Windows 10 1909トラブル回復録

年末年始の忙しい時に限って自作Windows PCにトラブルが発生するのは、日頃の行い、またはマーフィーの法則?

Backup PC(Windows 10 1903)のWindows 10 1909アップデートトラブルに続き、Main PC(Windows 10 1909)にもWindows起動トラブルが発生しました。Backup PCトラブルは、暫く様子見でも良いと考えていましたが、Main PC起動トラブルは、即回復が必要です。

Windows 10トラブル内容

Backup PCは、Windows 10 1903から1909への更新プログラムインストールに失敗するトラブルです(0x800F0922)。1903からの新機能追加も少ない1909への更新は、Backup PCのため急ぐ必要はありません。この更新失敗トラブルは少なくないようで、ネットに多くのトラブル対策があります。更新プログラム直接インストール、クリーンブードも既に試しましたが回復しません。

Main PCは、突然起動NGになりました。きっかけは、複数アプリケーション更新と更新履歴消去です。Boot起因ですので、自動修復やコマンドプロンプト手動修復も試しましたが回復しません。唯一の救いは、1909更新成功直後のシステムバックアップがあることです。

トラブル回復策

Main PCは、11月14日の1909更新直後のシステムリカバリで回復しました。但し、今回の起動トラブル発生までの約1か月間のユーザデータ更新とアプリケーションソフト更新が必要で、このために半日がつぶれます。また、Backup PCは、その症状から「最後の切り札」:1909クリーンインストールが必要かな?と感じていました。

そこで、Main PCでつぶれる半日で並列にBackup PCをクリーンインストールしようと決心した訳です。Main PCのアプリケーション更新時、Backup PCへのインストール必須アプリケーションも明確になります。退屈な回復作業ですが、PCの前から離れる訳にもいきません。2PC同時に回復することで、効率向上も狙えるかなと考えました。

トラブル回復作業と時間

ネットに溢れる回復作業内容よりも、作業に要した時間を示します。

もちろんPC性能やネットワーク環境で分単位精度は変わるでしょう。半年毎に繰返されるWindows 10更新トラブル対応の目安と考えてください。作業時間は、2PC回復トータルで丸1日程度です。が、精神的ダメージはかなりあります。Windows10更新トラブルがこのまま続くなら、Mac PCへの乗換を検討する程のダメージです。

Backup PC Windows 10 1909クリーンインストール作業時間

  1. Windows 1909クリーンインストール:10分(Microsoftアカウントに加え、新たにPINコード入力要求)
  2. クリーンインストール後のセットアップ:5分(OSセキュリティ内容などを設定)
  3. セットアップ後の更新プログラム適用:40分

最新Windows 10 1909クリーンインストール自体は、上記1時間程で完了します。これなら、毎回クリーンインストールしても良いと思える程簡単です。が、この後のアプリケーションインストール、ユーザデータ復活に時間が掛かります。

  1. セキュリティソフト、ブラウザ、FFFTP、圧縮解凍などOS必須ツールインストール:1時間
  2. Officeアプリケーションインストールと更新プログラム適用:3時間
  3. ベンダMCU開発ツールインストール:1時間
  4. ユーザデータ復活:1時間(クラウドストレージ経由ではなく回復Main PCより直接コピー)

合計で7時間~8時間(=丸一日)は、モニタ前で待たされます。並列で行ったMain PC回復作業も、システムリカバリと1か月間のユーザデータ復活で3時間程度です。Office(2010)アプリケーションインストールと更新は、LibreOfficeに比べ時間が掛かります。新しいOffice 2019/2016でも、同様に時間が掛かると思います。

※アプリケーションとユーザデータを引継いだままWindows 10 1909上書きインストールも可能です。しかし、Backup PCは、この上書きインストール(1.5時間)も失敗しました。更新プログラム直接インストール、クリーンブードと同様、「最後の切り札」より前の回復手段は、経験上あてになりません😫。

いろいろある回復手段を試して消費する合計時間と、「最後の切り札」で一発回復する上記8時間のどちらを選ぶかは、トラブル種類と回復作業内容・処理時間、個人の性格に依存します。本稿が参考になれば幸いです。

ビジネスPC要件

今回のトラブルで、筆者のWindows PCには、Mac PCへの乗換を妨げる利用アプリケーションは無いことが明確になりました。利用アプリケーション全てMac OS対応、または同等アプリケーションが有ります。

ビスネスPCのOSは?
信頼性重視ビスネスPCのOSはWindows、Mac、Unixのどれが良いか?

Mac PCの方が高性能なのでWindows PCより高価です。従って、このMac PC対Windows PC差額を払う分だけの信頼性が得られるか、費用対効果が乗換課題です(もちろん、経済的余裕と自作PCの楽しさが消えるのもありますが…)。

Backup PC、Main PCともに自作Windows PCですが、今回のようなOS起因トラブル無しで何年も動作し続けたPCです。ネットを見ると、Backup PCと同じ更新トラブルは、2019年最新WindowsノートPCでも発生しているようです。

以前のOS、特にWindows 7に比べ世間を騒がせるWindows 10更新トラブルは、Windows 10完成度・信頼性が低いとエンドユーザに感じさせるだけでなく、Microsoftの狙いは、OS更新毎に毎回Windowsをクリーンインストールさせ、アプリケーション本体は、Office 365のようにクラウド提供することが目的なのでは、という疑いを生じさせます。
OSクリーンインストールが短時間で簡単に終わり、OfficeアプリケーションのローカルPCインストールと更新にやたら時間が掛かることが根拠です。

ビジネスで使うPCは、Mac PC(Unixも含む)への乗換を考えるべき時期かもしれません。今後、Mac PC/OSのトラブルや回復方法も調べたいです。

LibreOffice Fresh 6.3.2更新

LibreOffice最新版/安定版と呼んでいたパッケージ名を、Fresh/Stillへ変更しました。“Fresh/still”は、公式ブログでは以前から使われていた名称で、今後は本ブログもこのFresh/Stillを使います。

9月26日、LibreOffice Fresh版が6.3.2へ更新されました。Still版は、6.2.7のままです。

LibreOffice版数(2019年9月29日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/9/26版数
Fresh 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.3.1 → 6.3.2
Still ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.2.7 (更新なし)

更新方法

LibreOffice Fresh版は、ヘルプ(H)>更新の確認(C)…の自動更新ができません。公式ダウンロードサイトから、32/64ビットを選択後6.3.2をダウンロードし、PCで実行すれば旧版に上書きインストールされます。

LibreOffice Fresh 6.3.2更新方法
LibreOffice Fresh 6.3.2更新方法

関連投稿

LibreOfficeに関する弊社関連投稿がありますのでご覧ください。また、右側カテゴリで、LibreOfficeをクリックすると、LibreOfficeに関する全投稿がご覧いただけます。

LibreOffice Fresh 6.3系とStill 6.2系の機能差
LibreOffice FreshとMicrosoft Office 2019/365の機能差
LibreOffice Writerの無料テンプレートの4章(テンプレートは、版数が変わっても使えます)
LibreOffice Drawの無料テンプレートの4章(テンプレートは、版数が変わっても使えます)

LibreOfficeセキュリティ重視更新とPotable版

通常LibreOffice更新間隔は、最新版が1か月、安定版は3か月です。今回、最新版/安定版ともに前回8月メジャー更新から1か月後の9月5日、バグ対応とセキュリティ重視の更新が発表されました。
※更新内容は、発表を参照してください。旧版からの設定など特に変更する必要はないと思います。

LibreOffice版数(2019年9月11日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/9/5版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.3.0 → 6.3.1
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.2.6 → 6.2.7

更新方法

旧版でヘルプ(H)>更新の確認(C)…をクリックすると、下記ダイアログが表示されます。

LibreOffice 6.3.0の更新ダイアログ
LibreOffice 6.3.0の更新ダイアログ

自動更新できないため、公式ダウンロードサイトから手動で最新版/安定版のダウンロードとインストールが必要です。ダウンロード(D)クリックで、公式サイトへジャンプします。

LibreOffice Potable版は自動更新可能

USBメモリにインストールするLibreOffice Potable版は、自動更新が可能です。

PCにLibreOfficeをインストールせず使ってみたい方、Officeのように自動更新を希望する方は、Windowsのみ対応中のLibreOffice Potable版をUSBメモリにインストールします。Potable版は、PC版更新から数日遅れで自動的に更新を検出し、常に最新のLibreOffice(最新版/安定版)が利用可能です。

LibreOffice Potable版インストール方法

1) PotableApps.comからマルチ言語/プラットフォーム対応のアプリランチャーをダウンロードし、USBメモリへインストールします(無償、日本語版あり)。

2) インストール後、起動パネルのアプリの管理>もっとアプリケーションを入手する…>カテゴリ順、クリックで下記ダイアログが表示されます。

最新版LibreOffice Potable 6.3.1と安定版LibreOffice Potable 6.2.6 (Still)のダウンロード
最新版LibreOffice Potable 6.3.1と安定版LibreOffice Potable 6.2.6 (Still)のダウンロード

オフィスカテゴリのLibreOfficeに☑を入れると最新版LibreOffice Potable版6.3.1が、LibreOffice Stillの☑を入れると安定版LibreOffice Potable版6.2.6がUSBメモリへインストールされます。

3) アプリランチャーは、起動時にLibreOffice更新を確認し、更新時は自動的にアップデートします(USBメモリなので、更新に多少処理時間が掛かりますが、再インストールの手間は省けます)。

アプリランチャーには、LibreOffice Potable版以外にも、下図に示すように主要ブラウザ、GIMPなど多くのインストールできるアプリケーションがあります。出先のPCでLibreOffice利用や、Office文書編集などに重宝します。

PotableApps.comへインストールできるアプリケーション
PotableApps.comへインストールできるアプリケーション

LibreOffice最新版、安定版メジャー更新

前回投稿の予想通り8月8日にLibreOffice最新版、安定版ともにメジャー更新されました。

LibreOffice版数(2019年8月20日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/8/14版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.5 → 6.3.0
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.6 → 6.2.5 → 6.2.6

※追記:8月14日、6.2系安定版を再改版し、6.2.6となりました。

公式LibreOfficeダウンロードサイトの配布版数は、6.3.0と6.2.6、6.1.6です。6.2系最後の最新版を改版し安定版6.2.6にしました。超安定版を望む方は、6.1系最後の6.1.6もダウンロード可能という構成です。

LibreOffice 6.3系の新機能

初めてのLibreOffice 6.3起動時に、リリースノート(日本語)への誘導と、1日に1回、日替りヒント(英語)が表示されるようになりました。

LibreOffice 6.3のリリースノート通知と日替りヒント
LibreOffice 6.3のリリースノート通知と日替りヒント

また、Writer/Calcは、パフォーマンス向上、Writer/Drawには、ユーザ処理に応じて自動的にツールバーが変わる「状況依存1行」という新ユーザインタフェース(次章参照)が追加されました。

その他、PDF印刷時の墨消し機能追加など多くの機能追加・改善がリリースノートを見ると解ります。

LibreOffice 6.3の墨消しPDF印刷機能
LibreOffice 6.3の墨消しPDF印刷機能(出典:リリースノート)

Writer/Drawの新ツールバー:状況依存1行

ユーザの処理対象が、文書か図形かに応じて表示中の1行ツールバーを動的に変え、表示エリアの有効活用を図るのが、Writer/Drawの新ツールバー:状況依存1行です。

WriterとDrawの新ユーザインタフェース:状況依存1行
WriterとDrawの新ユーザインタフェース:状況依存1行

多くのツールバーを常時表示するよりも編集対象に応じたツールバー表示で編集エリアを広くとれるので、より作業に集中できます。ツールバー履歴を活用し、使用頻度が高いツールバーを表示するようになるかもしれません。数多いツールバー機能を、ユーザへ上手く使ってもらう支援方法としては良くできていると思います。

LibreOffice最新版6.2.5へ更新

LibreOffice版数(2019年7月9日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/7/4版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.4 → 6.2.5
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.6(変更なし)

2019年7月4日、パワーユーザ向け新機能を盛り込んだLibreOffice最新版が、6.2.5へマイナー更新されました。安定版は、6.1.6のままです。マイナー更新方法無料テンプレートなどは、リンク先投稿を参照してください。

マイナー更新間隔とメジャー更新予測

マイナー更新実績、下線はメジャー更新予測
パッケージ 更新月日(版数)
最新版 2019/04/19 (6.2.3) → 2019/05/22 (6.2.4) → 2019/07/04 (6.2.5) → 2019/08 (6.3)?
安定版 2019/02/07 (6.1.5) → 2019/05/09 (6.1.6) → 2019/08 (6.2)?

現在LibreOffice提供中のダウンロード版数は、6.2.56.2.4、それと6.1.6です(全て日本語版)。安定版は6.1系のまま、最新版は6.2系で更新中です。

最新版の更新間隔は、おおよそ1か月、安定版は3か月です。最新版は、次回6.3系へのメジャー更新が8月に予定されており、このタイミングで安定版も6.2系へメジャー更新すると思います。

LibreOffice 6.1系と6.2系の差は、こちらの投稿のノートブックバー章を参照してください。

LibreOffice 6.2系の個人評価

筆者は、今年2月からノートブックバーが採用されたLibreOffice最新版6.2系を代々使い続けています。バグにも遭遇せず便利にDraw/WriterをWindows 10 1903で使用中です。

6.3系でどのような機能が追加されるかは分りませんが、個人的にはMicrosoft Office代替としてLibreOfficeはお勧めです。

LibreOffice6.2系とMicrosoft Office 2019/365との機能比較は、こちらの投稿の比較表を参照してください。

ユーザ目線Windows 10 1903更新方法

Windows 10サポート期限は、年2回の大型更新後、1年と半年です。つまり、1809なら2019年末まで。2020年1月14日のWindows 7に比べ超短期です。Windows 10ユーザは、大型更新1903 May Update(19H1)への対応は必須なのです。

前回の1809更新トラブルをまぬかれた筆者を含むラッキーなWin10ユーザが、今回の1903更新をどのように乗り切るかについて私案を示します。

3つの1903更新方法

Microsoftは、前回1809更新一斉配布→トラブル頻発の反省から、今回1903は、段階的配布に変えたそうです。それでも、前回同様、1903も重大な更新トラブルの記事、情報が多くあります。

関連投稿:LibreOffice最新版6.2.4更新のWindows 10 May Update章

この段階的配布により、いつ始まるか判らない自分のPCの1903更新への対応法は、3つあります。

  1. 主体的に1903更新開始:例えば開発が一段落したなどユーザの都合が良い時に、ユーザ自身で1903更新を開始
  2. 受動的に1903更新受付:1903更新開始は、PCにお任せ、ユーザもそれに従う。多くの記事で推薦。
  3. 受動的に1903更新受付、更新延長の場合あり:1903更新の開始は、PCにお任せ。但し、ユーザの都合が悪い場合は、一時的に1903更新を延長

1:主体的に1903更新開始

1903段階的配布の目的は、徐々に明らかになる更新トラブルに対する策を、Microsoftが通常のUpdateで大型更新前に実施し、トラブル発生頻度を少なくすることです。多くの記事が、1903更新をひたすら待てというのは、Microsoftのこの意図を汲んだ結果です。

従って、主体的に1903更新の開始をする時は、更新トラブルの覚悟が必要です。方法は、「何回か更新プログラムのチェック」を押すことです。これにより主体的更新をMicrosoftが検知し更新が始まります。

ユーザメリットは、当然事前にシステムバックアップをしており、万一のトラブルが発生しても自己責任なので精神的に安定して回復できることです。トラブル発生時には回復し、2または3の選択肢となります。

2:受動的に1903更新受付

朗報です。1903からは、Homeユーザでも最大35日の大型更新延長が可能になったそうです。この機能は、次の大型更新後にその効果が明らかになるでしょう。

しかし、現行の1809 Windows Homeユーザには、大型更新延長機能がありません。例えユーザ都合が悪くても、開始した1903更新を受入れる以外に手はありません。

段階的配布で自分のPCの順番が来るのを待ち、トラブルが無い1903更新完了を祈りましょう。

3:受動的に1903更新受付、更新延長の場合あり

1809 Windows Pro以上のユーザが取りえる現在最も大型更新のトラブルリクスが少ない可能性がある方法です。

大型更新を延長する方法は、「更新開始前」に、Windows Updateの下記詳細オプションを設定します。

大型更新の延長設定
大型更新の延長設定(1809 ProのWindows Update詳細オプションデフォルト状態)

赤枠、これは更新インストールの制御であって、更新プログラムはPCへダウンロードされます。一方、橙枠の一時停止は、更新プログラムも再度ダウンロードする必要があります。どちらも、自分のPCに段階的配布順番が回ってきたのは同じですが、橙枠は、再び更新プログラムの配布を待たねばなりません。

いずれも、PCの通知アイコンや、いつもと違う大型更新プログラムダウンロード中の挙動にユーザが気づく必要があります。忙しくてこの挙動に気が付かずにいると、何らかのトラブルが発生する可能性もあります。

その理由は、上記更新延長機能を確かめた記事、情報が見当たらないからです。これらユーザに嬉しい機能はあっても、本当に機能するかは確かめようがありません。

1903大型更新リスクとまとめ

対応案 更新トラブル発生確率 トラブル時のユーザ精神安定度
1. 主体的に1903更新開始 +++ +++
2. 受動的に1903更新受付
3. 受動的に1903更新受付+延長 ++ ++

色々な記事、情報が言うように、受動的に1903更新開始を待つのが大型更新トラブル回避としては、得策なようです。次回、秋の大型更新よりも前までに1903更新完了を待てる方は、リスクが少ない2の対応が良いでしょう。

ちなみに、1903更新でユーザが得られる新機能として筆者が良いなと思うのは、マウスポインタの大きさが大きくなるくらいですが…。

但し、ベンダ純正PCであっても事前にあらゆる組合せに対するトラブル回避策を施すことは不可能です。例えば、自作組込みPCや後付けパーツを組み込んだ純正PCなどに対しては、2や3の対応でもトラブル発生の可能性は、1と大差なしと言えるかもしれません。

更新開始を待ったのに運悪く2や3の対策でも更新トラブルになった時、回復できるバックアップがどの時点のものかが重要です。最悪イニシャルに回復するしかない場合、インストールしたアプリケーションやそれまでのユーザデータは無になります。時間的、精神的にも、かなりの負担です。

更新開始タイミングが主体的な1の対応のみが、最悪イニシャルを避ける策でしょう。

結局、頻繁なシステムとユーザデータバックアップのみが、大型更新トラブル回避策だと筆者は思います。更新開始を主体的にするか、受動的にするのかは、トラブル発生時の精神的な影響に差を生むのみだと思います。

1903 May Updateをどのように乗り切るかについて私案を示しました。筆者自身、どの策にするか未定ですが、ご参考になれば幸いです。

LibreOffice最新版6.2.4更新とLibreOffice 6.2と6.1の差

LibreOffice版数(2019/05/26現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/5/22版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.3 → 6.2.4
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.6(5月9日更新)

2019年5月22日、パワーユーザ向け新機能を盛り込んだLibreOffice最新版が、6.2.4へマイナー更新されました。安定版も5月9日、6.1.6へ更新済みです。

マイナー更新方法やWriter/Draw無料テンプレートなどは、関連投稿を参照してください。LibreOffice 6.2.4の更新内容は、公式ブログで解ります。

LibreOffice 6.2.4とMicrosoft Office 2019 / 365機能比較

LibreOffice 6.2.4とMicrosoft Office 2019 / 365の色分けされた詳細な機能比較が一覧できます。緑は同等、黄は劣る、赤がサポートなしを示します。

LibreOfficeはクロスプラットフォーム(Win/Mac/Unix)動作で無償、Microsoft Officeはもちろん有償です。会社で使う分には有償で良くても、個人レベルでは価格は無視できません。

この機能比較一覧を見れば、気になる機能のLibreOfficeサポート状況を確認できます。
強調したいのは、新旧Microsoft Office文書の編集作業がLibreOfficeで可能な点です。LibreOffice一押しの利点です。

LibreOffice Writer文書テンプレートの保存方法
LibreOffice Writer文書テンプレートの保存方法。Microsoft Word互換性を実現する様々な保存方法があるのも解る。

ただ操作性が異なるので、LibreOffice導入をためらう方もいると思います。そこで、本稿は、LibreOfficeの操作性と、LibreOffice最新版6.2系と安定版6.1系の違いを説明します。

LibreOffice 6.2と6.1の差:ノートブックバー

6.2系:6.2.xと6.1系:6.1.yの最大差は、ノートブックバーと呼ばれるツールバーです。

新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのグループコンパクト。コマンドをよりコンパクトにカスタマイズ表示できる。
新UIのグループコンパクト。コマンドをよりコンパクトにカスタマイズ表示できる。

ノートブックバーという名が示すように、表示エリアが小さいノートPCでも効率的に作業ができる工夫がツールバーに施されています。

このノートブックバーも関連投稿がありますが、動画(日本語字幕付き)の方が解り易いと思います。安定版をご利用中の方は、ノートブックバーで操作性がかなり改善されたと思います。参考にしてください。

一度でもこの動画を見ていれば、LibreOfficeの操作性は、Microsoft Officeのそれに近く、特に操作を覚える必要が無く使えることがお判りになると思います。使いにくいと思われる箇所、例えばツールバーアイコンサイズなどでも、LibreOfficeはカスタマイズ可能です。

Windows 10 May 2019 Update

Windows 10 1903:19H1提供が始まりました。窓の杜のコチラの記事に注意事項がまとまられています。

筆者が特に注意が必要だと思うのは、SDカードなど外付けメディアをPCから取り外してから更新が必要な点です。
対策に修正プログラム提供予定だそうですが…、あくまでも緩和策です。記事によると根本対策は、ひたすら自動配信を待つことだそうです。

せっかちで待つのは不得意な筆者は、頻繁なシステムバックアップが頼りです。読者の方々もご注意を!

LibreOffice最新版6.2.3へ更新

LibreOffice版数(2019/04/20現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/4/18版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.2 → 6.2.3
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.5(変更なし)

2019年4月19日、パワーユーザ向けに新機能を盛り込んだLibreOffice最新版が、6.2.3へマイナー更新されました。安定版は、6.1.5のままです。更新方法や無料テンプレートなどは、関連投稿を参照してください。

新元号「令和」への対応など90件以上の不具合修正が行われたそうです。筆者は、今回の更新でDrawサムネイル表示が、最後に編集したページになったことが気に入っています。

LibreOfficeのDraw
LibreOffice最新版6.2.3のDraw。最後に編集したサムネイル表示が気に入っています。

普通に使っていれば、最新版でも一度も不具合に遭遇したことはありません。しかも、上記サムネイル表示のように細かな改良が進み、使い易く、無料、マルチOS対応など、ビジネスツールとしての要件をLibreOfficeは満たしています。

Microsoft Officeとの一番の違いは更新時のユーザへの気配り

ユーザに対して、最新版と安定版のパッケージが2つあること、マイナー更新は、ユーザが主体的に更新を行うことが、Microsoft Officeの更新手法との違いです。

安定志向ユーザは、何回かの最新版リリース後のほぼ不具合が発生しにくい版数のインストールを行うので、より安全です。また、むやみやたらの更新に対して気に病む必要もありません。

筆者は、最新版ユーザですが、月1回程度の更新にも安定志向ユーザと同様前向きです。万一不具合が発生しても、ユーザデータはそのままで、簡単に前の版数にロールバックできるからです。

一方、Officeに限らずMicrosoft製品の更新には、緊張感と事前準備をユーザに求めます。“気軽にバージョンアップしても大丈夫? 最新版「Office」運用で気を付けたい落とし穴”というIT media記事にその原因が説明されています。

C2R:Click to Runの思想

記事によると、Microsoftの新しいアプリケーションインストール形式、C2R:Click to Runは、実行時に最新の差分バイナリを取得し、常に最新バージョンのみをユーザへ提供する仕様です。しかも、万一の不具合に対して、簡単なロールバックができないようです。ユーザ対応としては、システムバックアップなどの準備が必要になりそうです。

ソフトウェアには、不具合は避けられません。十分なテストを行っても100%フリーは無理です。ユーザもこれは認識しています。問題は、不具合を被るユーザへの対応・気配りが、安心感を与えるのか、緊張感を与えるのかだと思います。

このユーザ対応は、一種の製品思想です。Microsoft Officeはビジネスツールの先駆者だけでなく、今や普通の生活に欠かせない普通の人々が使うソフトウェアです。LibreOfficeの安定版相当を提供する思想があっても良いと思うのは筆者だけでしょうか?

LibreOffice新ツールバー追加し最新版、安定版ともに更新

2019年2月7日LibreOfficeが最新版、安定版ともに新しいツールバー:NotebookBarを導入し更新されました。
本更新は、マイナー更新に相当しますので、ウェブサイトから更新版ダウンロードとインストールが必要です。

LibreOffice版数(2019/02/10現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/2/7版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ 6.1.4 → 6.2.0
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ 6.0.7 → 6.1.5

関連投稿:LibreOffice更新、メジャー/マイナー更新の章参照

LibreOffice公式Twitterに、LibreOffice6.2の新機能紹介動画(4:33)があります。ツールバー以外にも改善箇所がありますので、この動画をご覧になれば更新内容が解ります。本稿はこれらのうち、新ツールバー:ノートブックバーを説明します。

新ツールバー:ノートブックバーの使い方

ノートブックバーは、従来からある標準ツールバーなどへ「追加された」ツールバーで、より柔軟で少ない面積にコマンドをカスタマイズ表示できます。リボンツールバーへ「一挙に全て変えて」ユーザを戸惑わせるMicrosoft Officeよりも良心的です😅。

そのノートブックバーは、デフォルトでは表示されません。表示(V)>ユーザーインタフェース(I)>で、タブ(D)、または、グループバーコンパクト(E)で利用可能になります。ノートブックバーは、この追加された2種類のユーザーインタフェース:UIの総称と考えれば良いでしょう。

標準ツールバーから新ツールバー:ノートブックバーの表示方法
標準ツールバーから新ツールバー:ノートブックバーの表示方法

一言でいえば、タブ(D)は、Microsoft Office 2010のUIにより近く、グループバーコンパクト(E)は、よりコンパクトかつカスタマイズできるツールバーだと思います。

新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのグループコンパクト。コマンドをグループ分け、よりコンパクトにカスタマイズ表示できる。
新UIのグループコンパクト。コマンドをグループ分け、よりコンパクトにカスタマイズ表示できる。

また、オプション(O)の表示でUI表示のアイコンサイズも自動、小、大の選択が可能です。

UIのアイコンサイズも変更可能
UIのアイコンサイズも変更可能

標準ツールバーに戻すときは、右端のハンバーガーメニュー、または、メニュー(M)でユーザインタフェース(I)が表示されますので簡単です。

タブから標準ツールバーへ戻す方法
タブから標準ツールバーへ戻す方法

文章や資料作成時は、内容や構成に集中しています。頻繁に利用するコマンドは、数個だと思いますので、色々カスタマイズしてご自分の使いやすいUIにすれば作成効率も上がります。Officeに慣れた方でも、今回のノートブックバー追加で、よりLibreOfficeへの移行が簡単になると思います。

弊社は、LibreOffice WriterとDrawの使い方、実務で使えるテンプレートを下記関連投稿で配布中ですのでご活用ください。
関連投稿:実務LibreOffice Writerカスタマイズ
関連投稿:LibreOffice Drawの使い方とテンプレート

Office 2010代替と1809トラブル対策

今年になってExcel 2010が正常に起動しないなどトラブル続出で、RS5:1809のUpdateトラブルも含めるとMicrosoft技術力低下を疑わせる状態が続いています。最先端技術牽引企業ですのでやむを得ないことは承知しておりますが、ビジネスツールとしてはひどいレベルです。19H1:1903は、順番で言うと安定チーム(?)が開発担当してくれるかもしれませんので、改善を期待しております。

本稿で示したLibreOfficeは、Windows/Mac/Unix上で使え、新旧Office文書互換、しかも無償、更新や機能追加方法も安全志向です。2020年10月13日でサポートが終了するOffice 2010、その他Office2019/2016/2013代替、Windowsトラブル対策としてもLibreOffice導入を検討されてはいかがでしょう?

LibreOffice最新版 6.1.4.2へ更新

2018年12月18日、LibreOffice 6系の最新版(stable)がマイナー更新され、バージョンが6.1.4.2になりました。
安定版(stable)は更新なしです。

LibreOffice版数(2018/12/20現在)
パッケージ 想定ユーザ 2018/12/18版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ 6.1.3.2 → 6.1.4.2
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ 6.0.7 (変更なし)

6.1.4.2マイナー更新

マイナー更新ですので、LibreOfficeウェブサイトから最新版6.1.4をダウンロードし、実行で更新完了します。

関連投稿:LibreOffice更新のメジャー/マイナー更新方法

@libreofficeさんのツイートによると、125以上のバグ修正がなされたようです(個人的には前版でもWriter、Calc、Drawいずれもバグに遭遇していませんが…😅)。最新版ご利用中の方は、更新しておけば安心です。

年末年始の時間を利用しLibreOfficeを試そうと考えている方は、是非最新版を使ってみてください。また、弊社は、WriterとDrawに対して下記無料テンプレートを配布中です。ご活用ください。

関連投稿:LibreOffice Writerの使い方とテンプレート
関連投稿:LibreOffice Drawの使い方とテンプレート

Office 2019延長サポート終了はOffice 2016と同じ2025年

対抗ソフトウェアの状況を調べました。Microsoft Office 2019は、延長サポート期間が、従来5年から約2年に短縮されるそうです。つまり、Office 2016延長サポート終了の2025年10月と同じになるのです。

Windows10のみで動作するOffice 2019は、最後の売切りタイプのOfficeという観測もあります。Microsoftは、サブスクリプションタイプのOffice 365へ一本化したいようです。

私個人としては、クロスプラットフォーム(Windows/Mac/Unix)でローカル動作し、既存Office文書への互換性も高い無償LibreOfficeが、PC文書作成ツールとしてはお勧めです。