ユーザ目線Windows 10 1903更新方法

Windows 10サポート期限は、年2回の大型更新後、1年と半年です。つまり、1809なら2019年末まで。2020年1月14日のWindows 7に比べ超短期です。Windows 10ユーザは、大型更新1903 May Update(19H1)への対応は必須なのです。

前回の1809更新トラブルをまぬかれた筆者を含むラッキーなWin10ユーザが、今回の1903更新をどのように乗り切るかについて私案を示します。

3つの1903更新方法

Microsoftは、前回1809更新一斉配布→トラブル頻発の反省から、今回1903は、段階的配布に変えたそうです。それでも、前回同様、1903も重大な更新トラブルの記事、情報が多くあります。

関連投稿:LibreOffice最新版6.2.4更新のWindows 10 May Update章

この段階的配布により、いつ始まるか判らない自分のPCの1903更新への対応法は、3つあります。

  1. 主体的に1903更新開始:例えば開発が一段落したなどユーザの都合が良い時に、ユーザ自身で1903更新を開始
  2. 受動的に1903更新受付:1903更新開始は、PCにお任せ、ユーザもそれに従う。多くの記事で推薦。
  3. 受動的に1903更新受付、更新延長の場合あり:1903更新の開始は、PCにお任せ。但し、ユーザの都合が悪い場合は、一時的に1903更新を延長

1:主体的に1903更新開始

1903段階的配布の目的は、徐々に明らかになる更新トラブルに対する策を、Microsoftが通常のUpdateで大型更新前に実施し、トラブル発生頻度を少なくすることです。多くの記事が、1903更新をひたすら待てというのは、Microsoftのこの意図を汲んだ結果です。

従って、主体的に1903更新の開始をする時は、更新トラブルの覚悟が必要です。方法は、「何回か更新プログラムのチェック」を押すことです。これにより主体的更新をMicrosoftが検知し更新が始まります。

ユーザメリットは、当然事前にシステムバックアップをしており、万一のトラブルが発生しても自己責任なので精神的に安定して回復できることです。トラブル発生時には回復し、2または3の選択肢となります。

2:受動的に1903更新受付

朗報です。1903からは、Homeユーザでも最大35日の大型更新延長が可能になったそうです。この機能は、次の大型更新後にその効果が明らかになるでしょう。

しかし、現行の1809 Windows Homeユーザには、大型更新延長機能がありません。例えユーザ都合が悪くても、開始した1903更新を受入れる以外に手はありません。

段階的配布で自分のPCの順番が来るのを待ち、トラブルが無い1903更新完了を祈りましょう。

3:受動的に1903更新受付、更新延長の場合あり

1809 Windows Pro以上のユーザが取りえる現在最も大型更新のトラブルリクスが少ない可能性がある方法です。

大型更新を延長する方法は、「更新開始前」に、Windows Updateの下記詳細オプションを設定します。

大型更新の延長設定
大型更新の延長設定(1809 ProのWindows Update詳細オプションデフォルト状態)

赤枠、これは更新インストールの制御であって、更新プログラムはPCへダウンロードされます。一方、橙枠の一時停止は、更新プログラムも再度ダウンロードする必要があります。どちらも、自分のPCに段階的配布順番が回ってきたのは同じですが、橙枠は、再び更新プログラムの配布を待たねばなりません。

いずれも、PCの通知アイコンや、いつもと違う大型更新プログラムダウンロード中の挙動にユーザが気づく必要があります。忙しくてこの挙動に気が付かずにいると、何らかのトラブルが発生する可能性もあります。

その理由は、上記更新延長機能を確かめた記事、情報が見当たらないからです。これらユーザに嬉しい機能はあっても、本当に機能するかは確かめようがありません。

1903大型更新リスクとまとめ

対応案 更新トラブル発生確率 トラブル時のユーザ精神安定度
1. 主体的に1903更新開始 +++ +++
2. 受動的に1903更新受付
3. 受動的に1903更新受付+延長 ++ ++

色々な記事、情報が言うように、受動的に1903更新開始を待つのが大型更新トラブル回避としては、得策なようです。次回、秋の大型更新よりも前までに1903更新完了を待てる方は、リスクが少ない2の対応が良いでしょう。

ちなみに、1903更新でユーザが得られる新機能として筆者が良いなと思うのは、マウスポインタの大きさが大きくなるくらいですが…。

但し、ベンダ純正PCであっても事前にあらゆる組合せに対するトラブル回避策を施すことは不可能です。例えば、自作組込みPCや後付けパーツを組み込んだ純正PCなどに対しては、2や3の対応でもトラブル発生の可能性は、1と大差なしと言えるかもしれません。

更新開始を待ったのに運悪く2や3の対策でも更新トラブルになった時、回復できるバックアップがどの時点のものかが重要です。最悪イニシャルに回復するしかない場合、インストールしたアプリケーションやそれまでのユーザデータは無になります。時間的、精神的にも、かなりの負担です。

更新開始タイミングが主体的な1の対応のみが、最悪イニシャルを避ける策でしょう。

結局、頻繁なシステムとユーザデータバックアップのみが、大型更新トラブル回避策だと筆者は思います。更新開始を主体的にするか、受動的にするのかは、トラブル発生時の精神的な影響に差を生むのみだと思います。

1903 May Updateをどのように乗り切るかについて私案を示しました。筆者自身、どの策にするか未定ですが、ご参考になれば幸いです。

LibreOffice最新版6.2.4更新とLibreOffice 6.2と6.1の差

LibreOffice版数(2019/05/26現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/5/22版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.3 → 6.2.4
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.6(5月9日更新)

2019年5月22日、パワーユーザ向け新機能を盛り込んだLibreOffice最新版が、6.2.4へマイナー更新されました。安定版も5月9日、6.1.6へ更新済みです。

マイナー更新方法やWriter/Draw無料テンプレートなどは、関連投稿を参照してください。LibreOffice 6.2.4の更新内容は、公式ブログで解ります。

LibreOffice 6.2.4とMicrosoft Office 2019 / 365機能比較

LibreOffice 6.2.4とMicrosoft Office 2019 / 365の色分けされた詳細な機能比較が一覧できます。緑は同等、黄は劣る、赤がサポートなしを示します。

LibreOfficeはクロスプラットフォーム(Win/Mac/Unix)動作で無償、Microsoft Officeはもちろん有償です。会社で使う分には有償で良くても、個人レベルでは価格は無視できません。

この機能比較一覧を見れば、気になる機能のLibreOfficeサポート状況を確認できます。
強調したいのは、新旧Microsoft Office文書の編集作業がLibreOfficeで可能な点です。LibreOffice一押しの利点です。

LibreOffice Writer文書テンプレートの保存方法
LibreOffice Writer文書テンプレートの保存方法。Microsoft Word互換性を実現する様々な保存方法があるのも解る。

ただ操作性が異なるので、LibreOffice導入をためらう方もいると思います。そこで、本稿は、LibreOfficeの操作性と、LibreOffice最新版6.2系と安定版6.1系の違いを説明します。

LibreOffice 6.2と6.1の差:ノートブックバー

6.2系:6.2.xと6.1系:6.1.yの最大差は、ノートブックバーと呼ばれるツールバーです。

新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのグループコンパクト。コマンドをよりコンパクトにカスタマイズ表示できる。
新UIのグループコンパクト。コマンドをよりコンパクトにカスタマイズ表示できる。

ノートブックバーという名が示すように、表示エリアが小さいノートPCでも効率的に作業ができる工夫がツールバーに施されています。

このノートブックバーも関連投稿がありますが、動画(日本語字幕付き)の方が解り易いと思います。安定版をご利用中の方は、ノートブックバーで操作性がかなり改善されたと思います。参考にしてください。

一度でもこの動画を見ていれば、LibreOfficeの操作性は、Microsoft Officeのそれに近く、特に操作を覚える必要が無く使えることがお判りになると思います。使いにくいと思われる箇所、例えばツールバーアイコンサイズなどでも、LibreOfficeはカスタマイズ可能です。

Windows 10 May 2019 Update

Windows 10 1903:19H1提供が始まりました。窓の杜のコチラの記事に注意事項がまとまられています。

筆者が特に注意が必要だと思うのは、SDカードなど外付けメディアをPCから取り外してから更新が必要な点です。
対策に修正プログラム提供予定だそうですが…、あくまでも緩和策です。記事によると根本対策は、ひたすら自動配信を待つことだそうです。

せっかちで待つのは不得意な筆者は、頻繁なシステムバックアップが頼りです。読者の方々もご注意を!

LibreOffice最新版6.2.3へ更新

LibreOffice版数(2019/04/20現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/4/18版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.2 → 6.2.3
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.5(変更なし)

2019年4月19日、パワーユーザ向けに新機能を盛り込んだLibreOffice最新版が、6.2.3へマイナー更新されました。安定版は、6.1.5のままです。更新方法や無料テンプレートなどは、関連投稿を参照してください。

新元号「令和」への対応など90件以上の不具合修正が行われたそうです。筆者は、今回の更新でDrawサムネイル表示が、最後に編集したページになったことが気に入っています。

LibreOfficeのDraw
LibreOffice最新版6.2.3のDraw。最後に編集したサムネイル表示が気に入っています。

普通に使っていれば、最新版でも一度も不具合に遭遇したことはありません。しかも、上記サムネイル表示のように細かな改良が進み、使い易く、無料、マルチOS対応など、ビジネスツールとしての要件をLibreOfficeは満たしています。

Microsoft Officeとの一番の違いは更新時のユーザへの気配り

ユーザに対して、最新版と安定版のパッケージが2つあること、マイナー更新は、ユーザが主体的に更新を行うことが、Microsoft Officeの更新手法との違いです。

安定志向ユーザは、何回かの最新版リリース後のほぼ不具合が発生しにくい版数のインストールを行うので、より安全です。また、むやみやたらの更新に対して気に病む必要もありません。

筆者は、最新版ユーザですが、月1回程度の更新にも安定志向ユーザと同様前向きです。万一不具合が発生しても、ユーザデータはそのままで、簡単に前の版数にロールバックできるからです。

一方、Officeに限らずMicrosoft製品の更新には、緊張感と事前準備をユーザに求めます。“気軽にバージョンアップしても大丈夫? 最新版「Office」運用で気を付けたい落とし穴”というIT media記事にその原因が説明されています。

C2R:Click to Runの思想

記事によると、Microsoftの新しいアプリケーションインストール形式、C2R:Click to Runは、実行時に最新の差分バイナリを取得し、常に最新バージョンのみをユーザへ提供する仕様です。しかも、万一の不具合に対して、簡単なロールバックができないようです。ユーザ対応としては、システムバックアップなどの準備が必要になりそうです。

ソフトウェアには、不具合は避けられません。十分なテストを行っても100%フリーは無理です。ユーザもこれは認識しています。問題は、不具合を被るユーザへの対応・気配りが、安心感を与えるのか、緊張感を与えるのかだと思います。

このユーザ対応は、一種の製品思想です。Microsoft Officeはビジネスツールの先駆者だけでなく、今や普通の生活に欠かせない普通の人々が使うソフトウェアです。LibreOfficeの安定版相当を提供する思想があっても良いと思うのは筆者だけでしょうか?

LibreOffice新ツールバー追加し最新版、安定版ともに更新

2019年2月7日LibreOfficeが最新版、安定版ともに新しいツールバー:NotebookBarを導入し更新されました。
本更新は、マイナー更新に相当しますので、ウェブサイトから更新版ダウンロードとインストールが必要です。

LibreOffice版数(2019/02/10現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/2/7版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ 6.1.4 → 6.2.0
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ 6.0.7 → 6.1.5

関連投稿:LibreOffice更新、メジャー/マイナー更新の章参照

LibreOffice公式Twitterに、LibreOffice6.2の新機能紹介動画(4:33)があります。ツールバー以外にも改善箇所がありますので、この動画をご覧になれば更新内容が解ります。本稿はこれらのうち、新ツールバー:ノートブックバーを説明します。

新ツールバー:ノートブックバーの使い方

ノートブックバーは、従来からある標準ツールバーなどへ「追加された」ツールバーで、より柔軟で少ない面積にコマンドをカスタマイズ表示できます。リボンツールバーへ「一挙に全て変えて」ユーザを戸惑わせるMicrosoft Officeよりも良心的です😅。

そのノートブックバーは、デフォルトでは表示されません。表示(V)>ユーザーインタフェース(I)>で、タブ(D)、または、グループバーコンパクト(E)で利用可能になります。ノートブックバーは、この追加された2種類のユーザーインタフェース:UIの総称と考えれば良いでしょう。

標準ツールバーから新ツールバー:ノートブックバーの表示方法
標準ツールバーから新ツールバー:ノートブックバーの表示方法

一言でいえば、タブ(D)は、Microsoft Office 2010のUIにより近く、グループバーコンパクト(E)は、よりコンパクトかつカスタマイズできるツールバーだと思います。

新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのグループコンパクト。コマンドをグループ分け、よりコンパクトにカスタマイズ表示できる。
新UIのグループコンパクト。コマンドをグループ分け、よりコンパクトにカスタマイズ表示できる。

また、オプション(O)の表示でUI表示のアイコンサイズも自動、小、大の選択が可能です。

UIのアイコンサイズも変更可能
UIのアイコンサイズも変更可能

標準ツールバーに戻すときは、右端のハンバーガーメニュー、または、メニュー(M)でユーザインタフェース(I)が表示されますので簡単です。

タブから標準ツールバーへ戻す方法
タブから標準ツールバーへ戻す方法

文章や資料作成時は、内容や構成に集中しています。頻繁に利用するコマンドは、数個だと思いますので、色々カスタマイズしてご自分の使いやすいUIにすれば作成効率も上がります。Officeに慣れた方でも、今回のノートブックバー追加で、よりLibreOfficeへの移行が簡単になると思います。

弊社は、LibreOffice WriterとDrawの使い方、実務で使えるテンプレートを下記関連投稿で配布中ですのでご活用ください。
関連投稿:実務LibreOffice Writerカスタマイズ
関連投稿:LibreOffice Drawの使い方とテンプレート

Office 2010代替と1809トラブル対策

今年になってExcel 2010が正常に起動しないなどトラブル続出で、RS5:1809のUpdateトラブルも含めるとMicrosoft技術力低下を疑わせる状態が続いています。最先端技術牽引企業ですのでやむを得ないことは承知しておりますが、ビジネスツールとしてはひどいレベルです。19H1:1903は、順番で言うと安定チーム(?)が開発担当してくれるかもしれませんので、改善を期待しております。

本稿で示したLibreOfficeは、Windows/Mac/Unix上で使え、新旧Office文書互換、しかも無償、更新や機能追加方法も安全志向です。2020年10月13日でサポートが終了するOffice 2010、その他Office2019/2016/2013代替、Windowsトラブル対策としてもLibreOffice導入を検討されてはいかがでしょう?

LibreOffice最新版 6.1.4.2へ更新

2018年12月18日、LibreOffice 6系の最新版(stable)がマイナー更新され、バージョンが6.1.4.2になりました。
安定版(stable)は更新なしです。

LibreOffice版数(2018/12/20現在)
パッケージ 想定ユーザ 2018/12/18版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ 6.1.3.2 → 6.1.4.2
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ 6.0.7 (変更なし)

6.1.4.2マイナー更新

マイナー更新ですので、LibreOfficeウェブサイトから最新版6.1.4をダウンロードし、実行で更新完了します。

関連投稿:LibreOffice更新のメジャー/マイナー更新方法

@libreofficeさんのツイートによると、125以上のバグ修正がなされたようです(個人的には前版でもWriter、Calc、Drawいずれもバグに遭遇していませんが…😅)。最新版ご利用中の方は、更新しておけば安心です。

年末年始の時間を利用しLibreOfficeを試そうと考えている方は、是非最新版を使ってみてください。また、弊社は、WriterとDrawに対して下記無料テンプレートを配布中です。ご活用ください。

関連投稿:LibreOffice Writerの使い方とテンプレート
関連投稿:LibreOffice Drawの使い方とテンプレート

Office 2019延長サポート終了はOffice 2016と同じ2025年

対抗ソフトウェアの状況を調べました。Microsoft Office 2019は、延長サポート期間が、従来5年から約2年に短縮されるそうです。つまり、Office 2016延長サポート終了の2025年10月と同じになるのです。

Windows10のみで動作するOffice 2019は、最後の売切りタイプのOfficeという観測もあります。Microsoftは、サブスクリプションタイプのOffice 365へ一本化したいようです。

私個人としては、クロスプラットフォーム(Windows/Mac/Unix)でローカル動作し、既存Office文書への互換性も高い無償LibreOfficeが、PC文書作成ツールとしてはお勧めです。

LibreOffice更新

2020年10月サポート終了のOffice 2010代替アプリケーションとして評価中のLibreOffice。このLibreOfficeは、十分に使えると結論しました。本稿は、LibreOfficeの更新を示します。

関連投稿:カテゴリー:LibreOffice参照

LibreOffice更新

LibreOfficeの更新は、MicrosoftのOfficeやWindowsの更新方法とは異なります。

2018年11月5日のLibreOfficeマイナー更新で、セキュリティ更新や不具合修正後の版数が下表です。

LibreOffice版数(2018/11/10現在)
パッケージ 想定ユーザ 2018/11/5版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ 6.1.3.2
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ 6.0.7

最新版とは、文字通り最新機能を盛り込んだstable=安定リリース版、安定版は、機能更新を最小限にし、より安定志向のstable=安定リリース版です。どちらも64ビット版(x64)と32ビット版(x86)がありますので、合計4種類のパッケージがコチラから無償ダウンロードできます。

全てstableであり、WindowsのFast/Slowリングのように不具合を含む可能性があるリリース版ではないので安心です。

メジャー/マイナー更新

注意が必要なのは、既にLibreOfficeをインストール済みでも、ヘルプ(H)>更新のチェック(C)でチェックされるのが、メジャー更新時だけという点です。11月5日更新は、マイナー更新ですので、更新チェックしても下記のように「LibreOfficeは最新版です」と表示されるだけです。

LibreOfficeの更新のチェック(C)
メジャー更新のみ確認するLibreOfficeの更新のチェック(C)

マイナー更新を確認するには、ヘルプ(H)>LibreOfficeについて(A)で表示されるダイアログでウェブブサイト(W)をクリックし、LibreOfficeサイトでのバージョン版数の目視確認が必要です。

マイナー更新確認
マイナー更新確認にはウェブサイトで現行版とのバージョン目視確認が必要

このマイナー更新の確認→手動更新が手間と感じるか、または、OfficeやWindowsのように勝手に自動更新される方が良いと感じるかは、意見の分かれるところです。

LibreOfficeや本ブログ読者がMCU開発で使う統合開発環境(IDE)の更新方法は、更新の確認後、その更新をインストールするか否かは、ユーザ自身が決定します。一方、OfficeやWindowsの更新方法は、更新インストールが自動です。

万一、自動でインストールした更新版に不具合がある場合には、更新前の貴重な既存開発データが壊れる可能性があります。IDE更新を自動にしない理由は、この重大リスクを避けるためです。
※Windows 10 1809では、Documentsデータが壊れる不具合が発生し、更新一時停止の経緯があるのは周知の事実です。

不具合更新>セキュリティ更新>機能更新

重要度に応じた更新方法が必要です。

重要度が高いセキュリティや不具合の更新は、ユーザへの更新通知と「自動更新インストールでも良い」と思います。しかし、重要度が低い機能更新や新機能追加は、「ユーザ自身が更新可否を判断」すべきです。

重要度判定が困難な場合やユーザに依存する場合には、安全側対策としてLibreOfficeやMCU IDEのように「ユーザの主体性に任せる方が良い」と私は思います。

Office、Windows 10 1809更新

コチラの記事によると、Officeのリボンが、Windows 10 1809更新に伴って、機能は変わらずに見た目が変わったそうです。
※弊社Office 2010リボンは変化なしなので、2010以降のOfficeのことだと思います。

Officeリボン(出典:記事)
Windows 10 1809に伴って変更されたOfficeリボン(出典:記事)

見た目の変更で生産性がどれ程上がるかは不明ですが、ユーザへの告知不足では、混乱のみが生じるでしょう。OfficeやWindows 10 1809は、機能的に過飽和状態なので見た目を変えたがる傾向にあります。

例えば、1809新機能のスマホ同期は、同様の無償アプリケーションが既にあり、わざわざ新機能を使わなくても十分です。WSL(Windows Subsystem for Linux)のように機能有効/無効のスイッチがあれば、それでも良いのですが、スイッチが無い場合には、新機能追加はトラブルの原因です。

Windows 10 1809のDocumentsデータ消失の発生率は、0.01%だそうです。もし、セキュリティ更新と新機能追加を分離して配布していたら、今秋から今も続く1809トラブルは発生したのでしょうか?

技術者、開発者、研究者の更新

最後に、アップデート:更新繋がりで、興味深い記事を見つけたので紹介します。我々も、自ら更新が必要かもしれません。

実務LibreOffice Writerカスタマイズ

LibreOffice最新版がv6.1.1に更新されました。本稿は、デフォルトのままでは使いにくいLibreOffice Writerのメニューを、使いやすくカスタマイズする方法を説明します。

ポイントは、ツールバー設定、ステータスバー理解です。この2つを理解するだけで実務的には十分に使い勝手が向上します。また、LibreOfficeのPDFドキュメント出力・編集機能を説明します。

※Windows版LibreOfficeと弊社無償配布Writerテンプレートを使って説明します。

LibreOffice Writerのメニューと配置

Writerを開いた時、デフォルトで表示される各部メニュー名が下図です。

メニューバーが一番上、次が標準ツールバー、その下がフォーマットツールバーです。シングルツールバー(B)を選択すると、フォーマットツールバーが消え、その分文書の表示エリアが広くなります。

LibreOffice Writerのメニュー名称
LibreOffice Writerのメニュー名称

標準ツールバーとフォーマットツールバーはフローティング可能です。縦方向に広い3:2や16:10モニタの場合は、これらツールバーを、モニタ左右どちらかに配置すると文書表示エリアが広くなります。

標準ツールバーとフォーマットツールバーを左へ配置したWriterメニュー
標準ツールバーとフォーマットツールバーを左へ配置したWriterメニュー

ステータスバーは、表示(V)>ステータスバー(B)で表示します。ステータスバーには、ズームスライダーや文書レイアウト機能があります。

ステータスバーの内容
ステータスバーの内容

各メニューのアイコンは、見れば機能が解り、またMicrosoft Wordとほぼ同じなので説明は省略します。

メニューカスタマイズ

Writerの使い勝手を向上させるポイントは、メニューのカスタマイズです。メニューをカスタマイズするには、ツール(T)>カスタマイズ(C)でカスタマイズダイアログを開き、ツールバータブを選択します。

カスタマイズダイアログ
カスタマイズダイアログ

例えば、機能(U)のPDFには☑が入ってます。これは、標準ツールバーにPDFアイコンが表示されることを示しています。文書のPDF化が不要ならチェックを外し、変わりに直接印刷などをチェックすれば、標準ツールバーにアイコン機能を自由に追加・削除できる訳です。もちろん、アイコン表示順序も変更可能です。

LibreOffice Writerのメニューに初めから表示されるアイコン機能と表示順序で満足な方はカスタマイズ不要です。しかし、使っているうちに、メニューからいちいち辿って必要な機能を探すより、使う頻度が高い機能は、標準ツールバーやフォーマットツールバーの見易い位置に表示しておけば1クリックで機能が呼び出せます。

これがメニューのカスタマイズです。このカスタマイズにより操作性は格段に向上します。カスタマイズしたメニューは、標準(D)ボタンのクリックでいつでもデフォルト状態に戻すことができます。色々試してカスタマイズしてください。

ステータスバーの使いこなし

ステータスバーも、選択モード以外は 、メニュー同様だれにでも判る機能が表示されます。ディスケットアイコンの赤表示は、文書に変更が発生したことを示します。ページ数や文字数カウント、ズーム機能が不要なら非表示でも良いでしょう(上図:ステータスバーの内容、参照)。

選択モードとは、文字例を選択する4つの方法をドグルで切替えます。4方法は、標準/拡張/追加/ブロックです。アイコンは変化しませんが、カーソルを持っていくと選択中の機能がホーバー表示されます(下図:ブロック選択ホーバー表示中)。

ブロック選択は、プログラミングのエディタでよく使う矩形選択のことです。

ブロック選択
ブロック選択。矩形選択に近い。

カーソルで範囲を指定する普通の選択方法が、標準選択です。

拡張/追加選択は、章や複数の文節単位で編集する時に便利な選択方法です。スタイル設定後の文書や論文作成時などに使うと便利かもしれませんが、使用頻度は低いと思います。

文章を選択した時に変な選択範囲になった時は、Escキーを押して選択モードを標準選択に戻すと直ります。

PDF出力・編集機能

Writerに限らずLibreOffice全ツールは、標準ツールバーのPDFクリックのみで簡単にPDFドキュメントが出力できます。

LibreOfficeのPDF出力アイコン
LibreOfficeのPDF出力アイコン。Writer(上)、Draw(下)。

また、PDFドキュメントをDrawで直接編集することも可能です。複雑なドキュメントなどではオリジナルのレイアウトが崩れる場合もありますが、よくあるPDF申込書に住所などの必要事項を記入する際などには便利です。

PDFドキュメントをLibreOffice Drawで直接開いた例
PDFドキュメントをLibreOffice Drawで直接開いた例

まとめ

LibreOffice Writerを実務で使いやすくカスタマイズする方法を説明しました。

ポイントは、ツールバーを追加・削除、順番入れ替えなど自分好みに設定し、ステータスバーを使いこなすことです。これらのカスタマイズだけで実務的には十分な使い勝手のWriterになります。

ツールバーのカスタマイズは、Writerだけでなく全てのLibreOfficeツールで同様に可能です。

また、各ツール共通の便利なPDFドキュメント出力と、LibreOffice DrawによるPDFドキュメント直接編集機能を紹介しました。

LibreOffice Drawの使い方とテンプレート

LibreOfficeが無償提供するのは前回の文書作成ツールWriter(≒Microsoft Office Word)だけではありません。スクリーンショットから解るようにCalc(≒Excel)、Impress(≒PowerPoint)、Draw(≒Visio)、Base(≒Access)、Mathの6種類のOffice互換ツールを無償で提供中です。

LibreOfficeの無償6種ツール
LibreOfficeの無償6種ツール。Writerは前稿参照、今回はDraw。

今回は、図形描画やDTP(Desktop publishing)向きLibreOffice Drawの使い方とDrawテンプレートを開発しました。

最後に2回に渡ってWriterとDrawを使ったLibreOfficeの対Office評価結果、感想を示します。

LibreOffice DrawとMicrosoft Office Visio

LibreOffice Drawは、Microsoft Office Visio相当のツールです。Visioはユーザがあまり多くないと思いますので簡単に説明します。プレゼン資料作成ツールPowerPointの作図機能をより強化し、DTPやCADにも使えるレベルの図形描画ツールがVisioです。

元々Visioは、他社開発ソフトをMicrosoftが買収し、Officeに加えた経緯があるので、UIや使い方がプロパー(純正)製品のWord/Excel/PowerPointとは少し異なります。また、有償配布されるOfficeパッケージに含まれることも少なく、単体では数万円もするためユーザが少ないのですが、私の使用頻度はWordに次ぐツールです。

つまり、Visioは気に入っているツールです。理由は、高度な描画機能とテキスト配置自由度の高さです。アイデアをまとめる時には、PowerPointよりも簡単・自由で役立つので、価格を無視できればお勧めです。

このVisio相当のLibreOffice Drawは、その名(Draw)の通り図形描画に特化したツールでUIや使い方もVisioに近いものです。VisioでできることはDrawでもできるハズです。

LibreOffice Drawスクリーンショット(出典:libreoffice.org)
LibreOffice Drawスクリーンショット(出典:libreoffice.org)

Drawのスクリーンショットが上図です。Galleryから使えそうなステンシル(基になる図)を選び、図面の任意位置に配置、テキストなども加えると簡単に説明に適した資料が出来上がります。もちろん、配置したステンシルの編集もかなり自由に行えます。

※LibreOfficeは、Mac、Windows、Linux のマルチプラットフォーム対応です。 さらにUSBメモリで使えるPotable版や、AndroidとiOSにはビューアが用意されています。

LibreOffice Draw既定のフォント設定

Writerと同様、LibreOffice Drawも日本語と英語混在の図形描画になるので、既定のフォント設定を初めに行います。

Drawの既定フォントは、全てスタイルで設定します。 表示(V)>スタイル(E)またはF11で使用中のスタイルを表示します。”すべてのスタイル”の数が、文書作成ツールのWriterと比べ少ないことが解ります。図形描画がメインなので、これは当然です。

LibreOffice Draw既定のフォント設定
LibreOffice Draw既定のフォント設定。すべてのスタイル数がWriterに比べ少ない。

親となるスタイルは、⊞Filled、⊞Outlined、⊞標準の3種類です。この⊞標準の子スタイルとして、図面に使うタイトルやテキストのスタイルがあります。そこで、⊞標準スタイル上で右クリックし編集(B)を選びクリックします。

標準スタイルの編集ダイアログが現れますので、フォントタブを選び、西洋諸言語用フォント、アジア諸言語用フォントともにお好きなフォント(例:メイリオ)、スタイル、サイズを設定してください。

標準スタイルの設定
標準スタイルの設定。西洋アジア諸言語ともに同じフォント、スタイル、サイズを使うことがポイント。

この標準スタイルの設定が、タイトルやテキストに継承、波及するのはWriterと同じです(スタイルや継承の詳細は前稿参照)。

図形描画ツールDrawでは、この設定を⊞Filledや⊞Outlinedにも適用しておけば十分です。なぜなら、タイトルやテキストを実際に図面へ記載した時に、その文字サイズやボールド、イタリックなどの修飾を説明する図形に合わせて決める方が実用的だからです。従って、必要最低限のフォント設定で十分です。

マスターと標準

LibreOffice Draw独特の表示に、マスターと標準(←スタイルのことではないので注意!)があります。

マスターとは、全ての図面の背景のことです。例えば、会社ロゴや日付フィールドなどを記載します。一方、標準とは、マスター背景の上の透明図面のことです。つまり、マスター背景と透明図面は、レイヤ構造になっています。

通常は、この標準上で図形やタイトル、テキストを記載し、マスターは変更できない構成になっています。この編集対象を切替えるのが、表示(V)>標準(N)とマスター(M)です。

LibreOfice Drawのマスターと標準
LibreOfice Drawの表示(V)。標準(N)かマスター(M)を選ぶ。

標準図面上に書かれた内容は、もちろん重要ですが、全図面のフォーマットとも言える背景もまた重要です。

本稿で無償配布するDrawテンプレートのマスターは、シンプルな枠組み、図面説明、タイトル、改定、ページ、会社名欄のみを追加しています。必要に応じてご自由に変更してください。

LibreOffice Drawテンプレート作成

標準図面上に何も記載していない図面で、ODF図形描画テンプレート(拡張子.otg)として名前を付けて保存すれば、これが作成したDrawテンプレートになります。本稿では、横A3サイズのDrawテンプレートを開発しました。

紹介したDrawテンプレートは、コチラからダウンロードができます(サポートなしです、念のため)。ご自由にご活用ください。

※ダウンロード時エラーメッセージが表示されることがあります(前稿Writerのダウンロードも同様で原因不明)。ダウンロードはできますので、エラーメッセージは無視してください。

LibreOffice感想:Microsoft Office代替ソフトウェアとして十分使える!

2回に渡りLibreOffice WriterとDrawの使い方、通常の仕事利用でも十分と思う文書作成Writerテンプレート、描画作成Drawテンプレートを示しました。
※最新版Writer機能をフル活用した公式英文ガイドは、コチラからダウンロードできます。フル活用するとこのような綺麗で読みやすい文書作成が可能です。

LibreOfficeは、無償オープンソースソフトウェアです。現在使用中のMicrosoft Office 2010延長サポートが2020年10月13日に終了するので、代替としてOffice互換性もあるLibreOfficeの魅力をまとめます。

長年使い慣れたMicrosoft Officeと比較するとUIのチョットした違いなどはやむを得ないと思います。しかし、これは慣れの問題でもあります。

何より無償でもWord/Excel/PowerPoint互換ツールのみならず、Visio相当のDrawやAccess相当のBaseもあるのは特筆すべきです。OfficeパッケージでこれらVisio/Accessを揃えると、Office Professional Pulsパッケージ以上の購入が必要だったと記憶しています。1ライセンス当たり10万円以上の初期投資が必要です。

既にMicrosoft Officeの各ツールは、機能的には過飽和状態だと思います。これが私がOffice 2010からOffice 2013/2016/365へ更新しなかった理由です。また日本独自のOfficeライセンスもマイナス要因です。

※家庭向けOffice 365は、今年の10月2日から無制限インストール、同時5サインイン可能へ変更になります。但し、Visio Pro for Office 365の対応は不明です。

最新版LibreOfficeの基本機能は、本稿で示した通常の仕事で使う範囲内では、文書作成、描画作成にMicrosoft Office 2010代替ソフトウェアとして、十分に間に合い使えるというのが私の感想です。皆さんもお試しになってはいかがでしょう。

LibreOffice Writerの使い方とテンプレート

今回はMCUの話題から離れ、LibreOffice Writerの文書テンプレート無償配布の話をします。

202010月でサポートが終了するMicrosoft Office 2010の代替として、無償LibreOfficeを評価中であることはMCU開発環境トラブル顛末記に示しました。最新版LibreOffice 6.1がリリースされ、益々使いやすく、また既存OfficeユーザでもUIに違和感が少なくなりました。

このLibreOffice Writerの簡単な使い方と、文書作成に必要十分なテンプレートを作成しました。

LibreOfficeセキュリティ対策

LibreOfficeの脆弱性情報があります。以下の設定をしておけば防止できます。

LibreOfficeセキュリティ対策
ツール(T)>オプション(O)>セキュリティで信頼された場所ではないドキュメントからのリンクをブロックにチェックを入れる

既定のフォント設定

WriterWordなどの日本語文書作成ツールで面倒なのが、日本語と英語混在文書でどのフォントを使うかです。日英別々の設定がツール上は可能ですが、文字サイズ差異、等幅、豆腐問題が発生します。好みの問題を別にすれば、1フォントで全言語に使えると便利です。

豆腐問題:本来フォントが表示されるべき部分に□□□(←これを豆腐と言う)などの”空白の四角”が表示されること。

私は、Windows 7Word時代からメイリオを日英言語に使っています。日本語フォントを使っても英語スペルチェックは問題なく行われます。Writer既定フォントの設定は、ツール(T)>オプション(O)LibreOffice Writerを選択し、お好みのフォント(例:メイリオ)を選びサイズも日本語(アジア諸言語)と同じにしておきます。

LibreOffice Writer既定のフォント設定
西欧、アジア諸言語ともに同じフォントとサイズを設定

西欧とアジア諸言語に同じフォントとサイズを設定することがポイントです。これでLibreOffice Writerを使って日英混在の文章が違和感なく作成できます。

Writer文書作成手順とスタイル編集

一般的に第三者に見せる報告書や説明文の作成時は、文章作成→体裁追加という順番で文書を作ります。ここでは、文章は既に出来ているとして話を進めます。

※便宜上、シンプルテキスト=文章、文章の体裁を整えた第三者に見せるドキュメント=文書と呼びます。

文章ができた次の段階が体裁追加です。限られた時間で読者に効果的に内容を伝えるには、この体裁は重要です。タイトル、見出し(大中小)、ヘッダーやフッターなどがこの体裁です。

Writerは、体裁のことをスタイルと呼び、表示(V)>スタイル(J)またはF11で設定済みのスタイルを表示します。既に色々なスタイルが設定されており、文章にこれらスタイルを適用することで見栄えのする報告書などの文書が出来上がります。

階層のスタイル表示
階層のスタイル表示

スタイルの表示に階層を選ぶと、標準スタイルを左端先頭にして、⊞フッターや⊞ヘッダーなどが現れます。これは、標準スタイルを基(親)に、各(子)スタイルが継承されることを示しています。つまり、親の標準スタイルを変えると、その変更が、子のスタイルに継承、波及するのです。そこで、最初に標準スタイルを編集します。

標準スタイル上で右クリックし編集(B)を選びます。特に変更が無ければ、そのままキャンセルします。

⊞本文のスタイルを編集する時も、同様に⊞本文上で右クリックし編集(B)を選ぶと下図になります。

本文スタイルのインデントと間隔の編集
本文スタイルのインデントと間隔の編集。間隔を段落上部下部を広くし視覚的に塊化する

管理タブで継承元、つまり親が標準スタイルになっていることが解ります。インデントと間隔タブを選択し、間隔を段落上部下部ともに0.30cmに増やします。これは、改行した文書を一塊として視覚的に分離して表示するためです。塊になっていれば、長い文章でも見やすく、読みやすくなります。

なお、子スタイルを変更しても親スタイルはそのままです。継承関係がある親スタイルの変更は影響大です。

同様にフッター、ヘッダー、タイトル、見出し(大:見出し1、中:見出し2、小:見出し3)にスタイル編集を加えました。これら編集を加えたスタイルを文章に適用するのみでも報告書や説明文には十分です。

Writerテンプレート作成

文章に各種スタイルを適用して体裁に問題が無ければ、その適用スタイルをテンプレート化します。

体裁が整ったWriter文書は、ODF文書ドキュメント(拡張子.odt)として名前を付けて保存(Ctrl+Shift+S)します。その後、全文章を削除し、今度は、ODF文書ドキュメントテンプレート(拡張子.ott)として名前を付けて保存すれば、これが作成したWriterテンプレートになります。

LibreOffice Writer文書テンプレートの保存方法
LibreOffice Writer文書テンプレートの保存方法。Microsoft Word互換性を実現する様々な保存方法があるのも解る。

この文章なしでスタイルのみに変更を加えたものがWriterテンプレートです。

このテンプレートを使う時は、作成したテンプレートを開き→文章作成→文章にスタイル適用、その後、ODF文書ドキュメントとして保存すれば、見栄え良い文書が簡単に完成します。

開発したWriterテンプレートは、コチラからダウンロードができます(サポートなしです、念のため)。ご自由にご活用ください。※ダウンロード時エラーメッセージが表示されることがあります。ダウンロードはできますので、エラーメッセージは無視してください。

Writerテンプレートは、本稿で開発したもの以外にも多数初めから備わっています。ファイル(F)>新規作成(N)>テンプレート(C)で履歴書などが、またオンライン上のテンプレートなども参照できます。

テンプレートの役目

このように、Writerテンプレートを使うと「文章の作成」と「体裁追加」を分断し流れ作業化できるので、各段階の作業に集中し、より良い文書が作れます。

自動車の製造と同じく流れ作業は、効率的な生産に向いています。全作業を1人で行う場合でも、集中する作業範囲を狭くできるのでミスが減ります。これは、Writerテンプレートに限らず、マイコンテンプレートでも同じです。

これがテンプレートの役目です。ソフトウェア開発でコーディングとデバッグを別々に行うのと似ています。

弊社マイコンテンプレートは、複数のサンプルソフトを組合せた開発ができます。個々のサンプルソフトをテンプレートへ組込む時に、サンプル利用だけでなく、テンプレートに組込むという観点からもサンプルソフトを見ることになるので、サンプル応用や変更へも広く対応できるようになります。

Writerの標準スタイルに相当するのが、マイコンテンプレート本体です。テンプレート本体は、とてもシンプルな作りで変更や修正も容易です。マイコンテンプレートは、汎用マイコン毎に5種類あり、詳細はコチラです。各1000円の有償ですがご活用ください。

MCUから離れると出だしで書きましたが、結局MCUテンプレートに結び付けてしまい申し訳ありません。

気を取り直して……、次回は、LibreOfficeの描画作成ツールDrawの使い方とそのテンプレートを示す予定です。