後にヘルプ>プライバシー設定(Y)…で同意の変更が可能です。
![Privacy Setting](http://happytech.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/04/139003efea84f837fbf40c0d55a0738e.png)
e2 studioは、V5インストーラ起動後、アップグレードか別フォルダへのインストかを選択し実行します。追加ソフトウエアで、CC-RLコンパイラやKPIT GNU RL78コンパイラが選択インスト可能です。
![e2 studio v5 setup](http://happytech.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/04/821a2f564e026ba01f2e48cc237a1aa4.png)
更新完了で下図となります。
![e2 studio v5](http://happytech.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/04/7618c858e5b2d7c9ffff6eaa976cbbbd.png)
AvastとCS+の相性
旧CS+では生じなかったセキュリティソフトAvastから脅威検出が発生しました。この現象は、過去のCS+更新時にも生じた経験があります。
![Avast Block Report](http://happytech.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/04/f5da17948874c97003fb37fbd189746d.png)
今回は、「スキャンから除外するリストに追加」で対処しました。Avast以外のセキュリティソフトでも発生する可能性がありますので、参考にしてください。
e2 studio所感
e2 studioをCS+の代わりにRL78/G1xマイコン開発で使う必要性は、「今のところ無い」と思います。
「なれ」の問題もありますが、コード生成ツールや、デバッガの基本的な使い方などは、CS+と同じであることが理由です。敢えて差分を示すと、今回のツール更新方法やCコンパイラが選択できること、デバッガ接続方法などです。
また、他社と比べベースとなったEclipse IDE更新が数か月遅れなのも気になります。
最近のルネサスサンプルコードは、CS+とe2 studioの両プロジェクトが一緒に提供されます。狙いはe2 studioの普及だと思います。
汎用のIDEであるEclipseになれるという目的でe2 studioを使うのは良いかもしれませんが、ルネサスMCU専用のIDEであるCS+よりも使いやすいとは言えません。
いずれにせよ、e2 studioは、要観察を続ける予定です。