America’s AI Action Plan

Americas AI Action Plan
Americas AI Action Plan

America’s AI Action Plan」は、AIにおける米国世界優位の確立、維持を目的に20257月発表の戦略計画です。トランプ大統領ビジョンに基づき、AIを経済的繁栄と国家安全保障の鍵と位置づけ、そのための具体行動を3つの柱に分けて提示しています。

これは、America’s AI Action Plan(英文24ページ)をGoogle NotebookLMへアップロードし、得られた日本語概要です。このAmerica’s AI Action Planを題材に、NotebookLMGeminiCopilotTipsを示します(GeminiNotebookLMCopilot特徴は、前回投稿参照)。

ユーザ資料・分析・整理が得意:NotebookLMTips

ユーザ資料に情報源を絞り、ハルシネーション抑制も可能な資料解析・分析は、NotebookLMの得意技です。America’s AI Action PlanNotebookLMへアップすると、冒頭緑で示した概要がそれぞれの母国語で生成されます。3つの柱の説明がこの後に続きます。

しかし、専門用語が多く判り難い感じがします。そんな時のTipsが、プロンプトに「小学生にも判るように」を加えます。すると、

クラウドAI Tips:小学生にも判るようにを追加
クラウドAI Tips:小学生にも判るようにを追加

America’s AI Action Planは、アメリカという国が、AI世界で一番になるための計画だよ。AIって、みんなが使うスマホのアプリとか、未来の車とか、もっとすごいものを作るのに役立つとっても大事な技術。この計画は、AI分野でアメリカが一番になり、他の国に負けないようにするための「地図」みたいなものだよ。

というように、文体が変わり、スマホや未来車を例示、Action Planを地図と言い換える等、特に専門用語は判り易い文章になります。

この小学生プロンプトは、GeminiCopilotの回答が判り難い時にも同じように使えるTipsです。

America’s AI Action Planの影響

America’s AI Action Planにより何がどう変わるかは、202584日、海外ITトピック“米国AI政策の大転換”にまとめられています。要旨を簡単に列記したのが下記です。

  • 従来の規制から全面的な規制撤廃への大転換がAmerica’s AI Action Plan
  • 「建てて、建てて、建てまくれ」がAI関連建設スローガン
  • 次世代エネルギーを推進、再生可能エネルギーは除外
  • 市場原理主義型グローバル覇権追及タイプ
  • 中国ではなく米国企業に各国AIを依存させる戦略
  • 米国に産業革命、情報革命、ルネッサンスを同時に起こす

ざっくり言うとAction Planは、AI供給側体制に大きく変化を与えそうです。

インターネット全体AIアシスタント:Gemini、CopilotTips

America’s AI Action Plan概要とそのAI供給側への影響は、NotebookLMと海外ITトピック記事で判りました。では、この戦略がAIを利用する側の開発者やAI PCCopilot+ PC)へ、どのように影響を与えるかを、インターネット全体を情報源とするクラウドAIGemini/Copilot)を使って予測します。

クラウドAIへ予測や検討を依頼する時のプロンプトTipsが、「AIを専門家に見立て、具体的質問を入力」です。クラウドAIへこれらヒントを与えることで立場、依頼目的が明確になりAI回答精度は向上します。

クラウドAI Tips:AIを専門家に見立て、具体的質問を入力
クラウドAI Tips:AIを専門家に見立て、具体的質問を入力

例えば、「あなた(Gemini/Copilot)は、40TOPS以上のNPU搭載Copilot+ PCを使い組込みソフトウェアやPCソフトウェア開発を行っている開発者です。また、同時に、AI研究者も兼ねた仕事をしています。America’s AI Action Plan発表で、今後5年間に、(1)引き受けるAI開発案件がどのように影響を受けるか、(2) 現トランプ大統領在任中に実現されると言われるAGI実現は影響を受けるか、(3)使用中のCopilot+ PCは、あなたが予想・予測する5年間AI変化に十分対応できるか、の3点を予測・検討して」などです。

America’s AI Action PlanCopilotへアップ後、上記依頼Copilot回答の項目抜粋が下記です。

(1) AI開発案件への影響

  • 規制緩和による開発スピード加速
  • オープンソース・オープンウェイトAI推進
  • 政府調達案件増加とイデオロギー中立要件

(2) AGI実現への影響

  • AGIに向けた基盤技術加速
  • 政策的にはAGIより実用的AI重視

(3) 使用中Copilot+ PCの対応力

  • 現時点は十分な性能
  • 今後のAGI・大規模モデルには限界
  • 拡張性と互換性が鍵

Copilot+ PCは、今後5年間のAI変化予測に対しスタートは十分だが、100TOPS以上のNPUやメモリ強化が進むとCopilotクラウドは予想しました。増設・拡張性に優れるミニAI PCは、ノートAI PCより優位そうです(関連投稿:ノートAI PCとミニAI PC比較)。

Summary:America’s AI Action Plan

米国AI政策の大転換:America’s AI Action Planを、NotebookLMGeminiCopilotTipsと共に入力し、America’s AI Action Plan概要とAI供給側の影響、AI利用側の今後5年間の影響予測を行いました。

現行のCopilot+ PCは、スタートとしては十分ですが、100TOPS以上のNPUやメモリ強化が進むとクラウドAIは予想しました。

Afterword:クラウドAI出力は緑字

NotebookLMCopilot出力は、緑字を使いました。本稿とクラウドAI出力を見た目でも分け、Tipsによる出力変化を示すためです。しかし、本来示したかったのは、America’s AI Action Plan概要と現行Copilot+ PCスペックへの影響です。クラウドAIは、同じプロンプトでも状況により出力が変わりますので本稿出力は一例です。各読者でプロンプトを入力し試してください。

PS:盆休みのため次回815日金曜は、休稿予定です。

AI基本のキ:GeminiとNotebookLM、Copilot

開発者のAI利用は、必須になりつつあります。組込み開発基本のキAI版としてAI基本のキをまとめます。第1回は、クラウドAIGoogleGeminiNotebookLMMicrosoftCopilotの現状です。

GoogleMicrosoftAI

GoogleMicrosoftのクラウドAIは、利用開始からその差が判ります。

GeminiとNotebookLMはGoogleアプリの一種
GeminiとNotebookLMはGoogleアプリの一種

Google GeminiNotebookLMは、Chromeブラウザで新しいタブを開き、右上GoogleアプリからGeminiまたはNotebookLMを選択、各初期画面にAIへの質問や要求など明示的な「ユーザ指示(プロンプト入力)」でGoogleクラウドAI利用を開始します(GeminiNotebookLMの差は3章参照)。

GoogleクラウドAIGeminiNotebookLMは、Gmailやドライブと同じ「Googleアプリの一種」という扱いです。

一方、Microsoft Copilotは、Edgeブラウザだけでなく全てのWindowsツールにCopilotアイコンの表示があり、このCopilotクリックでAI利用が始まります。AIへのエントリーポイントがCopilotです。

Copilotアイコンは様々なAIサービスのエントリーポイント
Copilotアイコンは様々なAIサービスのエントリーポイント

例えば、メモ帳のCopilotは、テキスト要約や書き直しなど、テキスト関連のAI処理です。また、ペイントのCopilotは、画像生成や背景消去など画像関連のAI処理で、同じCopilotでもツールに依存したAIサービスが自動的に提供されます。

つまり、MicrosoftAIは、ユーザ操作やWindowsアプリ連動のAIサービスを提供し、「Copilotは様々なMicrosoft AIサービスのエントリーポイント」という扱いです。

ユーザ指示かAIアシスト

Microsoft AIサービスは、ユーザ指示(プロンプト入力)に加え、Windowsと強く結び付き、AIによる自律的で高度な推論に基づいたAIアシスト(AIエージェント)利用のサービスも可能です。一方、Google AIは、ユーザ指示に基づいたAIサービス開始の点でMicrosoftとは異なります。

例えば、NPUを持つAI PCなら、Windowsユーザ操作をバックグラウンドでAIが学習し、ユーザが目指す目的や目標を「AIが自律的に推論」、より効率的な回答や提案の出力も可能です。ユーザ画面を数秒毎にキャプチャし、後に作業内容をユーザが思い出し易くするRecall機能は、このAI推論の一例です。

Google/MicrosoftどちらのAIが便利かは、ユーザや依頼内容に依存するでしょう。プロンプト入力が得意でAI回答に対し微調整もできるユーザはGoogleAIアシスト推論・提案も受入れ、積極的にAIを使いたいユーザはMicrosoftが適すと思います。

AIエージェントは、コチラの関連投稿を参照。

GeminiNotebookLMの差

Gemimiは「汎用的」なAIアシスタント、NotebookLMは「ユーザアップロード資料に基づいた内容分析や理解を行う」AIアシスタントで、目的と情報源が異なります。プロンプト入力画面で違いが判ります。

GeminiとNotebookLMのプロンプト入力画面
GeminiとNotebookLMのプロンプト入力画面

NotebookLMは、PDFやテキスト、YouTube動画などのユーザソースをアップロードすると、それらユーザ情報を基に内容解析・理解・分析を行います。限られた情報源のためハルシネーション抑制もできます。ユーザ資料要約や分析、整理に役立ちます。

Geminiは、ネット全体を情報源とするLLM(大規模言語モデル)で、Google検索補完や情報収集など広範囲で汎用的なAIサービスです。ちなみにNotebookLMLMは、Language Model(言語モデル)を意味し、GeminiLLMを活用しています。

SummaryAI基本のキ:GeminiNotebookLMCopilot

GeminiNotebookLMCopilotをまとめたのが下表です。比較のためCopilotはクラウド版です。

特徴 Gemini NotebookLM クラウド版Copilot
目的・機能 汎用AIアシスタント ユーザ資料理解・分析・整理 汎用AIアシスタント
AI
エントリーポイント
情報源 インターネット全体 ユーザアップロード資料 インターネット全体
得意分野 広範囲情報検索・分析 資料要約、ハルシネーション抑制 広範囲情報検索・分析
利用例 企画書、アイデア創出 長文・長時間動画要約 企画書、アイデア創出

AI自身の進化は激しいため、あくまで現時点の各特徴を示しています。GeminiCopilotは汎用AIサービス、NotebookLMはユーザ情報に基づくAIサービス、CopilotアイコンはMicrosoft AIサービスエントリーポイントも兼ねることを知っておけば良いでしょう。

GoogleアプリのGeminiNotebookLMは、ブラウザ経由の明示的ユーザ指示からのAI利用に対し、Copilotは、ユーザ指示に加え、Windowsツール連動やユーザ動作から自律的な推論や提案などのAIアシストもあり、より積極的にAIを利用できる点が異なります。

AfterwordAI時代開発者の基本のキ

40TOPS以上のNPUを持つWindows PCAIエージェントを活用すれば、開発者の限られた知識や理解範囲を超える多角的でより高度な生産性・目標・開発が可能になります。AI導入を脅威と感じる開発者もいるでしょう。しかし、AI提案の採用可否は、開発者自身が行います。AI利用は、使う側の問題・課題です。AI時代に備えAI基本のキを把握しましょう。


Rufus手動Win11 24H2更新状況

5月のGW中にRufus 4.7を使いWin11 23H2からWin11 24H2へ手動更新した弊社PCの現状を示します。725日現在、非セキュリティ更新も含め更新Win11 24H2は正常動作中です。Win11 24H2へ自動更新できないPCをお持ちのユーザでも、Rufusを使えば安心してWin11 24H2更新・運用ができます。

Win11 24H2手動更新タイムライン

手動Windows11 24H2更新タイムライン
手動Windows11 24H2更新タイムライン

Rufusは、様々なWin11 24H2アップグレード要件を回避しつつ、従来のWin10Win11 23H2から最新のWin11 24H2へ更新ができるツールです。

40TOPS以上のNPUを持つ新しいAI PC買換えが困難なユーザでも、従来Win PCを最新Win11 24H2へ更新し、今秋リリース予定のWin11 25H2準備ができます。Win11 24H2が、Win11 25H2アップグレードの前提ですので24H2更新は重要です(関連投稿:Win11 25H2今秋リリース)。

もちろん、従来PCで非AI PCですのでローカルAI機能、例えばAI検索Recallなどは使えません。しかし、Win11 24H2は、AI PCと従来PCの両方対応OSのため、CopilotGeminiなどのクラウドAI機能は問題なく使えます。

弊社は、過去Rufusでの手動更新を投稿してきました。4月以降のWin11 24H2更新状況をタイムラインで示しました。

Win11 24H2アップグレード要件を満たす本来のWin11 24H2同様、月例更新や724日の8月先行更新も含め、手動Win11 24H2は、全て正常に動作中です。

関連投稿一覧

手動Win11 24H2更新詳細は、下記投稿で判ります。

手動Win11 24H2更新4PCの内、半分の2PCは下図のように「最新の更新プログラム入手をオン」へ設定していますので、724日リリースの先行8月更新(非セキュリティ更新:KB5062660)がインストールされます。先行更新入手のオン/オフ差を検証するためですが、全PCとも差が無く正常動作しています。

最新更新プログラム入手オン設定
最新更新プログラム入手オン設定

SummaryRufus手動Win11 24H2更新状況

20254月以降のRufus手動Win11 24H2更新状況をタイムラインで示しました。掲載PCは、Win11 24H2アップグレード要件を満たさない従来PCですが、要件を満たすPC同様問題なく正常動作中です。

手動Win11 24H2更新に不安を頂いているユーザの方でも、安心してWin11 24H2更新・運用ができます。

Afterword:新PC購入vs. 従来PC更新

日本Windows PC出荷台数が、前年比2.4倍でPC特需到来だそうです。ネットカフェもWin10からWin11へのハードウェア置換えが進行中です。40TOPS以上のNPUを持つCopilot+準拠AI PCは、未だ高価です。しかし、価格は徐々に下がるでしょう。従来PCAI PC両対応の今秋リリースWin11 25H2の終了2027年秋まで話題のエッジAIを待てるユーザは、Rufusによる従来PC手動更新も一案です。


Ryzen AI Max+ 395ノートAI PCとミニAI PCの開発シーン比較

本稿は、ノートPC向けAI SoCで現在最高性能のAMDRyzen AI Max+ 395128GBメモリを実装したノートAI PCとミニAI PCAI利用開発シーンの観点から比べ、どちらがどの点で優れているかを評価します。5月投稿で価格比較したノートAI PCとミニAI PCの続編です。

Ryzen AI Max+ 395搭載ノートAI PC利用シーン

AMD Ryzen AI Max+ 395搭載HPノートPC:ZBook Ultra G1a
AMD Ryzen AI Max+ 395搭載HPノートPC:ZBook Ultra G1a

価格比較でも用いたヒューレット・パッカード社ノートAI PCZBook Ultra G1aAI利用シーンは、ZBook Ultra G1aでローカルLLMを試す2025710日、ITmedia記事を参考にしました。記事概要とLLM(大規模言語モデル)によるAI利用部分を抜粋したのが下記です。

【概要】ZBook Ultra G1a詳細解説。Ryzen AI Max+ 395128GB RAMを実装したノートAI PCハードウェアをフルに活かすLM Studio利用ローカルLLMLLAMA 2-13B)が、実用パフォーマンスを持つことが判る(ページ4)。

【所感】128GB RAMのうち96GBGPUメモリにUEFIで設定し(ページ1)、その時のAI性能評価。メモリ割付を自動や変更した場合にローカルLLM性能が変わるか否か、つまり、LLM性能におけるUMAUnified Memory Architecture)メモリ容量の比較が欲しい。

UMAは、AI SoCCPU/GPU/NPUが同一RAMへ高速アクセスできる特徴がありLLM処理に有利と言われる。現在AppleM1AMDRyzen AI Max+/300シリーズのAI SoCに採用中。

記事を総括すると、128GB実装Ryzen AI Max+ 395搭載ノートAI PCが、AI利用開発に十分使える点は各種AIベンチマークから判ります。

また、40TOPS以上のNPU要件を満たすMicrosoft Copilot PC購入検討の方にも参考になる記事です。

ローカルAIエージェントのメリット

A4サイズのZBook Ultra G1aは、14型(1920×1200)モニタ付属で1.57Kgです。付属キーボードや周辺機器接続性も申し分ありませんので、可搬性に優れたオールインワンAI環境をローカル構築できます。

このノートAI PCLLMをインストールし、ローカルAIエージェントとします。開発者の様々な課題や相談事を、AIエージェントと協力して解決するのが、AI利用開発です。

AIエージェントには、CopilotGeminiのクラウド版もありますが、情報漏洩を気にせずカスタマイズ利用できるローカル版ならではのメリットがあります。また、クラウドAIエージェントを上手く活用するためのアドバイスもローカル版から得られるなど、活用方法も多いです。

今後の開発案件は、ローカルAIエージェントを利用し、より高度で生産性の高いAI利用開発へ進化すると思います。

LLMとローカルAIエージェントについては、ローカルLLMって何202577日、@IT記事に判り易い解説があります。

ミニAI PC開発環境構築

AMD Ryzen AI Max+ 395搭載ミニPC:GMKtec EVO-X2
AMD Ryzen AI Max+ 395搭載ミニPC:GMKtec EVO-X2

ノートAI PCと同じAI SoC128GB RAM搭載ミニAI PCGMKtecEVO-X2も、ローカルAIエージェントをAI開発で利用できる点はITmedia記事と同じです。但し、ノートPCからモニタとキーボードを外し小型筐体化したミニAI PCは、別途モニタ、キーボード、マウスなどが必要です。そこで、筆者主観でこれら周辺機器を下記の様に選定し、1章のノートAI PC開発環境と比較します。

【モニタ】開発用としては27型(2560×1440)モニタが、拡大/縮小なしの100%表示で使えるため、優れています。

4K3840×2160)などの高精細モニタは、文字が100%表示では小さく表示されるため、150%程度の拡大表示が推薦されます。拡大表示は、モニタ単独使用の場合は問題ありませんが、マルチモニタ接続時に利便性が悪化します。例えば、100%表示ノートPC150%表示のマルチモニタ接続時は、ノートPC側モニタの文字や絵が小さくなるなどです。

また、高精細モニタは、カーソル移動ピッチも大きくする必要があります。マルチモニタ接続時は、モニタ右端からもう片方のモニタ左端へマウスを移動するため、通常ピッチでは小さすぎるからです。

以上から、100%表示でA4サイズ紙面23枚をほぼ実寸で並列表示できる27型(2560×1440)モニタが筆者好みです。

【キーボードとマウス】筆者は、ThinkPadノートPCを長年使っているため、トラックポイント・キーボードが好みです。また、マウスよりカーソル移動スピードが簡単に可変できるトラックボールを愛用しています。

ローカルLLM活用AI開発シーンのノートAI PCとミニAI PC比較

ノートAI PCとミニAI PCのAI利用開発シーンのイメージ(出展:GMKtec)
ノートAI PCとミニAI PCのAI利用開発シーンのイメージ(出展:GMKtec)

ノートAI PCとミニAI PCのローカルLLM活用AI開発シーンのイメージ図です(PCは異なります)。

ノートAI PCでも外付けモニタ接続で生産性は上がります。しかし、14型モニタ単独利用の場合は、検討結果の表示には適しても、検討段階の様々な開発パラメタや比較表示には表示面積が小さすぎます。また、外付けモニタ接続時は、前章の拡大表示やカーソル移動ピッチに注意も必要です。

従って、AI利用の開発シーンでは、様々な検討を行い、その結果が簡単に表示できるミニAI PC環境が勝ります。ノートAI PCは、移動先で最終結果の顧客表示には適しますが、検討段階ではモニタ追加が必須です。

可搬性重視のノートAI PCは、付属入出力機器にそのしわ寄せが生じます。AI開発結果プレゼンが主用途です。

一方、ミニAI PCは、様々なAI活用開発シーンに合わせた機器接続が容易です。効率的なAI開発検討が主用途です。ミニPC本体自体は、無理すれば可搬可能です。

SummaryRyzen AI Max+ 395ノートAI PCとミニAI PCの開発シーン比較

比較項目 ノートAI PCZBook Ultra G1a ミニAI PCEVO-X2
可搬性 A4サイズ小型・軽量で可搬性大
AC
アダプタ140W付属
本体は可搬可能
AC
アダプタ230W付属
出力モニタ 14型(1920×1200)単独でA4一枚表示
モニタ接続で生産性向上するが接続問題もあり
27型(2560×1440)単独で実寸2A4表示
モニタ追加接続は容易
入力機器 付属キーボードで最低限は可能 好みの入力機器接続容易

開発とは、AI利用の有無に限らずカット&トライです。最終結果は、様々なトライから開発者が主観評価した結果の1つにすぎません。他にもっと良い結果が潜んでいる可能性もあります。AI利用開発は、AIエージェントから新な客観的評価結果が得られるかもしれません。

但しAI利用開発シーンでは、ハルシネーション対策のためAI出力の開発者検証プロセスは必須です。従来よりも多角的・多面的な開発視点が必要です。この意味でAI利用開発に出力モニタは最重要な周辺機器です。

付属モニタにしわ寄せが生じる可搬性重視ノートAI PCよりも、マルチモニタ出力容易なミニAI PCは、入手価格のみならずこの点でも優れています。

Windows11 25H2年次更新の詳細

79Microsoftは、7月のWin11 24H2月例更新KB5062553を配布しました。この月例更新を使って、今秋リリース予定のWin11 25H2年次更新を詳しく説明します。

7月のWin11 24H2月例更新

今月のWin11 24H2の月例更新KB5062553を、前投稿Win11 25H2年次更新の図を使って示したのが下図です。上側が今月の月例更新、下側がリリース予定のWin11 25H2年次更新です。

Win11 24H2の月例更新(上)とWin11 25H2の更新プロセス(下)比較
Win11 24H2の月例更新(上)とWin11 25H2の更新プロセス(下)比較

月例更新は、KB5062553が有効状態でWin11 24H2へインストールされ、再起動後にWin11 24H2 OSビルド番号が26100.4652へ更新されます。

一方Win11 25H2年次更新の場合は、通常の月例更新時に、25H2新機能が何回かに分けて無効(Disabled)状態で事前に分散配布され、今秋正式リリースの再起動後にこれら配布済み新機能を有効(Enabled)へ変える手間が増えます。しかし、更新プロセスは、実績ある月例更新と全く同じです。

事前分散配布の目的は、Win11 25H2新機能の一回全配布に比べ、年次更新時のダウンロード時間を短くできることです。

Win11 25H2Win11 24H2OSビルド番号は、同じ26100番台で、OSコア共有です。従って、Win11 25H2は、24H2と同じくらい既知の問題が解消された安全・安定なOSとしてインストールされ、アプリ互換性問題も少ないと思います。

Win11 25H2年次更新の特徴

  1. Win11 25H2年次更新は、月例のWin11 24H2更新と同一プロセス
  2. Win11 25H2 OSビルド番号は、26100番台で24H2とOSコア共有
  3. Win11 25H2新機能は、月例更新に事前分散配布され年次更新時間は短い
  4. 今秋25H2リリースまでに、未だ残るWin11 24H2既知の問題は解決

以上から、簡単・安全・安心なWin11 25H2年次更新ができると、Microsoftブログは強調しています。

筆者も、Win10OSビルド:19045)からWin11OSビルド:22621)へ年次更新した時のようなOS起因のトラブル多発は、Win11 25H2では避けられると思います(関連投稿:Win11 OSビルド番号)。

SummaryWin11 25H2年次更新詳細

今秋リリース予定のWin11 25H2年次更新を、今月のWin11 24H2月例更新KB5062553を使って詳しく説明しました。

Win11 25H2新機能は、月例更新時に事前分散配布のため年次更新時間は短く、24H2既知問題は解決済みの安心・安全・簡単なWin11 25H2年次更新になりそうです。

AfterwordWin11 25H22大使命

多くのWin10ユーザ取込みが、Win11 25H2の使命の1つです。このため、OSビルド差が少ないマイナ更新でOS安定性とアプリ互換性を増し、実績ある月例更新プロセスを使い分散配布、年次更新時間も短くします。Win10ユーザへのMicrosoft配慮を感じます。

もう1つの使命が、Win11 25H2新機能によるAI PCユーザの拡大です。AIエージェントCopilotと各種Microsoftツール連携は、更に強力になるでしょう。AI PCが、先行するAIスマホのように進化するか、はたまた、開発者向けの別方向に進化するか、興味津々です。


Windows 11 25H2今秋リリース

628日、MicrosoftブログWindows11 25H2の今秋リリースを発表しました。現行Win11 24H2からの更新方法に特徴があるWin11 25H2を説明します。

Win11 25H2更新方法

Windows 11 25H2更新プロセス(Microsoftブログに加筆)
Windows 11 25H2更新プロセス(Microsoftブログに加筆)

注意が必要なのは、上図が示すWin11 25H2の更新は、Win11 24H2が起点という事です。Win11 23H2でもWin10でもありません。従って、Win11 24H2でないPCは、コチラの関連投稿で示した手動Win11 24H2更新しておく事は必須です。

Win11 25H2は、Win11 24H2OSコア共有です。そこで、Microsoftは、月例24H2の更新プロセス中に今回の年次25H2更新を混合する方法を採用しました。

具体的には、25H2新機能は、無効フラグ状態で月例24H2更新に含まれ、25H2リリースと同時にこの無効フラグを有効にします。その後再起動すれば、新しいWin11 25H2となる訳です。先述のMicrosoftブログは、この移行容易性を強調しています。

Win11 25H2 Pro/Homeのサービス期間は、リリース後2年間。つまり、2027年秋までWin11 25H2を使えます。従来PC40TOPS以上NPU実装のAI PC両方対応のWin11 25H2です。

※両方対応のWin11AI専用Win12については、コチラの関連投稿を参照。

Win12発表なし背景

筆者は、今秋Win12発表を予想していましたが、結果は、Win11 25H2への年次更新でした。

その背景は、コチラの関連投稿で説明したWindowsAIエージェント向け標準プロトコルMCPModel Context Protocol)対応による開発者インパクトの大きさ、下図Win11シェア低迷シェア低迷などがあります。

WIndows 11(青)と10(紫)の2025年6月シェア(出典:statcount)
WIndows 11(青)と10(紫)の2025年6月シェア(出典:statcount)

Win10Win11の世界シェアは、未だ同程度です。Microsoftが思う程Win11移行は進んでいません。やむを得ず今年10月にEOSEnd Of Support)を迎えるWin10ユーザ向けに、セキュリティ延長サポートを実施する程です。

また、Win11シェア内の従来PC比が高く、この状態のままNPU必須のAI専用Win12をリリースした場合、ユーザのWindows離れを招く恐れもあります。

つまり、次期Win12の前に、Win10ユーザ取込みとWin11シェア拡大を目的に、従来PCAI PC両サポートのWin11 25H2リリースに至ったのだと思います。

Win11 25H2メリット

Win11シェア低迷は、Win10Win11の差の少なさです。専門家が強調するWin11メリットを、一般ユーザが感じられないのです。当初、最後のWindowsとしたWin10完成度の高さが原因です。

しかし、競合他社AppleGoogle比、AI関連で先行(と筆者が感じる)Microsoftが、このままAI戦略を続ければ、一般ユーザでも従来PCAI PCの差を実感できます。OfficeツールやブラウザEdgeMicrosoft AIアシスタントCopilotとのシームレスな連携強化によりAI活用メリットが誰でも簡単に判るからです。

クラウドが先行しているAI活用ですが、より強固なセキュリティのローカル(エッジ)AI利用やWin10で満足だったPCゲーマーのAI利用も増加します。Win11 25H2サービス期間中に、全ユーザにAI有用性が浸透すれば、次期AI Win12移行もスムースになるでしょう。

また、AI PC新規購入予定ユーザにとっても、クラウド/ローカルAIサービスをどの程度利用するかを冷静に判断できる期間となります。現在は高価なAI PC価格も低下するでしょう。

今年2025年から2029年の4年間でAGI(汎用人工知能)が実現するとの見解もあります(前投稿参照)。仮にAGI実現の場合、Win12要求仕様も変わる可能性があります。Win11 25H2サービス終了の2027年秋までは、AIが急成長する期間でもあります。

AI激変にはAI専用Win12より新旧サポートWin11 25H2の方が、幅広く対処できる可能性もあります。

SummaryWin11 25H2今秋リリース

Microsoftは、Windows11 25H2今秋リリースを発表しました。Win11 25H2Win11 24H2は、OSコア共有のため、月例の24H2更新時に25H2新機能を無効状態で含めて配布し、25H2リリースと同時に有効にする移行容易性が特徴です。

このWin11 25H2混合配布が、どの月例でどの程度行われるかは不明です。しかし、Win11 24H2が開始点ですので、Win11 25H2に移行するには全PCWin11 24H2化が必須です。

AfterwordRufus 4.7から4.9へ更新

Win11 24H2手動更新ツールRufusが、4.9へ更新されました。4.9更新は、4.8Windows ISOイメージ解析高速化に加え、バグ修正などです。Rufus 4.7のWin11 24H2手動更新方法が、4.9でもそのまま使えると思います。


開発者AIの使い方

物書きを生業とする記者のクラウド/エッジAIの使い方2記事を参考に、我々開発者AIの使い方を考えました。両記事とも現状のAIは、プロが納得する内容をそのままAIは出力しない、が結論です。

クラウドAI利用の記事生成

無料Copilotにインタビュー記事を書かせた2025620日、窓の杜

【概要】クラウドAIMicrosoft無料Copilotが、プロ並みインタビュー記事を書けるかを探ります。初めに筆者自身がCopilotへインタビューし、その結果をCopilotでインタビュー記事へ仕上げる段取りです。初版Copilotインタビュー記事を、筆者が再調整した結果、高品質記事に変わりました。

【所感】無料クラウドAICopilot強み弱み、現状AI利用実用性と将来への筆者期待が良く判ります。

エッジAI利用の記事生成

生成AIのローカルPC検証(前編)2025513日、(後編520日、TechTarget

【概要】64GB UMA RAM実装Apple M1 MaxTOPS非公開)のAI PCに、LM Studioを使い複数LLM(大規模言語モデル)をエッジAI化、このローカルLLMが記事を生成できるかを検証しています。LLMプロンプトで記事の出来が左右しますが、ローカルLLM生成記事の完成度は高いです。しかし、そのまま公開できる水準ではありません。

【所感】エッジAI活用は、メモリ量とCPU/GPU/NPUが同一RAMアクセスできるUMAUnified Memory Architecture)が重要で、検証ローカルLLM性能は、クラウド有料LLMと比べ遜色ないことが判ります。

LLM StudioのローカルLLM実装方法は、コチラの関連投稿:35章参照。

記者AIの使い方2記事から判る事

AGIは2025年から2029年の間に新な動労力として実現の可能性あり
AGIは2025年から2029年の間に新な動労力として実現の可能性あり
  1. 現状クラウド/エッジAI生成記事は、プロ記者記事レベルの生成に未達
  2. 公開レベル化には、記者側プロンプト調整などがAGI(汎用人工知能)実現までは不可避
  3. AGIならプロ記者代用も可能かも。それでも、生成記事の最終プロ記者チェックは必須

まとめると、AGI手前のLLMのため、記者側にLLMプロンプト調整などが必要だが、AGIならプロレベル記事生成の可能性は大きい。しかし、ハルシネーション対策に人間のAGI生成記事最終チェックは必須。

OpenAICEOSam Altman氏は、「AGIは現トランプ大統領在任中に実現されるだろう」と予想しています(AGI202547日、KDDI Research)。つまり、2025年から2029年の間に新な労働力としてのAGIが実現されるかもしれないのです。

Summary:開発者AIの使い方

前章の「記事」を「ソフトウェア/ハードウェア」に、「記者」を「開発者」置換えれば、開発者の現状が推測できます。現状のAIAGIへの過渡期でその進化スピードは凄まじいです。AI同様Windowsも大変革期です。AIの現状とその対応を考え、開発者環境の大変化に対応しましょう。

Windows大変革期:例えば、AIエージェント向きMCP(Model Context Protocol)導入によるアプリ変化など。

Afterword:開発者話し相手CopilotAI PC 64GB UMA

最初の記事から、無料Copilotが、話し相手としても十分使えることが判ります。開発中は、気分転換も必要です。そんな時、Copilotは良い気分転換相手になると思います。また、64GB UMA RAM以上のエッジAI PCなら、ローカルLLMを活用しクラウドAI同等性能が得られそうです。

関連投稿:ミニAI PC 4種比較ミニAI PCとノートAI PC比較


AI PC選定6ポイント

AI PC(Copilot+ PC)構成
AI PC(Copilot+ PC)構成

結局、前投稿で示したWindows 10EOS対策は、AI PCCopilot+ PC)新規購入か、または、現行PCのままWin12発表後にAI PC購入検討か、の2択です。タイミングが異なるもののCopilot+ PC購入に変わりありません。

そこで、EOSまで残り4か月以下となった6月時点のAI PCCopilot+ PC)選定ポントをまとめました。

※最新情報による2月版AI PC選定ポイントの追加版です。

Summary6月版AI PC選定6ポイント

本稿はCopilot+ PC選定ポイントを6項目にまとめ、その根拠を表形式で示します。

選定ポイント 具体例と根拠
1. Copilot+ PC準拠のAI CPU 秒あたり40TOPS以上(40兆以上の整数演算能力)AI処理専用プロセサ:NPU内蔵AI CPUCopilot+ PC準拠条件。

QualcommSnapdragon ARM64 CPUAMDRyzen AI Max/300シリーズ、IntelCore Ultra 200VシリーズがAI CPUに該当中。

資料:40TOPS以上のCPU、日経XTECH2025/06/05

2. MicrosoftエッジAIサービス
(リコールなど)
リコールなどMicrosoftエッジAIサービスは、様々なものがある。高度な個人情報保護も必要なため、従来の外付けTPM 2.0を、AI CPU内蔵Microsoft Plutonセキュリティプロセサに置換えて対応中。

エッジAIサービスは、当初Snapdragon ARM64 CPUのみへ提供されたが、AMD/Intel AI CPUへも遅れて提供開始。

資料:リコール検索、日経XTECH2025/05/09

3. ユーザエッジAIサービス
AIアシスタント、RAMUMA
AIアシスタント実現ローカルLLM(大規模言語モデル)がユーザエッジAIサービスに有力。Google GeminiMicrosoft CopilotなどのクラウドAIサービス比、情報漏洩リスクが低いのが特徴。

高度AIアシスタントは、Microsoft Surface Pro/Laptop16G RAMは不足。64GB程度必要で、かつ、CPU/GPU/NPURAM領域共有UMAUnified Memory Architecture)が高速処理に適す。AMD社、Apple社のAI CPUUMA採用中

資料:ミニPC 4種比較投稿2025/05/16
生成AIローカルPC検証(前編、後編)、TechTarget2025/05/1305/20
Mac採用のUMA採用のUMA、日経XTECH2025/06/16

4. AI CPU合計TOPSTDP
  • Ryzen AI Max+ 395Ryzen AI 9 HX 370共にNPU単体性能は50TOPS
  • Max+ 395は、CPU/GPU/NPU合計126TOPSTDP45-120W
  • HX 370は、CPU/GPU/NPU合計80TOPSTDP15-54W

エッジAI高速処理にはNPUだけでなくAI CPU合計TOPSが効くHX370は低TDPUSB 65W PD給電も容易。Max+ 395は高TDPのためPD給電困難。

資料:AI CPUとAI MCU投稿Afterword2025/04/11

5. AI Windows優位性 クラウドAI Google GeminiMicrosoft Copilot比較では、ブラウザEdgeCopilotの親和性・操作性がChrome Geminiより勝る。

Apple MacよりもAI Windows機能提供が早い。また、MCPModel Context ProtocolWindows導入WinアプリのAIエージェント対応もMac比速い。

資料:AIエージェントの魅力投稿2025/06/16
Apple WWDC25 keynote
Alternative Blog2025/06/16

6. 複数AI PC間エッジAI同期
(ノートAI PCとミニAI PC価格)
複数AI PC間エッジAI同期方法は不明。つまり、同じAIアシスタントを複数AI PCに跨って使えるかは不明のまま。AIスマホのようにモバイル性に優れるノートAI PC 1台所有なら解決するがが、デスクトップAI PCならエッジAI同期は不可避。

ミニAI PCなら移動も可能なため、同一AI CPU搭載ノートAI PCとミニAI PCを比較した結果、ミニAI PC本体はノートAI PC比、3040%安価入手が判明。

資料:Ryzen AI Max+ 395ノートAI PCとミニAI PC比較投稿2025/05/23

Afterword 1:次期AI PCWindows?

多くのWin10 PCがそのまま残りWin11移行が進まなかった主因は、Win10Win11差分の少なさです。Microsoftはこの教訓を活かし、Win11 24H2以降のWindowsWin12)へ、従来と明確な差を生むNPU利用AI機能を搭載しました。AIを使いたいユーザは、NPUを持つCopilot+ PCの購入を必須とした訳です。

現在のAI機能は、主にクラウドから提供中です。このクラウドAIを上手く使うためにもエッジAIは必要です。例えばクラウドAI出力を上手く引き出すプロンプトのエッジAI生成などです。

近づくAI全盛時代に、ユーザのエッジAI利用能力は不可欠です。エッジ/クラウドAI共に他社(Google/Apple)リード中は、Microsoft Windowsだと思います。Office(Microsoft 365)ツールのAI機能強化も、Windowsの強力な追い風です。

Afterword 2:エッジAI用途

上記クラウドAIのプロンプトエッジAI生成に加え、OS操作方法やエッジAIによるPC会話相手生成など、一般ユーザもエッジAIの恩恵は計り知れません。さらに、様々な新しい開発方法AIが提供します。開発者にも、新しいCopilot+ PC購入に見合う生産性向上は十分見込めると思います。

個人的にはAIは、インターネット以来の大変革をユーザへ与えると思います。Copilot+ PCAI活用を始めてはいかがでしょう。


10月のEOS対策

202510月は、EOSEnd Of Support)のMicrosoft製品が4種あります。EOS以降は、セキュリティリスクが高まるため対策が必要です。これら対策案を一覧表にまとめました。

EOSとは

OSやアプリは、定期的な更新プログラムやセキュリティアップデートがネットワーク経由で無償提供されます。この無償プログラム提供が無くなるのが、EOSです。

その結果、効果的な製品ウイルス対策が出来なくなり、動作不安定化や動作停止などが起こります。EOS後の製品継続使用は、避けるべきです。

OS対策

Windowsとして継続利用する場合は、最新Win11 24H2へのアップグレード更新が必須です。更新は無償ですが、アップグレード要件があり満たさない場合は、新しいPCの購入をMicrosoftは勧めています。

新しいPC2種類あります。1つが40TOPS以上のNPUNural Processing Unit)を持つAI PCCopilot+ PC)です。AI PCは、Microsoft注力中の新しいローカルエッジAI機能、例えばリコールが使えます。また、Win11 24H2以降の次期AI OS Win12にも対応予定です(関連投稿:Win11 24H2と次期Win12)。

※リコール:数秒毎にデスクトップ画面をキャプチャーし、検索用インデックスをエッジAIが自動生成。ユーザ自身の過去閲覧データ/サイトを検索できるサービス。

もう1つが、AI処理40TOPS NPU以外のハードウェア、例えばTPM 2.0Trusted Platform Module)などWin11アップグレード「最低要件」を満たす従来PCです。NPUが無いためエッジAI機能は使えません(非Copilot+ PC)。しかし、クラウドAI機能は使えます。

※クラウドAI機能:GoogleGeminiMicrosoftCopilotなどブラウザ経由AIサービス。ローカルエッジAI機能比、ネットワーク経由のため情報漏洩リスクが高い可能性あり。

要件を満たすPCは、「自動」でWin11 24H2アップグレードが行われます。弊社のように要件未達で新しいPC購入も困難なユーザは、自己責任ですがRufus 4.7を使ったWin11 24H2「手動」アップグレード方法があります(関連投稿:Rufus 4.7でWin11 24H2手動更新成功)。手動アップグレード後のWin11 24H2の様子は、Afterwordに示します。

Windows以外のOS選択肢は、AppleMac OSや、低性能ハードウェアでも動作するLinuxなどへの変更があり得ます。どちらもWindowsから新しいOSへの慣れや、使用アプリが新OSで動作するか、AIへの対応などの問題解決が必要です(関連投稿:Win11 24H2と次期PC選択)。

2025年10月Microsoft EOS製品と対策案
2025年10月Microsoft EOS製品と対策案

文書作成アプリ対策

PC文書作成アプリのOffice 2019/2016は、設計年度が古いため、常に最新版が提供されるクラウドサブスク型のMicrosoftOffice365、または、買切り型Office 2024への変更が必須です。Office 2024EOSは、202910月です。

Office 2019/2016ユーザなら、同じ操作方法で365/2024が使えるので、変更後も便利でしょう。

一方、無償PC文書作成ツールとしては、LibreOfficeが有力です。Officeファイル形式(docx/xlsx/pptx)の読書きができ、デフォルトではベンダ非依存の標準ファイル形式ODFOpen Document Format)のため、様々なソフトウェアとのデータ交換が可能です。

OfficeユーザがLibreOfficeへ変更しても、操作アイコンなどはほぼ同じですので、違和感少なく文書作成ができると思います(関連投稿:LibreOfficeの使い方)。

PCソフトウェア/ハードウェア購入対策

既存ユーザが納得する新しいソフトウェア/ハードウェアの購入には、魅力的な新しいPCサービスの提供/追加が必要です。

Microsoftは、このサービスをAIクラウド/エッジサービスにし、競合PCベンダのApple社よりも早いエッジAIサービス提供や、Google社クラウドAIサービスGeminiよりも強力なクラウドAIサービスCopilot提供を実施中です。

Microsoftソフトウェアは、Win11 24H2Office 365/2024へ積極的にAIサービスを追加しつつあります。ユーザニーズとこれらAIサービス(前々章リコール等)が上手く合致すれば、ソフトウェア買換え意欲も高まるでしょう。

またMicrosoftハードウェアも、新発売Microsoft Surface Pro/Laptopで従来Surface比、低価格化したQualcommARM64 CPU普及を促進中です(関連投稿:24H2サポートCPU更新理由1章)。

一方、老舗AMD/Intelx64 CPU陣営は、より高度なエッジAI機能、例えばローカルLLM(大規模言語モデル)によるAIエージョント対応CPURyzen AI Max+ 395:プロセサ合計126TOPS)などで、ARM64差別化を図っています(関連投稿:AI PC)。

つまり、過渡期のエッジAIサービスをいち早く享受したいユーザは、40TOPS以上のNPUを持つ新しいAI PCCopilot+ PC)購入は必須です。一方、次期Win12までエッジAI動向を注視するユーザは、従来PCWin11 24H2更新とOffice 2019/2016の変更だけでも良いでしょう。Win12発表後、新PCハードウェア調達ができるからです。

Summary10EOS製品と対策

以上を一覧表にまとめました。

分類 10EOS製品 対策案
OS Windows 11 23H2
  • 無償Windows 11 24H2更新
  • Mac OSへ変更
  • Linux変更
Windows 10
アプリ Office 2019
  • サブクス型Microsoft(Office)365変更
  • 買切り型Office 2024変更
  • 無償LibreOffice変更
Office 2016

Afterword:弊社「手動」更新Win11 24H2状況

コチラの記事を読むと、Win11 24H2「自動」更新は、筆者予想よりもかなり遅れていることが判ります。

手動Win11 24H2更新PCの6月11日月例更新プログラム配布後
手動Win11 24H2更新PCの6月11日月例更新プログラム配布後

さて、5GWに「手動」更新した弊社Win11 24H2へ、611日、月例更新プログラムが配布されました。配布は成功し、手動更新Win11 24H2でも何のトラブルも無く正常動作中です。「自動」更新を心待ちにしているユーザは、「手動」更新でEOS不安から解放されますよ👍。

AIエージェントの魅力

AIエージェントとRPARobotic Process Automationを説明します。どちらもPC作業効率の向上に役立つツールです。実績あるRPAAI PC普及で急増予想のAIエージェントを比較しました。

RPARobotic Process Automation

RPAは、PCユーザのキーボード入力、マウス操作などの処理をソフトウェアロボットが模倣し、これらを予め定義された手順に従い自動反復処理するツールです。事前に定義されていない事象発生時は、処理を停止します。

例えば、以下のような定型業務に向いています。

  • システムログイン処理
  • メールの構造化データ抽出とデータベースへの入力
  • 請求書のような定型フォーマット文書の処理
  • レガシーシステムのレコード更新

多くの導入実績があり、日本ではUiPathBizRobo!などが有名です。

AIエージェント

AIを活用し、PCユーザの代わりに外部ツールと連携し処理を実行するソフトウェアで、学習、適応能力を持つため、様々な状況変化にも対応可能です(Afterword1参照)。

以下のような業務に向いています。参考資料:AI時代の自動化を考察【前編】、【中編

  • SNS投稿の感情分析
  • 動的な顧客対応
  • 人間らしい文章生成
  • 非構造化データの要約と洞察抽出

クラウドAIとエッジ(ローカル)AI、どちらのAIエージェントも活用できます。

開発者のAIエージェント活用能力

AI PC普及で開発者必須能力にAIエージェント活用が加わる
AI PC普及で開発者必須能力にAIエージェント活用が加わる

AIエージェントの標準プロトコル:MCPModel Context Protocol)が、PCアプリ大規模構造変化を招くためWin12発表が遅れていると前回投稿で考察しました。

MCP登場前のアプリユーザは、人間でした。しかし、MCPにより、新しいAIエージェントが人間ユーザに加わります。アプリは、人間/AI両方対応のMCPサーバー/クライアント型へ構造が変化します(Afterword1参照)。

アプリが全てMCP対応に変われば、人間よりも超高速で膨大なデータに基づいた学習・判断もできるAIエージェントを、人間が使わないとは考えられません。

もちろん、RAG(検索拡張⽣成)などのAIハルシネーション対策は必須です。しかし、人間同士でもウソは無くなりません。どのようにAIエージェントソフトウェアを利用するかは、人間側の課題です。

MCP登場後は、開発者の必須能力の1つに上手くAIエージェントを利用できることが加わると言えます。

SummaryAIエージェントの魅力

過去の紙と鉛筆利用の開発が、現在のOfficeCADなど各種PCツール利用開発へと変わりました。将来は、新しいAIエージェント利用のPC開発へと進化します。つまり、開発者必須能力に上手くAIエージェントを活用できることが加わります。

過渡期にあるAIエージェントの習得方法は、人それぞれでしょう。言えるのは、新しいAIエージェントが、従来ツールに無い人間的魅力を持つツール(Afterword2参照)ということです。AIエージェントへ慣れていきましょう。

Afterword1:変化対応のAIエージェントソフトウェア

AIエージェント向け標準プロトコルMCPの仕組み(出典:Wikipedia)
AIエージェント向け標準プロトコルMCPの仕組み(出典:Wikipedia)

RPAのような従来ソフトウェアは、記述処理だけをそのまま処理します。不定義事象発生時は、エラー処理が起動、通常は動作停止する融通の利かない代物です。

一方、MCPアプリ対応AIエージェントクライアントソフトウェアは、色々なアプリ機能をMCPサーバーとして利用します。例えアプリに変更/修正が加わっても提供機能が不変であればそのまま使い続けます。また、様々なアプリを学習・評価し、最も適したアプリなども選べます。標準プロトコルMCPのお陰です。

Afterword2:人間的ツールAIエージェント

AIエージェントはとても人間的です。開発者だけでなく、一般PCユーザの相談や悩みのパーソナルアドバイザとしても活用可能です。初期化も容易なソフトウェアですので、過度な対人関係が不要の付き合いができます。人工知能のお陰です。