Windows 11タスクバー位置を考える

Windows 11タスクバーの位置は、モニタ下側のみです。Windows 10は、ユーザが上下左右へ位置変更可能でした。この下側のみの訳を考え、Windows 10同様、変更復活を熱望します。

タスクバー下側位置

Windows 11タスクバー配置
Windows 11タスクバー配置

Windows 11のタスクバー配置は、デフォルト中央揃えで、左揃えには変更可能です。しかし、その位置は、モニタ下側のみです。Windows 11の最も残念な個所です。

理由は、明らかです。

タスクバーがモニタ下側にあると、その分だけ下側の表示領域が減ります。Wordなどアプリによっては、下側へステータスバーなども表示します。モニタ下側は、左右に比べ有効に使いたい領域です。

タスクバーを自動的に隠すのは、有効化に寄与します。しかし、この隠す動作は、集中を妨げます。気が散るため筆者は好みません。

WordステータスバーとWindows 11タスクバー
WordステータスバーとWindows 11タスクバー

左横書き言語と数字表示

例えば、1920×1080解像度(16 : 9)モニタの場合、アプリ動作中に表示が少ない空白は、左側に集まります。本ブログ本文などもその傾向です。

これは、文字は左から始まり右へ続く左横書き言語、数字も左が高位ですので左詰めだからです。また、モニタ上側には、メニューやアイコンなどのアプリ操作系が左揃えで居座っています。モニタ上/左側は、文字や数字、アイコンが混み合う領域です。

※アラビア語などの右横書き言語、縦書き日本語もあります。が、ここでは割愛致します。

つまり、上/左側は、アプリ操作、下側のステータスバーも含めると、モニタ上/下/左側は、アプリ表示に適した領域と言えるでしょう。

従って、残る右側が、OS Windowsのタスクバー表示場所として最適です。

これは、16 : 9など横長モニタで、左右(16)が、上下(9)よりも表示領域に余裕があること、ウインド最大/最小化などのOS操作や日時表示が右側にあること、これらとも整合します。

右側タスクバー配置が、アプリとは異なるOS操作や視線移動の点からも合理的な理由が上記です。

Windows 11タスクバー右側配置が合理的
Windows 11タスクバー右側配置が合理的

下側、中央揃えメリット?

Windows 11タスクバーのデフォルトモニタ下側、中央揃えにメリットが有るとすれば、映画再生やゲーム、メタバース利用時などでしょう(Microsoftの大手ゲーム会社Activision Blizzard買収は、コチラの関連投稿2章参照)。

これ以外のメリットは、見た目で直にWindows 11と判る点です。筆者は、これが中央揃えにした理由だと思います。

最近、販売店で目にする21:9や32:9などのウルトラワイドモニタ利用時は、左側よりも中央揃えタスクバーが良いかもしれません。2つ以上のアプリを、左右に同時表示するからです。

店頭や広いワークスペースを持つ欧米ならともかく、例えネットカフェでも狭くスペース制約が多い日本では、設置場所を取るウルトラワイドモニタなど望むべくもありません。個人環境では、尚更です。

要するに、タスクバー「下側固定の意図」が解らない訳です。Win10までのMetroデザインが、新しいFluentデザインに変っても、位置の制約は無いハズです。

デフォルトは下側でOKです。Windows 11は、Windows 10とコア共通です。10同様、上下左右タスクバー位置可変も容易だと思いますが…😥。

Windowsには、様々な無料ツールがあります。しかし、タスクバーを右側へ配置し、Win10同様に正常動作するツールは、現在見当たりません😥😥😥。

タスクバー上下左右配置復活熱望

Windows 11タスクバーは、モニタ活用や合理性、従来Win10ユーザニーズを満たす上下左右配置可能にすべきです。

PCハードウェア要件:TPM回避Windows 11アップグレート方法開示と同様、タスクバー上下左右配置の復活、是非お願いします。

Windows 10、11、12

Windows 10、11、12、Linux?
Windows 10、11、12、Linux?

Windows 11リリース後、数か月が経過しました。早くもMicrosoftは、次期Windows 12開発着手の情報もあります。そこで、Windows PCの使い方をまとめます。何をどう対処すべきかの指針を、整理するためです。

Windows 11問題

筆者PCの使い方では、TPM以外のWindows 11問題は、タスクバーとMicrosoftのユーザカスタマイズを拒む姿勢です。Windows HelloやBitLockerは、使いません。が、今後セキュリティ比重は増しますので、TPM 2.0導入は我慢できます。

しかし、利用頻度が高いタスクバーがWindows 10のようにカスタマイズできない点と、それを強要するMS姿勢は、OSシェア断然トップのWindowsらしくありません。

過去アップグレード後のWindowsは、各種カスタマイズが容易でした。ところが、アップグレード時、MSアカウント必須に変われば、Hello利用やOneDrive接続、ユーザフォルダ名などもMS推薦設定になります。

10とコア共通のWindows 11リリース後、上記以外にもブラウザEdge、検索エンジンBing設定などにユーザカスタマイズを拒む姿勢変化が見られます。いずれも、Chrome、Google検索に比べ低シェアのためでしょう。

例えると、Macはクリエイター向けオートクチュール、従来Windowsはユーザがカスタマイズ容易なプレタポルテでした。ところが、Windows 11は、カスタマイズを許容しません。MSが想定した通りのメガネ(検索エンジン)と上着(タスクバー)を着なさい、と言っているようなものです。

従来Windowsユーザの生産性向上に反したMSの姿勢です。うがった見方をすれば、これはWindows 12の布石かもしれません。つまり、12は過去Windowsしがらみを切った全く新しいOSへ変わる可能性です。

解決DeadlineとOS利用形態

上記のようにカスタマイズを拒むWindows 11と10の混在利用は、効率を下げるため避けたいです。OS検討Deadlineは、Windows 10サポート終了の2025年10月です。

それまでのOS状況を整理すると、3利用形態があり得ます。

形態1:Windows 10を2025年10月まで利用

2025年10月14日まで、いかに上手くWindows 10を活用するかの特集が公開されました。

年1回へ減ったWindows 10大型更新さえ行えば、殆どのユーザが、従来の基本的OSメインテナンス実施でDeadlineまで安全に使えます。

Windows 10をサポート終了まで使う意味で、重要な記事です。Windows 10の手動による大型更新方法は、コチラの関連投稿を参照ください。

形態2:Windows 11アップグレード

未完成OSがWindows 11です。ユーザ反応をMSが見たうえで機能変更や追加を随時行っていきます。この方法も、従来新OSに無い新しいMS姿勢です。

悪評タスクバーが、改善されるかがポイントです。年1回のWindows 11大型更新は、Windows 10からのアップグレード採否を見極める機会にします。

また、使用中PC買換えタイミングもこの3年半に重なります。故障前に新PC購入が必要です。日本では、春と年末商戦時が、時期的に良いと考えています。

形態3:Windows 12アップグレード

現在のWindows 11は、Windows MeやVistaになるかもしれません。MSのWindows 12開発着手が、従来比、早いのか遅いのかも不明です。

しかし、11が不評で、中途半端なOSであることは確かです。Windows 12は、当然OSコア刷新、セキュリティもメタバース向けに強化した新世代OSになると思われます。インターネット進化版メタバースは、コチラの関連投稿を参照ください。

PCハードウェア仕様が許せば、11を飛ばして、12へアップグレートする可能性もあり得ます。

Plan B:Linux PC乗換え

Windows 10は、Deadline後は使えません。11や12アップグレートが困難な時は、WindowsからLinuxへ乗換えます。

現行PCのハードウェア仕様は、Linux化に問題ありません。詳細は、専用Linux Mint 20.3を使って評価します。Linux上でWindowsソフトを動作させるWine 7.0なども活用予定です。

まとめ:OS対策3指針

Deadline は、Windows 10サポート終了2025年10月14日、残り3年半です。PC OS対策は、保守的か革新的かで、指針が別れると思います。筆者は、以下3指針で臨みます。

指針1:11見極め・・・・・・2022年秋、23年秋、24年秋、25年秋
Windows 11初回大型更新の今秋まで現行Windows 10 21H2利用、11アップグレード採否は、大型更新内容で判断。この判断は、年1回の11大型更新毎に再検討。

指針2:12情報取集とLinux乗換リスク評価
Deadlineまでに11アップグレードを行わない場合は、Windows 12に期待するか、または、Linux PCへ乗換え。実務移行問題洗い出し専用Linux PC:Linux Mint 20.3/4/5で乗換リスク評価。

指針3:11 カスタマイズ性見極め
DeadlineまでにPCハードウェア新規購入の場合は、最新ハードウェア(Microsoft Plutonプロセサなど)搭載Win 11機とし、使い慣れたWin10カスタマイズがどの程度可能かを探る。

予定より少し早く新PCを調達し、指針3の11 カスタマイズ性の見極めを行う予定です。

LibreOffice 7.3 WriterとWord 2019互換性

Interoperability of Office Word and LibreOffice Writer
Interoperability of Office Word and LibreOffice Writer

2022年2月2日、LibreOffice 7.2 Communityが7.3へ改版されました。Microsoft Officeとの互換性重視の改版です。そこで、Word 2019 → LibreOffice 7.3 Writer読込み、LibreOffice 7.3 Writer → Word 2019読込みの試行結果を示します。

Word ⇋ Writer相互運用性は、かなり向上しました。

互換性試行条件

Microsoft Office Word 2019をWord、LibreOffice 7.3 Community WriterをWriterと略します。

試行条件(OSは、Windows 10 Pro 21H2使用)
1) Wordで原稿作成(作成拡張子docx)
2) Word原稿文書を、Writerで編集保存(保存拡張子docx、またはodt)
3) Writer編集文書を、Wordで再編集(拡張子docx)

拡張子の違いは、まとめ章の後に説明します。また、Word原稿は、前投稿メタバースとIoTを例文として流用します。

Word原稿 → Writer読込み

Word文書をWriterで開く(拡張子docx)
Word文書をWriterで開く(拡張子docx)

1行当たりの表示文字数が異なりますが文章(テキスト)は、Writer読込みに問題はありません。改行も正しく読込まれています。

図のレイアウト崩れは、「図の上下折返し」がWordデフォルト、Writerデフォルト「左右動的折返し」と異なるためです。Writer側の図を選択後、【 H2 】インターネット進化版…の後へ移動し、図の大きさを段落間に調整するとWord原稿と同じレイアウトになります。

試行では、このWriter調整後保存します。ファイル形式の確認は、Word形式を選択します。なお、ODF形式で保存すると、ファイルサイズが992KBから521KBへ小さくなります。

ファイル形式の確認でWord形式を選択
ファイル形式の確認でWord形式を選択

Writer編集 → Word読込み

Writer編集保存ファイル拡張子は、docxです。保存ファイルをWordで開くと、最初のWord原稿と同じものが、表示文字数も含め再現されます。文章や図表のレイアウト崩れなどもありません。

Writerのdocxファイル出力は、Word互換性が高いことが判ります。

まとめ:互換性評価結果

完成した文書の配布は、PDFが基本です。しかし、文書の開発中は、異なるアプリケーションやOS環境での相互運用もあり得ます。相互運用時、異種環境でも100%文書互換性があると便利です。

本稿は、Word作成docxファイルを、Writerで編集後docxファイルへ保存、最後にWord再編集を試行し、従来比、LibreOffice 7.3 Writerは、Word相互運用性が高まったことを示しました。ファイル拡張子は、全てdocxを使いました。

WordのdocxファイルをWriter読込み時、テキスト読込みは改行含め問題無し、図表レイアウト崩れは手動での修正が容易です。一方、Writerのdocxファイル出力におけるWord読込みは、テキスト図表ともに問題ありません。

従って、Word ⇋ Writer相互運用ができるレベルに達したと評価します。

大サイズWord文書、Excel/PowerPoint文書のLibreOffice運用については未調査です。

まとめは、以上です。

 

補足として、ODFファイル拡張子と相互運用向上Tipsを示します。

Open Document Format(ODF)拡張子

ODFは、完全オープンなISO標準ファイル形式です。異種アプリケーション/OS間のファイル相互運用が、ODFの目的です。

Windows/Mac/Linuxマルチプラットフォーム対応のLibreOfficeは、デフォルトでこのODFファイルを扱い、拡張子が下記です。

・odt(LibreOffice Writer文書ファイル)
・ods(LibreOffice Calc表計算ファイル)
・odp(LibreOffice Impressプレゼンテーションファイル)

各ODFファイルは、Google Workspaceも対応済み、また、Microsoft Officeも自社独自ファイル形式(docx/xlsx/pptx)に加え、ODF形式へも対応しました。

相互運用性は、アプリケーションや実装ODFバージョンなどにより100%互換には至っておりません。不足分は、本稿で示したような手動での対応が必要です。不足分の程度により相互運用可否が決まります。

少なくともベンダ囲い込みや、ライセンス使用料を気にせずに運用できるメリットが、ODFにはあります。

相互運用向上Tips

2章でdocxファイルよりもodtファイルの方が、保存サイズが小さいことを示しました。そこで、初めからWord原稿をodtファイルとして保存 → Writer編集 → Word再編集の相互運用性を、2章docxファイル原稿時と比較しました。

odtファイルは、Word再編集の読込み時、図表に加え文書もレイアウト崩れが生じました。Tipsは、以下です。

・Word ⇋ Writer相互運用文書は、docxファイル編集保存が良い
・相互運用文書レイアウト崩れを避けるには、文書(テキスト)と図表を分離、最終稿のみで図表レイアウトが良い
・Wordでは苦手な日本語文字数取得が、Writerは容易

文字数取得は、要約作成時に便利です。複数範囲をカーソルで囲むと、Writer下段ステータスバーにトータル文字数が表示されます。弊社ツイッターの要約作成に活用中です。

LibreOffice 7系の更新は、Officeと相互運用性を更に高めるよう予定されています。これにより、例示したWriter側の図表レイアウト崩れなども解消すると思います。GUIなどのアプリ操作性は、単なる慣れの問題です。

Windows/Mac/Linuxマルチプラットフォーム動作、相互運用性も向上中の無償LibreOfficeを、Microsoft Office代替Plan Bとして気軽に活用してはいかがでしょう。

弊社LibreOffice関連投稿は、コチラを参照ください。

メタバースとIoT

コロナ過での海外出張、特に日本帰国時が大変です。(少し長い!)出国時帰国時記事で良く判ります。デジタル達人でさえこうですから、一般人の肉体的、精神的負担は計り知れません。

COVID-19が生んだコンタクトレス・テクノロジ、メタバースやアバターは、パンデミック社会生活の負担解消が目的です。また、IoTとも無関係ではありません。

インターネット進化版メタバース

インターネット進化版メタバース構成
インターネット進化版メタバース構成

電子メールやウェブサイトを生んだインターネット、その進化版がメタバースです。世界中のコンピュータやネットワーク内で構築される3次元仮想空間とその提供サービスです(Wikipediaより)。

SNSのMeta(旧Facebook)やMicrosoftが、メタバースに注力するのは、必然です。巨大インターネット企業GAFAMの次の収入源、ビジネス領域だからです。
※Metaverseは、meta(超)+universe(宇宙)の造語。
※GAFAMは、Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftのこと。Big Fiveとも呼ばれる。

これら企業のメタバースは、「現実」の人の移動や接触無しに、安全でより効率的な社会生活ができる「仮想空間」をリアルに提供します。仮想空間内の「本人」が、アバターです。

インターネット進化版メタバースは、COVID-19パンデミック規制が例え終息したとしても、ウイルス耐性を持つ仮想空間による新しい社会生活基盤を全世界に与え、経済活動もこの中で行われます。電子メールやSNS、ウェブサイト同様、生活必需基盤となるでしょう。

メタバース内のなりすまし防止、安全性や本人を保証する要素技術がセキュリティです。メタバース入口のWindows 11のTPMもその1つと言えそうです(Windows 11 TPMは、コチラの関連投稿を参照)。

デジタル後進国日本

江戸時代の鎖国や国民性も影響しているデジタル後進国日本は、最新情報の海外調達でも障害や人的負担が大きいことが、最初の2記事から判ります。

アジア唯一のG7国:日本も、最新情報を遅延なく入手し続けないと、後進化に拍車がかかるかもしれません。※劣化日本の傾向と対策は、お時間があればコチラの関連投稿も参照ください。

AI翻訳も身近になりましたが、IoT MCU開発者は、和訳に拘らず英文による情報入手が効率的なのは明らかです。

IoT進化

全てのモノがインターネット接続するIoTも、メタバースにより進化します。

現在は、主に自動車や産業機器などの「人間以外」のモノが対象です。メタバースでは、これら対象に「人間」も加わります。例えば、2~3年後実現の舐めると味がするテレビ。人間の味覚もネットで繋がります。

IoTデバイスは、モノのセンサデータAD化とネット登り方向への送信が主でした。メタバースにより、人間相手の下りデータDA化やGUIなども重要になりそうです。上下データ同時制御や高度GUIには、IoT MCU高性能化も必要です。

ゲームヘッドセットの視覚、聴覚の仮想化
ゲームヘッドセットの視覚、聴覚の仮想化

現在のゲームヘッドセットが提供する視覚、聴覚の仮想化に加え、触覚、味覚、嗅覚などの五感も仮想化できれば、より人間が使いやすいメタバースになります。

更に、エッジ/クラウドAIやロボット技術も加えれば、モノ対人間、人間(アバター含む)同士、人間対モノの繋がり実現のメタバースは、無限の可能性をIoTデバイスへ与えます。

同様に、

・熱さ・冷たさを判断する感覚
・空間の中で、自分の体がどこにあるのかを把握する感覚
・身体のバランスをとるための平衡感覚

など、五感に加えメタバースとの相性が良い三感覚の研究もあります。これらは、IoTデバイスとも相性が良さそうです。

メタバースは、モノから人間を対象に加えたIoTデバイスへ、多大なインパクトを与えると思います。

TPM SoC Microsoft Plutonプロセサ搭載PC 5月発売

Microsoft Plutonプロセサとは、Windows 11アップグレート要件のTPMとCPUをSoCで一体化し、より強固なセキュリティを実現したWindows PCのことで、2022年5月発売予定のRenovo ThinkPad Z16/Z13が初のPlutonプロセサ搭載PCです。

Microsoft Plutonプロセサ

Microsoft Pluton(出展:Microsoft News Centor)
Microsoft Pluton(出展:Microsoft News Centor)

現行のTPMは、CPUとは別チップです。このため、TPMセキュリティを破る方法が公開されています。

この対策にMicrosoftは、TPMをSoC(System on Chip)でCPUと一体化した「Microsoft Plutonプロセサ」を、AMD、Intel、Qualcommと共同開発すると2020年11月に発表しました。

Microsoft Plutonプロセサ搭載PCのSoCセキュリティサブシステムの更新は、Windows Updateと連動しており、定期的なシステムセキュリティ更新が実行されます。

スマホ、Xbox標準のセキュリティ一体化プロセサ

SoCでセキュリティ機能を一体化したプロセサは、スマホでは標準的、ゲーム機のMicrosoft Xbox Oneでも2013年に既に導入済みです。また、コチラの関連投稿4章:TrustZone内蔵Cortex-M33にも近づいた感じがします。

スマホやXboxに遅れること約10年目の2022年、一般的なPCへもMicrosoft Plutonプロセサ(Ryzen PROシリーズ+SoC TPM)が、Renovo ThinkPad Z16/Z13へ導入されました。終わりが無くエンドレスなセキュリティ対策の実例です。

ThinkPad Z13(出展:PC Watch記事)
ThinkPad Z13(出展:PC Watch記事)

Pluton PCの今後

気になるのは2点。1つは、Microsoft Plutonプロセサが、Windows 11以降(例えばWindows 12)の一般PC要件になるかもしれない点😥、もう1つが、自己責任で「TPM 2.0回避アップグレート」したTPM無しWindows 11のTPM更新(Windows Update)はどうなるか、という点です。

2つ目に関しては、昨年TPM 2.0を回避して11アップグレートした先進ユーザが、様々な情報をネットに投稿してくれると思いますので期待しています。

仮にTPM以外の月例セキュリティUpdateは成功、今年秋のWindows 11大型更新もTPM 2.0装着PC同様成功するなら、2025年10月サポート終了Windows 10の後継OSとして、11の選択もあり得ます。OSアップグレードに対しPCハードウエアの著しい性能向上をMicrosoftが求めなかった過去経緯ともマッチするのは、このアップグレード方法です。

もちろん、TPM 2.0非搭載リスクは、自己責任です。このリクスを根底から無くすには、PCのPluton PC化が必須です。Windows 11は、PC Pluton化への過渡期用OSで、だからこそ、TPM回避Windows 11インストールをMicrosoftが公式発表したのかもしれません。

セキュリティ起因のPluton PCが一般PCに普及すれば、次期Windowsは、Pluton PCを要件とするでしょう。今後もMicrosoft動向とWindows 11改良、TPM回避先進ユーザ情報に注視したいと思います。

WindowsのTPM使い方

Windows 11アップグレート要件のTPM 2.0の使われ方を調査しました。WindowsがどのようにTPMを使っているかを知れば、11アップグレート足切り要件を筆者が納得し、加えて、IoT MCUセキュリティのTrustZone開発工数を顧客へ説明する時、参考になるかもしれないからです。

WindowsのTPM

Windows 10から追加・変更された現行Windows 11の機能は、生産性や弊社ビジネス向上に直結するものは無いと思っています。対処法などは、最悪Windows 11へアップグレードする際に備え収集中です。

アップグレード要件で最も不満な点が、TPM 2.0です。このTPMで何を行い、なぜ要件になったのかを整理してみます。

TPM機能(出展:PC Watch記事)
TPM機能(出展:PC Watch記事)

その結果、TPM 2.0は、11アップグレード要件というよりも、国際標準規格制定団体:Trusted Computing Group(TCG)が2014年10月にリリースし、TPM 2.0としてISO/IEC標準セキュリティ規格となったPCの普及が目的、と結論しました。

来年秋のWindows 11大型更新後、弊社PCの11アップグレート状況が変わるか楽しみです。

TPM利用Windows HelloとBitLocker

暗号化、乱数⽣成、暗号鍵⽣成と保存、デジタル署名がWindowsのTPM 2.0チップ利用箇所で、MacのBoot CampでもWindows 11が動作しない理由は、コチラに良くまとまっています。

ちなみに、TrustZone対象も、TPM 2.0と同様になる可能性も高く、特に、暗号化アルゴリズム可変の機能は、優れています。アルゴリズムを変更するWindowsのOTA相当にも注目しています。

Windowsは、これらTPM機能を利用し、パスワードを使わずにWindowsへサインインする「Windows Hello」や、内部ストレージ暗号化の「BitLocker」を実行します。また、「Microsoft Azure Attestation」(MAA)などにも使うようです。

WindowsのTPM使い方例(出典:セパゴのITブログ)
WindowsのTPM使い方例(出典:セパゴのITブログ:https://www.sepago.de/)

BitLockerやWindows Helloは、Windows 10でも利用した企業向けノートPCユーザもいるかもしれません。ただ、個人ノートPCや自宅PCユーザは、Microsoftアカウントを使うWindows HelloやPINの代わりに、ローカルアカウントの利用者が多いハズです。手間が掛からないことや、PC使用履歴をクラウド記録されるのが嫌だからです。

Windows 11は、Microsoftアカウント利用が基本ですが、アプリケーション個人認証にスマホ併用も必須になりつつあります。例えば、Googleログインも、スマホ2段階認証が有効に変わりました。

Googleログインの2段階認証プロセス
Googleログインの2段階認証プロセス

従って、例えWindows 11でTPMパスワードレス認証後でも、Googleログイン2段階認証は必要になる訳です。一方、TPM 2.0未搭載Windows 10でも、BitLockerやWindows Helloは利用でき、スマホ2段階認証などで様々なアプリケーションのセキュリティにも対応可能です。

つまり、TPMは、Windows 11の技術的アップグレード要件ではなく、OSセキュリティ強化が目的、というのが筆者TPM評価です。

ちなみに、ローカルアカウントによるWindows 11セットアップ方法は、コチラにまとまっています。

TPM理由

Microsoftが強調するOSセキュリティ強化には、TPMと手間暇、処理能力が必要です。処理能力要件が、Windows11対応CPUです。Windows 10が正常に動作するCPUでも、この能力要件を満たさないCPUも多数あります。理由は不明ですが、今回はTPMにフォーカスするため追求しません。

さて、筆者のようなセキュリティ素人には、TPMセキュリティ強化分と便益(手間暇)比を、ゲーム/個人/企業などのPCユースケース毎に評価、公表してほしいです。現行Windows 11は、最強セキュリティを求める企業向けユーザのみを対象にしている気がします。

仮に、Windows 11普及にTPMセキュリティ強化が障害になっているとMicrosoftが判断すれば、コチラの関連投稿2章のユーザアカウント制御のようなセキュリティを弱める対策を打出すと思います。

ユーザアカウント制御の設定
ユーザアカウント制御の設定

好みのセキュリティレベル設定は、個人ユーザに歓迎されるハズです。既に、TPM回避Windows 11インストール公式発表などがその現れです。これは、Windows 10サポート終了2025年10月14日が近づけば、より効果を発揮します。

しかし、Windows 11の魅力が現行のままなら、2025年10月以降は、Mac/Linuxなどの別OSやWindows 365などに乗換えるユーザも少なくないと思います。11乗換魅力の無さが、普及を妨げているからです。

TPM の理由は、最もセキュリティに敏感で、新PC購入/入替えも容易な企業向けPCユーザへ、ISO/IEC標準セキュリティ規格PCへの買換え動機付けだと思います。

TrustZone Cortex-M33はM4比2倍説明応用

TrustZoneとTPMの類似性
TrustZoneとTPMの類似性

IoT MCU顧客へ、Cortex-M33 TrustZone活用開発工数は、Cortex-M4比2倍となる説明が必要と前稿で書きました。

2倍根拠は、Cortex-M33/M4動作周波数比、Secureと通常の2プロジェクト同時開発必須などです。これらは、目に見える差分です。しかし、セキュリティに関しては、リスクが増減という話ばかりで、数値で表せないセキュリティ差分を、顧客に納得してもらえるかは、正直分かりません。

しかも、TrustZone活用には、通常の開発スキルに加え、セキュリティスキルも必要です。組込み開発は、1人で全て担当することも多いので、セキュリティ知識は持てても、利用スキル:暗号化ライブラリ選択やAPI利用法などに限定したいハズです。

セキュリティの詳細内容は、一般的なIoT MCU開発者には背景知識が少ないため、根本理解は困難でしょう。この状況で、セキュリティ利用スキルも必要となるTrustZone活用開発の差分を、顧客に上手く納得してもらうには、開発者として何らかの工夫も有効かもしれません。

Windows 11のTPMも、上記TrustZoneと全く同じ状況だと思います。そこで、現時点のTPMを整理しました。

今後Microsoftが、どのようにTPMの理由をユーザへ説明(12/4更新)していくかを、IoT MCU顧客へのTrustZone Cortex-M33開発工数が、M4比、2倍の説明にも応用したいと考えています。

実務的には、セキュリティの根本理解よりも、この方法の方が近道の気がします😅

Windows 10 21H2大型更新成功

2021年11月17日、Microsoftは、Windows 10 21H2大型更新を一般公開しました。数年前から投稿してきたMediaCreationTool21H2を使った手動更新方法で、10月18日に弊社Windows 10 PC 3台を更新し、今日現在トラブルはありません。

21H2大型更新後OSビルド1348から1387へ更新、Windows 11アップグレートも可能
21H2大型更新後OSビルド1348から1387へ更新、Windows 11アップグレートも可能

朗報は、Windows 10大型更新が、年1回へ変更されたこと、また、今回の21H2更新規模は小さく、今後も小規模更新を繰返し、4年後の2025年10月14日サポート終了を迎えるだろうことです。

安心、安全、安定度の高い最新Windowsを望むユーザは、今日現在、Windows 10 21H2が最適です。

Windows 10 21H2手動大型更新方法

Windows 10 21H2大型更新方法と手動更新メリット/デメリットを、簡単にまとめたのが下表です。詳細は、前回前々回と同じですので参照してください。

注意点は、旧21H1を起動した状態で、新21H2 USBセットアップを実行することです。

Windows 10 21H2手動 大型更新手順
準備

MediaCreationTool21H2.exeダウンロード

②USB/DVDインストールメディア作成

③21H1バックアップ(更新失敗リカバリ対策)

更新

21H1起動状態で作成USBのsetup.exe実行

②21H2引継ぎ項目選択後インストールクリック

③21H2大型更新が自動で完了

最大メリットは、ユーザタイミングで大型更新できることです。また、Windows 21H2更新後でもWindows 11アップグレートは、もちろん可能です。

手動 大型更新 メリット/デメリット
メリット

・ユーザがいつ始まるか判らない大型更新を開始できる

・バックアップを取るタイミングが良く、リカバリにも適す

・アプリとユーザデータ両方引継ぎで更新後、即PC利用可能

・USBは複数PC更新に使えWindowsトラブル回復ツール兼務

デメリット ・レジストリがデフォルトへ戻るのでユーザ変更時は再設定必要

Windows 11新機能とWindows 10最適理由

例えば、Windows 11新採用のタスクバーのモニタ中央配置。Windows 10風に左配置へ戻せますが、タスクバー中央配置の必然性は無いと思います。このように、PC本来の生産性や操作性を向上させる新OS機能が、Windows 11には少ない(≒無い)と感じます。

Windows 11アップグレート要件TPM 2.0は、コチラに2021年11月16日のMicrosoft見解があります。PC搭載カメラ/指紋認証/スマホを使った2要素認証など、既に存在する様々な対策に加えてTPM採用の利点は、理解できます。

しかし、重要情報をハッカーなどから守るセキュリティ強化策がTPMで、重要ですが縁の下の力持ち、新しく何かを作り出す訳ではありません。

Microsoftは、当初TPM 2.0をWindows 11足切り要件とし、新PC購入の需要喚起、起爆剤にしたかったと推測します。既にTPMを破る方法も公開されていますので、TPM過信は禁物です。

しかも、欠点もあるハズです。例えば、TPMモジュール故障時PC起動はできるか、TPM再設定は簡単か、TPM認証失敗時の手間は、などなど、セキュリティ根幹強化は使い勝手も良くなるとは限りません。

素人考えですが、効果と失敗を含めた手間など利用形態に応じて、ユーザがセキュリティリスクバランスを設定できるか否かだと思います。ユーザアカウント制御設定に近いイメージです。設定が攻撃対象になると元も子もなくなる訳ですが、既存2要素認証などで攻撃回避して……、抜け穴ありそうですが…😅。

要は、セキュリティは、貴重なユーザPC能力をも消費するということです。

ユーザアカウント制御の設定
ユーザアカウント制御の設定

ネットカフェPC利用も多い筆者は、PCハードウェア依存のアクセス制御は好みません。半導体不足の昨今では、持ち運び可能な高性能ノートPC新規入手は、新車同様、困難になりつつあります。

Microsoftが本当にTPM必須と考えるなら、TPMを回避したWindows 11インストール方法の公式発表やアップグレート要件緩和など、矛盾行動も見られます。半導体不足終息が不明であることから、新PC需要喚起の方針ブレだと思います。

また、次期OSのWindows 365とWindows 11両方に開発リソースを分けるのは、(余計なお世話ですが)Microsoftにとって得策とは思えません(Windows 365/11は、コチラの関連投稿参照)。Windows 11初期トラブルが、来年2022年秋Windows 11大型更新後も続くようなら、Me/Vistaの二の舞もあり得ます。

大規模変更が無いWindows 10へは、セキュリティやバグ修正などPC本来の安心、安全、安定度を高める更新は、2025年10月14日サポート終了まで提供されます。

まとめ

Windows 10 21H2への手動大型更新方法、メリット/デメリットをまとめました。

Windows 11新機能や初期トラブル状況から、今日現在Windowsユーザには、Windows 10 21H2が最適とした理由を説明しました。

Windows 10サポート終了2025年10月14日までに、Windows 365/11、新PC購入、他OS乗換などの対策は必要です。

あとがき:テクノロジー進化リスクと魅力の比

筆者は、MS-DOSからの古いMicrosoft Windowsユーザです。過去、Windowsアップグレートを躊躇った事は、一度もありません。もし、弊社3台PCが、全てWin 11足切り要件OKなら、今回も過去同様アップグレートしたと思います。しかし、現状は11要件緩和後もOKは2台、1台はNGです。

ノートPCは、天寿も近いので新PC購入も検討中ですが、好みのPCは価格高止まりです。さらに、新PCプレインストールOSもWin 11か10選択可能など、マスコミやSNSがバイアスをかけるWin 11が、実ユーザに歓迎されているかも疑問です。Win 11魅力不足と購入後のWin 10→Win 11はいつでも簡単ですが、Win 11→Win 10ダウングレードは大変だからでしょう。

テクノロジー進化は必須です。ただ、進化リスクと魅力の比は、リスクが勝ると現状Win 11には感じます。

COVID-19が、コンタクトレス・テクノロジーを加速中なのは確かですが、同じく加速した半導体不足が、Win 11に追風か逆風かは、MS動向注視とWin 11魅力アップが必要だと思います。22年秋の11大型更新後でも、アップグレートは遅くは無いと思います。

逆に2022年は、最新、高安定Windows 10 21H2でIoT MCU開発に注力できる1年と言えます👍。

Office 2021とLibreOffice 7系

2021年秋は、Windows 11やmacOS MontereyなどPC新OSが登場しました。加えて、Microsoft Office 2021発売やLibreOffice Fresh/Stillが共に7系へ更新するなど、PC文書作成ツールも変化しつつあります。

本稿は、これら文書作成ツールとPCプラットフォームの現状をまとめます。

Microsoft Officeの2025年10月14日

Microsoftの2025年10月14日
Microsoftの2025年10月14日

Microsoft Office 2019と2016のセキィリティ延長サポート終了は、どちらも同じ2025年10月14日で、Windows 10サポート終了と同日です。

つまり、2025年10月14日以降は、Windows 10+Office 2019/2016のローカルPCでの運用は、セキュリティ上、問題です。Microsoftは、Windows 365やOffice 365(=Microsoft 365)などのサブスクリプション型クラウドツールを代替候補として提供します。

新発売の買い切り版ローカルPC向けOffice 2021のサポート終了は、何故かOffice 2019/2016のわずか1年後、2026年10月14日です。日本のみに人気がある買い切り版Officeから、徐々に撤退の兆しを感じるのは筆者だけでしょうか?

新OS Windows 11は、特に企業向けには不評のようです。多くの初期トラブルに加え、Windows 11メリットがビジネスには直結しないため、安定度、完成度の高いWindows 10を使い続けるユーザが多いからです。

さらに、従来Windows 10大型更新の年2回から、Windows 11同様年1回へ変更されたことも朗報、継続プラス材料です。名称もWindows 10 November 2021 Updateへ変わったようですが、大型更新結果は21H2のままでした(21H2更新結果は、来週投稿予定)。

21H2:Windows 10 November 2021 Update結果
21H2大型更新結果

Microsoftのこれら対応は、Windows 11へのアップグレート更新を望まない多くのWindows 10ユーザが、マルチプラットフォーム&クラウドツールのWindows 365へ乗換える可能性を高くします。
※Windows 365とWin 10/11比較は、コチラの関連投稿を参照してください(Win 10大型更新回数は、投稿当時の年2回のままなので注意してください)。

2025年10月14日まで、残り4年です。

この4年間は、「Microsoftが全Windowsユーザへ与えたクラウド提供ツールへの移行検討と猶予期間」とも考えられます。Microsoft戦略を俯瞰した気がします。

クラウド化は、ユーザメリットもある反面、情報漏洩についてコチラの記事を参考に検討が必要です。また、10月発生のNTTドコモ通信障害のように、ネットワーク障害により長時間クラウド利用ができないリスクもあります。

LibreOffice Community 7系

LibreOffice 7系公式資料とContents
LibreOffice 7系公式資料とContents

独)TDF:The Document FoundationのWindows/Mac/Linuxマルチプラットフォーム対応個人向け無償LibreOffice Communityは、Fresh(約1ヶ月更新の最新版)とStill(約3ヶ月更新の安定版)ともにバージョンが7系になりました。
※LibreOffice Communityと企業向けEnterpriseの違いは、コチラの関連投稿を参照してください。

Microsoft Office文書との互換性改善が主な改良点で、従来版との大きな変更はありません。弊社は、Microsoft Office 代替としてLibreOfficeを推薦しており、LibreOfficeの使い方や、Writer/Drawテンプレートなども無料提供しています。

Drawは、Microsoft Office Visio相当の図形描画ツールです。弊社は、超高価なVisio代替にDrawへ移行しつつあります。

初歩的な使い方は、上記テンプレートでカバーしています。英語版ですが、7系の使い方や、Writer/Draw/Clacの詳細な使い方は、PDF公式資料がコチラからダウンロードできます。

残念ながら日本語版(機械翻訳)は、404エラーで使えない状態です。但し、PDF資料の目次(=Contents)が判り易くできているので、不明箇所をピックアップして読めば使用方法が判ります。

注目してほしいのは、ダウンロード資料の出来栄えです。高品質資料が、無償LibreOfficeを使って作成できることが判ります。

文書作成ツールとPCプラットフォーム

ビスネスPCのOSは?
信頼性重視ビスネスPCのOSはWindows、Mac、Unixのどれが良いか?

PC技術の最新ドレンドは、メタバースやアバターです。コンタクトレス・テクノロジーと呼ばれます。MicrosoftNVIDIAなど多くのIT企業が仮想世界の実現に向けて邁進中です。

COVID-19が影響しているこれらトレンド実現には、Windows 11要件、TPM:Trusted Platform ModuleなどによるPCプラットフォーム、つまりクラウドエンドポイントのセキュリティ強化が必要です。アバター本人確認や、なりすまし防止などが必須だからです。

一方、コンテンツ作成を主機能とする文書作成ツールMicrosoft Officeは、既に完成の域に達しています。LibreOfficeは、Microsoft Office文書互換性向上を目指し改版を続けるでしょうが、価格を除く両者の差は、少なくなってきました。要は、ユーザ操作の慣れの問題で、コンテンツ作成機能差は無いと言っても良いでしょう。

経済的理由や各種リスクから、クラウドサービスよりも、ローカルPC処理が筆者は好みです。本稿の文書作成ツール状況を踏まえ、2025年10月14日までに、弊社に適すPCプラットフォーム整備を進めます。

主要ベンダのIoT MCU開発環境は、既にマルチプラットフォーム対応済みです。良質な開発資料を顧客へ提出するのは、開発者の責務です。コンテンツ資料作成の観点から、文書作成ツールとPCプラットフォームを検討する際に、本稿がお役に立てば幸いです。

組込み開発 基本のキ:IoT MCUセキュリティ

本稿は、IoT MCUソフトウェア/ハードウェア開発者向けTipsで、「MCU開発基本のキ」シリーズの第1回目です。MCUベンダ横断的に開発ポイント、Tipsなどを不定期に投稿します。

今回は、そもそもIoT MCUに、なぜセキュリティが必要かという最も基本的な点について示します。

幅広い技術がIoT MCU開発者には必要です。しかし、全てを理解し、時々刻々変化する状況に対応するには時間がいくらあっても足りません。情報が多く幅広いからこそ、短時間で効率的なIoT MCU開発のためのポイントやTipsが必要です。

このポイントやTipsについて筆者個人の考え方を示します。これを、たたき台にして、ブログ読者の方々の考え方に発展・貢献できれば幸いです。

接続とセキュリティ

インターネット接続とセキュリティ
インターネット接続とセキュリティ

IoT MCUは、インターネットなどに接続し動作することが前提です。

人がネットに接続する時は、事前にアカウント登録し、IDやパスワードなどの登録情報を接続時に手入力、ネット側で受信データと事前登録情報と比較し接続を許可します。

IoT MCUは、人の手入力の代わりに自動で登録情報をネット送信することで接続します。この時大切なのが、IoT MCU内部に保存済みの登録情報です。登録情報をサイバー攻撃やハッカーから守る手段がIoT MCUセキュリティです。

ハッカー、セキュリティ、OTA

ハッカーとセキュリティは、「いたちごっこ」を繰返します。

例えば、コチラのFirefox 91とWindows 10規定ブラウザー設定、Windows 11で更に複雑化する設定がその例です。この場合、ハッカー役がFirefox、セキュリティ役がWindow設定です。

様々なIoT MCUセキュリティ手段がありますが、ポイントは、守りは攻めに対する対処療法なので守りの追加や更新が必要となる点です。

つまり、個々のセキュリティ手段を知ることよりも、何を(IoT MCUの登録情報や秘密鍵などの重要情報)どのように守るかの方がより重要です。ソフトウェアによる守りよりもより強固な内蔵ハードウェアで重要情報を守るのが、ARM Cortex-M33コアのTrustZoneです。

いたちごっこの終息策として、MCU内蔵TrustZoneとその制御ソフトウェアを採用した訳です。

Windows 11で導入されるTPM 2.0も、TrustZone相当です。しかし、TPM保護PCから情報を抜出す方法という記事もあります。セキュリティには終わりが無いと言っても良いでしょう。

終わりが無いので、OTA(Over The Air)によりセキュリティ手段の追加や制御方法更新が必要になる訳です。OTAは、IoT MCUセキュリティ追加更新が本来の目的で、ソフトウェアバグ修正は副次的だと思います。

接続伝送路エラー訂正

無線であれ有線であれ、ネット接続の伝送路にノイズ混入の可能性があります。ただ、IoT MCUセキィリティが正常か異常かの判断は、受信データにノイズ(誤り)が無いことが前提です。

そこで、受信側に、受信データに混入ノイズを除去する機能があれば便利です。

2021年9月9日、米)MITは、あらゆる種類のデータ誤り検出し訂正するGuessing Random Additive Noise Decoding (GRAND)採用のハードウェアデコーダを開発しました。128ビットまでのコードを約1u秒でデコードでき、高速通信規格5GやIoT分野での利用が期待されています。

まとめ:IoT MCUセキュリティ3Tips

  1. ネット接続が前提のIoT MCUには、サイバー攻撃から内蔵重要情報を守るセキィリティ必須
  2. セキュリティは、対処療法なので機能追加更新OTA必須
  3. より強固に重要情報を守るTrustZone、受信データ誤り検出訂正GRANDデコーダなどのセキュリティ対策ハードウェアが、IoT MCU要件になる可能性あり

IoT MCUセキュリティ用語、関連性、対策ハードウェアがご理解頂けたと思います。
※TrustZoneに似たハードウェアに、ルネサス:Trusted Secure IP(TSIP)、STマイクロ:Secure Memoryなどもあります。

セキュリティは終わりがありません。どの程度のセキュリティをIoT MCUへ実装すれば良いかを検討するには、IoTセキュリティ手引書やPlatform Security Architecture: PSA Certified認証制度などが参考になります。

但し、IoT MCU開発者に解り易いかと言えば、正直疑問も感じます。そこで、IoT MCUセキュリティ関連で、最低限開発者が押さえておくべき3項目をまとめました。

特に項目3は、初めからIoT MCUに実装済みでないと後付けやOTA更新ができません。今後の欧米IoT規格や総務省動向にも注意を払う必要があるでしょう。

補足:IoTセキュリティコスト

筆者利用ネットカフェPCのWindows 11対応チェック結果を抜粋したのが下図です。2PCのみ抜粋しましたが、他PCも同様で、全項目OKのPCは皆無でした。弊社PCも3PC中1台のみ全OKですので、Windows 11無償アップグレード可能PCは、Windows 10 PCの30%以下になりそうです。

ネットカフェのWindows 11対応チェック結果
ネットカフェのWindows 11対応チェック結果

Windows 10サポート終了の2025年10月以降、多くのWindows 10セキュリティが低下し、サイバー攻撃に弱くなります。セキュリティ対サイバー攻撃コストを示すのは大変でしょうが、Microsoftは示す責任があると思います。

同様にIoT MCU顧客もセキュリティ対策コストを望むと思います。ちなみに、Cortex-M4比、Cortex-M33 TrustZone MCUは、2倍工数必要が弊社見解です(関連投稿:Cortex-M33とM0+/M4の差分の3章)。

Windows 10と11、Linux Mint、IoT MCU開発

2021年10月5日(米国時間)、次期Windows 11リリース、Windows 10 21H2リリースも10月5日前後と見込まれています。2025年迄の期間で、今後のPCとIoT MCU開発環境、開発者要件を考えてみました。

PCとIoT MCU開発環境まとめ

Windows 10、Windows 11、Linux MintとIoT MCU開発環境(2025年までの範囲)
Windows 10、Windows 11、Linux MintとIoT MCU開発環境(2025年までの範囲)

Windows 10 21H2小規模更新

年2回あるWindows 10大型更新、今秋のバージョン21H2更新も小規模更新です。

20H1から4回連続の小規模更新で、バージョンサポート期間も1.5年とこれまでと同じです。Windows 10サポート終了は、延長無しの場合2025年10月14日です。

Microsoftは、Windows 10の新規開発を終息し、次期Windows 11へ注力したいハズです。これは、サポート終了2025年までは小規模更新を繰返し、PCユーザ側は、逆に安定した最新Windows 10が使えるメリットを生みます。

なおWindows 10の更新方法は、コチラの投稿記事を参考にしてください。

Windows 11へのアップグレード要件緩和は幾分発表されましたが、セキュリティTPM2.0は相変わらずで、Windows 10から従来のような安易な11アップグレートをMicrosoftは許しません。従って、11要件が現状のままなら、Windows 10 PCの使い道は2025年以降無くなる運命です。

11化できない、または、10サポート終了後のWindows 10 PCをどう運用するかは問題です。解決策は、後で示します。

Windows 11プレビュー版評価

「Windows 11 もっさり」で検索すると、多くの記事がヒットします。もちろん、Windows 11プレビュー版試用感想です。Windows 10比、動作が遅く感じる人が多いのは確かなようです。

これは、CPU能力を、従来よりもグラフィックとセキュリティへ配分した結果だと推測します。

ビジネスユースの場合、Windowsグラフィック能力が生産性を向上させることはありません(Mac PCは別です)。一方、セキュリティ能力は、重要ではあるものの、しばしば開発作業の邪魔になります。開発ツールインストールや更新時、セキュリティソフトが不要な警告を出すことを経験された方は多いでしょう。

セキュリティは、「安全側マージンを大きく保って動作」します。存在意義を示すためやむを得ないのは理解できますが、開発の邪魔になるのは間違いありません。

Windows 11は、Apple製M1チップ搭載の新Mac PC対抗手段なのか、初めから高性能グラフィックと新セキュティ対応の新しいCPUチップ利用を想定している気がします。Windows 11リリース後、製品版やプレインストールPCなどからMicrosoftの意図や本当の目的も明らかになるでしょう。

Windows 11は、年1回の大型更新と、2年間のバージョンサポート運用です。今秋リリースから1年経過後に初期トラブルを回避した大型更新バージョンがリリースされます。リリース後1年は、製品版11評価期間と考えても良さそうです。

結局、Windows 11アップグレート要件を満たすPCであっても、1年評価期間後、初期トラブル回避版でアップグレートしても遅くはないと思っています。

※「Windows 11 TPM 回避 インストール」の検索結果からTPM回避11化は可能のようです。本稿は、公式11アップグレート要件を満たすWindows 10 PCのみを対象とします。

Windows 10問題解決Linux Mint

Windows 11化できないPCの活用方法としてお勧めするのが、Linux Mintです(但し64ビットCPU必須)。その理由が下記2つです。

  1. Windowsに比べハードウェア仕様が低くてもLinux Mintは快適動作
  2. Windows GUIに慣れたユーザにはLinuxコマンド操作に違和感があるが、Linux Mintは、殆どの操作がWindowsとよく似たGUIで可能

Windows 10サポート終了まで4年あります。Linux Mint操作に慣れ、代替利用上の問題有無を評価するには、十分な期間だと思います。

マルチプラットフォームIoT MCU開発環境

IoT MCU開発環境も、Windowsのみの動作から、Windows/Mac/Linuxマルチプラットフォームへ移行しつつあります。例えば、NXP)MCUXpresso IDE、STマイクロ)STM32CubeIDE、Cypress)ModusToolboxなどは、OSが異なっても同じ動作をします。

MCUXpresso IDEやSTM32CubeIDEのLinux Mint版インストール方法は、コチラの関連投稿5章を参照してください。

個人向けWindows 365

発表済みの企業向けプラン価格よりかなり安くなることが必要ですが、個人向けWindows 365プランの価格次第では、セキュリティ/保守運用面でメリットがあるWindows 365 Cloud PCは魅力的です。

仮に、スマホと同程度、つまり月額1000円以下、5年間利用してもトータル6万円程度でWindows 365が利用できれば、個人ビジネスにも十分使えます。過剰期待かもしれませんが…。

世界的半導体不足

経年変化などを考慮し、Windows 11プレインストールPCを新規購入するのも変化への対処方法の1つです。但し、昨今の世界的な半導体不足は、PC調達価格上昇をもたらし、購入逆風の状況です。この逆風は、Windows 10サポート終了に向けて新規PC需要が高まるため、さらに強くなるハズです。

IoT MCU開発者要件

以上のような2025年までの激しいPC環境変化に対し、IoT MCU開発環境は、Windows/Mac/Linuxマルチプラットフォーム化で対応します。

IoT MCU開発者は、従来のような単純なMCU処理開発だけでなく、クラウド接続RTOS、セキュリティ、OTA(Over The Air)、エッジAIなど様々なIoT付加サービスの追加が顧客に応じて必要になります。また、これら付加サービス規模や技術背景も複雑です。

これら付加サービスは、既にLinux上で開発済みのものも多く、IoT MCU開発者は、Linux環境に慣れていくことが必要だと思います。更に、顧客毎に異なるIoT付加サービスを、ある意味ブラックボックス的に取捨選択し、従来のMCU開発へ短期で追加/削除できるテクニックを身に着けておくことも必要です。

つまり、Windows利用に慣れたIoT MCU開発者でも、Linux要素技術を持つ必要があります。

IoT MCU開発者「個人レベル」で、これらLinux技術習得やIoT MCU技術を効率的に習得する手段として本ブログ投稿や弊社マイコンテンプレートがお役に立てるように開発していきます。