ルネサス社のRL78マイコンに関する情報、Tipsをまとめています。

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COVID-19パンデミックの2020年も残すところ2週間になりました。2020年の金曜ブログ投稿は本日が最後、次回は2021年1月8日(金)とし休暇に入ります。

※既存マイコンテンプレートは、年中無休、24時間販売中です、いつでもご購入お持ちしております。

2020マイコンテンプレート案件総括

  1. 🔴:Cortex-M4コア利用のマイコンテンプレート開発(2020年内)
  2. 🟡:FRDM-KL25ZとIoT汎用Baseboard利用のKinetis Lテンプレート発売(12月)
  3. 🟢:IoT MCU向け汎用Baseboard開発(10月)
  4. 🟢:STM32FxテンプレートV2発売(5月)
  5. 🟢:STM32G0xテンプレートV2発売(5月)

1のCortex-M4テンプレート開発は、STM32G4のRoot of Trustと、NXP LPCXpresso54114のRTOSサンプル解説で、Cortex-M4テンプレート化には程遠い状況です(赤ステータス)。

2のKinetis Lテンプレート(FRDM-KL25Z、Cortex-M0+/48MHz、Flash:128KB、RAM:16KB)は、添付説明資料作成が未着手です(黄ステータス)。

3のArduinoプロトタイプシールド追加、IoT MCU汎用Baseboardは完成しました(緑ステータス)。

4と5のSTM32FxテンプレートSTM32G0xテンプレート発売までは、ほぼ順調に進みました(緑ステータス)。

対策としてブログ休暇中に、2のKinetis Lテンプレート完成と、これに伴うHappyTechサイト変更を目標にします。
1のCortex-M4テンプレート開発は、2021年内へ持越します。

ブログ記事高度検索機能(1月8日までの期間限定)

休暇中、ブログ更新はありません。そこで、読者の気になった過去の記事検索が、より高度にできる下記Googleカスタム検索機能を、1月8日までの期間限定で追加します。

上記検索は、WordPressのオリジナル検索(右上のSearch…窓)よりも、記事キーワード検索が高度にできます。少しでもキーワードが閃きましたら、入力してご活用ください。

あとがき

激変の2020年、テンプレート関連以外にも予定どおりに進まなかった案件や、新に発生した問題・課題も多数あります。例年より少し長めの休暇中、これらにも対処したいと考えております。今年のような環境変化に対し、柔軟に対応できる心身へ変えたいです(ヨガが良いかも? 3日坊主確実ですが…😅)。

本年も、弊社ブログ、HappyTechサイトをご覧いただき、ありがとうございました。
今後も、引き続きよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。

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IoTに適した無線LANの条件とは?(TechTarget、2020年11月27日)記事を紹介し、IoT MCU関連のプライベート網無線LAN規格を説明します。

IoT向き無線LAN条件と規格

纏まった良い記事なので、一読をお勧めします。

記事を要約すると、IoT向きの無線LANの選定には、3つの検討ポイントがあります。

  1. 省電力性:バッテリーだけで長時間無線LAN通信ができる
  2. 長距離伝送性:アクセスポイント(AP)から1km以上離れる場合がある
  3. 国より異なる利用周波数の空き状態確認

各ポイントを満たす無線LAN規格として下記3つを挙げ特徴を説明しています。

  • IEEE 802.11ah(別名Wi-Fi HaLow):Target Wake Time(TWT)により通信タイミングを調整しAP通信競合を防ぐと同時にスケジュールタイムまでスリープし電力消費を抑える
  • IEEE 802.11ba:TWTに加えWake-Up Radio省電力機能を利用しAPからの通信要求に対応
  • IEEE 802.11af: 54MHz~698MHz利用で900MHz~1GHzの802.11ah/802.11baより長距離伝送可能
    ※11afは、テレビ用ホワイトスペースのVHF/UHFバンド(54 MHz~790 MHz)利用なので空き状態により耐ノイズ注意

IoT向き無線LANとBluetooth

無線LANには、2.4GHz利用、数m~10m程度の「近距離無線通信規格」:IEEE 802.15.1(別名Bluetooth)もあります。コイン電池で1年以上動作できるなど超省電力動作ですが、低速です。PCやスマートフォンでは、マウス/キーボード/ヘッドホンなどの周辺機器との接続に使われます。

より高速、より長距離(400m程度)、より高スループットを目指し、Bluetooth v4.2、Bluetooth 5などと規格が変化しています。

IoT MCUへの実装は、Bluetooth 5内蔵MCUBluetooth 5モジュールとMCUを接続する方法があります。

IoT 向き無線LANとPC/スマホ向き無線LAN

2020年12月時点のPC/スマートフォン無線LAN規格が下表です(出展:NTT西日本公式ホームページ)。

規格 周波数帯 最大通信速度
IEEE 802.11b 2.4GHz 11Mbps
IEEE 802.11g 2.4GHz 54Mbps
­­­­IEEE 802.11a 5GHz 54Mbps
IEEE 802.11n 2.4GHz 600Mbps
5GHz
IEEE 802.11ac 5GHz 6.9Gbps
IEEE 802.11ad(WiGig) 60GHz 6.8Gbps
IEEE 802.11ax 2.4GHz 9.6Gbps
5GHz

IoT向き無線LANと異なるのは、周波数帯がより高周波の2.4GHz/5GHzを利用する点と、新規格11ac/11ad/11ax、従来規格11b/11g/11a/11n、ともにデータ伝送速度が速い点です。スマホのAPは、家庭や店舗に設置された無線LANルータで、高周波利用のため伝送距離は精々100m程度、60GHzの11adでは10m程度です。公衆網5G高速化に伴い新無線LAN規格:11ac/11ad/11axが普及しつつあります。

動画再生などの利用形態も多いPC/スマホ向き無線LANは、「高速大容量化」が求められます。IoTの「長距離省電力」要求とは、異なる無線LAN規格となっています。

まとめ:IoT MCUプライベート網の無線LAN規格

無線LANアクセスポイントからの伝送距離変化
無線LANアクセスポイントからの伝送距離変化

プライベート網無線LAN規格は、APからの伝送距離により、

  1. 「近距離(10m以下)超省電力」規格(周辺機器向き):Bluetooth(IEEE 802.15.1)
  2. 「短距離(100m程度)高速大容量」規格(PC/スマホ向き):IEEE 802.11a/11b/11g/11n/11ac/WiGig(11ad)/11ax
  3. 「長距離(1km以上)省電力」規格(IoT向き):Wi-Fi HaLow (IEEE 802.11ah)/11.af/11.ba

の3種類があります。

IoT MCUには、最新のBluetooth 5や屋外や1km半径の広い敷地内でも使える長距離省電力規格のWi-Fi HaLowが望まれるようです。

但し、普及済みのPC/スマホ向き無線LAN規格が使えると、屋内の既存PC/スマホ無線LANルータをインターネット空間へのAPに利用でき、常時電力供給も可能なため、低コストIoT MCUを実現する方法になりうると思います。


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PCのCPUは、IntelとAMDの2社が独占状態でした。しかし、AppleがARMベースの新CPU:M1を発表し、そのコストパフォーマンスは、Intel/AMDの3倍(!)とも言われます(記事:「ソフト技術者もうなるApple「M1」の実力、新アプリに道」や、「Apple M1の実力を新世代のIntel/AMD CPUと比較」など)。

本稿は、これらPC CPUコアの現状から、次世代IoT MCUコアの3層構造と筆者希望的観測を示します。

CPUコア:Apple/Intel/AMD

筆者が学生だった頃は、マシン語のPCソフトウェアもありました。CPUコア性能が低いため、ユーザ要求を満たすアプリケーション開発には、ソフトウェア流用性や開発性を無視したマシン語開発もやむを得ない状況でした。

現在のCPUコア性能は、重たいGUIやネットワーク処理を複数こなしても、ユーザ要求を満たし、かつ流用性も高いC/C++などの高級言語でのアプリケーション開発が普通です。Appleは、この状況でIntel/AMDコストパフォーマンス比3倍のM1 CPUを開発しました。

このM1 CPUを使えば、従来CPUのボトルネックが解消できるために、より優れたGUIや新しいアプリケーションの開発が期待できます。

このM1実現の鍵は、5nmルールの製造技術と新しいCPU設計にあるようです。

MCUコア:ARM/Non ARM

MCUはARMコアとNon ARMコアがありますが、Non ARMコアのコストパフォーマンス比は、M1程ではありません。従って、主流はARM Cortex-M系シングルコア採用MCUで、事実上ARMコア独占状態です。開発言語はC言語でベアメタル開発、製造プロセスも数10nmと、いわば、数10年前のIntel独占CPUコアに近い状況です。

RISC-Vという新しいMCUコアも出てきましたが、まだ少数派でその性能も未知数です。Intel/AMD CPUと比較記事の最後に記載された「競争こそユーザの利益」には、MCU世界はなっていません。

ARMはコア設計図のみ提供し、デバイス実装はMCUベンダが担当します。従って、現状のMCU世界が続く場合には、MCU高速化は製造技術進化とマルチコア化が鍵です。

ARMは、エッジAIに向けたNPUを発表しました。独自MCUコアと付随する開発環境を提供でき、かつコストパフォーマンスがARMコアの数倍を実現できるMCUベンダが無い現状では、ARMの頑張りがIoT MCUを牽引すると思います。

NVIDIAによるARM買収が、今後のARM動向に及ぼす影響は気になる状況ではあります。

IoT MCUコア

MCUコアとCPUコアの一番の差は、ユーザ要求コストです。これは、同じコアのMCU製品に、内蔵周辺回路やFlash/RAM容量の異なる多くのデバイスをベンダが提供中であることからも解ります。ユーザは、MCUに対して無駄なコストは払いたくないのです。

つまり、MCUデバイスはアプリケーション専用製品、CPUデバイスは超汎用製品、ここが分岐点です。

IoT MCUには、エッジAI、セキュリティ、無線通信(5GやWi-Fi)などのIoT機能追加が必要です。これら機能を並列動作させる手段として、RTOSも期待されています。この状況対応に、MCUコアも高性能化やマルチコア化に進化しつつあります。

セキュリティや無線通信は、予め決まった仕様があり、これら対応の専用ライブラリがベンダより提供されます。但し、セキュリティは、コストに見合った様々なセキュリティレベルがあるのも特徴です。ソフトウェア技術者は、専用ライブラリのMCU実装には神経を使いますが、ライブラリ本体の変更などは求められません。この仕様が決まった部分を「IoT基本機能」と本稿では呼びます。

MCUソフトウェア開発者が注力すべきは、ユーザ要求に応じて開発するIoTアプリケーション部分です。この部分を、「IoT付加機能」と呼び、「IoT基本機能」と分けて考えます。

ユーザのアプリケーション専用MCU製品意識は、IoT MCUでも変わりません。例えば、IoT基本機能の無線機能は不要や、ユーザがコストに応じて取捨選択できるセキュリティレベルなどのIoT MCU製品構成になると思います。一方、IoT付加機能だけを実装するなら、現状のMCUでも実現可能です。

以上のことから、IoT MCUは3層構造になると思います。

IoT MCUコアの3層構造
IoT MCUコアの3層構造
機能 追記
Back End IoT MCU IoT基本機能+付加機能+分析結果表示 収集データ分析結果ビジュアル表示
IoT MCU IoT基本機能+付加機能 高性能、マルチコア、RTOS利用
Front End IoT MCU センサデータ収集などのIoT付加機能
最小限セキュリティ対策
収集データは上層へ有線送信
コスト最重視

最下層は、ユーザ要求アプリケーションを実装し、主にセンサからのデータを収集するFront End IoT MCUです。ここは、現状のARM/Non ARMコアMCUでも実現できIoT付加機能を実装する層です。デバイスコスト最重視なので、最小限のセキュリティ対策と収集データを有線、または無線モジュールなど経由で上位IoT MCUへ送信します。IoT MCUサブセット版になる可能性もあります。

中間層は、高度なセキュリティと市場に応じた無線通信、エッジAI機能などのIoT基本機能がフル実装できる高性能MCUコアやマルチコア、RTOS利用へ進化した層です。IoT付加機能も同時実装可能で、下層の複数Front End IoT MCUが収集したセンサデータを、まとめて上位Back End IoT MCUまたは、インターネット空間へ直接送信できます。製造技術進化とマルチコア化、ARM新コア(Cortex-M23/33/55など)が寄与し、IoT MCUの中心デバイスです。

最上層は、第2層のIoT MCU機能に加え、インターネット空間で収集データを分析・活用した結果をユーザへビジュアル表示する機能を追加した超高性能MCUコア活用層です。自動車のADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)のおかげでユーザへのビジュアル表示要求はより高度になります。このユーザ要求を満たす次世代の超高性能IoT MCU(またはMPU)が実現します。

最下層のFront End IoT MCUは、現状のCortex-M0+/M4コアで弊社テンプレート適用のMCUが生き残ってほしい、というのが筆者の希望的観測です。
それにしてもAppleのコスパ3倍M1、凄いです。iPhoneもそうですが、抜きん出た技術と経営能力、Jobs精神、健在ですね。

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総務省総務省が、2021年3月24日まで無料IoT入門オンライン講座を開設しています。IoT基礎知識、IoT技術・関連法制度、IoT活用の全3章から成るPDF配布資料(A4/36ページ)付きで各ページ冒頭に2行程度のまとめ表記があります。

※受講方法は、コチラの記事を参照してください。

資料作成日:令和元年10月

COVID-19パンデミック前、令和元年:2019年10月作成資料に沿ったオンライン講座です。関連法の導入時期などに、COVID-19の影響があるかもしれません。

※関連投稿:総務省2020年4月以降IoT機器アップデート機能義務化予定(2019年9月13日)に関する記載は、資料内にはありません。

資料フォーマット

A4縦ページの上方にスライド、下方にテキスト、いわゆるパワーポイントノート形式の配布資料です。タイトル直下、スライド冒頭に2行程度のまとめ表記があり、このまとめでページ内容が解ります。

オンライン講座は、主にスライド部分を使います。配布資料を読めば、講座内容はほぼ取得できると思います。

IoT入門オンライン講座資料の印象点

A4パワーポイントノート形式のIoTオンライン講座配布資料、良くまとまっています。

資料のWeb転載は禁止ですので、本ブログ読者は配布資料を取得済みと考え、筆者がページ毎に印象に残った点をピックアップします。

※タイトル、まとめ表記は、配布資料を基に簡素化しています。

タイトル まとめ表記 印象点
13 IoT構成機器 IoTシステム構成は3要素 データ収集、分析結果表示がIoTデバイス
14 データ収集 センサでデータ収集 8種センサ概要説明
15 IoTデバイス通信 有線と無線の2種 有線/無線のメリット/デメリット分析
17 無線電波周波数 最適な周波数 波長/周波数/呼び名/特徴分析
18 電波法 電波利用法 無線利用時「技適マーク」必須
19 無線通信 距離・速度・消費電力 無線規格特徴一覧、選択に便利
23 セキュリティ 機密性・完全性・可用性 機密性と完全性と可用性維持がセキュリティ
24 セキュリティ対策 リスクと対策 IoT特有性質とリスク分析
25 セキュリティ対策 対策の5指針 5指針と21要点、具体例一覧
26 標準化動向 標準技術メリット 4標準化団体と最新技術動向把握重要
28 IoT進め方 アイデア → 試行錯誤 プロトタイプで試行錯誤 → 導入
29 ビジネス設定 IoT解決課題設定方法 情報整理に3C/SWOT/KPT活用
30 アイデア案出 IoT活用の3段階 アイデア案出方法
31 アイデア優先順位 効果と実現可能性 効果、実現可能性の考慮方法
32 データ留意点 利害関係調整と個人情報保護 具体的留意点説明
33 運用後の対応 想定と対応策 想定具体的トラブル説明

P28のIoTデバイスをプロトタイプで試行錯誤し開発する手法は、弊社マイコンテンプレートを利用すると、「複数デバイスで実証・比較評価できるなどより効率的・実践的」になります。

マイコンテンプレートのMCUデバイスはどれも汎用MCUですが、開発者のナレや接続センサとADCの使い方により差は生じます。さらに、デバイス消費電力も、開発ツールシミュレーションと評価ボードで評価します。最もアイデアに適し開発し易いMCUは、実はプロトタイプ化しなければ判らないと思います。

配布資料は、「IoTデバイスを中心」に基礎から導入後の運用など、IoT全般に関する幅広い内容です。IoTデバイス開発者の頭の中を整理、開発後のデバイス活用・運用などを予見する場合にも役立ちます。

資料にもCOVID-19影響?

スライド利用のプレゼンテーションは、パワーポイント/Impress(LibreOfficeパワーポイント相当)の資料作成が標準です。一方、弊社テンプレート配布資料は、A3 Visio/Draw形式で作成しています。これは、横長PCモニタ表示を前提としているからです(印刷時、70%縮小A4横出力想定)。

COVID-19の影響で、プレゼンテーションも対面からオンラインへ変わりつつあります。配布資料も従来のようにパワーポイント/ Impress形式が良いか、Visio/Draw形式か、モニタも3:4サイズが良いか、9:16かなど、配布資料フォーマットにも今後影響がでるかもしれません。

弊社テンプレート開発、配布資料のご意見、ご要望などは、info@happytech.jpへお寄せください。

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・IoT MCU汎用Baseboardの特徴
・CMOSデバイス直結を利用し、3.3V動作MCUソフトウェア開発に5V動作ハードウェアを使えること

をFRDM-KL25Z(動作範囲:1.71~3.6V、5V耐圧なし)を例に前稿で示しました。
このIoT MCU汎用Baseboard の汎用性について解りにくいというご指摘がありましたので、説明を加えます。

IoT MCU汎用Baseboard構成パーツ

IoT MCU汎用Baseboardの構成パーツが下図です。

Arduinoコネクタ有りのMCU評価ボードはFRDM-KL25Zを掲載しましたが、Arduinoコネクタを持たない例えば、Cypress)PSoC4000SなどのMCU評価ボードでも接続可能です。これが汎用性をうたった理由です。

様々な追加Arduinoシールドは、Arduinoコネクタでスタック接続、それ以外のパーツ間は、オス-オスコネクタで接続します。

IoT MCU汎用Baseboard構成(色付き領域)
IoT MCU汎用Baseboard構成(色付き領域)

一言で言うと、従来から使ってきた5V Baseboardに、Arduinoプロトタイプシールドを追加した構成です。

IoT MCU汎用Baseboard構成パーツの役割

パーツ名 機能、役割
MCU評価ボード 動作電圧:3.3V/5V動作のMCUソフトウェア開発ボード
外部ハードウェア接続:Arduinoコネクタ/独自コネクタ
追加Arduinoシールド IoT向けセンサなどをMCU評価ボードへ機能付加
Arduinoプロトタイプシールド シールド直上へスタック接続(Arduinoピン名シルクあり)
配線済みMCUリセット、未配線2個LED、1個SW実装済み
MCU評価ボード直上設置で操作性向上
5V Baseboard LCDやポテンショメータなど5V動作ハードウェア搭載
オス-オスコネクタ ボード、各パーツ間接続
Arduinoコネクタ Arduinoシールドスタック接続
CMOSデバイス直結 3.3V MCU出力→5Vハードウェア入力:接続問題なし
5Vハードウェア出力→3.3V MCU入力:5V耐圧無しなら3.3V以下
付属ブレッドボード CMOSデバイス直結時、電流保護抵抗や必須ハードウェア搭載

MCUに5V耐圧が無い時は、MCU入力電流保護抵抗や入力電圧を3.3V以下へ抑える必要があり、これら必須ハードウェア、およびArduinoプロトタイプシールド付属の2個LED、1個SW配線用に、プロトタイプシールド付属ブレッドボードを使います。

IoT MCUは、MCU評価ボード搭載済み機能だけでなく、様々なセンサや付加機能(例えば、構成パーツで示したデータロギングシールドなど)を追加して開発します。これら追加センサや付加機能ハードウェアを、安く早く調達するには、既製Arduinoシールドが適しています。

殆どのMCU評価ボードがArduinoシールドを追加できるように設計されているのはこのためです。Arduinoプロトタイプシールドは、Arduinoピン名がシルク印刷済みです。Arduinoピン名とMCUピン名のマッピングを間違う可能性も低く、リセット追加で制御系の操作性も向上します。

Arduinoコネクタ実装済みのFRDM-KL25Zの場合は、直上、または直下へArduinoシールドをスタック追加します。FRDM-KL25Z追加シールド処理結果を表示するため、プロトタイプシールド経由で5V Baseboard LCDと接続します。

独自コネクタで機能追加するPSoC4000S評価ボードなどに対しても、オス-オスコネクタでArduinoプロトタイプシールドと接続すれば、それ以外の部分は共通です。この時は、プロトタイプシールド直下にArduinoシールドを追加します。

※Arduinoシールドを複数追加する時は、スタック接続します。

様々なMCU評価ボードに対して、表中のMCU評価ボード以外の赤字パーツが汎用的に使え、かつ、Arduinoシールド追加性にも優れていることがお解り頂けたと思います。

IoT MCU汎用Baseboard用途

CMOSデバイス直結は、ハードウェア担当者からは、気持ちが悪いと言われるかもしれません。

この場合は、CMOSデバイス間にバス・スイッチ(SN74CB3T3245)を挿入すれば、パッシブデバイスですので高速性や信頼性、ノイズに対しても安心です。もちろん、動作ソフトウェアは同じものです。詳細は、関連投稿:3.3V MCUと5Vデバイスインタフェースを参照してください。

このIoT MCU汎用Baseboardは、早く、安くIoT MCUソフトウェア開発をするためのソフトウェア担当者向けツールという位置づけです。製品化にあたっては、ハードウェア担当者も安心するようにバス・スイッチの利用をお勧めします。

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クラウドファイル共有サービス:Firefox Sendが2020年9月17日終了となりました。弊社テンプレート配布に最適なFirefox Send終了、残念です。代替にGoogle Driveを使いますが、送受双方に手間が1つ増えます。

本稿は、この増えた手間を説明し、セキュリティと利便性が相反することを示します。

Firefox SendからGoogle Driveへクラウドファイル共有サービス変更
Firefox SendからGoogle Driveへクラウドファイル共有サービス変更

Firefox SendとGoogle Drive比較

Firefox Sendは「ファイル共有」専門サービス。共有ファイル保存期間はアップロード後最大7日、または、ダウンロード1回で共有ファイルがオンライン上から自動的に消去されるなど、「ファイル保存」が主目的のGoogle Driveにない使い勝手がありました。

ファイル共有Firefox Sendとファイル保存Google Drive比較
Firefox Send Google Drive
ファイル共有期間 最大7日 設定不可
受信側ダウンロード回数 1回 設定不可
利用料金 無料(最大2.5GB) 無料(最大15GB)
ダウンロード側ログイン 不要 不要
パスワード保護 可能 可能
特徴 ファイル共有に最適 ファイル保存に最適

共有ファイルダウンロードリンクを送信側から受信側へメール通知、受信側がFirefox/Chrome/Edgeなどのモダンブラウザを使って共有ファイルダウンロードに成功しさえすれば、ファイル共有は終了です。ここまでは、Firefox SendとGoogle Drive全く同じです。Firefox Sendは処理完了です。

違いは、Google Driveがファイルの共有期間やダウンロード回数の制限を設けることができない点です。また、受信側が共有ファイルをダウンロードしたことを、送信側が知る手段もありません。

Google Driveでのダウンロード成功後、受信側に成功通知メールをお願いするのは、Firefox Sendでは自動で行われる共有ファイル削除、または、共有停止を送信側が手動にて行うためです。

Firefox Sendに比べ、Google Driveでは送受双方に処理完了までにこの手間が1つ余分に掛かる訳です。

Firefox Send終了理由

Firefox Sendサービス終了の理由は、マルウェア配布手段として悪用されるケースが増え、開発元Mozillaがサービスラインナップ全体コスト、戦略的焦点を見直した結果と発表されています。

高度な暗号化とファイル自動消去のFirefox Send共有サービスは、Firefoxという誰にでも知られた信頼性の高いダウンロードリンククリックだけで簡単にマルウェアをデバイスへ送れます。一般のユーザだけでなく、ハッカーにとっても便利なツールとして悪用されたのでしょう。

無料一時保存ファイルのマルウェア排除を実施することは、無理だとMozillaがあきらめたのだと思います。ただ、次々に生まれるマルウェア排除は、たとえ有料でも困難かもしれませんが…。

セキュリティと利便性の相反例です。また、セキュリティとその対価:費用対効果を考えさせる例でもあります。

企業が自社クローズドサーバーでのみ社員ファイル共有を許可するのは、費用対効果の実現解なのでしょう。
※同様に、IoT MCU開発でもセキュリティ実現解検討が必須です。

Google Drive代替理由

Firefox Send代替にGoogle Driveを選んだ理由は、ファイルの「ダウンロード前や共有前」に、ウィルススキャンが自動的に行われるからです。ウィルス検出時は、警告表示があります。

※ウィルススキャンは圧縮ファイルでも実施されます。但し、パスワード保護を行うとスキャン不可能になりますのでパスワードは設定しません。Firefox Sendでもこれら処理は実施されていたと思いますが…、ハッカーはパスワード保護でスキャンをかわしたのだと思います😥。

無償、セキュリティ、信頼度の高さ、モダンブラウザで利用できる点、これらからGoogle Driveを代替として弊社は選びました。

全テンプレート継続販売

販売中の弊社テンプレートは、戦略的焦点(???)から販売継続いたします。販売中止のサイト変更手間と消えるリンク対応などを考慮すると、そのまま継続販売する費用対効果が高いからです。

本ブログでは、その時々に応じてテンプレート販売中止・終了予定なども記載しますが、マイコンテンプレート名が購入サイトに掲載している限り販売は継続いたしますので安心(?)してご購入ください😌。

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弊社FreeRTOS習得ページで使う評価ボード:LPCXpresso54114(Cortex-M4/100MHz、256KB Flash、192KB RAM)は、FreeRTOSだけでなく、Mbed OSZephyr OSなどオープンソース組込みRTOSにも対応しています。多くの情報がありRTOSを学ぶには適した評価ボードだと思います。

LPCXpresso54114 Board power diagram(出典:UM10973に加筆)
LPCXpresso54114 Board power diagram(出典:UM10973に加筆)

さて、このLPCXpresso54114の電圧ブロック図が上図です。MCUはデフォルト3.3V動作、低電力動作用に1.8Vも選択可能です。一方、Arduinoコネクタへは、常時5Vが供給されます。

本稿は、このMCU動作電圧とArduinoコネクタに接続するセンサなどの動作電圧が異なっても制御できる仕組みを、ソフトウェア開発者向けに説明します。

MCU動作電圧

高速化や低電力化の市場要求に沿うようにMCU動作電圧は、3.3V → 3.0V → 2.4V → 1.8Vと低下しつつあります。同時にMCUに接続するセンサやLCDなどの被制御デバイスも、低電圧化しています。しかし、多くの被制御デバイスは、未だに5V動作が多く、しかも低電圧デバイスに比べ安価です。

例えば、5V動作HD44780コンパチブルLCDは1個500円、同じ仕様で3.3V動作版になると1個550円などです。※弊社マイコンテンプレートに使用中のmbed-Xpresso Baseboardには、5V HD44780コンパチブルLCDが搭載されています。

レベルシフタ

異なる動作電圧デバイス間の最も基本的な接続が、間にレベルシフタを入れる方法です。

TI)TXS0108E:8ビットレベルシフタモジュールの例で示します。低圧A側が1.8V、高圧B側が3.3Vの動作図です。A側のH/L電圧(赤)が、B側のH/L電圧(緑)へ変換されます(双方向なので、B側からA側への変換も可能です)。

8ビットレベルシフタTXS0108Eのアプリケーション動作(出典:TI:TXS0108Eデータシート)
8ビットレベルシフタTXS0108Eのアプリケーション動作(出典:TI:TXS0108Eデータシート)

レベルシフタ利用時には、電圧レベルの変換だけでなく、データレート(スピード)も重要です。十分なデータレートがあれば、1.8VのH/L波形は、そのまま3.3VのH/L波形へ変換されますが、データレートが遅いと波形が崩れ、送り側のH/L信号が受け側へ正確に伝わりません。

例えば、LCD制御は、複数のLCDコマンドをMCUからLCDへ送信して行われます。データレートが遅い場合には、コマンドが正しく伝わらず制御ができなくなります。

MCUの5V耐圧ピン:5V Tolerant MCU Pad

LPCXpresso54114のGPIOピンには、5V耐圧という属性があります。PIO0_0の[2]が5V耐圧を示しています。

LPCLPCXpresso54114の5V耐圧属性(出典:5411xデータシート)
LPCLPCXpresso54114の5V耐圧属性(出典:5411xデータシート)

5V耐圧を簡単に説明すると、「動作電圧が3.3/1.8V MCUのPIO0_0に、5Vデバイスをレベルシフタは使わずに直接接続しても、H/L信号がデバイスへ送受信できる」ということです。または、「PIO0_0に、1ビットの5Vレベルシフタ内蔵」と解釈しても良いと思います。

※ハードウェア担当者からはクレームが来そうな説明ですが、ソフトウェア開発者向けの簡単説明です。クレームの内容は、ソフトウェア担当の同僚へ解説してください😌。

全てのGPIOピンが5V耐圧では無い点には、注意が必要です。但し、ArduinoコネクタのGPIOピンは、5V耐圧を持つものが多いハズです。接続先デバイスが5V動作の可能性があるからです。

また、I2C/SPIバスで接続するデバイスもあります。この場合でも、MCU側のI2C/SPI電圧レベルとデバイス側のI2C/SPI電圧レベルが異なる場合には、レベルシフタが必要です。MCU側I2C/SPIポートに5V耐圧属性がある場合には、GPIO同様直接接続も可能です。

I2Cバスは、SDA/SCLの2本制御(SPIなら3本)でGPIOに比べMCU使用ピン数が少ないメリットがあります。しかし、その代わりに通信速度が400KHzなど高速になるのでデータレートへの注意が必要です。

LPCXpresso54114以外にも5V耐圧ピンを持つMCUは、各社から発売中です。ちなみに、マイコンテンプレート適用のMCUは、6本の5V耐圧GPIOを使ってmbed-Xpresso Baseboard搭載5V LCDを直接制御しています。

mbed-Xpresso Baseboard搭載5V HD44780コンパチLCDの3.3V STM32G071RB直接制御例
mbed-Xpresso Baseboard搭載5V HD44780コンパチLCDの3.3V STM32G071RB直接制御例

5V耐圧MCUデータシート確認方法

MCUのGPIOやI2C/SPIを使って外部センサやLCDなどのデバイスを制御する場合、下記項目を確認する必要があります。

  1. MCU動作電圧と被制御デバイス動作電圧は同じか?
  2. MCU動作電圧と被制御デバイス動作電圧が異なる場合、外付けレベルシフタを用いるか、またはMCU内蔵5V耐圧ピンを用いるか?
  3. MCU内蔵5V耐圧GPIOやI2C/SPIを利用する場合、そのデータレートは、制御に十分高速か?

5V耐圧ピンは、使用するMCU毎に仕様が異なります。MCUデータシートは、英語版なら「tolerant」、日本語版なら「耐圧」で検索すると内容確認が素早くできます👍。

MCU動作電圧と接続デバイス動作電圧が異なっても、MCUのH/L信号が被制御デバイスへ正しく伝わればデバイスを制御できます。

MCU動作電圧に合わせたデバイス選定やレベルシフタ追加ならば話は簡単ですが、トータルコストや将来の拡張性などを検討し、5V耐圧ピンの活用も良いと思います。

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お知らせ

弊社サイト:マイコンRTOS習得を2020年版へ改版しました。前稿までのFreeRTOSサンプルコード(1)~(5)結果を、2017年版へ反映させた結果です。是非、ご覧ください。

MCUベンダAPI生成ツール一覧

FreeRTOSサンプルコード(1)で予告したベンダ毎に異なるAPI生成ツールやその違い、サンプルコードとの関係を説明します。本ブロブ掲載MCUベンダ5社のAPI生成ツール一覧が下表です。

MCUベンダトップシェア5社のMCU API生成ツール一覧
ベンダ API生成ツール ブログ掲載MCU API生成方法
Runesas CS+ RL78/G1x 個別ハードウェア設定
NXP SDK LPC111x/LPC8xx/Kinetis E/LPC5411x MCU設定
STM STM32CubeMX STM32Fx/STM32Gx 個別ハードウェア設定
Cypress PSoC Creator PSoC4/PSoC4 BLE/PSoC4000/PSoC6 個別ハードウェア設定
TI CCS STM432 MCU設定

IDEとは別のAPI生成ツール専用名があり、ツール単独で更新するのが、NXP)SDK、STM)STM32CubeMXです。Runesas)CS+、Cypress)PSoC Creator、TI)CCSは、IDEにAPI生成ツールが組込まれていますので、IDE名称をAPI生成ツール欄に記載しています。
※CS+のAPI生成ツールは、単独でコード生成と呼ぶこともあります。

さて、これらAPI生成ツールには、2種類のAPI生成方法があります。

  • MCU設定:利用MCUを設定し、内蔵ハードウェアAPIを一括生成…NXP)SDK、TI)CCS
  • 個別ハードウェア設定:利用内蔵ハードウェアを個別設定し、APIを生成…Runesas)CS+、STM)STM32CubeMX、Cypress)PSoC Creator

MCU設定タイプのAPI生成ツールは、全内蔵ハードウェアAPIを、ユーザ利用の有無に係わらず一括生成するため、規模が大きく、SDK(Software Development Kit)などパッケージ化してIDEへ提供されます。但し、コンパイル時に利用ハードウェアのみをリンクしてMCUへダウンロードするので、少Flashサイズでも問題はありません。

MCU設定タイプの特徴は、例えば、UART速度設定などのハードウェア動作パラメタは、APIパラメタとしてMCUソースコードにユーザが記述します。

MCU設定タイプのNXP)SDKのUART API例
MCU設定タイプのNXP)SDKのUART API例

一方、個別ハードウェア設定タイプは、UARTなどのハードウェア動作パラメタは、API生成前にGUI(Graphical User Interface)で設定し、設定後にAPIを生成します。このためユーザが、MCUソースコードのAPIに動作パラメタを追記することはありません。

個別ハードウェア設定タイプのSTM32CubeMXのUART API例
個別ハードウェア設定タイプのSTM32CubeMXのUART API例

API生成ツール比較

MCU設定タイプのAPI生成ツールは、使い方がMCU設定のみで簡単です。また、ハードウェア動作パラメタがMCUソースコード内にあるため、動作変更や修正もIDE上で行えますが、人手によるバグ混入の可能性も高まります。

個別ハードウェアタイプAPI生成ツールは、MCUソースコード内のAPI記述が簡素です。生成されたAPI内部に動作パラメタが含まれているからです。但し、ハードウェア動作変更には、IDEから一旦API生成ツールに戻り、APIの再生成が必要です。この場合でも、MCUソースコードは不変ですので、GUI設定にミスが無ければバグ混入は少ないでしょう。

どちらにも、一長一短があります。敢えて分類すると、ソフトウェア開発者向きが、MCU設定タイプ、ハードウェア開発者向きでTP:Test Program応用も容易なのが、個別ハードウェア設定タイプです。

個別ハードウェア設定タイプであっても、Cypress)PSoC Creatorなどは、通常パラメタはBasicタブ、詳細パラメタはAdvanceタブで分け、誰でも設定を容易にしたツールもあります。

MCUソフトウェアは、C言語によるMCU API制御です。MCU API生成ツールの使い勝手が、ソフトウェア生産性の半分程度を占めていると個人的には思います。

サンプルコード/サンプルソフトウェア

各社のサンプルコード/サンプルソフトウェアは、上記API生成ツールのMCUソースコード出力例です。

従って、サンプルコードには、出力例と明示的に判るよう多くのコメントが付加されています。初めてサンプルコードを見る開発者は、注意深くコメントを読んで、そのMCU開発の全体像を理解することが重要です。

全体像が理解済みであれば、より効率的な開発手法、例えば、(推薦はしませんが)個別ハードウェア設定タイプであっても、IDEからAPI生成ツールに戻らずに、直接MCUソースコードでハードウェア動作パラメタを変更するなどのトリッキーな使い方も可能です。

MCU開発とCOVID-19

新型コロナウイルス:COVID-19が世界的に流行しつつあり、工場閉鎖や物流への影響も出始めています。現状は治療薬が無いので、「個人の免疫力と体力」が生死の決め手です。

同時にMCU供給不足/停止など、開発への波及も懸念されます。これに対し「個人で第2のMCU開発力」を持つことが解決策を与えます。

本稿は、MCUベンダトップシェア5社のMCU API生成ツールを比較しました。MCUシェア評価ボード価格や入手性、個人の好みなど、是非ご自分にあった比較項目で、現在利用中のMCUに代わる第2のMCU開発力を持つことをお勧めします。

第2のMCU開発力は、現行と視点が変わり利用中MCUスキルも同時に磨くことができ、様々な開発リスクに耐力(体力)が付きます。短期で効果的な第2のMCU開発力の取得に、弊社マイコンテンプレートがお役に立てると思います。

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ノイズや静電気によるMCU誤動作に関する興味深い記事がEDN Japanに連載されました。

どのノイズ対策が最も効果的か? EMS対策を比較【準備編】、2019年10月30日
最も効果的なノイズ対策判明!  EMS対策を比較【実験編】、2019年11月29日

EMS:(ElectroMagnetic Susceptibility:電磁耐性)とは、ノイズが多い環境でも製品が正常に動作する能力です。

MCUプロトタイプ開発時にも利用すべきEMS対策が掲載されていますので、本稿でまとめます。また、ノイズや静電気によるMCU誤動作を防ぐ手段としてWDT:Watch Dog Timerも説明します。

実験方法と評価結果

記事は、インパルスノイズシュミレータで生成したノイズを、EMS対策有り/無しのMCU実験ボードに加え、LED点滅動作の異常を目視確認し、その時点のノイズレベルでEMS対策効果を評価します。

評価結果が、11月29日記事の図5に示されています。

結果から、費用対効果が最も高いEMS対策は、MCU実験ボードの入力線をなるべく短く撚線にすることです。EMS対策用のコンデンサやチョークコイルは、仕様やパーツ選定で効果が左右されると注意しています。

MCUプロトタイプ開発時のお勧めEMS対策

MCUプロトタイプ開発は、ベンダ提供のMCU評価ボードに、各種センサ・SWなどの入力、LCD・LEDなどの出力を追加し、制御ソフトウェアを開発します。入出力の追加は、Arduinoなどのコネクタ経由と配線の場合があります。言わばバラック建て評価システムなので、ノイズや静電気に対して敏感です。

このMCUプロトタイプ開発時のお勧めEMS対策が下記です。

1.配線で接続する場合は、特に入力信号/GNDのペア線を、手でねじり撚線化(Twisted pair)だけで高いEMS効果があります。

身近な例はLANケーブルで、色付き信号線と白色GNDの4組Twisted pairが束ねられています。このTwisted pairのおかげで、様々な外来ノイズを防ぎLANの信号伝達ができる訳です。

信号とGNDの4組Twisted pairを束ねノイズ対策をするLANケーブル
信号とGNDの4組Twisted pairを束ねノイズ対策をするLANケーブル

2.センサからのアナログ入力信号には、ソフトウェアによる平均化でノイズ対策ができます。

アナログ信号には、ノイズが含まれています。MCU内蔵ADCでアナログ信号をデジタル化、複数回のADC平均値を計算すればノイズ成分はキャンセルできます。平均回数やADC周期を検討する時、入力アナログ信号が撚線と平行線では、2倍以上(図5の2.54倍より)のノイズ差が生じるので重要なファクターです。従って、撚線で検討しましょう。
平均回数やADC周期は、パラメタ設定できるソフトウェア作りがお勧めです。

3.SWからの入力には、チャタリング対策が必須です。数ミリ秒周期でSW入力をスキャンし、複数回の入力一致でSW値とするなどをお勧めします。
※弊社販売中のMCUテンプレートには、上記ADCとSWのEMS対策を組込み済みです。

4.EMS対策のコンデンサやチョークコイルなどの受動部品パーツ選定には、ベンダ評価ボードの部品表(BOM:Bill Of Matrix)が役立ちます。BOMには、動作実績と信頼性がある部品メーカー名、型番、仕様が記載されています。

ベンダMCU評価ボードは、開発ノウハウ満載でMCUハードウェア開発の手本(=ソフトウェアで言えばサンプルコード)です。

特に、新発売MCUをプロトタイプ開発に使う場合や、MCU電源入力ピンとコンデンサの物理配置は、BOM利用に加え、部品配置やパターン設計も、MCU評価ボードを参考書として活用することをお勧めします。
※PCB設計に役立つ評価ボードデザイン資料は、ベンダサイトに公開されています。

MCU誤動作防止の最終手段WDT

EMS対策は、誤動作の予防対策です。EMS対策をしても残念ながら発生するノイズや静電気によるMCU誤動作は、システムレベルで防ぐ必要があります。その手段が、MCU内蔵WDTです。

WDTは、ソフトウェアで起動とリセットのみが可能な、いわば時限爆弾です。WDTを一旦起動すると、ソフトウェアで定期的にリセットしない限りハードウェアがシステムリセットを発生します。従って、ソフトウェアも再起動になります。

時限爆弾を爆発(=システムリセット)させないためには、ソフトウェアは、WDTをリセットし続ける必要があります。つまり、定期的なWDTリセットが、ソフトウェアの正常動作状態なのです。

ノイズや静電気でMCU動作停止、または処理位置が異常になった時は、この定期WDTリセットが無くなるため、時限爆弾が爆発、少なくとも異常状態継続からは復帰できます。

このようにWDTはMCU誤動作を防ぐ最後の安全対策です。重要機能ですので、プロトタイプ開発でもWDTを実装し、動作確認も行いましょう。

※デバッグ中でもWDTは動作します。デバッグ時にWDT起動を止めるのを忘れると、ブレークポイントで停止後、システムリセットが発生するのでデバッグになりません。注意しましょう!

RL78マイコン,MCU:マイコン,Cortex-M23コア,Cortex-M4コアARMマイコン,IoTマイコン,Cortex-M23,Cortex-M4,RAファミリ,Runesas Synergy,EK-RA4M1

2019年10月8日、ルネサスエレクトロニクス(以下ルネサス)が、ARM Cortex-M4/M23搭載のRAファミリを発表しました。ARMコアMCU市場へ、遅ればせながら(!?)参入したRAファミリの特徴、競合他社と比較評価しました。

Runesas RAファミリ(出典:ルネサス)
Runesas RAファミリに加筆(出典:ルネサス)

RAファミリの特徴

「攻めやすく、守りにくい」、これがARMコアMCU市場だと思います。先行する競合他社は、NXP、STM、Cypress、TIなどです。

後発ルネサスが選択したARMコアは、Cortex-Mコア最高性能のCortex-M4と、低消費電力+セキュリティ重視のCortex-M23/M33(M4はRA8でマルチコア化、M33予定)です。

同じARMコアの先行他社へ攻め込むには、他社比魅力的な内蔵周辺回路が必要です。上図の静電容量タッチセンサ、アナログなどがこれに相当するはずです。Cypress特許の静電容量タッチセンサ:CapSenseとの性能比較が楽しみです。
※CapSenseの特徴は、コチラの投稿などを参照してください。

RAファミリのターゲット市場は、産業機器、ビルオートメーション、セキュリティ、メータ、家電などで、車載を除く次世代IoTエッジデバイスです。

RAファミリの市場(出典:RAファミリパンフレット)
RAファミリの市場(出典:RAファミリパンフレット)

セキュリティニーズが高いIoTエッジMCUでは、Cortex-M3クラスでも性能不足が懸念されます。シングルコアなら最低でもCortex-M4、セキュリティ強化Cortex-M23/33のRAファミリのコア選択は、理解できます。

RAファミリとRunesas Synergyの違い

ルネサスは、これまでRunesas Synergy™としてARMコアMCUを販売してきました。このRunesas SynergyとRAファミリの違いが、10月8日MONOistの“ルネサスがArmマイコンで本気出す、「RAファミリ」を発売”記事に説明されています。

筆者は、Runesas Synergy™は、ルネサスがアプリケーション開発を手伝う形式で、個人レベルでの開発には金額的に手を出しにくいMCU、一方、RAファミリは、競合他社と同様CMSIS:Cortex Microcontroller Software Interface Standardに則った形式でユーザがアプリケーション開発できるMCUと理解しています。
※CMSIS:Cortex Microcontroller Software Interface Standardは、コチラの2章などを参照してください。

これで弊社も、競合他社と同じ土俵でルネサスARMコアMCUを使える可能性がでてきました。

RAファミリの開発環境

RAファミリの開発環境(出典:RAファミリパンフレット)
RAファミリの開発環境(出典:RAファミリパンフレット)

RAファミリパンフレットによると、IDEは、e2 studio(CS+はありません)、エミュレータは、Segger J-Linkまたは、E2エミュレータ Liteです。

例えば、Cortex-M4/48MHz/Flash:256KB/RAM:32KBの評価ボード:EK-RA4M1の概要が下記です。

EK-RA4M1 MCU 評価キット
EK-RA4M1 MCU 評価キット

Mouserで¥4,539で購入可能です。他社同様オンボードエミュレータですが、Arduinoコネクタを持っていません。価格も、後発なのに他社比、高い気がします😥。

RAファミリと競合他社比較

Cortex-Mコア、内蔵周辺回路、開発環境、評価ボード、日本語技術資料の5点から、ルネサスRAファミリを、競合他社ARMコアMCUと3段階(A/B/C)評価しました。

Cortex-Mコア=A、内蔵周辺回路=A、開発環境=B、評価ボード=C、日本語技術資料=C → 総合評価=B

総合評価Bは、普通レベルということです。個別評価結果が下記です。

Cortex-M4とM23/33コア選択や、タッチセンサ等の内蔵周辺回路は、後発なので当然ルネサスの市場調査結果によるものと思われ、A評価としました。IoTエッジMCUでは、これらコアや周辺回路が必須だと筆者も思います。
※コアと周辺回路は、現在、弊社注力中のCortex-M4コアテンプレート開発とCypress)PSoC 4 CapSenseテンプレート(開発中)に傾向が一致しています。

開発環境は、多機能すぎるe2 studioなのでBです(A評価は、NXP)MCUXpressoTI)CCS Cloud)。

評価ボードは、Arduinoコネクタなしで高価なためCです(A評価は、NXP)LPCXpressoやSTM)Nucleo32)。

日本企業のルネサスですが、RAファミリ動画などは英語です。重要技術資料も英語が多く、日本語資料はC評価です(A評価は、STM)。
※ソフトウェア開発者が、日本語資料にこだわること自体、時代錯誤、時代遅れかもしれません。しかし、イタリア+フランス企業のSTM日本語翻訳資料は、内容、和訳ともに優秀です。ルネサス技術資料は、これらと比べると低評価と言わざるを得ません。

総合評価Bですので、評価ボード:EK-RA4M1入手は、ペンディングとします。ルネサスRAマイコンを、本ブログへ追加した場合、ブログカテゴリと目標とする生産物は、下図になります。

また、2番目に示したターゲット市場図から、従来MCU とIoTエッジMCUとの境界が、Cortex-M3コアの可能性が見えてきました。この境界も追加しました。

ブログカテゴリと生産物(従来MCUとIoT MCU境界追加)
ブログカテゴリと生産物(従来MCUとIoT MCU境界追加)

筆者は、従来MCUは、IoTエッジのさらに外側、つまりIoT MCUのフロントエンドで機能し、Cortex-M4ソフトウェアの一部流用や活用により生産性が高く、しかも、エッジのカスタムニーズへも柔軟に対応するMCUへ発展すると思います。ARM Cortex-Mxコア間は、ソフトウェア流用が可能です(次回、詳細説明予定)。

ルネサスは、インターシルやIDT買収でMCUアナログフロントエンドを強化したはずです。しかし、新発売RAファミリに、これら買収技術は見当たらず、期待のSynergy効果も具体的には不明です(内蔵周辺回路の静電容量タッチセンサ、アナログに見えると期待)。

残念ながら現時点では、筆者には、RAファミリが魅力的なARMコアIoTエッジMCUとは思えません。今後に期待します。