GeminiとCopilot

Microsoft Copilot対Google Gemini
Microsoft Copilot対Google Gemini

Microsoft CopilotとGoogle Geminiの使い方と特徴を簡単にまとめます。最新Gemini 1.5 Proは、GPT-4oを上回る性能と聞いたからです。生成AI性能評価は、専門家に任せ、我々利用者は、両者の特徴や使い方を知っていれば十分です。

生成AI(GeminiやCopilot)ができること、注意点

会話型AIサービスGoogle Geminiは、Microsoft Copilotのライバルです。専門家によると、2024年5月公開の最新Gemini 1.5 Proは、GPT-4oより高性能だそうです。生成AI関連の開発スピードは凄まじいです。

激変AIサービスの利用側は、生成AI利用時の最低限の知識、無償版GeminiとCopilotの使い方や特徴を知っていれば、十分使えます。業務にAIを活用することは、当たり前になりつつあります。先ずは、手軽に無償版生成AIを使い、その特徴や癖を掴んでいけば良いと思います。

生成AI利用時、最低限の注意点、会話型生成AIサービスができることが以下です。

生成AI注意点:ハルシネーション(幻覚)。AIが事実と異なる情報を生成し、まるでAIが幻覚を見ているかのように、もっともらしい回答を生成する現象。AIは、大量のテキストから単語関連性やパターンを学習し、つながる確率の高い単語を使って回答を生成するのが原因。対策は、ユーザ自身による回答出典先確認。

会話型生成AIサービスができること:テキストやPDF、ブラウザ表示中のページ要約が得意。これ以外に、ネット検索や翻訳、AIスマホが得意な画像認識や生成なども可能。有償版は、無償版の制限緩和や高度なプログラミング開発支援もできる。

※生成AI牽引企業GOMA(Google、OpenAI、Microsoft、Anthropic)は、コチラの投稿参照。

Geminiの使い方、特徴

Google Geminiログイン画面
Google Geminiログイン画面

Geminiは、GeminiページへGoogleでログインすると、新しくGemini専用ページが開き、ページ下のプロンプト欄へ質問や相談を入力すると、ページ上にGeminiのAI回答が示されます。

Gemini回答は、最新ネット情報に基づいています。ここが、ChatGPTベースのCopilotと異なる点です。ChatGPTは、GPT-3.5なら2021年9月までの学習済みデータからCopilot回答を生成します。

弊社7月19日ブログのGemini要約例を示します。

Gemini要約画面。画面下がプロンプト欄。画面上にGemini回答と出典が示される。
Gemini要約画面。画面下がプロンプト欄。画面上にGemini回答と出典が示される。

また、Geminiへ一般的な質問や相談をした場合は、「回答を再確認」ボタンが現れ、これを押すと、Gemini回答の基になったリンクが示されますので、ハルシネーション対策ができます。

Googleログインを使うGeminiは、スマホでよく使うGoogle MapやGoogle Photoなどと連携性が良い会話型生成AIサービスです。

Copilotの使い方、特徴

Copilotの使い方は、コチラの投稿、Afterwordに示しています。

Copilot活用ページ概要生成
Copilot活用ページ概要生成

Microsoftへログインすると、Edgeページ右上にCopilotボタンが表示されます。このボタンを押すと、ページ左側からCopilotエリアが現れます。このエリア内に、ページ概要生成やページ関連質問、会話スタイル選択など良く使うボタンが初めから用意されていますので初心者でも使い易いと思います。

有償版では、WordなどのOfficeアプリとCopilotを連携し、下書き作成や企画書テンプレート自動作成なども可能です。Geminiよりも、Windows PCとの連携を強化しています。

Summary:GeminiとCopilot使い方と特徴

AIスマホとの連携性が良いGeminiは、最新Googleネット情報を基にAI回答を生成します。また、回答再確認ボタンで、AI回答の基リンクが示されるなどハルシネーション対策ができます。

Windowsアプリとの連携性が良いCopilotは、使用するChatGPT版数により学習済みデータ作成年月が異なります。ページ概要生成や会話スタイル選択ボタンが用意済みなど、初心者に判り易いユーザインタフェースです。

Geminiは、Googleログイン、Copilotは、Microsoftログインが必要です。Google/Microsoftともにログインユーザ情報を収集し、より良いAI回答や、次期AI開発に活かすためでしょう。

AI活用は、当然の業務になりつつあります。現在AIサービスは過渡期ですが、安定期まで待って利用開始するより今使い始め、回答やその注意点、癖に慣れると、業務AI活用性を高めると思います。

Afterword:パーソナルAIエージェント(AIアシスタント)の鍵、NPU

販売中Copilot+ PCのNPU TOPS値は、GPUより小さいのが一般的です。例えば、Lunar Lake SoCは、 トータル120TOPS=NPU48+CPU5+GPU67です。この理由が、コチラの記事で解りました。

つまり、GPUでもできるAI処理を、NPUは徹底的に低電力処理できるようにワットパフォーマンスを最適化します。例えば、数時間のビデオ会議でAIが常時同時翻訳をしても、低電力NPUならバッテリー動作も大丈夫となるなどです。

PC/スマホどちらもパーソナルAIエージェント(AIアシスタント)実現に、低電力NPUの常時バックグラウンド学習動作が鍵となりそうです。


Copilot+ PC CPU 24年7月現状

Copilot+ PC CPUまとめ(24-06編)の続編です。7月16日、Intel/AMD/ArmのCopilot+ PC CPU状況が判るPC Watch記事が掲載されました。この記事をメインに、ノートPC向けCopilot+ PC CPUの24年7月現状をまとめます。

Edge Copilot記事要約

上記記事をEdgeで開き、右上Copilotアイコンクリックとページ概要を生成するで生成した概要が下記です(厳密会話スタイル)。

Ryzen AI 300シリーズの特徴: AMDの新しいRyzen AI 300シリーズは、50TOPSの性能を持つXDNA 2アーキテクチャを採用し、他の競合製品を上回る性能を実現しています。

異種混合CPU: Ryzen AI 300は、Zen 5とZen 5cの異種混合CPUを搭載し、高性能と低消費電力を両立しています。

Block FP16: 新しい浮動小数点精度であるBlock FP16に対応し、INT8と同等の性能を持ちながらFP16の正確性を提供します。

将来の展望: AMDは今後もRyzen AI 300シリーズの性能向上を目指し、次世代製品の開発を進めています。

筆者記事要約

記事要約としては、前章で良いのでしょう。若干判り難いので、いつものように筆者が要約します。

記事筆者:笠原 一輝氏作成のCopilot+ PC向けSoC仕様が下記です。

Copilot+ PC向けSoc仕様(出典:PC Watch記事)
Copilot+ PC向けSoc仕様(出典:PC Watch記事)

Qualcomm Snapdragon Xが、Copilot+ PCとして発売中のArmコア搭載CPUです。

NPU単体は、7月発売AMD Ryzen AI 300が50TOPS、3Q24発売予定Intel Lunar Lakeが48TOPS(SoC全体はNPU48+CPU5+GPU67=120TOPS)と、先行Armの45TOPSよりも後発の強みを活かし勝っています。

但し、TOPS測定が、各社同一単位FP16/INT8評価か、NPU単体での消費電力はどの程度か等、不明な点も多く、±2TOPS程度は誤差範囲で3社横並びと筆者は思います。

AMD Ryzen AI 300搭載Copilot+ PC 8月発売

HP OmniBook Ultra 14(出典:www.engadget.com)
HP OmniBook Ultra 14(出典:www.engadget.com)

2024年8月に、現在最高NPU性能Ryzen AI 300搭載のCopilot+ PC要件を満たすノートPC:HP OmniBook Ultra 14が発売されます(日本円で23万円から)。しかし、まだCopilot+ PCとは呼ばずにAI PCと呼んでほしいそうです。

その理由は、Armアーキテクチャではなく、x86アーキテクチャだからです。Copilot+ PC CPUリストに今は入ってないからでしょう。

つまり、AI処理本体Windows Copilot Runtimeがネイティブ動作では無く、Armエミュレーション実行です。逆に、従来アプリx86/x64互換性は、Arm CPUに比べ問題が少ないと言えます。

※従来アプリの1つEclipse IDEをベースとするMCU開発ツールも、Win10→Win11アップグレート時、MCUベンダが暫く旧Win10利用を勧める場合がありました。但し、筆者はx86/x64アプリ互換トラブルに遭遇した経験はありません。

筆者推定ですがSoC全体でNPU50+CPU5=55TOPSです。Windows Copilot RuntimeネイティブArm PCと、非ネイティブx86/x64 PCで、AI処理にどの程度差がでるか気になります。Windows専門家評価を待ちたいです。

Intel Lunar Lakeメモリ上限32GB

Intel Lunar Lakeパッケージ(出典:ASCII記事)
Intel Lunar Lakeパッケージ(出典:ASCII記事)

2024年7月15日、ASCII記事に、Intel Lunar LakeのSoC搭載DRAM上限が32GBで増設できない理由が示されています。記事筆者:大原 雄介氏は、この上限は、次期CPU:Arrow Lakeまで続くと推定しています。

Microsoft Copilot+ PCのメモリ要件は、16GB以上の「DDR5/LPDDR5」です。普及しているDDR4 RAMよりも高速/高価格なDDR5を活かしきれず、かつ上限があるDRAMオンチップ化は、SoC全体の低電力を重視したとは言え、裏目に出たようです。

32GB RAM上限とDDR5高速を活かせないLunar Lakeが、AI PC処理に及ぼす影響も、Windows専門家評価を待ちたいです。

Summary:Copilot+ PC CPU 24年7月現状

2024年7月時点のArm/AMD/Intel Copilot+ PC(AI PC)向けCPUを一覧表にしました。

24年7月AI PC CPU ターゲット NPU単体性能 備考 発売
Intel)Lunar Lake ノートPC 48TOPS 40%SoC電力削減
Max. 32GB RAMオンチップ
24年3Q
AMD)Ryzen AI 300 ノートPC 50TOPS TDP28W 8月発売
Arm)Snapdragon X ノートPC 45TOPS Copilot Runtimeネイティブ対応 発売中

発売中Arm CPU単体NPUの45TOPSに対し、後発AMD Ryzen AI 300 CPUは50TOPS、Intel Lunar Lakeは48TOPSと数値ではAMD/Intelが勝ります。

しかし、Windows Copilot RuntimeによるAI処理をネイティブ処理するArm CPUと、エミュレーション処理するx86/x64 Intel/AMD CPUで、AI処理にどの程度差が出るか、Lunar LakeのMax. 32GB RAM上限と速度が、どの程度AI処理に影響するか、さらに、Arm CPUの従来x86/x64ビジネスアプリ互換性なども専門家評価を待ちたいです。

※ゲームアプリに関しては、前投稿(2章)で、互換性問題なしの結果が出ています。

先行Arm CPUに、後発AMD/Intel CPUがやっと追いつき、AI PC性能に大差無し、と筆者は思います。

Afterword:後発AMDとIntelのSoC考え方

AMD Ryzen AI 300パッケージ(出典:PC Watch記事)
AMD Ryzen AI 300パッケージ(出典:PC Watch記事)

最初のPC Watch記事に、Armアーキテクチャを追いかける後発AMDのCopilot+ PC SoCの考え方が示されています。AMDは、「先ず性能が最優先事項、その次が電力効率など」という考え方です。

一方、Intelは、「電力効率を最優先」し、DRAMをSoCに組込んだのでしょう。しかし、その副作用が、4章ASCII記事の内容です。

人類が避けられない技術進化がAI PCです。筆者は、パーソナルAIアシスタント(AIエージェント)PCに期待しています。

AI処理を実用可能レベルで高速実行するには、PCハードウェア選び、端的に言えばCPUが肝心なのは、前投稿でも示しました。AMDとIntelのCopilot+ PC SoCの考え方の違い、現状CPUと次期Arm/AMD/Intel CPU動向などにも注意しながら、新Windows PC CPU選択が必要だと思います。


2~3年先Windows PC予想

2~3年内に新しいWindows PC購入を検討中です。激変中のWindows PC環境(OSとハードウェア)を整理し、今後(2~3年先)のWindows PCを予想します。筆者はWindows専門家ではありませんので確度は低いかもしれません。しかし、予想を持つ方が、様々な情報理解に役立つと思います。

激変Windows PC状況

  • 2025年10月Windows 10サポート終了
  • 今期Windows 11 24H2リリース予定
  • 次期Windows 12リリース、アップグレート要件不明
  • 2024年6月Microsoft Copilot+ PC発売開始

Windows PC環境、OSとハードウェアの状況です。激変を牽引するのは、パーソナルなAI PC化です。これら関連の多くの情報が溢れています(関連投稿:情報機器大転換期)。

2~3年先Windows ハードウェア予想

新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)
新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)

Copilotキーの新規追加、40TOPS以上のNPU搭載、16GB以上のDDR5/LPDDR5 RAM搭載、Microsoft Pluton Securityプロセッサ搭載など6月発表のMicrosoft Copilot+ PCは、現行Windows PC比、かなり高性能で新しいハードウェア構成です。その目標は、先行するAIスマホ機能の取込みに加え、AIアシスタントPCへの進化です。

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するには、ハードウェア選びが肝心です。そして、低電力動作。AIアシスタントと相性の良いモバイルノートPCを1日中フルに使っても、バッテリーに十分な余裕が必要だからです。

MacだけでなくWindows PCのCPUでも、従来Intel/AMDのx86/x64から、Armアーキテクチャへ変わりつつあるのは、このバッテリー持ちの良さ、電力効率の良さにあります。

但し、過去x86/x64ビジネスソフトウェアのArmアーキテクチャCPU動作検証が必要です。Armは、Prismでx86/x64エミュレーションを実行し、ゲームソフトは、ほぼ問題なく動作するようです。また、AIスマホは、ほぼArmベースですので、AIスマホ機能の取込みもx86/x64比、有利だと思います。

新しいAI半導体供給には、年単位の時間が必要です。高性能AI半導体を使うAI PCの2024年出荷は、わずか3%、2028年にようやく40%台という調査会社IDC予測があります。一方、Lenovoは、今後3年間でAI PCは一気に普及し、2026年出荷全体の60%を占めると予想しています。

筆者は、Lenovoに近い予想です。パーソナルAIアシスタント機能を持つPCと、これが無いPCでは、生産性や作業効率に格段の差が生じるからです。例えば、Office作業は、AI Copilot活用でプライオリティの低い作業は、激減すると思います。

2024年は、円安(7月161円/$)影響で、日本では高性能AI PCハードウェアは価格が高く手が出ません。2025年~2026年は、Win10サポート終了とAI半導体の安定供給時期が重なり、世界的なAI PC需要の伸びとハードウェア低価格化が期待できると思います。

AIノートPC代替ミニPC

ミニ PC - NucBox K8(出典:GMKtecサイト)
ミニ PC – NucBox K8(出典:GMKtecサイト)

現状のAI PCは、AIアシスタントとの相性が良いノートPCが主流です。しかし、筆者のように主にデスク上でPCを使う方は、ミニPCという選択肢もあります。

ミニPCは、簡単に言うとモニタなしのノートPCです。常時外付けデスクモニタと接続して利用します。ハードウェア構成は、ノートPCとほぼ同じで、モバイル性を犠牲にした代わりに拡張性があります。例えば、GMKtecNucBoxなどです。

ArmミニPCは、現在ラインナップに有りません。しかし、バッテリーを気にする必要が無いので、有力な高性能AI PCハードウェア候補と考えています。

2~3年先Windows OS予想

現行Win11 23H2の後継は、サービス期間2年想定のWin11 24H2です。この2年間(2024年~2026年)に、Win10サポートが終了しますので、Win11 24H2(またはWin11 25H2)の役目の1つが、多くのユーザ利用中のWin10代替OSでしょう。

Win10からWin11へのアップグレートは、TPM 2.0要件などありますが、大きな障壁ではありません。また、障壁回避アップグレード方法もあります。この意味で、Windowsユーザ離れは回避できると思います。

結局、現行x86/x64 Windows PCでも、2026年~2027年頃まではアップグレートWin11運用が可能です。

問題は、アップグレートWin11が、Microsoft想定のCopilot+ PC OSと異なる点です。つまり、高度なAI処理に手間と時間、電力消費が懸念される点です。但し、実際はどのようなAI処理をPCユーザが好み、どこにAI PCの大きな需要があり、それらを支援するAI OS機能は何かを見極める必要があります。

AI処理は、この見極めが必須なぐらいサービス/アプリによるソフトウェア負担も大きいのです。汎用的にAIをPCで活用するには、Copilot+ PCよりも更に高性能ハードウェア、例えば高TOPS NPUや大容量メモリが必要になると思います。

Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)
Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)

Copilot+ PCのAI OS処理は、Windows Copilot RuntimeがArmネイティブ動作のため、x86/x64比、電力効率に優れます。2024年~2027年は、従来のx86/x64 Win11と新しいArmネイティブOSの併存期で、Armネイティブ特性を活かすAIサービス/アプリとAI OS機能の見極め期間です。

例えば、Copilot+ PCのRecall検索機能は、導入前にプライバシー配慮に対する改善が入りました。パーソナルAIアシスタントとプライバシーは、セキュリティバランスを考慮したガイドラインなどが必要でしょう。

※既にWin11 23H2でもスクリーンショットがユーザ同意なしにピクチャライブラリへ自動保存(!?) されますが…。

次期Win12は、この新旧OS併存期の結果から「2025年~2026年末頃、本格的パーソナルAIアシスタントOSとして新登場」すると思います。

次期Win12はWin11からアップグレートできるか?

6月発売Microsoft Copilot+ PCのOSは、Armネイティブ動作Windows Copilot Runtimeを持つWin11 23H2です。このCopilot+ PCハードウェア構成のPCは、おそらく新しいWin12へアップグレートできるでしょう。

前章のAI OS見極め結果にも依りますが、Win12登場が遅れれば遅れる程、6月Copilot+ PCとのスペック乖離が進みます。筆者がWin12登場を遅くても2026年末としたのは、この乖離を少なくするためです。

逆に言うと、「Win12アップグレート最低条件が、6月Copilot+ PCスペック」となりそうです。

Summary:2~3年先Windows PC予想結果

ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)
ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するにはハードウェア選びが肝心です。さらに、モバイルノートPC向けに、低電力動作も必須です。

本格的AI OSのWindows 12登場は、2025年~2026年と予想しました。このWin12アップグレート要件未達とならないよう、2025~2026年内に、出来るだけ高性能なAI PCハードウェア購入を検討中です。

有力候補に、バッテリー動作を気にする必要が無いミニPCハードウェア案を示しました。

Afterword:ネットカフェPCにWin11 23H2登場→Win12?

過去Win10のみであったネットカフェPCに、Win11 23H2搭載PCが登場しました。今後Win11比率も徐々に高まるでしょう。新しいWin12が、個人PCのNPU学習結果を、Microsoft Pluton SecurityプロセッサとOneDriveを使って同期できれば、公衆ネットカフェPCでもパーソナルAIアシスタントが使えます。

パーソナルAIアシスタントのクラウド化、これならOfficeが付いたOneDrive利用も喜ばれるでしょう!

RA用FSP v5.4.0リリース

2024年6月27日、ルネサスRA用FSP v5.4.0同梱e2 studio 2024-04がリリースされました。セミナ参加のため、久しぶりに最新FSPへ更新したところ、弊社RAベアメタルテンプレートのFSPバージョン出力にバグを発見しましたので修正対策を示します。

Summary:FSPバージョン出力コード修正箇所

修正前:コンパイルエラ発生(RttViewer.cのL41)

APP_PRINT(“\r\n–> Current FSP version is v%d.%d.%d.”, version.major, version.minor, version.patch);

修正後:version_id_bをmajor/minor/patch前に追加

APP_PRINT(“\r\n–> Current FSP version is v%d.%d.%d.”, version.version_id_b.major, version.version_id_b.minor, version.version_id_b.patch);

修正後のJ-Link RTT ViewerによるFSPバージョン出力結果です。

J-Link RTT Viewer V7.96qのFSPバージョン出力
J-Link RTT Viewer V7.96qのFSPバージョン出力

最新RA用開発ソフトウェアツール

無償版RAファミリソフトウェア開発ツールは以下3つで、現時点の最新版が下記です。

  1. e2 studio:統合開発環境、Version 2024-04
  2. FSP:Flexible Software Package、RA用API生成ツール、Version 5.4.0
  3. SEGGER J-Link RTT Viewer:printf出力ツール、Version 7.96q

開発には、FPB-RA6E1/RA4E1などのハードウェアツールも必要です。本稿は、上記3ソフトウェアツール更新に焦点を当てます。

2022年4月30日のRAベアメタルテンプレート開発・発売から2年経過し、3ソフトウェアツールがそれぞれ更新されました。ツール更新に伴い、本稿のようなトラブルが発生する場合があります。その対策を示します。

コンパイルエラ対策

最新ツールへ更新後、以前のエラーフリーソースをコンパイルすると、以下のエラが発生します。

コンパイルエラ発生個所
コンパイルエラ発生個所

メンバ名major/minor/patchが不明なのが原因です。

対策に、version定義のfsp_pack_version_tを調べます。fsp_pack_version_tへカーソルを移動し、F3をクリックすると、fsp_pack_version_t定義箇所fsp_version.hへ自動的に移動します。

FSP Pack version構造体
FSP Pack version構造体

※F3クリックは定義検索に便利。これはEclipse IDE共通機能。

fsp_pack_version_tは、過去有った構造体が無くなっています。そこで、ソースmajor/minor/patchの前に、version_id_bを加えるとコンパイルエラは無くなります(構造体と共用体投稿はコチラ)。

e2 studioとRA用FSP更新

統合開発環境e2 studioとRA用FSPは、別々の更新タイミングです。各更新タイミングで、それぞれを最新版へ更新するのも1方法です。

しかし、これら2つを同梱し、同時に最新版へ更新できるWindowsパッケージが、FSP v5.4.0 with e2 studio 2024-04です(Mac/LinuxパッケージはリリースGitHubにあり)。同梱パッケージは、更新2度手間が省けるだけでなく、個別更新トラブルも避けられます。

同梱パッケージは、個別インストール版よりも数か月遅れてリリースされますが、お勧めの更新方法です(同梱投稿はコチラのまとめ参照)。

SEGGER J-Link RTT Viewer更新

SEGGER J-Linkダウンロードサイト
SEGGER J-Linkダウンロードサイト

RTT Viewerは、既存版が自動的に最新版へ更新されます。しかし、SEGGER社リンクから直接最新版をダウンロードするのも1方法です。古いVersionをお使いの方は、この方法も良いでしょう(RTT Viewerのprintfデバッグ関連投稿はコチラ)。

Afterword:環境依存トラブル対策

今回のような更新トラブルは、組込み開発では良くあります。開発品を顧客へ納入後、数年経ってから機能追加/修正の案件がある場合などです。納入開発環境と、最新版環境の差による「環境依存トラブル」です。

本稿は、簡単なメンバ名追加で対策できました。しかし、例えばAPI内部差によるトラブル等は、容易ではありません。安全側対策に、納入時の旧環境をそのまま使い続ける方法があります。同一MCUで新機能は使わない場合などは、有効な方法です。

一方、新機能の追加/修正やMCU変更案件は、環境依存トラブルも加味したスケジュール対策が望ましいと思います。どの程度加味するかが難しい問題ですが…。

お詫び

弊社RAベアメタルテンプレートV1ご購入者様は、本稿修正をお願い致します。また、この場を借りて、お詫び申し上げます。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。


情報機器大転換期

情報機器(PC/スマホ/IoTデバイスなど)のハード/ソフト/使い方が、大転換期です。原因は、生成AI革命。インターネット商用解放期に匹敵する気がします。

2024年も半分終わった今、見えてきた情報機器大転換期の現状をまとめました。1章と2章が、ソフトバンクの生成AI革命の考え方、3章以降が、現状という段取りです。

ソフトバンクのAIとAGI、ASI

人類叡智の10000倍能力のArtificial Super Intelligence(出典:記事)
人類叡智の10000倍能力のArtificial Super Intelligence(出典:記事)

ソフトバンク会長兼社長の孫正義氏が、2024年6月21日の定時株主総会で、ソフトバンクは、ASI(Artificial Super Intelligence)を実現するとASCII記事が掲載しました。記事を極簡単にまとめたのが本章と次章です。

AGI(Artificial General Intelligence=汎用人工知能)とは、人間の持つ考え方、知識の「一部を機能化」した現在のAIの親玉に相当し、人間と同じか最大でも10倍程度上回る「汎用の人工知能」。先端AI研究者のテーマがこのAGIで、5年以内、場合によれば3年ぐらいでAGI時代となる。

様々な天才同士が刺激しあい進化した人類と同様、AGI同士が刺激しあい、人類進化を加速するのがASI時代。ASIは10年前後でやってくる。孫氏が決めた指標では、人間の「1万倍程度の英知」。人類20万年史上、初めて圧倒的な人口知能となり、全常識が変わるのがASI時代。

例えば、スマートロボットがASIにつながると、工場生産や道路掃除、買い物や洗濯も代行可能。自動運転も、AIが技能学習し、一度も行ったことが無い場所でもスイスイ自動運転でき、大量生産や加工、物流などはロボットに置き換わる。

ソフトバンク孫正義氏が生まれた理由・使命は、このASI実現

ASI実現手段

ソフトバンクグループ総力でASI推進(出典:記事)
ソフトバンクグループ総力でASI推進(出典:記事)

孫氏は、更にASI時代の基盤技術の1つが、現在様々な情報機器へ半導体IP提供中のArmとしました(Arm株式9割近くをソフトバンクが保有中)。

Armの強みは、設計力と低消費電力稼働で、ASIの広がりに貢献。出荷数量は上がることはあっても、下がることはない。ASI実現のため、ソフトバンクグループ総力でArm AIチップ、AIデータセンタ、AIロボットへ取組む。

Armの将来を孫氏は信じている。

制御系ハードウェア転換

Arm IPコアは、本ブログ掲載Cortex-Mシリーズをはじめ、多くのMCUベンダハードウェアにも採用中です。MCUのエッジAI化に伴い、従来シリーズよりも更に高性能なCortex-Mコア:Cortex-M85搭載MCUも発売開始となりました。

Cortex-M85特性比較(出典:ARM)
Cortex-M85特性比較(出典:ARM)

PCは、Microsoft Copilot+ PCが2024年6月18日にワールドローンチされました。40TOPS以上のNPUが注目され勝ちですが、NPUを制御するCPUにも転換が起こりつつあります。

現在、Copilot+ PC要件を満たすCPUは、QualcommのSnapdragon X Eliteだけです。このCPUも、Arm IPコアを採用中(4章)です。他社に先駆けるArm設計力が表れています。

AI処理でPCよりも先行するAIスマホは、そのCPUの多くがArmライセンスのチップです。6月20日発表のAppleパーソナルAI Intelligenceハードウェア要件は、A17 ProチップとMシリーズです。iPhone 15/15 Plus非対応のため、90%以上のiPhoneユーザは、Apple Intelligenceを使えないそうです。

これら制御系ハードウェアの転換理由は、「AI処理を実用可能なレベルで高速実行するには、ハードウェアが肝心」だからです。

つまり、生成AI革命が、従来制御系の全ハードウェアを転換させつつあるのが、今です。

ソフトウェア転換

NPUなどのAI処理ハードウェアを活かすのは、ソフトウェアです。例えば、Copilot+ PCには、Recall、Cocreator、Live Captions、Windows Studio EffectなどのAI機能が標準で備わっています。

但し更に重要な点は、これら標準AI機能の基となるWindows Copilot Runtimeを活用し、新なAIソフトウェアが開発できること、しかもArmネイティブであることです。

※Armネイティブとは、汎用RuntimeがArm専用ライブラリのように無駄無く高速動作すること。

MacOSは、Arm化が進んでいます。Windowsソフトウェア開発も、下図が示す従来x86からArmネイティブソフトウェア転換を迎えているようです(詳細はコチラの記事参照)。

ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)
ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)

情報機器使い方転換

インターネット商用解放は、IT革命をもたらしました。ユーザは、PCやスマホなどの機器を使って、ネット上を検索し、情報を得るようになりました。ネットに溢れる情報の検索装置が、IT機器でした。

生成AI革命は、PCやスマホの使い方を、単なる検索装置からアシスタント代行へと転換させつつあります。つまり、より高度な情報解析や解析に基づいた提案ができる個人アシスタントとしての使い方です。

従来の情報機器を、人間的で簡単に使えるAIアシスタント化しつつあるのが、今です。

Summary:情報機器大転換期

クラウド・エッジ全基盤を提供するArm IP(出典:記事)
クラウド・エッジ全基盤を提供するArm IP(出典:記事)

生成AI革命でPC/スマホ/IoTデバイスなどの情報機器ハードウェア/ソフトウェア/使い方が、大きく転換しつつある2024年半分終了の今をまとめました。

制御系IP提供のArm株式9割保有中ソフトバンクの生成AI革命に対する考え方と、AI実用はハードウェアが肝心、ソフトウェアのArmネイティブ化、情報機器AIアシスタント化などの転換現状を示しました。

AI進化スピードは驚異的です。人間開発者も進化が必要です。現状マクロ把握のため本稿を作成しました。

Afterword:オープンソースハードウェアコア、RISC-V

Cortex-M代替として急浮上のRISC-V
Cortex-M代替として急浮上のRISC-V

ライセンス料が必要なArm IPコアの対極にあるのが、オープンソースハードウェアコアです。例えば、RISC-V。採用例は、ルネサスのRISC-V MCU/MPUや、EsperantoのAIチップに見られます。

RISC-V採用理由は、少数命令による低消費電力動作です。Arm同様、低電力動作ハードウェアの重要性が解ります。RISC-VかArmかのコア選択は、製品売上見込みとその投資額で決まると思います。

※MCU製品は、IPハードウェア以外にコンパイラ、デバッガなどソフトウェア開発ツールも必要。Armコアならツール入手も容易だが、オープンソースハードウェアコアはこれらもベンダ準備必要(関連投稿はコチラ)。

日本政府マイナンバーカード施策に、上記のような費用対効果検討が全く無いのは、原資が税金のため?😢


MCUソフトウェア技術職年収上昇幅1位

職種別決定年収上昇幅まとめ(出典:パーソナルキャリア)
職種別決定年収上昇幅まとめ(出典:パーソナルキャリア)

組込みソフトウェア技術職が、2023年度の転職者職種別年収増加幅で1位という嬉しい結果が発表されました(2024年6月12日、パーソナル キャリア運営転職サービス、デューダ)。

転職エージェントサービス利用者の採用決定年収の集計結果に基づいています。6月18日の@IT関連記事、ニーズ高まる5つの理由と共に内容をまとめ、MCUソフトウェア/ハードウェア開発者へのアドバイスを示します。

職種別決定年収ランキング

職種別決定年収上昇差分ランキング(出典:パーソナルキャリア)
職種別決定年収上昇差分ランキング(出典:パーソナルキャリア)

組込みソフトウェア技術職は、地味で目立たない職種です。華やかなクリエイター・クリエイティブ職や、目立つ金融系専門職より年収増加幅が大きいことは、その認識が変化しつつある現状を示しています。

※技術職:数学や理科、工学、情報工学といった理系の専門的な知識を活かし製品の製造開発や維持管理にかかわる業務。
※専門職:長期の教育訓練を通じて習得される高度の専門的知識・経験を必要とする職位、ないしはそのような職位を担当する人。

MCUソフトウェア技術職年収上昇幅1位要因

前章比較14職種の中でMCUソフトウェア技術職の年収増加分(差分)が1位となった要因は、「IoTやAI普及」により、幅広い業界でのニーズが高まり、人材不足だからとパーソナルキャリアは分析しています。

ニーズが高まる5つの理由も示しています。

  1. IoT拡大:IoT機器はMCUシステム開発が不可欠
  2. 自動車産業進化:MCU開発者専門知識が求められる
  3. スマートファクトリーと産業自動化:産業用ロボットや自動化はMCU開発者ニーズを高める
  4. 医療技術進化:高度化医療機器にMCUシステムが使われる
  5. エネルギー効率と環境配慮:エネルギー効率と環境配慮ソリューションにMCUシステム活用

MCU開発者は、幅広い分野のニーズがあり、安全性やリアルタイム性など開発制約が多いため人材不足が目立つことが1位要因です。

※MCUシステム開発は、ソフトウェアだけでなくハードウェアも必須です。MCUハードウェア技術者は、ハード/ソフトの垣根を越えハードテストプログラム開発などに積極的に参加しスキルを磨けば、ハードウェア直近の組込みソフトウェア技術職だとも言えます。

本ブログでは、ハード/ソフトを区別せずMCU開発者と表記します。

Summary:MCU開発能力は自ら切り開く

MCU開発能力を自ら切り開きキャリアアップ
MCU開発能力を自ら切り開きキャリアアップ

組込みソフトウェア技術職が、2023年度転職者職種別年収増加幅1位の結果は、MCU開発者の売り手市場ニーズを示しています。MCU開発者は、市場ニーズを把握し、多くの開発制約を解決できる幅広い能力を自ら磨く必要があります。

開発制約とは、例えば、コスト、期間、開発に必要な知識の広さ・深さなどです。さらに規模にもよりますが、MCU開発は多くの場合、一人で担当します。限られた時間内で、効率良く最大成果を上げるスキルや、業務内外の知識も、高まるニーズを満たすには必要でしょう。

転職を勧めている訳ではありません。市場ニーズを把握し、それを満たすよう研鑽することが、MCU開発者自身の価値、キャリアを高めると言いたい訳です。

Afterword:ベアメタルor RTOS or弊社テンプレート

MCUソフトウェア処理は、ベアメタルが良いのか、RTOSが良いのかは、RTOSオーバーヘッドやデバイスコスト、開発ソフトウェア移植・流用性などの考慮も必要です。2024年2月20日、“You Don’t Need an RTOS (Part1)”は、RTOS課題やスーパースケジューラ対策を説明しています。

歯ごたえある英文です。同ページをEdge閲覧中に、右上Copilotをクリックすると、日本語(ご利用中の言語で)ページ概要が無料生成できます。話題のAI活用で、効率良く内容理解ができます。

Copilot活用ページ概要生成
Copilot活用ページ概要生成

弊社販売中ベアメタルテンプレートもスーパースケジューラの一種ですので、嬉しい記事です。記事との差分は、弊社テンプレートが、初心者向きポーリングベースなことです。

中級向きになりますが、Part2Part3内容を弊社テンプレートへ加えるのも、面白いと考えております。結果は、本ブログで示す予定です。


LibreOfficeの使い方(ポータブル版)

LibreOfficeの使い方(ポータブル版)動作画面
LibreOfficeの使い方(ポータブル版)動作画面

LibreOfficeをUSBメモリへインストールし、どのWindows PCでもLibreOfficeが使えるポータブル版LibreOfficeの使い方を示します。

本家、Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム版LibreOfficeと、操作は全く同じです。

OfficeやLibreOffice文書の加工・編集が、ネットカフェ等の出先でもでき、また、PCを汚さずにLibreOfficeが動作します。LibreOfficeを試したい方にもお勧めです。

ポータブル版LibreOffice使い方もくじ

1.USBへLibreOfficeポータブル版インストール方法

……  1.1 PortableApps.comインストール

……  1.2 LibreOffice Still(安定版)またはFresh(最新版)インストール

2.ポータブル版LibreOffice操作方法

……  2.1 Microsoft Office文書扱い留意点

1. USBへポータブル版LibreOfficeインストール

LibreOfficeをUSBへインストールするには、先ずPortableApps.comから土台となるプラットフォームのUSBインストールが必要です。

このプラットフォームは、多言語対応です。インストールは、2段階で行います。初めが、サイト上方の言語選択&ダウンロード&USBへインスールです。その後、土台プラットフォームへポータブル版LibreOfficeをインストールします。

以下、日本語選択インストール例を示します。

土台PortableApp.comの日本語選択
土台PortableApp.comの日本語選択

1.1 PortableApps.comインストール

USBメモリを用意します。32MB容量あれば、USB内に複数文書を保存しても余裕で使えます。

日本語選択し示されるダウンロードをクリック、適当な場所へダウンロード後、インストーラを実行します。

PortableApps.com日本語ダウンロード
PortableApps.com日本語ダウンロード

インストール途中に、土台のインストール場所を聞いてきます。「ポータブル」を選択すれば、用意したUSBへインストールされます。その後は、ダイアログに従いプラットフォームのUSBインストール完了です。

インストール後、自動生成される“Start.exe”クリックで、プラットフォームが動作します。このプラットフォームが、最初に示した図のオレンジ部分です。

次に、このオレンジプラットフォームへ、ポータブル版LibreOfficeをインストールします。

1.2 LibreOffice Still(安定版)またはFresh(最新版)インストール

プラットフォームの「アプリの管理(A)」をクリックし、表示プルダウンメニュから「もっとアプリを入手(G)」>「カテゴリー順(W)」クリックで、右側“新しいポータブルアプリのダウンロード”ダイアログが表示されます。

新しいポータブルアプリからLibreOffice Still(安定版)のインストール。図はFleshがありませんが近日中に出現します。
新しいポータブルアプリからLibreOffice Still(安定版)のインストール。図はFleshがありませんが近日中に出現します。

LibreOffice Stillを選択し、インストール(I)をクリックすれば、LibreOffice Still(安定版)が、プラットフォームUSBへインストールできます。プラットフォームからLibreOffice DrawやLibreOffice Calc、LibreOffice Writer等が直接起動できます。

“LibreOffice Still”インストールのお勧め理由は、Fresh版が1ヵ月、Still版が3か月更新のためです。

USBへのインストールや更新処理は、時間が掛かります。Still/Fresh機能差は少なく、更新頻度が少ないStillの方が、LibreOfficeを使いたい時に直ぐに使え便利です(Afterwordに対策案あり)。

※インストール後のポータブルLibreOffice動作速度は、本家と同じです(念のため…)。

2. ポータブル版LibreOffice操作方法

ポータブル版LibreOffice操作は、本家Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム版LibreOfficeと同じです。従って、弊社投稿のLibreOfficeの使い方(総集編)や、投稿カテゴリー:LibreOfficeの内容がそのまま使えます。もちろん、弊社無償WriterテンプレートDrawテンプレートも使えます。

そこで、ポータブル版LibreOfficeを使って、“Microsoft Office”文書を編集・加工する時の留意点のみを示します。

2.1 Microsoft Office文書扱い留意点

LibreOfficeは、Microsoft Office文書の編集・加工も互換性があり可能です。保存拡張子の違いと、Office文書のレイアウト崩れが起こる場合があること、の2点に留意が必要です。

LibreOffice文書保存時のデフォルト拡張子は、ODF(Open Document Format)形式です。例えば、Writerは*.odt、Drawは*.odgです。LibreOfficeでLibreOffice文書を編集・加工する時は、何ら問題ありません。

しかし、LibreOfficeでMicrosoft Office文書を編集・加工した後は、保存拡張子を、Wordなら*.docx、Excelなら*.xlsx等へ変更した方が、Officeで再編集する時にBetterです。

ファイル形式の確認でWord形式を選択
ファイル形式の確認でWord形式を選択

また、拡張子を変更しても、Office再編集時、レイアウト崩れを起こす場合があります。

対策は、レイアウト要素をデフォルトのまま文書、図、表を作成することです。デフォルトレイアウト原稿なら、Officeで最終稿に仕上げる時に、レイアウトだけを変更すれば良いからです。

言い換えると、Office/LibreOffice共に最終稿までは、デフォルトレイアウトで編集・加工する。そうすれば、原稿レイアウト崩れを気にする必要が無い(!)という訳です。

Summary:LibreOfficeの使い方(ポータブル版)

USBへLibreOfficeをインストールし、どのWindows PCからでもLibreOfficeが使える、PortableApps.comとポータブル版LibreOfficeの2段階インストール方法を示しました。

ポータブル版LibreOfficeを使って“Microsoft Office文書”を取扱う時の留意点を示しました。

ポータブル版LibreOfficeの操作は、本家クロスプラットフォーム版と同じです。出先でもLibreOfficeやMicrosoft Office文書の加工・編集ができます。また、PCを汚さずにLibreOfficeが使えるメリットがあります。

Afterword:PortableApps.com

LibreOffice以外にもUSBへインストールできるアプリは、数多くあります。PDFーX ChangerとNotepad++の2つを追加インストールしたのが、一番初めの図です。下図無償PortableApps.comは、優秀なプラットフォームアプリです。

無償で様々なアプリを持ち歩けるPortableApps
無償で様々なアプリを持ち歩けるPortableApps

但し、このプラットフォームへ、多数アプリのインストールはお勧めしません。インストールやアプリ更新処理が、外付けUSBのため遅いからです。例えば、高価ですがポータブルSSDで代用すれば、改善するハズです。

Copilot+ PC CPUまとめ(24-06編)

Copilot+ PC発表以降、Intel、AMD共に対応CPUの発表が相次いでいます。PCハードウェア転換期の今、Copilot+ PC CPUの現状と最新状況を簡単にまとめました。次期PC購入検討のためです。

Copilot+ PC要件まとめ

先ず、Edgeの無償Copilot Promptへ、Copilot+ PCの質問をしました。回答が以下です(筆者編集あり)。

Copilot+ PCは、2024年6月18日にグローバルローンチされました。日本国内でもACER、ASUS、DELL、HP、Lenovo、Samsungなどのメーカーから搭載ノートPCが発売されています。

最安モデルは17万円後半から購入可能で、主流は20万円台です。

Copilot+ PCの最小要件:

  • Microsoftが承認したCPUまたはSoCを搭載。
  • 40TOPS以上の処理性能を持つNPUを組み込むことが条件。
  • 16GB以上のDDR5/LPDDR5規格RAM(メモリ)。
  • 256GB以上のSSD/UFSストレージ。

AI機能:

  • Copilot+ PCでは、AIアシスタント「Copilot」を瞬時に呼び出すための[Copilot]キー採用。
  • ローカル実行できる40以上のオンデバイスAIモデルを搭載予定。
  • 新たに下記機能が利用可能
    • 「Recall」(過去の表示内容検索)
    • 「Cocreator」(画像生成AI)
    • 「Live Captions」(多言語字幕生成)
    • 「Windows Studio Effect」(ビデオ通話エフェクト)

メリット:

  • 高速でインテリジェントな処理実現。
  • バッテリー駆動時間が長く、終日使用可能。
  • セキュリティにも力を入れており、Microsoft Pluton Securityプロセッサ搭載。

現在、「Copilot+ PC」要件を満たすCPUは、QualcommのSnapdragon X Elite搭載ノートPCのみです。今年後半には、AMDやIntelもCopilot+ PC要件を満たすCPUをリリース予定です(Copilot回答ここまで)。

回答は全てMicrosoftが情報源ですので、確度は高いと思います。筆者不明のMicrosoft Pluton Securityへ追加質問をし、以下を得ました。

Microsoft Pluton Securityプロセッサ:

資格情報、ID、個人データ、暗号化キーを保護し、攻撃者マルウェアインストールやPC物理的攻撃に対し情報削除が非常に困難です。TPM機能提供とTPM 2.0仕様を超えるセキュリティ機能提供用に設計されています。

つまり、Copilot+ PCユーザ情報保護の要でしょう。次期Win12アップグレード要件になる予感がします。

以下の章で、Intel、AMD、ArmのCopilot+ PC要件を満たすCPUを調査しました。

Intel:Lunar Lakeで120TOPS、40%電力削減

Intel Lunar Lakeは、CPU、GPU、NPUとDRAMをSoC化(出典:記事)
Intel Lunar Lakeは、CPU、GPU、NPUとDRAMをSoC化(出典:記事)

6月4日PC Watch記事に、現行Meteor Lakeの次期CPU、今年3Q投入計画のLunar Lake概要が記載中です。筆者が、ごく簡単にまとめたのが以下です。

Lunar Lakeは、薄型軽量ノートPC向けCPU。CPU、GPU、NPUとDRAM(16/32GB)もSoCパッケージ化し、120TOPS、40%電力削減能力を持つ。NPUは、現行から第4世代NPUへ進化。Meteor Lake未対応のMicrosoft Plutonにも対応。

※Edgeで当該記事ブラウジング中にのみCopilot要約ができます。しかし、本稿は筆者が要約しました。以下記事も同様です。

AMD:Ryzen AI 300シリーズは50TOPS NPU搭載

Ryzen AI 300シリーズのNPU性能はSnapdragon X EliteやIntelの次世代CPU「Lunar Lake」よりも高い(出典:記事)
Ryzen AI 300シリーズのNPU性能はSnapdragon X EliteやIntelの次世代CPU「Lunar Lake」よりも高い(出典:記事)

6月4日AMDは、新世代CPU Zen5採用AM5ソケット対応のデスクトップ向けRyzen 9000シリーズと、50TOPS第3世代NPU統合のCopilot+ PC向けRyzen AI 300シリーズを発表しました。

7月以降、ACER、ASUS、HP、Lenovo、MSIなどのメーカーからCopilot+ PC対応ノートPCが発売され、発売時は他社比、トップNPU性能です。

Arm:2030年迄にWindowsデバイス支配的シェア予測

Armは、CPU IPベンダです。IntelやAMDと異なり、CPU製造ではなくCPU IPコアを他社へ販売、その1社がQualcommのSnapdragon X Eliteで、現在唯一のCopilot+ PC要件を満たすノートPC CPUです。

6月4日、Arm CEOのRene Haas氏は、Windows Copilot Runtimeとそのアプリ(Recall、Cocreator、Live Captions)は、Arm版のみ現存しており、現在数%シェアは、2030年までにWindowsデバイスの支配的シェアを占めると予測しました。

ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)
ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)

macOSは、既にx86からArm移行が起きており、WindowsもArmネイティブになると予測しています。

Summary:Copilot+ PC CPUまとめ(24年6月編)

2024年6月時点で判明しているCopilot+ PC向けCPUを一覧表にしました。

24年6月Copilot+ PC CPU ターゲット トータルNPU性能 備考 発売
Intel)Lunar Lake ノートPC 120TOPS 40%電力削減
DRAMオンチップSoC
24年3Q
AMD)Ryzen AI 300 ノートPC 50TOPS TDP28W 7月以降
Arm)Snapdragon X Elite ノートPC 40TOPS Windowsネイティブ対応 発売中

6月時点のCopilot+ PC CPUは、ノートPC用のみです。ユーザと共に移動可能なノートPCの方が、デスクトップPCよりもエッジAIフル活用に向いているからだと思います。

複数PC間でエッジAI学習結果、つまりNPU同期は難しいでしょう。最もユーザに近いAIアシスタント搭載PCが、PCハードウェア転換期のBest解になりそうです。

従来Intel、AMDに加え、新にArm IPコア採用の第3勢力がCPUシェア獲得競争に加わりました。

Copilot+ PCのCPUは、NPU性能と低電力性が選択ポイントです。NPU性能が高ければ、それだけ高い確度と速いレスポンスのAIアシスタントCopilotが使えます。例えると、高性能GPUは、高精細画面を得られるのと同じです。

Afterword:Raspberry Pi 5は13TOPS NPU搭載

Raspberry Pi AI Kit(出典:Cytron)
Raspberry Pi AI Kit(出典:Cytron)

エッジAIは、CPUのみならずMCUやMPU/SCB全てに変化を与えます。例えば、6月4日、MPU/SCBのRaspberry Pi 5へ、13TOPS NPUを追加できるKit($77)が発表されました(関連投稿:MCUとMPU/SCBの違い)。

筆者のメインPCは、NPU非搭載Win11自作デスクトップPCです。次期Win12 PCは、Copilot+ PC対応新ノートPC調達か、それとも、ラズパイ5同様デスクトップPCへエッジAI NPU追加か思案中です。

また、PCハードウェア転換期とエッジAIフル活用対応にCopilot PromptでAI利用に慣れようとも考えております。


MCU開発者のCopilot+ PC

2024年5月28日、日本Microsoft津坂社長のCopilot活用記事が、PC Watchに掲載されました。メール要約や資料分析、優先タスク振分けなどCopilotを使った活用例は、ビジネスパーソンだけでなく、MCU開発者にとっても参考部分が多々あります。

筆者が特に印象に残ったのは「エンジニアでない津坂社長でも、使い続け、議論を繰り返すことでCopilotを使いこなせる(AI筋トレ)」の部分です。

背景技術の広さ深さは見せず、使い易さを追求したツールは、Copilotだけでなく最近のツール全般に当てはまります。そのCopilotを更に進化させるGPT-4oのAI研究者視点と、MCU開発ツール変化について示します。

謎が多いGPT-4oモデル

2024年5月28日、ビジネス+IT にAI研究者、今井 翔太氏が、研究者視点のGPT-4o評価と謎、GPT-5への伏線を執筆しました。筆者が、ごく簡単にまとめたのが下記です。

“数年前ならAGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)レベルに達したと想定できるGPT-4oは、AI研究者からみると、謎が多いモデルで従来スケーリング則からは不自然。しかし、殆どの人が考えるAGIに相当近づいた。GPT-4延長GPT-4oの次期超高性能モデルGPT-5準備中”

AIを利用する殆どの人、つまり、筆者などMCU開発者は、GPT-4o≒AGIと考えて良いと思います。前章、津坂社長のようにAGI化したCopilotをこき使って(!) 生産性や判断スピートを上げ、その中身や仕組みは知らなくても問題ないからです。

現在Copilotは、GPT-3.5/4でGPT-4oではありません。しかし、CopilotのようなAIツールは、使っているうちにGPT-4o/5などのテクノロジ進化と共にユーザ学習度も深くなり、最後にはユーザ専用アシスタントとなる可能性があります。

このツール自体の進化が、従来に無いAIツールならではの特徴です。

MCU開発ツール変化

MCUのIDE開発ツールは、Eclipse IDEベースが業界標準です。各MCUベンダ固有のAPIコード生成ツールやフラッシュプログラマをEclipse IDEへ機能追加し、MCU開発者へ無償提供されます。

最近、Eclipse IDEベースに代わってMicrosoft製Visual Studio Code(VSC)を使う変化が見られます。

MCUXpresso for Visual Studio Code構成(出典:NXPサイト)
MCUXpresso for Visual Studio Code構成(出典:NXPサイト)

例えば、NXPは、EclipseベースのMCUXpresso IDEの代わりに、VSCベースのMCUXpresso for Visual Studio Codeが使えます。もちろん、無償です。従来EclipseからVSCへ変えるメリットは、筆者には判りません。あえて推測すると、同じMicrosoft製Copilotとの親和性です。

つまり、数年後のAI活用MCU開発時に、EclipseベースよりもVSCの方がCopilotとの協調動作性が良いので、ユーザ能力に合わせた開発ができるかも(?) という訳です。

Summary:MCU開発者のCopilot+ PC

Microsoft発表のCopilot+ PCは、ユーザ検索履歴や能力レベルを、40TOPS以上のエッジAI NPUが学習し、ユーザに即した回答をCopilotが提供します。これは、広く深い知識が求められるMCU開発者にとっても、開発スピートアップやMCU習得の強力な助けになります。

MCU開発者がCopilotを上手く使うには、津坂社長のように使い続け、入出力議論を繰り返すことでエッジAI NPUがユーザを学習し、同時に開発者もCopilotに慣れる「AI筋トレ期間」が必要です。

CopilotなどのAIツール活用は、MCU開発者とエッジAI NPU双方の学習期間が必要
CopilotなどのAIツール活用は、MCU開発者とエッジAI NPU双方の学習期間が必要

Visual Studio Code やCopilotに慣れ、エッジAI NPUを使いこなせるよう準備が必要かもしれません。Microsoft製ツール全盛となるのは、いささか気になりますが…。AIアシスタントCopilot影響大ですね。

Afterword:VSC頻繁更新Dislike

筆者は、VSCをWeb制作に使用中です。これは、過去使っていたツールが更新停止となったからです。拡張機能の多さやユーザカスタマイズが容易なVSCですが、その頻繁な更新はあまり好きになれません。

Eclipse IDEでも、エディタは標準以外の別エディタ、例えば、Notepad++変更も可能です。その他カスタマイズ機能も、現時点ではEclipseとVSCに大差無いと思います。

AI全盛時は、もしかしたらIDEで差が出るかも(?) と思ったのが本稿作成理由です。筆者は、未だ自作PC派です。生成AI加速モジュールをPCへ追加しエッジAI性能を上げるか検討中です。


OfficeのAI Copilot活用例

OfficeツールのAI Copilot活用例と効果
OfficeツールのAI Copilot活用例と効果

MicrosoftのAIアシスタント:Copilotを使うと、Microsoft Officeツールの生産性が、具体的にどう上がるのかを示す記事を見つけたので紹介し、要旨をまとめます。

Summary:OfficeツールのAI Copilot活用例と効果

Officeツール AI Copilot活用例 効果
Word ドラフト時短 ドラフト作成 より多くの時間を思考に使える
PowerPoint ドラフト作成 より多くの時間を思考に使える
Excel データ分析、グラフ化 データ可視化分析作業の短縮
Outlook 受信メール要約作成
返信メールドラフト作成
より効率的にメール送受可能
Word/PowerPoint 品質改善 改善ポイント指摘 客観的評価で作成品質を高める
Outlook 送信メール明瞭チェック より高品質メールの送信
PowerPoint 作成資料の想定質問生成 着想/想像力の幅拡張
全Office文書 貰ったOffice文書の内容分析 文書内容理解を早める

※Officeはサブスク型Microsoft 365を想定。買い切り型Officeでも同様になると推定。
※Copilotは現在GPT-3.5/4。より人間らしいGPT-4o Copilotになると推定。

OfficeツールのCopilot活用要旨が下記です。

  1. コンテンツ作成Word/PowerPointは、Copilotでドラフト作成時短
  2. 表作成Excelは、Copilotでデータ可視化と分析時短
  3. Copilotで作成資料の客観フィードバックをかけ、資料品質向上と発想/想像力の幅拡張
  4. 受信メール要約、送信メールドラフト作成、送信前メールのCopilot分析
  5. 貰ったOffice文書のCopilot分析、早期内容理解

AI Copilot処理時間

前章Copilot活用によりOffice生産性や生成資料品質は、上がります。但し、上表にはAI Copilotの処理時間がありません。AI処理が遅ければ、実務には使えません。

つまり、実務でAIを使うには、応答性の速さ:AIレスポンスが重要ということです。前投稿GPT-4oは、正にこのAIトレンド最先端技術です。ライバルのGoogle+Anthropicも対抗技術を開発するでしょう。

そして、応答速さの次は、コスト競争になります。これが、サブスク型Microsoft 365だけでなく、買い切り型Officeと無償Copilotでも、Microsoft 365と同様のAI効果が期待できると推定した根拠です。但し、Copilot出力確度は、有償版が上になるかもしれませんが…。

AI Copilotレスポンスを満たすエッジPC性能

AI普及には、エッジ側AI処理の比重を増やすことが必須です。クラウド側だけでAI処理すると、データセンタの消費電力が膨大になり、また、AIレスポンスも悪くなるからです(AIとクラウド消費電力は、コチラの投稿2章参)。

そこで、Microsoftが想定するエッジAI Copilotレスポンスを満たすPCの要求スペックが下記です。これらは、次期Win12システム要件になる可能性があります。

Copilotレスポンスを満たすエッジAI PCハードウェアスペック
プロセサ 登録済みCPUで、搭載NPUは40TOPS以上
メモリ 16GBのDDR5またはLPDDR5
ストレージ 256GB以上のSSDまたはUFS(Universal Flash Storage)

今年リリース予定のWin11 24H2が、OSコア変更にも関わらずWin12に改名しなかった背景は、上記ハイスペックPCが、簡単に調達できないためでしょう。

今PCを買うなら、このスペック以上にしないと、Win11 TPM 2.0足切りのように、Win12アップグレート不可になるかもしれません。

AI Copilot時代のWindows PC

AI CopilotとWindows結合がもたらすアプリ生産性向上
AI CopilotとWindows結合がもたらすアプリ生産性向上

Microsoft想定のAI PCハードウェアとWindows、Copilot、Officeの組合せは、Summaryで示したようにPCの使い方を根底から変える可能性があります。

コンテンツ作成は、AI Copilot準備ドラフトから着手するため、ユーザは、オリジナリティ豊かな独自コンテンツ生成に集中できます。さらに、生成コンテンツにCopilotで客観フィードバックをかけ、より高品質コンテンツに仕上げることも容易です。

また、大量メールもAI Copilotで事前に振分け、重要メールのみの対応も可能となるでしょう。

つまり、低順位Office業務は、全てCopilotが代行し、高優先業務のみユーザが行うWindows AI Copilot PCへと発展します。これは、本稿で示したOfficeツール例だけに留まりません。

Microsoftが、AI CopilotとWindowsの結合をにすれば、Office同様他のPC業務も、Mac/Linuxよりも高いPC生産性が期待できます。Microsoft製Copilotと他社Mac/Linuxとの結合度が低ければ、Windowsに比べ確度の低いAI出力となるからです。

※Edgeの前のMicrosoft製ブラウザ:Internet ExplorerとWindowsは密結合であった。が、確か独占禁止の点から、IEとWindowsは完全分離となった。CopilotとWindowsもIE同様、分離可能性はある。Microsoftは、Windows AI Copilot PC商用名を「Copilot+ PC」とし対抗気配。

AI普及2アプローチとエネルギー計画

WindowsとOfficeでシェアを持つMicrosoftは、本稿のようにCopilot活用のAI PCアプローチからAI普及を図ります。一方、PixelなどAndroidスマホのシェアを持つGoogleは、写真加工や画像認識、スマホ通話即時翻訳などAIスマホのアプローチからAI普及を図っています。

AI PCかAIスマホか、いずれにせよAIが、次世代の情報機器/通信/電力/半導体製造産業を牽引することは確実です。

現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)
現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)

日本では経済産業省が、これら産業のエネルギー基本計画を策定しています。AI普及や最近の国際状況から、見直し議論も盛んになってきました。今後の動向に要注目です。

Afterword:長文言い訳

日本のエネルギー基本計画なども記述しましたが、筆者が言いたかったことは、Summary章「AI Copilot活用でOffice生産性は上がる」です。中でもOffice資料のCopilot客観フィードバックは、期待度大です。残念ながら本記事は、未だ全て手作業生成ですが…。

日経XTECHの元記事に、生産性向上の詳しい説明があります。この記事は、クラウドAI CopilotとMicrosoft 365を対象とし、クラウドAI Copilotの仕組み利用心得などの関連記事もあります。

ただ、クラウドAI処理は、電力不足懸念からエッジAI処理分散が必須で、この動きにマッチしたMicrosoftの Copilot+ PC登場ストーリとなり長文化しました。