Copilot+ PC CPU 24年7月現状

Copilot+ PC CPUまとめ(24-06編)の続編です。7月16日、Intel/AMD/ArmのCopilot+ PC CPU状況が判るPC Watch記事が掲載されました。この記事をメインに、ノートPC向けCopilot+ PC CPUの24年7月現状をまとめます。

Edge Copilot記事要約

上記記事をEdgeで開き、右上Copilotアイコンクリックで生成した概要が下記です(厳密会話スタイル)。

Ryzen AI 300シリーズの特徴: AMDの新しいRyzen AI 300シリーズは、50TOPSの性能を持つXDNA 2アーキテクチャを採用し、他の競合製品を上回る性能を実現しています。

異種混合CPU: Ryzen AI 300は、Zen 5とZen 5cの異種混合CPUを搭載し、高性能と低消費電力を両立しています。

Block FP16: 新しい浮動小数点精度であるBlock FP16に対応し、INT8と同等の性能を持ちながらFP16の正確性を提供します。

将来の展望: AMDは今後もRyzen AI 300シリーズの性能向上を目指し、次世代製品の開発を進めています。

筆者記事要約

記事要約としては、前章で良いのでしょう。若干判り難いので、いつものように筆者が要約します。

記事筆者:笠原 一輝氏作成のCopilot+ PC向けSoC仕様が下記です。

Copilot+ PC向けSoc仕様(出典:PC Watch記事)
Copilot+ PC向けSoc仕様(出典:PC Watch記事)

Qualcomm Snapdragon Xが、Copilot+ PCとして発売中のArmコア搭載CPUです。

NPU単体は、7月発売AMD Ryzen AI 300が50TOPS、3Q24発売予定Intel Lunar Lakeが48TOPS(SoC全体はNPU48+CPU5+GPU67=120TOPS)と、先行Armの45TOPSよりも後発の強みを活かし勝っています。

但し、TOPS測定が、各社同一単位FP16/INT8評価か、NPU単体での消費電力はどの程度か等、不明な点も多く、±2TOPS程度は誤差範囲で3社横並びと筆者は思います。

AMD Ryzen AI 300搭載Copilot+ PC 8月発売

HP OmniBook Ultra 14(出典:www.engadget.com)
HP OmniBook Ultra 14(出典:www.engadget.com)

2024年8月に、現在最高NPU性能Ryzen AI 300搭載のCopilot+ PC要件を満たすノートPC:HP OmniBook Ultra 14が発売されます(日本円で23万円から)。しかし、まだCopilot+ PCとは呼ばずにAI PCと呼んでほしいそうです。

その理由は、Armアーキテクチャではなく、x86アーキテクチャだからです。Copilot+ PC CPUリストに今は入ってないからでしょう。

つまり、AI処理本体Windows Copilot Runtimeがネイティブ動作では無く、Armエミュレーション実行です。逆に、従来アプリx86/x64互換性は、Arm CPUに比べ問題が少ないと言えます。

※従来アプリの1つEclipse IDEをベースとするMCU開発ツールも、Win10→Win11アップグレート時、MCUベンダが暫く旧Win10利用を勧める場合がありました。但し、筆者はx86/x64アプリ互換トラブルに遭遇した経験はありません。

筆者推定ですがSoC全体でNPU50+CPU5=55TOPSです。Windows Copilot RuntimeネイティブArm PCと、非ネイティブx86/x64 PCで、AI処理にどの程度差がでるか気になります。Windows専門家評価を待ちたいです。

Intel Lunar Lakeメモリ上限32GB

Intel Lunar Lakeパッケージ(出典:ASCII記事)
Intel Lunar Lakeパッケージ(出典:ASCII記事)

2024年7月15日、ASCII記事に、Intel Lunar LakeのSoC搭載DRAM上限が32GBで増設できない理由が示されています。記事筆者:大原 雄介氏は、この上限は、次期CPU:Arrow Lakeまで続くと推定しています。

Microsoft Copilot+ PCのメモリ要件は、16GB以上の「DDR5/LPDDR5」です。普及しているDDR4 RAMよりも高速/高価格なDDR5を活かしきれず、かつ上限があるDRAMオンチップ化は、SoC全体の低電力を重視したとは言え、裏目に出たようです。

32GB RAM上限とDDR5高速を活かせないLunar Lakeが、AI PC処理に及ぼす影響も、Windows専門家評価を待ちたいです。

Summary:Copilot+ PC CPU 24年7月現状

2024年7月時点のArm/AMD/Intel Copilot+ PC(AI PC)向けCPUを一覧表にしました。

24年7月AI PC CPU ターゲット NPU単体性能 備考 発売
Intel)Lunar Lake ノートPC 48TOPS 40%SoC電力削減
Max. 32GB RAMオンチップ
24年3Q
AMD)Ryzen AI 300 ノートPC 50TOPS TDP28W 8月発売
Arm)Snapdragon X ノートPC 45TOPS Copilot Runtimeネイティブ対応 発売中

発売中Arm CPU単体NPUの45TOPSに対し、後発AMD Ryzen AI 300 CPUは50TOPS、Intel Lunar Lakeは48TOPSと数値ではAMD/Intelが勝ります。

しかし、Windows Copilot RuntimeによるAI処理をネイティブ処理するArm CPUと、エミュレーション処理するx86/x64 Intel/AMD CPUで、AI処理にどの程度差が出るか、Lunar LakeのMax. 32GB RAM上限と速度が、どの程度AI処理に影響するか、さらに、Arm CPUの従来x86/x64ビジネスアプリ互換性なども専門家評価を待ちたいです。

※ゲームアプリに関しては、前投稿(2章)で、互換性問題なしの結果が出ています。

先行Arm CPUに、後発AMD/Intel CPUがやっと追いつき、AI PC性能に大差無し、と筆者は思います。

Afterword:後発AMDとIntelのSoC考え方

AMD Ryzen AI 300パッケージ(出典:PC Watch記事)
AMD Ryzen AI 300パッケージ(出典:PC Watch記事)

最初のPC Watch記事に、Armアーキテクチャを追いかける後発AMDのCopilot+ PC SoCの考え方が示されています。AMDは、「先ず性能が最優先事項、その次が電力効率など」という考え方です。

一方、Intelは、「電力効率を最優先」し、DRAMをSoCに組込んだのでしょう。しかし、その副作用が、4章ASCII記事の内容です。

人類が避けられない技術進化がAI PCです。筆者は、パーソナルAIアシスタントPCに期待しています。

AI処理を実用可能レベルで高速実行するには、PCハードウェア選び、端的に言えばCPUが肝心なのは、前投稿でも示しました。AMDとIntelのCopilot+ PC SoCの考え方の違い、現状CPUと次期Arm/AMD/Intel CPU動向などにも注意しながら、新Windows PC CPU選択が必要だと思います。


2~3年先Windows PC予想

2~3年内に新しいWindows PC購入を検討中です。激変中のWindows PC環境(OSとハードウェア)を整理し、今後(2~3年先)のWindows PCを予想します。筆者はWindows専門家ではありませんので確度は低いかもしれません。しかし、予想を持つ方が、様々な情報理解に役立つと思います。

激変Windows PC状況

  • 2025年10月Windows 10サポート終了
  • 今期Windows 11 24H2リリース予定
  • 次期Windows 12リリース、アップグレート要件不明
  • 2024年6月Microsoft Copilot+ PC発売開始

Windows PC環境、OSとハードウェアの状況です。激変を牽引するのは、パーソナルなAI PC化です。これら関連の多くの情報が溢れています(関連投稿:情報機器大転換期)。

2~3年先Windows ハードウェア予想

新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)
新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)

Copilotキーの新規追加、40TOPS以上のNPU搭載、16GB以上のDDR5/LPDDR5 RAM搭載、Microsoft Pluton Securityプロセッサ搭載など6月発表のMicrosoft Copilot+ PCは、現行Windows PC比、かなり高性能で新しいハードウェア構成です。その目標は、先行するAIスマホ機能の取込みに加え、AIアシスタントPCへの進化です。

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するには、ハードウェア選びが肝心です。そして、低電力動作。AIアシスタントと相性の良いモバイルノートPCを1日中フルに使っても、バッテリーに十分な余裕が必要だからです。

MacだけでなくWindows PCのCPUでも、従来Intel/AMDのx86/x64から、Armアーキテクチャへ変わりつつあるのは、このバッテリー持ちの良さ、電力効率の良さにあります。

但し、過去x86/x64ビジネスソフトウェアのArmアーキテクチャCPU動作検証が必要です。Armは、Prismでx86/x64エミュレーションを実行し、ゲームソフトは、ほぼ問題なく動作するようです。また、AIスマホは、ほぼArmベースですので、AIスマホ機能の取込みもx86/x64比、有利だと思います。

新しいAI半導体供給には、年単位の時間が必要です。高性能AI半導体を使うAI PCの2024年出荷は、わずか3%、2028年にようやく40%台という調査会社IDC予測があります。一方、Lenovoは、今後3年間でAI PCは一気に普及し、2026年出荷全体の60%を占めると予想しています。

筆者は、Lenovoに近い予想です。パーソナルAIアシスタント機能を持つPCと、これが無いPCでは、生産性や作業効率に格段の差が生じるからです。例えば、Office作業は、AI Copilot活用でプライオリティの低い作業は、激減すると思います。

2024年は、円安(7月161円/$)影響で、日本では高性能AI PCハードウェアは価格が高く手が出ません。2025年~2026年は、Win10サポート終了とAI半導体の安定供給時期が重なり、世界的なAI PC需要の伸びとハードウェア低価格化が期待できると思います。

AIノートPC代替ミニPC

ミニ PC - NucBox K8(出典:GMKtecサイト)
ミニ PC – NucBox K8(出典:GMKtecサイト)

現状のAI PCは、AIアシスタントとの相性が良いノートPCが主流です。しかし、筆者のように主にデスク上でPCを使う方は、ミニPCという選択肢もあります。

ミニPCは、簡単に言うとモニタなしのノートPCです。常時外付けデスクモニタと接続して利用します。ハードウェア構成は、ノートPCとほぼ同じで、モバイル性を犠牲にした代わりに拡張性があります。例えば、GMKtecNucBoxなどです。

ArmミニPCは、現在ラインナップに有りません。しかし、バッテリーを気にする必要が無いので、有力な高性能AI PCハードウェア候補と考えています。

2~3年先Windows OS予想

現行Win11 23H2の後継は、サービス期間2年想定のWin11 24H2です。この2年間(2024年~2026年)に、Win10サポートが終了しますので、Win11 24H2(またはWin11 25H2)の役目の1つが、多くのユーザ利用中のWin10代替OSでしょう。

Win10からWin11へのアップグレートは、TPM 2.0要件などありますが、大きな障壁ではありません。また、障壁回避アップグレード方法もあります。この意味で、Windowsユーザ離れは回避できると思います。

結局、現行x86/x64 Windows PCでも、2026年~2027年頃まではアップグレートWin11運用が可能です。

問題は、アップグレートWin11が、Microsoft想定のCopilot+ PC OSと異なる点です。つまり、高度なAI処理に手間と時間、電力消費が懸念される点です。但し、実際はどのようなAI処理をPCユーザが好み、どこにAI PCの大きな需要があり、それらを支援するAI OS機能は何かを見極める必要があります。

AI処理は、この見極めが必須なぐらいサービス/アプリによるソフトウェア負担も大きいのです。汎用的にAIをPCで活用するには、Copilot+ PCよりも更に高性能ハードウェア、例えば高TOPS NPUや大容量メモリが必要になると思います。

Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)
Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)

Copilot+ PCのAI OS処理は、Windows Copilot RuntimeがArmネイティブ動作のため、x86/x64比、電力効率に優れます。2024年~2027年は、従来のx86/x64 Win11と新しいArmネイティブOSの併存期で、Armネイティブ特性を活かすAIサービス/アプリとAI OS機能の見極め期間です。

例えば、Copilot+ PCのRecall検索機能は、導入前にプライバシー配慮に対する改善が入りました。パーソナルAIアシスタントとプライバシーは、セキュリティバランスを考慮したガイドラインなどが必要でしょう。

※既にWin11 23H2でもスクリーンショットがユーザ同意なしにピクチャライブラリへ自動保存(!?) されますが…。

次期Win12は、この新旧OS併存期の結果から「2025年~2026年末頃、本格的パーソナルAIアシスタントOSとして新登場」すると思います。

次期Win12はWin11からアップグレートできるか?

6月発売Microsoft Copilot+ PCのOSは、Armネイティブ動作Windows Copilot Runtimeを持つWin11 23H2です。このCopilot+ PCハードウェア構成のPCは、おそらく新しいWin12へアップグレートできるでしょう。

前章のAI OS見極め結果にも依りますが、Win12登場が遅れれば遅れる程、6月Copilot+ PCとのスペック乖離が進みます。筆者がWin12登場を遅くても2026年末としたのは、この乖離を少なくするためです。

逆に言うと、「Win12アップグレート最低条件が、6月Copilot+ PCスペック」となりそうです。

Summary:2~3年先Windows PC予想結果

ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)
ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するにはハードウェア選びが肝心です。さらに、モバイルノートPC向けに、低電力動作も必須です。

本格的AI OSのWindows 12登場は、2025年~2026年と予想しました。このWin12アップグレート要件未達とならないよう、2025~2026年内に、出来るだけ高性能なAI PCハードウェア購入を検討中です。

有力候補に、バッテリー動作を気にする必要が無いミニPCハードウェア案を示しました。

Afterword:ネットカフェPCにWin11 23H2登場→Win12?

過去Win10のみであったネットカフェPCに、Win11 23H2搭載PCが登場しました。今後Win11比率も徐々に高まるでしょう。新しいWin12が、個人PCのNPU学習結果を、Microsoft Pluton SecurityプロセッサとOneDriveを使って同期できれば、公衆ネットカフェPCでもパーソナルAIアシスタントが使えます。

パーソナルAIアシスタントのクラウド化、これならOfficeが付いたOneDrive利用も喜ばれるでしょう!

情報機器大転換期

情報機器(PC/スマホ/IoTデバイスなど)のハード/ソフト/使い方が、大転換期です。原因は、生成AI革命。インターネット商用解放期に匹敵する気がします。

2024年も半分終わった今、見えてきた情報機器大転換期の現状をまとめました。1章と2章が、ソフトバンクの生成AI革命の考え方、3章以降が、現状という段取りです。

ソフトバンクのAIとAGI、ASI

人類叡智の10000倍能力のArtificial Super Intelligence(出典:記事)
人類叡智の10000倍能力のArtificial Super Intelligence(出典:記事)

ソフトバンク会長兼社長の孫正義氏が、2024年6月21日の定時株主総会で、ソフトバンクは、ASI(Artificial Super Intelligence)を実現するとASCII記事が掲載しました。記事を極簡単にまとめたのが本章と次章です。

AGI(Artificial General Intelligence=汎用人工知能)とは、人間の持つ考え方、知識の「一部を機能化」した現在のAIの親玉に相当し、人間と同じか最大でも10倍程度上回る「汎用の人工知能」。先端AI研究者のテーマがこのAGIで、5年以内、場合によれば3年ぐらいでAGI時代となる。

様々な天才同士が刺激しあい進化した人類と同様、AGI同士が刺激しあい、人類進化を加速するのがASI時代。ASIは10年前後でやってくる。孫氏が決めた指標では、人間の「1万倍程度の英知」。人類20万年史上、初めて圧倒的な人口知能となり、全常識が変わるのがASI時代。

例えば、スマートロボットがASIにつながると、工場生産や道路掃除、買い物や洗濯も代行可能。自動運転も、AIが技能学習し、一度も行ったことが無い場所でもスイスイ自動運転でき、大量生産や加工、物流などはロボットに置き換わる。

ソフトバンク孫正義氏が生まれた理由・使命は、このASI実現

ASI実現手段

ソフトバンクグループ総力でASI推進(出典:記事)
ソフトバンクグループ総力でASI推進(出典:記事)

孫氏は、更にASI時代の基盤技術の1つが、現在様々な情報機器へ半導体IP提供中のArmとしました(Arm株式9割近くをソフトバンクが保有中)。

Armの強みは、設計力と低消費電力稼働で、ASIの広がりに貢献。出荷数量は上がることはあっても、下がることはない。ASI実現のため、ソフトバンクグループ総力でArm AIチップ、AIデータセンタ、AIロボットへ取組む。

Armの将来を孫氏は信じている。

制御系ハードウェア転換

Arm IPコアは、本ブログ掲載Cortex-Mシリーズをはじめ、多くのMCUベンダハードウェアにも採用中です。MCUのエッジAI化に伴い、従来シリーズよりも更に高性能なCortex-Mコア:Cortex-M85搭載MCUも発売開始となりました。

Cortex-M85特性比較(出典:ARM)
Cortex-M85特性比較(出典:ARM)

PCは、Microsoft Copilot+ PCが2024年6月18日にワールドローンチされました。40TOPS以上のNPUが注目され勝ちですが、NPUを制御するCPUにも転換が起こりつつあります。

現在、Copilot+ PC要件を満たすCPUは、QualcommのSnapdragon X Eliteだけです。このCPUも、Arm IPコアを採用中(4章)です。他社に先駆けるArm設計力が表れています。

AI処理でPCよりも先行するAIスマホは、そのCPUの多くがArmライセンスのチップです。6月20日発表のAppleパーソナルAI Intelligenceハードウェア要件は、A17 ProチップとMシリーズです。iPhone 15/15 Plus非対応のため、90%以上のiPhoneユーザは、Apple Intelligenceを使えないそうです。

これら制御系ハードウェアの転換理由は、「AI処理を実用可能なレベルで高速実行するには、ハードウェアが肝心」だからです。

つまり、生成AI革命が、従来制御系の全ハードウェアを転換させつつあるのが、今です。

ソフトウェア転換

NPUなどのAI処理ハードウェアを活かすのは、ソフトウェアです。例えば、Copilot+ PCには、Recall、Cocreator、Live Captions、Windows Studio EffectなどのAI機能が標準で備わっています。

但し更に重要な点は、これら標準AI機能の基となるWindows Copilot Runtimeを活用し、新なAIソフトウェアが開発できること、しかもArmネイティブであることです。

※Armネイティブとは、汎用RuntimeがArm専用ライブラリのように無駄無く高速動作すること。

MacOSは、Arm化が進んでいます。Windowsソフトウェア開発も、下図が示す従来x86からArmネイティブソフトウェア転換を迎えているようです(詳細はコチラの記事参照)。

ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)
ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)

情報機器使い方転換

インターネット商用解放は、IT革命をもたらしました。ユーザは、PCやスマホなどの機器を使って、ネット上を検索し、情報を得るようになりました。ネットに溢れる情報の検索装置が、IT機器でした。

生成AI革命は、PCやスマホの使い方を、単なる検索装置からアシスタント代行へと転換させつつあります。つまり、より高度な情報解析や解析に基づいた提案ができる個人アシスタントとしての使い方です。

従来の情報機器を、人間的で簡単に使えるAIアシスタント化しつつあるのが、今です。

Summary:情報機器大転換期

クラウド・エッジ全基盤を提供するArm IP(出典:記事)
クラウド・エッジ全基盤を提供するArm IP(出典:記事)

生成AI革命でPC/スマホ/IoTデバイスなどの情報機器ハードウェア/ソフトウェア/使い方が、大きく転換しつつある2024年半分終了の今をまとめました。

制御系IP提供のArm株式9割保有中ソフトバンクの生成AI革命に対する考え方と、AI実用はハードウェアが肝心、ソフトウェアのArmネイティブ化、情報機器AIアシスタント化などの転換現状を示しました。

AI進化スピードは驚異的です。人間開発者も進化が必要です。現状マクロ把握のため本稿を作成しました。

Afterword:オープンソースハードウェアコア、RISC-V

Cortex-M代替として急浮上のRISC-V
Cortex-M代替として急浮上のRISC-V

ライセンス料が必要なArm IPコアの対極にあるのが、オープンソースハードウェアコアです。例えば、RISC-V。採用例は、ルネサスのRISC-V MCU/MPUや、EsperantoのAIチップに見られます。

RISC-V採用理由は、少数命令による低消費電力動作です。Arm同様、低電力動作ハードウェアの重要性が解ります。RISC-VかArmかのコア選択は、製品売上見込みとその投資額で決まると思います。

※MCU製品は、IPハードウェア以外にコンパイラ、デバッガなどソフトウェア開発ツールも必要。Armコアならツール入手も容易だが、オープンソースハードウェアコアはこれらもベンダ準備必要(関連投稿はコチラ)。

日本政府マイナンバーカード施策に、上記のような費用対効果検討が全く無いのは、原資が税金のため?😢


LibreOfficeの使い方(ポータブル版)

LibreOfficeの使い方(ポータブル版)動作画面
LibreOfficeの使い方(ポータブル版)動作画面

LibreOfficeをUSBメモリへインストールし、どのWindows PCでもLibreOfficeが使えるポータブル版LibreOfficeの使い方を示します。

本家、Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム版LibreOfficeと、操作は全く同じです。

OfficeやLibreOffice文書の加工・編集が、ネットカフェ等の出先でもでき、また、PCを汚さずにLibreOfficeが動作します。LibreOfficeを試したい方にもお勧めです。

ポータブル版LibreOffice使い方もくじ

1.USBへLibreOfficeポータブル版インストール方法

……  1.1 PortableApps.comインストール

……  1.2 LibreOffice Still(安定版)またはFresh(最新版)インストール

2.ポータブル版LibreOffice操作方法

……  2.1 Microsoft Office文書扱い留意点

1. USBへポータブル版LibreOfficeインストール

LibreOfficeをUSBへインストールするには、先ずPortableApps.comから土台となるプラットフォームのUSBインストールが必要です。

このプラットフォームは、多言語対応です。インストールは、2段階で行います。初めが、サイト上方の言語選択&ダウンロード&USBへインスールです。その後、土台プラットフォームへポータブル版LibreOfficeをインストールします。

以下、日本語選択インストール例を示します。

土台PortableApp.comの日本語選択
土台PortableApp.comの日本語選択

1.1 PortableApps.comインストール

USBメモリを用意します。32MB容量あれば、USB内に複数文書を保存しても余裕で使えます。

日本語選択し示されるダウンロードをクリック、適当な場所へダウンロード後、インストーラを実行します。

PortableApps.com日本語ダウンロード
PortableApps.com日本語ダウンロード

インストール途中に、土台のインストール場所を聞いてきます。「ポータブル」を選択すれば、用意したUSBへインストールされます。その後は、ダイアログに従いプラットフォームのUSBインストール完了です。

インストール後、自動生成される“Start.exe”クリックで、プラットフォームが動作します。このプラットフォームが、最初に示した図のオレンジ部分です。

次に、このオレンジプラットフォームへ、ポータブル版LibreOfficeをインストールします。

1.2 LibreOffice Still(安定版)またはFresh(最新版)インストール

プラットフォームの「アプリの管理(A)」をクリックし、表示プルダウンメニュから「もっとアプリを入手(G)」>「カテゴリー順(W)」クリックで、右側“新しいポータブルアプリのダウンロード”ダイアログが表示されます。

新しいポータブルアプリからLibreOffice Still(安定版)のインストール。図はFleshがありませんが近日中に出現します。
新しいポータブルアプリからLibreOffice Still(安定版)のインストール。図はFleshがありませんが近日中に出現します。

LibreOffice Stillを選択し、インストール(I)をクリックすれば、LibreOffice Still(安定版)が、プラットフォームUSBへインストールできます。プラットフォームからLibreOffice DrawやLibreOffice Calc、LibreOffice Writer等が直接起動できます。

“LibreOffice Still”インストールのお勧め理由は、Fresh版が1ヵ月、Still版が3か月更新のためです。

USBへのインストールや更新処理は、時間が掛かります。Still/Fresh機能差は少なく、更新頻度が少ないStillの方が、LibreOfficeを使いたい時に直ぐに使え便利です(Afterwordに対策案あり)。

※インストール後のポータブルLibreOffice動作速度は、本家と同じです(念のため…)。

2. ポータブル版LibreOffice操作方法

ポータブル版LibreOffice操作は、本家Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム版LibreOfficeと同じです。従って、弊社投稿のLibreOfficeの使い方(総集編)や、投稿カテゴリー:LibreOfficeの内容がそのまま使えます。もちろん、弊社無償WriterテンプレートDrawテンプレートも使えます。

そこで、ポータブル版LibreOfficeを使って、“Microsoft Office”文書を編集・加工する時の留意点のみを示します。

2.1 Microsoft Office文書扱い留意点

LibreOfficeは、Microsoft Office文書の編集・加工も互換性があり可能です。保存拡張子の違いと、Office文書のレイアウト崩れが起こる場合があること、の2点に留意が必要です。

LibreOffice文書保存時のデフォルト拡張子は、ODF(Open Document Format)形式です。例えば、Writerは*.odt、Drawは*.odgです。LibreOfficeでLibreOffice文書を編集・加工する時は、何ら問題ありません。

しかし、LibreOfficeでMicrosoft Office文書を編集・加工した後は、保存拡張子を、Wordなら*.docx、Excelなら*.xlsx等へ変更した方が、Officeで再編集する時にBetterです。

ファイル形式の確認でWord形式を選択
ファイル形式の確認でWord形式を選択

また、拡張子を変更しても、Office再編集時、レイアウト崩れを起こす場合があります。

対策は、レイアウト要素をデフォルトのまま文書、図、表を作成することです。デフォルトレイアウト原稿なら、Officeで最終稿に仕上げる時に、レイアウトだけを変更すれば良いからです。

言い換えると、Office/LibreOffice共に最終稿までは、デフォルトレイアウトで編集・加工する。そうすれば、原稿レイアウト崩れを気にする必要が無い(!)という訳です。

Summary:LibreOfficeの使い方(ポータブル版)

USBへLibreOfficeをインストールし、どのWindows PCからでもLibreOfficeが使える、PortableApps.comとポータブル版LibreOfficeの2段階インストール方法を示しました。

ポータブル版LibreOfficeを使って“Microsoft Office文書”を取扱う時の留意点を示しました。

ポータブル版LibreOfficeの操作は、本家クロスプラットフォーム版と同じです。出先でもLibreOfficeやMicrosoft Office文書の加工・編集ができます。また、PCを汚さずにLibreOfficeが使えるメリットがあります。

Afterword:PortableApps.com

LibreOffice以外にもUSBへインストールできるアプリは、数多くあります。PDFーX ChangerとNotepad++の2つを追加インストールしたのが、一番初めの図です。下図無償PortableApps.comは、優秀なプラットフォームアプリです。

無償で様々なアプリを持ち歩けるPortableApps
無償で様々なアプリを持ち歩けるPortableApps

但し、このプラットフォームへ、多数アプリのインストールはお勧めしません。インストールやアプリ更新処理が、外付けUSBのため遅いからです。例えば、高価ですがポータブルSSDで代用すれば、改善するハズです。

Copilot+ PC CPUまとめ(24-06編)

Copilot+ PC発表以降、Intel、AMD共に対応CPUの発表が相次いでいます。PCハードウェア転換期の今、Copilot+ PC CPUの現状と最新状況を簡単にまとめました。次期PC購入検討のためです。

Copilot+ PC要件まとめ

先ず、Edgeの無償Copilot Promptへ、Copilot+ PCの質問をしました。回答が以下です(筆者編集あり)。

Copilot+ PCは、2024年6月18日にグローバルローンチされました。日本国内でもACER、ASUS、DELL、HP、Lenovo、Samsungなどのメーカーから搭載ノートPCが発売されています。

最安モデルは17万円後半から購入可能で、主流は20万円台です。

Copilot+ PCの最小要件:

  • Microsoftが承認したCPUまたはSoCを搭載。
  • 40TOPS以上の処理性能を持つNPUを組み込むことが条件。
  • 16GB以上のDDR5/LPDDR5規格RAM(メモリ)。
  • 256GB以上のSSD/UFSストレージ。

AI機能:

  • Copilot+ PCでは、AIアシスタント「Copilot」を瞬時に呼び出すための[Copilot]キー採用。
  • ローカル実行できる40以上のオンデバイスAIモデルを搭載予定。
  • 新たに下記機能が利用可能
    • 「Recall」(過去の表示内容検索)
    • 「Cocreator」(画像生成AI)
    • 「Live Captions」(多言語字幕生成)
    • 「Windows Studio Effect」(ビデオ通話エフェクト)

メリット:

  • 高速でインテリジェントな処理実現。
  • バッテリー駆動時間が長く、終日使用可能。
  • セキュリティにも力を入れており、Microsoft Pluton Securityプロセッサ搭載。

現在、「Copilot+ PC」要件を満たすCPUは、QualcommのSnapdragon X Elite搭載ノートPCのみです。今年後半には、AMDやIntelもCopilot+ PC要件を満たすCPUをリリース予定です(Copilot回答ここまで)。

回答は全てMicrosoftが情報源ですので、確度は高いと思います。筆者不明のMicrosoft Pluton Securityへ追加質問をし、以下を得ました。

Microsoft Pluton Securityプロセッサ:

資格情報、ID、個人データ、暗号化キーを保護し、攻撃者マルウェアインストールやPC物理的攻撃に対し情報削除が非常に困難です。TPM機能提供とTPM 2.0仕様を超えるセキュリティ機能提供用に設計されています。

つまり、Copilot+ PCユーザ情報保護の要でしょう。次期Win12アップグレード要件になる予感がします。

以下の章で、Intel、AMD、ArmのCopilot+ PC要件を満たすCPUを調査しました。

Intel:Lunar Lakeで120TOPS、40%電力削減

Intel Lunar Lakeは、CPU、GPU、NPUとDRAMをSoC化(出典:記事)
Intel Lunar Lakeは、CPU、GPU、NPUとDRAMをSoC化(出典:記事)

6月4日PC Watch記事に、現行Meteor Lakeの次期CPU、今年3Q投入計画のLunar Lake概要が記載中です。筆者が、ごく簡単にまとめたのが以下です。

Lunar Lakeは、薄型軽量ノートPC向けCPU。CPU、GPU、NPUとDRAM(16/32GB)もSoCパッケージ化し、120TOPS、40%電力削減能力を持つ。NPUは、現行から第4世代NPUへ進化。Meteor Lake未対応のMicrosoft Plutonにも対応。

※Edgeで当該記事ブラウジング中にのみCopilot要約ができます。しかし、本稿は筆者が要約しました。以下記事も同様です。

AMD:Ryzen AI 300シリーズは50TOPS NPU搭載

Ryzen AI 300シリーズのNPU性能はSnapdragon X EliteやIntelの次世代CPU「Lunar Lake」よりも高い(出典:記事)
Ryzen AI 300シリーズのNPU性能はSnapdragon X EliteやIntelの次世代CPU「Lunar Lake」よりも高い(出典:記事)

6月4日AMDは、新世代CPU Zen5採用AM5ソケット対応のデスクトップ向けRyzen 9000シリーズと、50TOPS第3世代NPU統合のCopilot+ PC向けRyzen AI 300シリーズを発表しました。

7月以降、ACER、ASUS、HP、Lenovo、MSIなどのメーカーからCopilot+ PC対応ノートPCが発売され、発売時は他社比、トップNPU性能です。

Arm:2030年迄にWindowsデバイス支配的シェア予測

Armは、CPU IPベンダです。IntelやAMDと異なり、CPU製造ではなくCPU IPコアを他社へ販売、その1社がQualcommのSnapdragon X Eliteで、現在唯一のCopilot+ PC要件を満たすノートPC CPUです。

6月4日、Arm CEOのRene Haas氏は、Windows Copilot Runtimeとそのアプリ(Recall、Cocreator、Live Captions)は、Arm版のみ現存しており、現在数%シェアは、2030年までにWindowsデバイスの支配的シェアを占めると予測しました。

ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)
ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)

macOSは、既にx86からArm移行が起きており、WindowsもArmネイティブになると予測しています。

Summary:Copilot+ PC CPUまとめ(24年6月編)

2024年6月時点で判明しているCopilot+ PC向けCPUを一覧表にしました。

24年6月Copilot+ PC CPU ターゲット トータルNPU性能 備考 発売
Intel)Lunar Lake ノートPC 120TOPS 40%電力削減
DRAMオンチップSoC
24年3Q
AMD)Ryzen AI 300 ノートPC 50TOPS TDP28W 7月以降
Arm)Snapdragon X Elite ノートPC 40TOPS Windowsネイティブ対応 発売中

6月時点のCopilot+ PC CPUは、ノートPC用のみです。ユーザと共に移動可能なノートPCの方が、デスクトップPCよりもエッジAIフル活用に向いているからだと思います。

複数PC間でエッジAI学習結果、つまりNPU同期は難しいでしょう。最もユーザに近いAIアシスタント搭載PCが、PCハードウェア転換期のBest解になりそうです。

従来Intel、AMDに加え、新にArm IPコア採用の第3勢力がCPUシェア獲得競争に加わりました。

Copilot+ PCのCPUは、NPU性能と低電力性が選択ポイントです。NPU性能が高ければ、それだけ高い確度と速いレスポンスのAIアシスタントCopilotが使えます。例えると、高性能GPUは、高精細画面を得られるのと同じです。

Afterword:Raspberry Pi 5は13TOPS NPU搭載

Raspberry Pi AI Kit(出典:Cytron)
Raspberry Pi AI Kit(出典:Cytron)

エッジAIは、CPUのみならずMCUやMPU/SCB全てに変化を与えます。例えば、6月4日、MPU/SCBのRaspberry Pi 5へ、13TOPS NPUを追加できるKit($77)が発表されました(関連投稿:MCUとMPU/SCBの違い)。

筆者のメインPCは、NPU非搭載Win11自作デスクトップPCです。次期Win12 PCは、Copilot+ PC対応新ノートPC調達か、それとも、ラズパイ5同様デスクトップPCへエッジAI NPU追加か思案中です。

また、PCハードウェア転換期とエッジAIフル活用対応にCopilot PromptでAI利用に慣れようとも考えております。


MCU開発者のCopilot+ PC

2024年5月28日、日本Microsoft津坂社長のCopilot活用記事が、PC Watchに掲載されました。メール要約や資料分析、優先タスク振分けなどCopilotを使った活用例は、ビジネスパーソンだけでなく、MCU開発者にとっても参考部分が多々あります。

筆者が特に印象に残ったのは「エンジニアでない津坂社長でも、使い続け、議論を繰り返すことでCopilotを使いこなせる(AI筋トレ)」の部分です。

背景技術の広さ深さは見せず、使い易さを追求したツールは、Copilotだけでなく最近のツール全般に当てはまります。そのCopilotを更に進化させるGPT-4oのAI研究者視点と、MCU開発ツール変化について示します。

謎が多いGPT-4oモデル

2024年5月28日、ビジネス+IT にAI研究者、今井 翔太氏が、研究者視点のGPT-4o評価と謎、GPT-5への伏線を執筆しました。筆者が、ごく簡単にまとめたのが下記です。

“数年前ならAGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)レベルに達したと想定できるGPT-4oは、AI研究者からみると、謎が多いモデルで従来スケーリング則からは不自然。しかし、殆どの人が考えるAGIに相当近づいた。GPT-4延長GPT-4oの次期超高性能モデルGPT-5準備中”

AIを利用する殆どの人、つまり、筆者などMCU開発者は、GPT-4o≒AGIと考えて良いと思います。前章、津坂社長のようにAGI化したCopilotをこき使って(!) 生産性や判断スピートを上げ、その中身や仕組みは知らなくても問題ないからです。

現在Copilotは、GPT-3.5/4でGPT-4oではありません。しかし、CopilotのようなAIツールは、使っているうちにGPT-4o/5などのテクノロジ進化と共にユーザ学習度も深くなり、最後にはユーザ専用アシスタントとなる可能性があります。

このツール自体の進化が、従来に無いAIツールならではの特徴です。

MCU開発ツール変化

MCUのIDE開発ツールは、Eclipse IDEベースが業界標準です。各MCUベンダ固有のAPIコード生成ツールやフラッシュプログラマをEclipse IDEへ機能追加し、MCU開発者へ無償提供されます。

最近、Eclipse IDEベースに代わってMicrosoft製Visual Studio Code(VSC)を使う変化が見られます。

MCUXpresso for Visual Studio Code構成(出典:NXPサイト)
MCUXpresso for Visual Studio Code構成(出典:NXPサイト)

例えば、NXPは、EclipseベースのMCUXpresso IDEの代わりに、VSCベースのMCUXpresso for Visual Studio Codeが使えます。もちろん、無償です。従来EclipseからVSCへ変えるメリットは、筆者には判りません。あえて推測すると、同じMicrosoft製Copilotとの親和性です。

つまり、数年後のAI活用MCU開発時に、EclipseベースよりもVSCの方がCopilotとの協調動作性が良いので、ユーザ能力に合わせた開発ができるかも(?) という訳です。

Summary:MCU開発者のCopilot+ PC

Microsoft発表のCopilot+ PCは、ユーザ検索履歴や能力レベルを、40TOPS以上のエッジAI NPUが学習し、ユーザに即した回答をCopilotが提供します。これは、広く深い知識が求められるMCU開発者にとっても、開発スピートアップやMCU習得の強力な助けになります。

MCU開発者がCopilotを上手く使うには、津坂社長のように使い続け、入出力議論を繰り返すことでエッジAI NPUがユーザを学習し、同時に開発者もCopilotに慣れる「AI筋トレ期間」が必要です。

CopilotなどのAIツール活用は、MCU開発者とエッジAI NPU双方の学習期間が必要
CopilotなどのAIツール活用は、MCU開発者とエッジAI NPU双方の学習期間が必要

Visual Studio Code やCopilotに慣れ、エッジAI NPUを使いこなせるよう準備が必要かもしれません。Microsoft製ツール全盛となるのは、いささか気になりますが…。AIアシスタントCopilot影響大ですね。

Afterword:VSC頻繁更新Dislike

筆者は、VSCをWeb制作に使用中です。これは、過去使っていたツールが更新停止となったからです。拡張機能の多さやユーザカスタマイズが容易なVSCですが、その頻繁な更新はあまり好きになれません。

Eclipse IDEでも、エディタは標準以外の別エディタ、例えば、Notepad++変更も可能です。その他カスタマイズ機能も、現時点ではEclipseとVSCに大差無いと思います。

AI全盛時は、もしかしたらIDEで差が出るかも(?) と思ったのが本稿作成理由です。筆者は、未だ自作PC派です。生成AI加速モジュールをPCへ追加しエッジAI性能を上げるか検討中です。


OfficeのAI Copilot活用例

OfficeツールのAI Copilot活用例と効果
OfficeツールのAI Copilot活用例と効果

MicrosoftのAIアシスタント:Copilotを使うと、Microsoft Officeツールの生産性が、具体的にどう上がるのかを示す記事を見つけたので紹介し、要旨をまとめます。

Summary:OfficeツールのAI Copilot活用例と効果

Officeツール AI Copilot活用例 効果
Word ドラフト時短 ドラフト作成 より多くの時間を思考に使える
PowerPoint ドラフト作成 より多くの時間を思考に使える
Excel データ分析、グラフ化 データ可視化分析作業の短縮
Outlook 受信メール要約作成
返信メールドラフト作成
より効率的にメール送受可能
Word/PowerPoint 品質改善 改善ポイント指摘 客観的評価で作成品質を高める
Outlook 送信メール明瞭チェック より高品質メールの送信
PowerPoint 作成資料の想定質問生成 着想/想像力の幅拡張
全Office文書 貰ったOffice文書の内容分析 文書内容理解を早める

※Officeはサブスク型Microsoft 365を想定。買い切り型Officeでも同様になると推定。
※Copilotは現在GPT-3.5/4。より人間らしいGPT-4o Copilotになると推定。

OfficeツールのCopilot活用要旨が下記です。

  1. コンテンツ作成Word/PowerPointは、Copilotでドラフト作成時短
  2. 表作成Excelは、Copilotでデータ可視化と分析時短
  3. Copilotで作成資料の客観フィードバックをかけ、資料品質向上と発想/想像力の幅拡張
  4. 受信メール要約、送信メールドラフト作成、送信前メールのCopilot分析
  5. 貰ったOffice文書のCopilot分析、早期内容理解

AI Copilot処理時間

前章Copilot活用によりOffice生産性や生成資料品質は、上がります。但し、上表にはAI Copilotの処理時間がありません。AI処理が遅ければ、実務には使えません。

つまり、実務でAIを使うには、応答性の速さ:AIレスポンスが重要ということです。前投稿GPT-4oは、正にこのAIトレンド最先端技術です。ライバルのGoogle+Anthropicも対抗技術を開発するでしょう。

そして、応答速さの次は、コスト競争になります。これが、サブスク型Microsoft 365だけでなく、買い切り型Officeと無償Copilotでも、Microsoft 365と同様のAI効果が期待できると推定した根拠です。但し、Copilot出力確度は、有償版が上になるかもしれませんが…。

AI Copilotレスポンスを満たすエッジPC性能

AI普及には、エッジ側AI処理の比重を増やすことが必須です。クラウド側だけでAI処理すると、データセンタの消費電力が膨大になり、また、AIレスポンスも悪くなるからです(AIとクラウド消費電力は、コチラの投稿2章参)。

そこで、Microsoftが想定するエッジAI Copilotレスポンスを満たすPCの要求スペックが下記です。これらは、次期Win12システム要件になる可能性があります。

Copilotレスポンスを満たすエッジAI PCハードウェアスペック
プロセサ 登録済みCPUで、搭載NPUは40TOPS以上
メモリ 16GBのDDR5またはLPDDR5
ストレージ 256GB以上のSSDまたはUFS(Universal Flash Storage)

今年リリース予定のWin11 24H2が、OSコア変更にも関わらずWin12に改名しなかった背景は、上記ハイスペックPCが、簡単に調達できないためでしょう。

今PCを買うなら、このスペック以上にしないと、Win11 TPM 2.0足切りのように、Win12アップグレート不可になるかもしれません。

AI Copilot時代のWindows PC

AI CopilotとWindows結合がもたらすアプリ生産性向上
AI CopilotとWindows結合がもたらすアプリ生産性向上

Microsoft想定のAI PCハードウェアとWindows、Copilot、Officeの組合せは、Summaryで示したようにPCの使い方を根底から変える可能性があります。

コンテンツ作成は、AI Copilot準備ドラフトから着手するため、ユーザは、オリジナリティ豊かな独自コンテンツ生成に集中できます。さらに、生成コンテンツにCopilotで客観フィードバックをかけ、より高品質コンテンツに仕上げることも容易です。

また、大量メールもAI Copilotで事前に振分け、重要メールのみの対応も可能となるでしょう。

つまり、低順位Office業務は、全てCopilotが代行し、高優先業務のみユーザが行うWindows AI Copilot PCへと発展します。これは、本稿で示したOfficeツール例だけに留まりません。

Microsoftが、AI CopilotとWindowsの結合をにすれば、Office同様他のPC業務も、Mac/Linuxよりも高いPC生産性が期待できます。Microsoft製Copilotと他社Mac/Linuxとの結合度が低ければ、Windowsに比べ確度の低いAI出力となるからです。

※Edgeの前のMicrosoft製ブラウザ:Internet ExplorerとWindowsは密結合であった。が、確か独占禁止の点から、IEとWindowsは完全分離となった。CopilotとWindowsもIE同様、分離可能性はある。Microsoftは、Windows AI Copilot PC商用名を「Copilot+ PC」とし対抗気配。

AI普及2アプローチとエネルギー計画

WindowsとOfficeでシェアを持つMicrosoftは、本稿のようにCopilot活用のAI PCアプローチからAI普及を図ります。一方、PixelなどAndroidスマホのシェアを持つGoogleは、写真加工や画像認識、スマホ通話即時翻訳などAIスマホのアプローチからAI普及を図っています。

AI PCかAIスマホか、いずれにせよAIが、次世代の情報機器/通信/電力/半導体製造産業を牽引することは確実です。

現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)
現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)

日本では経済産業省が、これら産業のエネルギー基本計画を策定しています。AI普及や最近の国際状況から、見直し議論も盛んになってきました。今後の動向に要注目です。

Afterword:長文言い訳

日本のエネルギー基本計画なども記述しましたが、筆者が言いたかったことは、Summary章「AI Copilot活用でOffice生産性は上がる」です。中でもOffice資料のCopilot客観フィードバックは、期待度大です。残念ながら本記事は、未だ全て手作業生成ですが…。

日経XTECHの元記事に、生産性向上の詳しい説明があります。この記事は、クラウドAI CopilotとMicrosoft 365を対象とし、クラウドAI Copilotの仕組み利用心得などの関連記事もあります。

ただ、クラウドAI処理は、電力不足懸念からエッジAI処理分散が必須で、この動きにマッチしたMicrosoftの Copilot+ PC登場ストーリとなり長文化しました。


安く早いGPT-4o

AI対人間インタフェース性能を向上するGPT-4o
AI対人間インタフェース性能を向上するGPT-4o

2024年5月13日、GOMA(Google、OpenAI、Microsoft、Anthropic)の一角、OpenAIが、GPT-4o(オー)を発表しました。オーは、omni、ラテン語のすべてを意味し、テキスト、音声、画像、映像の入力すべてに統合対応します。従来ChatGPTよりも安く、早い生成AI入出力処理が可能です。

Summary:安く早いGPT-4o

GPT-4o特徴、OpenAI発表の要約などが堀江貴文氏のYouTube動画(6分31秒)で判ります。
前半2分40秒までが、「本物の人間、堀江氏」解説、後半は、GPT-4oを使ってOpenAI発表を要約し、それを「AIで生成した堀江氏」が説明しています。

既存ChatGPTや競合他社比、利用料金が50%安く、音声と画像理解が速いのが統合対応GPT-4oの特徴です。例えば、音声応答は人間と同じ会話速度、笑い声や感情表現画像も出力できます。

Mac版アプリも同時発表、Windows版は、今年後半リリース予定です。

対人間インタフェース性能向上

AIを人が上手く使うコツは、AIへの質問力です。上手い質問ができれば、所望の回答が得られます。ただ現在、AI自身が急変化しています。この過渡期のAIに合わせた質問のコツを人が掴むのは大変です。

そこで、人間同士の対面会話と同じようにAI側が対応できれば、より簡単に質問ができます。AI側が人に近づくからです。また、対人間インタフェース性能向上によりAI自身の学習速度も更に上がります。

安く早いGPT-4o の特徴が活かせるのは、このAI対人間インタフェースの部分です。

例えクラウドAI利用時でも、GPT-4oは、人と同じレスポンス速度で会話し、人の画像を認識、笑うなどAI感情表現も出力します。堀江氏動画(2分5秒頃)で語られた、GPT-4oとぬいぐるみを使った子供や老人のAI話し相手のフロントエンドとして十分使えます。

つまり、AI入出力を、より人間らしく効率的にできる能力をGPT-4oは持っています。

筆者としては、PC向けだけでなく、エッジAI MCU/MPU向けアプリも欲しいです。
※AIとAIデータを引出すChatGPTなどの役割は、コチラの投稿1章参照。

シンギュラリティ

AIが人間よりも賢くなるシンギュラリティ、2045年問題
AIが人間よりも賢くなるシンギュラリティ、2045年問題

AIが人間よりも賢くなる時を、シンギュラリティ(日本語は技術的特異点)と言います。AIの世界的権威:Ray Kurzweil氏が、2005年の著書でシンギュラリティを2045年と予測したため、2045年問題とも呼ばれます。

筆者は、GPT-4oにより、AIがシンギュラリティに一歩近づいたと思います。最近AI関連の話題は、食傷ぎみですが、GPT-4o出現は、予測よりも早くシンギュラリティになる可能性を秘めています。

GoogleやAnthropicのGPT-4o対抗ChatGPT、MicrosoftのGPT-4o対応Copilot、OpenAIの次期GPT-5がどれ程の能力を持つか想像もできません。ただGOMA各社が、AI開発を加速中なのは確かです。

また、進化中のAIが、次世代半導体も牽引しています。GOMAだけでなく、半導体製造、電力、通信各社もAIが動向を左右しています。生成AI革命といわれるゆえんです。
※生成AIと電力、通信会社の関係は、コチラの投稿参照。

Afterword:MCUソフトウェア開発史と似ている?

現在のMCUソフトウェアは、ベンダHAL(Hardware Abstraction Layer)APIを利用した開発です。数十年前のMCU毎に異なるハードウェアドライバを自作し、アプリ担当に自作APIを提供していた頃とは別世界です。

レベルは違いますが、AI進化もこのMCU開発史に似ています。数年後には、人工知能活用開発が普通になるかもしれません。今、AI進化過程を実感できる我々は、幸せだとも思います。

MCU開発者が、PC利用や開発方法を根本から変える可能性があるAI状況を知ることは必然です。根本変化、別世界に対応できるよう状況を把握しておきましょう。


Windows 11シェア低下

世界のWindows 10シェアは増加傾向で、2024年4月に70%を超え、逆にWindows 11シェアは、2024年2月に史上最高の28.16%となったが、4月には25.65%へ低下しました。その背景を考えました。

Windows 10(紫)とWindows 11(青)シェア推移(出典:statcounterに加筆)
Windows 10(紫)とWindows 11(青)シェア推移(出典:statcounterに加筆)

Win11伸び悩み根本原因

Win11シェア伸び悩み解説記事は、2つ理由を挙げています。

  1. Win11のAndroidアプリ廃止
  2. スタートメニュー広告表示

ブラウザは、検索履歴からユーザが興味を持つ広告を表示します。Win11スタートメニューは、何を基準に広告するか不明(おそらくエッジAI NPU)ですが、スタートメニューフィールドの広告は、邪魔です。

筆者は、Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム動作アプリが増えたこともWin11伸び悩みの一因だと思います。例えば、大手MCU開発ツールは、クロスプラットフォーム動作です。Windowsに固執する必要はありません。

一方、Win10シェアが増えたのは、Win11を離れたユーザが、使い慣れたOSへ戻ったからだと思います。例えば、Win11タスクバーは、上下位置のみ配置できますが、Win10は上下左右に配置可能で、自由度が高いです。

このようにOS操作性は、Win10比、Win11は明らかに劣化しました。Win10とOSコアが同じなのに操作性が劣化したWin11を、積極的に使う理由が無いのです(Win11 TPM 2.0の役目は、Afterword参照)。

但し、Win10サポート終了は、2025年10月14日、残り18か月です。この18か月中に次の新OSへの準備が必要です。

新OS検討項目

Windows 10の次の新OS3候補
Windows 10の次の新OS3候補

Win10サポート終了後の新OS選択肢は、Windows、MacOS、Linuxなどがあります。

検討事項は、現在使用中のアプリが新OSへ移行できるか否か、移行できない場合は、代替アプリが新OSに有るか無いかです。

※次期Win11 24H2は、OSコアが現行Win11から変わります。当然、アプリ移行リスクはありますが、本稿では問題なく移行できると仮定します。

一番気になるアプリは、やはりMicrosoft Officeでしょう。Officeは、MacOSでも動作しますが、Linuxは非動作です。代替アプリは、無償LibreOffice、またはWeb文書作成ツール(Web Office、Google Doc/Sheets)などです。

残念ながらWeb文書作成ツールは、デスクトップアプリ比、機能的に劣る傾向があり簡単な修正や閲覧向きです。また、MacOS/Linuxには、Windowsアプリを仮想的に動作させるアプリ(Wine、VirtualBox)などもありますが、現状Windowsアプリ全てが完全に動作するとも限りません。

新OSは、Microsoft Office最重視で考えると、WindowsまたはMacOS、次点がLinux+代替LibreOfficeとなります。

アプリケーションファースト

ちなみに、2024年5月2日、無償LibreOffice最新版の定期1ヵ月更新があり、LibreOffice 24.2.3となりました。LibreOfficeは、Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム動作のアプリです。

従って、文書作成ツールLibreOfficeをMicrosoft Officeと同じように使えれば、先に挙げたMCU開発ツールと同様、OSは何でも選択可能です。

筆者は、MCU開発者ですので、MCU開発ツールと文書作成ツールの2つが最重要アプリです。

そこで、OSにLinux Mintを選択すれば、慣れたWindows操作に近いLinux環境が、調達コスト0で構築できます(関連記事:ドイツ自治体、Microsoft OfficeからLinuxとLibreOfficeへ移行)。

弊社が現在Win11インストール条件を満たさない最古参PCを使ってLinux Mint+LibreOffice+MCU開発ツールをテスト中なのは、Windows OS代替としてのLinux環境に慣れるためです。

Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォームアプリは、今後増えると思います。また、Windows仮想化アプリの性能向上も期待できます。アプリケーションファーストでOSを選択できる日も近いと思います。

Summary:Windows 11シェア低下の3背景

世界のWindowsシェア(2024年4月)
世界のWindowsシェア(2024年4月)

2024年4月現在、70%超のWin10世界シェアに対し、Win11シェアは25.65%と伸びていません。その背景を3つにまとめました。

  1. スタートメニュー広告表示やタスクバー上下位置などWin10比、Win11の操作性劣化
  2. MacOSやLinuxのWindowsアプリ仮想収容に対し、Win11のAndroidアプリ廃止
  3. クロスプラットフォームアプリ増加によるアプリケーションファーストOS選択が浸透中

Afterword:TPM 2.0役目とエッジAI

ネットカフェPCのOSは、日本ではWin11アップグレード要件TPM 2.0装備の最新PCでもWin10を使います。セキュリティ強化Win11 TPMと既存Win10操作性を比較し「セキュリティよりも操作性に軍配が上がった」からです。

もしWin11がWin10と同じ操作性でセキュリティ強化だけなら、ネットカフェPCは、順調にWin11へ移行していたと思います。次期Win11 24H2は、エッジAIを強化しPC生産性や操作性を向上させる可能性があります。

ネットカフェPCが、エッジAI強化Win11 24H2へ移行するか、または、Win10をサポート終了まで現状維持するのかは、観察が必要です。

Microsoft方針が、以下なら見通しも明るいと思いますが…。

  1. Win11操作性をWin10へ戻し、同時にAI強化を行う(Win11 24H2)
  2. Windows操作性を、AIが全て自動設定する(Win12 ?)

要するに、「他OSに無いWindows機能が、強化AIだ」とユーザに認識してもらうことが、今後のWindowsシェア伸長に必須なのです。Microsoft は、WindowsとエッジAI(Copilot)統合を狙うかもしれません。

さて、アプリケーションファーストのOS選択は、ネット検索をお好みのブラウザで行うのと似ています。ネット情報は同じでも、特徴がブラウザ毎に異なるため、効率的な結果取得に差が出るからです。

例えば、2024年4月現在日本ブラウザシェアは、1位Crome 57.6%、2位Safari 21.09%、3位Edge 14.98%、4位Firefox 3.3%、筆者が好きな広告非表示Braveは、圏外などです。

このような国別、地域別の様々なシェアを示してくれるのが、statcounterです。動向予測に便利です。


Windows 12 AIとNPU

Windows 12は、40TOPS以上のNPUが推薦要件になりそうです。TPM 2.0が、Win11アップグレード要件だったのと同様です。

クラウド電力不足解消のエッジAI半導体が、今年のPC CPUと組込みMCUのトレンドになりそうです。

40 TOPS以上NPUとは?

40TOPS以上のNPUは、かなり高性能PCやゲーミングPCを指す
40TOPS以上のNPUは、かなり高性能PCやゲーミングPCを指す

TOPS(Tera Operations Per Second)とは、1秒間に処理できるAI半導体の演算数です。

NPU(Neural Processing Unit)は、GPU(Graphic Processing Unit)処理の内、AI処理に特化した処理装置のことで、1TOPSなら1秒間に1兆回のAI演算が可能です。※GPU/NPUの違いは関連投稿参照。

例えば、GeForce RTX 3060クラスのGPUは約100TOPS、NPU内蔵最新Intel CPUは34TOPS、Apple M3は18TOPSの性能を持つと言われます。

つまり、40TOPS以上のNPU要件は、現状比、かなりの高性能PCやゲーミングPCを指します。

Windows 12のAI

現状のNPU処理は、Web会議の背景ぼかし、複数言語の同時翻訳、通話ノイズの除去など、主にローカルPCのリモート会議AI演算に使われます。COVID-19流行中のユーザ要望はこれらでした。

しかし、Microsoftが急速普及中のAIアシスタントCopilotは、PCユーザのAI活用を容易にし、AI関連処理はローカルNPUからクラウドデータセンターの利用へと変わりました。

AI活用がこのまま普及すると、世界のクラウド側電力不足は、避けられなくなります。このクラウド側対策が、電力効率100倍光電融合デバイスのNTT)光電融合技術です(関連投稿:IOWN)。

現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)
現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)

クラウドAI処理ではレスポンスも悪くなります。MicrosoftとIntelは、クラウド電力不足やタイムラグ対策に、ローカル(エッジ)AI PC、つまりNPU処理能力向上が、クラウドとエッジのAI処理分散になり重要と考えている、と筆者は思います。

組込みMCUのAI

AI活用や電力効率向上は、組込みMCUへも浸透しつつあります。

エッジAI MCUアプリケーションは、ポンプ異常検出、故障検出、顔認識、人物検出など広範囲に渡ります。

STマイクロは、次世代STM32MCU向けに18nm FD-SOIと相変化メモリを組み合わせた新プロセス技術を発表しました。これにより、従来比、電力効率50%以上、メモリ実装密度2.5倍、AI機能集積度3倍に向上します。量産は、2025年後半見込みです。

18nm FD-SOIと相変化メモリ技術を組み合わせた次世代STM32MCUプロセス(出典:STマイクロ)
18nm FD-SOIと相変化メモリ技術を組み合わせた次世代STM32MCUプロセス(出典:STマイクロ)

ルネサスは、組込み向け次世代AIアクセラレータを開発し、従来比、最大10倍の電力効率で高速AI処理を可能にしました。これにより、様々なエッジAI MCUアプリケーションに柔軟対応が可能です。

DRP-AIによる枝刈りAIモデルの高速化(出典:ルネサス)
DRP-AIによる枝刈りAIモデルの高速化(出典:ルネサス)

スマートフォンのAI

PCやMCUの一歩先を行くエッジAI活用が、現状のスマートフォン向けプロセサです。

顔認証や音声認識、スマホ写真の加工や暗い場所の撮影補正など、全てスマホ単独で、しかも高速AI処理を行っています。これらスマホの低電力高速AI処理に、NPU内蔵スマホプロセサが貢献しています。

PCは、スマホにない大画面を活かしたAI活用、MCUは、スマホ同様の低電力高速AI活用を目指しAI半導体を準備中なのが今年2024年と言えます。

Summary:AI半導体がPC/MCUトレンド

半導体は、供給に年単位の準備期間が必要です。最先端AI半導体であればなおさらです。

急速なAI活用や普及は、クラウド電力不足やユーザ要望変化をもたらし、解消にはハードウェアのエッジAI半導体が不可欠です。

PC/MCU業界は、どちらもAI半導体の安定供給に向け足並みを揃え準備中です。Microsoftが、ソフトウェアWindows 12提供を遅らせ、代わりにWin11 24H2としたのも足並み合わせのためと思います

足並みが揃った後のWindows 12推薦要件は、40 TOPS以上の高性能NPUになるかもしれません。
組込みMCUは、エッジAI活用と電力効率向上の新AI半導体製造プロセスに期待が高まっています。

PC、MCUどちらもAI半導体が2024年トレンドです。

Afterword:AI PC秘書/家庭教師

AI PC秘書と家庭教師イメージ
AI PC秘書と家庭教師イメージ

エッジAI PCのNPU性能が上がれば、秘書や家庭教師としてPCを活用できます。助けが必要な処理や不明な事柄は、AI PC秘書/家庭教師から得られるからです。2010年宇宙の旅のHAL 9000のイメージです。

AI PCがHAL 9000に近づけば、NPUがユーザ個人情報を学習し、ユーザ志向、能力レベル、癖などに基づいたAI回答を提供するでしょう。ブラウザが、ユーザ志向に沿った広告を表示するのと同じです。

個人情報は、セキュリティの点からクラウドよりも本来エッジPCが持つべきです。AI PCを秘書/家庭教師として活用する時は、個人情報を学習/保持する高性能NPUは必然だと思います。

TPMと似た性質をNPUも持つと言えます。40 TOPS以上のNPU必要性は、どの程度高度/高速なAI PC秘書/家庭教師を希望するかに依存します。個人的にはHAL 900は欲しいかな?

2024-04-06 追記:40 TOPS M.2生成AIアクセラレーションモジュール

HAILOからM.2フォームファクタへ追加できるWindows向け40 TOPS AIアクセラレータモジュールが発表されました。