RL78マイコン,MCU:マイコン,LPCマイコン,KinetisマイコンLPC8xx,ARMマイコン,Cortex-M0,Cortex-M0+,Kinetis E,IoTマイコン,RL78/G1x

NXPとルネサス、両社幹部が語ったMCU開発動向記事から、弊社ブログARM Cortex-Mシリーズ、16ビットMCU RL78関連部分をピックアップしました。動向記事は下記です。

NXPのMCU開発動向

記事によると車載MCUは、製品群をS32 Automotive PlatformでARMアーキテクチャ(Cortex-A、Cortex-R、 Cortex-M)に全て統一し、基本的なペリフェラル、メモリインタフェースを共通化、S32デバイス間ならソフトウェアの90%を再利用できるそうです。

同時にS32 MCUは、自動車用機能安全規格である「ASIL-D」に対応し高度セキュリティを担保、また完全なOTA(Over the Air)機能もサポート予定です(OTAはコチラの投稿参照)。

S32製品は、2018年1Qサンプル出荷、2019年から量産予定です。

Common Hardware Architecture Platform (Source: NXP)
Common Hardware Architecture Platform (Source: NXP)

この車載MCU開発動向は、本ブログ対象の家庭や個人向けCortex-MコアMCUへも影響を与えると思います。NXPはFreescale買収後、LPCとKinetisの2つのCortex-Mシリーズ製品を提供中です。

ARM Cortex-M Core Kinetis and LPC
ARM Cortex-M Core Kinetis and LPC

S32製品の強み、ハードウェア共通化、ソフトウェア再利用、セキュリティ確保、OTAは、そのまま現状NXPの 2製品並立Cortex-Mシリーズへも適用される可能性が高いと思います。その方がNXP、新規ユーザ双方にとって開発リソースを集中し易いからです(現行ユーザには多少インパクトがありますが、Cortex-Mコアは同じなので、SDKなどが変わるかも?!しれません…)。

ペリフェラルが共通化されれば、サンプルソフトも同じになるでしょう。ソフトウェア90%再利用は、ライブラリ充実化も見込めます。差分の10%は、Cortex-コア差、セキュリティレベル差、応用範囲などになる可能性があり、期待できそうです。

ルネサスのMCU開発動向

ルネサスは、2018年夏発売予定のRZファミリで、組込みAIによる推論モデル処理能力を10倍、2019年末までに更に10倍、2021年で10倍にし、推論処理能力を1000倍にするそうです。このために動的に再構成可能なプロセサ技術「DRP(Dynamically Reconfigurable Processor)」を汎用MCU製品へ取り込んでいくそうです。

RZファミリ:現状ARM Cortex-A9 400MHz採用の家電、カーオーディオなどが対象のMCU。

Cortex-AコアのRZファミリとRL78の比較(Source: Runesas)
Cortex-AコアのRZファミリとRL78の比較(Source: Runesas)

能力向上したAI推論により、振動などの画像データを扱えるようになり、さらにはそのフレームレートも高められ、例えば、熟練工のノウハウをエンドポイントで自動化できるようになる。1000倍ともなれば、現在はエンドポイントでは難しいとされる学習も行えるようになるそうです。

産業機器分野では、自動化やロボット化の実現に関わる異常検知、予知保全、認知検査などにAI処理能力を適用予定です。

1月14日投稿のルネサスe2 studioのAI利用無償プラグインで開発環境を提供しますが、弊社対象のRL78ファミリでどの様に実現されるかは不明です。

AI処理能力を1000倍化(Source: Runesas)
AI処理能力を1000倍化(Source: Runesas)

正常進化のNXPと差別化のルネサス

NXP、ルネサスともにARMコアMCUの開発動向は似ています。ルネサス幹部が、汎用MCU統括のため、あえて産業分野にフォーカスして語っただけと思います。

差分は、NXPがARMアーキテクチャの正常進化とも言えるソフトウェア資産の共通化を全面に推しているのに対し、ルネサスは、差別化DPR技術で推論機能の1000倍化を目指す点です。
※正常進化の根拠は、コチラの投稿のCMSIS参照

この差別化がガラパゴスになるのか、それとも光る技術になるか、今年夏頃の新製品RZファミリに注目します。

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NXPは、Freescaleを買収しARMコアのマイコンラインアップが増えました。昨年発表の新しい統合開発環境MCUXpressoで増加ラインアップに対応中です(MCUXpressoサポート状況Excel表がコチラ)。

IDE、SDK:Software Development Kit、CFG:Config Toolsの3ツールから構成されるMCUXpressoのサポート状況から、新生NXPのARMマイコン開発環境を考察します。

もっと早く気が付いていれば…

このExcel表を見つけたのは、今年1月中。LPC824の最新LPCOpenライブラリv3.02に、昨年から継続するバグ解消が無いことが理由でした。何か変だと思い、NXPサイト検索で発見したのが同表です。

2017年7E目標のLPC824対応マイコンテンプレート開発前にこの表を見つけていれば、対応が変わっていただけに残念です(orz)。LPC800でフィルタリングしたのが下図です。

LPC8xx Recommended SDK
LPC8xx Recommended SDK (Source: Version 14)

LPC8xxシリーズは、LPCOpenライブラリはAvailableなものの、NXPはCode BundleがRecommended SDK:推薦Software Development Kitです。推薦環境以外でテンプレート開発したことになります。

Change Logページを見てもいつCode Bundleへ変わったか不明です。しかし、LPC8xxテンプレートV1開発時の2014年5月10日時点では、「LPCOpenがLPC812のSDK」でした(Legacyフォルダはあっても、Code Bundleなどありませんでした)。

LPC8xxシリーズは、IDEのみMCUXpresso IDEでSDK、CFGの計画はありません。つまり、NXP推薦Code BundleかLPCOpenを使いソフト開発が必要です。

Code BundleとLPC8xx

Code Bundleは、C:\nxp\MCUXpressoIDE_10.1.1_606\ide\Examples\CodeBundlesにあります。特徴は、ハードレジスタを直接アクセスするLegacyスタイルなので、従来の8/16ビットマイコン開発者に馴染み易く、これらマイコン置換え狙いのLPC8xxには、このスタイルの方が歓迎される可能性があります。

但し、LPC81x、82x/83x、84xとハードレジスタが微妙に変化していますので制御ソフトも変化します。LPCOpenのようにAPIでハード差を吸収する思想は少ない(無い)ようです。

気になる点が2つあります。最初は、サンプルソフトのヘッダーが簡素なことです。

ベンダ提供のサンプルソフトヘッダーは、細かな注意点などが30行程度記載されているのが普通です(左:Code Bundle、右:LPCOpen)。

Sample Software Hader
Sample Software Hader

Code BundleのHeaderは弊社マイコンテンプレートと同様簡素(上図は9行)で、間に合わせで開発した感があります。また、ソース内コメントも数人のエキスパート:上級者で分担してサンプルソフトを作成したように感じました。

Code Bundleの全サンプルソフトを動作テストした訳ではありませんが、LPCOpenのようなバグは(今のところ)ありません。SDKとしてLegacyスタイルに慣れた8/16ビットマイコンユーザが使うのは問題なさそうです。

2点目は、NXP推薦開発環境でCode Bundleなのが、LPC8xxシリーズのみの点です。

他のARMマイコンは、LPCOpenかまたはMCUXpresso SDKが大半です。旧NXPマイコンは、LPCOpenまたはMCUXpresso SDK、旧FreescaleマイコンはMCUXpresso SDKが主流です。

LPC8xxシリーズのみ今後もCode Bundleにするのか、または、他の旧NXPマイコン同様LPCOpenになるのかは、ハッキリ言って判りません。

LPC8xxマイコンテンプレートの対処

現在LPCOpenライブラリを使いLPC812のみ対応中のLPC8xxマイコンテンプレートV2.1を今後どうするかの案としては、

  1. LPC812、LPC824ともにLPCOpenライブラリバグ解消を待って改版
  2. LPC812、LPC824ともにCode Bundleを使い改版
  3. LPC812は現状LPCOpen維持、LPC824は、Code Bundleを使い改版(中途半端)

いずれにするか、検討中です。決定には、もう少し時間が必要だと思っています。

ミスリード(Mislead)のお詫び

これまで弊社は、LPC8xxシリーズのSDKはLPCOpenと思い投稿してきました。この投稿で、読者の方に誤った開発方向へ導いた場合には、お詫び申し上げます。申し訳ございません。

LPC8xxテンプレートをご購入頂いた方のテンプレート本体は、C言語のみでライブラリは使っておりませんし、マイコンにも依存しません。ご購入者様は、他マイコンも含めて流用/活用はご自由です。

LPCOpenで開発された関数を、Code Bundleへ変えたとしても、テンプレート本体はそのまま使えます。

あとがき

Code Bundleは、ハードレジスタをユーザ開発ソフトで直接いじる20世紀マイコン開発スタイルです。21世紀の現在は、ハードウェアに薄皮を被せAPI経由で開発するスタイルに変わりました。メリットは、ハードが変わってもユーザ開発ソフト側変更が少なく、マイグレーションに有利です。

ARMコアのマイコンは、全てこの21世紀スタイル:ARMスタイルです。ARMがCMSISなどを発表しているのは、ARMコアに依存しないユーザ開発ソフトを、資産として活用することが目的です(CMSISはこちらの投稿を参照)。

マイコンRTOSがWindowsのようにハードアクセスを全面禁止にすることはあり得ませんので、20世紀スタイルでRTOS化しても問題ありません。が、スイッチマトリクスが気に入っているLPC8xxシリーズだけが20世紀スタイルを使い続けるとは思えません。つまり、Code Bundleは、NXPサポート体制が整うまでの暫定措置だと思います。

この混乱の原因が、QUALCOMMによるNXP買収に絡んでないことを祈っています。

QUALCOMMのNXP買収、EUで一歩前進

2018年1月19日、米QUALCOMMの蘭NXPセミコンダクター買収計画がEU(欧州連合)当局で承認の記事が日経電子版に掲載されました。残るのは、中国の独占禁止法当局の承認だけです。遅れていた買収成立が一歩前進しました。

QUALCOMMのNXP買収
QUALCOMMのNXP買収

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前回までで初心者、中級者向けマイコンソフトの基礎知識と開発方法に、俯瞰視野でサンプルソフトを選び、サンプルソフト初期設定とループ内処理をライブラリとして評価ボードで動作確認しながら開発するサンプルソフトファーストの方法を述べました。

この方法は、サンプルソフトをジグソーパズルのピースとし、各ピースを弊社マイコンテンプレートへ入れさえすれば開発できるので、楽しくラクにマイコンソフトウェア開発ができます。

サンプルソフトを組合せるマイコンソフトウェア開発
サンプルソフトを組合せるマイコンソフトウェア開発

日本人は、サンプルソフトのコメントや概要記述の英語が苦手です。最終回は、ソフトウェアに使われる英語、特にサンプルソフト英語の扱い方を示し、本開発方法を総括します。

マイコンサンプルソフトの英語コメントは重要

初期設定+無限ループ内の1周辺回路制御という構造:フォーマットが決まっているマイコンサンプルソフトは、英語圏開発者によるものが殆どです。

彼ら彼女らにとって母国語英語ベースのC言語サンプルソフトは、ソースコードだけでも理解に支障はありません。また、関数をモニタ1画面(80字x 25行)以内の行数で記述する傾向もあります。ページスクロールせずに関数全体が見渡せるからです。

C関数の行数
C関数の行数

このような英語圏開発者があえて追記するコメントは、重要事項のみです。数行にまたがるコメントならなおさらです。つまり、なぜコメントしているかを理解することが大切です。といってもソースコードのコメント英語は、解り難いのも事実です。

英語コメントはブラウザ翻訳で日本語化

ブラウザアドレス窓に「翻訳」と入力すると、ブラウザ上で翻訳ができます。長い数行の英文でも瞬時に日本語になります。

ブラウザ翻訳
ブラウザ翻訳

サンプルソフトの英語コメントが解り難い時は、ブラウザ翻訳を使い日本語で読むと内容理解に効果的です。

マイコンソフト開発の基礎知識と初心者、中級者向け開発方法(総括)

従来のマイコンソフトウェア開発は、マイコンデータシートなど理解が先、次に理解した情報のプログラミングという順番でした。この方法は正攻法ですが、初心者、中級開発者には、限られた開発期間で理解対象が多いため開発障壁が高く、プログラミングの時間も相対的に短くなります。

マイコン応用製品の早期開発には、プログラミングを先にする方法へ見直すことが必要です。

それには、初心者、中級開発者が元々持つ俯瞰視野とサンプルソフト、ライブラリ、評価ボード、ブラウザ翻訳などの既存資産を上手く利用すれば良いのです。Arduinoシールドを使えば評価ボードへの機能追加も簡単で、製品版に近い開発環境でのプログラミングも可能です。

本投稿は、初心者、中級者向けのマイコンソフト開発の基礎知識として、サンプルソフト資産が多数あること、多くのサンプルの中から対象を絞り、一種のライブラリとして動作確認しながらソフト開発をするサンプルソフトファーストの方法を示しました。

IoT時代は、RTOSやセキュリティ知識など、より多くの情報を取り込んだマイコンソフトウェア開発になります。個々の情報の相対的な重要性さえ理解していれば、情報内容の理解よりも開発するソフトウェアへ組込む能力の比重が、ますます高まるでしょう。

開発者がこだわるべきは、短い期間内で開発するソフトウェア出力です。情報理解は、開発後でもOKです。

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弊社マイコンテンプレートで扱っております主要マイコンベンダ、NXP、ルネサス、STマイクロエレクトロニクス、Cypress各社の2018最新ニュースとRTOS関連ニュースの中から、ブログ対象MCU関連の情報をピックアップしました。

NXP

MCUXpresso IDEの新バージョン10.1.1_606がリリースされました。また、LPC8xx向けのLPCOpenライブラリv3.02もリリースされましたが、リリースノートを見てもv3.01のバグ解消は未処理のようです。

そのためか、MCUXpresso IDE v10.1.1付属LPCOpenライブラリもv2.19のままで、v3.02添付はありません。近いうちにv3.02の動作を調査する予定です。

ルネサス

インターシル社と完全統合した新生ルネサス誕生(2018年1月1日)。アナログ関連で高いスキルを持つ旧インターシル技術がRL78マイコンへも導入されそうな気配があります。Cortex-M0/M0+コアとの競争に生き残るには、汎用RL78マイコンのアナログ強化、センサ内蔵が方策なのでしょう。

但し、開発環境CS+の先行きには不安要素もあります。6月末提供予定のe2 studioのAI利用無償プラグインはRL78もカバーされますが、果たしてCS+でも同機能がサポートされるのかが気掛かりです。

e2 studio新プラグイン
e2 studio新プラグイン(記事より)

STマイクロエレクトロニクス

既にEWARM、MDK-ARM、TrueSTUDIO、SW4STM32の4種IDEをSTM32マイコン向けに提供中のSTMが、TrueSTUDIOの開発元スウェーデンのAtollic社を買収しました。

現状のEclipseベースTrueSTUDIO無償版もコードサイズ制限はなく、弊社使用中のSW4STM32無償版サイズ制限なしと機能的には同じです。このTrueSTUDIOとSW4STM32を比較し、なぜAtollicを買収したのかを探りたいと思います。

Cypress

最新マイコン評価ボードで紹介しましたCY8CKIT-062-BLE PSoC 6 BLE Pioneer Kitが、サイプレスサイトからも購入できるようになりました。また、サンプルソフト(Code Examples)も豊富に提供されています。

E-ink液晶を使ったArduinoシールドは、汎用性が高そうなので興味を惹かれます。

RTOS

mbed OS 5の新しいバージョンMbed OS 5.7.2 がリリースされました。Amazon FreeRTOSなど、MCU用RTOSの普及も2018年のトレンドになりそうです。

まとめ

2017年の半導体ベンダランキング(速報値)が発表されました。NXPは第10位(前年9位)です。2016年MCUランキングは、NXP>ルネサス>STM>Cypressの順でした。NXPとルネサスがMCUシェアの1/3を占めるのは、今年も変わらないかもしれません。

例年に比べ2018年はMCU各社の動きが早いように感じます。EVや自動運転、コネクテッドカーがMCU開発の動きに拍車をかけているのは間違いと思います。

新たな動向としては、ソフトウエア開発環境の整備です。数億、数十億個とも言われるIoTマイコン時代では、現状のようにオーダーメイドでのソフト開発では時間が掛かりすぎます。より高速で効率的なソフトウエア開発ツールやライブラリ活用術が求められるような気がします。

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マイコンソフトウエア開発者には、俯瞰視野(緑マーク)から開発場所(赤マーク)を捉えることが必須です。

中国の古代建築物
中国の古代建築物(Pixabay無償グラフィックより)

初心者が陥りがちなのは、1つの開発場所の理解に拘って、迷路から抜け出せなることです。ここでは、この開発の迷路にはまらずに、初心者、中級開発者がマイコンソフトウエア開発を楽しくラクにする具体的な方法を3回に分けて解説します。

マイコンソフトウエア開発の手法を書いた書籍やネット情報は、数多くあります。
これらは、奇策などを用いずに正しい開発の方法、つまり「正攻法」で書かれています。開発期限が短くプレッシャーも多い中での正攻法によるソフト開発は、習得に時間がかかり、しかも新しい用語や背景を知らない開発初心者にとっては、覚えることが多く、かなり辛い方法です。

マイコンソフトウエアの開発障壁を高くしているのが、この正攻法です。3回で示す方法は、開発障壁を下げ、マイコンソフト開発を、もっと気軽に、ラクにします。下記内容を予定しています。

  • マイコンソフトウエア開発正攻法のデメリットと、俯瞰視野(第1回)
  • マイコンソフトウエア開発制御対象の分類と、各対象のラクな開発方法(第2回)
  • ソースコード英語コメントの注意点と、英語アレルギーの対処方法(第3回)

マイコンソフトウエア開発正攻法のデメリット

マイコンソフト開発を楽しむには、コツがあります。それは、「初めにデータシートを見ない」ことです。
データシートは、上級レベル開発者が、参考書として「読む時」に威力を発揮します。元々、初心者や中級レベル開発者向けには作成されていないのがデータシートです。

先の投稿でも書いたようにデータシートはデバイスの詳細なデータ値の羅列です。この羅列から内容を見るのではなく「読む」には、値の意味と、意味を理解するためのソフトウエアとは直接馴染みが少ない半導体の基礎知識が必須です。マイコンソフト開発を長年行い基礎知識も習得していれば「読めます」が、マイコン初心者が「読む」のは、時間的に無理、非効率です。

ところが、マイコンソフトウエア開発の根拠は、データシートです。データシートにこう書いてあるから、こうソフトを開発したという理由付けです。つまり、データシートをどのように「読み」、それを「ソフトに変換」した道筋が、巷に溢れるソフト開発情報なのです。要は説明がし易いのです。

この「データシートを読み→ソフトへ変換」は、正攻法ですがデータシートが読めない人は、鵜呑みにするしかない手法です。たくさんの鵜を飲めば、そのうち解るようになりますが効率が悪く忍耐も必要です。

ポイントは、データシートは初心者や中級開発者向けでは無いことです。向いていないデータシートを使って開発着手するのでマイコンソフトウエア開発障壁は高くなるのです。

では初心者、中級開発者は、どうすれば開発障壁を高くせずにマイコンソフト開発ができるのかについては、2回目以降で示します。

初心者、中級開発者の俯瞰視野

最初の写真に戻ります。手前の入口から円形迷路をくぐり、中心の家に到達すればゴール=ソフト開発完了と考えてください(写真そのものは無関係です、念のため…)。

迷路の途中にあるのが、マイコン周辺回路ADCやGPIO、UART通信などのソフト開発対象(斜め赤マーク)です。案件によって対象は異なりますが、対象を開発できればその場所のゲートを通過でき、複数ゲート通過でゴールへ到達するゲームです。ゲームには制限時間(=開発期間)が設定されています。

開発者には開発期間内に何らかの出力、成果が求められます。出力を生むには、現在の位置と開発期間を天秤にかけ、最も出力を生む可能性の高い最短ルート検索能力が必要です。これには、俯瞰視野(緑マーク)からの現状観察は不可欠です。開発者に最も必要な能力が、この俯瞰視野です。

マイコン初心者、中級開発者は、元々初めから俯瞰視野を持っています。マイコンの中身に詳しくないことが逆に幸いしているのです。しかし、正攻法で開発を始めると、段々と視野が狭くなり、開発につまずくとそのつまずいた場所のゲート通過のみに拘る結果、迷路にハマってしまいます。

開発が思い通りに進まない(=迷路にハマった)時は、イメージだけでも良いので俯瞰視野の初心に戻り、現状分析と、例えば、周辺回路の別の使い方などの別ルート再検索を行ってください。間違ったルートでそのまま進んでも、タイムアップでゴールに到達できない可能性もあるからです。

第1回マイコンソフト開発の基礎知識と初心者、中級者向け開発方法のまとめ

  • データシートは、マイコン初心者、中級開発者向けでない
  • マイコンソフトウエア開発者は、俯瞰視野(客観視野)の初心を忘れず状況分析

の2つを示しました。

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新年早々、Intel、AMD、ARMなどの制御デバイス製造各社に激震が発生しました。「CPU投機的実行機能に脆弱性発見」のニュース(Intel、AMD、ARMの対応Windowsの対応Googleの対応)です。

MeltdownとSpectre
MeltdownとSpectre(Source:記事より)

※投機的実行機能:制御を最適化するためのパイプライン化、アウトオブオーダー実行などの「現代的CPU」ハードウエアに実装済みの機能。

※脆弱性:ウイルスが入る可能性がある箇所のこと、セキュリティホールとも呼ばれる。言わばアキレス腱のような箇所。もっと知りたい方は、総務省サイトの基礎知識が良く解ります。

Cortex-Aシリーズも対象、Cortex-Mシリーズは対象外(セーフ)

パイプラインやアウトオブオーダーなどの最適化機能は、殆どの制御コアに搭載されています。従って、このニュースは深刻です。ハードウエアの深い部分の脆弱性だけに、ソフトウエアのOSやパッチなどで対応できるのか、個人的には疑問ですが、セキィリティ専門家に任せるしかないでしょう。

ARMのリアルタイム系Cortex-RやCortex-Aシリーズも対象:アウト!です。
一方、本ブログ掲載のCortex-Mシリーズマイコンは、これら投機的機能が実装されていないので今回は対象外、セーフでした。

IoT端末の脆弱性対応はOTA:Over The Air更新が必須

昨年12月3日投稿のCortex-Mを用いるIoTマイコンへも、Amazon FreeRTOSなどのRTOSが期待されています。今回のような脆弱性への対応には、無線通信によるソフトウエア更新:OTA機能が必須になるでしょう(ソフトウエアには、OSとアプリの両方を含んでほしいという願望も込みです)。

時々発生する自動車リコールも、ハード起因とソフト起因の両方があります。車の場合は、ディーラーへユーザが車を持ち込めば対応できますが、組込み制御の場合は、開発者自身が動作中の現場で対応するのが現状です。今回は、Cortex-Mシリーズはたまたまセーフでしたが、同様のセキュリティ事案への対策を練る必要があると思います。

と言っても、当面できるのは、現場でIDEやUART経由の直接ソフト更新か、または、コチラの記事のような(多分高価な)パッチ配布手段しか無いかもしれません。

RTPatch適用範囲
RTPatch適用範囲(Source:記事、イーソルトリニティ)

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EE Times Japan、2107年12月26日にルネサスCEO、呉 文精(くれ ぶんせい)氏のインタビュー記事が掲載されています。

この中で、ルネサスが、競合NXPをどのように評価分析しているか、車載半導体のどの市場を攻めていくかを語っています。前回投稿で述べたように、車載MCUの開発動向は、弊社が扱う家庭や個人向けIoT MCUにも強い影響を与えます。記事の中から、この車載MCU開発動向に関する部分を抜粋します。

ルネサスのNXP評価分析

  • ルネサスがIntersilを買収した理由は、アナログ半導体の利益率の良さ。NXPは、もともと車載MCUに強いFreescaleを買収したので、最近のNXP車載MCU新製品は、ルネサスの脅威であり過小評価はできない。
  • QualcommによるNXP買収は、国境を越えた合併なので社風、社員の相性問題あり。ビジネスモデルもNXPとQualcommで異なる。シナジー効果を早期発揮するのは困難で、短期的にはルネサス有利。

ルネサスは、Intersilのアナログ回路を手に入れました。この結果、RL78/G11やRL78/L1Aのように、汎用MCUへアナログ回路を実装し、他社差別化の動きを加速すると思います(アナログ強化については、2017年8月3日投稿のRL78ファミリのロードマップも参照)。

ルネサスは量産車の車載半導体を狙う

  • NVIDIAやIntelは、ハイエンド(超高性能、大電力使用、高価)GPUからのアプローチ。ルネサスは、車のボリュームゾーン(量産車)に適用できる低消費電力で、低価格、 機敏な計算能力を持つMCUからのアプローチ。
    ルネサスは、量産車に載る半導体市場を狙う。

以上2項目について記事を抜粋しました。ルネサス(+Intersil)が思い描く車載半導体ビジネスが良く判る記事です。

車載メモリ

車載MCUの高性能化は必須です。もう1つの車載半導体のトピックは、メモリだと思います。

この場合のメモリとは、従来のEEPROMに相当する電源OFFでもMCU必須パラメタなどを保持できる不揮発性メモリを含みます。ルネサスの車載メモリ動向(この場合はフラッシュROMですが)は、2017年12月11日投稿で記載しています。

例えば、走行距離などは、バッテリーを外しても保持する必要があり、高信頼で不揮発データ蓄積の要求は、EV→自動運転レベルが高度になればなるほど高まります。

Cypressは、FRAM(強誘電体メモリ)という新しい技術を車載、IoT両方に提唱しています。SRAMと同様に重ね書き可能で短いアクセス時間、書換え回数も多くデータ保持期間100年(リテンション)という長さが特徴です。

FRAMと他メモリの比較(AN706-00053-1v0-J.pdfより)
FRAMと他メモリの比較(AN706-00053-1v0-J.pdfより)

FRAMの詳細は、chip1stopのCypressインタビュー記事で解ります。

*  *  *

低価格、高性能、大容量メモリのMCUは、IoT MCUの要件でもあります。EVや自動運転の技術開発は急速で、しかも車載半導体は、大量生産が期待出来るので、MCUベンダ間の競争は激化しています。車載半導体でデファクトスタンダード技術になると、IoTへもそのまま使われることは、十分あり得ます。

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2017年末、IoT関連の2018年~2020年頃までの市場予測記事が多く発表されました。その中から4記事をピックアップして要約を示します。IoT開発者は、開発業務への対応だけでなく、急激に変わるかもしれない市場把握も必要です。

JEITA発表 2018対前年比2%プラス成長、2020東京オリンピックまで継続、家庭や個人向けが最大市場

JEITA:Japan Electronics and Information Technology Industries Association(ジェイタ)は、日本電子工業振興協会(JEIDA:ジェイダ)と日本電子機械工業会(EIAJ)が統合したITと電機産業の業界団体で、電機という枠を超えてトヨタ自動車やソフトバンクも参加しています。12月19日発表記事が、PC Watchに掲載されています。

  • 2018年、電子情報産業の世界生産は、対前年比4%増(2兆8,366億ドル)、日本生産は前年比2%増(39兆2,353億円)の見通し。2020東京オリンピックまで成長継続。
  • IoT市場は、2030年には世界404.4兆円、日本19.7兆円とそれぞれ2016年調査の約2倍に成長する見通し。特に、今年スマートスピーカーで話題となった家庭や個人向けが一番大きな市場になる。

EVより自動運転が半導体消費は大きい

EE Times Japan12月14日掲載の新しい半導体の流れを作る、IoTと5Gによると、

  • 自動車搭載の半導体需要は、EVが400米ドル、自動運転レベル3が800米ドルで、レベルが向上すると半導体搭載額はさらに高額となる。
自動運転の半導体消費量(記事より)
自動運転の半導体消費量(記事より)

手間を考えると、車載半導体をリサイクルすることは無いでしょう。車の平均寿命を10年としても、毎年膨大な数の車載半導体が消費されることになります。さらに、顧客(車ベンダ)のMCU高性能化やメモリ量増大の要求も強いので、数兆個とも言われるIoTの家庭や個人向けMCUも、この車載MCUの流れに沿ったものへ変わるかもしれません。

自動運転で半導体消費が増える理由は、車載センサーで見えない先方の情報をネットワーク経由で取得し、運転制御に利用するからです。車載MCUに高速で膨大な計算量、大容量メモリが必要になるのもうなずけます。

セキュリティ課題と対策

ネット接続で問題となるセキュリティ課題と対策については、12月19日Tech Factory掲載の【徹底解説】つながるクルマ「コネクテッドカー」のセキュリティ課題と対策に解説(要無料会員登録)されています。

  • ウイルスバスターで有名なトレンドマクロは、家庭、自動車、工場の3領域に対してIoT戦略をとる。
  • コネクテッドカー以外のIoTデバイスでも同じセキュリティ課題が下記。ソフトウエアセキュリティが最重要。
IoTセキュリティ課題(記事より)
IoTセキュリティ課題(記事より)

組込みソフトにも、ウイスル対策ソフトをインストールすることが必要になるのでしょうか? 私はRTOSに実装してくれることを望んでいます。

IoTエンジニア不足

日経IT Pro12月19日、日本のIT人材は「IoT初心者」、エンジニア2000人調査で判明では、

  • IoTや人工知能を担う先端IT人材は、2020年には48000人不足

と分析しています。

職種が広範囲なので、実際の開発者が何人不足するかは私には不明ですが、2020東京オリンピック位までは、IoT開発者が忙しいのは確からしいです。

ここで挙げた予測の全てが確実だとは言い切れません。しかし、開発者は、ここ数年で起こるかもしれない家庭や個人向けIoT MCUの変化に対応しつつ、IoTサービス企画立案、最新技術に基づいた高速な開発技術が求められるようです。

数か月の開発期間が終わって気が付くと、浦島太郎になったということだけは避けなければなりません。

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現役STマイクロエレクトロニクスの「メーカエンジニアの立場」から記載された、ユーザ質問の多かった事項を中心にマイコンデータシートの見かたを解説する記事(連載3回目)の最終回を紹介します。

全3回の連載記事内容

第1回:凡例、絶対最大定格、一般動作条件、電源電圧立上り/立下り(2017年10月1日投稿済み
第2回:消費電流、低消費電力モードからの復帰時間、発振回路特性(2017年10月29日投稿済み
第3回:フラッシュメモリ特性、ラッチアップ/EMS/EMI/ESD、汎用IO、リセット回路(←今回の投稿)

マイコンデータシートの見かた

3回分割のマイコン個別機能データシートの見かた、最終回ではSPIとADCの記載データ見かたが当初予定に追加されました。SPIは、接続デバイスがASICやFPGAの場合の注意点、ADCは、アナログ回路なので消費電流が大きくなる点に注意すべきだと記載されています。

当然のことですがデータシートは、データ値の羅列です。従って、そのデータ値の意味と解釈の仕方は、例えば記事図9の赤囲みコメントで付記されたようにすべきです。しかし、普通は残念ながら赤囲みコメントは、データシートには付いていません。

サンプル&ホールドタイプのA-Dコンバーターの電気的特性
サンプル&ホールドタイプのA-Dコンバーターの電気的特性(記事、図9より)

従って、この赤囲みコメントが自然に頭に浮かぶような勉強、半導体の基礎知識がマイコンを使うには必要で、その知識を背景にデータ値を読むことを記事は求めています。

連載3回範囲のデータシート見かたまとめ

  • フラッシュメモリは、高温使用時、データ保持年数が短くなる。データシート記載値は、MCU内部書込み/消去時間であり、書込み開始~終了までの作業時間ではない。書き換えビットが増えると消費電流も増える。
  • EMS/EMI/ESDは、MCUを実装した基板や使用環境に依存。データシート記載値は、MCU「単体の能力」。
  • 汎用IOは、電源電圧を下げると端子駆動能力も下がり、立上り/立下り時間が長くなる。しかし、STM32MCUは、駆動能力をレジスタで設定できるので遅くなることを抑えることができる。
  • MCUリセット回路設計時は、フィルタリング信号幅のグレーゾーンを避けることが必須。
  • SPIは、接続デバイスがASICやFPGAの場合、十分なタイミングマージンが必要。
  • ADCは、アナログ回路のバイアス電流のため消費電流が大きくなる。また電流変動で変換誤差が増える。

全て学んだ後の開発着手では遅い!

開発者に求められるのは、「開発したもの」です。

そして、多くの場合、短い期限付きです。問題は、この期限内で、なにがしかの結果、成果を出さなければ、開発者としてはNGなことです。しかし、成果を出すには勉強、知識も必要です。

初心者は、この勉強、知識の入力時間と、成果の出力時間の配分が上手くありません。ベテランになると知識も増えますが、入出力の時間配分が上手く、結局何らかの成果も生みます。特に開発者は、全行程の自己マネジメント(時間配分)にも注意を払う必要があります。

例を挙げると、夏休みの自由課題を何にし、休み中にどのように仕上げるか、です。もし提出物が無ければ、課題に取り組んでいないのと(殆ど)同じです。

残業時間制約も厳しく、開発者にとっての作業環境は厳しくなる一方です。弊社マイコンテンプレートとMCUベンダ評価ボードとの組合せは、開発者が求められる出力を早期に生み出すツールになると思います。

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ルネサス、100MB超の大容量フラッシュ内蔵、160℃で10年以上のデータ保持もできる車載可能な次世代マイコン実現にメドの記事が、EE Times Japanで12月6日発表されました。

ルネサス100MBフラッシュマイコン実現にメド
ルネサス100MBフラッシュマイコン実現にメド(記事より)

これは、ルネサスが車載半導体シェア30%を狙う動きとリンクしています。マイコンは、ROM128KB、RAM128KB(Cypress PSoC 4 BLEの例)の「キロバイト」容量から、5~6年後には「メガバイト」へと変わろうとしています。

FreeRTOS

Richard Barry氏により2003年に開発されたFreeRTOSもVersion 10が発表されました。12月3日投稿で示したようにアマゾンがAWS:Amazon Web Service接続のIoT MCUにFreeRTOSカーネルを提供したことで、マイコンへのFreeRTOS普及が一気に進む可能性があります。

Amazon FreeRTOS
Amazon FreeRTOS(サイトより)

従来のFreeRTOSは、5KB以下のROMにも収まりリアルタイム性とマルチタスク処理が特徴で、小容量マイコンでも十分に使えるRTOSでした。しかし、Amazon FreeRTOSの魅力的ライブラリをフル活用すると大容量ROM/RAMが必要になるハズです。フラッシュ大容量化、製造技術の細分化の流れは、マイコン高性能と低消費電力ももたらし、Amazon FreeRTOSを使用しても問題はなさそうです。

世界的な電気自動車化:EVシフトの動きは、マイコンに数年で激しい変化を与えます。弊社もCortex-M0\M0+コアに拘らず、STM32F1で使ったCortex-M3コアなどの更に高性能マイコンにも手を伸ばしたいと考えています。

ポイントは、FreeRTOSだと思います。その理由が以下です。

Amazon FreeRTOS対応のSTM32L475 Discovery kit for IoT Nodeのサイトで、AWS経由でどのようにクラウドに接続し、評価ボード実装済みの各種センサデータをグラウド送信する様子や、逆にグラウド側からボードLEDを制御する様子が英語Video(約11分)に紹介されています。
英語ですが、聞き取り易く、解り易いので是非ご覧ください。

Videoで使用したサンプルソフトも同サイトからダウンロードできます。殆ど出来上がったこのサンプルソフトへ、必要となるユーザ処理を追加しさえすれば、AWS IoT端末が出来上がります。

追加ユーザ処理は、FreeRTOSのタスクで開発します。タスクの中身は、初期設定と無限ループです。無限ループは、使用マイコン(Videoの場合はSTM32L4+)APIとFreeRTOS APIの組合せです。

つまり、従来マイコン開発に、新たにFreeRTOS API利用技術が加わった構成です。従来マイコン開発は、マイコンテンプレートで習得できます。但しFreeRTOS利用技術は、別途習得する必要がありそうです。

その他の細々したクラウド接続手続きは、通信プロトコル上の決まり文句で、独自性を出す部分ではありません。

マイコンテンプレートサイト、レスポンシブ化完了

その弊社マイコンテンプレートサイトのレスポンシブ化が完了しました。閲覧の方々が、PCやスマホで画面表示サイズを変えても、自動的に最適表示に調整します。

また、サイト運営側も従来サイトに比べ、ページ追加/削除が容易な構成に変わりました。より解りやすく充実したサイト内容にしていきます。動作テストを十分にしたつもりですが、ご感想、バグ情報などをメールで頂ければ幸いです。