main.cは、CubeMXが生成するメイン処理で、評価ボードのCubeMXデフォルトでコード生成:(Alt+K)した場合には、main.cのコメント:Private variablesの後にUSARTハンドラ:huart2と、コメント:Private function prototypesの後にUSART2の初期化コード:MX_USART2_UART_Init()と、その「初期化コード本体がmain.cソースの後ろの方に自動生成」されます。
CubeMXが周辺回路:USART2初期化コードとそれに使う定義を自動生成済みなので、後は、main.cの無限ループ内の指定区間:USER CODE BEGIN xyz~USER CODE END xyzに、Usart2やLD2を使ったHAL APIユーザコードを追記すれば、アプリケーションが完成します。
STM32G0/G4シリーズRoot of Trust実現(3)は、第2回で示したSTM32G4評価ボード:NUCLEO-G474RE 利用STM32G4テンプレート開発環境と、デュアルファームウェアイメージのサンプルアプリケーションを使って、セキュア・ブート(SB)、セキュア・ファームウェア更新(SFU)のための準備、その具体的動作の説明をします。
初めに本稿(3)のまとめを示し、最後の章でRoot of Trust実現(1)~(3)全体のまとめを示します。
また、UM2262図18. 評価ボード準備とSTM32CubeProgrammer設定方法が解りづらく、単なるサンプルアプリケーション動作にかなり「苦戦」しました。この部分は、通常アプリケーション開発とRoot of Trust実現開発の切換えとなる重要ポイントです。STM32G4テンプレート発売時には、添付資料にもっと解りやすい説明を加えます。
STM32G0/G4のRoot of Trust(1)~(3)、いかがでしたでしょうか? セキュリティ機能の実装は、IoT MCUでは必須です。従来のMCU開発へ追加する機能や手間、セキュリティ知識も当然必要になります。
これら追加分は、一般的な開発者が、オリジナリティを加えるべき部分では無いと思います。そこで、これら追加分を、できるだけ簡潔に解り易く説明したつもりです。Root of Trust (1)~(3)で、下記STM32マイコンマンスリー・アップデート2020年3月号P4のX-CUBE-SBSFU説明内容が、より解り易くなれば先ずはOKとします。
結局、STM32G0/G4シリーズMCUの場合は、通常のMCUアプリケーション開発が第1段、次に、これをIoT MCU化し、Root of Trust機能(SBSFU)を追加実装するのが第2段という、2段階開発になりそうです。この第2段SBSFU実装時に、本稿で用いたデュアル/シングルファームウェアイメージのアプリケーションサンプルが、枠組みとして使えそうです。
STM32G4テンプレートも、弊社通常テンプレート同様、RTOSを使わない疑似マルチタスク実装用(第1段テンプレート)と、開発済みアプリケーションのRoot of Trust SBSFU実装用(第2段テンプレート)の2つに分けてパックで提供しようと考えています。
Root of Trust実現で使うSTM32Cube拡張パッケージ:X-CUBE-SBSFUは、STM32MCU間の移植性を重視しているためHAL(Hardware Abstraction Layer)ベースです。
弊社発売中のSTM32G0xテンプレート(Version1)は、高速性を活かすエキスパート向けLL(Low layer)APIが「主」、HAL APIは「従」としてSW4STM32で開発しました。しかし、STM32G0でのRoot of Trust実現には、HALベースのソフトウェア開発が適しています。
TIは、アナログICやDSP(Digital Signal Processor) 、本ブログ掲載の低電力動作Cortex-M4マイコンMSP432など多くの半導体デバイスや製品を開発・販売しています。ただ、競合他社と比べると、従来は個人調達に便利な通販のDigiKeyやMouserの取扱いTI製品品揃えが少ない傾向がありました。新しいTi.com購入機能は、これを改善できます。