Windows 11 22H2大型更新成功

Windows 11 22H2の仕様
Windows 11 22H2の仕様

本稿は、Windows 11 22H2大型更新成功の速報です。

日本時間2022年9月21日、Microsoftは、Windows 11 22H2大型更新を一般公開しました。Windows 11初の大型更新です。弊社先行Win11は、Rufus 3.20を使い今回の大型更新に成功し、正常動作中です。

Win11 21H2 → 22H2

先行Win11 21H2は、TPM 2.0アップグレード要件のみを満たさないWindows 10 21H2 PCでした。

このPCを今年4月15日、Win10アプリケーションとデータ維持のまま、Rufus 3.18を使ってWin11 21H1へ無理やりアップグレードし、Win11として使えるかを3か月間評価しました。

結果は、タスクバー位置に不満が残るものの、GUIカスタマイズツール利用で使用感をかなり改善でき、Win11運用に問題はありません。

残る課題は、このTPM要件未達Win11 21H2が、22H2へ大型更新できるか否かでした。本稿で、この課題も解決しました。

※先行Win11詳細やRufusの使い方は、本稿末の関連投稿リンク参照。

Rufus利用Windows 11 22H2更新方法

最新版Rufus 3.20利用のWin11 21H2から22H2手動大型更新手順が下記です。

Windows 11 22H2手動大型更新手順
準備 ①21H2バックアップ(更新失敗リカバリ対策)
②22H2インストールメディアダウンロード
③Rufusで22H2インストールUSB作成
更新 21H2起動状態でインストールUSB setup実行
②Rufusダイアログに従い数回クリック
③22H2大型更新完了

注意点は、準備②ダウンロードです。Windowsインストールメディア作成からダウンロードする点、DVD作成を選ぶ点です。

WIndow 11 インストールメディア作成でDVD選択
WIndow 11 インストールメディア作成でDVD選択

ダウンロード後、MediaCreationToolの代わりに③Rufusを使ってインストールUSBを作成します。USB作成時のWin11インストールスキップ項目は、全項目にチェックを入れました。

このチェック設定は、お好みで変えてください。全チェックを外すと、MediaCreationTool利用インストールと同じになります。アップグレード要件を満たすPCなら、全チェックを外しても良いでしょう。

また、手動更新のメリットは、ユーザの好きなタイミングで大型更新が開始できることです。

まとめ:Windows 11 22H2大型更新成功速報

Rufus 3.20を利用したTPM要件未達Windows 11 21H2の22H2大型更新に成功しました。Win11初の大型更新も、MediaCreationToolの代わりにRufus を使えば問題なく成功し、正常動作します。

ポイントは、インストール条件が厳しいMicrosoftツール:MediaCreationToolの代わりに、Rufus を使う点です。

Rufus 3.20インストールスキップ項目
Rufus 3.20インストールスキップ項目

今回の成功が、将来も続くかは不明です。しかし、「強力ツール:Rufusのおかげで、多くの要件未達Win10 PC延命が可能」となりました。本Win11 22H2状況は、適宜ブログでレポートします。

弊社残りの2PCは、どちらも厳しいMicrosoft公式Win11アップグレード要件を満たします。本稿の結果、弊社3PC全てをWin11運用できる目途が立ちました。

Windows 11 22H2新しい追加機能は、コチラの記事などを参照ください。

あとがき:Windows 11かLinux Mint

次期Windows 10は、Window 11かLinux Mintか
次期Windows 10は、Window 11かLinux Mintか

正式なWin11アップグレード要件を満たさないPCは、機能追加の少ないWin10のまま2025年10月まで使い続けるか、または、Linux Mintなどの別OSへ載せ替えるかの2択です。Win10サポート終了の2025年10月以降は、別OS搭載かPC廃棄の運命です。

アップグレード要件を満たす/満たさないに関わらずWin10の次期OSとして、先行Win11とLinux Mintの両方を試行した結果、Win11アップグレード運用の可能性が高まりました。理由は、本稿の結果、筆者のWin利用経験が長いこと、ブログ読者にWinユーザ数が圧倒的に多いことの3つです。

ちょっとしたトラブルや不具合の前兆のようなものが、PCには発生します。その発生の検出と対応に長い利用経験が活きます。Linuxの場合、筆者はこの検出の勘が未熟なため、動作異常に至った時は、正常状態へリカバリするよりも簡単な再インストールを活用しました。

Mintは、Winに比べユーザ追加アプリを含む再インストールが簡単な点も、本試行の収穫です。

PCの主要アプリケーションは、マルチプラットフォーム化が進行中です。各ベンダのMCU開発ツールもまた、Win/Linux/Mac対応済みですので、OS依存性はありません。

PC OSは、以上の状況です。アップグレード要件未達PCをWin11にするか、あるいは、Linux Mintにするかの最終決定は、2025年10月の予定です。但し、複数PC運用の都合上、現実解としてはWin11になりそうです。

関連投稿リンク

  • TPM2.0要件未達PCのWin11 21H2強制アップグレード方法
  • Rufusの使い方
  • 強制アップグレードWin11 21H2の3ヶ月使用感
  • ビルド番号差から推測するWin10とWin11機能更新内容
  • Win11タスクバー位置考察
  • Windows代替としてLinux Mintお勧め理由



BitLockerトラブル

Windows Update KB5012170の失敗でBitLocker 48桁回復キー入力が必要となります。入力できない場合、PCアクセス不能となるトラブルが発生します。

2022年8月9日リリースのセキュリティ更新プログラム:KB5012170不具合が原因で、Windows 11 21H1、Windows 10 21H1などが対象です。0x800f0922エラー発生時には、ご注意ください。

BitLocker目的

Windows Update失敗でBitLockerトラブル発生
Windows Update失敗でBitLockerトラブル発生

BitLockerは、PCのハードディスク/USBメモリなどのデータを暗号化します。第三者によるデータ不正アクセス検出時、48桁の回復キー入力が無ければ、PCアクセス不能とする機能です。

BitLockerの目的は、ノートPC紛失時などに、内蔵データ流出や不正コピーを防ぐことです。

Win11では、デフォルトでBitLocker有効に設定済みです。BitLockerは、TPMを前提条件としています。BitLockerにより、10%未満の処理オーバーヘッドが生じます。

48桁回復キー入力に間違いがある場合も、PCアクセス不可能となるでしょう。パスワード3回入力失敗時と同じです。48桁キー、間違いなく入力できる自信、ありますか?

セキュリティとセーフティ

セキュリティとセーフティの違い(出展:STマイクロ)
セキュリティとセーフティの違い(出展:STマイクロ)

Security(セキュリティ)もSafety(セーフティ)、日本語ではどちらも「安全」と訳されます。しかし、本質的に両者は異なります。

STマイクロの資料P4に、解りやすい説明がありましたので、抜粋します。英語では両者は区別します。

・セキュリティ:外部からの攻撃・脅威に対し、デバイスやハードウェア侵害/ハッキングの防衛対策
・セーフティ:デバイスやソフトウェア誤動作・故障などへの障害対策

MCU開発者には、タンパ検出がセキュリティ、フェールセーフ設計がセーフティと言えば判り易いと思います。

セキュリティ誤検出

セキュリティの誤検出
セキュリティの誤検出

今回のBitLockerトラブルは、セキュリティ更新プログラム:KB5012170不具合がそもそもの原因です。

しかし、MicrosoftのBitLocker回復ガイドを見ると、この不具合以外にも、回復キー入力モードになる様々なイベントがあることが判ります。

当然の事ながら、各イベントに誤検出のリスクもあります。セキュティには、誤検出が避けられません。たとえ誤検出であっても、回復キー入力がPC正常復帰に必要となります。

10%未満とはいえ、BitLockerによるPC「オーバーヘッド増加」対「誤検出リスク」、これらを天秤にかける必要があるでしょう。

ノートPC以外の個人占有デスクトップPCなら、BitLocker無効でもOKだと思います。PC盗難には無力ですが…。

IoT MCUクラウド接続

IoT MCUをクラウド接続する際にも、デバイスのUUID(Universally Unique Identifier)や、クラウド接続を許可するやたらに長いデバイス証明書、秘密/公開鍵をMCU Flashへ書込み、それらをクラウドへ送信する必要があります。

これは、IoT MCUのクラウド接続手続きで、通常、初回接続時のみ入力すれば完了です。

それでもクラウド側の何らかのトラブル発生時、または、IoT MCUソフトウェア変更時など、鍵の再入力を求められる可能性はあります。

はたして、この再入力は、誰(顧客/開発側)が行うのでしょうか?

量子技術が公開鍵暗号方式を破る?

米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁
米国土安全保障省サイバーセキュリティインフラストラクチャセキュリティ庁

CISA(米国土安全保障省サイバーセキュリティインフラセキュリティ庁)は、今後10年間の量子コンピューティング進歩により、現状の公開鍵暗号方式が破られる可能性を指摘しています(2022年8月30日@IT記事)。

2024年に根本対策としての新しい量子暗号規格の発表があるそうです。現状対策は、鍵を長くすることでしょうか?

まとめ:秘密鍵保存と間違わない再入力

現状の公開鍵方式でセキュリティを維持するには、英大文字/小文字/数字/空白文字/記号から成る長い秘密/公開鍵の保存、入力が必要です。量子コンピューティングにより、キー長は、更に増える可能性もあります。

問題は、長い鍵の保存方法、誤検出などの鍵再入力時に間違わずに入力できるかです。コピー&ペーストが使えればOKですが、紙を見ながら入力は、可能だとしてもミスを招きます。

IoT MCUのようにクラウド接続時に最初1回のみ入力するとしても、誰が、どのイベントで、どのように間違いなく入力できる鍵やデバイス証明書などの機密情報保存方法について、顧客、開発側双方で検討しておく必要があります。

また、顧客は、IoT MCUセキュリティオーバーヘッド量(PCは10%未満)を求めると思います。元々非力なIoT MCUのセキュリティ対コストは、重要事項です。開発側も把握したいパラメタです。

関連投稿

・公開鍵と秘密鍵の役割が判る、組込み開発基本のキ(暗号技術の仕組み

・Windows 11非対応PCのBitLocker
弊社Win11 TPM 2.0非対応PCは、BitLocker未使用です。本稿BitLockerトラブルとは無縁でした。ノートPC持出しもCOVID-19で激減、新規購入Win11ノートPC BitLockerも検討中です。持出し時にのみBitLocker設定も可能ですが、ディスク暗号化処理に結構時間が掛かります。

・今秋Win11 22H2は、大型更新

Windows 11 22H2大型更新

現在のWindows 11 21H2 OSビルド番号は、22000。今秋配布予定Win11 22H2の番号は、22621.xxx。22000番から22621番台へと差分が大きいのは、更新内容が新機能追加などを含む大型更新を示します。

OS ビルド番号

Windows 11(左)と10(右)のOSビルド番号
Windows 11(左)と10(右)のOSビルド番号

Windowsは、エディション、バージョン、OSビルド番号で製品型式を示します。例えば、現製品のWin11/10の仕様が上図です。エディションとバージョンが、一般ユーザに馴染みがあります。

OSビルド番号は、開発者向けの型式で、Win11は、22000番台、Win10は、19000番台のビルド番号で両者を区別します。小数点以下は、リビジョン番号です。同一エディション/バージョン内の軽微な不具合修正、改訂を示しますので、本稿は無視します。

さて、今秋配布の製品リリース前プレビュー段階(Release Preview Channel)のWin11/10ビルド番号は、Win11:22621、Win10:19045です。

Win10が、現製品の19044から19045への僅か1増加に対し、Win11は、22000から22621と増分が大きく、多くの機能変更、修正などが現製品に加わったことが判ります。

このビルド番号差から、今秋のWin11 22H2は、「大型更新」と判ります。

Windows 10新規開発停止

Win10は、2025年10月にサポート終了します。過去のWin10ビルド番号変遷を見ると、2020年春の大型更新以降、マイナ更新を3回繰返していることが判ります。

2019年秋 バージョン1909:ビルド18363(2019年以前は省略)
2020年春 バージョン2004:ビルド19041(大型更新:ビルド差分600以上)
2020年秋 バージョン20H2:ビルド19042(マイナ更新:ビルド差分1)
2021年春 バージョン21H1:ビルド19043(マイナ更新)
2021年秋 バージョン21H2:ビルド19044(マイナ更新)

Windows 10のビルド変遷
Windows 10のビルド変遷

これは、Win10が完成済みを意味する訳では無く、次期Win11へMicrosoftが開発を移行した結果だと考えられます。Win10とWin11は、同じOSコアです。最後のWindowsがWin10を撤回し、新しいWin11リリースが2021年秋であることとも符合します。
※ “新しい” と言ってもOSコアはWin10なので、急場凌ぎの感がありますが…。

つまり、ビルド番号変遷によると、Win10へ機能追加などの新規開発は、事実上2020年頃から停止したことが判ります。

そして、今秋のWin10 22H2ビルドも19045です。更新失敗リスクが少ない「マイナ更新」を繰返し、2025年のサポート終了を迎えるのがシナリオのようです。

Windows 12リリース

Microsoftは、3年毎に新Windows開発、2024年頃のWindows 12リリースが見込まれています。

半導体製造技術の進歩により、PCハードウェア、特にノートPC性能向上は著しいものがあります。Intel 12世代モバイルCPUや、AMD 6000番以降のCPUに顕著です。

COVID-19によるリモートアクセス急増やメタバースへの対応だろうと推測します。ハードウェア高性能化に伴い、当然の事ながらPCソフトウェアも、OSコアの抜本的刷新や更なるセキュリティ強化などが求められます。

2019年のCOVID-19は、PCにも多大な影響を与えたと言えるでしょう。

ビジネスPCは、3年更新が理想的と言われます。3年周期の新Windows開発も、今は納得できます。

Windows 11 22H2大型更新

Win10とOSコア共通のWin11開発着手が、COVID-19後の2020年頃だとすると、新Win11リリースに3年弱、今秋のWin11 22H2が初の大型更新です(※9月20日、22H2リリース情報もあり)。

新Win11リリース時22000のビルド番号が、22621になったことからも、多くの機能追加、変更、修正が加わったと推測できます(詳細はWindows 11 22H2新機能参照、日経BP、2022/07/19)。

Windows 11のビルド変遷
Windows 11のビルド変遷

但し、大型更新には、更新失敗やトラブルが付き物です。

MicrosoftによるWin11 22H2配布を待つか、あるいは、ユーザ手動による更新実行か、いずれにしても大型更新直前にOSバックアップを実行し、トラブル事前準備は忘れずに行いましょう!

まとめ:ビルド番号から見るWindowsとCOVID-19

ビルド番号差から今秋Windows 11 22H2が大型更新であること、Windows 10は、2020年頃から新規開発を停止していること、その代替の新Windows 11 21H2開発に約3年を要したと推測しました。

2019年のCOVID-19が、Microsoft Windows 10の最後Windows宣言撤回や2024年Windows 12リリース、3年周期の新Windows開発、ノートPCハードウェアの急激な性能向上などへ影響を与えたと推測しました。

関連投稿

・Win11/10の大型更新に役立つRufus 3.20の使い方は、コチラ
・アップグレード要件未達Win10のWin11アップグレード方法は、コチラ
・要件未達Win11のアップグレード後3か月状況は、コチラ
・ユーザ手動によるWin10大型更新方法は、コチラ

Rufusの使い方

今秋のWindows 10/11大型更新と、WindowsからLinux Mint乗り換え検討時に、役立つ最新版Rufus 3.20の使い方を説明します。

Rufus目的

Rufus目的
Rufus目的

Rufusは、OSのISOイメージファイルをUSBインストールメディアへ変換するツールです。CD/DVDを持たないPCへのOSインストール時に使います。OSは、Windows以外にもLinux Mint、UbuntuやDebianなどにも対応しています。

特にWindowsのUSBインストールメディア作成時、Windows 11 TPM回避アップグレードだけでなく、Windows 10プライバシー回避更新などにも対応した最新版Rufus 3.20が、2022年8月3日リリースされました。

手動Windows 10/11大型更新とLinux Mintブートメディア作成に対し、Rufusだけで幅広く対応可能です。

RufusとMicrosoft公式Media Creation Toolの違い

今秋、Windows 10 22H2とWindows 11 22H2大型更新が予定されています。どちらも、Windows Updateでユーザトラブル状況を把握しつつMicrosoftが、段階的にユーザへ大型更新版を配布します。

このいつ始まるか判らない大型更新開始をただ待つより、Media Creation Toolを使ったユーザ主体の手動大型更新を、本ブログではお勧めしてきました(詳細は、投稿末補足説明1参照)。

Microsoft公式のMedia Creation Toolは、更新版Windows ISOイメージファイルをダウンロードし、USBインストールメディアを作成するツールです。Win10/11毎に対応Media Creation Toolは異なります。ダウンロード後、USBを作成せず旧Windowsへ直接上書きインストールすることも可能です。

一方Rufusも、Windows ISOイメージファイルからUSBインストールメディア作成は、Media Creation Toolと同じです。違いは、Media Creation Toolでは必須のアップグレート要件確認や、ローカルアカウントでのセットアップ、プライバシー設定をスキップし、旧Windows設定を保持したまま更新版をインストールできる点です。

つまり、Win11非対応PCアップグレード後3ヶ月投稿の課題、現行Win11 21H2から22H2更新へのTPM対策としてもRufusが役立つ可能性大です。

RufusのWindows 11大型更新スキップ

RufusのWindows 11大型更新スキップ内容
RufusのWindows 11大型更新スキップ内容

Rufus 3.20のWin11大型更新時にスキップできる内容が、上図4項目です。

Win11非対応Win10を強制アップグレードした時に用いたRufus 3.18は、一番上のセキュアブートとTPM 2.0回避項目のみでした(強制アップグレード方法は、投稿末補足説明2参照)。

この項目に加えRufus 3.20では、データ収集、ローカルアカウント、PC利用地域設定などをスキップする項目が追加されました。

RufusのWindows 10大型更新スキップ

RufusのWindows 10大型更新スキップ内容
RufusのWindows 10大型更新スキップ内容

Win10対応となったRufus 3.20のWin10大型更新スキップ項目です。

前章と比べると、TPM以外の項目がWin10更新でも可能になったことが判ります。各項目をスキップすると、煩わしい大型更新時の入力手間が省け、更新スピードアップになるかもしれません。

Linux Mintブードメディア作成

Rufusは、Windows以外のUSBインストールメディア(=ブートメディア)作成にも使えます。

RufusをLinux Mint 21ブートメディア作成に使い、作成済みUSBメディアからPCを起動すると、Windows載せ替えPC上でMint動作が試せるLive Bootが可能です。

Live Boot動作中は変更保存ができませんが、快適にLinux Mintが動作するかを実PCで評価できます。

Win11アップグレートができないWin10 PC代替OS候補として、Mintを検討する場合に便利です。

まとめ

Windows 10/11大型更新時、さらに、WindowsからMint乗り換え検討時に便利なUSBインストールメディア(=ブートメディア)作成ツール:Rufusの使い方を説明しました。

RufusをWindows大型更新に使うと、Microsoft公式Media Creation Toolで行われるWindowsアップグレート要件確認や各種設定をスキップした更新が可能です。

RufusをLinux Mintブートメディア作成に使うと、実機でMint操作を試すLive Bootが可能です。

Rufusだけで弊社使用中PCのOS更新/乗り換え検討に対応する幅広さ、Windows大型更新要件回避やローカルアカウント更新などユーザニーズを満たす機能を持っています。

最後に、いずれの場合でも失敗やトラブルは付き物です。最悪の場合でも、リカバリツールなどでトラブル前に回復できる事前準備は忘れないでください。

さいごに:WindowsかMintか

WindowsかMintか
WindowsかMintか

2024年Windows 12登場の噂もある状況で、次期PC OSがWindowsかLinux Mintかを評価しています。Rufusは、この検討中に便利、「今が旬なツール」です。

Win11タスクバー下固定は好みませんが、これ以外はWin10比、結構気に入った新GUIもあります。

次期OSにMintを採用しても、圧倒的大多数のWinユーザに弊社テンプレートを購入してもらうには、テンプレートのWin動作確認は必須でしょう。弊社としては、MintとWin混在環境は避けたいです。

盆休み中に集中検討しますがノートPC新規調達なども考慮すると、最適解はWin11になりそうです。

補足説明1:手動Win10大型更新方法

・Win10 21H2手動大型更新方法は、コチラ

補足説明2:Win11非対応Win10強制アップグレード方法

・TPM 2.0要件未達Win10を強制的にWin11へアップグレードする方法は、コチラ
・強制アップグレードPCの3か月後の状況は、コチラ

補足説明3:Windows代替OSとしてLinux Mintお勧め理由

・Mintはなぜ良いのかは、コチラ

Linux Mintはなぜ良いか

Linux Mint 21 CinnamonのGUI拡大図
Linux Mint 21 CinnamonのGUI拡大図

Windows 11へアップグレードできないWindows 10 PCの代替OSに、Linux Mintがなぜ良いかを説明します。また、後半は、選択肢が非常に多い場合の選択方法を示します。

2年前のLinux Mintお勧め理由

2年前、次の2点からMintをお勧めしました。

Linux MintとUbuntu比較から(2020-08-21)
Linux MintとWin10大型更新比較から(2020-09-04)

Win10大型更新は、年2回から1回へ変わるなど投稿内容と現状が合わないものが出てきました。また、最新版Ubuntu 22.04 LTS情報も多く出てきました。

そこで、2年間のMint使用経験から、Windows代替OSとしてMintをお勧めする理由をまとめます。

理由1:Windows 10スペックで快適動作

Win11アップグレード要件を満たさないWin10 PCを、無理やりWin11 21H2にしても問題なし、但し、次期Win11 22H2大型更新できるかが課題、これが前稿の内容でした。

この課題は、11アップグレード要件未達PCを使い続ける限り避けられません。対処療法は、見つけるつもりです。

根本対策は、WindowsからLinux MintへのOS載せ替えです。Mint要求スペックは、Win10よりもかなり低いです。

・64bitプロセサ
・2GB RAM (4GB recommended for a comfortable usage)
・20GB of disk space (100GB recommended)
・1024×768 resolution (on lower resolutions, press ALT to drag windows with the mouse if they don’t fit in the screen)
※出展:次期Mint大型更新ベータ版:Mint 21 Cinnamon Edition – BETA Release仕様より

つまり、Win10動作PCなら、現行のMint 20.3はもちろん、次期Mint 21でも快適に動作します。

理由2:Windows 10/11に近い操作性

「Windowsユーザが親しみ易いLinuxディストリビューション」、これがLinux Mintを使って得た所感です。具体例を示します。

・USBから手軽にインストールでき、お試し利用も可能(日本語環境も同時インストール)
・LibreOffice安定版(Still)やWindowsペイントなどのアクセサリ相当も同時インストール
・ブラウザは、Firefoxが同時インストール
・Windowsと同じGUI操作、スタートメニューやタスクバー位置(モニタ下、左側)も同じ

つまり、お試しインストール直後から、Windowsと殆ど同じ感覚でPC操作ができます。OS乗換を意識せず、Windows操作経験をそのまま活かしたLinux Mint操作ができるのが最大の特徴です。

LibreOfficeが使えれば、資料作成なども直ぐに開始できます。しかも、Mintをインストールする前に、実機で試せます。「MintがWindowsからの移設」を目的の1つとしているからだと思います。

数多いLinuxディストリビューションのベンチマーク

Linux Mintお勧めの理由
Linux Mintお勧めの理由

Linuxディストリビューションには、Mintの他にもUbuntu、Debianなど多くの種類があります。それぞれに特徴があり、ユーザ数が多く、ネット情報も多いのがUbuntuとDebianです。

但し、UbuntuやDebianは、Linux初心者には「しきい」が高いと思います。例えば、日本語環境やGUIの追加インストールが前提で、使え始める前に多少の手間が掛かります。この追加段階で失敗リスクもあります。

Windowsと同様、失敗などに対応できるOS利用経験があれば、UbuntuやDebianでも問題はありません。Mintは即利用重視、UbuntuやDebianは環境構築重視です。

多くのネット情報は、失敗やトラブル発生時には役立ちます。しかし、OSは安定動作が必然、本来は「トラブル無しの影の存在」のハズです。

マルチプラットフォームアプリケーションが多くなった現在、主役はアプリです。筆者は、MCU開発ツールと資料作成ツールのLibreOfficeが快適に動けば、OSに求めるのは安定性とセキュリティです。

Mintを使っていれば、そのうち不満箇所が出てきます。その時に、UbuntuやDebianの特徴が理解できるハズです。つまり、自分にとってLinuxの何が重要で、何を重視するかがより明確になる訳です。これが、ベンチマーク(水準点、基準)です。

Windowsの好みが個人個人で異なるように、Linuxベンチマークも個人で異なります。

先ずはMintを使ってLinuxベンチマークを持ち、次の段階で、数多いLinuxディストリビューションから要求ベンチマークに合うUbuntu、Debianなどを選べば良いと思います。

まとめ:Linux Mint選択理由

理由1:Windows 10スペックで快適動作
理由2:Windows 10/11に近いGUI操作性

どちらも2年間利用した筆者Linuxベンチマークによる評価です。Mintは、安定指向OSなので、トラブルも無く、大型更新なども成功しています。MCU開発ツールやLibreOfficeも動作します。

Mintには、高機能な方からCinnamonMATEXfceの3種類のGUIがあります(筆者はMATE利用中)。USBお試しインストール(正式名はLive Boot)でお好みのGUIが試せます。掲載図は、英語版GUIの抜粋ですが、雰囲気は判ると思います。

Linux Mint 21 MATE(左)と Xfce(右)のGUI拡大図
Linux Mint 21 MATE(左)と Xfce(右)のGUI拡大図

選択肢が多い時の選択方法

選択肢が多いと選びにくいということもあります。

例えば、Linuxディストリビューションや新しいWindows 11ノートPC選びなどです。ブログ読者から多くのベンダMCUからどれが良いですか、などのご質問を頂くこともあります。※この時は、「高性能汎用MCUをお勧め」しています。

このように選択肢が多い時の対策が、ベンチマーク(基準)設定です。

基準があって、その基準より上か下かを判断すれば、選択肢は、おのずと絞られてきます。問題は、ベンチマークは何かです。同僚や先輩にベンチマークを聞くのも1つの方法です。

重要なことは、ベンチマークの上か下かの判断をご自分で行うことです。

選択肢が多い時の選択方法
選択肢が多い時の選択方法

この判断も他人に任せると、それは他人の選択肢をそのまま利用したことになります。逆に、ベンチマークそのものは、最初は、適当に選んでも良いと思います。

とりあえずベンチマークを設定し、上下判断を行っているうちに、自分にとって本当のベンチマークが明確になってきます。複数ベンチマークでも同様です。

ベンチマークは、判断結果で変わるものです。ベンチマーク設定よりも、上下判断にこだわっていれば、多くの選択肢からご自分に合った選択ができます。

Windows 11非対応PCアップグレード後3ヶ月

Windows 11非対応PCアップグレード後3ヶ月
Windows 11非対応PCアップグレード後3ヶ月

本稿は、Windows 11非対応PCアップグレード後の3ヶ月状況、Win11 GUI変更ツール、次期Windows 12/13情報などをまとめます。

今年の4月15日、Windows 11アップグレート要件を満たさないWin10 PCを、強引にWin11 21H2へアップグレード後、3か月が経過しました。この期間、トラブルも無く安定動作しています。

今秋大型更新Windows 11 22H2の情報も出回ってきました。評判が悪いモニタ下タスクバー固定は、変わりそうにありません。つまり、次期Win 11 22H2もタスクバー右配置は期待できません。

2024年Windows 12

Windows 12開発着手は、コチラで投稿しました。7月15日、Microsoftが、新しいWindowsを3年周期でリリースするかもしれないという情報も入ってきました。つまり、2024年Windows 12リリースの可能性です。

Microsoft は、「最後のWindowsはWindows 10を破棄」しましたので当然の事かもしれません。

Win11は、OSコアがWin10の流用です。メタバースなどの新世代クラウドエッジクライアントOSとして旧Win10コア流用は中途半端、ハードウェアの世代交代が激化する昨今、OSコア進化も必然の気がします。

事実、今年発売のIntel 12世代プロセサは、11世代から大きく性能向上し、新発売のノートPCは、こぞって12世代を採用しています。Microsoftが、プロセサ性能向上分を新コア設計へ適用しWindows 12をリリースしても不思議ではありません。

Windows 11非対応PCアップグレード後3ヶ月状況

Win11アップグレード要件を満たさないPCは、2025年10月14日、Win10サポート終了までがその寿命です。アップグレード非対応PCを、「Win10アプリケーションとデータ維持」の条件で強引にWin11 21H2へアップグレードし、延命可能かの評価が前投稿でした。

前投稿、1週間の評価結果抜粋が、下記です。

・Win10アプリ(MCU開発アプリ含む)は、Win11 21H2でも正常動作
・アップグレード後のWindows Updateは、問題なく動作
・悪評ツールバー下固定など使いにくいGUIは、次期更新22H2で改善期待

3か月経過したPCの状況が、下記です。

・Win10アプリ(MCU開発アプリ含む)更新なども正常動作
・Windows Updateも問題なく動作

Window 11 Update正常動作
Window 11 Update正常動作

つまり、要件未達PCをWin11 21H2に強制アップグレードしても、何ら問題なく運用できています。

残る課題は、このPCが次期Win11 22H2へ更新できるか否かです。これは、今秋結果が判り次第レポートします。なお、本PCは、TPM 2.0が未達要件です。従って、Win11 22H2大型更新時に、TPM足切りがあるかが判明します。

Windows 11 GUIカスタマイズツール

様々なWindows GUIカスタマイズツールがあります。お勧めが下記2ツールで、使用感がかなり改善されます。これらツールを使うと、従来操作性も維持しながら、新しいWin11 GUIへの移行も容易です。

Winaero Tweaker-1.40.0.0 (Win11対応済み)
Open-Shell-Menu(Win11未対応、旧名:クラシックスタートメニュー)

OSは、アプリの動作基盤にすぎません。

タスクバー下固定のような操作性悪化Win11 GUI変更に対し、これらツールが役立ちます。

Winaero Tweaker

Winaero Tweaker v1.40.0.0
Winaero Tweaker v1.40.0.0

Winaero Tweakerは、メニュー表示やタスクバー位置変更ができるツールです。1.40.0.0では、タスクバーのモニタ上変更が可能です。左右はまだNGです。

その他、多くのWin11 GUIカスタマイズが可能ですので重宝します。

Open-Shell-Menu

クラッシックスタートメニュー 4.4.170
クラッシックスタートメニュー 4.4.170

スタートメニューカスタマイズツールが、Open-Shell-Menuです。クラシックスタートメニューからOpen-Shell-Menuへ名称が変わりました。Windows 11未対応ですが、Win11 21H2で動作します。

Windowsボタン+Shiftで、下記Win11オリジナルスタートメニュー操作も可能です。

Windows 11オリジナルスタートメニュー
Windows 11オリジナルスタートメニュー

まとめ

TPM 2.0要件未達Windows 10 PCを、アプリケーションとデータ維持のままWindows 11 21H2へアップグレード後3ヶ月間運用し、各種Win10アプリ正常動作、Windows Updateも問題なく安定動作中です。

Windows 11の使い勝手は、GUIカスタマイズツールを使うと改善できます。

残る課題は、このPCが今秋予定Windows 11大型更新22H2可能か否かです。TPM要件未達のため、大型更新できない可能性は残っています。

OSコア設計とTPM 2.0の古さ

Win10とWin11は、同じOSコアです。Win11でのWin10アプリ動作は、本稿で示したように当然とも言えます。

一方、セキュリティ対策は、終わりが無く、常に新しい攻撃への防御更新が必要です。

COVID-19で急拡大したテレワークなどの新しいPC環境やメタバースに対し、2014年リリースTPM 2.0と、毎年大型更新したとはいえ2015年基本設計のWin10 と同じOSコアのWin11で、セキュリティ上十分かは疑問です。

プロセサ性能向上が著しい今、ハードウェア的なセキュリティは、2014年のTPM 2.0よりも、例えば、PlutonプロセサIntel vProAMD Proなどの最新セキュリティ強化プロセサが登場しています。これらを活かすOSコア刷新版が、2024年Windows 12かもしれません。

Windows MeやVista経験も持つMicrosoftです。Win11アップグレート要件TPM 2.0は破棄、Win11はWin10からのGUI変更、Win12で抜本的OSコアセキュティ刷新へと段階的リリースを行えば、多くの既存Winユーザにも受け入れられるシナリオになると思います。

筆者推測ですが、通常のWindows Updateが問題なく動作することから、Win11の「OSコア深層を変更しない限りTPM非動作」だと思います。TPM動作更新は、手順が複雑な分、Update失敗リスクも高いからです。

今秋Win11 22H2でTPMのため大型更新できない場合は、TPM回避更新ツールなどを探し対応する予定です。

Windows 10 21H2提供制限解除

2022年4月15日、Microsoftは、最新版Windows 10 21H2提供制限を解除し、広範囲な配布を開始しました。旧Windows 10バージョンのユーザは、GW連休期間に最新版への更新をお勧めします。

Windows提供制限とは?

Windows大型更新の失敗は、ビジネスの遂行停止を招きます。重大インシデントです。

従来の「勝手なWindows更新」で発生する重大インシデント回避のため、Microsoftは、最新版Windows 配布とそのトラブル発生状況を調査しながら提供範囲を少しずつ広げる配布方法を用いました。

この方法により、Windows大型更新は、「ユーザの好きなタイミング」で行う事に変りました。

WIndows 10 21H2提供制限解除
WIndows 10 21H2提供制限解除

PCが旧版Windowsのまま運用される原因の1つが、この「ユーザ主体更新」が周知徹底されていないためです。更新とセキュリティを開き、Windows Updateに新しいWindows機能更新通知の有無を確認、更新プログラムがあれば、最新版Windowsへの更新をお勧めします。

Windows 10 21H2手動更新方法

筆者の好きなタイミングで行うWindows 10 21H2手動更新方法が、コチラです。

残念ながら、Windows更新には失敗がつきものです。

失敗原因は、更新プログラム起因の場合や、ユーザ操作ミスなどの場合があります。Windows 10 21H2が広範囲提供になったことは、前者の更新プログラム起因が少なくなったことを意味します。

それでも失敗の可能性はあります。対策は、失敗前へユーザ自身がリカバリできることです。さもないと、最悪のWindowsクリーンインストールを招きます。

Windowsにも標準リカバリツールは、あります。しかし、肝心の失敗時に標準リカバリツールで完全に元に戻った経験が筆者はありません。そこで、別途イメージバックアップツールなどの対策を取っています。

Windows 10 21H2サポート期間と次回22H2大型更新

Windows 10 21H2 Home/Proサポート期間は、リリース後18ヶ月の2023年6月13日、残り約1年です。Windows 10自体のサポート終了は、2025年10月14日、残り3年半です。混同しないよう注意しましょう。

また、Windows 10大型更新は、年1回へ変更されました。次回Windows 10 22H2大型更新は、今秋の予定です。

「ユーザ主体更新」ですので、弊社は、Windows 10 22H2リリース後、タイミングを見計らい早急に21H2からWindows 10 22H2へ手動更新するつもりです。結果は、本ブログで投稿します。

パーソナルなツールのユーザ責任

新車は3年目、それ以外の車は2年毎に車検があります。自家用車の重大インシデントを避けるため、車検は最低限のユーザ義務です。公道での安全走行ができる保証が、車検とも言えます。

同様にパーソナルなPCも、ユーザの責任でメインテナンスは必須です。このメインテナンスの基となるパラメタは頻繁に変更されます。本稿で示した最低限知っておくべきパラメタが下記です。

・最新版Windows 10 21H2供給制限解除:2022年4月15日
・Windows 10 21H2サポート期間:2023年6月13日
・Windows大型更新:年1回、ユーザ主体更新必要
・Windows 10サポート終了:2025年10月14日
・Windows Update:定期的ユーザ確認必要

GW連休は、これらパラメタと最新版Windows 10 21H2更新、PC最新状態の確認に適した期間です。

最新状態は、PCセキュリティも最強です。強いセキュリティは、ネットワークで繋がったサイバー攻撃も防げ、安全なLAN構築、つまり、ネットワークの重大インシデント回避ができます。

ユーザ責任による個々のPC最新状態維持は、もはや「単体ユーザのPCセキュリティ強化だけでなく、ネットワークレベルのセキュリティ強化」に繋がる訳です。

なお、Windows 11アップグレード要件を満たさないWindows PCは、Windows 10サポート終了の2025年10月で寿命を迎えます。寿命を延ばすには、強引にWindows 11へアップグレードするか、または、新しいLinuxへOSを変えるかの2択です。

前稿で、強引にWindows 11アップグレードした評価結果を示しています。ご参考まで。

Windows 11非対応PCアップグレード

要件未達PCのWindows 11アップグレード
要件未達PCのWindows 11アップグレード

Windows 11要件を満たさないWindows PCの寿命は、2025年10月14日までの残り3年半です。Windows 10が快適に動作するPCでも、この寿命は同じです。

延命するには、強引にWindows 11へアップグレードするか、または、Linux載せ替えの2択です。Linux化は、専用機を用いて載せ替えリスクを評価中です。

本稿は、Windows 11要件未達PCのアップグレード結果をレポートします。

下記内容です。
①:結論(Windows 11要件未達PCをアップグレードして使えるか?)
②:アップグレードWindows 11 21H2のWindows 10アプリケーション動作
③:Windows 11 21H2利点と欠点
④:アップグレート方法
⑤:Windows 11要件未達PCアップグレード所感

①:結論(Windows 11要件未達21H2アップグレードのまとめ)

本稿の目的は、Windows 11要件を満たさないPCを、Windows 10アプリケーションとデータを維持したまま11へアップグレードしても使えるか、つまり、Windows PC延命ができるか否かを評価することです。

総括結論が、以下です。
Windows 11要件未達PCをアップグレードしても、Windows 10アプリは正常動作、2022年4月時点では、Windows 11 21H2として運用できる。

*  *  *

詳細が、以下です。
Windows 11は、年1回、予定では今秋に大型更新を行います。誰もが入手できる最新機能確定版は、Windows 11 21H2です。本稿もこの21H2で試行しました。

対象は、TPM 2.0実装無し以外は、Windows 10 21H2が正常・快適に動作するPCです。

1週間の試行中、TPM 2.0有無がWindows 11のWindows Updateなど運用上、問題を与えることはありませんでした。また、Windows 10で動作したMCU開発ツールは、Windows 11上でも正常動作しました。

その他、モニタ下側だけのツールバー位置固定などWindows 11に使いにくい点は、多々あります。ただ、慣れの問題で許容範囲内とも言えます。年1回の大型機能更新で、これら欠点は改善されるかもしれません。

アップグレードWindows 11運用はOK
アップグレードWindows 11運用はOK

追記が、以下です。
Microsoftは、TPM回避Windows 11アップグレード方法を公開するなど、Windows 11要件は、現在曖昧です。しかし、ウクライナ危機により、より強固なセキュリティ要件を設定する可能性があります。曖昧なのは、共産圏へのWindows 11販売に配慮した結果と推測するからです。

従って、あくまで投稿時点のWindows 11 21H2要件未達PCでの結果であることに留意してください。

本投稿と同じ要件未達PCアップグレート評価を、今秋11大型更新後の22H2に再適用する予定です。結果が変わるかは、お楽しみです。

②:MCU開発ツール動作

弊社は、MCU開発ツールの動作環境としてWindows PCを利用します。

各社MCU開発ツールの公式推薦動作環境は、投稿時点はWindows 10です。そこで、アップグレートWindows 11で、MCU開発ツールが正常に動作するかをテストした結果が下記です。

・NXP)MCUXpressoIDE_11.5.0_7232動作
・ST)STM32CubeIDE_1.9.0動作
・Renesas)e2studio_v2022-01_fsp_v3.6.0動作

その他、LibreOffice等のWindows 10アプリも、Windows 11で正常動作しました。

また、アップグレード後、Windows Updateも問題なく動作します。

③:Windows 11 Pros Cons

Windows 10ユーザの立場から、Windows 11 21H2利点と欠点を評価します。

利点は、使い慣れたWindows PC寿命が、とりあえず延びることです。

欠点は、セキュリティ強化以外のWindows 11設計指針が見えないことです。Windows 10の何をどのような目的で改良したかが不明確なので、使いにくいと感じる箇所が多々あります。コチラの記事に対策がまとまっています。

Windows 10(左)とWindows 11(右)フォルダ比較
Windows 10(左)とWindows 11(右)フォルダ比較

また、従来は真四角のフォルダ表示が、角が丸みを帯びた表示に変わるなど、グラフィック能力を無駄に消費していないかも不安です。

④:要件未達PCアップグレート方法

Windows 11要件を満たさない、つまり、TPM 2.0無し、セキュアブート無しWindows 10のアップグレード方法を示します。Microsoft公式方法以外でも、いろいろな方法があります。簡単なのが、下記ツールの利用です。

使用ツール:Rufus v3.18

Windows 11インストール準備完了
Windows 11インストール準備完了

ツールの使い方は、リンク先を参照ください。ローカルアカウントのWindows 10起動状態でRufus作成のUSBを実行すると、アプリとデータを維持したままローカルアカウントでWindows 11へアップグレートできます。アップグレード完了までのクリック回数は3回、1~2時間程度で完了します。

Windows 11アップグレート後、再度Windows Updateを実行し、PCを最新の状態にしてください。

タスクマネジャーを見ると、ユーザ処理が無くてもSystemプロセス負荷が20%位とやや高い状態が半日程度続きます。半日後、通常状態に落ち着きます。

⑤:Windows 11要件未達PCアップグレード所感

Windows 11要件を満たさないPCでも、ツールを使うと簡単にWindows 11 21H2へアップグレートできました。アップグレード手順は、Windows 10手動大型更新と殆ど同じです。

Windows 11は、Windows 10と比べると使い辛さがあります。この点を我慢すれば、TPM 2.0など11アップグレード障壁は、投稿時点では思ったより高くなさそうです。

逆に11要件未達PCなら、今すぐリスク覚悟でWindows 11へアップグレートするよりも、最新Windows 10で安全・安心な公式サポート終了2025年10月頃まで運用し、その後11へアップグレードしても良いと感じました。

Windows 11要件未達PCのアップグレートによる「生産性、操作性向上分」対「リスク」では、リスクが上回ると思います。

Windows 11タスクバー位置を考える

Windows 11タスクバーの位置は、モニタ下側のみです。Windows 10は、ユーザが上下左右へ位置変更可能でした。この下側のみの訳を考え、Windows 10同様、変更復活を熱望します。

タスクバー下側位置

Windows 11タスクバー配置
Windows 11タスクバー配置

Windows 11のタスクバー配置は、デフォルト中央揃えで、左揃えには変更可能です。しかし、その位置は、モニタ下側のみです。Windows 11の最も残念な個所です。

理由は、明らかです。

タスクバーがモニタ下側にあると、その分だけ下側の表示領域が減ります。Wordなどアプリによっては、下側へステータスバーなども表示します。モニタ下側は、左右に比べ有効に使いたい領域です。

タスクバーを自動的に隠すのは、有効化に寄与します。しかし、この隠す動作は、集中を妨げます。気が散るため筆者は好みません。

WordステータスバーとWindows 11タスクバー
WordステータスバーとWindows 11タスクバー

左横書き言語と数字表示

例えば、1920×1080解像度(16 : 9)モニタの場合、アプリ動作中に表示が少ない空白は、左側に集まります。本ブログ本文などもその傾向です。

これは、文字は左から始まり右へ続く左横書き言語、数字も左が高位ですので左詰めだからです。また、モニタ上側には、メニューやアイコンなどのアプリ操作系が左揃えで居座っています。モニタ上/左側は、文字や数字、アイコンが混み合う領域です。

※アラビア語などの右横書き言語、縦書き日本語もあります。が、ここでは割愛致します。

つまり、上/左側は、アプリ操作、下側のステータスバーも含めると、モニタ上/下/左側は、アプリ表示に適した領域と言えるでしょう。

従って、残る右側が、OS Windowsのタスクバー表示場所として最適です。

これは、16 : 9など横長モニタで、左右(16)が、上下(9)よりも表示領域に余裕があること、ウインド最大/最小化などのOS操作や日時表示が右側にあること、これらとも整合します。

右側タスクバー配置が、アプリとは異なるOS操作や視線移動の点からも合理的な理由が上記です。

Windows 11タスクバー右側配置が合理的
Windows 11タスクバー右側配置が合理的

下側、中央揃えメリット?

Windows 11タスクバーのデフォルトモニタ下側、中央揃えにメリットが有るとすれば、映画再生やゲーム、メタバース利用時などでしょう(Microsoftの大手ゲーム会社Activision Blizzard買収は、コチラの関連投稿2章参照)。

これ以外のメリットは、見た目で直にWindows 11と判る点です。筆者は、これが中央揃えにした理由だと思います。

最近、販売店で目にする21:9や32:9などのウルトラワイドモニタ利用時は、左側よりも中央揃えタスクバーが良いかもしれません。2つ以上のアプリを、左右に同時表示するからです。

店頭や広いワークスペースを持つ欧米ならともかく、例えネットカフェでも狭くスペース制約が多い日本では、設置場所を取るウルトラワイドモニタなど望むべくもありません。個人環境では、尚更です。

要するに、タスクバー「下側固定の意図」が解らない訳です。Win10までのMetroデザインが、新しいFluentデザインに変っても、位置の制約は無いハズです。

デフォルトは下側でOKです。Windows 11は、Windows 10とコア共通です。10同様、上下左右タスクバー位置可変も容易だと思いますが…😥。

Windowsには、様々な無料ツールがあります。しかし、タスクバーを右側へ配置し、Win10同様に正常動作するツールは、現在見当たりません😥😥😥。

タスクバー上下左右配置復活熱望

Windows 11タスクバーは、モニタ活用や合理性、従来Win10ユーザニーズを満たす上下左右配置可能にすべきです。

PCハードウェア要件:TPM回避Windows 11アップグレート方法開示と同様、タスクバー上下左右配置の復活、是非お願いします。

Windows 10、11、12

Windows 10、11、12、Linux?
Windows 10、11、12、Linux?

Windows 11リリース後、数か月が経過しました。早くもMicrosoftは、次期Windows 12開発着手の情報もあります。そこで、Windows PCの使い方をまとめます。何をどう対処すべきかの指針を、整理するためです。

Windows 11問題

筆者PCの使い方では、TPM以外のWindows 11問題は、タスクバーとMicrosoftのユーザカスタマイズを拒む姿勢です。Windows HelloやBitLockerは、使いません。が、今後セキュリティ比重は増しますので、TPM 2.0導入は我慢できます。

しかし、利用頻度が高いタスクバーがWindows 10のようにカスタマイズできない点と、それを強要するMS姿勢は、OSシェア断然トップのWindowsらしくありません。

過去アップグレード後のWindowsは、各種カスタマイズが容易でした。ところが、アップグレード時、MSアカウント必須に変われば、Hello利用やOneDrive接続、ユーザフォルダ名などもMS推薦設定になります。

10とコア共通のWindows 11リリース後、上記以外にもブラウザEdge、検索エンジンBing設定などにユーザカスタマイズを拒む姿勢変化が見られます。いずれも、Chrome、Google検索に比べ低シェアのためでしょう。

例えると、Macはクリエイター向けオートクチュール、従来Windowsはユーザがカスタマイズ容易なプレタポルテでした。ところが、Windows 11は、カスタマイズを許容しません。MSが想定した通りのメガネ(検索エンジン)と上着(タスクバー)を着なさい、と言っているようなものです。

従来Windowsユーザの生産性向上に反したMSの姿勢です。うがった見方をすれば、これはWindows 12の布石かもしれません。つまり、12は過去Windowsしがらみを切った全く新しいOSへ変わる可能性です。

解決DeadlineとOS利用形態

上記のようにカスタマイズを拒むWindows 11と10の混在利用は、効率を下げるため避けたいです。OS検討Deadlineは、Windows 10サポート終了の2025年10月です。

それまでのOS状況を整理すると、3利用形態があり得ます。

形態1:Windows 10を2025年10月まで利用

2025年10月14日まで、いかに上手くWindows 10を活用するかの特集が公開されました。

年1回へ減ったWindows 10大型更新さえ行えば、殆どのユーザが、従来の基本的OSメインテナンス実施でDeadlineまで安全に使えます。

Windows 10をサポート終了まで使う意味で、重要な記事です。Windows 10の手動による大型更新方法は、コチラの関連投稿を参照ください。

形態2:Windows 11アップグレード

未完成OSがWindows 11です。ユーザ反応をMSが見たうえで機能変更や追加を随時行っていきます。この方法も、従来新OSに無い新しいMS姿勢です。

悪評タスクバーが、改善されるかがポイントです。年1回のWindows 11大型更新は、Windows 10からのアップグレード採否を見極める機会にします。

また、使用中PC買換えタイミングもこの3年半に重なります。故障前に新PC購入が必要です。日本では、春と年末商戦時が、時期的に良いと考えています。

形態3:Windows 12アップグレード

現在のWindows 11は、Windows MeやVistaになるかもしれません。MSのWindows 12開発着手が、従来比、早いのか遅いのかも不明です。

しかし、11が不評で、中途半端なOSであることは確かです。Windows 12は、当然OSコア刷新、セキュリティもメタバース向けに強化した新世代OSになると思われます。インターネット進化版メタバースは、コチラの関連投稿を参照ください。

PCハードウェア仕様が許せば、11を飛ばして、12へアップグレートする可能性もあり得ます。

Plan B:Linux PC乗換え

Windows 10は、Deadline後は使えません。11や12アップグレートが困難な時は、WindowsからLinuxへ乗換えます。

現行PCのハードウェア仕様は、Linux化に問題ありません。詳細は、専用Linux Mint 20.3を使って評価します。Linux上でWindowsソフトを動作させるWine 7.0なども活用予定です。

まとめ:OS対策3指針

Deadline は、Windows 10サポート終了2025年10月14日、残り3年半です。PC OS対策は、保守的か革新的かで、指針が別れると思います。筆者は、以下3指針で臨みます。

指針1:11見極め・・・・・・2022年秋、23年秋、24年秋、25年秋
Windows 11初回大型更新の今秋まで現行Windows 10 21H2利用、11アップグレード採否は、大型更新内容で判断。この判断は、年1回の11大型更新毎に再検討。

指針2:12情報取集とLinux乗換リスク評価
Deadlineまでに11アップグレードを行わない場合は、Windows 12に期待するか、または、Linux PCへ乗換え。実務移行問題洗い出し専用Linux PC:Linux Mint 20.3/4/5で乗換リスク評価。

指針3:11 カスタマイズ性見極め
DeadlineまでにPCハードウェア新規購入の場合は、最新ハードウェア(Microsoft Plutonプロセサなど)搭載Win 11機とし、使い慣れたWin10カスタマイズがどの程度可能かを探る。

予定より少し早く新PCを調達し、指針3の11 カスタマイズ性の見極めを行う予定です。