1月9日STマイクロエレクトロニクス(以下STM)公式ブログに、STM32G0とAlexa(アレクサ)を接続する開発キット:Alexa Connect Kit(ACK)モジュールが紹介されました。アレクサに話しかけ、STM32G0評価ボードのNucleo-G071RB 経由でスマートホーム制御が簡単に実現できます。
システム構成
システム構成の公式ブログ掲載が無いので、自作したのが上図右側です(左側出典:STMサイト、Cortex-M7 MCUでアレクサ接続)。
USI MT7697HがACKモジュールで、Nucleo-G071RBとはArduinoコネクタで接続します。スマートスピーカに話しかけると、クラウド内で音声解析→制御コマンド生成を行い、このコマンドがACKへ無線送信され、STM32G0評価ボードNucleo-G071RBへ届き、STM32G071RBがスマートホーム機器などを制御します。
費用とSTM32G0用ACKドライバ、ファームウェア
費用:Nucleo-G071RBが約$10、ACKがUS Amazonで$197、(日本アマゾンで¥38,202)。
STM32G0用ACKドライバ、ファームウェア:公式ブログリンク先は、今日現在、提供されていません。
2018年6月頃は、STM32F7やSTM32H7などの高性能Cortex-M7 MCUでアレクサ接続がSTM公式ブログで投稿されましたが、今回Cortex-M0+のSTM32G0とACKでも簡単に接続可能になりました。
STM32G0特徴
2018年12月新発売のSTM32G0シリーズは、初の90nmプロセス製造MCUで低消費電力と高速動作、従来のSTM32F0 (Cortex-M0)~F1 (Cortex-M3)性能をカバーする新しい汎用MCUです。セキュリティハードウェア内蔵、低価格、64ピンパッケージでも1ペアVDD/VSS給電がSTM32G0の特徴です。
関連投稿:STM新汎用MCU STM32G0、守備範囲が広いSTM32G0
STM32マイコンマンスリー・アップデート2020年1月のP4に、「STM32G0 シリーズのラインナップ拡充 STM32G041/ G031/ G030 新登場」記事もあります。筆者も、STM32G0シリーズは、STMの汎用MCUとしてお勧めデバイスです。
LL APIかHAL API、混在?
残念ながら今は未提供ですが、筆者は、ACKドライバとファームウェアのAPIに興味があります。
理由は、STM32G0シリーズの高性能を引き出すには、HAL:Hardware Abstraction Layer APIよりもエキスパート向けLL:Low Layer API利用ソフトウェア開発が適すからです。
生産性や移植性の高いHAL APIとLL APIの混在利用は、注意が必要です(関連投稿:STM32CubeMXのLow-Layer API利用法 (2)の4章)。
ACKドライバ、ファームウェアが、LL APIかHAL APIのどちらを使っているか、または混在利用かを確認し、ノウハウを取得したかったのですが…😥。
LL API利用STM32G0xテンプレートとHAL API利用STM32Fxテンプレート
弊社は、LL API利用STM32G0x専用テンプレートと、HAL API利用STM32Fx汎用テンプレートの2種類を、それぞれ販売中です(テンプレートは同一、テンプレートを使うAPIのみが異なる)。
もちろん、STM32G0でもHAL APIを利用することは可能です(STM32G0x専用テンプレートにもHAL API使用例添付)。LL API利用ソフトウェアは、性能を引き出す代償に対象MCU専用になります。
HAL APIとLL APIの混在は避けた方が無難で、STM32G0はLL API専用でテンプレート化しました。添付資料も、LL APIを中心に解説しています。STM32Fxテンプレート添付資料は、HAL API中心の解説です。
両テンプレートをご購入頂ければ、LL/HAL双方のAPI差が具体的に理解できます。開発するアプリケーション要求性能や発展性に応じて、LL APIかHAL APIかの選択判断も可能になります。
※両テンプレート同時購入時は、2個目テンプレート50%OFF適用で、1500円(税込)です😀。
FYI:日本語コメント文字化け継続
STMマイコン開発環境にソースコード日本語コメントの文字化けが発生中であることを、昨年11月に投稿しました。この文字化け発生のSTM32CubeIDE v1.1.0/CubeMX v5.4.0開発環境が、STM32CubeIDE v1.2.0とSTM32CubeMX v5.5.0に更新されました。
更新後のSTM32CubeIDE v1.2.0/CubeMX v5.5.0でも、旧版同様に文字化けします。
一方、SW4STM32では、STM32CubeMX v5.5.0更新後も日本語コメント文字が正常表示されます。
他社の最新版EclipseベースIDE、NXPのMCUXpresso IDE v11.1.0や、CypressのPSoC Creator 4.2では、ソースコードText Font変更をしなくても文字化けはありませんので、STM特有問題だと思います。
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