Copilot+ PC CPU 24年7月現状

Copilot+ PC CPUまとめ(24-06編)の続編です。7月16日、Intel/AMD/ArmのCopilot+ PC CPU状況が判るPC Watch記事が掲載されました。この記事をメインに、ノートPC向けCopilot+ PC CPUの24年7月現状をまとめます。

Edge Copilot記事要約

上記記事をEdgeで開き、右上Copilotアイコンクリックとページ概要を生成するで生成した概要が下記です(厳密会話スタイル)。

Ryzen AI 300シリーズの特徴: AMDの新しいRyzen AI 300シリーズは、50TOPSの性能を持つXDNA 2アーキテクチャを採用し、他の競合製品を上回る性能を実現しています。

異種混合CPU: Ryzen AI 300は、Zen 5とZen 5cの異種混合CPUを搭載し、高性能と低消費電力を両立しています。

Block FP16: 新しい浮動小数点精度であるBlock FP16に対応し、INT8と同等の性能を持ちながらFP16の正確性を提供します。

将来の展望: AMDは今後もRyzen AI 300シリーズの性能向上を目指し、次世代製品の開発を進めています。

筆者記事要約

記事要約としては、前章で良いのでしょう。若干判り難いので、いつものように筆者が要約します。

記事筆者:笠原 一輝氏作成のCopilot+ PC向けSoC仕様が下記です。

Copilot+ PC向けSoc仕様(出典:PC Watch記事)
Copilot+ PC向けSoc仕様(出典:PC Watch記事)

Qualcomm Snapdragon Xが、Copilot+ PCとして発売中のArmコア搭載CPUです。

NPU単体は、7月発売AMD Ryzen AI 300が50TOPS、3Q24発売予定Intel Lunar Lakeが48TOPS(SoC全体はNPU48+CPU5+GPU67=120TOPS)と、先行Armの45TOPSよりも後発の強みを活かし勝っています。

但し、TOPS測定が、各社同一単位FP16/INT8評価か、NPU単体での消費電力はどの程度か等、不明な点も多く、±2TOPS程度は誤差範囲で3社横並びと筆者は思います。

AMD Ryzen AI 300搭載Copilot+ PC 8月発売

HP OmniBook Ultra 14(出典:www.engadget.com)
HP OmniBook Ultra 14(出典:www.engadget.com)

2024年8月に、現在最高NPU性能Ryzen AI 300搭載のCopilot+ PC要件を満たすノートPC:HP OmniBook Ultra 14が発売されます(日本円で23万円から)。しかし、まだCopilot+ PCとは呼ばずにAI PCと呼んでほしいそうです。

その理由は、Armアーキテクチャではなく、x86アーキテクチャだからです。Copilot+ PC CPUリストに今は入ってないからでしょう。

つまり、AI処理本体Windows Copilot Runtimeがネイティブ動作では無く、Armエミュレーション実行です。逆に、従来アプリx86/x64互換性は、Arm CPUに比べ問題が少ないと言えます。

※従来アプリの1つEclipse IDEをベースとするMCU開発ツールも、Win10→Win11アップグレート時、MCUベンダが暫く旧Win10利用を勧める場合がありました。但し、筆者はx86/x64アプリ互換トラブルに遭遇した経験はありません。

筆者推定ですがSoC全体でNPU50+CPU5=55TOPSです。Windows Copilot RuntimeネイティブArm PCと、非ネイティブx86/x64 PCで、AI処理にどの程度差がでるか気になります。Windows専門家評価を待ちたいです。

Intel Lunar Lakeメモリ上限32GB

Intel Lunar Lakeパッケージ(出典:ASCII記事)
Intel Lunar Lakeパッケージ(出典:ASCII記事)

2024年7月15日、ASCII記事に、Intel Lunar LakeのSoC搭載DRAM上限が32GBで増設できない理由が示されています。記事筆者:大原 雄介氏は、この上限は、次期CPU:Arrow Lakeまで続くと推定しています。

Microsoft Copilot+ PCのメモリ要件は、16GB以上の「DDR5/LPDDR5」です。普及しているDDR4 RAMよりも高速/高価格なDDR5を活かしきれず、かつ上限があるDRAMオンチップ化は、SoC全体の低電力を重視したとは言え、裏目に出たようです。

32GB RAM上限とDDR5高速を活かせないLunar Lakeが、AI PC処理に及ぼす影響も、Windows専門家評価を待ちたいです。

Summary:Copilot+ PC CPU 24年7月現状

2024年7月時点のArm/AMD/Intel Copilot+ PC(AI PC)向けCPUを一覧表にしました。

24年7月AI PC CPU ターゲット NPU単体性能 備考 発売
Intel)Lunar Lake ノートPC 48TOPS 40%SoC電力削減
Max. 32GB RAMオンチップ
24年3Q
AMD)Ryzen AI 300 ノートPC 50TOPS TDP28W 8月発売
Arm)Snapdragon X ノートPC 45TOPS Copilot Runtimeネイティブ対応 発売中

発売中Arm CPU単体NPUの45TOPSに対し、後発AMD Ryzen AI 300 CPUは50TOPS、Intel Lunar Lakeは48TOPSと数値ではAMD/Intelが勝ります。

しかし、Windows Copilot RuntimeによるAI処理をネイティブ処理するArm CPUと、エミュレーション処理するx86/x64 Intel/AMD CPUで、AI処理にどの程度差が出るか、Lunar LakeのMax. 32GB RAM上限と速度が、どの程度AI処理に影響するか、さらに、Arm CPUの従来x86/x64ビジネスアプリ互換性なども専門家評価を待ちたいです。

※ゲームアプリに関しては、前投稿(2章)で、互換性問題なしの結果が出ています。

先行Arm CPUに、後発AMD/Intel CPUがやっと追いつき、AI PC性能に大差無し、と筆者は思います。

Afterword:後発AMDとIntelのSoC考え方

AMD Ryzen AI 300パッケージ(出典:PC Watch記事)
AMD Ryzen AI 300パッケージ(出典:PC Watch記事)

最初のPC Watch記事に、Armアーキテクチャを追いかける後発AMDのCopilot+ PC SoCの考え方が示されています。AMDは、「先ず性能が最優先事項、その次が電力効率など」という考え方です。

一方、Intelは、「電力効率を最優先」し、DRAMをSoCに組込んだのでしょう。しかし、その副作用が、4章ASCII記事の内容です。

人類が避けられない技術進化がAI PCです。筆者は、パーソナルAIアシスタント(AIエージェント)PCに期待しています。

AI処理を実用可能レベルで高速実行するには、PCハードウェア選び、端的に言えばCPUが肝心なのは、前投稿でも示しました。AMDとIntelのCopilot+ PC SoCの考え方の違い、現状CPUと次期Arm/AMD/Intel CPU動向などにも注意しながら、新Windows PC CPU選択が必要だと思います。


2~3年先Windows PC予想

2~3年内に新しいWindows PC購入を検討中です。激変中のWindows PC環境(OSとハードウェア)を整理し、今後(2~3年先)のWindows PCを予想します。筆者はWindows専門家ではありませんので確度は低いかもしれません。しかし、予想を持つ方が、様々な情報理解に役立つと思います。

激変Windows PC状況

  • 2025年10月Windows 10サポート終了
  • 今期Windows 11 24H2リリース予定
  • 次期Windows 12リリース、アップグレート要件不明
  • 2024年6月Microsoft Copilot+ PC発売開始

Windows PC環境、OSとハードウェアの状況です。激変を牽引するのは、パーソナルなAI PC化です。これら関連の多くの情報が溢れています(関連投稿:情報機器大転換期)。

2~3年先Windows ハードウェア予想

新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)
新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)

Copilotキーの新規追加、40TOPS以上のNPU搭載、16GB以上のDDR5/LPDDR5 RAM搭載、Microsoft Pluton Securityプロセッサ搭載など6月発表のMicrosoft Copilot+ PCは、現行Windows PC比、かなり高性能で新しいハードウェア構成です。その目標は、先行するAIスマホ機能の取込みに加え、AIアシスタントPCへの進化です。

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するには、ハードウェア選びが肝心です。そして、低電力動作。AIアシスタントと相性の良いモバイルノートPCを1日中フルに使っても、バッテリーに十分な余裕が必要だからです。

MacだけでなくWindows PCのCPUでも、従来Intel/AMDのx86/x64から、Armアーキテクチャへ変わりつつあるのは、このバッテリー持ちの良さ、電力効率の良さにあります。

但し、過去x86/x64ビジネスソフトウェアのArmアーキテクチャCPU動作検証が必要です。Armは、Prismでx86/x64エミュレーションを実行し、ゲームソフトは、ほぼ問題なく動作するようです。また、AIスマホは、ほぼArmベースですので、AIスマホ機能の取込みもx86/x64比、有利だと思います。

新しいAI半導体供給には、年単位の時間が必要です。高性能AI半導体を使うAI PCの2024年出荷は、わずか3%、2028年にようやく40%台という調査会社IDC予測があります。一方、Lenovoは、今後3年間でAI PCは一気に普及し、2026年出荷全体の60%を占めると予想しています。

筆者は、Lenovoに近い予想です。パーソナルAIアシスタント機能を持つPCと、これが無いPCでは、生産性や作業効率に格段の差が生じるからです。例えば、Office作業は、AI Copilot活用でプライオリティの低い作業は、激減すると思います。

2024年は、円安(7月161円/$)影響で、日本では高性能AI PCハードウェアは価格が高く手が出ません。2025年~2026年は、Win10サポート終了とAI半導体の安定供給時期が重なり、世界的なAI PC需要の伸びとハードウェア低価格化が期待できると思います。

AIノートPC代替ミニPC

ミニ PC - NucBox K8(出典:GMKtecサイト)
ミニ PC – NucBox K8(出典:GMKtecサイト)

現状のAI PCは、AIアシスタントとの相性が良いノートPCが主流です。しかし、筆者のように主にデスク上でPCを使う方は、ミニPCという選択肢もあります。

ミニPCは、簡単に言うとモニタなしのノートPCです。常時外付けデスクモニタと接続して利用します。ハードウェア構成は、ノートPCとほぼ同じで、モバイル性を犠牲にした代わりに拡張性があります。例えば、GMKtecNucBoxなどです。

ArmミニPCは、現在ラインナップに有りません。しかし、バッテリーを気にする必要が無いので、有力な高性能AI PCハードウェア候補と考えています。

2~3年先Windows OS予想

現行Win11 23H2の後継は、サービス期間2年想定のWin11 24H2です。この2年間(2024年~2026年)に、Win10サポートが終了しますので、Win11 24H2(またはWin11 25H2)の役目の1つが、多くのユーザ利用中のWin10代替OSでしょう。

Win10からWin11へのアップグレートは、TPM 2.0要件などありますが、大きな障壁ではありません。また、障壁回避アップグレード方法もあります。この意味で、Windowsユーザ離れは回避できると思います。

結局、現行x86/x64 Windows PCでも、2026年~2027年頃まではアップグレートWin11運用が可能です。

問題は、アップグレートWin11が、Microsoft想定のCopilot+ PC OSと異なる点です。つまり、高度なAI処理に手間と時間、電力消費が懸念される点です。但し、実際はどのようなAI処理をPCユーザが好み、どこにAI PCの大きな需要があり、それらを支援するAI OS機能は何かを見極める必要があります。

AI処理は、この見極めが必須なぐらいサービス/アプリによるソフトウェア負担も大きいのです。汎用的にAIをPCで活用するには、Copilot+ PCよりも更に高性能ハードウェア、例えば高TOPS NPUや大容量メモリが必要になると思います。

Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)
Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)

Copilot+ PCのAI OS処理は、Windows Copilot RuntimeがArmネイティブ動作のため、x86/x64比、電力効率に優れます。2024年~2027年は、従来のx86/x64 Win11と新しいArmネイティブOSの併存期で、Armネイティブ特性を活かすAIサービス/アプリとAI OS機能の見極め期間です。

例えば、Copilot+ PCのRecall検索機能は、導入前にプライバシー配慮に対する改善が入りました。パーソナルAIアシスタントとプライバシーは、セキュリティバランスを考慮したガイドラインなどが必要でしょう。

※既にWin11 23H2でもスクリーンショットがユーザ同意なしにピクチャライブラリへ自動保存(!?) されますが…。

次期Win12は、この新旧OS併存期の結果から「2025年~2026年末頃、本格的パーソナルAIアシスタントOSとして新登場」すると思います。

次期Win12はWin11からアップグレートできるか?

6月発売Microsoft Copilot+ PCのOSは、Armネイティブ動作Windows Copilot Runtimeを持つWin11 23H2です。このCopilot+ PCハードウェア構成のPCは、おそらく新しいWin12へアップグレートできるでしょう。

前章のAI OS見極め結果にも依りますが、Win12登場が遅れれば遅れる程、6月Copilot+ PCとのスペック乖離が進みます。筆者がWin12登場を遅くても2026年末としたのは、この乖離を少なくするためです。

逆に言うと、「Win12アップグレート最低条件が、6月Copilot+ PCスペック」となりそうです。

Summary:2~3年先Windows PC予想結果

ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)
ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するにはハードウェア選びが肝心です。さらに、モバイルノートPC向けに、低電力動作も必須です。

本格的AI OSのWindows 12登場は、2025年~2026年と予想しました。このWin12アップグレート要件未達とならないよう、2025~2026年内に、出来るだけ高性能なAI PCハードウェア購入を検討中です。

有力候補に、バッテリー動作を気にする必要が無いミニPCハードウェア案を示しました。

Afterword:ネットカフェPCにWin11 23H2登場→Win12?

過去Win10のみであったネットカフェPCに、Win11 23H2搭載PCが登場しました。今後Win11比率も徐々に高まるでしょう。新しいWin12が、個人PCのNPU学習結果を、Microsoft Pluton SecurityプロセッサとOneDriveを使って同期できれば、公衆ネットカフェPCでもパーソナルAIアシスタントが使えます。

パーソナルAIアシスタントのクラウド化、これならOfficeが付いたOneDrive利用も喜ばれるでしょう!

Copilot+ PC CPUまとめ(24-06編)

Copilot+ PC発表以降、Intel、AMD共に対応CPUの発表が相次いでいます。PCハードウェア転換期の今、Copilot+ PC CPUの現状と最新状況を簡単にまとめました。次期PC購入検討のためです。

Copilot+ PC要件まとめ

先ず、Edgeの無償Copilot Promptへ、Copilot+ PCの質問をしました。回答が以下です(筆者編集あり)。

Copilot+ PCは、2024年6月18日にグローバルローンチされました。日本国内でもACER、ASUS、DELL、HP、Lenovo、Samsungなどのメーカーから搭載ノートPCが発売されています。

最安モデルは17万円後半から購入可能で、主流は20万円台です。

Copilot+ PCの最小要件:

  • Microsoftが承認したCPUまたはSoCを搭載。
  • 40TOPS以上の処理性能を持つNPUを組み込むことが条件。
  • 16GB以上のDDR5/LPDDR5規格RAM(メモリ)。
  • 256GB以上のSSD/UFSストレージ。

AI機能:

  • Copilot+ PCでは、AIアシスタント「Copilot」を瞬時に呼び出すための[Copilot]キー採用。
  • ローカル実行できる40以上のオンデバイスAIモデルを搭載予定。
  • 新たに下記機能が利用可能
    • 「Recall」(過去の表示内容検索)
    • 「Cocreator」(画像生成AI)
    • 「Live Captions」(多言語字幕生成)
    • 「Windows Studio Effect」(ビデオ通話エフェクト)

メリット:

  • 高速でインテリジェントな処理実現。
  • バッテリー駆動時間が長く、終日使用可能。
  • セキュリティにも力を入れており、Microsoft Pluton Securityプロセッサ搭載。

現在、「Copilot+ PC」要件を満たすCPUは、QualcommのSnapdragon X Elite搭載ノートPCのみです。今年後半には、AMDやIntelもCopilot+ PC要件を満たすCPUをリリース予定です(Copilot回答ここまで)。

回答は全てMicrosoftが情報源ですので、確度は高いと思います。筆者不明のMicrosoft Pluton Securityへ追加質問をし、以下を得ました。

Microsoft Pluton Securityプロセッサ:

資格情報、ID、個人データ、暗号化キーを保護し、攻撃者マルウェアインストールやPC物理的攻撃に対し情報削除が非常に困難です。TPM機能提供とTPM 2.0仕様を超えるセキュリティ機能提供用に設計されています。

つまり、Copilot+ PCユーザ情報保護の要でしょう。次期Win12アップグレード要件になる予感がします。

以下の章で、Intel、AMD、ArmのCopilot+ PC要件を満たすCPUを調査しました。

Intel:Lunar Lakeで120TOPS、40%電力削減

Intel Lunar Lakeは、CPU、GPU、NPUとDRAMをSoC化(出典:記事)
Intel Lunar Lakeは、CPU、GPU、NPUとDRAMをSoC化(出典:記事)

6月4日PC Watch記事に、現行Meteor Lakeの次期CPU、今年3Q投入計画のLunar Lake概要が記載中です。筆者が、ごく簡単にまとめたのが以下です。

Lunar Lakeは、薄型軽量ノートPC向けCPU。CPU、GPU、NPUとDRAM(16/32GB)もSoCパッケージ化し、120TOPS、40%電力削減能力を持つ。NPUは、現行から第4世代NPUへ進化。Meteor Lake未対応のMicrosoft Plutonにも対応。

※Edgeで当該記事ブラウジング中にのみCopilot要約ができます。しかし、本稿は筆者が要約しました。以下記事も同様です。

AMD:Ryzen AI 300シリーズは50TOPS NPU搭載

Ryzen AI 300シリーズのNPU性能はSnapdragon X EliteやIntelの次世代CPU「Lunar Lake」よりも高い(出典:記事)
Ryzen AI 300シリーズのNPU性能はSnapdragon X EliteやIntelの次世代CPU「Lunar Lake」よりも高い(出典:記事)

6月4日AMDは、新世代CPU Zen5採用AM5ソケット対応のデスクトップ向けRyzen 9000シリーズと、50TOPS第3世代NPU統合のCopilot+ PC向けRyzen AI 300シリーズを発表しました。

7月以降、ACER、ASUS、HP、Lenovo、MSIなどのメーカーからCopilot+ PC対応ノートPCが発売され、発売時は他社比、トップNPU性能です。

Arm:2030年迄にWindowsデバイス支配的シェア予測

Armは、CPU IPベンダです。IntelやAMDと異なり、CPU製造ではなくCPU IPコアを他社へ販売、その1社がQualcommのSnapdragon X Eliteで、現在唯一のCopilot+ PC要件を満たすノートPC CPUです。

6月4日、Arm CEOのRene Haas氏は、Windows Copilot Runtimeとそのアプリ(Recall、Cocreator、Live Captions)は、Arm版のみ現存しており、現在数%シェアは、2030年までにWindowsデバイスの支配的シェアを占めると予測しました。

ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)
ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)

macOSは、既にx86からArm移行が起きており、WindowsもArmネイティブになると予測しています。

Summary:Copilot+ PC CPUまとめ(24年6月編)

2024年6月時点で判明しているCopilot+ PC向けCPUを一覧表にしました。

24年6月Copilot+ PC CPU ターゲット トータルNPU性能 備考 発売
Intel)Lunar Lake ノートPC 120TOPS 40%電力削減
DRAMオンチップSoC
24年3Q
AMD)Ryzen AI 300 ノートPC 50TOPS TDP28W 7月以降
Arm)Snapdragon X Elite ノートPC 40TOPS Windowsネイティブ対応 発売中

6月時点のCopilot+ PC CPUは、ノートPC用のみです。ユーザと共に移動可能なノートPCの方が、デスクトップPCよりもエッジAIフル活用に向いているからだと思います。

複数PC間でエッジAI学習結果、つまりNPU同期は難しいでしょう。最もユーザに近いAIアシスタント搭載PCが、PCハードウェア転換期のBest解になりそうです。

従来Intel、AMDに加え、新にArm IPコア採用の第3勢力がCPUシェア獲得競争に加わりました。

Copilot+ PCのCPUは、NPU性能と低電力性が選択ポイントです。NPU性能が高ければ、それだけ高い確度と速いレスポンスのAIアシスタントCopilotが使えます。例えると、高性能GPUは、高精細画面を得られるのと同じです。

Afterword:Raspberry Pi 5は13TOPS NPU搭載

Raspberry Pi AI Kit(出典:Cytron)
Raspberry Pi AI Kit(出典:Cytron)

エッジAIは、CPUのみならずMCUやMPU/SCB全てに変化を与えます。例えば、6月4日、MPU/SCBのRaspberry Pi 5へ、13TOPS NPUを追加できるKit($77)が発表されました(関連投稿:MCUとMPU/SCBの違い)。

筆者のメインPCは、NPU非搭載Win11自作デスクトップPCです。次期Win12 PCは、Copilot+ PC対応新ノートPC調達か、それとも、ラズパイ5同様デスクトップPCへエッジAI NPU追加か思案中です。

また、PCハードウェア転換期とエッジAIフル活用対応にCopilot PromptでAI利用に慣れようとも考えております。


MCU開発者のCopilot+ PC

2024年5月28日、日本Microsoft津坂社長のCopilot活用記事が、PC Watchに掲載されました。メール要約や資料分析、優先タスク振分けなどCopilotを使った活用例は、ビジネスパーソンだけでなく、MCU開発者にとっても参考部分が多々あります。

筆者が特に印象に残ったのは「エンジニアでない津坂社長でも、使い続け、議論を繰り返すことでCopilotを使いこなせる(AI筋トレ)」の部分です。

背景技術の広さ深さは見せず、使い易さを追求したツールは、Copilotだけでなく最近のツール全般に当てはまります。そのCopilotを更に進化させるGPT-4oのAI研究者視点と、MCU開発ツール変化について示します。

謎が多いGPT-4oモデル

2024年5月28日、ビジネス+IT にAI研究者、今井 翔太氏が、研究者視点のGPT-4o評価と謎、GPT-5への伏線を執筆しました。筆者が、ごく簡単にまとめたのが下記です。

“数年前ならAGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)レベルに達したと想定できるGPT-4oは、AI研究者からみると、謎が多いモデルで従来スケーリング則からは不自然。しかし、殆どの人が考えるAGIに相当近づいた。GPT-4延長GPT-4oの次期超高性能モデルGPT-5準備中”

AIを利用する殆どの人、つまり、筆者などMCU開発者は、GPT-4o≒AGIと考えて良いと思います。前章、津坂社長のようにAGI化したCopilotをこき使って(!) 生産性や判断スピートを上げ、その中身や仕組みは知らなくても問題ないからです。

現在Copilotは、GPT-3.5/4でGPT-4oではありません。しかし、CopilotのようなAIツールは、使っているうちにGPT-4o/5などのテクノロジ進化と共にユーザ学習度も深くなり、最後にはユーザ専用アシスタントとなる可能性があります。

このツール自体の進化が、従来に無いAIツールならではの特徴です。

MCU開発ツール変化

MCUのIDE開発ツールは、Eclipse IDEベースが業界標準です。各MCUベンダ固有のAPIコード生成ツールやフラッシュプログラマをEclipse IDEへ機能追加し、MCU開発者へ無償提供されます。

最近、Eclipse IDEベースに代わってMicrosoft製Visual Studio Code(VSC)を使う変化が見られます。

MCUXpresso for Visual Studio Code構成(出典:NXPサイト)
MCUXpresso for Visual Studio Code構成(出典:NXPサイト)

例えば、NXPは、EclipseベースのMCUXpresso IDEの代わりに、VSCベースのMCUXpresso for Visual Studio Codeが使えます。もちろん、無償です。従来EclipseからVSCへ変えるメリットは、筆者には判りません。あえて推測すると、同じMicrosoft製Copilotとの親和性です。

つまり、数年後のAI活用MCU開発時に、EclipseベースよりもVSCの方がCopilotとの協調動作性が良いので、ユーザ能力に合わせた開発ができるかも(?) という訳です。

Summary:MCU開発者のCopilot+ PC

Microsoft発表のCopilot+ PCは、ユーザ検索履歴や能力レベルを、40TOPS以上のエッジAI NPUが学習し、ユーザに即した回答をCopilotが提供します。これは、広く深い知識が求められるMCU開発者にとっても、開発スピートアップやMCU習得の強力な助けになります。

MCU開発者がCopilotを上手く使うには、津坂社長のように使い続け、入出力議論を繰り返すことでエッジAI NPUがユーザを学習し、同時に開発者もCopilotに慣れる「AI筋トレ期間」が必要です。

CopilotなどのAIツール活用は、MCU開発者とエッジAI NPU双方の学習期間が必要
CopilotなどのAIツール活用は、MCU開発者とエッジAI NPU双方の学習期間が必要

Visual Studio Code やCopilotに慣れ、エッジAI NPUを使いこなせるよう準備が必要かもしれません。Microsoft製ツール全盛となるのは、いささか気になりますが…。AIアシスタントCopilot影響大ですね。

Afterword:VSC頻繁更新Dislike

筆者は、VSCをWeb制作に使用中です。これは、過去使っていたツールが更新停止となったからです。拡張機能の多さやユーザカスタマイズが容易なVSCですが、その頻繁な更新はあまり好きになれません。

Eclipse IDEでも、エディタは標準以外の別エディタ、例えば、Notepad++変更も可能です。その他カスタマイズ機能も、現時点ではEclipseとVSCに大差無いと思います。

AI全盛時は、もしかしたらIDEで差が出るかも(?) と思ったのが本稿作成理由です。筆者は、未だ自作PC派です。生成AI加速モジュールをPCへ追加しエッジAI性能を上げるか検討中です。