Windows 11 24H2アプリ互換性

Windows 11 24H2は、23H2のNi OSコア(ビルド番号:22000番台)からGe(26000番台)へ変わりました。そこで、前投稿で24H2へ先行手動アップグレードしたPCを使って、主要アプリの動作確認を行いました。結果、主要アプリ以外も含め、特に問題なく正常動作しています。

互換性確認アプリリスト

同一OSコアアップグレードなら、アプリ動作確認は別途行いません。しかし、今秋の24H2アップグレードは、OSコアが変わりました。コア変更により、アプリ互換性リスクが高まります。

そこで、弊社全PCアップグレードの前に念のため、主要アプリ動作確認を行いました。確認主要アプリが下記です。これら以外の通常使うブラウザ等のアプリも、問題なく正常動作しています。

分類 アプリ名 バージョン Win11 24H2動作
MCU開発環境 e2studio 24.4.0 OK
STM32CubeIDE 1.16.0 OK
Visual Studio Code 1.94.0 OK
エディタ Notepad++ 8.7 (64-bit) OK
文書作成 LibreOffice 24.8.2.1(X86_64) OK
アクセサリ PC Manager 3.14.6.0 OK

MCU開発環境は、23H2ビルドのクリーン後、24H2再ビルドの成功で動作OKとしました。注意点は、API生成ツールなども含めベンダ提供最新版を使用することです。旧版のままビルドすると、エラーが発生する場合もあります。

また、ルネサス)e2studioとSTマイクロ)STM32CubeIDEを表記しましたが、他社EclipseベースIDEも正常動作しています。

Eclipse IDE代替可能性のあるMicrosoft)Visual Studio Codeも当然OKです(サイト開発に弊社使用中)。

24H2アップグレード後、リカバリ用のOld Windowsファイルが削除できないなどのトラブルレポートもありますが、従来から使っているPC Managerの詳細クリーンアップを使うと例年どおり削除できました。

Summary:Windows 11 24H2アプリ互換性問題なし

10月1日のWindows 11 24H2リリース後、2週間が経過しました。弊社3/4 PCは、段階的ロールアウト開始を待っていますが、未だ始まりません。例年に比べ、24H2は既知の問題が多く、段階的配布も遅い気がします。

しかし、本稿結果からWindows 11 24H2 OSコア変更に関しては、アプリ互換性問題は無さそうです。

Afterword:Win11 24H2アップグレード後所感

Win 11 24H2アップグレード後、タスクマネージャーを見ると、ディスクパフォーマンスに結構な処理能力を使っています(関連投稿BitLocker中でないことも要確認)。このため、PCによってはこの処理終了までの数時間、動作が遅くなります。

10月9日、Win11 24H2最初の月例更新プログラムが配布されました。アップグレードトラブル対応かと思いましたが、そうでもないようです。Wi-Fi 7など新機能追加も様々ありますが、目新しいUX(ユーザ体験)は無く、24H2アップグレードタイミングと手動かロールアウト待ちかは、悩ましい問題です。


Windows 11 24H2と次期PC選択

Windows 11 24H2がリリースされました。アップグレードCPU条件が23H2より厳しいためRufusを使っても残念ながら24H2へアップグレードができないWin PCも増えました(対策:Afterword参照)。

来年2025年秋までの1年間は、次期PC選びの重要期間と言えるでしょう。Win11 23H2とWin10サービス終了に加え、従来の紙と筆記具を置換えたPCの使い方が、生成AI活用の新しい使い方へ大きく変わるからです。

新しいPCの使い方と、次期Windows/Apple/Linux PCの選び方を整理します。

新しいAI PCの使い方

従来PCからAI PCへ変わる2025年
従来PCからAI PCへ変わる2025年

生成AI出現によりPCの使い方は変わります。AIをパーソナルで有能な無料アシスタントやコンシェルジュとしても利用できるからです。

現在この生成AI牽引企業は、GOMA(Google、Open AI、Microsoft、Anthropic)です。写真加工や即時翻訳などのAIサービスは、PCよりもGoogle PixelなどのAIスマホが先行しています。AIで出遅れたAppleも、Apple Intelligenceで猛烈に追い上げ中です。Google/AppleのAIスマホが、AIアレルギーやAI一般化に大きく寄与すると思います。つまり、AIサービスが当たり前の機能になる訳です。

従来のPCは、紙と筆記具を置換えたMicrosoft Officeが一般ユーザを獲得してきました。この使い方を根底から変えるのが、AI PCです。ネット情報収集や要約、Office文書下書きや分析などは、AIアシスタントの得意分野です。

PCのAI化により、半分の手間で、より優れたPC資料作成ができるでしょう。さらに、先行するAIスマホとの連携により効果的図表や写真加工なども可能です。

但し、これらローカルPCでのAI処理には、NPUやGPUなどのハードが必要なため、MicrosoftはCopilot+ PCに40 TOPS以上のNPUを要件としています。

AI PCサービスは、AIスマホに比べ発展途上です。それでも、AI PCのハード/ソフト/使い方の大転換期が、2025年秋までの1年間になるでしょう。

MicrosoftはCopilot、AppleはApple IntelligenceでAI PCへ注力中です。OpenソフトウェアLinuxもこれらへ追随すると思います。

次期AI PC選択肢と特徴

新しいAI PCの使い方に対応する次期PC選択肢は、3つあります。

Windows 11 24H2リリースと今後のAI PC選択肢
Windows 11 24H2リリースと今後のAI PC選択肢

Win11 24H2へアップグレード、または、Win11 23H2、Win10を来秋サービス終了まで使う、そして新しいMicrosoft AI Copilot+ PCの購入、これらはWindowsをAI PCとして使い続ける選択肢(青)です。
Windowsから新しいApple Intelligence対応Mac PCへ乗換える選択肢(赤)もあります。
既存WinハードへLinux Mintをインストールし活用するのも選択肢(緑)の1つです。

3選択肢のAIスマホ連携、信頼性、価格面などの特徴が下記です。

選択肢 特徴
Windows Microsoft Officeとの相性は高いが、AIスマホ(Android)連携は模索中。
更新やハード/アプリ相性トラブルが多く、信頼性は3選択中最低。
ユーザ無視更新/設定も多数あるが、トラブル対策やカスタマイズ情報も多い。
Mac Win比、AIスマホ(iPhone)連携に優れる。
Apple1社ハード/ソフト提供のためWin比、トラブル小で高信頼。
3選択肢中価格は一番高いがコスパも高く、クリエイタ/開発者に好評。
Linux(Mint) AIスマホ連携は(デフォルト)少ない。
Win比、低性能ハードでも快適動作、既存Winハード活用メリット大。
Win/Apple比、トラブル情報がプロフェッショナル向けで解り難い。

※筆者が現在Windowsユーザのためこの視点よりの相対評価です。

Summary:Windows 11 24H2と次期PC選択

Win11 24H2の目的は、2025年リリース予定Win12アップグレードCPU選別だと思います。つまり、今秋24H2アップグレードができないPCは、今後Windows PCとして使い続けるのは困難と推測します。

対策は、Linux Mintです。メール送受信や動画再生など主要アプリは、マルチプラットフォームブラウザの上で動作します。OS依存性はありません。また、MintにはLibreOfficeやFirefoxが標準装備(もちろんChrome追加容易)です。MintをOSアプリ専用PCと割り切れば、従来Win同様、問題なく使えます。

但し、AI化やAIスマホ対応がWindows/Apple比、Mintは劣ります。AIから最も離れたOSです。しかし、古いCPUの活かし方としては、追加コスト不要で処理性能も驚くほど高速です。

AI PCが業界趨勢です。AI PCには、使い慣れたWindowsならCopilot+ PC、多くのトラブル回避なら、iPhone連携が良く高信頼でAI化も頑張っているApple Intelligence Macが良いでしょう。

Afterword:Win11 24H2 RufusアップグレードNG対策

Windows 11 24H2情報
Windows 11 24H2情報

過去Rufusを使えば、TPMなどのアップグレード要件を回避しWin11アップグレードができました。しかし、Win11 24H2は、MicrosoftのIntelAMDリストに掲載無しCPUは、24H2アップグレードができません。※23H2リスト表記ですが、24H2で適用を厳格にしたと思います。

対策は、コチラの情報を参照ください。弊社第4世代CPU(Core i7 4800MQ)でも無事Win11 24H2アップグレードができ、正常動作中です。24H2のサービス期間2年、2026年秋まではWin11 24H2が使えると思います。

但し、無理に24H2にする必要は、正直無かったと思っています(設定引継ぎが一部Microsoft推薦に戻るため😠)。この反省が、Summaryに示した古いCPUのWinをAI化と少し距離があるLinux Mintへ変え、OSアプリ専用PCとして活用することです。

Afterword2:従来Intel/AMD 対 新Arm CPU

Rufusから判るx86_x64アプリ対Armアプリ
Rufusから判るx86_x64アプリ対Armアプリ

Rufusダウンロードページで、従来x86/x64アプリと新しいArmアプリ差が判ります。Arm CPU対応Rufusがあるのも面白いのですが、何よりもそのサイズ差が凄いです。Copilot+ PCは、Armネイティブ動作ですが、サイズがこれ程異なるのは、コンパイラや開発環境が従来と異なるからでしょうか?
新しいものやMicrosoft推薦が、全てBetterでは無い一例です。


Windows 11 24H2更新注意点

2024年10月1日、Windows 11 24H2の段階的配布が始まりました。Windows 12配布予定が2025年のため、おそらくWin11最後の大型更新バージョンになると思います。

以前、現行Win11 23H2 OSコアNikelが、24H2ではGermaniumへ変わるなどを投稿しました。しかし、24H2更新に際し、もっと重要な注意点がありますので投稿します。

Summary:Win11 24H2更新注意点:「デバイスの暗号化」確認

デバイスの暗号化(HomeとPro)とドライブの暗号化(Pro以上)の設定(設定>プライバシーとセキュリティ>デバイスの暗号化)
デバイスの暗号化(HomeとPro)とドライブの暗号化(Pro以上)の設定(設定>プライバシーとセキュリティ>デバイスの暗号化)

Win11 24H2更新前に、デバイス暗号化とドライブ暗号化の2機能を行うBitLockerを確認し、必要に応じて設定変更。

確認無しでWin11 24H2更新・運用の場合、OSによるデバイスの暗号化自動設定によりユーザ起動不可能となりクリーンインストールの可能性が高まる。BitLocker On時は、回復キーのユーザ保存必須。

お勧めのWin11 24H2セキュリティレベル設定は下記。

デスクトップPC:BitLockerデバイス暗号化、ドライブ暗号化共にOff設定。
ノートPC:モバイル時、BitLocker On設定。暗号化On/Off変更処理に数時間掛かることも考慮。BitLocker回復キーは、別途保存。

BitLockerの2機能

BitLockerは、2つの対象の暗号化を行います。

  1. デバイスの暗号化:システムデバイスの暗号化(Home/Pro共に自動暗号化あり)
  2. ドライブの暗号化:Dドライブなどシステム以外のドライブ暗号化(Pro以上で手動設定のみ)

暗号化済みの場合は、1/2共に鍵などのパスワード、BitLockerなら48桁の数字回復キーを入力しない限り、OS・ユーザ本人でも中身の読出しができません。ハッカー攻撃やPC紛失などへのセキュリティ対策が目的です。

左:デバイス暗号化回復キーと右:ドライブ暗号化回復キー入力例
左:デバイス暗号化回復キーと右:ドライブ暗号化回復キー入力例

Win11 24H2の新機能

Win11 24H2新機能は、Microsoft公式サイトにあります。英文ですので、ブラウザの日本語翻訳を使ってお読みください。中程にある動画字幕も日本語表示で解り易いです。

BitLockerに加え、ファイル単位ロックなどWin23 H2よりもセキュリティレベルが強化されています。また、NPU(Nural Processing Unit)活用のAI Copilot機能、同時翻訳なども紹介されています。

BitLocker概要サイト中頃のデバイスの暗号化「重要」文章を抜粋します。

重要

Windows 11 バージョン 24H2 以降では、DMA と HSTI/モダン スタンバイの前提条件は削除されます。 その結果、自動および手動のデバイス暗号化の対象となるデバイスが増えます。“

つまり、Win11 23H2までのBitLocker条件が緩和され、Win11 24H2以降は、OSが自動でBitLocker暗号化するデバイスが増える訳です。もっと言うと、Win11 Home/ProシステムCドライブは、ユーザが明示的に設定しない限りデフォルトでデバイスの暗号化はOnになります。

AI Copilot Win12の布石:Win11 24H2セキュリティ強化

AI Copilot Win12は、ノートPCをメインターゲットとするAI PC向けOSです。ユーザのすぐ横で1日中エッジAI PCを使っても、バッテリーが持つ低消費電力と、PCの軽さ・薄さがデバイスの特徴です。モバイル性とAI処理の向上が、セースルポイントです。

このWin12は、万一のPC紛失やハッカー攻撃、AI学習情報漏洩に対し、従来比、より強いセキュリティを与えます。

前章のWin11 24H2新機能で、システムデバイスBitLocker条件緩和と自動暗号化拡大などのセキュリティレベル強化は、Win12への布石だと思います。

「デバイスの暗号化」の功罪

ユーザのWindows 11 24H2セキュリティレベル設定必須
ユーザのWindows 11 24H2セキュリティレベル設定必須

デバイスの暗号化をOnにすると、通常のOS処理前でもデータ複合化、処理後にデータ再暗号化保存が必要です。この暗号化オーバーヘッドは、暗号化無しの場合と比べ3~5%、別情報によると45%ものドライブパフォーマンス低下を招きます。

※PCバックアップソフトとの相性は、間違いなく悪いでしょう。

デバイス紛失対策が暗号化でできるのは大切です。しかし、デスクトップPCや家庭内運用のノートPCならば、ユーザの紛失対策は殆ど不要です。

BitLockerに限らずセキュリティ対策は、OSが安全側動作に自動的に設定することがあります。また、その設定タイミングもユーザには分かりません。

セキュリティの功罪とPC安全性を評価し、OS任せでは無くユーザ自らがセキュリティレベルを設定することが、今後のWindows運用に必須です。

Afterword:暗号化と鍵と生体認証

暗号化に鍵は必須です。Windowsは、この鍵をWin11アップグレード要件TPMへ保存します。TPMには、クレジットカード情報なども保存しますので、セキュリティ上、超重要デバイスです。

このTPMアクセスに、指紋などユーザ本人の生体認証が必要です。面倒ですがセキュリティは、複数対策の重ね合わせでセキュリティレベルを上げます。次世代TPMと言われるMicrosoft Pluton Securityプロセッサは、この面倒さ・判り難さを軽減する仕組みであることを期待します。

本稿は、下記資料を参考に作成しました。詳細は、各資料を参照ください。
Win11 24H2新機能:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1627854.html
Copilot+ PC AI機能:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2409/28/news081.html
BitLocker:https://www.youtube.com/watch?v=XE4KFfRGtWw


生成AI未来予測

AIが人間よりも賢くなるシンギュラリティ、2045年問題
AIが人間よりも賢くなるシンギュラリティ、2045年問題

生成AIの未来予測が良く判る記事を紹介します。弊社は、AIをMCUセキュリティコンサルタントへ活用したいと考えています。この記事のAI自動化が、活用できる確信を与えました。

2つの未来予測

AI未来予測は、2つあります。1つが、今の生成AIはバブルで幻滅期へ入る。もう1つが、生成AIはこのまま加速し、社会を激変、シンギュラリティへ入る。この2つを、発表レポートに基づいて論点整理したのが紹介記事です。

弊社は、後者予測のAI加速、シンギュラリティ実現を信じますので、以下この予測要点をまとめます。

生成AI知能レベルと2027年シンギュラリティ実現

生成AI知能レベル、シンギュラリティ、AI自動化
生成AI知能レベル、シンギュラリティ、AI自動化

記事内の今年6月発表Situation Awarenessレポートが、生成AI知能レベルをまとめています。

2019年:未就学児童
2020年:小学生
2023年:優秀な高校生
2024年:大学生(現在AI知能レベル)
2025か26年:大学院生
2027年:汎用人工知能(AGI)レベルとなりシンギュラリティ実現

※AGI(Artificial General Intelligence)は、人間の考え方、知識の「一部を機能化」した現在のAIの親玉に相当し、人間と同等か最大でも10倍程度の知能レベル。

この予測は、レポート著者Leopold Aschenbrenner⽒個⼈の⾒解ではなくAI研究者、業界の主流意⾒だそうです。今年5月の関連投稿、2045年予測よりもかなり早いです!

この予測の前提は、電力やAI半導体、AI研究者、つまりAI資源が十分に揃うことで、GOMAなどの大手AIプレーヤもAI進化へ注力中のため、Aschenbrenner⽒は2027年末AGI誕生に自信を持っています。

さらに、ソフトバンクはコチラの関連投稿で、AGIの10年後に更に高度なASI:Artificial Super Intelligenceへレベルアップすると予測しています。

AI自動化の仕組み

AGI実現を待つまでもなくAI自身が自分を改良・進化させるAI自動化は、今のAI技術でも可能だというレポートをSakana AI発表しました。そのAI自動化の仕組み(実現ステップ)です。

AI自動化の仕組み(実現ステップ)
AI自動化の仕組み(実現ステップ)
  1. アイデア⽣成:与えられたコードとタスク説明に基づいて、新しい研究アイデアを⽣成。
    ※アイデア⽣成は、⽣成AIの得意分野。
  2. 新規性チェック:そのアイデアに新規性があるかをAIが検索機能を使って調査。
  3. 実験実⾏:他に同様の論⽂が⾒当たらない場合は、そのアイデアを使った実験計画を立案。計画通りにコードを書いて、結果を確認。このような実験を繰返す。
  4. 結果の可視化と論⽂執筆:図表を作り論⽂⽣成。
  5. 論⽂レビューと改善:AIが書いた論⽂をAIが読み返し改善点提案、それを基にAIが論⽂を書き直す。

凄い仕組みです。このAI自動化による論文が既にあるそうです。現在は論文中の図表をAIが正確に読めない課題もありますが、この課題は確実に克服されるそうです。

弊社は、AI自動化によりAIをMCUセキュリティコンサルタントへ利用できると確信しました。セキュリティ全般知識とMCUセキュリティ開発の費用対効果、必要な開発レベル、開発期間などを問い合わせると、自動化AI MCUコンサルタントが、上記ステップを使って回答を出力します。

各ステップの結果を参照することで、AI回答ハルシネーション対策や信憑性確認もできると思います。

Summary:生成AI未来予測

ビジネスのAI利用は賛否あります。生成AI未来予測記事は、賛否両論の主張を整理しています。弊社は、AI進化予測の内容をまとめました。

  • 生成AI知能レベルは、電力、AI半導体、AI研究者が十分に揃い、GOMAなどAIプレーヤのおかげで進化し、2027年にAGIとなり人間知能を超えるシンギュラリティになる。
  • AIが自分自身を改良・進化させるAI自動化は、現在のAI知能レベルでも可能で、既に自動化により数件の論文を生成済み。図表の正確な読取りに課題もあるが、克服される。

Afterword:AI利用で激変するPC作業

生成AI革命がGAFAMからGOMAへ変える
生成AI革命がGAFAMからGOMAへ変える

GOMAの一角Microsoftは、AI(Copilot)のビジネスOffice文書作成にも積極的です。例えば、コチラの記事です。紹介されたCopilot機能は、文書生産性や共同作業性の向上に直結します。もはや文書作成時のCopilot利用は、当たり前で、それをいかに上手く使うかが焦点です。

AIに対する一種のアレルギーは、GeminiのGoogleサービス拡張機能やApple IntelligenceなどのAIスマホ普及により減少し、ユーザは、PCへも更なるAI機能追加を要求すると思います。

AIは、もはやInternetと同レベルの情報機器必須機能へ変化・進化しつつあるのです。


AI Windowsの選び方

Intel、AMDにArmが加わり三つ巴のAI Windowsハードウェア
Intel、AMDにArmが加わり三つ巴のAI Windowsハードウェア

Windowsハードウェア大転換期の今、次期PC購入に備えAI Windowsの選び方をまとめました。

Windows 10サポート終了の2025年10月14 日まで残り約1年。24年8月シェア64%のWin10次期OSは、未だシェア32%のWin11です(シェアはstatcounterより)。
また、24年6月Microsoft発表Copilot+ PCのCPUは、従来のIntel/AMDから新しいArmコアへ変わりました。

Win11低迷理由

敢えてWin10をWin11へアップグレードするメリットが少ない、これがWin11低迷理由です。

例えば、Win11アップグレード要件のTPM 2.0は、新しいPCハードウェアなら実装済みでWin10でも動作します。つまり、セキュリティ面は、Win10でもWin11と同等です。

また、Win11とWin10は同じOSコアでアプリ移植性は高いにも係わらず、未だにウェビナーやセミナ環境にWin10を推薦する場合が多いです。つまり、ビジネス面や運用面でも、Win11不人気です。

ネットカフェでも4月以降Win11 PCが増えてきました。このWin11とWin10の両環境で比較しても、タスクバーやメニュー、外観などのWin11操作性がWin10比、特に優れているとは思えません。

Win11は、上記のようにMicrosoft期待に反し、ユーザに受け入られずシェア低迷となっています。

Windows Armコア理由

Win11低迷に対するMicrosoft打開策が、新しいWin12提供ではなく6月発表のCopilot+ PCです。

PCのエッジAI実行には、GPUよりも電力効率の良いAI処理専用NPU(Nural Processing Unit)が必要です。また、ライバルApple社がいち早く導入したArm CPUコアは、特にノートPCのバッテリー駆動時間を、従来Intel/AMD比、長くします。

この2点からMicrosoftは、従来Intel/AMD CPUのx86/x64アーキテクチャから、新しいArmアーキテクチャへ変え、かつ、40TOPS(Tera Operations Per Second)以上の処理能力NPUをCopilot+ PCのハードウェア要件としました。これらは、ノートPCをエッジAI PCメインターゲットとした変更です。

つまり、パーソナルなAIとの親和性が高いノートPC CPUを、Appleで好評な低電力動作Armコアとし、同時にCopilotという名が示すように、常にユーザの真横でNPU AI処理を実行する新しいAI Windowsハードウェアを規定した訳です。

Copilot+ PCとAI PC

新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)
新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)

新しいArmコア搭載Windowsが、Qualcomm社Snapdragon X Elite搭載ノートPCです。これが、Microsoft公認Copilot+ PCハードウェアの第一弾です。

一方、従来Intel/AMD CPUを採用してきたPCメーカは、Intel/AMD CPU搭載で40TOPS以上のNPUを持つPCを、(暫定と思いますが)AI PCと呼びます。CPUのみMicrosoft公認Copilot+ PCのArmコアとは異なりますが、エッジAI処理を十分にこなせるAI向きPCという意味です。

※Microsoftは24年11月よりIntel/AMD CPUでもCopilot+ PC機能が使えるアップデート提供予定

従来のWindowsアプリは、x86/x64動作です。従って、Intel/AMDのAI PCは、従来アプリがネイティブ動作する安心感があります。Armコアでは従来アプリを、Prismというエミュレーションで実行します。

Windowsアプリの観点からCopilot+ PCとAI PCを区別すると、

Copilot+ PC:新しいパーソナルAI処理アプリをネイティブ実行できバッテリー持ちも良いが、従来アプリ互換性に関しては、エミュレーション実行のため一抹の不安あり。

AI PC:従来アプリ互換性は高いが、AI処理アプリが非ネイティブ動作など消費電力はCopilot+ PC比、不利。

PCメーカが、ArmコアのCopilot+ PCと並列にIntel/AMDのAI PCも発売するのは、従来アプリ互換性を重視するビジネスユーザのためです。

大転換AI Windowsハードウェア選択肢

さて、様々な理由でWin10を使い続けたユーザでも、サポート終了で次OSにWin11を選ばざるを得ない状況が近づいています。また、AI利用を望むユーザは、AI Windowsハードウェアを何にするかが、大転換期で微妙な時期です。選択肢は3つあります。

選択肢1:既存Windowsハードウェアを流用し、Win11アップグレード。
選択肢2:新規Intel/AMD CPUと40TOPS以上NPUハードウェアで、Win11アップグレード。
選択肢3:新規ArmコアCPUと40TOPS以上NPUハードウェアで、Win11アップグレード。

選択肢1は、エッジAI活用に不向き、選択肢2は、Arm比、トータル電力消費で劣る、選択肢3は、既存アプリ互換性に懸念、などの特徴があります。

AI Windowsへの期待

高度な迷惑メール自動振分けと、MCUセキュリティアシスタントをAI Windowsへ期待
高度な迷惑メール自動振分けと、MCUセキュリティアシスタントをAI Windowsへ期待

様々なビジネス/パーソナル用途に、AI活用が期待されておりWindows生産性も確実に向上します。

筆者がAI Windowsに期待するのは、高度な迷惑メール自動振分けと、MCUセキュリティアシスタントです。どちらも最新セキュリティ関連の専門知識とクラウド検索が必要で、AI向きだと思います。

※高度迷惑メール自動振分けとは、メーラに(おまけで)付属している振分け機能よりも専門的で的確、高度に迷惑メールを判定、削除できるアドインAI機能等を想定。
※MCUセキュリティアシスタントとは、最新セキュリティ知識を持ち、そのMCU開発費や要求スキルも概算できるAIコンサルタントを想定(詳細、前稿参照)。

もちろん、MCU開発環境として従来WindowsアプリのEclipse IDE動作互換性も重要です。但し、最新MCU開発環境に、MicrosoftのVisual Studio Code(VSC)を使う可能性も出てきました。Eclipse IDEとVSC、両方のAI PC(Copilot+ PC)互換性は、今後調査予定です。

Summary:AI Windowsの選び方

従来Intel/AMDに加え、消費電力重視の新しいArmコアCPUとAI専用NPU実装ハードウェアの3つ巴戦がWindowsハードウェア大転換期の発端です。

Win10サポート終了対策や新しいAI Windowsを選ぶ時は、大転換期ハードウェアの特徴を掴んでおく必要があります。

AI Windowsハードウェア
(24年9月時点)
既存PC
従来ハードウェア流用
AI PC
新規Intel/AMD&NPU
Copilot+ PC
新規Armコア&NPU
エッジAI活用 Passing(GPU依存) Excellent Excellent
AI PCアプリ消費電力 Poor Good Excellent
既存アプリ互換性 Excellent Excellent Good(Prism依存)
トータル消費電力 Poor Good Excellent

Copilot+ PCは、ノートPC向けのため終日使用可能なトータル消費電力重視です。

筆者は、可搬性やバッテリーの持ちよりも、テスクトップでのAI処理能力やコスパを重視します。そこで、次期AI Windowsハードウェアは、AMD社Ryzen AI 300 CPU(50TOPS NPU内蔵)程度のミニPCが最有力と考えています。

Afterword:相対評価から数値評価へ

大転換期AI Windowsの3種ハード相対評価を行いました。実際にAI処理を行うと、どの程度バッテリー消費が変わるかが、コチラの記事にあります。AI機能は、Microsoft提供中の「Windows Studio Effect」(ビデオ通話エフェクト)などで数値変化が判ります。

専門家によるAI PC評価は、今後増えるでしょう。これら数値評価も参考に、次期Windowsハード選定の予定です。ちなみに、ハード価格は、既存PC<AI PC<Copilot+ PCです。

なお、もう1つのAI Windows選定留意点として、Win11 TPM2.0同様、Win12では、Microsoft Pluton Securityプロセッサがアップグレード要件になる可能性も指摘しておきます。いわば、Win12セキュリティのRoot of Trust相当になると思うからです。


GeminiとCopilot

Microsoft Copilot対Google Gemini
Microsoft Copilot対Google Gemini

Microsoft CopilotとGoogle Geminiの使い方と特徴を簡単にまとめます。最新Gemini 1.5 Proは、GPT-4oを上回る性能と聞いたからです。生成AI性能評価は、専門家に任せ、我々利用者は、両者の特徴や使い方を知っていれば十分です。

生成AI(GeminiやCopilot)ができること、注意点

会話型AIサービスGoogle Geminiは、Microsoft Copilotのライバルです。専門家によると、2024年5月公開の最新Gemini 1.5 Proは、GPT-4oより高性能だそうです。生成AI関連の開発スピードは凄まじいです。

激変AIサービスの利用側は、生成AI利用時の最低限の知識、無償版GeminiとCopilotの使い方や特徴を知っていれば、十分使えます。業務にAIを活用することは、当たり前になりつつあります。先ずは、手軽に無償版生成AIを使い、その特徴や癖を掴んでいけば良いと思います。

生成AI利用時、最低限の注意点、会話型生成AIサービスができることが以下です。

生成AI注意点:ハルシネーション(幻覚)。AIが事実と異なる情報を生成し、まるでAIが幻覚を見ているかのように、もっともらしい回答を生成する現象。AIは、大量のテキストから単語関連性やパターンを学習し、つながる確率の高い単語を使って回答を生成するのが原因。対策は、ユーザ自身による回答出典先確認。

会話型生成AIサービスができること:テキストやPDF、ブラウザ表示中のページ要約が得意。これ以外に、ネット検索や翻訳、AIスマホが得意な画像認識や生成なども可能。有償版は、無償版の制限緩和や高度なプログラミング開発支援もできる。

※生成AI牽引企業GOMA(Google、OpenAI、Microsoft、Anthropic)は、コチラの投稿参照。

Geminiの使い方、特徴

Google Geminiログイン画面
Google Geminiログイン画面

Geminiは、GeminiページへGoogleでログインすると、新しくGemini専用ページが開き、ページ下のプロンプト欄へ質問や相談を入力すると、ページ上にGeminiのAI回答が示されます。

Gemini回答は、最新ネット情報に基づいています。ここが、ChatGPTベースのCopilotと異なる点です。ChatGPTは、GPT-3.5なら2021年9月までの学習済みデータからCopilot回答を生成します。

弊社7月19日ブログのGemini要約例を示します。

Gemini要約画面。画面下がプロンプト欄。画面上にGemini回答と出典が示される。
Gemini要約画面。画面下がプロンプト欄。画面上にGemini回答と出典が示される。

また、Geminiへ一般的な質問や相談をした場合は、「回答を再確認」ボタンが現れ、これを押すと、Gemini回答の基になったリンクが示されますので、ハルシネーション対策ができます。

Gemini回答の確認ボタン
Gemini回答の確認ボタン

Googleログインを使うGeminiは、スマホでよく使うGoogle MapやGoogle Photoなどと連携性が良い会話型生成AIサービスです。

Copilotの使い方、特徴

Copilotの使い方は、コチラの投稿、Afterwordに示しています。

Copilot活用ページ概要生成
Copilot活用ページ概要生成

Microsoftへログインすると、Edgeページ右上にCopilotボタンが表示されます。このボタンを押すと、ページ左側からCopilotエリアが現れます。このエリア内に、ページ概要生成やページ関連質問、会話スタイル選択など良く使うボタンが初めから用意されていますので初心者でも使い易いと思います。

有償版では、WordなどのOfficeアプリとCopilotを連携し、下書き作成や企画書テンプレート自動作成なども可能です。Geminiよりも、Windows PCとの連携を強化しています。

Summary:GeminiとCopilot使い方と特徴

AIスマホとの連携性が良いGeminiは、最新Googleネット情報を基にAI回答を生成します。また、回答再確認ボタンで、AI回答の基リンクが示されるなどハルシネーション対策ができます。

Windowsアプリとの連携性が良いCopilotは、使用するChatGPT版数により学習済みデータ作成年月が異なります。ページ概要生成や会話スタイル選択ボタンが用意済みなど、初心者に判り易いユーザインタフェースです。

Geminiは、Googleログイン、Copilotは、Microsoftログインが必要です。Google/Microsoftともにログインユーザ情報を収集し、より良いAI回答や、次期AI開発に活かすためでしょう。

AI活用は、当然の業務になりつつあります。現在AIサービスは過渡期ですが、安定期まで待って利用開始するより今使い始め、回答やその注意点、癖に慣れると、業務AI活用性を高めると思います。

Afterword:パーソナルAIエージェント(AIアシスタント)の鍵、NPU

販売中Copilot+ PCのNPU TOPS値は、GPUより小さいのが一般的です。例えば、Lunar Lake SoCは、 トータル120TOPS=NPU48+CPU5+GPU67です。この理由が、コチラの記事で解りました。

つまり、GPUでもできるAI処理を、NPUは徹底的に低電力処理できるようにワットパフォーマンスを最適化します。例えば、数時間のビデオ会議でAIが常時同時翻訳をしても、低電力NPUならバッテリー動作も大丈夫となるなどです。

PC/スマホどちらもパーソナルAIエージェント(AIアシスタント)実現に、低電力NPUの常時バックグラウンド学習動作が鍵となりそうです。


Copilot+ PC CPU 24年7月現状

Copilot+ PC CPUまとめ(24-06編)の続編です。7月16日、Intel/AMD/ArmのCopilot+ PC CPU状況が判るPC Watch記事が掲載されました。この記事をメインに、ノートPC向けCopilot+ PC CPUの24年7月現状をまとめます。

Edge Copilot記事要約

上記記事をEdgeで開き、右上Copilotアイコンクリックとページ概要を生成するで生成した概要が下記です(厳密会話スタイル)。

Ryzen AI 300シリーズの特徴: AMDの新しいRyzen AI 300シリーズは、50TOPSの性能を持つXDNA 2アーキテクチャを採用し、他の競合製品を上回る性能を実現しています。

異種混合CPU: Ryzen AI 300は、Zen 5とZen 5cの異種混合CPUを搭載し、高性能と低消費電力を両立しています。

Block FP16: 新しい浮動小数点精度であるBlock FP16に対応し、INT8と同等の性能を持ちながらFP16の正確性を提供します。

将来の展望: AMDは今後もRyzen AI 300シリーズの性能向上を目指し、次世代製品の開発を進めています。

筆者記事要約

記事要約としては、前章で良いのでしょう。若干判り難いので、いつものように筆者が要約します。

記事筆者:笠原 一輝氏作成のCopilot+ PC向けSoC仕様が下記です。

Copilot+ PC向けSoc仕様(出典:PC Watch記事)
Copilot+ PC向けSoc仕様(出典:PC Watch記事)

Qualcomm Snapdragon Xが、Copilot+ PCとして発売中のArmコア搭載CPUです。

NPU単体は、7月発売AMD Ryzen AI 300が50TOPS、3Q24発売予定Intel Lunar Lakeが48TOPS(SoC全体はNPU48+CPU5+GPU67=120TOPS)と、先行Armの45TOPSよりも後発の強みを活かし勝っています。

但し、TOPS測定が、各社同一単位FP16/INT8評価か、NPU単体での消費電力はどの程度か等、不明な点も多く、±2TOPS程度は誤差範囲で3社横並びと筆者は思います。

AMD Ryzen AI 300搭載Copilot+ PC 8月発売

HP OmniBook Ultra 14(出典:www.engadget.com)
HP OmniBook Ultra 14(出典:www.engadget.com)

2024年8月に、現在最高NPU性能Ryzen AI 300搭載のCopilot+ PC要件を満たすノートPC:HP OmniBook Ultra 14が発売されます(日本円で23万円から)。しかし、まだCopilot+ PCとは呼ばずにAI PCと呼んでほしいそうです。

その理由は、Armアーキテクチャではなく、x86アーキテクチャだからです。Copilot+ PC CPUリストに今は入ってないからでしょう。

つまり、AI処理本体Windows Copilot Runtimeがネイティブ動作では無く、Armエミュレーション実行です。逆に、従来アプリx86/x64互換性は、Arm CPUに比べ問題が少ないと言えます。

※従来アプリの1つEclipse IDEをベースとするMCU開発ツールも、Win10→Win11アップグレート時、MCUベンダが暫く旧Win10利用を勧める場合がありました。但し、筆者はx86/x64アプリ互換トラブルに遭遇した経験はありません。

筆者推定ですがSoC全体でNPU50+CPU5=55TOPSです。Windows Copilot RuntimeネイティブArm PCと、非ネイティブx86/x64 PCで、AI処理にどの程度差がでるか気になります。Windows専門家評価を待ちたいです。

Intel Lunar Lakeメモリ上限32GB

Intel Lunar Lakeパッケージ(出典:ASCII記事)
Intel Lunar Lakeパッケージ(出典:ASCII記事)

2024年7月15日、ASCII記事に、Intel Lunar LakeのSoC搭載DRAM上限が32GBで増設できない理由が示されています。記事筆者:大原 雄介氏は、この上限は、次期CPU:Arrow Lakeまで続くと推定しています。

Microsoft Copilot+ PCのメモリ要件は、16GB以上の「DDR5/LPDDR5」です。普及しているDDR4 RAMよりも高速/高価格なDDR5を活かしきれず、かつ上限があるDRAMオンチップ化は、SoC全体の低電力を重視したとは言え、裏目に出たようです。

32GB RAM上限とDDR5高速を活かせないLunar Lakeが、AI PC処理に及ぼす影響も、Windows専門家評価を待ちたいです。

Summary:Copilot+ PC CPU 24年7月現状

2024年7月時点のArm/AMD/Intel Copilot+ PC(AI PC)向けCPUを一覧表にしました。

24年7月AI PC CPU ターゲット NPU単体性能 備考 発売
Intel)Lunar Lake ノートPC 48TOPS 40%SoC電力削減
Max. 32GB RAMオンチップ
24年3Q
AMD)Ryzen AI 300 ノートPC 50TOPS TDP28W 8月発売
Arm)Snapdragon X ノートPC 45TOPS Copilot Runtimeネイティブ対応 発売中

発売中Arm CPU単体NPUの45TOPSに対し、後発AMD Ryzen AI 300 CPUは50TOPS、Intel Lunar Lakeは48TOPSと数値ではAMD/Intelが勝ります。

しかし、Windows Copilot RuntimeによるAI処理をネイティブ処理するArm CPUと、エミュレーション処理するx86/x64 Intel/AMD CPUで、AI処理にどの程度差が出るか、Lunar LakeのMax. 32GB RAM上限と速度が、どの程度AI処理に影響するか、さらに、Arm CPUの従来x86/x64ビジネスアプリ互換性なども専門家評価を待ちたいです。

※ゲームアプリに関しては、前投稿(2章)で、互換性問題なしの結果が出ています。

先行Arm CPUに、後発AMD/Intel CPUがやっと追いつき、AI PC性能に大差無し、と筆者は思います。

Afterword:後発AMDとIntelのSoC考え方

AMD Ryzen AI 300パッケージ(出典:PC Watch記事)
AMD Ryzen AI 300パッケージ(出典:PC Watch記事)

最初のPC Watch記事に、Armアーキテクチャを追いかける後発AMDのCopilot+ PC SoCの考え方が示されています。AMDは、「先ず性能が最優先事項、その次が電力効率など」という考え方です。

一方、Intelは、「電力効率を最優先」し、DRAMをSoCに組込んだのでしょう。しかし、その副作用が、4章ASCII記事の内容です。

人類が避けられない技術進化がAI PCです。筆者は、パーソナルAIアシスタント(AIエージェント)PCに期待しています。

AI処理を実用可能レベルで高速実行するには、PCハードウェア選び、端的に言えばCPUが肝心なのは、前投稿でも示しました。AMDとIntelのCopilot+ PC SoCの考え方の違い、現状CPUと次期Arm/AMD/Intel CPU動向などにも注意しながら、新Windows PC CPU選択が必要だと思います。


2~3年先Windows PC予想

2~3年内に新しいWindows PC購入を検討中です。激変中のWindows PC環境(OSとハードウェア)を整理し、今後(2~3年先)のWindows PCを予想します。筆者はWindows専門家ではありませんので確度は低いかもしれません。しかし、予想を持つ方が、様々な情報理解に役立つと思います。

激変Windows PC状況

  • 2025年10月Windows 10サポート終了
  • 今期Windows 11 24H2リリース予定
  • 次期Windows 12リリース、アップグレート要件不明
  • 2024年6月Microsoft Copilot+ PC発売開始

Windows PC環境、OSとハードウェアの状況です。激変を牽引するのは、パーソナルなAI PC化です。これら関連の多くの情報が溢れています(関連投稿:情報機器大転換期)。

2~3年先Windows ハードウェア予想

新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)
新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)

Copilotキーの新規追加、40TOPS以上のNPU搭載、16GB以上のDDR5/LPDDR5 RAM搭載、Microsoft Pluton Securityプロセッサ搭載など6月発表のMicrosoft Copilot+ PCは、現行Windows PC比、かなり高性能で新しいハードウェア構成です。その目標は、先行するAIスマホ機能の取込みに加え、AIアシスタントPCへの進化です。

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するには、ハードウェア選びが肝心です。そして、低電力動作。AIアシスタントと相性の良いモバイルノートPCを1日中フルに使っても、バッテリーに十分な余裕が必要だからです。

MacだけでなくWindows PCのCPUでも、従来Intel/AMDのx86/x64から、Armアーキテクチャへ変わりつつあるのは、このバッテリー持ちの良さ、電力効率の良さにあります。

但し、過去x86/x64ビジネスソフトウェアのArmアーキテクチャCPU動作検証が必要です。Armは、Prismでx86/x64エミュレーションを実行し、ゲームソフトは、ほぼ問題なく動作するようです。また、AIスマホは、ほぼArmベースですので、AIスマホ機能の取込みもx86/x64比、有利だと思います。

新しいAI半導体供給には、年単位の時間が必要です。高性能AI半導体を使うAI PCの2024年出荷は、わずか3%、2028年にようやく40%台という調査会社IDC予測があります。一方、Lenovoは、今後3年間でAI PCは一気に普及し、2026年出荷全体の60%を占めると予想しています。

筆者は、Lenovoに近い予想です。パーソナルAIアシスタント機能を持つPCと、これが無いPCでは、生産性や作業効率に格段の差が生じるからです。例えば、Office作業は、AI Copilot活用でプライオリティの低い作業は、激減すると思います。

2024年は、円安(7月161円/$)影響で、日本では高性能AI PCハードウェアは価格が高く手が出ません。2025年~2026年は、Win10サポート終了とAI半導体の安定供給時期が重なり、世界的なAI PC需要の伸びとハードウェア低価格化が期待できると思います。

AIノートPC代替ミニPC

ミニ PC - NucBox K8(出典:GMKtecサイト)
ミニ PC – NucBox K8(出典:GMKtecサイト)

現状のAI PCは、AIアシスタントとの相性が良いノートPCが主流です。しかし、筆者のように主にデスク上でPCを使う方は、ミニPCという選択肢もあります。

ミニPCは、簡単に言うとモニタなしのノートPCです。常時外付けデスクモニタと接続して利用します。ハードウェア構成は、ノートPCとほぼ同じで、モバイル性を犠牲にした代わりに拡張性があります。例えば、GMKtecNucBoxなどです。

ArmミニPCは、現在ラインナップに有りません。しかし、バッテリーを気にする必要が無いので、有力な高性能AI PCハードウェア候補と考えています。

2~3年先Windows OS予想

現行Win11 23H2の後継は、サービス期間2年想定のWin11 24H2です。この2年間(2024年~2026年)に、Win10サポートが終了しますので、Win11 24H2(またはWin11 25H2)の役目の1つが、多くのユーザ利用中のWin10代替OSでしょう。

Win10からWin11へのアップグレートは、TPM 2.0要件などありますが、大きな障壁ではありません。また、障壁回避アップグレード方法もあります。この意味で、Windowsユーザ離れは回避できると思います。

結局、現行x86/x64 Windows PCでも、2026年~2027年頃まではアップグレートWin11運用が可能です。

問題は、アップグレートWin11が、Microsoft想定のCopilot+ PC OSと異なる点です。つまり、高度なAI処理に手間と時間、電力消費が懸念される点です。但し、実際はどのようなAI処理をPCユーザが好み、どこにAI PCの大きな需要があり、それらを支援するAI OS機能は何かを見極める必要があります。

AI処理は、この見極めが必須なぐらいサービス/アプリによるソフトウェア負担も大きいのです。汎用的にAIをPCで活用するには、Copilot+ PCよりも更に高性能ハードウェア、例えば高TOPS NPUや大容量メモリが必要になると思います。

Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)
Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)

Copilot+ PCのAI OS処理は、Windows Copilot RuntimeがArmネイティブ動作のため、x86/x64比、電力効率に優れます。2024年~2027年は、従来のx86/x64 Win11と新しいArmネイティブOSの併存期で、Armネイティブ特性を活かすAIサービス/アプリとAI OS機能の見極め期間です。

例えば、Copilot+ PCのRecall検索機能は、導入前にプライバシー配慮に対する改善が入りました。パーソナルAIアシスタントとプライバシーは、セキュリティバランスを考慮したガイドラインなどが必要でしょう。

※既にWin11 23H2でもスクリーンショットがユーザ同意なしにピクチャライブラリへ自動保存(!?) されますが…。

次期Win12は、この新旧OS併存期の結果から「2025年~2026年末頃、本格的パーソナルAIアシスタントOSとして新登場」すると思います。

次期Win12はWin11からアップグレートできるか?

6月発売Microsoft Copilot+ PCのOSは、Armネイティブ動作Windows Copilot Runtimeを持つWin11 23H2です。このCopilot+ PCハードウェア構成のPCは、おそらく新しいWin12へアップグレートできるでしょう。

前章のAI OS見極め結果にも依りますが、Win12登場が遅れれば遅れる程、6月Copilot+ PCとのスペック乖離が進みます。筆者がWin12登場を遅くても2026年末としたのは、この乖離を少なくするためです。

逆に言うと、「Win12アップグレート最低条件が、6月Copilot+ PCスペック」となりそうです。

Summary:2~3年先Windows PC予想結果

ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)
ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するにはハードウェア選びが肝心です。さらに、モバイルノートPC向けに、低電力動作も必須です。

本格的AI OSのWindows 12登場は、2025年~2026年と予想しました。このWin12アップグレート要件未達とならないよう、2025~2026年内に、出来るだけ高性能なAI PCハードウェア購入を検討中です。

有力候補に、バッテリー動作を気にする必要が無いミニPCハードウェア案を示しました。

Afterword:ネットカフェPCにWin11 23H2登場→Win12?

過去Win10のみであったネットカフェPCに、Win11 23H2搭載PCが登場しました。今後Win11比率も徐々に高まるでしょう。新しいWin12が、個人PCのNPU学習結果を、Microsoft Pluton SecurityプロセッサとOneDriveを使って同期できれば、公衆ネットカフェPCでもパーソナルAIアシスタントが使えます。

パーソナルAIアシスタントのクラウド化、これならOfficeが付いたOneDrive利用も喜ばれるでしょう!

情報機器大転換期

情報機器(PC/スマホ/IoTデバイスなど)のハード/ソフト/使い方が、大転換期です。原因は、生成AI革命。インターネット商用解放期に匹敵する気がします。

2024年も半分終わった今、見えてきた情報機器大転換期の現状をまとめました。1章と2章が、ソフトバンクの生成AI革命の考え方、3章以降が、現状という段取りです。

ソフトバンクのAIとAGI、ASI

人類叡智の10000倍能力のArtificial Super Intelligence(出典:記事)
人類叡智の10000倍能力のArtificial Super Intelligence(出典:記事)

ソフトバンク会長兼社長の孫正義氏が、2024年6月21日の定時株主総会で、ソフトバンクは、ASI(Artificial Super Intelligence)を実現するとASCII記事が掲載しました。記事を極簡単にまとめたのが本章と次章です。

AGI(Artificial General Intelligence=汎用人工知能)とは、人間の持つ考え方、知識の「一部を機能化」した現在のAIの親玉に相当し、人間と同じか最大でも10倍程度上回る「汎用の人工知能」。先端AI研究者のテーマがこのAGIで、5年以内、場合によれば3年ぐらいでAGI時代となる。

様々な天才同士が刺激しあい進化した人類と同様、AGI同士が刺激しあい、人類進化を加速するのがASI時代。ASIは10年前後でやってくる。孫氏が決めた指標では、人間の「1万倍程度の英知」。人類20万年史上、初めて圧倒的な人口知能となり、全常識が変わるのがASI時代。

例えば、スマートロボットがASIにつながると、工場生産や道路掃除、買い物や洗濯も代行可能。自動運転も、AIが技能学習し、一度も行ったことが無い場所でもスイスイ自動運転でき、大量生産や加工、物流などはロボットに置き換わる。

ソフトバンク孫正義氏が生まれた理由・使命は、このASI実現

ASI実現手段

ソフトバンクグループ総力でASI推進(出典:記事)
ソフトバンクグループ総力でASI推進(出典:記事)

孫氏は、更にASI時代の基盤技術の1つが、現在様々な情報機器へ半導体IP提供中のArmとしました(Arm株式9割近くをソフトバンクが保有中)。

Armの強みは、設計力と低消費電力稼働で、ASIの広がりに貢献。出荷数量は上がることはあっても、下がることはない。ASI実現のため、ソフトバンクグループ総力でArm AIチップ、AIデータセンタ、AIロボットへ取組む。

Armの将来を孫氏は信じている。

制御系ハードウェア転換

Arm IPコアは、本ブログ掲載Cortex-Mシリーズをはじめ、多くのMCUベンダハードウェアにも採用中です。MCUのエッジAI化に伴い、従来シリーズよりも更に高性能なCortex-Mコア:Cortex-M85搭載MCUも発売開始となりました。

Cortex-M85特性比較(出典:ARM)
Cortex-M85特性比較(出典:ARM)

PCは、Microsoft Copilot+ PCが2024年6月18日にワールドローンチされました。40TOPS以上のNPUが注目され勝ちですが、NPUを制御するCPUにも転換が起こりつつあります。

現在、Copilot+ PC要件を満たすCPUは、QualcommのSnapdragon X Eliteだけです。このCPUも、Arm IPコアを採用中(4章)です。他社に先駆けるArm設計力が表れています。

AI処理でPCよりも先行するAIスマホは、そのCPUの多くがArmライセンスのチップです。6月20日発表のAppleパーソナルAI Intelligenceハードウェア要件は、A17 ProチップとMシリーズです。iPhone 15/15 Plus非対応のため、90%以上のiPhoneユーザは、Apple Intelligenceを使えないそうです。

これら制御系ハードウェアの転換理由は、「AI処理を実用可能なレベルで高速実行するには、ハードウェアが肝心」だからです。

つまり、生成AI革命が、従来制御系の全ハードウェアを転換させつつあるのが、今です。

ソフトウェア転換

NPUなどのAI処理ハードウェアを活かすのは、ソフトウェアです。例えば、Copilot+ PCには、Recall、Cocreator、Live Captions、Windows Studio EffectなどのAI機能が標準で備わっています。

但し更に重要な点は、これら標準AI機能の基となるWindows Copilot Runtimeを活用し、新なAIソフトウェアが開発できること、しかもArmネイティブであることです。

※Armネイティブとは、汎用RuntimeがArm専用ライブラリのように無駄無く高速動作すること。

MacOSは、Arm化が進んでいます。Windowsソフトウェア開発も、下図が示す従来x86からArmネイティブソフトウェア転換を迎えているようです(詳細はコチラの記事参照)。

ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)
ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)

情報機器使い方転換

インターネット商用解放は、IT革命をもたらしました。ユーザは、PCやスマホなどの機器を使って、ネット上を検索し、情報を得るようになりました。ネットに溢れる情報の検索装置が、IT機器でした。

生成AI革命は、PCやスマホの使い方を、単なる検索装置からアシスタント代行へと転換させつつあります。つまり、より高度な情報解析や解析に基づいた提案ができる個人アシスタントとしての使い方です。

従来の情報機器を、人間的で簡単に使えるAIアシスタント化しつつあるのが、今です。

Summary:情報機器大転換期

クラウド・エッジ全基盤を提供するArm IP(出典:記事)
クラウド・エッジ全基盤を提供するArm IP(出典:記事)

生成AI革命でPC/スマホ/IoTデバイスなどの情報機器ハードウェア/ソフトウェア/使い方が、大きく転換しつつある2024年半分終了の今をまとめました。

制御系IP提供のArm株式9割保有中ソフトバンクの生成AI革命に対する考え方と、AI実用はハードウェアが肝心、ソフトウェアのArmネイティブ化、情報機器AIアシスタント化などの転換現状を示しました。

AI進化スピードは驚異的です。人間開発者も進化が必要です。現状マクロ把握のため本稿を作成しました。

Afterword:オープンソースハードウェアコア、RISC-V

Cortex-M代替として急浮上のRISC-V
Cortex-M代替として急浮上のRISC-V

ライセンス料が必要なArm IPコアの対極にあるのが、オープンソースハードウェアコアです。例えば、RISC-V。採用例は、ルネサスのRISC-V MCU/MPUや、EsperantoのAIチップに見られます。

RISC-V採用理由は、少数命令による低消費電力動作です。Arm同様、低電力動作ハードウェアの重要性が解ります。RISC-VかArmかのコア選択は、製品売上見込みとその投資額で決まると思います。

※MCU製品は、IPハードウェア以外にコンパイラ、デバッガなどソフトウェア開発ツールも必要。Armコアならツール入手も容易だが、オープンソースハードウェアコアはこれらもベンダ準備必要(関連投稿はコチラ)。

日本政府マイナンバーカード施策に、上記のような費用対効果検討が全く無いのは、原資が税金のため?😢


LibreOfficeの使い方(ポータブル版)

LibreOfficeの使い方(ポータブル版)動作画面
LibreOfficeの使い方(ポータブル版)動作画面

LibreOfficeをUSBメモリへインストールし、どのWindows PCでもLibreOfficeが使えるポータブル版LibreOfficeの使い方を示します。

本家、Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム版LibreOfficeと、操作は全く同じです。

OfficeやLibreOffice文書の加工・編集が、ネットカフェ等の出先でもでき、また、PCを汚さずにLibreOfficeが動作します。LibreOfficeを試したい方にもお勧めです。

ポータブル版LibreOffice使い方もくじ

1.USBへLibreOfficeポータブル版インストール方法

……  1.1 PortableApps.comインストール

……  1.2 LibreOffice Still(安定版)またはFresh(最新版)インストール

2.ポータブル版LibreOffice操作方法

……  2.1 Microsoft Office文書扱い留意点

1. USBへポータブル版LibreOfficeインストール

LibreOfficeをUSBへインストールするには、先ずPortableApps.comから土台となるプラットフォームのUSBインストールが必要です。

このプラットフォームは、多言語対応です。インストールは、2段階で行います。初めが、サイト上方の言語選択&ダウンロード&USBへインスールです。その後、土台プラットフォームへポータブル版LibreOfficeをインストールします。

以下、日本語選択インストール例を示します。

土台PortableApp.comの日本語選択
土台PortableApp.comの日本語選択

1.1 PortableApps.comインストール

USBメモリを用意します。32MB容量あれば、USB内に複数文書を保存しても余裕で使えます。

日本語選択し示されるダウンロードをクリック、適当な場所へダウンロード後、インストーラを実行します。

PortableApps.com日本語ダウンロード
PortableApps.com日本語ダウンロード

インストール途中に、土台のインストール場所を聞いてきます。「ポータブル」を選択すれば、用意したUSBへインストールされます。その後は、ダイアログに従いプラットフォームのUSBインストール完了です。

インストール後、自動生成される“Start.exe”クリックで、プラットフォームが動作します。このプラットフォームが、最初に示した図のオレンジ部分です。

次に、このオレンジプラットフォームへ、ポータブル版LibreOfficeをインストールします。

1.2 LibreOffice Still(安定版)またはFresh(最新版)インストール

プラットフォームの「アプリの管理(A)」をクリックし、表示プルダウンメニュから「もっとアプリを入手(G)」>「カテゴリー順(W)」クリックで、右側“新しいポータブルアプリのダウンロード”ダイアログが表示されます。

新しいポータブルアプリからLibreOffice Still(安定版)のインストール。図はFleshがありませんが近日中に出現します。
新しいポータブルアプリからLibreOffice Still(安定版)のインストール。図はFleshがありませんが近日中に出現します。

LibreOffice Stillを選択し、インストール(I)をクリックすれば、LibreOffice Still(安定版)が、プラットフォームUSBへインストールできます。プラットフォームからLibreOffice DrawやLibreOffice Calc、LibreOffice Writer等が直接起動できます。

“LibreOffice Still”インストールのお勧め理由は、Fresh版が1ヵ月、Still版が3か月更新のためです。

USBへのインストールや更新処理は、時間が掛かります。Still/Fresh機能差は少なく、更新頻度が少ないStillの方が、LibreOfficeを使いたい時に直ぐに使え便利です(Afterwordに対策案あり)。

※インストール後のポータブルLibreOffice動作速度は、本家と同じです(念のため…)。

2. ポータブル版LibreOffice操作方法

ポータブル版LibreOffice操作は、本家Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム版LibreOfficeと同じです。従って、弊社投稿のLibreOfficeの使い方(総集編)や、投稿カテゴリー:LibreOfficeの内容がそのまま使えます。もちろん、弊社無償WriterテンプレートDrawテンプレートも使えます。

そこで、ポータブル版LibreOfficeを使って、“Microsoft Office”文書を編集・加工する時の留意点のみを示します。

2.1 Microsoft Office文書扱い留意点

LibreOfficeは、Microsoft Office文書の編集・加工も互換性があり可能です。保存拡張子の違いと、Office文書のレイアウト崩れが起こる場合があること、の2点に留意が必要です。

LibreOffice文書保存時のデフォルト拡張子は、ODF(Open Document Format)形式です。例えば、Writerは*.odt、Drawは*.odgです。LibreOfficeでLibreOffice文書を編集・加工する時は、何ら問題ありません。

しかし、LibreOfficeでMicrosoft Office文書を編集・加工した後は、保存拡張子を、Wordなら*.docx、Excelなら*.xlsx等へ変更した方が、Officeで再編集する時にBetterです。

ファイル形式の確認でWord形式を選択
ファイル形式の確認でWord形式を選択

また、拡張子を変更しても、Office再編集時、レイアウト崩れを起こす場合があります。

対策は、レイアウト要素をデフォルトのまま文書、図、表を作成することです。デフォルトレイアウト原稿なら、Officeで最終稿に仕上げる時に、レイアウトだけを変更すれば良いからです。

言い換えると、Office/LibreOffice共に最終稿までは、デフォルトレイアウトで編集・加工する。そうすれば、原稿レイアウト崩れを気にする必要が無い(!)という訳です。

Summary:LibreOfficeの使い方(ポータブル版)

USBへLibreOfficeをインストールし、どのWindows PCからでもLibreOfficeが使える、PortableApps.comとポータブル版LibreOfficeの2段階インストール方法を示しました。

ポータブル版LibreOfficeを使って“Microsoft Office文書”を取扱う時の留意点を示しました。

ポータブル版LibreOfficeの操作は、本家クロスプラットフォーム版と同じです。出先でもLibreOfficeやMicrosoft Office文書の加工・編集ができます。また、PCを汚さずにLibreOfficeが使えるメリットがあります。

Afterword:PortableApps.com

LibreOffice以外にもUSBへインストールできるアプリは、数多くあります。PDFーX ChangerとNotepad++の2つを追加インストールしたのが、一番初めの図です。下図無償PortableApps.comは、優秀なプラットフォームアプリです。

無償で様々なアプリを持ち歩けるPortableApps
無償で様々なアプリを持ち歩けるPortableApps

但し、このプラットフォームへ、多数アプリのインストールはお勧めしません。インストールやアプリ更新処理が、外付けUSBのため遅いからです。例えば、高価ですがポータブルSSDで代用すれば、改善するハズです。