2025年10月は、EOS(End Of Support)のMicrosoft製品が4種あります。EOS以降は、セキュリティリスクが高まるため対策が必要です。これら対策案を一覧表にまとめました。
EOSとは
OSやアプリは、定期的な更新プログラムやセキュリティアップデートがネットワーク経由で無償提供されます。この無償プログラム提供が無くなるのが、EOSです。
その結果、効果的な製品ウイルス対策が出来なくなり、動作不安定化や動作停止などが起こります。EOS後の製品継続使用は、避けるべきです。
OS対策
Windowsとして継続利用する場合は、最新Win11 24H2へのアップグレード更新が必須です。更新は無償ですが、アップグレード要件があり満たさない場合は、新しいPCの購入をMicrosoftは勧めています。
新しいPCは2種類あります。1つが40TOPS以上のNPU(Nural Processing Unit)を持つAI PC(Copilot+ PC)です。AI PCは、Microsoft注力中の新しいローカルエッジAI機能、例えばリコールが使えます。また、Win11 24H2以降の次期AI OS Win12にも対応予定です(関連投稿:Win11 24H2と次期Win12)。
※リコール:数秒毎にデスクトップ画面をキャプチャーし、検索用インデックスをエッジAIが自動生成。ユーザ自身の過去閲覧データ/サイトを検索できるサービス。
もう1つが、AI処理40TOPS NPU以外のハードウェア、例えばTPM 2.0(Trusted Platform Module)などWin11アップグレード「最低要件」を満たす従来PCです。NPUが無いためエッジAI機能は使えません(非Copilot+ PC)。しかし、クラウドAI機能は使えます。
※クラウドAI機能:Google社GeminiやMicrosoft社Copilotなどブラウザ経由AIサービス。ローカルエッジAI機能比、ネットワーク経由のため情報漏洩リスクが高い可能性あり。
要件を満たすPCは、「自動」でWin11 24H2アップグレードが行われます。弊社のように要件未達で新しいPC購入も困難なユーザは、自己責任ですがRufus 4.7を使ったWin11 24H2「手動」アップグレード方法があります(関連投稿:Rufus 4.7でWin11 24H2手動更新成功)。手動アップグレード後のWin11 24H2の様子は、Afterwordに示します。
Windows以外のOS選択肢は、Apple社Mac OSや、低性能ハードウェアでも動作するLinuxなどへの変更があり得ます。どちらもWindowsから新しいOSへの慣れや、使用アプリが新OSで動作するか、AIへの対応などの問題解決が必要です(関連投稿:Win11 24H2と次期PC選択)。

文書作成アプリ対策
PC文書作成アプリのOffice 2019/2016は、設計年度が古いため、常に最新版が提供されるクラウドサブスク型のMicrosoft(Office)365、または、買切り型Office 2024への変更が必須です。Office 2024のEOSは、2029年10月です。
Office 2019/2016ユーザなら、同じ操作方法で365/2024が使えるので、変更後も便利でしょう。
一方、無償PC文書作成ツールとしては、LibreOfficeが有力です。Officeファイル形式(docx/xlsx/pptx)の読書きができ、デフォルトではベンダ非依存の標準ファイル形式ODF(Open Document Format)のため、様々なソフトウェアとのデータ交換が可能です。
OfficeユーザがLibreOfficeへ変更しても、操作アイコンなどはほぼ同じですので、違和感少なく文書作成ができると思います(関連投稿:LibreOfficeの使い方)。
PCソフトウェア/ハードウェア購入対策
既存ユーザが納得する新しいソフトウェア/ハードウェアの購入には、魅力的な新しいPCサービスの提供/追加が必要です。
Microsoftは、このサービスをAIクラウド/エッジサービスにし、競合PCベンダのApple社よりも早いエッジAIサービス提供や、Google社クラウドAIサービスGeminiよりも強力なクラウドAIサービスCopilot提供を実施中です。
Microsoftソフトウェアは、Win11 24H2やOffice 365/2024へ積極的にAIサービスを追加しつつあります。ユーザニーズとこれらAIサービス(前々章リコール等)が上手く合致すれば、ソフトウェア買換え意欲も高まるでしょう。
またMicrosoftハードウェアも、新発売Microsoft Surface Pro/Laptopで従来Surface比、低価格化したQualcomm社ARM64 CPU普及を促進中です(関連投稿:24H2サポートCPU更新理由1章)。
一方、老舗AMD/Intel社x64 CPU陣営は、より高度なエッジAI機能、例えばローカルLLM(大規模言語モデル)によるAIエージョント対応CPU(Ryzen AI Max+ 395:プロセサ合計126TOPS)などで、ARM64差別化を図っています(関連投稿:AI PC)。
つまり、過渡期のエッジAIサービスをいち早く享受したいユーザは、40TOPS以上のNPUを持つ新しいAI PC(Copilot+ PC)購入は必須です。一方、次期Win12までエッジAI動向を注視するユーザは、従来PCのWin11 24H2更新とOffice 2019/2016の変更だけでも良いでしょう。Win12発表後、新PCハードウェア調達ができるからです。
Summary:10月EOS製品と対策
以上を一覧表にまとめました。
分類 | 10月EOS製品 | 対策案 |
OS | Windows 11 23H2 |
|
Windows 10 | ||
アプリ | Office 2019 |
|
Office 2016 |
Afterword:弊社「手動」更新Win11 24H2状況
コチラの記事を読むと、Win11 24H2「自動」更新は、筆者予想よりもかなり遅れていることが判ります。

さて、5月GWに「手動」更新した弊社Win11 24H2へ、6月11日、月例更新プログラムが配布されました。配布は成功し、手動更新Win11 24H2でも何のトラブルも無く正常動作中です。「自動」更新を心待ちにしているユーザは、「手動」更新でEOS不安から解放されますよ👍。