ローカルAIとメモリ量相関(2026年版)

AI PCのローカルAI処理とメモリ量相関(2026年版)
AI PCのローカルAI処理とメモリ量相関(2026年版)

現時点(2026年春)のローカルAI処理とPCメモリ量の相関図です。メモリ高騰の今、新しくAI PCを購入しローカルAI処理を始めるか、それとも、暫く待つかの判断に役立つ2記事があります。筆者は、暫くAI PC購入を待とうと考えています。本稿は、その理由を説明します。

AI PC現状と将来予測

  1. AI PCハードウェアとモデルの現実的な選び方(2026年春)2026/05/22、@IT
  2. 「赤いザリガニ」を飼える時代来る2026/05/25PC Watch

記事1は、現時点のAI PC処理能力・用途を決める最大要因は、ユニファイドメモリ容量であること、様々な量子化LLMモデルとメモリ容量、その最適AI用途対応を示しています。この記事を元に筆者が4bit LLMでのメモリ容量とAI用途の相関関係を示したのが最初の図です(NotebookLM生成図を修正)。

記事2は、AI PC将来予測です。低コストローカルAIエージェントの実現には、ローカルAIモデル軽量化とクラウドAIとの役割分担、つまり、ハイブリッド実装が現実的アプローチを示しています。最初の図で言えば、メモリ容量が下がる方向にシフトすると予測しています。

つまり、AI PCは高速大容量メモリがCPU/GPU/NPUボトルネックを生まないために必須だが、昨今のメモリ高騰対策には、ローカルAIメモリを軽量化し、クラウドAIとのハイブリッド処理が解決策の1つと予測しています。

2026年春のAI PC高騰価格

昨年2025年春は、GMKtec社のEVO-X2 128GBモデルが、(稟議不要の)30万円以下の売価でした。現在は、64GBモデルでも37万円を超えます。メモリ高騰が主因だとしても僅か1年で驚くべき価格上昇です。この価格上昇が、ハイブリッド実装記事2の背景です。

ちなみにMinisforumMS-S1 MAX 128GBモデル(8ch x 16GB551,999円)と64GBモデル (8ch x 8GB463,999円)の価格差から、現在のAI PC向けメモリは、64GB88,000円と高価です。

Minisforum MS-S1 MAX 128GBモデルと64GBモデルの価格
Minisforum MS-S1 MAX 128GBモデルと64GBモデルの価格

本格AI開発を2026年春に行うには、128GBメモリ(17万円前後)を実装したAI PC、またはそれ以上が必要という訳です(前投稿も参照してください)。

2026年春、ローカルAI開発着手リスク

AI PCは、最初の図で示したように必要ハードウェアがユーザの使い方や用途で異なります。仮に「今」最強ハードウェアを入手すれば、様々な使い方やソフトウェア、例えば、色々なLLMや量子化レベルを試し自分に適すAIエージョント開発も可能でしょう。但し、それには50万円以上のハードウェア投資が必要です。

この投資に見合うリターンが問題です。過渡期のローカルAI開発着手に適すタイミングを、先行するクラウドAIを使って推定するのも1つの方法だと思います。

但し、筆者の結論は明快です。現時点で過渡期ローカルAI開発に50万円を投じるのはリスクが大き過ぎます。

Summary:ローカルAIとメモリ量相関(2026年版)

ローカルAI開発環境、特にAI PCハードウェアを、いつ/いくらで入手するか検討のため、2026年春時点のローカルAI処理・用途に必要なユニファイドメモリ量の相関図を作成し、本格AI開発に128GB17万円)メモリ実装の50万円程度のAI PCハードウェアが必要であると分析しました。

PCハードウェア高騰原因は、高速大容量メモリの供給不足です。少なくともメモリ価格が2025年レベルへ落着くまでAI PCハードウェア購入を筆者が待つ理由を説明しました。

Afterword2026年春、高速進化のAIハードウェア

価格高騰同様、ローカルAI関連ハードウェア進化速度はとにかく早い! 次世代DDR5規格EVO-X230%向上EVO-X3Snapdragon X2 EliteミニPC。過渡期の証です。

MINIX ER939-AIとMS-S1 MAX

AMD Ryzen AI Max+ 395128GBメモリ搭載ミニPC2機種を比較しました。55万円前後でミニAI PCを選ぶ場合、軽さと写真加工も行うならMINIX ER939-AI、高速・拡張重視ならMS-S1 MAXです。

MINIX ER939-AIとMS-S1 Max正面
MINIX ER939-AIとMS-S1 Max正面

2026530日、リンクスインターナショナルが549800円で発売する新しいミニPCが、左側MINIX ER939-AIです。右側はMinisforum551999円で販売中のMS-S1 MAXです。

MINIX ER939-AIMS-S1 MAXの仕様比較

ミニAI PC MINIX ER939-AI MS-S1 MAX
価格 549,800円(前後) 551,999
OS Windows 11 Pro 64 bit
プロセッサ プロセッサ AMD Ryzen™ AI Max+ 395
コア数/スレッド数 16 コア 32 スレッド
ブースト動作周波数 5.1 GHz
総合TOPS 最大126 TOPS
NPU TOPS 最大50 TOPS
グラフィックス AMD Radeon 8060S
メモリ 規格 LPDDR5-8000 MHz
搭載容量 128 GB (8×16 GB) (オンボード)
空きスロット なし(追加不可)
内蔵ストレージ 規格 2×M.2 2280 NVMe Slot (PCIe 4.0)
容量 2 TB (NVMe PCIe 4.0) 
増設スロット M.2 2280 PCIe 4.0 (x4)(空き1スロット)
映像出力 1×HDMI 2.1 (最大 8K@60 Hz) 1×HDMI 2.1 (最大 8K@60 Hz)
2×USB4 (最大 8K@60 Hz) 2×USB4 (最大 8K@60 Hz)
1×DisplayPort 1.4 (最大 8K@60 Hz) 2×USB4 V2(最大 8K@60 Hz)
有線LAN 1×2.5Gb LAN 2×10Gb LAN
無線LAN Wi-Fi 7
Bluetooth Bluetooth 5.4
インタフェース 背面ポート 2 × USB 2.0 2 × USB 2.0
1 × HDMI 2.1 1 × HDMI 2.1
1 × DisplayPort 1.4
1 × USB4 2 × USB4 V2
1 × USB 3.2 Gen2 (Type-A) 2 × USB 3.2 Gen2 (10Gbps)
1 × 2.5G LAN 2 × 10G LAN
1 × オーディオ端子
1 × DC入力 1 × AC入力
1 × ケンジントンロックスロット 1 × ケンジントンロックスロット
前面ポート 1 × 電源ボタン(指紋認証) 1 × 電源ボタン
1 × SDカードスロット 1 × USB3.2 Gen2
1 × USB4 2 × USB4
2 × USB 3.2 Gen2 (Type-A) 2 x DMIC
1 × オーディオ端子 1 × オーディオ端子
冷却方式 ファン&ヒートシンク
電源供給 外付けACアダプタ 内蔵電源
付属品 1×ACアダプタ、1×ACコード、1×HDMIケーブル 1×ACコード
本体サイズ 205 × 192 × 70 mm D×W×H 222 × 206 × 77 mm D×W×H
本体重量 1.4 kg 2.8 kg

APURyzen AI Max+ 395で高速・大容量128GBメモリ実装は、本格的ローカルAI開発も可能な高性能AI PCの要件です。MINIX ER939-AIMS-S1 MAXは、これら要件をみたします。

両モデルのAI性能は同じでも設計思想は異なります。

本体サイズは、MINIX ER939-AI205 × 192 × 70 mmMS-S1 MAX222 × 206 × 77 mmで若干MS-S1 MAXが大きいもののほぼ同じです。一方、重量は、MINIX ER939-AI1.4Kg に対しMS-S1 MAX2.8Kgです。これは、MINIX ER939-AIACアダプタによる電源供給のためで、MS-S1 MAXは電源を内蔵する分、重量が増します。

インタフェースは、MINIX ER939-AIDisplayPort SDカードスロットを持つのに対し、MS-S1 MAXはこれらがありません。その代わり2本の10G LANUSB4 V2DMIC(ダイナミックマイク)MS-S1 MAXにはあります。

つまり、MINIX ER939-AIは軽量化と汎用性、MS-S1 MAXは高速ネットワークと拡張性を重視した設計です。

MINIX ER939-AIとMS-S1 Maxインタフェース
MINIX ER939-AIとMS-S1 Maxインタフェース

MINIX ER939-AIMS-S1 MAX吸気口比較

外観から気になるのは、MINIX ER939-AIが左右両側面に吸気口があるのに対し、MS-S1 MAXは、吸気口が左側面のみにある点です(どちらも排気は背面で搭載ファン数は3)。

MINIX ER939-AIとMS-S1 Max吸気口
MINIX ER939-AIとMS-S1 Max吸気口

これは、MS-S1 MAX本体を横置きで重ねて増設するためです。MS-S1 MAXを同時に2台以上持てるユーザ以外は、MINIX ER939-AI同様、吸気口は両側面にある方が放熱に有利です(代替に正面吸気かも?)。

また、どちらもゴム足を下にした縦置きが基本的な本体設置方法であることも判ります。

SummaryMINIX ER939-AIMS-S1 Max

Ryzen AI Max+ 395128GBメモリ搭載でAI性能は同じ高性能ミニAI PCMINIX ER939-AIMS-S1 Maxを比較しました。

価格は、どちらも55万円前後、本体サイズもほぼ同じです。ACアダプタ給電のMINIX ER939-AI1.4Kg、電源内蔵のMS-S1 Max2.8Kgです。本体を縦置きにすれば、設置スペースも小さく本格的なローカルAI開発に適す両モデルです。

MINIX ER939-AIは、SDカードスロットがあることから写真AI加工などにも用途を広げた汎用設計、MS-S1 Maxは、2台重ね拡張重視のため、下面(縦置き時右側面)の吸気口が無い設計です。放熱性はMINIX ER939-AIが有利でしょう。

持ち運びや汎用性を取るか、10Gb LAN高速性や2台重ね拡張性を取るか、これが両モデル選択の分かれ目です。


AI PCメモリ要件

次章2記事からNPU処理ボトルネックを生まないAI PCメモリ要件を整理しました。メモリ速度、広いメモリバス幅、大容量メモリ、MoPMemory on Package)が注目点です。PC原価の35%を高騰メモリが占めると言われるAI PC選択指針の1つになります。

参照した2つの記事

  1. Snapdragon X2 Elite Extreme 80TOPS NPUテスト、2026/05/08、窓の森
  2. Snapdragon X2 Elite⼤進化の理由、2025/09/26、PC Watch

x64コア陣営のARMRyzen AI 400シリーズNPU50TOPSAI 300シリーズと同じなのに対し、ARM64コア陣営Qualcomm社の最新Snapdragon X2シリーズNPU80TOPSと従来45TOPS1.78倍に高性能化しました。

本稿は、NPU利用のローカルAI PC処理に、実装メモリがどのように影響するかという観点で両記事を参照しました。

最新Snapdragon X2 Elite Extremeと従来Snapdragon X PlusAI画像生成速度

項目 最新Snapdragon X2 Elite Extreme 従来Snapdragon X Plus
NPU性能 80 TOPS 45 TOPS
メモリ仕様 LPDDR5x-9523 LPDDR5x-8533
メモリバス幅 64bit x 3チャネル = 192bit 64bit x 2チャネル = 128bit
理論メモリ帯域幅 9523 x 192 / 8 = 228.6 GB/s 8533 x 128 / 8 = 136.5 GB/s
MoP容量 16GB x 3個 = 48GB 8GB x 2個 = 16GB
20AI画像生成速度 17 32

資料1ではNPU性能差80/45=1.78倍に対し、AI画像生成速度は32/17=1.88倍、生成処理動画の見た目は2倍近い高速化が示されています。

これは、メモリ仕様の高速化、メモリバス幅の3チャネル化、メモリ(MoP)大容量化が、80TOPS NPUAI処理高速化へ寄与しているからです。また、画像生成中のNPU使用率は、最新/従来ともに8割以上と同一のため、新旧NPU性能に見合ったメモリを実装していることも解ります。

つまり、AI PCで比較されがちなTOPS値だけでなく、「TOPS値を活かすメモリ実装方法もローカルAI処理の重要指針」であることが判ります。

MoPと外部メモリ増設の考察

3DRAMとCPUを封止したSnapdragon X2 Elite ExtremeのMoP(記事2より)
3DRAMとCPUを封止したSnapdragon X2 Elite ExtremeのMoP(記事2より)

MoPMemory on Package)は、DRAMメモリチップをCPUと同一パッケージ内に直接配置・封止する技術です。CPUとメモリ間距離が、従来マザーボードのメモリ装着に比べ近いため、より高速処理が可能で省電力性にも優れています。拡張性は劣りますがノートAI PCやミニAI PCに適した技術です。

資料2から、技術的にはMoPでも外部メモリ増設は可能で、容量増加もできそうです。但し、筆者の自作PC経験から、MoPと外部メモリとの相性などで不安定動作や速度低下の懸念があります。

AI PCの外部メモリ追加は、できれば避けたい事象だと思います。

SummaryAI PCメモリ要件

80TOPSと大幅にNPU性能が向上したSnapdragon X2 Elite Extreme AI PCAI処理性能を活かすメモリ要件は、MoPによるメモリ高速化、広いメモリバス幅(チャネル数増加)、十分なメモリ容量です。

MoPでもメモリ容量増設は可能ですが、増設外部メモリとの相性などに懸念があり、初めから想定AI処理に十分な容量のメモリ実装が望ましいと思います。

PCメモリ高騰中ですが、高性能TOPSや想定AI処理に見合うメモリ実装がAI PC選定に重要です。

AI PCと脳老化

AI PC入手後の使い方を検討します。使い方を間違うと自分の脳老化を早める可能性もあるからです。

脳老化メカニズム

医師監修記事によると脳の老化は、3040代で始まり、60代になると変化が明確に判るそうです。

脳老化や萎縮が進むのは、意欲や思考の前頭葉、記憶や聴覚の側頭葉の部位で、原因は、年齢、生活習慣の乱れ、ストレスなどです。防ぐ方法は、「積極的」に脳利用時間を増やすことと睡眠、栄養、運動です。

年齢による劣化は避けられません。しかし、メカニズムを知れば劣化速度を遅くし、脳機能の維持・改善もできるというのが記事主旨です。

技術者のAI活用スキル

従来の技術者は、常に新しい技術を学ぶ努力を継続できる人です。これは、共同開発者や自分自身の為でもあります。

AI時代は、新技術をAIエージェントが短時間・効率的に収集、解説します。AIハルシネーション対策に取集とは別のAIで行うこともできます。つまり、AIを使えば従来のような「無駄な労力無し」に簡単に「新技術を集め、読む」ことはできます。

但し、「読んだ新技術」が自らの技術力になるかは疑問です。「ただ読んだ技術は脳(海馬)が忘れる」からです。長期記憶化、つまり忘れずに本当の技術力になるには、読んだ技術内容の「脳内での再構築」が必須です。

具体的にはメモ取りや他人への伝授、AI回答への質問など「能動的にAI回答を読むこと」が必要だと脳科学者:清家茂樹氏は指摘しています(記憶に残る読書、消える読書)。

AI時代の技術者は、AIを利用し効率的に新技術を集め、読み、そして脳内で再構築できるスキルが必須です。そして、より「抽象度が高い検討を継続できるのが新しいAI時代の技術者」となるでしょう。

SummaryAI PCと脳老化

AI PCの使い方次第では脳(海馬)劣化速度を速める
AI PCの使い方次第では脳(海馬)劣化速度を速める

AI PC価格は高止まりが続いています。高価なAI PCへの投資効果(ROIReturn on Investment)は、その使い方に大きく依存し、使い方をまちがうと、脳、特に海馬領域の劣化速度を速めます。

AI時代の技術者は、AI PCの利用前にAI回答を想定、利用後はAI回答のチェック、質問や自ら要約するなどのAI出力の「再構築を脳内」で行い、AI利用で生まれた余剰時間は、「脳老化を防ぐ睡眠」に充てるセルフケアが必要だと思います。

Afterword:進化と退化(その2)

猿の惑星を例に「AIは諸刃の剣、進化も退化も使い方次第」が弊社227投稿主旨でした。今回は、医学面から便利ツールAIの使い方次第で具体的にどのように人が変わるかを示しました。便利さを求めるのは当然です。しかし、従来の使い方ではAIは、年齢老化に加え記憶を司る海馬劣化の可能性も高いことを示したかったのです。

ASRock Ryzen AI Max+ 395搭載ミニPC発表

2026317日、台湾ASRock社がAMD Ryzen AI Max+ 395搭載のミニPCを発表しました。現時点では価格不明ですがAC電源内蔵、外観も良く可搬性が良さそうです。

ASRock Ryzen AI Max+ 395搭載ミニPC:AI BOX-A395(出典:ASRock)
ASRock Ryzen AI Max+ 395搭載ミニPC:AI BOX-A395(出典:ASRock)

AI BOX-A395仕様

自作PCのマザーボード供給で有名なASRock社が発表したミニPCAI BOX-A395仕様がコチラです。

200×232×100mm2.8Kgアルミ筐体にRyzen AI Max+ 395128GB RAM搭載済みでAC電源内蔵です。

AI BOX-A395インタフェース(出典:ASRock)
AI BOX-A395インタフェース(出典:ASRock)

キーボード/マウス接続に適すUSB2.02個、2.5Gbps/10Gbpsの有線LAN2個あるのも使い易いでしょう。3面(上面、背面、左側面)に吸排気口があり、FAN6本のヒートパイフでAPUを冷却します。

AI BOX-A395冷却方法と静音性
AI BOX-A395冷却方法と静音性

213投稿BitPCFEVM FA-EX9192×190×55mm)と縦横サイズはほぼ同じ、厚みは2倍です。空冷クーラ高さのためと思います。但し、PC経年劣化によるFAN交換やその入手性は、AI BOX-A395は良いでしょう。

SummaryASRock Ryzen AI Max+ 395搭載ミニPC発表

ASRockミニPC:AI BOX-A395(出典:ASRock)
ASRockミニPC:AI BOX-A395(出典:ASRock)

ASRock社がAMD Ryzen AI Max+ 395搭載、128GB RAMLPDDR5X-8000 MT/s)実装のミニPCAI BOX-A395200×232×100mm2.8Kgアルミ筐体、AC電源内蔵を発表しました。典型的なトップフロー空冷クーラ採用で筐体厚みが100mmありますが、経年劣化によるFAN交換は容易だと推測します。

AfterwordRyzen AI 395ミニPC価格変動

Ryzen AI 400シリーズ発売により旧AI 300シリーズAI PC弊社候補、下記2種のAmazon価格低下は今のところありません。逆に、EVO-X2は価格上昇中です。AI BOX-A395価格次第で第3AI PC候補になりそうです。

  • GMKtec社EVO-X2、¥425,999 (26/03/06) ➡ ¥ 475,999 (26/03/19) 税込、Amazon在庫有り
  • BitPC社FEVM FA-EX9、¥425,999 (26/03/19)税込、Amazon 2~3日以内に発送

AI PCソフトウェアのLLMとMCP

NET PCからAI PC移行期の重要技術
NET PCからAI PC移行期の重要技術

従来のNET PCから新しいAI PCへの移行期です。筆者を含めた技術者は、常に多様な新しい事柄を学び理解が必要で大変ですね。そんな方に、AI PCソフトウェア重要要素:LLMMCPの良書を示します。

AI PCハードウェア:HWとソフトウェア:SW、活用ノウハウ

AI PC実現には、先ず専用のHWが必要です。例えば、40TOPS以上NPUやセキュリティチップPlutonなど。今はHW価格上昇中で簡単に入手できなので、価格が落ち着くまでSWを調査します。

ちなみに前章の図は、従来のNET PCと新しいAI PC重要要素を対比して示したつもりです。

インターネット解放によりPCには高速ネットワークHWが必須となり、ネット接続SWにブラウザ、そのブラウザを活用したキーワード検索技術が普通のユーザにも必要になりました。

NET PCは、普通ユーザの情報収集ツールとしての役割が加わりました。

同様にAIにより従来NET PCAI専用HWが加わり、そのHW利用のAI SWも加わります。更にユーザにもプロンプト作成などのAI活用ノウハウが必要になります。つまり、AI PCは、普通ユーザのパーソナルアシスタントツールになりつつあります。

我々技術者は、普通ユーザよりも深く重要要素を理解・学習し、NET PCのようにAI PCを使いこなせないと、その存在意味が無くなる可能性があることをご理解頂けたでしょう。

LLM導入と機能理解の良書

AI PCソフトウェア要素のLLM
AI PCソフトウェア要素のLLM

ブラウザ同様、複数のLLMがありそれぞれに特徴があります。現状のLLMを選択、特徴を掴むには実際にご自分で試行錯誤するのがBestですが、代わりの良書:LM StudioでローカルLLMを始めよう(第13回)、日経XTECHがあります。

各種LLM特徴と4機能が、要領よくまとまっています。

技術者が参考になる適用例もあり、日経ソフトウェア記事だけに実に読みやすい。読みやすさは、理解し易さにも繋がりますのでお勧めです。

LLM活用ノウハウとMCPの良書

AI PC利用ノウハウを実現するMCP
AI PC利用ノウハウを実現するMCP

LLMは、AI PCと人間のインタフェースです。このAIインタフェース経由でAI PCをどう使うか、つまり活用ノウハウ例が、コチラの記事(前編)にあります。

このAI PC活用に重要な役割を果たすのがMCPです。

ノウハウ記事は、MCPがどのようにAI PC活用に結びつくかを具体的に示しています。PCソフトウェア開発者は、人間とAIエージェント両方に対応できるMCP理解は必須です。

SummaryAI PCソフトウェアのLLMMCP

技術者は、常に多様な新しい事柄の学習・理解が必要です。AI PCのソフトウェア重要要素LLMを効率よく理解できる日経ソフトウェア記事と、LLM導入AI PCMCP活用ノウハウ記事を紹介しました。どちらも良書です。

AIによる記事要約が簡単に得られる時代です。しかし、自分で記事を読み理解する方が学習は容易です。古の「学問に王道なし」は、AI時代でも続くようです。但し、良書を使うと学習効率は上がります。


EVO-X2とFEVM FA-EX9

GMKtec EVO-X2とBitPC FEVM FA-EX9概要
GMKtec EVO-X2とBitPC FEVM FA-EX9概要

1月30日投稿で示したGMKtecEVO-X2(右側)と同じハードウェアで空きSSDスロットへOCuLinkを付け、薄型筐体化、コストパフォーマンスも高いBitPC社のFEVM FA-EX9(左側)を紹介します。

BitPCGMKtecの関係

GMKtec社は、2019年設立の中国)深セン拠点のミニPC製造会社です。主な製品に、NcuBoxシリーズなどがあります。一方、BitPCは、GMKtecが製造するミニPC製品を、特定チャネルで販売展開するリブランド/OEM会社で、GMKtecと共通のハードウェア製品が多いです。

GMKtec製品の日本正規代理店は、リンクスインターナショナルなどで製品サポートを行います。BitPC製品は、GMKtec公式サポートには含まれない分低コストです。つまり、信頼性重視ならGMKtec製品、コスト重視ならBitPC製品と言えます。

EVO-X2FEVM FA-EX9のハードウェア

130日で示したEVO-X2レビューFEVM FA-EX9動画から、どちらも同じマザーボード、ヒートシンクを使用中です。最初の図の両製品正面/背面インタフェースも同じ配列です。

また、APUは、AMD Ryzen AI 300シリーズ最強Ryzen AI Max+ 395とローカルLLM処理可能な128GB RAM実装製品ですので、どちらも超高性能ミニAI PCと言えます。

違いは、EVO-X2SSD空きスロットへFEVM FA-EX9OCuLinkを装着し、ヘッドホンジャック上に当該コネクタがある点、EVO-X2特徴のLEDが光るケースファンの出っ張りが、FEVM FA-EX9は消え(省略?)その分だけ薄型になっている点です。

放熱条件が厳しいミニPCの場合、EVO-X2FEVM FA-EX9に比べケースファンがあるので熱安定性は高いと思います。但し、ゲーマーLEDは不要でFEVM FA-EX9のスッキリした形状が筆者好みです。

EVO-X2レビューにあるように、FEVM FA-EX9も本体ファン制御が悪く静音性は低いと推測します。対策として、下図のようにデスク下面など直接ファン音を遮る場所にFEVM FA-EX9を設置すれば、騒音問題は減少・解決すると思います。

また、デスク下面設置は、本体下の空間が広く、必要なら14㎝静音ファンを本体下へ手動追加すれば、EVO-X2に近い構成となるため放熱問題も同時解決できると思います。

FEVM FA-EX9の静音性と放熱性を考慮した机下配置
FEVM FA-EX9の静音性と放熱性を考慮した机下配置

SummaryEVO-X2FEVM FA-EX9

GMKtecEVO-X2リブランド/OEMBitPC FEVM FA-EX9は、EVO-X2と同じマザーボード、ヒートシンクで、EVO-X2のケースファン/LEDを省略した薄型高性能ミニAI PCです。

FEVM FA-EX9は、EVO-X2 SSD空きスロットへOCuLink追加製品のため余分なSSDスロットはありません。しかし、OCuLink不要なら外し、代わりにSSDを追加すれば良いでしょう。また、ファン省略による放熱問題と静音性の低い問題は、デスクトップから机下への設置や本体下部への静音ファン手動追加などで補えそうです。

EVO-X2同様、BitPCFEVM FA-EX9は、価格破壊級コスパとOCuLink拡張性が高いミニAI PCです。

Afterword:回線速度とTOPS値、タイミング

今ローカル/エッジAI PC必要性は、非常に高いと思います。回線速度同様、高TOPSと高速・大容量RAMがローカルAI PC要件でしょう。その他(騒音・排熱)は工夫次第です。

ただ、価格破壊級でも37万円以上と高い…。少しでも低価格で高性能AI PCが欲しい方は、タイミングも重要です。アマゾンFEVM FA-EX9販売は、直ぐに売り切れとなり入荷未定です😭。

Copilot PC変化の兆し

Microsoftが「強力に推進中」のCopilot PCに変化の兆しという記事をピックアップしました。
さて読者の方々は、どう考えますか?

Copilot PC変化記事

MicrosoftWindowsに対しCopilot+AI PC)機能等をかなり強引に追加中なのは実感します。また、1月月例更新で数々のトラブルが生じたのも事実です。これらから、MicrosoftAI戦略を再評価し、AI機能の簡素化、または、無効化を検討中というのが記事概要です。

一方、Win112月月例更新で様々な新機能追加という記事もあります。

これらは、Microsoftの思惑通りローカルAI処理に必須のNPU普及が進んでいないのが原因と推測します。つまり、AI Windows化(Win12開発)遅れの焦りが、ユーザ信頼性を揺らがせる結果を招いているのです。

人間処理からAIエージェント共存処理への過渡期

AIの可能性、生産性は計り知れません。

AIエージェント向け標準プロトコルMCPの仕組み(出典:Wikipedia)
AIエージェント向け標準プロトコルMCPの仕組み(出典:Wikipedia)

従来の人間だけを対象としたソフトウェア処理を、人に加えAIエージェントへも任せられるMCPModel Context Protocol)処理変更は、多岐に渡ります。バグが生じるのも止む負えない感がするのは筆者だけでしょうか?

この従来人間のみソフトウェア処理変更も、いずれAIによる自動変更、または、AIによるソフトウェア生成が可能になると思います。そうなればバグも減少するでしょう。

月例更新トラブル多発は、MCPソフトウェアへの移行過渡期の表れと筆者は思います。

SummaryCopilot PC変化の兆し

Copilot PC変化の兆しはMCPソフトウェアへの移行過渡期の表れ
Copilot PC変化の兆しはMCPソフトウェアへの移行過渡期の表れ

例えMicrosoftCopilot PCへの注力具合が変化したとしても、AIPCを激変することは変わりません。AIは人類にインターネットよりも変化を与えるからです。

超巨大営利企業Microsoftは、市場や関連団体リーダーとしての顔も持ち、エンドユーザのみを重視できないことは理解できます。過去、大成功のWin7/10や数々の先駆的失敗も経験済みです。

Copilot PC変化記事も、これら経験に基づいた一種のバイブレーションだと思います。Microsoftならではの経験を活かし新しいAI Windows/Office開発・発売を祈ります。


EVO-X2とMS-S1 Max

EVO-X2とMS-S1 Maxの選定
EVO-X2とMS-S1 Maxの選定

同じx64コアAPUAMD Ryzen AI Max+ 395128GB RAM搭載のミニPCGMKtecEVO-X2MINISFORUMMS-S1 Max実機レビューを参考に、どちらを次期AI PCに選ぶかを検討しました。

x64コアAI PCレビュー記事

2024Copilot発表以後Microsoftは、x64コアPCよりも電力効率が良いARM64コアAPUSnapdragon X2 EliteNVIDIA N1X搭載PCなどをひいきしています。それでも既存アプリ互換重視の筆者は、次期AI PCx64コアを選びます。

Ryzen AI 300のクロックアップマイナーチェンジ版:最新AI 400シリーズ搭載ノートPCが販売されました。しかし、熱的に厳しいミニPCなら旧AI 300搭載PCが安くなれば「買い」だと思います。

そこで、AI 300シリーズ最強Ryzen AI Max+ 395とローカルLLM処理可能な128GB RAM搭載の下記x64コアAI PC実機レビューを参考に、x64 AI PCを選ぶならどちらにするかを検討します。

コスパEVO-X2と拡張性MS-S1 Maxの特徴

2実機レビューを下記観点から比較・評価しました。

評価観点 EVO-X2 MS-S1 Max

インターフェースと
ネットワーク拡張性

USB4 (40Gbps) x 2,
有線LAN 2.5Gbps x 1,
Wi-Fi 7(2.8Gbps),
GOOD

USB4 v2 (80Gbps) x 2,
有線LAN 10Gbps x 2,
Wi-Fi 7,
EXCELLENT

電源供給と
筐体設計

230Wアダプタ電源供給,
プラスチック多用筐体(本体約1.65kg),
GOOD

320W電源本体内蔵,
金属製筐体(約2.8Kg),
EXCELLENT

メモリ帯域幅と
AI
タスク能力

メモリ帯域幅216GB/s,
64/128GB RAM
選択可能,
AVERAGE/EXCELLENT

メモリ帯域幅216GB/s 128GB RAMのみ,
EXCELLENT

マイク有無と
静音性

マイク無し,
FAN騒音高く、デスクトップ常設不向き,
POOR

マイク有り,
FAN騒音高く、デスクトップ常設不向き,
POOR

現行価格と
コストパフォーマンス

36万円(価格破壊級),
EXCELLENT

48万円,
AVERAGE

総括すると両AI PCの設計思想が全く異なる事が判ります。EVO-X2がコスパ重視、MS-S1 Maxが拡張性重視の設計です。但し、MS-S1 MaxLAN高性能を活かすには、光10Gbps級の宅内/宅外ネットワークが必須な点は弱点(オーバースペック)かもしれません。

上記AI PCを本ブログで紹介した昨年秋に比べ、メモリ価格高騰・円安などで現時点は約20%販売価格が上昇しました。残念です。新AI 400シリーズ搭載PC発売で旧300シリーズ価格低下を期待します。

価格低下したとしても簡単に買える金額ではありません。評価するだけならタダなので楽しいのですが…。AI PCで得られるパーソナルアシスタントやローカルAI処理にどの程度の額を払えるかは継続検討です。

SummaryEVO-X2MS-S1 Max

AMDRyzen AI 300シリーズ最強APUAI Max+ 395128GB RAM搭載のミニPCGMKtecEVO-X2MINISFORUMMS-S1 Max実機レビューを参考に、次期AI PC選定を行いました。

コスパ重視のEVO-X2に対しMS-S1 Maxは拡張性重視の設計です。クロックアップマイナーチェンジ版のRyzen AI 400シリーズAI PC発売開始により旧AI 300シリーズ搭載PCの販売価格低下を期待します。

販売金額が下がれば、現状の筆者ネットワーク環境ではEVO-X2が次期AI PCに適すと判断しました。

2025年モデルAI PC Surface動向

Microsoft Surface が、1014日のWin10 EOS(サービス終了)に合わせ割引価格で販売中です。
最新Surface Pro 2025年モデルと2024年モデルを比較し、2025Surfaceの動向を探りました。

2025/10/19まで割引価格のSurface Pro
2025/10/19まで割引価格のSurface Pro

AI PC Surface低調原因

Copilot+ PC普及率9%、イノベトピア(2025730日)によると、AI PC全体でのMicrosoft Copilot+ PCのシェアは9%と低調です。原因は、価格の高さ、ARM64コアのビジネスアプリ互換性問題と筆者は思います。

20246月のCopilot+ PC発表から1.5年が経過し、多くのビジネスアプリがARM64コアへ対応しました(下図)。また、x86/x64エミュレーションPrismもあり、アプリ互換性問題は解消されつつあります。

ARMネイティブアプリ例(出典:日経Xtech)
ARMネイティブアプリ例(出典:日経Xtech)

9月27日追記:Copilot+ PC向けARMアプリ拡大、Windowsブログ(2025年9月18日)で、ARM64コアネイティブ動作アプリが、分野毎に数多く記載されています。また、アプリ開発者向けに、ARMアドバイザリーサービスも用意されています。

Surface Pro 2025年モデルは低価格化

Surface Pro 2024年モデルは、ARM64コアのQualcommSnapdragon X Elite12コア)やSnapdragon X Plus10コア)を搭載しました。2025年モデルは、これをSnapdragon X Plus8コア)へダウングレートしました。

主要諸元差を一覧表にしました。

Surface Pro主要諸元 2025 モデル 2024 モデル
ARM64コア Snapdragon X Plus8コア) Snapdragon X Elite12コア)
Snapdragon X Plus
10コア)
NPU QualcommHexagon NPU45 TOPS
ディスプレイ 12インチ(2196×1464 13インチ(2880×1920
メモリ・ストレージ Max 16GB RAM512GB SSD Max 64GB RAM1TB SSD
Officeアプリ Microsoft 365 Personal Office HomeBusiness
Win10 EOS割引価格 ¥130.680 ¥207,680

AI処理の要NPUNeural Processing Unit)を除き、2025年モデルは低価格仕様へ変わっています。

Win10 EOSに合わせた割引価格でSurface Pro 2025年モデルは、x64コアのAI PC普及版とほぼ同じ価格帯になったと思います。

Windows ML提供開始

2025923日、Microsoftは、Windows ML (Machine Learning)の提供を開始しました。Windows MLは、x64/ARMコアに関わらずWindows上で多種多様なローカルAI実行環境を提供します。

Windows ML(出展:Microsoftサイト)
Windows ML(出展:Microsoftサイト)

つまり、AMD/IntelQualcommなどCPUベンダに依存しないローカルAI開発が可能です。AI開発のCPUコア依存性は、Windows MLにより無くなりつつあります。

Summary2025年モデルAI PC Surface動向

Microsoftは、従来x64 CPUに変わる新しいARM64コア採用Copilot+ PC20246月に発表しました。Copilot+ PCは、Windows 11CopilotキーなどのAIポータル機能を統合しており、製品にはSurface Pro 2024年モデルなどがありました。

この2024年モデルは、高価、従来ビジネスアプリ互換性問題のためAI PC全体に占める割合は低調です。Copilot+ PC発表から1.5年が経過し、ARM64ビジネスアプリも増えてきたことから、新Surface Pro 2025年モデルは、2024年比、低価格化が進んでいます。

さらに、Win10 EOSに合わせSurface普及促進を目的に割引価格で販売中です。Surfaceが気になるユーザは、今が狙い時かもしれません。

Afterwordx64→ARM64背景

Microsoftが、CPUを従来のx64から新しいARM64コアへ変えた理由は、Apple社のMac同様、電力効率の良さです。確かにARM64ノートPCのバッテリー駆動時間は、x64比、少し長いです。この駆動時間が2倍などであれば、ARM64化に弾みが付いたでしょう。電力効率とアプリ互換性バランスの読み違いもSurface低調要因だと思います。

さて、AI開発は2030年まで減速なし、@IT2025919日)によると、大規模AIインフラ投資によりAI進化は2030年まで継続するそうです。生成AIは、イーサネット出現に匹敵すると筆者は思います。AIに上手く慣れるには、Microsoft Surfaceのような業界標準AI PCの利用が良いかもしれません。