好奇心とMCU開発

好奇心とMCU開発
好奇心とMCU開発

何を楽しい、面白いと感じるかは、人それぞれです。しかしながらMCU開発者の方々は、ソフトウェアやハードウエアを、自分で研究開発することに面白さや好奇心を持つ点は共通だと思います。

MCU開発は、地味です。普通の人からは、動作して当然と見られがち、しかし、その開発には努力や苦労も必要です。MCU開発者は、それら努力を他者へ説明はしません。
専門家へのキャリアアップには、避けては通れないからです。

特に日本のMCU開発者は、他者がどのように自分を見るかを気にし、しかも、同調意識も強いので、面白さを感じる感性を忘れ、自信喪失などに陥るかもしれません。

そんな時は、スマホを生んだSteve Jobs氏の、“Stay hungry, stay foolish” を思い出してください。

“Stay hungry, stay foolish”

様々な日本語訳、その意味解説があります。筆者は、Jobsは、他者の視線や動向より自分の好奇心を忘れるな、と言っているように思います。

2007年発表スマートフォン:iPhoneは、“Stay hungry, stay foolish”のJobsだから生み出せた製品です。

COVID-19、ウクライナ危機

終息が見えないCOVID-19やウクライナ危機による新しい世界秩序は、半導体製造/流通、MCU/PCセキュリティなどMCU開発者が関係する事柄にも多大な影響を与えそうです。今後数年間は、環境激変の予感がします。

既成概念やトレンド、これまでの市場予測なども大きく変わる可能性もあります。アンテナ感度を、個人レベルでも上げて対処しましょう。

MCU開発は楽しい?

行動の源は好奇心です。“Stay hungry, stay foolish”、 自分の好奇心は自ら満たし、MCU開発を楽しみましょう。

本稿の目的は、新年度:4月からMCU開発を新に始める方々へのアドバイスと、好奇心に逆らえず、Windows 11要件を満たさないPCをアップグレードした顛末を次週投稿予定という、前振りです😅。

欧州MCUベンダ事情

2020年4月7日、独)Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジー)が、米)Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)の買収に必要となる規制当局の承認を得たと発表しました(EE Times Japan記事)。同じEE Timesの3月9日記事では、米国が、国家安全保障上リスクのため買収を阻止し、破断の可能性も示唆していましたが、結局、買収成立のようです。

本稿は、MCU開発者向けに欧州MCUベンダ動向と、コロナ・エフェクト記事をピックアップし、MCU開発者のリクス分散必要性を示します。

CypressとInfineon

CypressとInfineon
CypressとInfineon

本ブログ掲載中のCypressは、ARM Cortex-M0/M0+/M4コアと、タッチセンサ:CapSenseやオペアンプ等の独自アナログコンポーネントを1パッケージ化したPSoCマイコンが特徴です。
※本ブログ検索窓に‘CapSense’を入力するとCapSenseコンポーネント利用の関連投稿がご覧いただけます。また、CapSense利用の弊社PSoC4000S/4100S/4100PSテンプレートも販売中です。

同業のNXPやSTMが、Eclipse IDEをベースとした標準的なARMコアマイコン開発環境をユーザへ提供するのに対し、Cypressは、独自コンポーネントの特徴を活かす開発環境PSoC Creatorを提供し、洗練された高度なMCU制御技術と、解り易い資料を提供できる会社という印象を持っています。

PSoC Creatorは、ソフトウェアだけでなくハードウェア関係者にも活用して頂きたいツールで、これ1つで殆ど全てのPSoC関連リンクへ簡単にアクセスできます。ツール更新方法もEclipseベースのIDEより優れています。

このCypressを買収したInfineonは、独)シーメンスから分離・独立し、自動車用や産業用など様々な分野へパワー半導体の供給を主力とする製造、販売会社です(ウィキペディアより)。

Infineonの狙い

2019年6月10日EE Times のインフィニオンの狙いは「日本市場攻略」記事によると、主力のパワー半導体の豊富な品揃えに加え、Cypressの制御技術を獲得することで、日本半導体ベンダへ大きなインパクトを与え、日本市場攻略が、インフィニオンの狙いだそうです。

追記:買収完了で2019年売上高ランキングで見るとInfineinとCypress合わせて、7位TIと8位STMの間に入ることになるそうです(EE Times、2020年4月17日)。

コロナ・エフェクト

STM、ARM、日本の動向
STM、ARM、日本の動向

Cypress買収は、COVID-19前のビジネス戦略結果です。

欧州MCU各ベンダが、COVID-19パンデミック後どう変化するかは解りません。現時点での動きが下記です。

仏伊)STマイクロエレクトロニクスは、フランス生産工場出勤者を縮小、イタリアは製造継続と発表しました。また、独)Infineon工場は、全て稼働中です(EE Times、2020年4月1日)。

英)ARMは、Arm Development Studio Gold Edition評価ライセンスの有効期間を延長、MDK Professional Edition評価ライセンスのCOVID-19対策プロジェクト1年間ライセンススポンサー提供など、在宅勤務ライセンスを提供中です(ARMメールサービス)。

日本政府は、緊急事態宣言時でも半導体工場を事業継続可能に指定しました(EE Times、2020年4月10日)。

MCU開発者

コロナ・エフェクト
コロナ・エフェクト

欧州/米/アジアのMCUベンダにCOVID-19が与える影響は、数年前のように再びMCUベンダ間のM&Aが盛んになるのか? それとも現状で落ち着くのか? オープンアーキテクチャRISC-Vが勢力を伸ばすか? 今のところ、全く不透明です。

しかし、我々MCU開発者へもテレワーク化や開発MCU変更などの影響が必ず及びます。変わるところ、変わらないところを個人レベルでも見極め、今のうちに準備しリスク分散対策の必要があると思います。

筆者お気に入りのCypressらしさが、今回の買収で変わらないことを願っております。