Windows11 24H2現状と次期AI Windows12

PC大転換期の状況
PC大転換期の状況

今年の1014日が、Windows 11 23H2 Home/ProWindows10のサービス終了日です。筆者はこの終了日より前にWindows 12リリースがあると予想していましたが、現在、Win12は未発表です。

従って、多くのWinユーザは、残る半年の間にWin11 24H2へアップグレード必須です。Win11 24H2とハードウェア、AI PC CPU現状をまとめました。

Win11 24H2既知の問題と状況

325日、Microsoftは、Win11 24H2既知の問題を更新しました。昨年10月のWin11 24H2リリース後、半年経過しましたが未だに多くのWin11 24H2不具合が未解決です。

これは、Win11 24H2OSコア大幅変更が主な原因です。Win11 24H2OSビルド26000番台が示すように、1つ前の23H2ビルド22000番台からAIなどの多くの新機能を追加しました。次期Win12は、 24H2をベースに更に変更を加え、ビルド27000番台になるようです(関連投稿:Win11とWin121章)。

Win11は、OS更新リスクを少なくするため、更新プログラムトラブルが解消された後に多くのユーザへ配布する段階的配布を行いました。この対策にもかかわらず、なお多くの不具合が残りその解決が進んでいないのがWin11 24H2の現状です。

Win12発表が未だ無いのは、この26000番台の不具合解決が予定より遅れているからかもしれません。27000番台のWin12は、当然ですが26000番台を土台に新機能を追加するからです。

従来ハードウェアアップグレート条件

Win11 24H2アップグレート条件が、コチラです。

Win11 23H2ユーザへは、新たにサポートCPUの絞込みが追加されました。Win10ユーザは、TPM 2.0などの要件も満たす必要があります。これら要件を満たさない場合、新しいPCの購入をMicrosoftは勧めています。

ハードウェア要件を徐々に厳しくし、ユーザの新規PC購入がMicrosoftを含むPC業界の狙いです。

但し、Rufus 4.6を使うと、これらハードウェア要件を回避しWin11 24H2アップグレードが可能です。

AI PCCopilot+ PC)向けCPU条件

さらにMicrosoftは、AI PC向けハードウェア要件としてCopilot+ PCを発表しました。

これは、前章要件に加え、40TOPS以上のNPU内蔵CPUMicrosoft Plutonセキュリティプロセサなど、エッジAI処理のための追加要件です。

つまり、Win11 24H2は、従来ハードウェアアップグレート要件を満たすPCの上に、新しいAI PCCopilot+ PC)要件を追加した、上下2階層要件の両方に対応した(悪く言えば中途半端な)OSです。

Windows 24H2の2階層ハードウェア要件
Windows 24H2の2階層ハードウェア要件

但し、新しいエッジAI機能は、上層AI PC要件を満たすPCにのみ提供されます。次期AI Win12は、中途半端なWin11 24H2から、AI PC専用OSへ進化すると筆者は予想しています。

AI CPUARM64アプリ対応状況

前章までが、Win11 24H2とハードウェアの状況です。

ここからは、AI PC要件を満たす低電力動作が特徴の新参QualcommSnapdragon ARM64 CPUと、老舗Intel/AMD社のx64 CPUの状況を示します。

324日、Googleは、ARM64ネイティブ動作Googleドライブアプリをリリースしました。ARM64搭載PCで動作していたGoogleドライブβ版は、自動アップグレートされます。

Winアプリは、従来x86/x64 CPU向けに開発されてきました。従って、ARM64 CPUネイティブ動作アプリは、新たなアプリ開発が必要です。基本的で必要性も高いGoogleドライブアプリでさえ、正式版リリースに約半年かかったのが上記ニュースです。

ARM64には、従来アプリのエミュレーションツールPrismもあります。しかし、従来GoogleドライブはPrismでも動作しません。ARM64ネイティブ動作のビジネスアプリも増えてきましたが、従来アプリとの互換性を重視するユーザは、ARM64 CPUよりも実績のあるx64 CPUを好むのが現状です。

AI CPUx64 Copilot機能提供状況

324日、Microsoftは、Intel/AMDx64 CPU搭載PCに、エクスプローラや検索ボックスへ正確なファイル名やキーワードを入力しなくても、目的ドキュメントや設定を見つけられる内蔵NPU活用AI機能をWin11 24H2ビルド26120.3585提供開始しました。

このAI機能は、ARM64 CPUではリリース当初から提供済みです。支配的CPUシェアを2030年までにARM64へ変えるMicrosoft戦略は、x64 CPUへのAI機能提供を意図的に遅らせています(関連投稿:AI PC選定ポイント)。

しかし、遅ればせながらx64 CPUへもARM64と同等のAI PC機能提供が始まったのが上記ビルドです。

SummaryWin11 24H2現状と次期AI Win12

Win11 23H2Win10サービス終了の1014日まであと半年です。今のところ次期Win12リリースは不明ですので、10月以降の代替OSは、Win11 24H2のみです。Win11 24H2の現状、ハードウェア要件、AI PCCopilot+ PCCPU状況をまとめました。

WIndows 11不人気の打開策、生成AI
WIndows 11不人気の打開策、生成AI

Win11 24H2は、従来OSのアップグレートと、AI PC向け新OSWin12)の両方をカバーします。AI機能追加のため従来OSコアから大幅変更の結果、未解決不具合が未だにあります。Microsoftは、今年10月までにこれら不具合解消に注力するでしょう。

Win11 24H2ハードウェア要件も、従来アップグレートとAI対応の両方があります。AI対応ハードウェアは、従来アップグレート要件の上に位置します。Microsoftは、要件を満たさないPCに対し新しいPC購入を勧めています。但しRufus 4.6を使うと、従来アップグレート要件のみは回避しWin11 24H2アップグレートが可能です。

AI対応CPUは、従来アプリ互換性のあるx64 CPUと、新しいARM64 CPUの2種があります。ARM64ネイティブビジネスアプリは増えてきましたが、互換性を重視するユーザは実績あるx64 CPUを好みます。

Microsoft ARM64シェア拡大戦略のため、AI PC機能はARM64比、意図的にx64へ遅く提供中です。しかし、この差も次期AI Win12リリース前までに同じになるでしょう。

AI Win12アップグレード要件が、Win11 24H2AI PCCopilot+ PC)要件以上となれば、Win11 24H2サービス終了202610月までに、ユーザは新しいAI PC購入が必須になります。

新規AI PC購入は、PC業界には朗報です。PCユーザにもエッジAI必須と認識されれば、AI PC購入は必然です。NPUを持たない従来PCでは、エッジAI処理ができないからです。現在MicrosoftAI Copilotを推進中なのは、エッジAI必須認識をユーザへ広げるためです。

AfterwordPC大転換期の対応

NPU無しでAI PC要件を満たさない弊社4台のPCは、エッジAIは使えません。Win11 24H2アップグレードは、OSサービス期間を1年延ばす効果のみです。但しクラウドAIは従来PCでも使えますので、4 PCは、今年10月までWin11 23H2のまま運用予定です。

Win12発表もあるでしょうから、発表内容を吟味、Win11 24H2アップグレートか、新規AI PC購入か判断したいと思います。

複数AI PC間エッジAI同期方法は、まだ不明です。同期ができない場合には、1台のみのAI PC所有となりそうです。

今は従来PCからAI PCへの大転換期です。現状分析し、対応が必要です。ちなみに、Office 2016/20191014日サポート終了です。

Win11 24H2サポートCPU更新の理由

2025217日、MicrosoftWindows 11 24H2サポートCPU更新を発表し、Intel8/9/10世代 CPU24H2対象から外しました。

但しこれは、PCメーカ製品の話です。つまり、既に24H2Intel8/9/10世代を使用中のユーザPCは無関係ですので安心してください(第8/9/10世代CPUAfterword参照)。

Microsoftは、昨年10月のWin11 23H2から24H2アップグレード時、対象CPU制限(IntelAMD)を発表しました。また、今年1月には、Win11 24H2強制アップグレードも開始しました。要件を満たさないIntel/AMD CPUは、Win11 23H2のままアップグレードができません。これらCPUPCは、今年10月にサービスが終了します。

本稿は、MicrosoftがなぜWin11 24H2更新を強制し、同時にCPU制限も追加するのか、その理由を考察します。

Microsoft AI PC戦略

ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)
ArmはレガシーのPC(x86など)を大きく上回っているとアピール(出典:記事)

現在主流のIntel/AMD x64 CPUを、5年後の2030年迄に新しいARM64 CPUへ変えるのがMicrosoft AI PC戦略です。一連の発表は、この戦略の結果です。

現在PC向けARM64 CPUは、スマホCPUで有名なQualcomm社のSnapdragonシリーズのみです。40TOPS以上のNPU内蔵などCopilot+ PCAI PC)要件を満たすCPUも、昨年5月発表時はSnapdragonのみでした。

Qualcomm社よりも出遅れたIntel/AMD社は、共に昨年秋AI PC要件を満たす新しいx64 CPUを発売しました。しかし、Win11 24H2で新に加わったAI PC機能は、ARM64 CPUには提供中ですが、x64 CPUには一部のみ提供です(関連投稿:2月版AI PC選定ポイント)。

つまり、Microsoftは意図的にx64ARM64に差を付け、「ユーザのARM64 CPU移行」を狙っています。しかし、この狙いに反し、ユーザのARM64移行は進んでいないと思います。

x64からARM64へ変わる意味

ARM64は、Arm社のCPU IPIntellectual Property)をQualcomm社が購入し、このIPをハードウェア化したCPUです。Intel/AMD社のx64とは完全に別ハードウェアです。x64比、電力効率が良い点が特徴で、Apple社最新CPUにもArmCPU IPは採用されています。

Microsoftx64からARM64 CPUへ変える目的は、Apple同様、電力効率の改善です。

さて、従来のWindowsソフトウェア(アプリ)は、x64 CPUで最適動作する設計でした。この従来設計アプリは、新しいARM64 CPUでは動作しません。そこで、ARM64 CPUは、Prismというエミュレーションツールを使って、x64アプリを疑似的にARM64アプリへ変換し、互換動作させています。

もちろん、ARM64 CPU最適動作設計のアプリもあり、これをARMネイティブアプリと呼びます。つまり、現在のARM64は、従来x64互換と新ARMネイティブの2種アプリが動作するCPUです。

従って、新規Windowsアプリ開発者は、従来x64か新ARMネイティブかの設計選択が必要です。ARMネイティブアプリリストが下記です。ビジネスで必要なアプリは、ARMネイティブでも提供中なのが判ります。

ARMネイティブアプリ例(出典:日経Xtech)
ARMネイティブアプリ例(出典:日経Xtech)

これらARMネイティブアプリが、ベンチマークではなく実用時にx64比電力効率が良いのでしょうか? 現状の結論は、実際のバッテリ持ち時間にx64ARM64で殆ど差がありません(参考資料:Surface Intel版とQualcomm版比較Gadget Hack23日)。

つまり、ARM64 CPUは、「アプリ開発者に新ARMネイティブアプリ開発負担に見合う程の電力効率改善を与えない」のです。

もちろん、将来的に効率改善の可能性はあります。しかし、開発者も実績があり慣れたx64アプリ開発を望むようです。

AI PCは順調か?

「ユーザのARM64移行遅し」と「ARMネイティブアプリ開発負担に見合う電力改善少なし」は、AI PC普及を阻む原因の1つです。

この対策が、AI機能のARM64 CPUのみ全面提供、今年1月のWin11 24H2強制アップグレード、2月のIntel CPU 24H2サポート除外だと思います。ちなみに、Copilot+ PC要件を満たすIntel/AMD CPUへのAI機能提供は、昨年11月に発表済みでした。しかし、未だ部分提供のみです。

つまり、217日発表は、CPU市場から「従来Intel CPUを排除」し、CPUメーカのARM64化を期待している訳です。但し、Qualcomm以外、例えばAI半導体大手NVIDIAなどの新規ARM64 CPUメーカ参入は、今のところありません。

前章までを総括すると、「AI PC普及状況改善のためMicrosoftは、CPUメーカ/アプリ開発者/ユーザの3方面へ新しいARM64移行を強要中」です。

ローカルAIとクラウドAIAIキラーアプリ

AI PC普及不調の根本原因は、NPU活用のビジネス向けローカルAI PCキラーアプリが無いことです。また、プロンプトのAI入力インタフェース、個人情報保護などユーザのAIに対する不安も要因です。

一方、ブラウザ経由クラウドAIサービスのCopilotGeminiによる文書要約などクラウドAIアシスタントは、徐々に普及しつつあります。このクラウドAIサービス利用には、NPU非搭載の従来PC/Win11 23H2でも十分可能です。

さらに、AI PCよりも先行するAIスマホでは、Googleと韓国)サムスン電子がタッグを組み、最新Geminiが複数スマホアプリと連携し、より使い易いAIエージェント(コンシェルジュ)サービスが始まりました(参考資料:Googleとサムスンタッグ、日経ビジネス、225日)。

Gemini連携アプリが増たのでAIコンシェルジュも可能
Gemini連携アプリが増たのでAIコンシェルジュも可能

このように、AI PCをビジネスで活用するAIキラーアプリが無い現状では、わざわざ新しいARM64ではなく、従来アプリ互換性のあるx64 CPUを選択する方が無難と考えたのが、CPUメーカ/アプリ開発者/ユーザの状況です。

Apple Macアプリのように、Microsoft自身でARM64ネイティブビジネスAIキラーアプリ、例えば高機能AIアシスタントを自主開発すれば、他者へARM64を強要する必要は無くなると考えるのは筆者だけでしょうか?

次期Win12は、上記Microsoft製ビジネスAIキラーアプリ動作を条件に、Copilot+ PC CPU要件を更に狭め、Intel/AMD/Qualcommの最新AI CPUのみ無償アップグレード対象になる可能性もあると思います。

AIキラーアプリが、現行要件:40TOPS NPU16GB高速メモリで十分動作するかも懸念事項。

SummaryWin11 24H2サポートCPU更新理由

WIndows 11不人気の打開策、生成AI
WIndows 11不人気の打開策、生成AI

20252月、MicrosoftWindows 11 24H2サポートCPUからIntel8/9/10世代 CPUを外した理由を考察しました。

Win11 24H2動作のAI PCは、ユーザのARM64 CPU移行が遅く、x64/ARM64 2種アプリ開発負担増に見合う電力効率改善が得られず、などAI PC普及は不調です。その対策にMicrosoftは、PCメーカのIntel CPU排除を狙ったと思います。但し、これら他者への対策が上手くいっているとも思えません。

ARM64ネイティブ動作のビジネスAIキラーアプリが無いことが、AI PC普及不調の原因です。

例えば、AIアシスタント/コンシェルジュのようなARM64ネイティブ動作ビジネスAIキラーアプリをMicrosoftが自ら開発すれば、他者へARM64を強要せずともWin10/11 23H2サービス終了と同時にAI PC普及は急加速するでしょう。

AfterwordIntel8/9/10世代CPUとは

Intel8/9/10世代CPUは、型番表記で判ります。「Core ixxxx(またはxxxxx)」で、最初の「i〇」は、Core i3Core i5Core i7Core i9などのシリーズ名、続く「xxxx(またはxxxxx)」の最初の数字が世代を表し、第8世代:8xxx、第9世代:9xxx、第10世代:10xxxはです。

ちなみに、Win11 24H2アップグレード要件を満たさないIntel/AMD CPUでも、コチラのRufus 4.6ツールを使えばCPU要件を回避してアップグレードができます。


Windows 11 24H2アップグレード回避注意点

Windows 11 24H2アップグレードを止め、Win11 23H2に維持する時の注意点を示します。弊社4PCは、LAN接続トラブルのため20253月末までWin11 23H2運用を決めました。しかし、各PCへ、Microsoftからしばしば鬱陶しいWin11 24H2アップグレード催促があります。

しつこいWin11 24H2アップグレード催促

年末にWin11 24H2アップグレード通知が来る方も多いでしょう。Win11 23H2維持かWin11 24H2アップグレードかは、ユーザが選択可能です。しかし、その選択は間違い易いので注意が必要です。

Win11 23H2は、Win10と同一OSコアで、従来ソフトウェア/アプリと互換性を維持したWin11です。一方、Win11 24H2は、言わばAI対応Copilot+ PC用次期Win12βテスト版、OSコアもWin10から大幅変更したため何かとトラブルが多いWin11です(詳細Win11 24H2目的とWin12参照)。

しかも、多くのAI機能は、Copilot+ PC仕様以上でないと動作しません

弊社はWin11 23H2維持のために、コチラのグループボリシー設定でアップグレードを無効化しました。しかし設定後、数日すると再び下図Win11 24H2アップグレード催促メッセージが出力されます。つまり、手動アップグレード無効化は、Win11 24H2催促回数が減るだけの効果です。

しつこい24H2アップグレード催促メッセージ
しつこい24H2アップグレード催促メッセージ

但し、24H2ダウンロードとインストールをクリックしない、または、オプションの更新プログラムで24H2を選択しなければ、勝手にWin11 24H2へ更新されることはありません。

逆に、どちらかを間違って選択すると、Win11 24H2アップグレードが始まります。間違い易いのは、他の更新プログラムが多数ある場合です。

Win11 23H2セキュリティ更新は通常どおり配布

筆者が、前章の手動アップグレード無効化で気になったのは、手動で固定化したWin11 23H2へ果たして通常どおりWindowsセキュリティ更新が配布されるかでした。

これは、1211日のセキュリティ更新が、固定Win11 23H2へも配布されましたので問題ありません。

つまり、前章のWin11 24H2催促プログラムと、通常のWin11 23H2セキュリティ更新プログラムが多数ある時に、間違わずに23H2を選択すれば、ユーザが望む間はWin11 23H2として運用できます。

2025Windowsセキュリティ更新スケジュール

さて、2025年のWindowsセキュリティ更新スケジュール、いわゆるPatch Tuesday発表されました。日本では、水曜午前3時頃から配布開始されます。

Win11 23H2Win10サポート終了は、20251014日です。この日までにWin11 24H2アップグレードが必須ですのでご注意ください。

2025年予定 Pacific Standard Time (US) 日本時間午前3
1 14日(火曜) 15日(水曜)
2 11日(火曜) 12日(水曜)
3 11日(火曜) 12日(水曜)
4 8日(火曜) 9日(水曜)
5 13日(火曜) 14日(水曜)
6 10月(火曜) 11日(水曜)
7 8日(火曜) 9日(水曜)
8 12日(火曜) 13日(水曜)
9 9日(火曜) 10日(水曜)
10 14日(火曜)

Win11 23H2/Win10サポート終了

15日(水曜)
11 11日(火曜) 12日(水曜)
12 9日(火曜) 10日(水曜)

SummaryWindows 11 23H2維持注意点

Windows 11 24H2アップグレードを止め、Win11 23H2として維持する時の注意点を示しました。

Win11 23H2として維持運用するには、煩わしく出力されるWin11 24H2催促プログラムと、Patch Tuesdayに配布されるWin11 23H2セキュリティ更新プログラムを、間違わずに選択しインストールすることです。

Afterword:来週27日は投稿休み、次回13

今年の金曜投稿は、本稿が最後です。次回は、202513日(金)に投稿します。

皆様、今年も本ブログをご覧頂きありがとうございました。良いお年をお迎えください。


Windows 11 24H2目的とWindows 12

2024年も残すところ2週間。MCU開発者の筆者には、開発基盤Windows 11変化に困惑した年でした。

ソフトウェア開発者の主業務:コーティングは全体の僅か25%程度、これ以外の75%は資料作成やリサーチに費やされるそうです。ハードウェア開発者の主業務:回路設計も同様でしょう。これら全業務にWin11変化が深く関わります。

前投稿で弊社4PC20253月末までWin11 23H2固定に決めたので、年度末までの開発は安定OS環境で行えます(固定後も更新プログラム等は適用されます)。

今年のWin11変化を振返り、次期Win12へのOS大転換期を俯瞰します。

Windows 11シェア低迷要因

WIndows 11(青)と10(紫)のシェア推移(出典:statcount)
WIndows 11(青)と10(紫)のシェア推移(出典:statcount)

202411月のWindowsシェア推移です。Win11は、全体シェアの35%以下、最新Win11 24H2リリースの10月以降、僅かにシェア低下が判ります。逆にWin10は、202510月サービス終了にも関わらず、未だ60%を超えるシェアを維持しています。

Microsoft初の個人向けWin10セキュリティ延長サポートの影響があるのかもしれません。それでも現行Win11のユーザ不人気度を端的に示しています。

この要因は2つ。1つ目が、専門家が強調するようなWin10比、Win11に生産性向上や目新しいUXが無いこと、2つ目がWin11アップグレード要件のTPM必要性がユーザに認識されていないこと、です。

Win11 24H2の(暗黙の)目的は、次期Win12リリース時、上記Win11低迷の2要因を繰返さないことです。

MicrosoftはユーザにWin11アップグレードTPM要件が届かず、今でもその必要性をレポート中。

Windows 11不人気の打開策:生成AI

PCとインターネットが結びつき、マスコミ広告からクラウド広告へと変化しました。クラウド広告は、ユーザ利用のブラウザ経由で提供されます。

ブラウザ検索時、ユーザ情報がクラウドへ吸い上げられ、その結果、ユーザが嗜好する広告が自動的にブラウザへ表示されます。不特定多数のマスコミ広告に比べ、効率的な広告とユーザ利便性が得られます。

このようにインターネットとブラウザ広告が、PC普及に多大な貢献をしました。このインターネットと同様、生成AIWin11不人気の打開策とMicrosoftは考えています。

PCと生成AIが結びつくと、ブラウザを使わなくてもPC上で直接広告が可能です。これで更に高い広告効果、ユーザ利便性向上が期待できます。つまり、ブラウザ広告に代わるAI PC広告です。

WIndows 11不人気の打開策、生成AI
WIndows 11不人気の打開策、生成AI

また生成AIは、ユーザPC操作と結びつくAIアシスタント/コンシェルジェのような新PCサービスも可能にします。一例が、Copilot Visionです。AIアシスタントにより、ユーザは高いPC生産性や新しいUXが得られます。同時に、パーソナルで効率的な消費活動もできます。

但し、実際にAIを利用するには、Win10までの古いPCでは困難です。高性能なNPU/GPU/CPU/高速メモリは必須です。Microsoft Copilot+ PCは、このAI利用の最低限ハードウェア仕様を示したものです。

AIは、ユーザと共に移動するノートPCと相性が良いため、Copilot+ PCはノートPCを最初のターゲットにしました。最低1日のバッテリー駆動能力と軽量薄型化が目標です。

ユーザは、パーソナルAIが利用可能なモバイル軽量薄型Copilot+ ノートPCを使って、高生産性と新UXを実感し、クレカ情報保護/更新などの消費活動からユーザ情報保護重要性も認識します。

つまり生成AIPCへ追加することで、前章で示したWin10からWin11シェア推移が進まなかった2つの失敗要因を同時に解消できる訳です。

Win11 24H2 は次期Win12のプレビュー(βテスト)OS

AIで大転換期を迎えたWindows 11とCopilot+ PC(出典:Microsoft)
AIで大転換期を迎えたWindows 11とCopilot+ PC(出典:Microsoft)

生成AI用のPCハードウェアがCopilot+ PCです。

そのOSは、Win11 24H2で追加中の様々なAI機能、例えば、Recallやフォトアプリ超解像化などが単独・単体で動作します。しかし、次期Win12搭載のAIアシスタントは、これらAI機能を臨機応変に組合せ、ユーザがより使い易いAIサービスへ統合し提供します。

また、Win11 24H2は、Copilot+ PCが求めるバッテリー駆動能力向上や、TPMより強固なユーザ情報保護を行う新セキュリティプロセサプラトン動作のため、Win10から継承してきたWin11 23H2Niコアを、Win11 24H2で新しいGermaniumコアへ変更しました。

過去OSコア変更のアップグレートは、多くのトラブルが発生していました。Win11 24H4は、段階的配布とセーフガードで発生率を下げていますが、トラブルが多いことに変わりはありません。

このようにWin11 24H2は、色々なAI単体機能をユーザで試すこと、古いPCハードウェアではAI処理やセキュリティに限界があり新しいハードウェアが必要なこと、Win12アップグレードトラブルを減らすこと、これらが目的です。実質的には、次期Win12のプレビュー(βテスト)OSです。

Win11 24H2シェアは低くてもそのユーザは先進ツールを好むのでテストできるでしょう。これは、製品版で実質βテストを行う程のWindows大転換期の証とも言えます。

Win11 24H2市場テストの結果、AIサービスとして統合したユーザパーソナルなアシスタント/コンシェルジェが使える新OSとして登場するのが次期Win12です。もちろん、Copilot+ PC以上のハードウェアとセキュリティプロセサプラトンが、ユーザにも認識されアップグレード要件になります。

Win11で失敗したWin12アップグレード要件がユーザにはっきり認識され、しかもユーザパーソナル情報に基づいた各種AIアシストがあるので使い易く大人気OSとなるでしょう。

SummaryWin11 23H224H2Win12へのOS大転換

Windows 11 23H2、24H2、Windows 12へのOS大転換期
Windows 11 23H2、24H2、Windows 12へのOS大転換期

OS大転換期のWindowsをまとめます。

Win11 23H2Win10ハードウェアへTPM 2.0セキュリティ追加のOSWin10ユーザに、TPM必要性、生産性向上、新しいUX(ユーザ体験)が認められず202411月末時点でWin11シェア35%以下の不人気OS

Win11 24H2:生成AI対応の次期Win12βテストOSAI活用は、Win10ハードウェアの大幅強化、新プラトンセキュリティプロセサ実装のMicrosoft Copilot+ PCが最低要件。AI対応Win12アップグレード前に、Win10までの古いPCハードウェア買換え促進も目的。

Win122025年秋Win10サービス終了前後に、AIサービス対応Win12リリース。

Win12は、AIサービスを使い従来比、確実にユーザが判るPC生産性向上、新UXが得られる。しかし、AI活用にはCopilot+ PC以上のハードウェア必須。さらに強固なプラトンセキュリティプロセサによるユーザ情報保護Win10/11無償アップグレート要件。

AfterwordWin12は筆者推定だがAI大転換は変わらず

Win11 23H2/24H2は、事実に基づいて記述しています。が、Win12は、あくまでユーザ筆者の推定です。PCハード/ソフトも含め、世の中、AIによる大転換期です。古い物に固執するつもりはありませんが、MCU開発に悪影響がないことを願っています。

仮にAIを使わない(使いたくない)ユーザは、Win11 24H2サービス終了の202610月までは従来PCで業務ができます。AIにより主業務(コーティング/回路設計)の25%と付随業務75%が、どの程度改善されるかにもよりますが、付随業務比率のAI改善を筆者は期待しています。


Windows 11 24H2アップグレード延期

12月になってWindows11 24H2更新が降ってきた
12月になってWindows11 24H2更新が降ってきた

今年101日にWindows 11 24H2段階的配布が始まって2か月、セーフガードが解除されたためか、ようやく弊社PCにも今週Win11 24H2が降ってきました。

しかしながら弊社は、来年3月末までは弊社4PC全てをWin11 23H2で運用することにしました。本稿は、その理由と今後の24H2アップグレード策を示します。

先行手動アップグレードWin11 24H2で試運用

Rufus 4.6を使って1台のWin11 23H2 PCを、Win11 24H2へ先行手動アップグレードし、主要アプリ互換性BitLockerによるデバイス暗号化注意点が判りました。但し、これらは、Win11 24H2単独運用の結果です。

先行アップグレードしたPCは、主として定期データバックアップ用です。弊社は、このバックアップアプリにFreeFileSyncを使っています。4PCは、プライベートLAN接続です。

Win11 24H2アップグレード後、Win11 23H2同士では何の問題も無かった他PCへのLAN接続ができず、定期データバックアップが出来なくなりました。

つまり、Win11 24H2単独運用では問題が無いものの、複数PCLAN接続に関しては、トラブル発生です。筆者はWindowsネットワークトラブルが、解決しにくいことを経験上知っています。

Win11 24H2先行アップグレート後、2回の月例修正パッチも適用しましたが、LANトラブルは未解決です。

Win11 24H2ネットワークトラブル

12月に入って“Windows 11 24H2 ネットワーク トラブル”でネット検索したところ、1000万件以上がヒットしました。12月の1週間以内に限っても5000件以上のヒットがあり、Win11 24H2 LANトラブルは多発のようです。

検索対策によると、Win11 24H2自身のセキュリティ強化が原因のようです。

Windowsネットワークトラブルはケースバイケース、前述のように解決困難で数件の掲載策を実施しましたが未解決です。

Win11 24H2修正パッチで新バグ発生

コチラの記事によると、Win11 24H2修正パッチ自体が、新たなバグを生むようです。

この原因は、Win11 24H2コアが、旧Win11/10Nickelコアから、新しいGermaniumコアへ変わったからだと思います。過去のWindowsも同様にOSコア変更時は、トラブル連発でした。

さらに、Win11 24H2は、次期Windows 12AI PC)への移行やWin10までの古いPCハードウェアの買換えを促進する役目も担っています。

既に多くのエッジAI PC機能がWin11 24H2に実装中です。しかし、エッジAIを実用に使うには、高性能NPUGPU/CPU、高速メモリが必要で新しいCopilot+ PC購入が必要になると思います。

また、TPM 2.0に代わる新たなセキュリティデバイス:Microsoft Plutonプロセッサが、安全なネットワーク接続に必須になるかもしれません。検索結果のように、TPM 2.0実装PC間でもWin11 24H2 LANトラブルが多発しているからです。

SummaryWindows 11 24H2アップグレード延期理由と対策

先行手動アップグレードWin11 24H210月から12月の2か月試運用の結果、以下が判りました。

  • Win11 24H2単独運用はアプリ互換性OKBitLockerに注意すれば問題なし。
  • Win11 24H2と旧Win11 23H2LAN接続でトラブル継続中。
  • 23H2比、Win11 24H2自身のセキュリティ強化がネットワークトラブル原因か。
  • Win11 24H2修正パッチで新たなバグ発生あり。

これらWin11 24H2トラブル多発の背景は、従来Win11/Win10からのOSコア変更、次期Win12AI PC)への新機能追加にあると推測します。

安全策として、弊社4PCWin11 24H2アップグレードを20253月末まで延期し、それまでは全PCWin11 23H2運用とします。

Win11 24H2多発トラブルが、20253月末までに収束を期待。

Win11 23H2サービス終了202510月半年前の4月に、Win11 24H2トラブル状況を再確認し、Rufus 4.6によるWin11 24H2アップグレードを対策とします。

AfterwordOCuLinkによる外付けGPU追加

OCuLink(データ転送速度最大64GbpsPCI Express 4.0対応)というThunderboltUSB 3よりも高速なインタフェースを使うと外付けGPU追加ができます。ミニPC採用中の新しいインタフェースで、エッジAI能力追加が可能です。

エッジAIとクラウドAI両処理でAIアシスタントを実務に使うには、それなりのハードウェアやインタフェース/回線速度が必要でしょう。高画質でYouTubeを見るには、高性能GPU/モニタと高速ネットワークの全てが必須なのと同じです。どれが欠けてもボトルネックが生じ、期待の高画質再生はできません!

様々なAIサービスがWin11 24H2へ追加中です。しかし、次期AI PCWin12)はこれらが統合され、より使い易いAIアシスタントになると思います。例えば、前投稿最後のイラスト「プレタポルテのMPU開発とオーダーメイドのMCU開発」は、Edge Copilotを使って筆者自ら作成しました。

従来PCからAI PCへ変わる2025年
従来PCからAI PCへ変わる2025年

しかし、投稿文作成中に、Copilotが自発的にこのイラストを使ってはどうですか?などアシスタントアドバイスがあれば、もっと簡単で効率的に記事が作成できます。エッジAI能力は、いくらあっても無駄にはならないと思います。

Afterword2Win11 24H2アップグレート延期方法

Win11 23H2からWin11 24H2自動アップグレートを4ヶ月間止める方法は、いろいろあります。弊社は、コチラWindows 11対策オプション2、グループボリシーから無効化する方法を用いました。



Rufus 4.6でWindows 11 24H2アップグレード成功

2024年10月21日、Rufus 4.6がリリースされました。Rufus 4.5改版の結果、Microsoft公式のCPUリストに掲載が無い古いCPUでもWindows 11 24H2へアップグレードできました。

ダウンロードリンク タイプ プラットフォーム サイズ 日付
rufus-4.6.exe 標準 Windows x64 1.5 MB 2024.10.21
rufus-4.6p.exe Portable Windows x64 1.5 MB 2024.10.21
rufus-4.6_x86.exe 標準 Windows x86 1.6 MB 2024.10.21
rufus-4.6_arm64.exe 標準 Windows ARM64 5.1 MB 2024.10.21

Win11 24H2をWin11 23H2へリカバリし再度Rufus 4.6トライ

CPU要件を回避すべくRufus 4.6が開発中であることは、GitHubに掲載されていました。弊社は、代々Rufusを使ってWin11アップグレードを行ってきたので、今秋の24H2もRufus 4.6でトライします。

そこで、10月11日投稿Afterword章の方法で先行手動Win11 24H2アップグレードしたPCを、元のWin11 23H2へリカバリし、これにRufus 4.6で24H2へ手動アップグレードできるかを試します。

Windows 11 24H2からWindows 11 23H2へリカバリ、Rufus 4.6を試す
Windows 11 24H2からWindows 11 23H2へリカバリ、Rufus 4.6を試す

Rufus 4.6のWin11 24H2アップグレード方法

Rufus 4.6実行ファイルは、リンク先からダウンロードするだけです。PCインストールは不要です。

Rufus 4.6を使ったWin11 24H2アップグレード方法が下表です。Win11 23H2起動状態で24H2インストールUSB setup実行に注意するぐらいで、あとは簡単、ネット速度やPCにも依りますが、準備・更新ともに約1時間で完了します(準備1:23H2バックアップ除く、詳しくは、過去投稿参照)。

Rufus 4.6のWindows 11 24H2手動アップグレード方法
準備 1. Win11 23H2バックアップ(更新失敗リカバリ対策)
2. Win11 24H2ディスクイメージダウンロード
3. Rufusを実行しWin 11 24H2インストールUSB作成
更新 1. Win11 23H2起動状態でインストールUSB setup実行
2. Win11セットアップダイアログに従い数回クリック
3. Win11 24H2大型更新完了

準備3のUSB作成中に表示されるダイアログが、アップグレード要件回避チェックボックスです。Rufus 4.5と全く同じダイアログですが、4.6は古いCPU要件も回避します。これによりRufus 4.5ではNGであったWin11 24H2手動アップグレードは、Rufus 4.6で成功、当該PCの正常動作を確認しました。

Rufus 4.6のアップグレード要件回避チェックボックス
Rufus 4.6のアップグレード要件回避チェックボックス

Rufus 4.6により、Microsoftの段階的ロールアウトを待つことなく、ユーザの好きなタイミングでWin11 24H2アップグレードができます。

Rufus 4.6解説

Rufus 4.6の解説が、コチラの記事にあります。Microsoftが今後導入すると予想される厳しい要件に対しRufus将来性などの懸念が示されています。

しかし、Windows存続・活用にRufusは必須ツール、これが弊社認識です。ウイルスとワクチンに似ています。もちろん、Rufusがワクチンです。

Win11 24H2既知の問題

Win11 24H2アップグレードの既知の問題とMicrosoft対処がコチラの記事にまとめられています。要するに、これら問題が解決するまでは、手動アップグレードは避けた方がBetterということです。

但し、これは元々アップグレード要件を満たす普通のWin11 23H2 PCでの話です。

Win10や古いCPUのWin11 PCにとっては、来年2025年10月のWin10/Win11 23H2サービス終了までに、何もしなければ当該PCの廃棄/Lunix Mint載せ替え/新PC購入などの選択に迫られます。

これら切迫PCに対し、Rufus 4.6はWin11 24H2アップグレードを可能にします。その結果、Win11 24H2サービス期間の2026年10月までの2年間Windowsを使い続けられること、これが何よりも大きいと思います。この延命期間に当該PCの今後を検討できるからです。

PCは、単なる筆記具の置換えから、生成AIを使ったAIアシスタント活用のAI PCへの大変革期です。延命期間と大変革期が重なる次期PCの選び方は、コチラの投稿を参照してください。

Summary:Windows 11 24H2 Rufus 4.6アップグレード成功

Rufus 4.6でWindows 11 24H2アップグレード成功
Rufus 4.6でWindows 11 24H2アップグレード成功

Rufus 4.6を使うと、Microsoft公式IntelAMDリストに掲載無しの古いCPUでも、Windows 11 24H2へ簡単にアップグレードでき、その後、安定動作も確認しました。

24H2アップグレードで得た2026年10月までの2年のサービス期間中に、当該PCをAI PCとして使えるかなど次期PC検討ができます。

Afterword:例年比多いWin11 24H2トラブルとARM64

Win11 24H2既知の問題以外にも、多くのアップデートトラブルが散見されます。原因は、OSコア変更でしょうか、少なくとも弊社利用アプリ互換性は問題無しでした。AI PC大変化期の始まりでMicrosoft対応部門は、トラブルが収束するどころか未だに発散気味、大変でしょう。

また、Rufus 4.6ダウンロードリンクのx86/x64とARM64実行ファイルサイズ差も気になります。処理フローチャートは同じハズ、これ程差が生じる原因も知りたいです。


Windows 11 24H2アプリ互換性

Windows 11 24H2は、23H2のNi OSコア(ビルド番号:22000番台)からGe(26000番台)へ変わりました。そこで、前投稿で24H2へ先行手動アップグレードしたPCを使って、主要アプリの動作確認を行いました。結果、主要アプリ以外も含め、特に問題なく正常動作しています。

互換性確認アプリリスト

同一OSコアアップグレードなら、アプリ動作確認は別途行いません。しかし、今秋の24H2アップグレードは、OSコアが変わりました。コア変更により、アプリ互換性リスクが高まります。

そこで、弊社全PCアップグレードの前に念のため、主要アプリ動作確認を行いました。確認主要アプリが下記です。これら以外の通常使うブラウザ等のアプリも、問題なく正常動作しています。

分類 アプリ名 バージョン Win11 24H2動作
MCU開発環境 e2studio 24.4.0 OK
STM32CubeIDE 1.16.0 OK
Visual Studio Code 1.94.0 OK
エディタ Notepad++ 8.7 (64-bit) OK
文書作成 LibreOffice 24.8.2.1(X86_64) OK
アクセサリ PC Manager 3.14.6.0 OK

MCU開発環境は、23H2ビルドのクリーン後、24H2再ビルドの成功で動作OKとしました。注意点は、API生成ツールなども含めベンダ提供最新版を使用することです。旧版のままビルドすると、エラーが発生する場合もあります。

また、ルネサス)e2studioとSTマイクロ)STM32CubeIDEを表記しましたが、他社EclipseベースIDEも正常動作しています。

Eclipse IDE代替可能性のあるMicrosoft)Visual Studio Codeも当然OKです(サイト開発に弊社使用中)。

24H2アップグレード後、リカバリ用のOld Windowsファイルが削除できないなどのトラブルレポートもありますが、従来から使っているPC Managerの詳細クリーンアップを使うと例年どおり削除できました。

Summary:Windows 11 24H2アプリ互換性問題なし

10月1日のWindows 11 24H2リリース後、2週間が経過しました。弊社3/4 PCは、段階的ロールアウト開始を待っていますが、未だ始まりません。例年に比べ、24H2は既知の問題が多く、段階的配布も遅い気がします。

しかし、本稿結果からWindows 11 24H2 OSコア変更に関しては、アプリ互換性問題は無さそうです。

Afterword:Win11 24H2アップグレード後所感

Win 11 24H2アップグレード後、タスクマネージャーを見ると、ディスクパフォーマンスに結構な処理能力を使っています(関連投稿BitLocker中でないことも要確認)。このため、PCによってはこの処理終了までの数時間、動作が遅くなります。

10月9日、Win11 24H2最初の月例更新プログラムが配布されました。アップグレードトラブル対応かと思いましたが、そうでもないようです。Wi-Fi 7など新機能追加も様々ありますが、目新しいUX(ユーザ体験)は無く、24H2アップグレードタイミングと手動かロールアウト待ちかは、悩ましい問題です。


Windows 11 24H2と次期PC選択

Windows 11 24H2がリリースされました。アップグレードCPU条件が23H2より厳しいためRufusを使っても残念ながら24H2へアップグレードができないWin PCも増えました(対策:Afterword参照)。

来年2025年秋までの1年間は、次期PC選びの重要期間と言えるでしょう。Win11 23H2とWin10サービス終了に加え、従来の紙と筆記具を置換えたPCの使い方が、生成AI活用の新しい使い方へ大きく変わるからです。

新しいPCの使い方と、次期Windows/Apple/Linux PCの選び方を整理します。

新しいAI PCの使い方

従来PCからAI PCへ変わる2025年
従来PCからAI PCへ変わる2025年

生成AI出現によりPCの使い方は変わります。AIをパーソナルで有能な無料アシスタントやコンシェルジュとしても利用できるからです。

現在この生成AI牽引企業は、GOMA(Google、Open AI、Microsoft、Anthropic)です。写真加工や即時翻訳などのAIサービスは、PCよりもGoogle PixelなどのAIスマホが先行しています。AIで出遅れたAppleも、Apple Intelligenceで猛烈に追い上げ中です。Google/AppleのAIスマホが、AIアレルギーやAI一般化に大きく寄与すると思います。つまり、AIサービスが当たり前の機能になる訳です。

従来のPCは、紙と筆記具を置換えたMicrosoft Officeが一般ユーザを獲得してきました。この使い方を根底から変えるのが、AI PCです。ネット情報収集や要約、Office文書下書きや分析などは、AIアシスタントの得意分野です。

PCのAI化により、半分の手間で、より優れたPC資料作成ができるでしょう。さらに、先行するAIスマホとの連携により効果的図表や写真加工なども可能です。

但し、これらローカルPCでのAI処理には、NPUやGPUなどのハードが必要なため、MicrosoftはCopilot+ PCに40 TOPS以上のNPUを要件としています。

AI PCサービスは、AIスマホに比べ発展途上です。それでも、AI PCのハード/ソフト/使い方の大転換期が、2025年秋までの1年間になるでしょう。

MicrosoftはCopilot、AppleはApple IntelligenceでAI PCへ注力中です。OpenソフトウェアLinuxもこれらへ追随すると思います。

次期AI PC選択肢と特徴

新しいAI PCの使い方に対応する次期PC選択肢は、3つあります。

Windows 11 24H2リリースと今後のAI PC選択肢
Windows 11 24H2リリースと今後のAI PC選択肢

Win11 24H2へアップグレード、または、Win11 23H2、Win10を来秋サービス終了まで使う、そして新しいMicrosoft AI Copilot+ PCの購入、これらはWindowsをAI PCとして使い続ける選択肢(青)です。
Windowsから新しいApple Intelligence対応Mac PCへ乗換える選択肢(赤)もあります。
既存WinハードへLinux Mintをインストールし活用するのも選択肢(緑)の1つです。

3選択肢のAIスマホ連携、信頼性、価格面などの特徴が下記です。

選択肢 特徴
Windows Microsoft Officeとの相性は高いが、AIスマホ(Android)連携は模索中。
更新やハード/アプリ相性トラブルが多く、信頼性は3選択中最低。
ユーザ無視更新/設定も多数あるが、トラブル対策やカスタマイズ情報も多い。
Mac Win比、AIスマホ(iPhone)連携に優れる。
Apple1社ハード/ソフト提供のためWin比、トラブル小で高信頼。
3選択肢中価格は一番高いがコスパも高く、クリエイタ/開発者に好評。
Linux(Mint) AIスマホ連携は(デフォルト)少ない。
Win比、低性能ハードでも快適動作、既存Winハード活用メリット大。
Win/Apple比、トラブル情報がプロフェッショナル向けで解り難い。

※筆者が現在Windowsユーザのためこの視点よりの相対評価です。

Summary:Windows 11 24H2と次期PC選択

Win11 24H2の目的は、2025年リリース予定Win12アップグレードCPU選別だと思います。つまり、今秋24H2アップグレードができないPCは、今後Windows PCとして使い続けるのは困難と推測します。

対策は、Linux Mintです。メール送受信や動画再生など主要アプリは、マルチプラットフォームブラウザの上で動作します。OS依存性はありません。また、MintにはLibreOfficeやFirefoxが標準装備(もちろんChrome追加容易)です。MintをOSアプリ専用PCと割り切れば、従来Win同様、問題なく使えます。

但し、AI化やAIスマホ対応がWindows/Apple比、Mintは劣ります。AIから最も離れたOSです。しかし、古いCPUの活かし方としては、追加コスト不要で処理性能も驚くほど高速です。

AI PCが業界趨勢です。AI PCには、使い慣れたWindowsならCopilot+ PC、多くのトラブル回避なら、iPhone連携が良く高信頼でAI化も頑張っているApple Intelligence Macが良いでしょう。

Afterword:Win11 24H2 RufusアップグレードNG対策

Windows 11 24H2情報
Windows 11 24H2情報

過去Rufusを使えば、TPMなどのアップグレード要件を回避しWin11アップグレードができました。しかし、Win11 24H2は、MicrosoftのIntelAMDリストに掲載無しCPUは、24H2アップグレードができません。※23H2リスト表記ですが、24H2で適用を厳格にしたと思います。

対策は、コチラの情報を参照ください。弊社第4世代CPU(Core i7 4800MQ)でも無事Win11 24H2アップグレードができ、正常動作中です。24H2のサービス期間2年、2026年秋まではWin11 24H2が使えると思います。

但し、無理に24H2にする必要は、正直無かったと思っています(設定引継ぎが一部Microsoft推薦に戻るため😠)。この反省が、Summaryに示した古いCPUのWinをAI化と少し距離があるLinux Mintへ変え、OSアプリ専用PCとして活用することです。

Afterword2:従来Intel/AMD 対 新Arm CPU

Rufusから判るx86_x64アプリ対Armアプリ
Rufusから判るx86_x64アプリ対Armアプリ

Rufusダウンロードページで、従来x86/x64アプリと新しいArmアプリ差が判ります。Arm CPU対応Rufusがあるのも面白いのですが、何よりもそのサイズ差が凄いです。Copilot+ PCは、Armネイティブ動作ですが、サイズがこれ程異なるのは、コンパイラや開発環境が従来と異なるからでしょうか?
新しいものやMicrosoft推薦が、全てBetterでは無い一例です。


Windows 11 24H2更新注意点

2024年10月1日、Windows 11 24H2の段階的配布が始まりました。Windows 12配布予定が2025年のため、おそらくWin11最後の大型更新バージョンになると思います。

以前、現行Win11 23H2 OSコアNikelが、24H2ではGermaniumへ変わるなどを投稿しました。しかし、24H2更新に際し、もっと重要な注意点がありますので投稿します。

Summary:Win11 24H2更新注意点:「デバイスの暗号化」確認

デバイスの暗号化(HomeとPro)とドライブの暗号化(Pro以上)の設定(設定>プライバシーとセキュリティ>デバイスの暗号化)
デバイスの暗号化(HomeとPro)とドライブの暗号化(Pro以上)の設定(設定>プライバシーとセキュリティ>デバイスの暗号化)

Win11 24H2更新前に、デバイス暗号化とドライブ暗号化の2機能を行うBitLockerを確認し、必要に応じて設定変更。

確認無しでWin11 24H2更新・運用の場合、OSによるデバイスの暗号化自動設定によりユーザ起動不可能となりクリーンインストールの可能性が高まる。BitLocker On時は、回復キーのユーザ保存必須。

お勧めのWin11 24H2セキュリティレベル設定は下記。

デスクトップPC:BitLockerデバイス暗号化、ドライブ暗号化共にOff設定。
ノートPC:モバイル時、BitLocker On設定。暗号化On/Off変更処理に数時間掛かることも考慮。BitLocker回復キーは、別途保存。

BitLockerの2機能

BitLockerは、2つの対象の暗号化を行います。

  1. デバイスの暗号化:システムデバイスの暗号化(Home/Pro共に自動暗号化あり)
  2. ドライブの暗号化:Dドライブなどシステム以外のドライブ暗号化(Pro以上で手動設定のみ)

暗号化済みの場合は、1/2共に鍵などのパスワード、BitLockerなら48桁の数字回復キーを入力しない限り、OS・ユーザ本人でも中身の読出しができません。ハッカー攻撃やPC紛失などへのセキュリティ対策が目的です。

左:デバイス暗号化回復キーと右:ドライブ暗号化回復キー入力例
左:デバイス暗号化回復キーと右:ドライブ暗号化回復キー入力例

Win11 24H2の新機能

Win11 24H2新機能は、Microsoft公式サイトにあります。英文ですので、ブラウザの日本語翻訳を使ってお読みください。中程にある動画字幕も日本語表示で解り易いです。

BitLockerに加え、ファイル単位ロックなどWin23 H2よりもセキュリティレベルが強化されています。また、NPU(Nural Processing Unit)活用のAI Copilot機能、同時翻訳なども紹介されています。

BitLocker概要サイト中頃のデバイスの暗号化「重要」文章を抜粋します。

重要

Windows 11 バージョン 24H2 以降では、DMA と HSTI/モダン スタンバイの前提条件は削除されます。 その結果、自動および手動のデバイス暗号化の対象となるデバイスが増えます。“

つまり、Win11 23H2までのBitLocker条件が緩和され、Win11 24H2以降は、OSが自動でBitLocker暗号化するデバイスが増える訳です。もっと言うと、Win11 Home/ProシステムCドライブは、ユーザが明示的に設定しない限りデフォルトでデバイスの暗号化はOnになります。

AI Copilot Win12の布石:Win11 24H2セキュリティ強化

AI Copilot Win12は、ノートPCをメインターゲットとするAI PC向けOSです。ユーザのすぐ横で1日中エッジAI PCを使っても、バッテリーが持つ低消費電力と、PCの軽さ・薄さがデバイスの特徴です。モバイル性とAI処理の向上が、セースルポイントです。

このWin12は、万一のPC紛失やハッカー攻撃、AI学習情報漏洩に対し、従来比、より強いセキュリティを与えます。

前章のWin11 24H2新機能で、システムデバイスBitLocker条件緩和と自動暗号化拡大などのセキュリティレベル強化は、Win12への布石だと思います。

「デバイスの暗号化」の功罪

ユーザのWindows 11 24H2セキュリティレベル設定必須
ユーザのWindows 11 24H2セキュリティレベル設定必須

デバイスの暗号化をOnにすると、通常のOS処理前でもデータ複合化、処理後にデータ再暗号化保存が必要です。この暗号化オーバーヘッドは、暗号化無しの場合と比べ3~5%、別情報によると45%ものドライブパフォーマンス低下を招きます。

※PCバックアップソフトとの相性は、間違いなく悪いでしょう。

デバイス紛失対策が暗号化でできるのは大切です。しかし、デスクトップPCや家庭内運用のノートPCならば、ユーザの紛失対策は殆ど不要です。

BitLockerに限らずセキュリティ対策は、OSが安全側動作に自動的に設定することがあります。また、その設定タイミングもユーザには分かりません。

セキュリティの功罪とPC安全性を評価し、OS任せでは無くユーザ自らがセキュリティレベルを設定することが、今後のWindows運用に必須です。

Afterword:暗号化と鍵と生体認証

暗号化に鍵は必須です。Windowsは、この鍵をWin11アップグレード要件TPMへ保存します。TPMには、クレジットカード情報なども保存しますので、セキュリティ上、超重要デバイスです。

このTPMアクセスに、指紋などユーザ本人の生体認証が必要です。面倒ですがセキュリティは、複数対策の重ね合わせでセキュリティレベルを上げます。次世代TPMと言われるMicrosoft Pluton Securityプロセッサは、この面倒さ・判り難さを軽減する仕組みであることを期待します。

本稿は、下記資料を参考に作成しました。詳細は、各資料を参照ください。
Win11 24H2新機能:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1627854.html
Copilot+ PC AI機能:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2409/28/news081.html
BitLocker:https://www.youtube.com/watch?v=XE4KFfRGtWw


2~3年先Windows PC予想

2~3年内に新しいWindows PC購入を検討中です。激変中のWindows PC環境(OSとハードウェア)を整理し、今後(2~3年先)のWindows PCを予想します。筆者はWindows専門家ではありませんので確度は低いかもしれません。しかし、予想を持つ方が、様々な情報理解に役立つと思います。

激変Windows PC状況

  • 2025年10月Windows 10サポート終了
  • 今期Windows 11 24H2リリース予定
  • 次期Windows 12リリース、アップグレート要件不明
  • 2024年6月Microsoft Copilot+ PC発売開始

Windows PC環境、OSとハードウェアの状況です。激変を牽引するのは、パーソナルなAI PC化です。これら関連の多くの情報が溢れています(関連投稿:情報機器大転換期)。

2~3年先Windows ハードウェア予想

新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)
新しいCopilot+ PCの第 11 世代surface Pro、32 GB RAM、1 TB SSD、¥394,680 (税込)(出典:Microsoft)

Copilotキーの新規追加、40TOPS以上のNPU搭載、16GB以上のDDR5/LPDDR5 RAM搭載、Microsoft Pluton Securityプロセッサ搭載など6月発表のMicrosoft Copilot+ PCは、現行Windows PC比、かなり高性能で新しいハードウェア構成です。その目標は、先行するAIスマホ機能の取込みに加え、AIアシスタントPCへの進化です。

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するには、ハードウェア選びが肝心です。そして、低電力動作。AIアシスタントと相性の良いモバイルノートPCを1日中フルに使っても、バッテリーに十分な余裕が必要だからです。

MacだけでなくWindows PCのCPUでも、従来Intel/AMDのx86/x64から、Armアーキテクチャへ変わりつつあるのは、このバッテリー持ちの良さ、電力効率の良さにあります。

但し、過去x86/x64ビジネスソフトウェアのArmアーキテクチャCPU動作検証が必要です。Armは、Prismでx86/x64エミュレーションを実行し、ゲームソフトは、ほぼ問題なく動作するようです。また、AIスマホは、ほぼArmベースですので、AIスマホ機能の取込みもx86/x64比、有利だと思います。

新しいAI半導体供給には、年単位の時間が必要です。高性能AI半導体を使うAI PCの2024年出荷は、わずか3%、2028年にようやく40%台という調査会社IDC予測があります。一方、Lenovoは、今後3年間でAI PCは一気に普及し、2026年出荷全体の60%を占めると予想しています。

筆者は、Lenovoに近い予想です。パーソナルAIアシスタント機能を持つPCと、これが無いPCでは、生産性や作業効率に格段の差が生じるからです。例えば、Office作業は、AI Copilot活用でプライオリティの低い作業は、激減すると思います。

2024年は、円安(7月161円/$)影響で、日本では高性能AI PCハードウェアは価格が高く手が出ません。2025年~2026年は、Win10サポート終了とAI半導体の安定供給時期が重なり、世界的なAI PC需要の伸びとハードウェア低価格化が期待できると思います。

AIノートPC代替ミニPC

ミニ PC - NucBox K8(出典:GMKtecサイト)
ミニ PC – NucBox K8(出典:GMKtecサイト)

現状のAI PCは、AIアシスタントとの相性が良いノートPCが主流です。しかし、筆者のように主にデスク上でPCを使う方は、ミニPCという選択肢もあります。

ミニPCは、簡単に言うとモニタなしのノートPCです。常時外付けデスクモニタと接続して利用します。ハードウェア構成は、ノートPCとほぼ同じで、モバイル性を犠牲にした代わりに拡張性があります。例えば、GMKtecNucBoxなどです。

ArmミニPCは、現在ラインナップに有りません。しかし、バッテリーを気にする必要が無いので、有力な高性能AI PCハードウェア候補と考えています。

2~3年先Windows OS予想

現行Win11 23H2の後継は、サービス期間2年想定のWin11 24H2です。この2年間(2024年~2026年)に、Win10サポートが終了しますので、Win11 24H2(またはWin11 25H2)の役目の1つが、多くのユーザ利用中のWin10代替OSでしょう。

Win10からWin11へのアップグレートは、TPM 2.0要件などありますが、大きな障壁ではありません。また、障壁回避アップグレード方法もあります。この意味で、Windowsユーザ離れは回避できると思います。

結局、現行x86/x64 Windows PCでも、2026年~2027年頃まではアップグレートWin11運用が可能です。

問題は、アップグレートWin11が、Microsoft想定のCopilot+ PC OSと異なる点です。つまり、高度なAI処理に手間と時間、電力消費が懸念される点です。但し、実際はどのようなAI処理をPCユーザが好み、どこにAI PCの大きな需要があり、それらを支援するAI OS機能は何かを見極める必要があります。

AI処理は、この見極めが必須なぐらいサービス/アプリによるソフトウェア負担も大きいのです。汎用的にAIをPCで活用するには、Copilot+ PCよりも更に高性能ハードウェア、例えば高TOPS NPUや大容量メモリが必要になると思います。

Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)
Windows Copilot Runtime(出典:Microsoft)

Copilot+ PCのAI OS処理は、Windows Copilot RuntimeがArmネイティブ動作のため、x86/x64比、電力効率に優れます。2024年~2027年は、従来のx86/x64 Win11と新しいArmネイティブOSの併存期で、Armネイティブ特性を活かすAIサービス/アプリとAI OS機能の見極め期間です。

例えば、Copilot+ PCのRecall検索機能は、導入前にプライバシー配慮に対する改善が入りました。パーソナルAIアシスタントとプライバシーは、セキュリティバランスを考慮したガイドラインなどが必要でしょう。

※既にWin11 23H2でもスクリーンショットがユーザ同意なしにピクチャライブラリへ自動保存(!?) されますが…。

次期Win12は、この新旧OS併存期の結果から「2025年~2026年末頃、本格的パーソナルAIアシスタントOSとして新登場」すると思います。

次期Win12はWin11からアップグレートできるか?

6月発売Microsoft Copilot+ PCのOSは、Armネイティブ動作Windows Copilot Runtimeを持つWin11 23H2です。このCopilot+ PCハードウェア構成のPCは、おそらく新しいWin12へアップグレートできるでしょう。

前章のAI OS見極め結果にも依りますが、Win12登場が遅れれば遅れる程、6月Copilot+ PCとのスペック乖離が進みます。筆者がWin12登場を遅くても2026年末としたのは、この乖離を少なくするためです。

逆に言うと、「Win12アップグレート最低条件が、6月Copilot+ PCスペック」となりそうです。

Summary:2~3年先Windows PC予想結果

ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)
ミニPCハードウェア利用のAI PC環境イメージ(出典:GMKtecサイト)

PCのAI処理を実用可能レベルで高速実行するにはハードウェア選びが肝心です。さらに、モバイルノートPC向けに、低電力動作も必須です。

本格的AI OSのWindows 12登場は、2025年~2026年と予想しました。このWin12アップグレート要件未達とならないよう、2025~2026年内に、出来るだけ高性能なAI PCハードウェア購入を検討中です。

有力候補に、バッテリー動作を気にする必要が無いミニPCハードウェア案を示しました。

Afterword:ネットカフェPCにWin11 23H2登場→Win12?

過去Win10のみであったネットカフェPCに、Win11 23H2搭載PCが登場しました。今後Win11比率も徐々に高まるでしょう。新しいWin12が、個人PCのNPU学習結果を、Microsoft Pluton SecurityプロセッサとOneDriveを使って同期できれば、公衆ネットカフェPCでもパーソナルAIアシスタントが使えます。

パーソナルAIアシスタントのクラウド化、これならOfficeが付いたOneDrive利用も喜ばれるでしょう!