
今週は夏休みを頂き金曜投稿は休みます。「技術者の夏休み」というプロンプトで生成したGemini Flashの図です。夏休みなのにどこへも行かず、自分の部屋に外部の新鮮な風を入れ、古いノートPCとブレッドボード、Macを使って自習中の中堅技術者が描かれています。Gemini、深~く我々を解ってますね!
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今週は夏休みを頂き金曜投稿は休みます。「技術者の夏休み」というプロンプトで生成したGemini Flashの図です。夏休みなのにどこへも行かず、自分の部屋に外部の新鮮な風を入れ、古いノートPCとブレッドボード、Macを使って自習中の中堅技術者が描かれています。Gemini、深~く我々を解ってますね!
前投稿でGeminiの3モデル(Flash-Lite/Flash/Pro)を示しました。現在は3モデルがある理由と、主な利用シーン、具体的な使い方を示します。

現在Geminiに3モデル(Flash-Lite/Flash/Pro)がある理由は、AI利用の「コスト」「応答スピード」「推論の深さ・正確さ」のバランスが、ユーザが与えるタスクによって大きく異なるためです。
全てを最高性能モデルGemini Proで処理すると、時間と費用(トークン)がかかりすぎます。逆に、簡易モデルFlash-Lite処理では、複雑な分析や精度を求める作業は無理です。
つまり、ユーザ自身がタスクによりGeminiモデルを使い分ける必要がある訳です。
3モデルの主な利用シーンが下表です。処理コスト(トークン)は、Proになるほど多くなります。
| モデル | 主な利用シーン | ユーザ選択の理由 |
| Flash-Lite | メール分類、データ抽出、FAQ自動応答、大量要約 | コストを抑え、一瞬で処理したい |
| Flash | 日常の調べ物、標準的な文章作成・翻訳、一般的なコード記述 | 待ち時間を短くしつつ、質の高い回答が欲しい |
| Pro | 複雑なコードのデバッグ、法律・財務文書の精査、戦略提案 | 時間をかけてでも、失敗できない高度な判断が必要 |
3モデルの回答具体例を示します。
プロンプト例:注文商品と違う色が顧客に届き、梱包も破れていた。顧客から明日のイベントに使う予定だったため返金と代替品の即日発送を求められている。また過去の注文履歴にもトラブルがあった顧客メールに対し、今後の対応方針と返信文案を作成して。
3モデル解答例:
これらGeminiモデルの特徴を理解していれば、例えば、「最初にFlash-Liteで問い合わせメール緊急度を分類し、難易度の高い案件だけをProに引き渡し対応」といったモデル連携をユーザが行うことで、品質を維持しながら処理コストを削減することもできます。
Gemini 3モデル(Flash-Lite/Flash/Pro)には特徴があります。
Gemini Pro(最上位・最高精度)
特徴: 高度な論理推論、複雑なコーディング、マルチステップのデータ分析に特化したモデル。
Gemini Flash(標準・ベストバランス)
特徴: 速度・コスト・精度のバランスが優れており、日常的なタスクや一般的な業務を高速で処理できる主力モデル。
Gemini Flash-Lite(超高速・最安値)
特徴: 圧倒的な低コストと爆速レスポンスで、単純なテキスト処理や大量データの高速選別・分類に特化したモデル。
ユーザは、3モデル特徴を理解し、与えるタスクにより3モデルを使い分け、3モデルを連携し回答品質を維持しながら処理コスト削減を行うなどのAI利用工夫が現状必要です。
AI動画生成Gemini Omniが8月4日まで期間限定で無償利用できます。本件を10秒動画にしてみました。ご参考まで。

以前の投稿:AI基本のキ:GeminiとNotebookLM、Copilotでは、GoogleとMicrosoftのAIサービスの基本的な違いについて解説しました。2026年7月16日、Google AIに大きな動きがありました。Google提供のリサーチ支援ツール「NotebookLM」が、「Gemini Notebook」へと名称変更(リブランディング)されたのです。
本稿は、このリブランドに伴う進化と、同じタイミングで発表されたGeminiモデル自体の最新アップデートについて整理し、「激しく早いAI進化に対し、我々ユーザはどう対応すべきか」という観点で考察します。
7月16日、GoogleはNotebookLMを「Gemini Notebook」に改名しました。これは単なる名前の付け替えではなく、独立していたNotebookLMを、Geminiブランド中核のGoogle AIエコシステム:Gemini Notebookへと格上げしたことを意味しています。
Gemini Notebookの主な進化点が以下です。
読むAIから実行するAIへ:
従来NotebookLMの主な機能は、資料の要約や対話(読解)でした。新機能として「コード実行機能」が追加されました。各ノートブックに安全なクラウドコンピュータ環境が割り当てられ、AIが資料に基づいてPythonコードを記述・実行し、複雑なデータ集計や統計分析を行うことが可能になりました。
AIエコシステムとの完全連携:
Geminiアプリ内から直接ノートブックを作成・アクセスできるようになり、双方向でシームレスに同期されます。今後は、Google検索の「AIモード」からも直接利用できるようになる予定です。
特徴は不変:
ユーザが読み込ませた資料のみを情報源とする「ソースグラウンディング(根拠に基づく回答)」という最大の特長は、そのまま引き継がれてます。
前章Gemini Notebookの裏側で動作するAIモデル自体も、驚異的なスピードで進化を続けています。2026年7月22日には、高速・低コスト帯の最新モデル「Gemini 3.6 Flash」と「Gemini 3.5 Flash-Lite」が登場しました。

17%の効率化と値下げ:
Gemini 3.6 Flashは、前世代の3.5 Flashと比較して出力の無駄を17%削減しつつ、トークン単価も引き下げられました(引き続き無料トークンもあります)。
精度の向上:
コード修正の正確さ(DeepSWE)は37%から49%へ、PC操作の代行能力(OSWorld-Verified)も78.4%から83%へと大きく向上しています。AIエージェントの進化です。
ユーザインターフェース:
実際の「Geminiに相談」画面例(上図)を見ると、用途に合わせて「3.6 Flash(あらゆる場面でサポート)」や3.5 Flash-Lite(すばやく回答)」などを簡単に切り替えて利用できるようになっています。
これほどまでに激しく早いAIの進化に対し、我々ユーザはどう向き合うべきでしょうか? 筆者は、AIツールの根底特性(ポイント)を理解していれば、新機能が登場しても迷わないと思います。
目的と情報源を明確にする:
ネット全体の広範な知識が必要なら「Gemini」、手元の資料を深く分析・整理したいなら「Gemini Notebook」という使い分けの基本は変わりません。リブランドによってこの境界はよりスムーズになりましたが、何に基づいてAIに回答させるかを明確にし、使い分けることが重要です。
AIアシストを使いこなす:
新しく加わったコード実行機能や、AIが自律的に推論するAIエージェント機能は、ユーザの生産性を大きく引き上げます。それでも、AI提案や回答の採否を決めるのは、ユーザ自身を忘れないことです。
変化を恐れずAIツールを試す:
「名前が変わった」「モデルが新しくなった」というニュースに圧倒されるのではなく、先ずはツールに触ってみることです。Gemini Notebookのように、過去のデータはそのまま引き継がれ、操作感も改善されているケースがほとんどです。
AIの導入や進化を脅威と感じることは不要です。AIは、ユーザ課題解決の1手段に過ぎないからです。
Gemini Notebookという強力な「実行可能リサーチ拠点」を手に入れた今、ユーザはこれまで以上に高度なアウトプットを短時間で生み出せる環境にいます。AIモデルの低コスト化・高効率化(Gemini 3.6 Flashなど)により、Google AIエコシステムはより身近な存在になりました。
重要なのは、最新のAI情報を追いかけるのではなく、「今の自分にとってどのツール・機能が有効かを見極め、俯瞰的にポイントを押さえ柔軟にAIを活用する姿勢」だと思います。使ってみないとツールの良し悪しは判らないものです。

2026年7月現在のWindowsバージョンシェアです。ポイントは、Win10とWin11のシェア変化が連動すること。つまり、Win10ユーザのWin11アップグレードかWin10への復帰、または、MacOSやLinuxなど別OS選択、が想像できます。AI PC移行を前に、PCユーザが選択するOSの迷いが現れています。
本稿は、弊社がWin11を継続利用する訳を説明します。
弊社所有4PCは、全てWindowsで2台のみWin11アップグレード要件を満たします。残り2台はRufus手動アップグレードWin11です。これら4PCの全てが7月Updateに成功し最新Win11 25H2(26200.8875)へ更新完了しました。

関連投稿:Rufus活用Win11アップグレード方法、セキュアブートを満たさないWin PCのその後。
自己責任ですが、Rufusなどのツールを使えばアップグレード要件を満たさないWin10 PCでも最新Win11を安定して使えることが判ります。
AI PC移行期の今は、Windowsを使い続けることがコスパに優れた現実的な選択である理由が下記です。
Windows/MacOS/Linuxシェアを比べると、圧倒的にWindowsが優勢です。従って、Officeツールや主要開発環境、各種周辺機器もWindowsが前提で提供されます。現状、Windowsから他OSへ移行すると、ツール不動作や周辺機器買い直しなどのトラブルがあり得ます。
前章で示したようにWin11アップグレード要件を満たさないPCでも、工夫次第で最新セキュリティアップデートを受けつつWin11で使い続けることが可能です。Microsoftは、Win10で好評だったタスクバー位置の上下左右配置機能をWin11でも復活させる予定です。
数年後にはAIエージェントに動作を告げると所望処理ができるAI PC時代になるでしょう。優勢だったWinユーザ利便性は減少し、どんなPC OSでも同じようにユーザが使える時代が始まります。例えると、Edge/Chrome/Firefoxなど基本動作は同じ、好みの差が僅かにあるのブラウザと同様です。
ローカルAI PC処理能力そのものは、OSよりも動作ハードウェアに大きく依存します。だからこそ、Winユーザは次期OS選択も含め新しいAI PCハードウェア購入を暫く待つ方が得策だと思います。

AI PC移行期のOSについて、Windowsユーザなら継続利用がコスパに優れた現実的な選択である理由を示しました。
ユーザがどの程度のローカルAI処理を求めるかにより調達AI PCハードウェア価格が決まります。また、従来のWindows優位性は、AIエージェントにより今後縮小するでしょう。さらに、AI処理のクラウド利用料金やローカル/クラウド役割分担は、現状、不明確です。
従って弊社などのWinユーザは、次期OS選択も含め新しいAI PCハードウェア購入は「待ちが得策」だと思います。
Apple PCは、数年前からAI PCを見据えユニファイドメモリアーキテクチャや膨大メモリ量のハードウェア設計です。但し、調達価格も巨大ですが…。ハード/ソフト一括提供メリットをAI PC時代にも維持できるかもAI PC選択の重要事項です。
一方、MicrosoftはCopilot+ PCでお節介(!?)なAIサービスを提供中です。両者のAI PCアプローチの違いが良く解ります。

2026年7月6日、AMD Ryzen AI Max+ 395搭載EVO-X3が発売されました。GMKtec社ハイエンドミニAI PC EVO-X2(2025/4/15発売)の縦長・薄型進化版です。
新EVO-X3対旧EVO-X2スペック差で目立つのは、上図からOCuLink追加、USB4x1削除、SDカードスロット削除、LEDライト削除、しかし、フルメタル化した筐体容量は2.7Lと新旧同一である点です。

2.7Lの内訳は、353 × 186 × 41 mm(スタンド除く)と縦長・薄型化し、2.3kgで縦置き設置です。よりAI開発向きに進化したようで、その進化内容は次章で分析します。
EVO-X3を2TB SSDで比べると、EVO-X2より$300(約49,000円)価格上昇。先行発売特価で576,576円です。
EVO-X3の進化内容を分析します。

縦長・薄型による設置デスク面積削減
EVO-X3もEVO-X2と同じ筐体容積は2.7Lです。縦長筐体にすると薄型になり、デスク上の設置面積は小さくなります。193 × 185.8 × 77 mmのEVO-X2より省スペース性に優れます。
フルメタル筐体による放熱効率化
筐体底面や側面から入った冷たい空気は、内部デバイスを冷やし背面上方・下方の排熱口からファンにより強制排出されます。薄型化により、発熱デバイスと外気の物理距離が近くなり、フルメタル化による筐体自身のヒートシンク効果も期待できます。
OCuLinkによるAI処理能力追加
外付けGPUの増設を容易にするOCuLinkにより、より高いAI処理能力の追加要求に対応できます。
つまり、ローカルLLMなどの高負荷AI処理でも熱ダレせず長時間・安定動作し、更なるAI能力もOCuLinkで加えられるAI開発向きに正常進化したのがEVO-X3と言えます。

縦長・薄型に進化したEVO-X3を旧EVO-X2スペックと比較しその進化内容を分析しました。同じ高性能なAMD Ryzen AI Max+ 395搭載ミニAI PCですが、筐体の縦長・薄型化により省スペース性は増し、高負荷AI処理でも長時間安定動作、更なるAI能力追加可能なOCuLinkなどAI開発向きに進化したEVO-X3が判りました。

省スペースが売りですが熱的に厳しいミニAI PCは、縦長が最近の筐体トレンドです。発熱デバイスを重なりが無いよう配置し、ヒートパイプや外気で直接デバイスを冷やし、放熱も効率的な縦長が適すからでしょう。

AI PCの要は、CPU/GPU/NPUなのでその性能を示すTOPS値が注目されます。しかし、AI時代の隠れ主役はDRAM(Dynamic Random Access Memory)が解る2記事を紹介、簡単にまとめました。
記事1は、DRAMの変遷とAI時代におけるDRAMの役割について記述しています。記事2は、AI処理の隠れ主役DRAMの3つの壁:容量、速度、帯域と、壁打開の新技術について詳しく説明しています。
著者の白竹 茂氏は、メモリ分野の長い開発経験を持つMicron社DRAM部門責任者の方ですので、記事は読み応えがあります。そこで、DRAMの3つの壁と打開新技術について次章から簡単にまとめます。
生成AIの進化は、人間の脳を模倣した「パラメータ」の数に依存します。このパラメータ数は数千億から数兆に達し、モデル自体が数百ギガバイトの巨大なデータ塊となります。
この巨大モデルを瞬時に展開し、プロセッサ(CPU/GPU/NPU)が超高速アクセスできなければ、AIは「思考」を始めることすらできません。ここで直面するのが、DRAMの「容量」、「速度」、「帯域」という3つの物理的メモリの壁です。
AIモデルのパラメータ数が増加するとモデルを単一メモリに収めることが困難になってきます。
例えば、一度に学習するデータ量「バッチサイズ」を大きくすれば、並列処理の効率は上がりますが、その分だけ広大なメモリ容量が必要になります。メモリの容量不足は、モデルを複数メモリに分割配置するなどの高度で複雑な対策を強いることになります。
これらパラメータ調整が、AIの学習プロセスでは絶大な影響を与えます。「広大なワーキングメモリ(=作業机)」があれば、調整が上手くでき最適なAI学習が可能です。
プロセサが計算を行う際、上記DRAMの「作業机」からデータを取り出し、書き戻す作業を絶えず繰り返します。このDRAMアクセスの遅延(レイテンシ)が大きいと、超高速なプロセサであってもデータ待ちによる「空き時間」が生じ、処理能力が著しく低下してしまいます。
たとえプロセッサの計算能力が無限であっても、メモリからデータを供給する「通り道」が狭ければ、深刻な渋滞が発生します。これが帯域の壁です。
特に複数プロセサでモデルパラメータをどう修正すべきかという方向性(勾配情報)を同期する際、このプロセサとメモリ間の帯域不足は、AIシステム全体性能の決定要因となります。
DRAM開発現場では、これらのメモリの壁を「ソフトウェアの工夫」で乗り越える試みが続いています。 例えば、メモリ不足(Out Of Memory)でエラーが出る場合は「勾配累積(Gradient Accumulation)」という手法を使います。これは、小さなバッチで計算した結果をメモリ上で足し合わせることで、少ないメモリ容量のまま、実質的に大きなバッチサイズで学習したのと同じ効果を得るテクニックです。
一方、このメモリの壁を「ハードウェア側から打ち破る新技術」:切り札として期待されているのが、HBM(High Bandwidth Memory)とCXL(Compute Express Link)です。
AI時代の隠れ主役DRAM記事を紹介し、AI進化の運命を握る「3つの壁」とこれらを打開する「ハードウェア新技術」を示したのが最初の図です。
DRAMは単なるプロセサの一時記憶装置ではなく、AI思考速度と深さがDRAM性能に直結し、膨大なAIデータをプロセサへ供給する「隠れた主役」です。DRAM性能を理解し、パラメータバランス最適化が、次世代AI開発の成否を分ける鍵となる、とメモリ大手Micronの白竹 茂氏は解説しています。
メモリ価格高騰の背景は、AIシステムの総合性能を決めるのが容量、速度、帯域の壁を破った高性能DRAMメモリだからです。現在クラウド側は、メモリ高性能化を急速に進めています。エッジ側メモリ価格が落ち着くまでは、暫く時間が必要でしょう。

Intel最新Core Ultraシリーズ3搭載ミニAI PCの「EVO-T2S」詳細レビュー記事に、AMD Ryzen AI Max+ 395搭載機とのベンチマークがあります。記事を元に、ミニAI PCとして33万円を投資するならCore Ultraシリーズ3のEVO-T2SかRyzen AI Max+ 395のEVO-X2どちらが適すか比較・評価しました。
Core Ultraシリーズ3は、Intelが2026年1月に発表した最先端「Intel 18A」プロセス採用の最新プロセサです。シリーズ2よりもAI処理能力と電力効率を高め、トータル180TOPS能力を価格重視のメインストリームプロセサへも展開します。本稿のEVO-T2Sは、Core Ultra X7 358H搭載マシンです。

EVO-T2Sは、Core Ultra X7 358Hと64GB LPDDR5X 8533MT/s、PCIe 4.0 1TB SSD搭載で本体重量950g、セール価格32万3,999円です。2.5G/10GのLANポート2本、OCuLinkが特徴のインタフェースです。

記事中盤からEVO-T2SとRyzen AI Max+ 395搭載MS-S1 MAXのベンチマークが比較されています。
各種ベンチマーク結果から、16コア/16シングルスレッドのCore Ultra X7 358H対16コア/32マルチスレッドのRyzen AI Max+ 395、内蔵GPUのIntel ArcとRadeon 8060S、メモリバンド幅などIntelとAMDのローカルAIプロセサ性能差が明確に表れています。
つまり、Core Ultraシリーズ3は、シリーズ2より高性能・効率化しましたが、AI処理能力ではRyzen AI Max+ 395に及ばないことが判ります。
記事後半は、EVO-T2Sに中規模LLM(64GBオンボード用で大規模LLMではない点に注意)利用の専用ソフトが付属しているため、マシン購入後直ぐにローカルAI PC活用が可能なことも判ります。
Ryzen AI Max+ 395搭載ミニAI PCは、記事掲載のMS-S1 MAX 以外にも多くの製品があります。これらの中でEVO-T2S対抗機として、同じGMKtec社のEVO-X2を選びました。64GB/1TB SSDと製品仕様が同じで価格も32万4,990円と非常に近いからです。

|
AMD AI CPU |
Cores / |
Boost2 / Base |
Cache |
Graphics Model |
TDP |
NPU |
|
Ryzen AI Max+ 395 |
16C/32T |
Up to 5.1 / 3.0 GHz |
80MB |
Radeon 8060S |
45-120W |
50 |
同額33万円のEVO-T2SとEVO-X2の比較評価をまとめます。
|
製品 |
EVO-T2S |
EVO-X2 |
|
CPU動作 |
16コア/16スレッド |
16コア/32スレッド |
|
メモリ容量 |
64GB(オンボード) |
64GB(オンボード) |
|
メモリ仕様 |
LPDDR5X-8533MT/s |
LPDDR5X-8000MHz |
|
メモリ帯域 |
128bit(一般的) |
NPU/GPUユニファイドメモリ |
|
APU総合TOPS |
180 TOPS |
126 TOPS |
|
消費電力 |
最大54W |
最大120W |
|
AI PC導入 |
対応ソフトプリインスト済み |
ローカルAIユーザ構築必須 |
|
価格 (64GB版) |
323,999円 (セール時) |
324,990円(アマゾン) |
ローカルAI PCのLLM処理は、CPU/GPU/NPU動作ボトルネックを生まないメモリ帯域が最重要です。
Intel Core Ultraシリーズ3のCore Ultra X7 358Hは、上表に示すAMD Ryzen AI Max+ 395よりも一部で優れた仕様があるものの、様々なAIアシスタント開発を試すAIエンジニアには、Strix Halo採用でメモリ帯域の広いEVO-X2が適すと思います。
一方、一般ユーザやビジネスマンには、EVO-X2よりも低消費電力でLLM環境構築が付属ソフトウェアで容易、ローカルAI PC動作を直ぐに試せるEVO-T2Sが適します。
取っ手付きミニAI PCが増えてきました。また、Snapdragon X2シリーズ搭載Surface LaptopやRyzen AI 400搭載ノートAI PCなど、最新・高性能ローカルAI PC選択肢も増えつつあります。複数のローカルAI PC同期、そしてAI PC運用形態の今後について考察しました。

近年、デスクトップ級の処理能力を持ちながら、筐体に「取っ手(ハンドル)」が備わった高性能ミニPCが増えてきました。
これらはAMD Ryzen AI Max+ 395などの強力なAPUや、80TOPSの高性能NPUを搭載しており、単独のローカルAI環境で大規模言語モデル(LLM)や画像生成AIなどの高度ローカルAI処理を十分に実行できる性能を持っています。
最大のメリットは、ローカルAI PCの可搬性です。

自宅やオフィス、あるいは出張先やイベント会場などへ高性能ミニAI PCやノートAI PCを持ち込めば、高速でプライベートなAI環境を場所に依存せず使え、クリエイターやエンジニアに理想的な選択肢となります。
このような高性能ローカルAI PCを複数所有する場合、あるいは既存デスクトップPCやノートPCと併用する場合は、「ローカルAI環境の同期をどうするか」という問題が生じます。
ローカルAI PCの同期には、単なるファイルのバックアップを超えたいくつかの要素があります。
これらの同期には、GitやGoogleドライブ、OneDriveなどの各種クラウドストレージ経由が一般的です。しかし、ナレッジデータベースや重み付けAIモデルは、容量が大きくなる傾向があるため、ネットワークでの高速なP2P同期ツールなどを活用し、差分データのみを効率的にバックグラウンドで同期させるなどの仕組みが運用の鍵となります。
AI PC同期環境を考えるにあたり、そもそもAIアシスタントは「ローカル」と「クラウド」のどちらで運用するのが便利か、それぞれの特性を比較します。
つまり、通常の機密情報処理、特定業務のカスタマイズ処理、さらに通信環境に依存しないAI処理を行う場合は「ローカル」が圧倒的に有利です。一方、リソース無視の超高度推論、ローカルAI環境同期、バックアップの観点からは「クラウド」が便利です。

取っ手付き高性能ミニAI PCや高性能ノートAI PCなどのローカルAI PC運用は「ローカルAI PC同期」が、非常に重要な課題と考えます。
大容量モデルデータやナレッジデータベース同期は、ネットワーク帯域やストレージ容量制限が伴うものの、差分同期ツールや環境コンテナ化によってクラウド同期・バックアップに期待し、AI PC可搬時の「同一クラウドAIアシスタント利用」も実現できると思います。
今後のAI PCは、「高いプライバシーと機密性を保持するローカルAI PCをメインの思考・作業エンジン」としつつ、必要に応じて「超高度AI処理をクラウド」へアウトソーシングする「ローカル・クラウドのハイブリッド運用」が、先進的エンジニアやクリエイターのスタンダードになっていくと考えます。
古いセキュアブート証明書の有効期限が切れる6月にWindows PCが起動しない可能性がある、と騒がれたのは今年4月でした。新しいAI PC購入を前投稿の理由で暫く待つ弊社には、既存PC不起動は大問題です。
この既存PCセキュアブート4月状況と対策が下図に示したコチラの投稿でした。本稿は、不起動懸念PCの続報です。

上図2番目のセキュアブートオンで更新する必要がある古いブート信頼構成のWin11 25H2 PCは、5月Windows Updateで古い証明書が更新され、6月10日Updateも無事成功、OSビルドは最新26200.8655になりました。
つまり、手動での古い証明書更新は不要で、最新Win11 25H2 PCとなりました。
上図3番目のRufus手動アップグレードPCも、同様に何の問題も無く最新Win11 25H2 PCになりました。

セキュアブート証明書の有効期限が切れる6月PC不起動懸念のあった古いブート信頼構成、および、Rufus手動アップグレードPCの全てが、6月Windows Updateの最新OSビルド26200.8655更新に成功し、今日現在、正常に起動・運用中です。
もちろんWindows PCの運用にセキュアブートは要件です。しかし、様々な事情で最新PCが入手できないユーザには、要件を満たさない既存PCを継続利用するRufusのような便利ツールが多いのもWindows PCの特徴です。AI PC購入までは、各種ツールを利用し既存PCを運用したいと思います。

現時点(2026年春)のローカルAI処理とPCメモリ量の相関図です。メモリ高騰の今、新しくAI PCを購入しローカルAI処理を始めるか、それとも、暫く待つかの判断に役立つ2記事があります。筆者は、暫くAI PC購入を待とうと考えています。本稿は、その理由を説明します。
記事1は、現時点のAI PC処理能力・用途を決める最大要因は、ユニファイドメモリ容量であること、様々な量子化LLMモデルとメモリ容量、その最適AI用途対応を示しています。この記事を元に筆者が4bit LLMでのメモリ容量とAI用途の相関関係を示したのが最初の図です(NotebookLM生成図を修正)。
記事2は、AI PC将来予測です。低コストローカルAIエージェントの実現には、ローカルAIモデル軽量化とクラウドAIとの役割分担、つまり、ハイブリッド実装が現実的アプローチを示しています。最初の図で言えば、メモリ容量が下がる方向にシフトすると予測しています。
つまり、AI PCは高速大容量メモリがCPU/GPU/NPUボトルネックを生まないために必須だが、昨今のメモリ高騰対策には、ローカルAIメモリを軽量化し、クラウドAIとのハイブリッド処理が解決策の1つと予測しています。
昨年2025年春は、GMKtec社のEVO-X2 128GBモデルが、(稟議不要の)30万円以下の売価でした。現在は、64GBモデルでも37万円を超えます。メモリ高騰が主因だとしても僅か1年で驚くべき価格上昇です。この価格上昇が、ハイブリッド実装記事2の背景です。
ちなみにMinisforum社MS-S1 MAX 128GBモデル(8ch x 16GB、551,999円)と64GBモデル (8ch x 8GB、463,999円)の価格差から、現在のAI PC向けメモリは、64GBで88,000円と高価です。

本格AI開発を2026年春に行うには、128GBメモリ(17万円前後)を実装したAI PC、またはそれ以上が必要という訳です(前投稿も参照してください)。
AI PCは、最初の図で示したように必要ハードウェアがユーザの使い方や用途で異なります。仮に「今」最強ハードウェアを入手すれば、様々な使い方やソフトウェア、例えば、色々なLLMや量子化レベルを試し自分に適すAIエージョント開発も可能でしょう。但し、それには50万円以上のハードウェア投資が必要です。
この投資に見合うリターンが問題です。過渡期のローカルAI開発着手に適すタイミングを、先行するクラウドAIを使って推定するのも1つの方法だと思います。
但し、筆者の結論は明快です。現時点で過渡期ローカルAI開発に50万円を投じるのはリスクが大き過ぎます。
ローカルAI開発環境、特にAI PCハードウェアを、いつ/いくらで入手するか検討のため、2026年春時点のローカルAI処理・用途に必要なユニファイドメモリ量の相関図を作成し、本格AI開発に128GB(17万円)メモリ実装の50万円程度のAI PCハードウェアが必要であると分析しました。
PCハードウェア高騰原因は、高速大容量メモリの供給不足です。少なくともメモリ価格が2025年レベルへ落着くまでAI PCハードウェア購入を筆者が待つ理由を説明しました。
価格高騰同様、ローカルAI関連ハードウェア進化速度はとにかく早い! 次世代DDR5規格、EVO-X2比30%向上EVO-X3、Snapdragon X2 EliteミニPC。過渡期の証です。