Windows 11 24H2とWindows 12

現行Windows 11 23H2の次期OSは、筆者予測に反し、Windows 12ではなくWindows 11 24H2になりそうです。
次期Windows情報を、簡単にまとめました。

  • 次期OSコアは、Win11/10のNickelから、新しいGermaniumへ変わる。
  • Win11 24H2は、段階的機能ロールアウト(Controlled Feature Rollout:CFR)大型更新と予想。
  • 右側「Ctrl」をAIアシスタント「Copilot」キーへ変更するなど、MicrosoftはAI PCへ注力中。

Windows呼称一覧

Windowsは、商用バージョン名/OSコア/ビルド番号など、様々な名前で呼ばれます。本稿でも用いますので、対応表にしました。

商用バージョン名 OSコア(原子番号) ビルド番号 備考
Windows 11 23H2 Nickel (28) 22000番台 Win11/10は同一OSコア
Windows 11 24H2 Germanium (32) 26000番台 Win11先行Canary/開発チャネル
Windows 12 (?) Dilithium (?) 27000番台 Microsoft社内開発チャネル

※OSコアはMicrosoft社内の開発コード名。周期表を利用中。
※ビルド番号は更新時に増加する番号。ビルド番号が22000番台ならWin11 23H2更新と判る。
※Dilithiumはスタートレック登場の架空物質。Ge (32)の次As (33)は毒物印象が強いため非採用。

Windows OSコア名と周期表の関係(周期表出典:Wikimedia Commons)
Windows OSコア名と周期表の関係(周期表出典:Wikimedia Commons)

Summary:次期WindowsはOSコア刷新大型更新

次期Win11 24H2は、OSコアが現行のNiからGeへ変わります。

Microsoftは、過去、OSコア変更タイミングで商用バージョン数も増やしてきました。バージョン数を増やすと、ユーザに「新OS感」を与える反面、ユーザアプリに関しては「移行リスク」を生みます。

Win11は、Win10と同じNiコアです。操作性も大差ありませんが、Microsoftは商用バージョン数を10から11へ増やしました。但し、同じOSコアなので、Win10ユーザアプリは、リスク無しにWin11へ移行できました。

Win11 24H2は、OSコアが変わります。ユーザアプリ移行は、障壁が高いハズです。Win11 24H2配布が、段階的機能ロールアウトになると筆者が予想したのは、この高いアプリ移行リスクのためです。

今回商用バージョン数を増やさない訳は、Microsoftがユーザの興味を「AI PC」の方へ向けたいからだと思います。

AI PC化は、Windows付属ツールのメモ帳やペイント、ヘルプのAIアシスタント(Copilot)代行など全てのOS操作に及びます。これらAI処理に便利なのが、キーボード右側のCtrlを変更する新しいCopilot専用キーです。

これらAI PC化は、現行コアのWin11 23H2/Win10でも既に進行中です。これは、AI PCにMicrosoftが注力中であることを示しています。

Windows 11 24H2のOSコアと付属アプリ、Copilotキー変更
Windows 11 24H2のOSコアと付属アプリ、Copilotキー変更

つまり、次期Win11 24H2は、OS付属ツールのAI化と、アプリ「移行リスク」があるNiからGeコア変更、これら両方を同時に行います。

Microsoftは、あえて新しいバージョン名Win12は使わずに、ユーザ興味がAI側へ集中することを狙って、年次更新のWin11 24H2としたのだと思います。

Win11 24H2大型更新時の注意点

Win11 24H2 OSコアのNi➡Ge変更は確かです。今年の大型更新は、従来比、更新リスクがかなり高いと思います。

MicrosoftがCFRで小出しにWin11 24H2へ更新したとしても、ユーザ側もアプリを含む万全なバックアップ準備が必要です。

万一、Win11 24H2でアプリが正常動作しない場合は、OSを旧Win11 23H2へ戻すことも必要です。また、アプリ動作の確認時間も、従来比、長く取る必要があります。

Win11 24H2から23H2に戻しても、商用バージョン名は同じWin11です。23H2でも進行中のAI PC状況からユーザは、古いOSと感じることは少ないと思います。

筆者は、なぜ今MicrosoftがOSコアをGeへ変更するのか判りません。しかし、現行Win11 23H2+CopilotキーによるAI化だけでも、Windowsを開発等に使わないユーザなら、新OS感は十分得られます。AIは、それ程ユーザにインパクトを与えます。

※23H2サポート終了は2025年秋。ゆえにWin11 24H2更新猶予も2025年秋迄。

Afterword:参考資料

ビルド番号27000番台のDilithiumが、Win12になる予測もあります。どれ程のAI機能をPCへ実装し、それにより電力消費がどう変化するか不明な点が、Win12発表遅れ原因の1つ、だと筆者は思います。

ネット側のAI処理も含めると、2001年宇宙の旅:HAL9000のような本格的AI PCはそれ程電力とコストが必要のようです。Win12リリースは、AI半導体の普及を待つのかもしれません。

本稿は、以下資料を参考にしました。詳細は、各資料を参照ください。

Windows 12まで様子見、2024年2月22日、ZDNET
次期Windows 11は24H2、2024年2月9日、窓の杜
Windows 11 24H2とAI PCの実際、2024年2月2日、ITmedia


LibreOffice(最新版)名と自動回復情報保存変更

LibreOfficeバージョン表記変更
LibreOfficeバージョン表記変更

Windows、Mac、Linux動作で無償のLibreOffice(最新版)24.2がリリースされました。旧版7.6.4から、リリース年.月へバージョン表記が変わり、デフォルトで自動回復情報保存へ変わりました。

これら内容と、LibreOffice Writer Tipsを示します。

LibreOffice(最新版)バージョン名表記

LibreOffice(最新版)バージョン名表記が、「リリース年.月」へ変わりました。旧バージョン7.6.4更新の2024年2月リリース版は、LibreOffice 24.2と表記されます。

リリース月が判り易くなったため、更新確認が簡単です。目安ですが、最新版は1か月毎、安定版は、3か月毎に更新されます。

LibreOffice 24.2は、大規模更新に相当します。しかし、今回は新機能追加よりもクラッシュ時回復を重視した内容のようです。

デフォルトで自動回復情報を保存

LibreOffice 24.2の自動回復情報デフォルト保存
LibreOffice 24.2の自動回復情報デフォルト保存

左側旧バージョン7.6.4の自動回復情報を保存(A)が、右側LibreOffice 24.2では、デフォルト10分毎の保存へ変わりました。
※ダイアログは、ツールバーのツール(T)>オプション(O)で表示。

この機能は、クラッシュ発生に備え、事前に現状ドキュメント回復情報を10分毎に自動保存します。また、常時バックアップコピー(W)も作成します。似た機能は、Microsoft Wordにもあります。

筆者は、ここ数年間LibreOffice(最新版)を使っていますが、クラッシュ経験はありません。しかし、より安全にLibreOfficeを利用するには、これら変更は、役立ちそうです。

Writer Tips:ページヘッダー&フッター表示/非表示

文書の作成時、Writerテンプレートを利用することは良くあります。テンプレートの文書ヘッダーやフッターは、配布時などに必要です。しかし、文書作成時は、ハッキリ言うと邪魔です。

そこで、文書作成時のヘッダーとフッターを表示/非表示にするTipsが下記です。最新版、安定版どちらにも使えます。

LibreOffice Writer Tips:ページヘッダー&フッター表示と非表示切替え
LibreOffice Writer Tips:ページヘッダー&フッター表示と非表示切替え

ページ間の隙間にカーソルを移動すると、カーソルが橙色の「隙間を閉じる」へ変わります。この状態でクリックすると、ヘッダー/フッターが省かれた文書表示へ変わります。

元に戻す時は、カーソルをページ間に移動すると、青色の「隙間を開く」へ変わりますので、クリックで隠れたヘッダー/フッターが表示されます。
※説明のため橙色、青色と書きましたが、実際は黒色。

Summary:LibreOffice 24.2リリースとWriter Tips

LibreOffice(最新版)旧バージョン7.6.4大規模更新版のLibreOffice 24.2がリリースされました。

バージョン表記が、リリース年.月へ変わり、クラッシュ時回復情報が、デフォルト自動保存へ変わりました。

LibreOffice Writer Tipsとして、文書作成時、ページヘッダーとフッターの表示/非表示方法を示しました。

Afterword:AI活用ツールの使い方

ユーザが知らない便利な機能が、文書作成ツールには多くあります。ツールバーや様々なユーザインタフェース内に、これら機能は隠れています。これら隠れ機能は、AIが使い易くするかもしれません。

例えば、ソフトウェア作成ツールのVisual Studio Code(v1.86.0)では、AIにより音声チャットでGitHubから所望サンプルコードを引出す機能が追加されました。

ChatGPTがAIの得意技をユーザ支援へ変えました。従来ツールの使い方もAIが根底から変えそうです!


AIのCPUとMCUへの影響

AIのPC CPUへの影響
AIのPC CPUへの影響

2024年は、AIがPCへ急激な変化を与えそうです。そこで、 AIによる PCハードウェアの変化トレンドを調べました。これら変化は、組込みハードウェアのMCUへも影響すると思うからです。

CPU、GPU、NPUとは? MCUとの違いは?

超簡単にCPU、GPU、NPUを整理します。ついでに、DSPとMCUも加えます。

CPU(Central Processing Unit):パソコンの「汎用演算」装置。PCの頭脳。
GPU(Graphic Processing Unit):「グラフィック演算」専用装置。
NPU(Neural Processing Unit):GPU内の「AI関連演算」専用装置。
DSP(Digital Signal Processor):積和演算等「リアルタイム信号演算」専用装置。
MCU(Micro Controller Unit):組込みシステム「汎用演算」装置。ADC等周辺回路内蔵。

CPU~DSPまでが、PC向け演算装置、組込み向けの演算装置がMCUです。

MCUとPC向け装置の最も異なる点は、MCUは、ADC(Analog Digital Convertor)やメモリなどの周辺回路と汎用演算回路を一体化し小型装置にした点です。

GPU/NPU/DSPは、汎用CPU処理の一部を専用ハードウェアで高速処理します。CPUの代わりにこれら専用ハードウェアが処理するため、PC全体の処理速度が速くなります。

このようにPCハードウェアは、汎用CPUの高速化と汎用処理を補う専用ハードウェアにより進化を続けてきました。

NPUが行うAI関連演算は、Web会議の背景ぼかし、複数言語への同時翻訳、通話のノイズ除去などの処理です。これらは、GPUでも可能ですが、更なる高速処理が可能です。

AI PCのIntel Core Ultra

Intel Core Ultra Processors
Intel Core Ultra Processors

Intelは、AI処理のハイブリッド化が進むと考えているようです。

つまり、ネットワーク側データセンターやGPUのみを使ったAI処理ではなく、PCやスマホなどのエッジ側CPU/GPU/NPUも協力、ネットワークとエッジがハイブリッドにAI処理を行います。

これを実現するエッジ側PCが、Intel Core Ultra搭載AI PCだと発表しました。同記事でIntelは、2025年末までに1億台のNPU内蔵新CPU:Core Ultra搭載AI PCになる、とも宣言しています。

AI有効性が認識されれば、停滞気味のPC買換え需要は一気に加速するでしょう。また、AIハイブリッド化は、急増するAIリアルタイム処理の観点からも好都合です。

GPU+NPU内蔵AMD Ryzen 8000G

AMD Ryzen 8000G Series Processors
AMD Ryzen 8000G Series Processors

2月発表のAMD Ryzen 8000Gは、従来比内蔵GPU強化とNPU(Ryzen AI)内蔵の新CPUです。CPU単体でも、フルハイビジョン(1920×1080、1080p)ゲームが十分楽しめる性能を持つそうです。

コストパフォーマンスに優れるAMD CPUユーザの筆者も、Ryzen 8000Gは気になります。ビジネス用途としても、従来CPUと同じ消費電力(TDP=65W)でGPU+NPU高性能化、AIと高画質対応の新CPUは注目しています。

AI革命によるPCハードウェア変化

AI普及は、PCハードウェアに対し以下の変化トレンドを与えると思います。

・NPU内蔵CPU化
・エッジAIリアルタイム処理化
・低消費電力化

現状のままAIが普及すれば、世界の電力不足は避けられない、エッジ側はもとより、ネットワーク側でも更なる低電力化が必要との認識は、NTTのIOWNが広めました(関連投稿:IOWN、NTT)光電融合技術)。

現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)
現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)

AIがもたらす便利さ、効率性、生産性向上は、「⽣成AI⾰命」と呼ばれます。生成AIとの直接ユーザインタフェースでもあるPCは、ハード/ソフト含め大きく変わるのは明らかです。

Summary:AIのCPUとMCUへの影響

前章にAIによるPC CPU変化をまとめました。

本ブログ対象のMCU/IoT MCUへのAI影響は、簡単に言うと「PC変化の後追い」です。しかし、生成AI革命が、PC後追い時間差を、従来比より少なくすると思います。

AIによるMCU/IoT MCU急変トレンドをまとめると以下です。

・Tiny AIエッジ処理(アプリ例:ポンプ異常検出、顔認識、人物検出、故障検出など)
・超低消費電力動作

MCUは、小型低価格化のためNPU内蔵、または、ソフトウェアでエッジAI処理を行います。小型なAIのためTiny AIとも呼ばれます。アプリ例から、AIハイブリッドのPCより、エッジMCU AI処理比率が高い気がします。

また、数十億ものMCU数が必要なIoT MCUは、1個1個のハード/ソフトの超低消費電力動作が必要になります。

これら動向に対し、MCU開発者は、自ら生成AIを活用し、短納期開発に備えておくべきでしょう。

関連投稿:ハードウェアまたはソフトウェアMCU AI機能とアプリ例、MCU AI現状、生成AI活用スキル

Afterword:慌てず、騒がず、遅れず準備

生成AI革命は、顧客のAIアレルギーを無くし、MCU開発者には、これまでと全く異なる異次元の短期開発や手法を求めるかもしれません。CPUやMCUへの新技術導入もより早くなりそうです。

人間開発者は、慌てず騒がず、しかし、変化にも遅れずに追随が必要です。そのためにも、動向を常に把握し、的確な対応準備を心がけましょう。


生成AI活用スキル

MCU開発以外にも生産性向上のAI活用事例は多数あります。例えば、芥川賞受賞作家が、5%前後の生成AI文書を受賞作にそのまま利用、大学入試共通テストを、AIが平均以上に解いたなどです。

また、自動車業界もAIアシスタントのChatGPT搭載など、今後AI活用は更に加速するでしょう。

急増するAIに対し、筆者が現在考えている生成AI活用スキル、それは質問能力です。質問能力を鍛え、同時に意味が解らない用語などを簡単に解決する方法を示します。

生成AI、ChatGPT、Copilot

AI用語を簡単に整理します(出典:SoftBank AI用語解説)。

AI、機械学習、ディープラーニング、生成AIの関係(出典:SoftBank)
AI、機械学習、ディープラーニング、生成AIの関係(出典:SoftBank)

生成AIは、機械学習した膨大なデータから、パターンや特徴を抽出し、これらから新しいデータ(テキスト、画像、音声)を生成します。

ChatGPTは、対話(Chat)により質問に対する回答の形式で生成AIデータを引出すサービスです。最新生成AI GPT-4 (Generative Pre-Trained Transformer 4)を使って共通テストをダントツに解いたのもこのChatGPTです。

Copilotは、 Microsoftの対話AIアシスタントの総称です。GoogleならBard、AppleならSiri、AmazonならAlexaなどがあります。

Copilot/Bird/Siri/Alexaが、各社ブラウザ搭載のChatGPTを利用し、GPT-4から回答を引出す役目は同じです。AIアシスタント名が異なる、と考えれば良いでしょう。

同じARM Cortex-M4コア利用MCUでも、STマイクロならSTM32F4、ルネサスならRA4M1などと製品名が異なるのと同じ、と言えばMCU開発者には解り易いと思います(内蔵周辺回路や製造プロセスが異なるので、性能も多少異なりますが…)。

ChatGPT分析

ITmedia記事 のChatGPT進化(前編)、ChatGPTビジネス(中編)、ChatGPT活用スキル(後編)からも、効果的に生成AIを活用するには、ChatGPTへの的確な質問、つまりブラウザへのプロンプト入力が重要と言われます。

ブラウザ検索が上手い人ほど、問題解決が速いのと同じです。

では、どうしたらChatGPTへ上手いプロンプト入力ができるでしょうか? 「練習、慣れ」だと思います。

Microsoft Copilot利用方法

ブラウザとしてMicrosoft Edgeを使った例を示します。プライベートモードでは右上Copilotアイコンが表示されないので注意してください。PC版Copilotは、過去のAI回答も履歴として保存されます。

スマホ版Copilot起動例が、左側のダークモード表示です。「GPT-4を使用する」へ変更します。

Microsoft CopilotのChatGPT利用例
Microsoft CopilotのChatGPT利用例

どちらの版も、「何でも聞いてください…」の部分へ、ChatGPTへの質問:プロンプトを入力します。スマホ版では、音声入力が便利かもしれません。

意味が解らない用語などは、そのまま上記プロンプトへコピー&ペーストで入力します。すぐに的確な用語解説が得られます。

上手いプロンプト入力の方法は、ChatGPT活用スキル(後編)のページ1に(1)~(6)が、また、プロンプト入力のコツも、ページ2の(1)~(4)にまとまっています。

※プライベートモードでCopilotが起動しないのは、履歴保持以外にも、ユーザ毎の質問背景やユーザレベルをAIで学習、推定させるためです。これは、Copilot性能向上に役立っているそうです。

ChatGPT最大メリット

人間的配慮不要なのがChatGPT最大メリット
人間的配慮不要なのがChatGPT最大メリット

人間同士だと、質問を受ける相手のことを気遣って、納得するまで質問しない場合も多いでしょう。AIの場合は、この人間的配慮は全く不要です。1日最大2000回まで、いつでも、どこでも、何度でもChatGPTプロンプト入力が可能です。

これらが機械ChatGPT最大メリットだと思います。※上限回数は暫定値。

ChatGPTへのプロンプト入力は、質問スキルを鍛える手段にも使えます。そして、エキスパート盲点だらけの MCU技術資料は、このスキル鍛錬教材としても役立つ、つまり、MCU開発者には一石二鳥と言えます。

Summary:生成AI活用スキル

筆者が考える生成AI活用スキル、それはChatGPTへの質問能力です。

Microsoft EdgeブラウザCopilotを使い、ChatGPTへの質問スキルを鍛え、同時にMCU技術資料に多いエキスパート盲点記述の両方を解決する方法を示しました。

Afterword:人間対自ら学習、成長するAI

機械学習で自ら学習し成長する生成AIの回答が、本当に正しいかを判断するのは、人間です。

ChatGPT活用スキル(後編)の最後に書かれている、試行錯誤しながらChatGPTを使い、学んで生きた知識にしていく「極めて人間らしい営みがAI利用に重要」に大賛成です。

履歴やレベル推定、いわゆる無断学習は、多少気になりますが、AIを活用しご自分の質問スキル、MCU開発スキルを上げましょう!


Azure RTOSはEclipse ThreadXへ

Azure RTOSはEclipse ThreadXへ
Azure RTOSはEclipse ThreadXへ

Microsoftが、Azure RTOSをEclipse Foundationへ提供しました。Azure RTOSからEclipse ThreadXへ名前を変え、ベンダーニュートラルなオープンソースRTOSへ変わりました(2024年1月9日、MONOist)。

上記記事に筆者は驚きました。Microsoft発表は、昨年11月21日です。発表から約2か月たった現在の業界動向をまとめました。

Microsoft動向

MicrosoftがAzure RTOSを手放した経緯は、前述MONOist記事が詳しく説明しています。ごく簡単にまとめます。

Microsoftは、2019年ExpressLogic社買収で入手したThreadXを、自社クラウドサービス接続用RTOS、Azure RTOSとして育ててきた。しかし、2022年Azure RTOS開発責任者がMicrosoftを退社。結局、2023年Microsoftは、Azure RTOSをEclipse Foundationへ提供。今後、Microsoftは機能安全コストも負担しない。

※機能安全コストとは、厳格な安全やセキュリティ規格を満たすソフトウェアのメンテやサポートコスト。

Eclipse財団動向

MCU統合開発環境のデファクトスタンダード:Eclipse IDEの非営利運営団体がEclipse Foundation。

Eclipse財団は、提供Azure RTOSをEclipse ThreadXと改名。ベンダーニュートラルなオープンソースRTOSとし、一般的に有償の機能安全版も、2024年1月末目途にMIT Licenseで提供準備中。

Eclipse財団は現在Eclipse ThreadX開発者募集中で、Eclipse ThreadXの全コンポーネント(IoT MCUベンダ動向図のTCP/IPスタック等)無償配布になる可能性あり。

MCU RTOS動向

MCU RTOS動向
MCU RTOS動向

Eclipse ThreadX競合ライバルのFreeRTOS、 μT-Kernel状況が下記。特段の対応は現在無し。

FreeRTOS:機能安全版は商用ライセンスSAFERTOSで提供中。FreeRTOSは無償提供中。
μT-Kernel: IEEE標準規格:IEEE2050-2018完全準拠版μT-Kernel 3.0を無償提供中。

IoT MCUベンダ動向

本ブログ掲載IoT MCUベンダで言えば、STマイクロ>ルネサス>NXPの順に、Azure RTOSに積極的でした(FreeRTOSなら真逆)。

そのSTマイクロが、Eclipse ThreadXは、重要な開発環境の一部、とMicrosoft発表内でコメントしています。つまり、STマイクロは、これまでのAzure RTOS同様、Eclipse ThreadXをミドルウェアとして提供すると思います。

現代的ユーザMCU開発の例(出展:The ST blog)
現代的ユーザMCU開発の例(出展:The ST blog)

米市場動向

MicrosoftがAzure RTOSを手放したのは、育成済みAzure RTOSを、今さら保守・運用しなくても、自社クラウドサービスへの影響は少ない、と判断したからかもしれません。

一方、一般向けAI PCに関しては、Windows 11シェア伸び悩む、Windows 12方向性などの記事から、Microsoftは次期Windows+Copilotに注力すると思います。AI Copilotキー追加モバイルCopilotなど、最近は生成AI関連のCopilot発表一色です。

これらCopilot群は、次期AI Windows(Afterword2参照)で使い易く統合されるでしょう。

2024年1月12日、米株式市場も⽣成AI⾰命からより多くの恩恵を受けるMicrosoft時価総額を、アップルを抜き首位復活させました。

Summary:IoT MCU開発者対応

Microsoftが、Azure RTOSを手放し、Eclipse財団が、Eclipse ThreadXと改名、ベンダーニュートラルオープンソースRTOSとしたことを、業界は、冷静かつ好意的に受け止めているようです。

むしろ、AWSならFreeRTOS、AzureならAzure RTOSと2本立てIoT MCU RTOS開発が、Eclipse ThreadXで一本化、機能安全パッケージも無償提供期待の方が大きいのかもしれません。

IoT MCU開発者は、Eclipse ThreadXを含むRTOS動向に注意する必要があります。

Afterword:RTOSチェックポイント

RTOS動向チェックポイント
RTOS動向チェックポイント

MCUにRTOSを使う理由は、クラウド接続ライブラリが必要だからです。

しかし、ライブラリは関数の集合に過ぎないので、ライブラリ利用例、つまりサンプルコードが無いと使えません。ベンダーニュートラルEclipse ThreadXが、AzureとAWS両方の接続サンプルコードを提供するかがチェックポイントです。

また、サンプルコードがあっても、接続の容易さや安定性も確認したいです。評価ボードでのテストやクラウド接続ユーザ数変化、SNSなどで判るでしょう。

Eclipse ThreadXが他RTOSへ与える影響は、少なくないと思います。この辺りは、調査を続けます。

Afterword2:AI Windows12決め手

Win11敗因の1つは、TPM 2.0などのPCハードウェアとWin11アップグレード条件を、100%結び付けたことだと思います。条件を満たさないPCは、Win11アップグレートができずWin10のままです。Win10でも、PC生産性に大差はありませんが…😓。

ハードウェアとアップグレート条件の結び付きを緩くし、例えば、NPU(Neural Processing Unit)搭載最新Core Ultraプロセッサなら、自然言語入力にも対応するAI機能満載Win12、古いCPUなら、従来CUI/GUI 入力のAI Win12など、アップグレード機能/能力差を付けます。

これに近いことは、 既に昨年のWin11 23H2アップデートの段階的機能ロールアウト(Controlled Feature Rollout、CFR)で実施中です。

AI機能は、PC生産性に直結します。PC買換え需要も喚起できるでしょう。不振Win11と2025年秋Win10サポート終了前に、AI Win12リリースをMicrosoftが急ぐ理由です。

つまり、2024年内にPCハードウェアに応じたAI Win12アップグレートをMicrosoftが提供することが、低下しつつあるWindowsシェア復活の決め手になると思います。


Microsoft 365の2種ユーザインタフェース

Microsoft 365が、2種類のユーザインタフェース(UI)を持つことが判りましたのでレポートします。

メインストリームサービスが今年10月10日に終了したOffice 2019代替アプリとして、Windows 11 23H2クリーンインストのついでにインストしたサブスクアプリOffice 365。OfficeからMicrosoft365アプリ入替作業は、前稿のAfterwordに示しました。

今回は、Microsoft 365をローカルで使う場合と、クラウドで使う場合のUIの違いについて速報します。

ローカル/クラウドで異なるMicrosoft 365ユーザインタフェース

Microsoft 365は、ローカル動作のデスクトップアプリUIと、ブラウザ経由クラウド動作のクラウドアプリUIの異なる2種UIを持ちます。

Microsoft 365 WordデスクトップアプリUIとOffice 2019 Word UI(Office 2019削除のため2021で代用)
Microsoft 365 WordデスクトップアプリUIとOffice 2019 Word UI(Office 2019削除のため2021で代用)
Microsoft 365 WordクラウドアプリUIと無償Officeオンライン Word UI(クリップボードや挿入タブに機能差が見られる)
Microsoft 365 WordクラウドアプリUIと無償Officeオンライン Word UI(クリップボードや挿入タブに機能差が見られる)

365 Wordを例に説明します。デスクトップアプリWordは、見た目/操作/機能ともにOffice 2019 Wordと同じ、クラウドアプリWordは、見た目は無料オンラインWordに近いです。

つまり、Microsoft 365は、使う場所により同じWord文書でも編集UIが異なる訳です。

見た目が無料オンラインに近いクラウドアプリWordは、編集機能的にはデスクトップアプリと同じです。※現時点のMicrosoft 365状況に基づく。

無料オンラインWordは、一部編集機能を削除したOffice 2019/2021サブ機能版です。従って、本格的な文書編集は困難、出先での閲覧程度に筆者は使っていました。

しかし、Microsoft 365クラウドアプリは、デスクトップと同じフル編集機能を備えます。出先での文書編集などにも十分使えます。

但し、生産性を大きく左右するUIがデスクトップアプリと異なるのは、玉に傷ですが…。

無料オンラインOfficeはMicrosoft 365のティザー広告

ティザー広告とは、商品の断片的な情報・機能だけを公開し、ユーザ興味を引くことが目的のプロモーション手法です。新車広告によく用いられます。

次期カムリとして公開されたティザー写真(出典:トヨタ)
次期カムリとして公開されたティザー写真(出典:トヨタ)

無料オンラインOfficeは、Microsoft 365のティザー広告だと思います。無料版でも最低限の文書編集はできますが、通常利用には向いていません。

無料オンラインOfficeの機能不足やストレージ容量不足を感じるユーザは、サブスクMicrosoft 365へ移行すると解決します。

Microsoft 365クラウドアプリUIが、無料オンラインOfficeに似ているのは、この移行をスムーズにするためだと思います。

Summary:Microsoft 365の2種UIとAI生成カスタムリボン

Microsoft 365には、Office 2019/2021と同じUIを持つローカルデスクトップアプリと、無料オンラインOfficeに似たUIを持つクラウドアプリの2種類があります。どちらのアプリも編集機能は同等です。

デスクトップとクラウドでUIが異なるのは、無料オンライン版からクラウドアプリへの移行をスムーズにするためや、Edge/Chrome/Firefoxなど様々なブラウザ経由アクセスのため、だと思います。

UIは異なりますが機能的には同じです。Office文書編集は、外出中でもデスクトップと同じようにクラウド上でも可能です。ローカル文書とクラウドOneDrive文書を常時同期に設定すれば、作成文書の保存・編集が場所やデバイスによらず可能になります。

1TBもの大容量OneDriveを、Microsoft 365が提供するのも、ローカルとの常時同期のためだと思います。文書に加え、様々な素材もOneDriveへ保存可能です。※大容量同期には高速ネットPC接続も必須。

現在UIが異なるのは残念です。話題のAIにより、使用頻度に応じたカスタムリボンを生成し、デスクトップ/クラウド共通UIとして追加、統一化できると、生産性が高く場所/デバイス依存性も無いMicrosoft 365になり嬉しいです。

Afterword:LibreOffice Community(最新版)7.6.3更新

Windows/Mac/Linuxマルチプラットフォーム動作で、Microsoft文書形式はもちろん、ISO標準ODF:Open Document Format形式サポートの無償文書作成ツール、LibreOffice Community(最新版)が7.6.3へ更新されました。

マルチプラットフォーム+ODF形式&Microsoft形式サポート+無料が、LibreOffice特徴です(関連投稿: Windows代替PCのLinux動作が嬉しいLibreOffice)。

Windows/Mac+Microsoft形式&ODF形式サポート+Microsoft Account&OneDrive+サブスクが特徴のMicrosoft 365とLibreOfficeの対比が、今後楽しみです。


Windows 11クリーンインストメモ

Windows 11 22H2をWin11 23H2へアップグレートしたところ、エクスプローラが動作しません。様々な対策でも治りません。結局、Win11 23H2のクリーンインストールで解決しました。

本クリーンインストールで得た情報をメモとして残します。

Summary:Win 11 23H2クリーンインストールメモ

・Win11 23H2クリーンインストは、Win11付属回復ツール、または、Rufusツールを使う2方法あり。

・回復ツールは、個人ファイル保持、アプリ&設定&個人ファイル全削除の2オプションあり。
・回復ツールのWin本体は、クラウド経由ダウンロード、または、PC内から回復。
・回復ツールは、まっさらでクリーンなWindowsを回復。
・クリーンWindowsは、MicrosoftオンラインアカウントとOneDrive利用が前提。
・ネット接続速度が遅い、または、OneDrive同期を使わないユーザには不向き。

・Rufusツールは、Win11アップグレードと同じ方法でクリーンインスト。
・Rufusツールは、個人ファイル保持、アプリ&個人ファイル保持、アプリ&個人ファイル全削除の3オプション。
・クリーンインストのみの回復ツールに対し、Rufusはクリーンインストや既存アプリを残しOS再インスト可能。
・既存アプリを残す場合は、OSトラブル継続の可能性も残る。
・クリーンインスト中のWindowsユーザエクスペリエンスは、アップグレートと同じ要件設定可能。

・Win11 23H2クリーンインスト時間は、回復/Rufusどちらの方法でも丸1日程度必要。
・インスト中は、PCモニタ前から離れ難いので、文庫分などを片手に気長に処理終了を待つ心がけ必要。

筆者は、Rufusツールで個人ファイルのみ保持し、Win11 23H2クリーンインストを行いました。エクスプローラ非動作が治り、現在、安定動作しています。

3年ぶりのWindowsクリーンインストール

弊社は4台のWin11 PCを所有しています。エクスプローラ非動作PCは、2020年Win 10から使ってきました。Win10時代は、何回かOSクリーンインストールをしました。しかし、Win11にアップグレード後は、他の3PCを含めクリーンインストは不要でした。振り返ると3年ぶりのWindowsクリーンインストです。

3PCは、問題なくWin11 23H2へアップグレードし安定動作中です。問題のPCと他PCの搭載アプリケーションは、同じです。原因は、よく言われる相性でしょうか? 相性起因ならクリーンインストしか手は無いことは、過去の経験上知っています。

そこで、ネット上の様々なエクスプローラ非動作対策を試しました。例えば、CCleanerを使う、エクスプローラ非動作レジストリを手動で動作時へ戻す…などなどです。が、結局Microsoftサイト記載のシンプルな対処方法の3番目、Windows再インストに帰着しました😭。

Microsoftサイトのエクスプローラ非動作対処
Microsoftサイトのエクスプローラ非動作対処

Win11 23H2クリーンインストール2方法

Win11 23H2クリーンインストは、Windows付属回復ツールを使う方法とRufusを使う方法の2つあります。お勧めは、Rufus方法です。先ずは、MicrosoftサイトのWindows付属回復ツールの方法を説明します。

Win11付属回復ツールのクリーンインスト

付属回復ツールは、Windowsキー+Iキーで表示されるダイアログの、システム>回復で行います。更に回復は、「個人用ファイルのみ保持」と、「個人用ファイル&アプリ&設定の全てを削除」の2オプションがあります。

Win本体のクリーンインストは、両オプションともクラウド経由ダウンロード、または、動作PCローカルから行う選択肢があります。

Win付属回復ツールは既存アプリや設定は削除
Win付属回復ツールは既存アプリや設定は削除

クラウド経由は、ネット接続速度が遅い場合、Win本体ダウンロードに時間が掛かります。PCローカルから行う方法は、ローカルシステムに損傷などが無いことが絶対条件です。

どの方法でも付属回復ツールは、「既存アプリやOS設定は削除」します。従って、まっさらでクリーンなWindowsが回復します。

また、クリーンインスト後、最初のWin11 23H2起動時に、個人用ファイルとOneDrive同期を自動的に開始します。ネット接続速度が遅い場合、これは問題です。個人用ファイルを削除した場合はもちろん、残した場合でも同期完了までに時間が掛かるからです。

付属回復ツールは、MicrosoftオンラインアカウントとOneDrive利用が前提です。Microsoft推薦Windowsの使い方で、ネット接続速度も速いユーザには適した方法です。

Rufusツールのクリーンインスト

お勧めのRufusを使うクリーンインスト方法は、Win11 23H2アップグレード方法と同じです。

違いは、旧22H2からRufus作成のSetup.exeを実行するか、または、問題発生の23H2からSetup.exeを実行するかのみです。前者がアップグレート、後者がクリーンインストです。

つまり、Rufusは、ダウンロード済みWindowsを、ユーザ設定に基づいてPCへインストするだけです。旧バージョンへ実行すればアップグレート、既存バージョンへ実行すればクリーンインストツールになる訳です。

但し、本PCはエクスプローラが動作しませんので、Windowsキー+Rキーでファイル名指定実行ダイアログを表示し、Rufus作成Setup.exeを参照実行しました。

Rufusの方法は、「個人データのみ保持=アプリは削除」、「アプリ&個人データともに削除」、「アプリ&個人データともに保持」の3オプションがあります。初めの2オプションは、付属回復ツールと同じ、最後がRufus独特のオプションです。

付属回復ツールと同様、まっさらなWindowsにするには、アプリ削除が必要です。

しかし、既存アプリ全ての再インストは手間と時間が掛かります。従って、トラブル原因アプリが明確な場合には、そのアプリのみをクリーンインスト前に手動で削除し、その後、アプリ&個人データ保持で再インストすることもできます。

このように、クリーンインスト自由度が高いことがRufusお勧めの理由です。

付属回復ツールがOS完全クリーンインストのみを行うのに対し、Rufusツールは既存アプリも残しつつOS再インストもできる訳です。従って、トラブル継続の可能性も残りますが、その分アプリ再インスト手間は減ります。

また、ネット接続速度が速いカフェなどで別途Win 11 23H2ダウンロードを行えば、Rufusツールの事前準備は済みますので、付属回復ツールに比べ作業時間が短くなります。Windowsユーザエクスペリエンスも、アップグレード要件回避と同じ設定が使えます。

Rufus 4.3のアップグレード要件回避ダイアログ
Rufus 4.3のアップグレード要件回避ダイアログ

クリーンインストールお役立ちツール

その他、Win11クリーンインスト時に役立つツールを紹介します。

PGLST:既存インストのアプリリスト作成ツール。Win10用だが、Win11でも動作。クリーンインスト後、アプリを再インストする際に役立つ。

Refreflect_home(無償版):SSD/HDDクローン作製ツール。無償期間中でも、他クローンツールにはできない容量減少クローンもできる。クリーンインスト前SSD/HDDは保持し、別SSD/HDDでクリーンインストオプションを試すなどの際に役立つ。

ExploerPatch:Win11タスクバーを、Win10同様の左右サイド配置や透明化も可能にするツール。Win11 23H2でもWin10タスクバー復活が出来るのは嬉しい。但し、OSトラブル確率も高まるらしい。また、タスクバー右サイド配置は、Win 11 Copilotの動作と重なり煩わしい。お勧めはしないが嬉しいツール。

Afterword:ついでにOffice 2019からMicrosoft 365へアプリ変更

アプリクリーンインストのついでに、2023年10月10日にメインストリーム終了のOffice 2019を、年額払いサブスクリプション型Microsoft 365へ替えました。1TBもの巨大クラウドストレージが使えます。

文書作成アプリを、買い切り型Office 2019/2021からサブスクリプション型Microsoft 365へ変えるユーザは、今後増えると思います。そこで、Office 2019からMicrosoft 365へのアプリ変更作業をメモに残します。

・Microsoft 365インスト前に、Office 2019アプリ完全削除必須。専用ツールをMicrosoft用意。
・完全削除ツールは、同時にVisio 2019もPCから削除。個人Officeファイルは残る。
・削除後、新にMicrosoft 365(Word/Excel/PowerPoint/Outlook/OneNote)をPCへインスト。
・現在のMicrosoft 365のWord/Excelは、Office 2019のWord/Excelと見た目、操作同じ。
・個人Office 2019ファイルのMicrosoft 365読込み問題なし。
・Microsoft 365クラウドアプリに筆者がよく使うVisioあり。その他多くのクラウドアプリあり。

Microsoft 365アプリ一覧
Microsoft 365アプリ一覧

・Microsoft 365個人ファイル保存先は、ローカル、クラウドストレージ、両方可能。同期も可能。
・Microsoft 365本体ダウンロードは、直ぐに終わると表示されるが、高速ネット必要。

今後PCには、少なくとも100Mbps以上のネット接続は必要と感じたWin11クリーンインストでした。


Windows 11 23H2アップグレードまとめ

Windows 11 23H2アップグレード通知
Windows 11 23H2アップグレード通知

弊社Windows 11 22H2に、23H2アップグレード通知が届きましたので23H2へ自動更新しました。別のWin11 22H2は、手動で23H2へアップグレートを行いました。

Win11 22H2から23H2へのアップグレードをまとめ、23H2特徴のAI Copilot評価、Windowsの今と今後を分析します。

Summary:Win11 23H2アップグレード2方法

日本時間2023年11月1日、一般提供開始Windows 11 23H2のアップグレード方法は2つあります。

1つが、上図Windows Updateに届く23H2アップグレード通知を待って「自動」で行う方法、もう1つが、MicrosoftサイトからWin11 23H2ディスクイメージ(6.15 GB)をダウンロードし、「手動」で23H2へアップグレードする方法です。

自動方法は、通知後、ダウンロードとインストールをクリックすると、数分で23H2アップグレードが完了します。これは、9月末の更新プログラム(KB5031455)がPCへインストール済みのためです。

既に配布済み更新プログラムの有効化が、ダウンロードとインストールのクリックですので、アップグレードは数分であっけなく終わります。また、従来アップグレードのWindows.oldフォルダも作りません!

但し、23H2アップグレード通知が届くのは、アップグレード要件など様々なチェックをバックグラウンドで行った結果です。従って、いつアップグレード通知が届くか不明な点が欠点です。

一方、手動方法は、Win11 23H2ディスクイメージダウンロードに時間が掛かる欠点があります。しかし、利用者の都合が良い時に、アップグレードを開始できる点、Rufusを使うと自己責任でいくつかのアップグレード要件を回避できるなどの利点があります。

Rufus 4.3のアップグレード要件回避ダイアログ
Rufus 4.3のアップグレード要件回避ダイアログ

弊社は、Win11 23H2へアップグレードを自動、手動の2方法で行い、どちらも成功しました。※万一のトラブルに備えて事前バックアップは忘れずに!

手動方法の詳細は、コチラを参照ください。

Win11 23H2のAI Copilot

Win11 23H2は、22H2比、150以上もの新機能が搭載されました。但し、これら新機能は、制御された段階的機能ロールアウト(Controlled Feature Rollout、CFR)の対象です。簡単に言うと、使える新機能は、PC毎に異なります。

新機能のAI Copilotは、注目度が高く、アップグレードした弊社PCでその実力を試しました。結果は、現時点ではAI回答は未熟だと思います。Microsoft 365とOffice 2019の例で示します。

AI Copilot質問:Microsoft 365はOffice 2019を読み込めますか?

メインストリーム終了Office 2019の代替アプリとして、Microsoft 365を検討中の方は多いと思います。

そこで、Microsoft 365とOffice 2019の互換性、同時インストールの可否などをAI Copilotへ質問しました。

Win11 23H2のAI Copilotは、Win+C、またはタスクバーのCopilotクリックで起動します。すると、右サイドにポップアップ領域が現れ、ここにAIへの質問と回答が、スマホアプリケーションのように表示されます。

縦長エリアに、関連クラウド情報を集め、要約文の形式で回答しています。

AI Copilot質問:Microsoft 365とOffice 2019互換性
AI Copilot質問:Microsoft 365とOffice 2019互換性

ブラウザで別途検索するよりも、効率的に回答が得られる点は、評価できます。また、Microsoft 365とOffice 2019の同時PCインストールについて言及している点も気が利いています。

しかし、Office 2019を使用中で、Microsoft 365を追加インストールする背景を想定していない点は残念です。

AIは、学習経験を経て徐々に賢くなります。半年後、1年後に同じ質問をした時の、回答が楽しみです。

Windowsの今と今後

筆者はWin11 23H2の役目を、Win 10からの決別、Win11の1年延命、Win12のAI Copilot学習教育、これらだと推測します(Win12は、2024年秋発売見込み)。

つまり、Win11 22H2へ、Win12のAI機能を、プレビュー的に追加したのがWin11 23H2です。

仮に、Win11 23H2のAI機能を使わない場合は、22H2と何ら変わらず、メインストリーム期間が1年延びただけです。Win11 23H2が、22H2の小変更版と当初言われたこと、自動アップグレードではWindows.oldフォルダを作らないこととも合致します。

※Windows.oldは、アップグレード前Windowsに戻すための巨大自動生成フォルダ。手動方法は生成。

Windows 11 22H2とWindows 11 23H2のOSビルド番号差は少ない!
Windows 11 22H2とWindows 11 23H2のOSビルド番号差は少ない!

精度良いAI回答には、AIそのものの学習が必要です。Win11 23H2のAIをプレビューとした訳は、このAI学習、調査が主目的だからです。

どのような質問を一般ユーザがAIへ行うか、どのように回答するとユーザが満足するか、AIに適すユーザインタフェースはどのようなものか、などなど本格的AI Copilot実装には様々なAI自身の学習とユーザ調査が不可欠です。

Win11は、Microsoftが最後のWindowsと言っていたWin10とコア共通の中途半端OSと言われ続けてきました。Win11が不人気なのも、この中途半端さが原因です。Microsoftは、2024年新発売AI Win12を中途半端と言われない本格版にしたいのでしょう。

※Win10/11は、CUI/GUIが基本操作の古いタイプのOSです。

新しいAI機能を持つWin12は、AI処理に高性能CPUや高速ネットワーク接続が必要になるかもしれません。古いタイプのOSと異なるAI Win12の要件抽出が、Win11 23H2の役目です。そして実質Win11の最終版になると思います。

Win11 23H2は、150以上あるCFR機能をメインストリーム期間の2年間で小出しにしつつ、AIとユーザレスポンスを基に、古いタイプのOSと抜本的に異なる新しいAI Windows 12へ発展すると分析します。


業界激震:Microsoft 365顧客にAmazon

買い切り型Officeは2026年全サービス終了、サブスクリプション型Office 365(=Microsoft 365)移行が必要と先日投稿しました。これ関連のAmazonがMicrosoft 365顧客になるというクラウド業界激震ニュースが、Business Insiderで10月19日報じられました。

クラウド業界激震:AmazonがMicrosoft 365を巨額契約
クラウド業界激震:AmazonがMicrosoft 365を巨額契約

契約規模

AmazonのMicrosoft 365購入は、100万ライセンス以上、5年間で10億ドル(=1490憶円)を超える規模です。Amazon社員、顧客実務担当者の両方が、このMicrosoft 365を使います。巨額契約です。

契約要因は生成AI

詳細記事は、ImpressクラウドWatchに掲載されています。概要が以下です。

クラウド版Microsoft 365は、Amazon社員のPCへWord/Excel/PowerPoint/Outlookなどの最新Officeツール、Teamsなどの会議ツール、大容量クラウドストレージOneDriveを提供します。Microsoftは、これらツールへ生成AIを活かした機能追加を頻繁に行っています。最新例は、Microsoft EdgeのAI画像生成です。

Amazonが自社会議ツール:Chime、オンラインストレージ:WorkDocsから、競合他社Microsoft 365への変更要因の1つが、生成AIです。AI活用で、更なる生産性向上が見込まれるからだと思います。

AmazonのMicrosoft 365移行は、2024年前半完了の予定です。

CUI、GUIに次ぐPCインタフェース:AI Copilot

PC生産性を下げるのは、CUI/GUI(キャラクタ/グラフィカル ユーザインタフェース)の煩わしい操作です。これを自然言語対応のAI Copilotで代用すれば、生産性は向上します。AI Copilotが、CUI/GUIの次の新しいPCインタフェースと言われるゆえんです。

CUI/GUIベースのPCヘルプは、使い物になりません。これがAIベースヘルプに変れば、最終目的への最短操作や処理を、自動的に行う事も可能になるでしょう。

例えば、会議議事録生成や、長い文書の要約・校正などです。既に一部AIが使われているこれら機能を、もっと手軽に、しかも高精度に活用できれば、ユーザ能力をより高度な処理へ使えます。

Summary:AmazonのMicrosoft 365移行が当然と考えるユーザ進化

AI激震を受ける側か、AI起因テクノロジ変化に追随できる側か
AI激震を受ける側か、AI起因テクノロジ変化に追随できる側か

高精度なAI訓練は、一国の消費電力を超える可能性もあるという記事があります。対策に、電力効率100倍の次世代ネットワークIWONや、生成AI対応済みCPUなども発表されています。

AIは、現在のテクノロジ全てに影響を与え、変化を起こす可能性があります。クラウド業界激震ニュースAmazonのMicrosoft 365移行は、AIによるテクノロジ変化の1つと言えます。

エンドユーザは、今後現れるAI起因テクノロジ激変を注意深く観察し、今回のAmazon Microsoft 365移行が当然と考える側への進化が必要です。

さもないと、AI時代遅れとなり、激震を常に受ける側になりかねません。

Afterword:AI苦手意識薄れる

AIのFuzzyさや、勝手にデータを利用されるのは嫌だ、という感覚がありました。

しかし、最近の技術資料にAI記述の無いものはありません。MCUとAI投稿で書いたように、仕組みよりその効果を活かせれば良い、と思うようになりつつあります。

また、目的取得手段として最初にAIを使うのも時短効果があります。短縮時間をより高度な思考へ繋げれば良いからです。

AIに洗脳された訳ではありません。しかし、筆者のAI苦手意識がだんだん薄れていくこの頃です。


Windows 11 22H2 Updateまとめ

現行Windows 11 22H2の9月27日(水曜)Updateは、多くの変更をPCへ加えました。例えば、下図エクスプローラのタブ化などです。Win11 Updateをまとめ、今秋Win11 23H2や次期Windows 12に備えます。

Windows 11 22H2 Update KB5030310前後のエクスプローラ変化(タブ化実装)
Windows 11 22H2 Update KB5030310前後のエクスプローラ変化(タブ化実装)

Summary:Windows 11 Updateまとめ

Win11 22H2 Updateには、基本的なUpdateと次期23H2プレビュー的なオプションUpdateの2種があります。その選択は、「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」スイッチです。デフォルトはオフです。

このスイッチをオンにすると、詳細オプション>クリックで現れるオプションの更新プログラムで、プレビューオプション更新プログラムやドライバ更新プログラムなどがインストール可能になります。

Windows 11 Updateの最新の更新プログラムを入手するスイッチ(デフォルト:オフ)とオプション更新プログラム
Windows 11 Updateの最新の更新プログラムを入手するスイッチ(デフォルト:オフ)とオプション更新プログラム

注意が必要なのは、このプレビューオプション更新プログラムにはインストール後、PCトラブルが発生しても通常の更新プログラム削除と同じ方法では除去できない場合があることです。

例えば、最初のエクスプローラタブ化は、9月27日配布の累積更新プログラムKB5030310適用後に可能になります。しかし一部PCは、エクスプローラそのものが起動しないなどのトラブルも発生します。しかも、KB5030310削除は、次章で示すような手間がかかります。

従って、最新更新プログラム適用スイッチオンは、慎重にすべきです。安全側PC運用を行うなら、基本的Updateのみを行うオフをお勧めします。

※「最新の更新プログラム」とは、「通常の更新プログラムとオプション更新プログラム」の両方を示します。誤解が生じやすい表現で、かつ、オプション更新プログラムとは何かが判り難いので、上図にまとめました。

最新更新プログラム適用スイッチオンの魅力

最新更新プログラム適用スイッチのオン化は、ノートPCのドライバ更新などには役立ちます。

また、現行のWin11 22H2では、オプションの累積更新プログラムKB5030310により、Win11 23H2プレビュー機能、特に話題のAI Copilot機能なども部分的ですが有効になります。Win11 23H2のAI機能を先行して試したい方には、魅力があります。

KB5030310インストールで有効になるWindows Copilot機能
KB5030310インストールで有効になるWindows Copilot機能

ちなみに、弊社所有4台のWin 11 22H2中、KB5030310トラブルが発生したのは1台のみでした。スイッチオン/オフはいつでも変更可能ですが、インストール済みオプション更新プログラムは、スイッチオフに設定しても動作を続けます。

そこで、トラブル発生PCは、毎週火曜に行うバックアップを使ってオプション更新インストール前の9月26日へリカバリし、「LAN接続なしで起動」、スイッチをオフに設定後LAN接続、基本的Updateのみを適用し正常復活しました。

※LAN接続リカバリ起動では、KB5030310インストールが始まります。

トラブル発生PCは、今後安全側の最新更新プログラム適用スイッチオフで運用します。スイッチオンの他3PCとの運用差が判るので、重宝しています。

Windows 11 Update変遷

Win11 22H2のUpdate変遷は、10月18日ビジネス+IT記事から得られます。企業向け情報のようですが、多くの個人PC Update注意事項としても役立ちます。

記事記載のように、Win11 Updateは変更が多く複雑化しました。この複雑性が、今後のWin11にも継続するかも不明です。

記事後半の、Microsoftは事前にブルースクリーンなどのトラブル可能性を認識していて「エンドユーザのデバイスでテストしているではと勘繰ってしまう」は、前稿:Windows 11 23H2章の「Win11 23H2の異例提供方法は、2024年発売のWin 12機能テストという位置付け」とも合致しており全く同感です。

セキュリティ対策とOS機能追加を完全分離配布できればBetterですが、分離不能な面もあるでしょう。セキュリティ重視なら前稿のOSサブスクリプション提供も配布候補となりそうです。

Win11 23H2、Windows12対処

今秋Win11 23H2への更新、2024年予定Windows 12へのアップグレードに備え、現在のWin11 Updateを理解しておく必要があります。

Update PCトラブル発生時は、本稿で示したオプション更新Update前のバックアップ/リカバリや、場合によってはOS再インストールとなります。トラブル対処準備を忘れずに行いましょう!

Afterword:Windows Insider ProgramとKB5030310

開発者向けWindows Insider Programは、Microsoftが動作確認・保証は行わない先行プログラムです。これに参加する開発者は、Win11 23H2先行テストができます。

一方、KB5030310もWin11 23H2部分的先行プログラムです。Insider Programと似ていますが、動作確認済みと筆者を含めた一般ユーザは考えます。しかし、多くの不具合が報告されています。これが、150もの新機能提供KB5030310を、Win12機能テストなどと不審を抱かせる根拠です。

AI Copilotは、CUI、GUIに次ぐ第3の新しいPCインタフェースかもしれません。このAIベース新インタフェース完成に、Microsoftは開発者より一般ユーザレスポンスが欲しいハズです。新インタフェース実装Win12は、このインタフェースに最低でも1年の開発期間は必要でしょう。

MCU開発ツールの1つとしてWindowsを捉える筆者は、MicrosoftがWin12開発用としてWin11 23H2を考えてないことを祈るのみです😢。