最新Ryzen AI MaxとNPU懸念記事

Ryzen Al Max+はCPU GPU NPU SoC統合型
Ryzen Al Max+はCPU GPU NPU SoC統合型

AMDAI CPU搭載のOCuLink付きミニPCが、弊社次期AI PC候補です。AMD最新AI CPURyzen AI Max+ 395発表と、NPU関連の懸念記事がありましたので紹介します。

Ryzen AI Max+ 395

製品発表毎に新しいAI CPU名が加わります。そこで、最新AI CPU状況を知り、新旧CPU変化を把握しておくと、AI PC購入時にCPU選択の幅が生まれます。

AMDMicrosoft Copilot+ PC準拠のAI CPU第一弾として昨年発表したのが、Ryzen AI 300シリーズです。そして今年1月、300シリーズの上位モデルで第2Copilot+ PC向けCPUが、Ryzen AI Maxシリーズです。

Ryzen AI Max Cores /
Threads
Boost2 / Base
Frequency
Cache Graphics Model TDP NPU
TOPS

Ryzen AI Max+ 395

16C/32T Up to 5.1 /3.0 GHz 80MB Radeon 8060S 45-120W 50

Ryzen AI Max 390

12C/24T Up to 5.0 / 3.2 GHz 76MB Radeon 8050S 45-120W 50

Ryzen AI Max 385

8C/16T Up to 5.0 / 3.6 GHz 40MB Radeon 8050S 45-120W 50

Ryzen AI Max+ PRO 395

16C/32T Up to 5.1 / 3.0 GHz 80MB Radeon 8060S 45-120W 50

Ryzen AI Max PRO 390

12C/24T Up to 5.0 / 3.2 GHz 76MB Radeon 8050S 45-120W 50

Ryzen AI Max PRO 385

8C/16T Up to 5.0 / 3.6 GHz 40MB Radeon 8050S 45-120W 50

Ryzen AI Max PRO 380

6C/12T Up to 4.9 / 3.6 GHz 22MB Radeon 8040S 45-120W 50

Pro付きはビジネスモデルで、メモリデータ暗号化などセキュリティを強化しています。

Ryzen AI 300 Cores /
Threads
Boost5 / Base
Frequency
Cache Graphics Model TDP NPU
TOPS

Ryzen AI 7 350

8C/16T Up to 5.0 / 2.0 GHz 24 MB Radeon 860M 15-54W 50

Ryzen AI 5 340

6C/12T Up to 4.8 / 2.0 GHz 22 MB Radeon 840M 15-54W 50

Ryzen AI 7 PRO 350

8C/16T Up to 5.0 / 2.0 GHz 24 MB Radeon 860M 15-54W 50

Ryzen AI 5 PRO 340

6C/12T Up to 4.8 / 2.0 GHz 22 MB Radeon 840M 15-54W 50

1弾の300から第2弾のMaxへは、主に内蔵GPUを強化しています。内蔵NPUは同等ですが、CPU+GPU+NPUのトータルAI処理性能は向上しています。

CPUGPU強化は、従来AMD製品と同じです。但し、今回NPU単体性能が向上していない点を懸念しています。

AI PCアプリ共通実行の仕組み

AI PC性能はCPU、メモリ、ディスク、通信、NPUとGPUで評価できる(出典:窓の杜)
AI PC性能はCPU、メモリ、ディスク、通信、NPUとGPUで評価できる(出典:窓の杜)

最新AI PCNPU性能が、現状維持となった懸念記事が下記です。

  1. NPU対応アプリなのにNPUが使えない、窓の杜、2025228
  2. AI PCのNPUは眠ったまま、TechTarget、2025年3月1日

どちらも、現在Copilot+ PC準拠QualcommSnapdragon CPU内蔵NPUで動作するAIアプリが、少ないことを指摘しています。

1は、NPU対応アプリでもNPU未使用の動作例が多々あり、その原因は、Intel/AMD/Qualcomm各社のNPUハードウェアが異なるためと分析しています。そしてこの対策に、GPU Direct3D相当のAIアプリを共通実行する仕組みを挙げています(GPU Direct3DAfterword参照)。

つまり、NPUハードウェア差を吸収するAIアプリ共通実行の仕組みが現在無いため、各社Copilot+ PCで共に動作するAIアプリが少ないのです。当然、弊社前投稿AIキラーアプリも現れません。

いわば、ローカルPCに高性能NPUを持っていても、宝の持ち腐れ状態です。

今回AMDが、NPU性能向上を図らなかったのは、AIアプリ共通実行の仕組みが無いこと、AIキラーアプリが無いこと、これらにより敢えてAI処理のNPU性能向上リスクや価格高騰は避けたのだと筆者は思います。

逆に、AI PC普及の鍵は、AIアプリ共通実行の仕組みだと言えそうです。

Summary:最新Ryzen AI MaxNPU懸念記事

20251月発表のCopilot+ PC準拠AMD最新Ryzen AI Maxシリーズは、旧Ryzen AI 300シリーズのCPUGPU強化版です。しかし、NPU性能は同じ50TOPSのままです。

AMDNPU性能向上を避けた理由は、現在、AIアプリ共通実行の仕組みが無く、かつ、AIキラーアプリも無いためです。

今年10月のWin10/11 24H2サービス終了前までに、GPU Direct3D相当のIntel/AMD/Qualcomm各社NPUハードウェア差を吸収し、AI PCアプリが共通動作する仕組みは、最低限必要でしょう。これがAI PC普及の鍵です。

AfterwordGPU Direct3D役割

Direct3D_Abstract_Layerの役割(出典:ウィキペディア)
Direct3D_Abstract_Layerの役割(出典:ウィキペディア)

Direct3Dは、グラフィックアプリとグラフィックハードウェア間を抽象化し、ハードが異なってもアプリに対し同じAPIを提供する仕組み。機能的には同じGDIGraphics Device Interfaceよりも高性能。Direct3Dのお陰で、PCが異なっても同じグラフィックアプリが動作。

本稿の標準AI PCアプリ共通動作の仕組みとは、このGPU Direct3DNPU版です。

Afterword2:ミニPC CPU選択肢

最新Ryzen AI Max+ 395搭載ASUSゲーミングノートPCROG Flow Z13 (2025) GZ302(約38万円、OCuLink無し)は、コチラの記事で評価されています。

世代が古いCPU搭載が多いミニPCの場合は、同じNPU性能を持ち価格も安いRyzen AI 300シリーズの可搬性不要Pro無しモデル(前表の緑ライン)のRyzen AI 7 350を中心に弊社は選択しようかと考えています。


Win11 24H2サポートCPU更新の理由

2025217日、MicrosoftWindows 11 24H2サポートCPU更新を発表し、Intel8/9/10世代 CPU24H2対象から外しました。

但しこれは、PCメーカ製品の話です。つまり、既に24H2Intel8/9/10世代を使用中のユーザPCは無関係ですので安心してください(第8/9/10世代CPUAfterword参照)。

Microsoftは、昨年10月のWin11 23H2から24H2アップグレード時、対象CPU制限(IntelAMD)を発表しました。また、今年1月には、Win11 24H2強制アップグレードも開始しました。要件を満たさないIntel/AMD CPUは、Win11 23H2のままアップグレードができません。これらCPUPCは、今年10月にサービスが終了します。

本稿は、MicrosoftがなぜWin11 24H2更新を強制し、同時にCPU制限も追加するのか、その理由を考察します。

Microsoft AI PC戦略

ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)
ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)

現在主流のIntel/AMD x64 CPUを、5年後の2030年迄に新しいARM64 CPUへ変えるのがMicrosoft AI PC戦略です。一連の発表は、この戦略の結果です。

現在PC向けARM64 CPUは、スマホCPUで有名なQualcomm社のSnapdragonシリーズのみです。40TOPS以上のNPU内蔵などCopilot+ PCAI PC)要件を満たすCPUも、昨年5月発表時はSnapdragonのみでした。

Qualcomm社よりも出遅れたIntel/AMD社は、共に昨年秋AI PC要件を満たす新しいx64 CPUを発売しました。しかし、Win11 24H2で新に加わったAI PC機能は、ARM64 CPUには提供中ですが、x64 CPUには一部のみ提供です(関連投稿:2月版AI PC選定ポイント)。

つまり、Microsoftは意図的にx64ARM64に差を付け、「ユーザのARM64 CPU移行」を狙っています。しかし、この狙いに反し、ユーザのARM64移行は進んでいないと思います。

x64からARM64へ変わる意味

ARM64は、Arm社のCPU IPIntellectual Property)をQualcomm社が購入し、このIPをハードウェア化したCPUです。Intel/AMD社のx64とは完全に別ハードウェアです。x64比、電力効率が良い点が特徴で、Apple社最新CPUにもArmCPU IPは採用されています。

Microsoftx64からARM64 CPUへ変える目的は、Apple同様、電力効率の改善です。

さて、従来のWindowsソフトウェア(アプリ)は、x64 CPUで最適動作する設計でした。この従来設計アプリは、新しいARM64 CPUでは動作しません。そこで、ARM64 CPUは、Prismというエミュレーションツールを使って、x64アプリを疑似的にARM64アプリへ変換し、互換動作させています。

もちろん、ARM64 CPU最適動作設計のアプリもあり、これをARMネイティブアプリと呼びます。つまり、現在のARM64は、従来x64互換と新ARMネイティブの2種アプリが動作するCPUです。

従って、新規Windowsアプリ開発者は、従来x64か新ARMネイティブかの設計選択が必要です。ARMネイティブアプリリストが下記です。ビジネスで必要なアプリは、ARMネイティブでも提供中なのが判ります。

ARMネイティブアプリ例(出典:日経Xtech)
ARMネイティブアプリ例(出典:日経Xtech)

これらARMネイティブアプリが、ベンチマークではなく実用時にx64比電力効率が良いのでしょうか? 現状の結論は、実際のバッテリ持ち時間にx64ARM64で殆ど差がありません(参考資料:Surface Intel版とQualcomm版比較Gadget Hack23日)。

つまり、ARM64 CPUは、「アプリ開発者に新ARMネイティブアプリ開発負担に見合う程の電力効率改善を与えない」のです。

もちろん、将来的に効率改善の可能性はあります。しかし、開発者も実績があり慣れたx64アプリ開発を望むようです。

AI PCは順調か?

「ユーザのARM64移行遅し」と「ARMネイティブアプリ開発負担に見合う電力改善少なし」は、AI PC普及を阻む原因の1つです。

この対策が、AI機能のARM64 CPUのみ全面提供、今年1月のWin11 24H2強制アップグレード、2月のIntel CPU 24H2サポート除外だと思います。ちなみに、Copilot+ PC要件を満たすIntel/AMD CPUへのAI機能提供は、昨年11月に発表済みでした。しかし、未だ部分提供のみです。

つまり、217日発表は、CPU市場から「従来Intel CPUを排除」し、CPUメーカのARM64化を期待している訳です。但し、Qualcomm以外、例えばAI半導体大手NVIDIAなどの新規ARM64 CPUメーカ参入は、今のところありません。

前章までを総括すると、「AI PC普及状況改善のためMicrosoftは、CPUメーカ/アプリ開発者/ユーザの3方面へ新しいARM64移行を強要中」です。

ローカルAIとクラウドAIAIキラーアプリ

AI PC普及不調の根本原因は、NPU活用のビジネス向けローカルAI PCキラーアプリが無いことです。また、プロンプトのAI入力インタフェース、個人情報保護などユーザのAIに対する不安も要因です。

一方、ブラウザ経由クラウドAIサービスのCopilotGeminiによる文書要約などクラウドAIアシスタントは、徐々に普及しつつあります。このクラウドAIサービス利用には、NPU非搭載の従来PC/Win11 23H2でも十分可能です。

さらに、AI PCよりも先行するAIスマホでは、Googleと韓国)サムスン電子がタッグを組み、最新Geminiが複数スマホアプリと連携し、より使い易いAIエージェント(コンシェルジュ)サービスが始まりました(参考資料:Googleとサムスンタッグ、日経ビジネス、225日)。

Gemini連携アプリが増たのでAIコンシェルジュも可能
Gemini連携アプリが増たのでAIコンシェルジュも可能

このように、AI PCをビジネスで活用するAIキラーアプリが無い現状では、わざわざ新しいARM64ではなく、従来アプリ互換性のあるx64 CPUを選択する方が無難と考えたのが、CPUメーカ/アプリ開発者/ユーザの状況です。

Apple Macアプリのように、Microsoft自身でARM64ネイティブビジネスAIキラーアプリ、例えば高機能AIアシスタントを自主開発すれば、他者へARM64を強要する必要は無くなると考えるのは筆者だけでしょうか?

次期Win12は、上記Microsoft製ビジネスAIキラーアプリ動作を条件に、Copilot+ PC CPU要件を更に狭め、Intel/AMD/Qualcommの最新AI CPUのみ無償アップグレード対象になる可能性もあると思います。

AIキラーアプリが、現行要件:40TOPS NPU16GB高速メモリで十分動作するかも懸念事項。

SummaryWin11 24H2サポートCPU更新理由

WIndows 11不人気の打開策、生成AI
WIndows 11不人気の打開策、生成AI

20252月、MicrosoftWindows 11 24H2サポートCPUからIntel8/9/10世代 CPUを外した理由を考察しました。

Win11 24H2動作のAI PCは、ユーザのARM64 CPU移行が遅く、x64/ARM64 2種アプリ開発負担増に見合う電力効率改善が得られず、などAI PC普及は不調です。その対策にMicrosoftは、PCメーカのIntel CPU排除を狙ったと思います。但し、これら他者への対策が上手くいっているとも思えません。

ARM64ネイティブ動作のビジネスAIキラーアプリが無いことが、AI PC普及不調の原因です。

例えば、AIアシスタント/コンシェルジュのようなARM64ネイティブ動作ビジネスAIキラーアプリをMicrosoftが自ら開発すれば、他者へARM64を強要せずともWin10/11 23H2サービス終了と同時にAI PC普及は急加速するでしょう。

AfterwordIntel8/9/10世代CPUとは

Intel8/9/10世代CPUは、型番表記で判ります。「Core ixxxx(またはxxxxx)」で、最初の「i〇」は、Core i3Core i5Core i7Core i9などのシリーズ名、続く「xxxx(またはxxxxx)」の最初の数字が世代を表し、第8世代:8xxx、第9世代:9xxx、第10世代:10xxxはです。

ちなみに、Win11 24H2アップグレード要件を満たさないIntel/AMD CPUでも、コチラのRufus 4.6ツールを使えばCPU要件を回避してアップグレードができます。


諸行無常とAI

諸行無常を表す簡単な図(出典:Copilot)
諸行無常を表す簡単な図(出典:Copilot)

諸行無常とは、この世の存在は全て変化し、一瞬も同一性保存ができないという仏教用語です。

Intel衰退記事やホンダと日産の経営統合協議打ち切り記事を目にすると、高校時代筆者が学んだ平家物語冒頭の「…鐘の声、諸行無常の響きあり」を思い出しました。

Intel衰退

202411月、ダウ工業株の平均対象からIntelを除外し、代わりにNVIDIAの採用記事や、Intel大負け記事等を読む度に、今、人工知能(AI)が時代を動かしていることを実感します。

かつての覇者Intelの大負け記事は、様々な失敗原因も分析しています。その原因は、Intel首脳部の将来予測判断ミスが多いようです。

ホンダと日産の経営統合打ち切り

ホンダ、日産ともに、自動運転やEV化に向けて単独生き残りは困難と言われます。今回の統合打ち切り経営判断が、正しいか否かも、数年後、Intel同様分析されるでしょう。

Intel、ホンダ、日産のこれら判断は、当然ですが主に首脳部能力に起因しています。

将来数値予測や最新情報取得はAIが得意

シミュレーションによる将来の数値予測やネットに溢れる最新情報取得、分析は、AIの得意分野です。もちろんハルシネーション対策は必要ですが、AIが出す回答は、人間最終判断の重要な材料になり得ます。

仮に、昔のIntel判断時に今のAIがあれば、現在のIntel衰退は防げたかもしれません。

ホンダと日産の経営統合判断にAIを活用したかどうかは不明です。しかし、人間の主観判断だけなら、Intel同様、ミスは付き物です。

SummaryNothing is permanent and AI

釈迦が昔説いた諸行無常は、どの時代でも変わりません。しかし、最後に判断するのはいつでも人間です。AI頼りは間違いです。

但し、人間の主観によるバイアスに惑わされず、AIの客観的な将来予測等も考慮に入れるのが、今のAI時代経営判断方法だと思います。何故ならそのAI自身が、今と将来の状況を大きく動かし変えるからです。

Afterword:嫌いな科目:古文

古文の教材例
古文の教材例

理系専攻筆者にとって高校の古文は、嫌いな授業科目でした。それでも、「諸行無常の響きあり」を思い出すのですからは、好き嫌いに拘らず学びは必要ですね。ちなみに、最初の図は、諸行無常を簡単に表す図に対する無償Copilot回答です(古文同様、筆者には判りにくい図ですが…)。興味深いテーマですね!というCopilot言い訳も付いていました😊。


AI PC選定ポイント(2月版)

AI PC選定ポイント
AI PC選定ポイント

Win11 23H2/Win10は、今年10月にサービス終了します。これら従来型PCを、新しいAI PCに買換え検討をしている方は多いでしょう。弊社もそうです。そこで、AI PCCopilot+ PC)の2月最新状況と選定ポイントをまとめました。

※本稿は、Copilot+ PCAI PCと想定して記述します。

重点参考資料

参考とした資料は下記以外にも多くあります。が、最新3点を重点参考資料としました。

  1. MicrosoftArm重視戦略PC Watch、2025年1月31日
  2. Copilot+ PC自費実機レポート、@IT、2025年1月31日
  3. Microsoft Pluton security processor、Microsoft、2025年1月31日

1は、笠原 一輝氏が、120日新発売Microsoft Surfacex64 CPUで法人販売のみ、一般向けはArm Snapdragon CPUMS戦略を、今年の米)ラスベガス)CES取材なども加味し考察しています。

2は、⼩林 章彦氏が、自費購入した最新AI PCCopilot+ PC/ARM64/Win11 24H2)を使って、現状のAI PC機能詳細とその使用感をレポートし、今のAI PC購入是非を考察しています。

3は、Copilot+ PC要件でAI PCセキュリティの要:Microsoft Plutonプロセサの公式資料で、CPUx64/ARM64)内蔵Pluton構成や機能、アップデート方法が示されています。

次章から、主に重点参考資料を基にまとめます。

新しいAI PCと従来型PCの違い

初めに、新しいAI PCと従来型PCの違いを簡単に示します。

  • 従来型PC:ネットとツールが生産性を上げたPC。Win11 23H2やWin10までのWindows搭載。
  • AI PC:AIツールで革命的生産性向上が期待できるPC。Win11 24H2やWin12のWindows搭載。
従来PCからAI PCへ変わる2025年
従来PCからAI PCへ変わる2025年

従来型PCは、紙や筆記具をOfficeツールに置換え、ネット接続ブラウザが情報収集に貢献しました。高性能x86/x64 CPUと表示GPUPC生産性の主な決定要因です。が、ユーザのPC使いこなし能力にも依存しており、生産性は上限に近い状況です。

新しいAI PCは、生成AIにより知的ユーザサポートが可能で、上限に近い従来PC生産性を更に上げる可能性があります。但し、AI処理には、新しい40TOPS以上のNPUNeural Processing Unit)ハードウェアや更なる低電力動作、PC(エッジAI)のみでなくクラウドAIとの協調動作、高セキュリティなどが必要です。

これらがPCに備わると、AIアシスタント/コンシェルジュなど生産性を劇的に向上するAIエージェント処理が可能になります。副作用に、ユーザ機密情報のセキュリティ保護も必須となり、これを実現するのが新しいPluton security processorCopilot+ PC要件になっています。

関連投稿:生成AI活用スキル

AI PC3CPU共通機能

AI PCCPUは、従来PCの延長上にあるIntel/AMD社によるx64 CPUと、ArmIPを使ったQualcomm社による新しいSnapdragon ARM64 CPU3種類が提供中です。ARM64 CPUは、Apple社のMac PCにも採用され、x64に比べ省電力性が特徴です。

先ず、3CPUの共通機能を示します。

3CPU共に新しいPlutonプロセサを内蔵しています。従来型セキュリティチップ:TPM 2.0は、CPU外付けでした。このため、CPU⇔TPM間のハッカー攻撃に弱く内蔵化でセキュリティを高めました。

また、プロセサという名が示すようにPluton自身がROM/SRAMを持ち、乱数生成器や暗号処理などのセキュリティ機能は、CPUと完全独立で実行します(下図)。Pluton自身の機能更新は、Windowsアップデート経由で行われ、TPM で面倒であったUEFI BIOS変更操作も不要です。

Copilot+ PC要件のPlutonセキュリティプロセサ構造(出典:Microsoft)
Copilot+ PC要件のPlutonセキュリティプロセサ構造(出典:Microsoft)

つまり、Plutonは、高セキュリティで機能更新も容易なAI CPU内蔵プロセサです。TPM 2.0動作の下位互換性もあります。進化する脅威に対し、最新セキュリティ保護の仕組みがPlutonプロセサです。

但し、AI PCのユーザ機密情報がPlutonにどのように保護・保持されるか、クラウド側保護・保持の有無、複数PC間のAI情報同期などは不明です。AI情報同期が出来ない場合は、複数AI PC活用が不便になる可能性もあります。

AI PC3CPUの異なる機能

次に、Intel/AMD x64 CPUQualcomm Arm Snapdragon ARM64 CPU3CPUの違いを示します。

3CPUの違いを一言で言うと、高性能AMD、中庸Intel32GB SoCメモリ)、低電力+最新AI機能動作Qualcommです(関連投稿:Copilot+ PC CPU20251月現状)。

CPU毎のAI機能提供状況は、重点参考資料2にまとめられております。抜粋させて頂いたのが下表です。同じ最新Win11 24H2でも、ARM64 CPUは、多くのAI機能を先行提供中であることが判ります。

Win11 24H2 AI機能

概要

ARM64

x64

Recall

定期スナップショットと内容AI検索 Dev Dev

ライブキャプション翻訳

Termsリアルタイム翻訳

Image Creator

AI画像作成 Dev

フォトリスタイル

写真再イメージ、高解像度化 Dev

Cocreator

ペイントアプリAI画像⽣成

Click to Do

コンテンツ認識、関連アクション実⾏ Dev

Microsoft Studio Effect

ビデオ通話照明改善、ノイズ除去

Auto Super Resolution

ゲームフレームレート向上 なし

また、プライバシー問題で導入が遅れたリコール(定期スナップショット保存とエッジAIの内容検索)は、Copilot+ PC要件に加え、下記条件が必要だそうです(重要参考資料2より)。

  • 論理プロセサ8個以上
  • 256GBで50GB以上のストレージ空き容量
  • デバイス暗号化またはBitLocker有効化
  • 1つ以上の生体認証サインイン

これらAI機能は、AMD Ryzen AI 300搭載ミニPCなどノートPCでないCopilot+ PC要件準拠PCでも利用可能なるハズです(202411月アップデートでIntel/AMDへもAI機能提供報があったが未提供)。

一方、202412月時点で公式ARM64 CPU動作アプリは、コチラです。リストにないWindowsアプリでも、動作するものが殆どらしいです。

これは、ARM64搭載x86/x64エミュレーションPrismのお陰です。それでも、従来アプリケーション互換性重視の法人ビジネスユーザ向けCopilot+ PCデバイスが、重点参考資料1の新x64 Surfaceです。

つまり、既存x86/x64アプリ互換性は、x64 Intel/AMD CPU優位、新AI機能は、Microsoft戦略でARM64 CPU先行提供中です。但し、ビジネス用途では、表で示した先行AI機能に魅力的なものが少ないというのが、専門家大多数の見方です。

重点参考資料2に、現時点の先行AI機能詳細があります。これらに魅力を感じるかは、本ブログ読者のご判断にお任せします。

また、Click to Do以外の提供中AIは、アシスタン/コンシェルジュに程遠い機能です。が、AI進化は凄まじい速さなので、近いうちにAIエージェントは実現すると思います。

関連投稿:AI Windowsの選び方(3 CPU差)

※これら先行AI機能以外に、クラウドAI利用のMicrosoft CopilotGoogle Geminiによる翻訳、Office/PDF文書要約作成などは、従来型PC Win11 23H2/Win10でも十分AI活用可能(関連投稿:ChromeへCopilot+追加)。

AI PCより先行するAIスマホに、AI PCコンシェルジュ未来像が見える。

最新Microsoft Surfaceの意味

Microsoft Surfaceは、Windowsをよりよく活用するためのデバイスショーケース、具体例としてMicrosoftが示した理想的Windowsプラットフォームです。2030年までにARM64 CPUWindows支配的CPUシェアを望むMicrosoftArm意思の表れ、だそうです(重要参考資料1より)。

簡単に言うと、Microsoft版のMac PCです。

法人向けx64 Surfaceポートフォリオ(出典:Microsoft)
法人向けx64 Surfaceポートフォリオ(出典:Microsoft)

両社は、Qualcomm以外のArm CPUベンダ、例えば、NVIDIAなどの新規参入を期待しています。しかし、ハード/ソフト共にApple 1社提供のMac対抗機Surfaceは、期待に反し、想定より売れていないそうです(Macと似て非なる代物、想定ユーザ中途半端)。

関連投稿:Copilot+ PC CPUシェア推移20246月編)

SummaryAI PC選定ポイント2月版

10月サービス終了の従来型Win11 23H2/Win10を、新しいAI PCCopilot+ PC)買換え検討中の方向けに、2月最新状況とその選定ポイントをまとめました。

Intel/AMD/Qualcommの三つ巴AI CPU、自動車向け半導体不振やDeepSeek出現でクラウドAIも激変中のAI PC選定にお役に立てば、幸いです。

  • AI PC価格Copilot+ PC発表当初40万円から半分の20万円前後に低下。
  • AI CPUx64 Intel/AMDARM64 Qualcomm64ビットCPU 3つ巴戦。
  • 3 AI CPU特徴:高性能AMD、中庸Intel、低電力+最新AI動作Qualcomm
  • エッジAI処理:主にAI CPU内蔵40TOPS以上NPUが担当。
  • Copilot+ PC:AI CPU搭載、軽量薄型ノートPC、最低1日バッテリ動作。
  • 2月AI機能:Microsoft CPU戦略のARM64先行、Intel/AMD部分提供。
  • MS AI CPU戦略:2030年迄に支配的シェアをARM64へ変える。
  • ビジネスAIアプリ:魅力的アプリ少が専門家大多数の見解。
  • AIエージェント:AIアシスタント/コンシェルジュ未提供。
  • 既存アプリ互換:x64 Intel/AMD有利、公式ARM64動作アプリ増加中。
  • Prism:ARM64のx86/x64エミュレーションが担当。既存アプリ動作要。
  • AI PCセキュリティ:AI CPU内蔵Pluton(TPM 2.0下位互換)が担当。
  • Plutonプロセサ:完全独立ハード、Windowsアップデート経由機能更新。
  • Surface:Microsoft版Mac PC。法人向けのみx64 Surfaceも発売開始。
  • Intel CPU 32GB SoC:AI活用時メモリ十分か?
  • OCuLink:エッジAI NPU追加のミニPCインタフェース。
  • 複数AI PC間エッジAI情報同期:不明。
  • 従来型PC活路:Copilot/GeminiなどクラウドAI利用。

Afterword:弊社2月選定結果

弊社はポイント考慮の結果、以下選定をしました。

ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)
ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)
  1. 従来x86/x64アプリ互換と大画面がMCU開発弊社に必須。
  2. 未提供AI PCエージェント期待値大。
  3. AMD AI CPU搭載OCuLink付きミニPC2月候補。
  4. 4月従来型PCをWin24H2アップグレード、サービス終了迄運用。
  5. 2025年は様子見、2026年内に最終AI PC選択予定。
  6. 複数AI PCAI情報同期、継続調査。



Microsoftサインイン変更

2月以降、Microsoftサインイン状態がデフォルト保持へ変わります。公共PCや複数ユーザアクセスのPCでは、手動サインアウトが必須になります。

メーラー変更通知

サインインエクスペリエンス変化通知
サインインエクスペリエンス変化通知

朝一でメールチェックする際、上図、赤背景エクスクラメーションマーク(!)に驚いた方も多いと思います。

Microsoftサインイン保持の理由は、詳細情報に記載がありません。手動サインアウトが面倒なユーザ向けに、履歴が残らないプライベートブラウザ推薦のみです。

サインイン状態保持のため、ネットカフェなどでは別ユーザによる不正利用の可能性も高まります。Microsoftアカウントの不正アクセス時対処として、全てのデバイスからサインアウトをする方法も示されています。

しかし、全デバイスサインアウトに最大24時間かかる場合があるそうです。

公共コンピュータサインインを避ける?

「公共コンピュータでのMicrosoftアカウントサインインを避ける」が、上記詳細情報タイトルです。

プライベートブラウザが代替に示されていますが、要するに、「オーナー専用AI Copilot+ PC利用」が前提の変更だと思います。

言うまでもなくCopilot+ PCは、エッジAIにより常時PCオーナーが、いつ/どこで/何を/どうしたかを学習し、これらに基づいて的確なアシスタントやアドバイスを行います。

従って、携帯性の良い軽量薄型なノートPCAI Copilot+ PCは相性が良いのです。

オーナーが寝ている間に、バッテリを充電しつつ、日中の学習結果を基に新たな提案やネット検索などをAI自ら行うかもしれません。オーナー就寝中のPCスリープから、AIエージェント処理へと変わる訳です。

※現在のスリープは、データメモリ保持のみの低電力動作です。NPUCPUによるAI学習処理やオーナー代わりのルーティン処理、ネット検索等をバックグラウンドで行うのが、AIエージェント処理です。

もちろん、AIエージェント処理は、エッジAIのみならずクラウドAIも活用するでしょう。サインアウトされると再度生体認証が必要となるため、AI側にも迷惑な状態となります。

つまり、AI Copilot+ PCは、オーナーサインアウトとの相性が悪い訳です。AI PC普及を前に、サインイン保持のユーザ周知がMicrosoftの狙いだと思います。

Copilot+ PCバッテリ変化

セルフ交換バッテリー採用Copilot+ PC(出典:Dynabook)
セルフ交換バッテリー採用Copilot+ PC(出典:Dynabook)

ノートPCの寿命を決めるのは主にバッテリです。バッテリは、消耗品で充電回数が増えると性能劣化し、Copilot+ PC要件の終日バッテリ利用ができなくなります。

対策に、オーナー自身のバッテリ交換が可能なCopilot+ PCが現れました。確かスマホなどもバッテリ交換ができる欧州新規制があったと思います。

パーソナルデバイスは、今後AI活用のため、様々なオーナー機密情報やエッジAI学習知識を保持する必要があります。この保持にクラウドを使うのも有りですが、セキュリティ観点からはエッジ保持の方が安心でしょう。

AIデバイスのバッテリ交換は、必須条件になるかもしれません。

SummaryMicrosoftサインイン変更

2月以降Microsoftアカウントがデフォルトサインイン保持へ変わります。ネットカフェなどの公共PC利用時は、手動でのサインアウトは必須です。

サインイン保持の理由は不明です。しかし、オーナーがAI Copilot+ PCを活用する時、バックグラウンドAIエージェント処理にサインイン状態が役立ちます。AI PC普及を目前に、サインイン保持の周知がMicrosoftの狙いだと思います。

Afterword:もう一人のPCユーザ

サインイン保持はエッジAI育成に必須?
サインイン保持はエッジAI育成に必須?

シンギュラリティでAIが意思を持つかどうかは別にして、エッジAIは、もう一人のPCユーザと考えることができます。新品PC購入時のAIは未就学児童レベルでも、PCを使っている間にドンドン成長し、オーナー専属の汎用人工知能レベル:AGIへ成長するかもしれません。

オーナー専属エッジAIなので、代えがたいもう一人のPCユーザと言えそうです。育成ゲームに似ています。賢いエッジAIを育てるには、常時サインインが必須なのかもしれません。


Windows 11 24H2自動更新背景

古いWindows 11の最新Windows 11 24H2自動インストールが118日から始まりました。弊社23H2維持設定やユーザ意思を無視し、残念ながら勝手にWin 11 24H2へアップグレードされます。その背景を考察します。

勝手に始まるWindows 11 24H2ダウンロードとインストール
勝手に始まるWindows 11 24H2ダウンロードとインストール

Win11 24H2アップグレード意味

Win11 24H2は、古いWin10OSコアを大幅変更し、今秋リリースが噂される次期AI PC Win12用のβテスト的なOSです(関連投稿:Win11 24H2目的とWin12)。

このWin11 24H2には、2つの大きな問題があります。

  1. 大幅変更OSコアのため、3度の月例パッチリリースにも関わらず多くのバグが未解決
  2. 新AI PC機能は、NPU>40TOPSなどCopilot+ PC要件ハードウェアでないと動作しない

つまり、従来ハードウェアのWin10/Win11ユーザにとっては、バグが多く話題のAI PC機能も動作しないWin11 24H2アップグレードは無意味に近いのです。

従って、1つ前のWin11 23H2、またはWin10を使い続けるユーザが多いのも当然です。

グループポリシーWin11 23H2維持不可

弊社も上記問題や複数PCLAN接続トラブルから、20253月末まで所有4PC全てをWin11 23H2として維持運用していました。

この維持のためグループポリシーを設定し、今週初めまでは23H2で順調にMCU開発業務が進んでいました。しかし、今週中頃からPCの挙動が変わり、Win11 24H2ダウンロードが始まりました。

対策に、18日よりも前の状態へPCをリカバリし、様々なグループポリシーの追加設定も行いましたが、結局、グループポリシーではWin11 23H2維持不可能、最初に図示したWin11 24H2更新完了に至りました。

Win11 24H2自動更新背景

Win11 24H2自動更新の背景は、「次期Win12の先行バグ取りAI PC買換え需要喚起」だと思います。

現在Win11 24H2単体マーケットシェアがどの程度あるかは不明です。しかし、Win10Win11 23H2よりかなり低いことは明らかです。このままの状況が続くと、Win12 βテストであるWin11 24H2リリースが無駄になりかねません。

多くの24H2バグが、未解決のままであることにそれが表れています。バグサンプルが少なすぎるのです。

苦肉の策としてMicrosoftは、Win11 24H2への強制的な自動更新を開始したのだと思います。

SummaryWin11 24H2自動更新背景

Windows 11 23H2維持希望ユーザはバックアップからリカバリ
Windows 11 23H2維持希望ユーザはバックアップからリカバリ

118日開始のWin11 24H2自動更新背景を考察し、今秋リリースが噂される次期Win12向けの先行バグ取りと新AI PC向けCopilot+ PCハードウェア買換え需要喚起であると考察しました。

多くのユーザを持つWindowsの面白さは、様々な公式/非公式の便利ツールが豊富にあることです。グループポリシーではWin11 24H2自動更新阻止はできません。しかし、何らかの阻止ツールが直ぐに出現すると思います。

Win11 23H2維持希望ユーザは、18日以前のWin23H2バックアップを保存しておき24H2からリカバリで対処しましょう。

Afterword:「今」、23H224H2

クラウドAIとエッジAIの両方を使う急速なAI発展追随には、従来PCでは道具として不十分です。ネット接続無しPCが無いのと同様です。

但し、世界情勢も急変しつつある今、従来23H2AI対応24H2かと問われると、バグ少で実績もある23H2を選びます。今年10月サービス終了予定ですがね……、予定は未定です。


125日追記Pro版グループポリシー阻止可能

ネット接続を切った状態18日以前の23H2リカバリ後、下記グループポリシーを設定すれば23H2維持ができました。ネット接続のままだと、24H2自動更新へ移行します😠。

24H2自動更新阻止グループポリシー設定
24H2自動更新阻止グループポリシー設定

Copilot+ PC CPU 25年1月現状

20251月時点のCopilot+ PC対応ノートPC搭載Intel x AMD x Qualcomm 3社の現状が良く判るPart1Part2Part3記事を見つけました。

図表が多く判り易いのですが、長文なので前投稿Chrome追加Copilotを使って要約し、Intel x AMD x QualcommAI CPU比較表にまとめました。

SummaryIntel x AMD x Qualcomm AI CPU比較表(20251月編)

高性能AMD、中庸Intel32GB SoCメモリ)、低電力+最新AI動作Qualcommが表に現れています。

20246Copilot+ PC発表直後のMicrosoft Surface Pro40万円に比べれば、20万円前後でAI PC製品価格もこなれてきました。

弊社採用予定ミニPCCPUで考えると、AMD優位は変わらずです。Armネイティブ動作の高度AIアプリベンチマークが、Qualcomm圧勝なら再考ですが、251月時点では見極め困難なためです。

251月現在

Intel
Core Ultra 200

AMD
(Ryzen AI 300)

Qualcomm
(Snapdragon Elite)

CPUSoC

Core Ultra 7 258V Ryzen AI 9 HX 375 Snapdragon X Elite X1E-78-100

x86/x64互換

互換 互換 非互換(Armベース)

NPU

47TOPS 55TOPS 45TOPS

製品実装メモリ

32GBオンチップ 32GBオンボード 16GBオンボード

バッテリー維持

20時間(64Wh 21時間(68Wh) 26時間(59Wh
バッテリー駆動時間圧勝

ベンチマーク

シングルスレッド優位
(
ビジネスアプリ互角)
マルチスレッド圧勝
(
ビジネスアプリ互角)
スコアやや低下だが大勢影響小
(Arm
ネイティブアプリ小)

高度AI機能

未動作 未動作 リアルタイム翻訳など動作

CPU特徴

低発熱性に優れる 性能追及ユーザー向け 長時間バッテリー動作に優れる
  • Copilot+ PC要件を満たすHP(ヒューレットパッカード)14インチノート3製品実装AI CPUを比較
  • 製品差別化のためIntel>AMD>Qualcomm価格差あるが同一価格帯PC
  • x86/x64互換Intel/AMDと非互換Qualcommベンチマーク比較は目安。高度AIアプリはQualcommのみ動作中(24年11月アップデートでIntel/AMDも動作とMicrosoft発表あるが未動作)。
  • 202412Arm対応アプリ一覧はコチラ
  • 2025年後半に次期Lunar LakePanther Lake投入をIntel発表

比較表作成手順

Copilotを利用した本稿AI CPU比較表の作成手順が以下です。

Part1からPart3は、PCの製品紹介も兼ねているので図表が多く判り易い資料です。従って、それぞれをPDF A4出力し結合すると、全46ページにもなります。内容が濃いので、一読をお勧めします。

さて、長文のため結合PDF1500字程度要約をCopilotへ依頼しました。Copilotは、僅か数秒で1673文字の要約を出力しました。要約出力は、とても良い出来です(AfterwordCopilot要約添付)。

Copilot利用AI CPU比較作成手順
Copilot利用AI CPU比較作成手順

筆者がこのCopilot要約を使って結合PDFを再読し、Intel x AMD x QualcommAI CPU性能比較のためにピックアップしたのが、最初の表です。

※「製品ではなくCPU比較表にまとめて」とCopilotへ要求すれば、もっと簡単に答えが得られたかもしれません。しかし、そこまでAI任せにせず、筆者自身が要約を元に最新AI CPU状況を把握した結果を表化しました。

AfterwordCopilot生成要約

このPDFは、IntelAMDQualcomm3つのプラットフォームを搭載した14AI PCの比較を行っています。以下はその要約です。

### 概要

2024年の大きなトピックである「AI PC」に焦点を当て、Microsoftが定義する「Copilot+ PC」の要件を満たす3つのプラットフォーム(IntelAMDQualcomm)を比較しています。これらのPCは、Windows 11で新たに追加された機能を利用可能です。

### 比較対象のモデル

  • **Intel**: HP OmniBook Ultra Flip 14-fh(Core Ultra 7 258V搭載)
  • **AMD**: HP OmniBook Ultra 14-fd(Ryzen AI 9 HX 375搭載)
  • **Qualcomm**: HP OmniBook X 14-fe(Snapdragon X Elite X1E-78-100搭載)

### スペックと特徴

  • **Intelモデル**: 14型有機ELディスプレイ(2880×1800ピクセル)、最大400ニトの高輝度、タッチ操作とペン対応、Thunderbolt 4対応のUSB Type-C端子3基、約900万画素のWebカメラ、クアッドスピーカー、重量約1.34kg。
  • **AMDモデル**: 14型液晶ディスプレイ(2240×1400ピクセル)、最大300ニトの輝度、タッチ操作対応、Thunderbolt 4対応のUSB Type-C端子2基、USB Standard-A端子1基、約900万画素のWebカメラ、クアッドスピーカー、重量約1.57kg。
  • **Qualcommモデル**: 14型液晶ディスプレイ(2240×1400ピクセル)、最大300ニトの輝度、タッチ操作対応、USB4対応のUSB Type-C端子1基、USB 3.2 Gen 2対応のUSB Type-C端子1基、USB Standard-A端子1基、約500万画素のWebカメラ、デュアルスピーカー、重量約1.34kg。

### ベンチマークテスト結果

  • **CINEBENCH 2024**: マルチスレッド性能ではAMDモデルが突出したスコアを記録。シングルスレッド性能ではIntelモデルが優位。
  • **Geekbench 6**: CPUテストではAMDモデルが強く、GPUテストでも優位。
  • **CrystalDiskMark 8.0.6**: ストレージ性能はQualcommモデルがやや劣るが、他の2モデルは公称パフォーマンスを発揮。
  • **3DMark**: IntelモデルとAMDモデルがほぼ互角だが、若干Intelモデルが優勢。
  • **PCMark 10**: 総合的な性能ではAMDモデルが強く、特にクリエイティブ系のテストで優位。

### バッテリー駆動時間と動作音

  • **バッテリー駆動時間**: Qualcommモデルが最も長く、次いでAMDモデル、Intelモデルの順。
  • **動作音**: 高負荷時にはIntelモデルが最も静音で、QualcommモデルとAMDモデルは動作音が大きい。

### 発熱と放熱性能

  • **発熱**: IntelモデルとAMDモデルはヒンジ部からキーボード中央部にかけて熱を帯びるが、パームレスト部までは伝わらない。Qualcommモデルはボディー左奥が中心に発熱。

### AI体験

  • **Qualcommモデル**: Arm版Windows 11が先行しており、イメージスケッチやリアルタイム翻訳字幕などの高度なAI機能を提供。
  • **IntelモデルとAMDモデル**: 近日中に同様のAI機能が実装予定。

### 結論

それぞれのモデルは異なる特徴を持ち、用途に応じて選択が可能です。Intelモデルは省スペース性と低発熱性に優れ、AMDモデルは高性能を求めるユーザーに適しており、Qualcommモデルは長時間駆動とコストパフォーマンスに優れています。

ChromeのCoPilot追加方法とメリット

ブラウザ拡張機能を使ってChromeMicrosoft CoPilotを追加する方法を示します。

ChromeのみでCoPilotGemini両方が使える、LibreOfficeからMicrosoft OfficeAIアシスタントが使える、LinuxMacユーザがCoPilotを使えるメリットがあります。

AIコンシェルジェとAIアシスタント

Google GeminiAIコンシェルジェ使用例がTV CM(1:15)中です。

人気商業設備や地図に強いGoogleは、この分野へAI機能を投入し「AIコンシェルジェ」のGemini普及に積極的です。

一方、Officeで圧倒的なシェアを誇るMicrosoftは、要約(0:30)など文書作成を助ける「AIアシスタント」のCoPilot普及を狙っています。

これらAI機能は、今後誰もが普通に使うAIサービスになると思います。但し、Google/Microsoft共に顧客囲い込みのため、自社ブラウザEdge/Chromeからのサービスとして提供中です。

ブラウザ拡張機能

CoPilot Extensions For Chromeは、ブラウザマーケット世界シェア67%を超えるChromeに、Microsoft CoPilotを追加する拡張機能です。

Chromeに追加」クリックでインストール後、Chrome左上の「拡張機能アイコン」をクリック、インストールしたCoPilot拡張機能横の「ピン」をクリックすると、ツールバーにCoPilotアイコンが固定できます。

Microsoft EdgeのCopilot機能をChomeブラウザへ追加する方法
Microsoft EdgeのCoPilot機能をChomeブラウザへ追加する方法

 

固定したCoPilotアイコンをクリックすると、Microsoft Edgeと同様にChromeからCoPilotが使えます。但し、利用時Microsoftアカウントは必要です。

従ってEdgeChrome2つのプラウザを使用中の方は、この拡張機能はムダに思いえるかもしれません。が、そうでもありません。

現在AI処理は、殆どをクラウド側で行います。ブラウザ経由で吸い上げたユーザ情報を基にクラウドAIが推論します。2つのブラウザを使い分けるよりも、Chromeだけを使う方が、より精度の高いAI推論が期待できるのがその理由です。

また、この拡張方法は、Windows以外のLinuxMacユーザが、Chromeブラウザから話題のMicrosoft AI CoPilot機能を使えるメリットもあります。

LibreOffice最新版24.8.4

Windows/Mac/Linuxマルチプラットフォーム動作で無償のLibreOffice最新版24.8.4が、昨年1219日リリースされました。

公式YouTubeチャネルに多くの使用例があるように、OfficeCoPilotAIアシスタント機能をセットにし、Office+CoPilot(Windows)シェア拡大がMicrosoftの狙いです。

ところが、この文書作成AIアシスタント機能は、LibreOfficeからも使えます。前章のChromeに追加したCoPilotを活用すれば良いのです。

勿論OfficeCoPilotの方が便利です。CoPilot出力がMicrosoft Officeの独自ファイル形式docx/xlsx/pptxだからです。ただこのファイル形式は、LibreOfficeで読書き可能です。

従って、ファイル形式にさえ注意すれば、Officeと同様のCoPilot AIアシスタント機能を、ChromeCoPilot経由でLibreOfficeから利用できます。

SummaryChromeMicrosoft CoPilotを追加する方法とメリット

CoPilot Externtion for Chrome
CoPilot Externtion for Chrome

 

拡張機能を使ってシェア6割を超えるGoogle Chromeブラウザへ、Microsoft AI CoPilot機能を追加する方法と、下記メリットを示しました。

  • ChromeのみでAIコンシェルジェ:GeminiAIアシスタント:CoPilot両方を使える
  • 上記Chrome経由でOffice AIアシスタントCoPilot機能をLibreOfficeでも使える
  • 上記Chrome経由でLinuxMacユーザがMicrosoft CoPilotを使える

Afterword:今年10月はWindows 10/Windows 11 23H2サービス終了

2025年はPCハード/ソフトのAIによる変革期です。10Win10/Win11 23H2サービス終了を機に、従来Win PCから新たにLinuxMacへ乗換え検討中の方も多いでしょう。そんな方に役立つ情報も、Windowsカテゴリに投稿していきます。

本稿は、Microsoft CoPilotGoogle Chromeから使うTipsでした。本年もよろしくお願い致します。


Windows 11 24H2アップグレード回避注意点

Windows 11 24H2アップグレードを止め、Win11 23H2に維持する時の注意点を示します。弊社4PCは、LAN接続トラブルのため20253月末までWin11 23H2運用を決めました。しかし、各PCへ、Microsoftからしばしば鬱陶しいWin11 24H2アップグレード催促があります。

しつこいWin11 24H2アップグレード催促

年末にWin11 24H2アップグレード通知が来る方も多いでしょう。Win11 23H2維持かWin11 24H2アップグレードかは、ユーザが選択可能です。しかし、その選択は間違い易いので注意が必要です。

Win11 23H2は、Win10と同一OSコアで、従来ソフトウェア/アプリと互換性を維持したWin11です。一方、Win11 24H2は、言わばAI対応Copilot+ PC用次期Win12βテスト版、OSコアもWin10から大幅変更したため何かとトラブルが多いWin11です(詳細Win11 24H2目的とWin12参照)。

しかも、多くのAI機能は、Copilot+ PC仕様以上でないと動作しません

弊社はWin11 23H2維持のために、コチラのグループボリシー設定でアップグレードを無効化しました。しかし設定後、数日すると再び下図Win11 24H2アップグレード催促メッセージが出力されます。つまり、手動アップグレード無効化は、Win11 24H2催促回数が減るだけの効果です。

しつこい24H2アップグレード催促メッセージ
しつこい24H2アップグレード催促メッセージ

但し、24H2ダウンロードとインストールをクリックしない、または、オプションの更新プログラムで24H2を選択しなければ、勝手にWin11 24H2へ更新されることはありません。

逆に、どちらかを間違って選択すると、Win11 24H2アップグレードが始まります。間違い易いのは、他の更新プログラムが多数ある場合です。

Win11 23H2セキュリティ更新は通常どおり配布

筆者が、前章の手動アップグレード無効化で気になったのは、手動で固定化したWin11 23H2へ果たして通常どおりWindowsセキュリティ更新が配布されるかでした。

これは、1211日のセキュリティ更新が、固定Win11 23H2へも配布されましたので問題ありません。

つまり、前章のWin11 24H2催促プログラムと、通常のWin11 23H2セキュリティ更新プログラムが多数ある時に、間違わずに23H2を選択すれば、ユーザが望む間はWin11 23H2として運用できます。

2025Windowsセキュリティ更新スケジュール

さて、2025年のWindowsセキュリティ更新スケジュール、いわゆるPatch Tuesday発表されました。日本では、水曜午前3時頃から配布開始されます。

Win11 23H2Win10サポート終了は、20251014日です。この日までにWin11 24H2アップグレードが必須ですのでご注意ください。

2025年予定 Pacific Standard Time (US) 日本時間午前3
1 14日(火曜) 15日(水曜)
2 11日(火曜) 12日(水曜)
3 11日(火曜) 12日(水曜)
4 8日(火曜) 9日(水曜)
5 13日(火曜) 14日(水曜)
6 10月(火曜) 11日(水曜)
7 8日(火曜) 9日(水曜)
8 12日(火曜) 13日(水曜)
9 9日(火曜) 10日(水曜)
10 14日(火曜)

Win11 23H2/Win10サポート終了

15日(水曜)
11 11日(火曜) 12日(水曜)
12 9日(火曜) 10日(水曜)

SummaryWindows 11 23H2維持注意点

Windows 11 24H2アップグレードを止め、Win11 23H2として維持する時の注意点を示しました。

Win11 23H2として維持運用するには、煩わしく出力されるWin11 24H2催促プログラムと、Patch Tuesdayに配布されるWin11 23H2セキュリティ更新プログラムを、間違わずに選択しインストールすることです。

Afterword:来週27日は投稿休み、次回13

今年の金曜投稿は、本稿が最後です。次回は、202513日(金)に投稿します。

皆様、今年も本ブログをご覧頂きありがとうございました。良いお年をお迎えください。


Windows 11 24H2目的とWindows 12

2024年も残すところ2週間。MCU開発者の筆者には、開発基盤Windows 11変化に困惑した年でした。

ソフトウェア開発者の主業務:コーティングは全体の僅か25%程度、これ以外の75%は資料作成やリサーチに費やされるそうです。ハードウェア開発者の主業務:回路設計も同様でしょう。これら全業務にWin11変化が深く関わります。

前投稿で弊社4PC20253月末までWin11 23H2固定に決めたので、年度末までの開発は安定OS環境で行えます(固定後も更新プログラム等は適用されます)。

今年のWin11変化を振返り、次期Win12へのOS大転換期を俯瞰します。

Windows 11シェア低迷要因

WIndows 11(青)と10(紫)のシェア推移(出典:statcount)
WIndows 11(青)と10(紫)のシェア推移(出典:statcount)

202411月のWindowsシェア推移です。Win11は、全体シェアの35%以下、最新Win11 24H2リリースの10月以降、僅かにシェア低下が判ります。逆にWin10は、202510月サービス終了にも関わらず、未だ60%を超えるシェアを維持しています。

Microsoft初の個人向けWin10セキュリティ延長サポートの影響があるのかもしれません。それでも現行Win11のユーザ不人気度を端的に示しています。

この要因は2つ。1つ目が、専門家が強調するようなWin10比、Win11に生産性向上や目新しいUXが無いこと、2つ目がWin11アップグレード要件のTPM必要性がユーザに認識されていないこと、です。

Win11 24H2の(暗黙の)目的は、次期Win12リリース時、上記Win11低迷の2要因を繰返さないことです。

MicrosoftはユーザにWin11アップグレードTPM要件が届かず、今でもその必要性をレポート中。

Windows 11不人気の打開策:生成AI

PCとインターネットが結びつき、マスコミ広告からクラウド広告へと変化しました。クラウド広告は、ユーザ利用のブラウザ経由で提供されます。

ブラウザ検索時、ユーザ情報がクラウドへ吸い上げられ、その結果、ユーザが嗜好する広告が自動的にブラウザへ表示されます。不特定多数のマスコミ広告に比べ、効率的な広告とユーザ利便性が得られます。

このようにインターネットとブラウザ広告が、PC普及に多大な貢献をしました。このインターネットと同様、生成AIWin11不人気の打開策とMicrosoftは考えています。

PCと生成AIが結びつくと、ブラウザを使わなくてもPC上で直接広告が可能です。これで更に高い広告効果、ユーザ利便性向上が期待できます。つまり、ブラウザ広告に代わるAI PC広告です。

WIndows 11不人気の打開策、生成AI
WIndows 11不人気の打開策、生成AI

また生成AIは、ユーザPC操作と結びつくAIアシスタント/コンシェルジェのような新PCサービスも可能にします。一例が、Copilot Visionです。AIアシスタントにより、ユーザは高いPC生産性や新しいUXが得られます。同時に、パーソナルで効率的な消費活動もできます。

但し、実際にAIを利用するには、Win10までの古いPCでは困難です。高性能なNPU/GPU/CPU/高速メモリは必須です。Microsoft Copilot+ PCは、このAI利用の最低限ハードウェア仕様を示したものです。

AIは、ユーザと共に移動するノートPCと相性が良いため、Copilot+ PCはノートPCを最初のターゲットにしました。最低1日のバッテリー駆動能力と軽量薄型化が目標です。

ユーザは、パーソナルAIが利用可能なモバイル軽量薄型Copilot+ ノートPCを使って、高生産性と新UXを実感し、クレカ情報保護/更新などの消費活動からユーザ情報保護重要性も認識します。

つまり生成AIPCへ追加することで、前章で示したWin10からWin11シェア推移が進まなかった2つの失敗要因を同時に解消できる訳です。

Win11 24H2 は次期Win12のプレビュー(βテスト)OS

AIで大転換期を迎えたWindows 11とCopilot+ PC(出典:Microsoft)
AIで大転換期を迎えたWindows 11とCopilot+ PC(出典:Microsoft)

生成AI用のPCハードウェアがCopilot+ PCです。

そのOSは、Win11 24H2で追加中の様々なAI機能、例えば、Recallやフォトアプリ超解像化などが単独・単体で動作します。しかし、次期Win12搭載のAIアシスタントは、これらAI機能を臨機応変に組合せ、ユーザがより使い易いAIサービスへ統合し提供します。

また、Win11 24H2は、Copilot+ PCが求めるバッテリー駆動能力向上や、TPMより強固なユーザ情報保護を行う新セキュリティプロセサプラトン動作のため、Win10から継承してきたWin11 23H2Niコアを、Win11 24H2で新しいGermaniumコアへ変更しました。

過去OSコア変更のアップグレートは、多くのトラブルが発生していました。Win11 24H4は、段階的配布とセーフガードで発生率を下げていますが、トラブルが多いことに変わりはありません。

このようにWin11 24H2は、色々なAI単体機能をユーザで試すこと、古いPCハードウェアではAI処理やセキュリティに限界があり新しいハードウェアが必要なこと、Win12アップグレードトラブルを減らすこと、これらが目的です。実質的には、次期Win12のプレビュー(βテスト)OSです。

Win11 24H2シェアは低くてもそのユーザは先進ツールを好むのでテストできるでしょう。これは、製品版で実質βテストを行う程のWindows大転換期の証とも言えます。

Win11 24H2市場テストの結果、AIサービスとして統合したユーザパーソナルなアシスタント/コンシェルジェが使える新OSとして登場するのが次期Win12です。もちろん、Copilot+ PC以上のハードウェアとセキュリティプロセサプラトンが、ユーザにも認識されアップグレード要件になります。

Win11で失敗したWin12アップグレード要件がユーザにはっきり認識され、しかもユーザパーソナル情報に基づいた各種AIアシストがあるので使い易く大人気OSとなるでしょう。

SummaryWin11 23H224H2Win12へのOS大転換

Windows 11 23H2、24H2、Windows 12へのOS大転換期
Windows 11 23H2、24H2、Windows 12へのOS大転換期

OS大転換期のWindowsをまとめます。

Win11 23H2Win10ハードウェアへTPM 2.0セキュリティ追加のOSWin10ユーザに、TPM必要性、生産性向上、新しいUX(ユーザ体験)が認められず202411月末時点でWin11シェア35%以下の不人気OS

Win11 24H2:生成AI対応の次期Win12βテストOSAI活用は、Win10ハードウェアの大幅強化、新プラトンセキュリティプロセサ実装のMicrosoft Copilot+ PCが最低要件。AI対応Win12アップグレード前に、Win10までの古いPCハードウェア買換え促進も目的。

Win122025年秋Win10サービス終了前後に、AIサービス対応Win12リリース。

Win12は、AIサービスを使い従来比、確実にユーザが判るPC生産性向上、新UXが得られる。しかし、AI活用にはCopilot+ PC以上のハードウェア必須。さらに強固なプラトンセキュリティプロセサによるユーザ情報保護Win10/11無償アップグレート要件。

AfterwordWin12は筆者推定だがAI大転換は変わらず

Win11 23H2/24H2は、事実に基づいて記述しています。が、Win12は、あくまでユーザ筆者の推定です。PCハード/ソフトも含め、世の中、AIによる大転換期です。古い物に固執するつもりはありませんが、MCU開発に悪影響がないことを願っています。

仮にAIを使わない(使いたくない)ユーザは、Win11 24H2サービス終了の202610月までは従来PCで業務ができます。AIにより主業務(コーティング/回路設計)の25%と付随業務75%が、どの程度改善されるかにもよりますが、付随業務比率のAI改善を筆者は期待しています。