LibreOfficeセキュリティ重視更新とPotable版

通常LibreOffice更新間隔は、最新版が1か月、安定版は3か月です。今回、最新版/安定版ともに前回8月メジャー更新から1か月後の9月5日、バグ対応とセキュリティ重視の更新が発表されました。
※更新内容は、発表を参照してください。旧版からの設定など特に変更する必要はないと思います。

LibreOffice版数(2019年9月11日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/9/5版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.3.0 → 6.3.1
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.2.6 → 6.2.7

更新方法

旧版でヘルプ(H)>更新の確認(C)…をクリックすると、下記ダイアログが表示されます。

LibreOffice 6.3.0の更新ダイアログ
LibreOffice 6.3.0の更新ダイアログ

自動更新できないため、公式ダウンロードサイトから手動で最新版/安定版のダウンロードとインストールが必要です。ダウンロード(D)クリックで、公式サイトへジャンプします。

LibreOffice Potable版は自動更新可能

USBメモリにインストールするLibreOffice Potable版は、自動更新が可能です。

PCにLibreOfficeをインストールせず使ってみたい方、Officeのように自動更新を希望する方は、Windowsのみ対応中のLibreOffice Potable版をUSBメモリにインストールします。Potable版は、PC版更新から数日遅れで自動的に更新を検出し、常に最新のLibreOffice(最新版/安定版)が利用可能です。

LibreOffice Potable版インストール方法

1) PotableApps.comからマルチ言語/プラットフォーム対応のアプリランチャーをダウンロードし、USBメモリへインストールします(無償、日本語版あり)。

2) インストール後、起動パネルのアプリの管理>もっとアプリケーションを入手する…>カテゴリ順、クリックで下記ダイアログが表示されます。

最新版LibreOffice Potable 6.3.1と安定版LibreOffice Potable 6.2.6 (Still)のダウンロード
最新版LibreOffice Potable 6.3.1と安定版LibreOffice Potable 6.2.6 (Still)のダウンロード

オフィスカテゴリのLibreOfficeに☑を入れると最新版LibreOffice Potable版6.3.1が、LibreOffice Stillの☑を入れると安定版LibreOffice Potable版6.2.6がUSBメモリへインストールされます。

3) アプリランチャーは、起動時にLibreOffice更新を確認し、更新時は自動的にアップデートします(USBメモリなので、更新に多少処理時間が掛かりますが、再インストールの手間は省けます)。

アプリランチャーには、LibreOffice Potable版以外にも、下図に示すように主要ブラウザ、GIMPなど多くのインストールできるアプリケーションがあります。出先のPCでLibreOffice利用や、Office文書編集などに重宝します。

PotableApps.comへインストールできるアプリケーション
PotableApps.comへインストールできるアプリケーション

LibreOffice最新版、安定版メジャー更新

前回投稿の予想通り8月8日にLibreOffice最新版、安定版ともにメジャー更新されました。

LibreOffice版数(2019年8月20日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/8/14版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.5 → 6.3.0
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.6 → 6.2.5 → 6.2.6

※追記:8月14日、6.2系安定版を再改版し、6.2.6となりました。

公式LibreOfficeダウンロードサイトの配布版数は、6.3.0と6.2.6、6.1.6です。6.2系最後の最新版を改版し安定版6.2.6にしました。超安定版を望む方は、6.1系最後の6.1.6もダウンロード可能という構成です。

LibreOffice 6.3系の新機能

初めてのLibreOffice 6.3起動時に、リリースノート(日本語)への誘導と、1日に1回、日替りヒント(英語)が表示されるようになりました。

LibreOffice 6.3のリリースノート通知と日替りヒント
LibreOffice 6.3のリリースノート通知と日替りヒント

また、Writer/Calcは、パフォーマンス向上、Writer/Drawには、ユーザ処理に応じて自動的にツールバーが変わる「状況依存1行」という新ユーザインタフェース(次章参照)が追加されました。

その他、PDF印刷時の墨消し機能追加など多くの機能追加・改善がリリースノートを見ると解ります。

LibreOffice 6.3の墨消しPDF印刷機能
LibreOffice 6.3の墨消しPDF印刷機能(出典:リリースノート)

Writer/Drawの新ツールバー:状況依存1行

ユーザの処理対象が、文書か図形かに応じて表示中の1行ツールバーを動的に変え、表示エリアの有効活用を図るのが、Writer/Drawの新ツールバー:状況依存1行です。

WriterとDrawの新ユーザインタフェース:状況依存1行
WriterとDrawの新ユーザインタフェース:状況依存1行

多くのツールバーを常時表示するよりも編集対象に応じたツールバー表示で編集エリアを広くとれるので、より作業に集中できます。ツールバー履歴を活用し、使用頻度が高いツールバーを表示するようになるかもしれません。数多いツールバー機能を、ユーザへ上手く使ってもらう支援方法としては良くできていると思います。

LibreOffice最新版6.2.3へ更新

LibreOffice版数(2019/04/20現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/4/18版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.2 → 6.2.3
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.5(変更なし)

2019年4月19日、パワーユーザ向けに新機能を盛り込んだLibreOffice最新版が、6.2.3へマイナー更新されました。安定版は、6.1.5のままです。更新方法や無料テンプレートなどは、関連投稿を参照してください。

新元号「令和」への対応など90件以上の不具合修正が行われたそうです。筆者は、今回の更新でDrawサムネイル表示が、最後に編集したページになったことが気に入っています。

LibreOfficeのDraw
LibreOffice最新版6.2.3のDraw。最後に編集したサムネイル表示が気に入っています。

普通に使っていれば、最新版でも一度も不具合に遭遇したことはありません。しかも、上記サムネイル表示のように細かな改良が進み、使い易く、無料、マルチOS対応など、ビジネスツールとしての要件をLibreOfficeは満たしています。

Microsoft Officeとの一番の違いは更新時のユーザへの気配り

ユーザに対して、最新版と安定版のパッケージが2つあること、マイナー更新は、ユーザが主体的に更新を行うことが、Microsoft Officeの更新手法との違いです。

安定志向ユーザは、何回かの最新版リリース後のほぼ不具合が発生しにくい版数のインストールを行うので、より安全です。また、むやみやたらの更新に対して気に病む必要もありません。

筆者は、最新版ユーザですが、月1回程度の更新にも安定志向ユーザと同様前向きです。万一不具合が発生しても、ユーザデータはそのままで、簡単に前の版数にロールバックできるからです。

一方、Officeに限らずMicrosoft製品の更新には、緊張感と事前準備をユーザに求めます。“気軽にバージョンアップしても大丈夫? 最新版「Office」運用で気を付けたい落とし穴”というIT media記事にその原因が説明されています。

C2R:Click to Runの思想

記事によると、Microsoftの新しいアプリケーションインストール形式、C2R:Click to Runは、実行時に最新の差分バイナリを取得し、常に最新バージョンのみをユーザへ提供する仕様です。しかも、万一の不具合に対して、簡単なロールバックができないようです。ユーザ対応としては、システムバックアップなどの準備が必要になりそうです。

ソフトウェアには、不具合は避けられません。十分なテストを行っても100%フリーは無理です。ユーザもこれは認識しています。問題は、不具合を被るユーザへの対応・気配りが、安心感を与えるのか、緊張感を与えるのかだと思います。

このユーザ対応は、一種の製品思想です。Microsoft Officeはビジネスツールの先駆者だけでなく、今や普通の生活に欠かせない普通の人々が使うソフトウェアです。LibreOfficeの安定版相当を提供する思想があっても良いと思うのは筆者だけでしょうか?

LibreOffice新ツールバー追加し最新版、安定版ともに更新

2019年2月7日LibreOfficeが最新版、安定版ともに新しいツールバー:NotebookBarを導入し更新されました。
本更新は、マイナー更新に相当しますので、ウェブサイトから更新版ダウンロードとインストールが必要です。

LibreOffice版数(2019/02/10現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/2/7版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ 6.1.4 → 6.2.0
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ 6.0.7 → 6.1.5

関連投稿:LibreOffice更新、メジャー/マイナー更新の章参照

LibreOffice公式Twitterに、LibreOffice6.2の新機能紹介動画(4:33)があります。ツールバー以外にも改善箇所がありますので、この動画をご覧になれば更新内容が解ります。本稿はこれらのうち、新ツールバー:ノートブックバーを説明します。

新ツールバー:ノートブックバーの使い方

ノートブックバーは、従来からある標準ツールバーなどへ「追加された」ツールバーで、より柔軟で少ない面積にコマンドをカスタマイズ表示できます。リボンツールバーへ「一挙に全て変えて」ユーザを戸惑わせるMicrosoft Officeよりも良心的です😅。

そのノートブックバーは、デフォルトでは表示されません。表示(V)>ユーザーインタフェース(I)>で、タブ(D)、または、グループバーコンパクト(E)で利用可能になります。ノートブックバーは、この追加された2種類のユーザーインタフェース:UIの総称と考えれば良いでしょう。

標準ツールバーから新ツールバー:ノートブックバーの表示方法
標準ツールバーから新ツールバー:ノートブックバーの表示方法

一言でいえば、タブ(D)は、Microsoft Office 2010のUIにより近く、グループバーコンパクト(E)は、よりコンパクトかつカスタマイズできるツールバーだと思います。

新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのタブ。Office2010のようにタブでコマンドを切替える。
新UIのグループコンパクト。コマンドをグループ分け、よりコンパクトにカスタマイズ表示できる。
新UIのグループコンパクト。コマンドをグループ分け、よりコンパクトにカスタマイズ表示できる。

また、オプション(O)の表示でUI表示のアイコンサイズも自動、小、大の選択が可能です。

UIのアイコンサイズも変更可能
UIのアイコンサイズも変更可能

標準ツールバーに戻すときは、右端のハンバーガーメニュー、または、メニュー(M)でユーザインタフェース(I)が表示されますので簡単です。

タブから標準ツールバーへ戻す方法
タブから標準ツールバーへ戻す方法

文章や資料作成時は、内容や構成に集中しています。頻繁に利用するコマンドは、数個だと思いますので、色々カスタマイズしてご自分の使いやすいUIにすれば作成効率も上がります。Officeに慣れた方でも、今回のノートブックバー追加で、よりLibreOfficeへの移行が簡単になると思います。

弊社は、LibreOffice WriterとDrawの使い方、実務で使えるテンプレートを下記関連投稿で配布中ですのでご活用ください。
関連投稿:実務LibreOffice Writerカスタマイズ
関連投稿:LibreOffice Drawの使い方とテンプレート

Office 2010代替と1809トラブル対策

今年になってExcel 2010が正常に起動しないなどトラブル続出で、RS5:1809のUpdateトラブルも含めるとMicrosoft技術力低下を疑わせる状態が続いています。最先端技術牽引企業ですのでやむを得ないことは承知しておりますが、ビジネスツールとしてはひどいレベルです。19H1:1903は、順番で言うと安定チーム(?)が開発担当してくれるかもしれませんので、改善を期待しております。

本稿で示したLibreOfficeは、Windows/Mac/Unix上で使え、新旧Office文書互換、しかも無償、更新や機能追加方法も安全志向です。2020年10月13日でサポートが終了するOffice 2010、その他Office2019/2016/2013代替、Windowsトラブル対策としてもLibreOffice導入を検討されてはいかがでしょう?

LibreOffice最新版 6.1.4.2へ更新

2018年12月18日、LibreOffice 6系の最新版(stable)がマイナー更新され、バージョンが6.1.4.2になりました。
安定版(stable)は更新なしです。

LibreOffice版数(2018/12/20現在)
パッケージ 想定ユーザ 2018/12/18版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ 6.1.3.2 → 6.1.4.2
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ 6.0.7 (変更なし)

6.1.4.2マイナー更新

マイナー更新ですので、LibreOfficeウェブサイトから最新版6.1.4をダウンロードし、実行で更新完了します。

関連投稿:LibreOffice更新のメジャー/マイナー更新方法

@libreofficeさんのツイートによると、125以上のバグ修正がなされたようです(個人的には前版でもWriter、Calc、Drawいずれもバグに遭遇していませんが…😅)。最新版ご利用中の方は、更新しておけば安心です。

年末年始の時間を利用しLibreOfficeを試そうと考えている方は、是非最新版を使ってみてください。また、弊社は、WriterとDrawに対して下記無料テンプレートを配布中です。ご活用ください。

関連投稿:LibreOffice Writerの使い方とテンプレート
関連投稿:LibreOffice Drawの使い方とテンプレート

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私個人としては、クロスプラットフォーム(Windows/Mac/Unix)でローカル動作し、既存Office文書への互換性も高い無償LibreOfficeが、PC文書作成ツールとしてはお勧めです。