ルネサスが、Arduinoへ出資後、初めてのArduino最新版UNO R4仕様RA4M1(Cortex-M4/48MHz、Flash/256KB、RAM/32KB)搭載Arduinoボード:Arduino UNO R4 Minima販売が始まりました(2023年6月27日)。
ルネサスArduino出資
ルネサスが、Arduinoへ出資したのは1年前の2022年6月14日。出資額は、10百万⽶ドル(1⽶ドル130円換算で約13億円)です。
その狙いは、オープンソースハードウェアArduinoボードへのルネサスMCU搭載です。
最新Arduino UNO R4仕様
最新Arduino UNO R4と普及版UNO R3仕様の比較は、Arduino UNO R4 Minima販売元:スイッチサイエンスの動画や、販売サイトに判り易く解説されています。
UNO R4は、UNO R3と上位互換性があり、最大24Vのボード電源入力へ拡張、ボード処理性能もRA4M1(R7FA4M1AB3CFM、Cortex-M4/48MHz、Flash/256KB、RAM/32KB)搭載で、R3比かなりの向上が見込まれます。
Arduino UNO R4コネクタ供給電圧は、UNO R3と同じ5V/3.3Vですので、殆どの既存Arduinoシールドがそのまま搭載できると思います。より高性能Arduinoボードを求めるユーザには、歓迎されるかもしれません。
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ルネサスRA4M1
ルネサスRA4は、RAファミリRA2/4/6シリーズの真中性能に位置し、RA2の低消費電力性とRA6のパフォーマンス性を兼ね備えたシリーズです。RA4M1は、静電容量タッチセンサやLCDコントローラのHMIが搭載済みです。
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筆者は、5Vトレラントポートが多いRA2シリーズ(Cortex-M23/48MHz)がArduino UNO R4ボードに適すと思っていました。しかしこの予想は外れ、Cortex-M33/100MHz採用が多いRA4シリーズでは異質のCortex-M4搭載RA4M1でした。
Cortex-M4搭載のRA4は、RA4M1以外にRA4W1(Bluetooth 5.0)があります。このRA4W1が、無線対応Arduino UNO R4 WiFiボードになると思います。
RAファミリは、新Arduino仕様向けCortex-M4と、IoTエッジMCU向けセキュリティ強化Cortex-M33/M23の2種コアから構成されています。どちらも狙う市場は、IoTネットワーク末端コンシューマMCUです。
Summary:全方位供給ルネサス
普及版Arduino UNO R3のMCUは、16ビット以下、ここに32ビットCortex-M4のRA4M1を搭載し、最新版UNO R4仕様として発表したルネサスの狙いが成功するかは、少し時間が必要と思います。RA4M1ソフトウェア開発は、UNO R3のそれとかなり異なるからです。
従来ルネサスビジネスとは異なる動向であることは、コチラの記事が明らかにしています。筆者も、記事と同感です。
ルネサスが、従来ビジネスに拘らずArduinoやRISC-Vなど、全方位でMCUを供給しようとする体制へ変化しつつある兆しだと思います。