OfficeのAI Copilot活用例

OfficeツールのAI Copilot活用例と効果
OfficeツールのAI Copilot活用例と効果

MicrosoftのAIアシスタント:Copilotを使うと、Microsoft Officeツールの生産性が、具体的にどう上がるのかを示す記事を見つけたので紹介し、要旨をまとめます。

Summary:OfficeツールのAI Copilot活用例と効果

Officeツール AI Copilot活用例 効果
Word ドラフト時短 ドラフト作成 より多くの時間を思考に使える
PowerPoint ドラフト作成 より多くの時間を思考に使える
Excel データ分析、グラフ化 データ可視化分析作業の短縮
Outlook 受信メール要約作成
返信メールドラフト作成
より効率的にメール送受可能
Word/PowerPoint 品質改善 改善ポイント指摘 客観的評価で作成品質を高める
Outlook 送信メール明瞭チェック より高品質メールの送信
PowerPoint 作成資料の想定質問生成 着想/想像力の幅拡張
全Office文書 貰ったOffice文書の内容分析 文書内容理解を早める

※Officeはサブスク型Microsoft 365を想定。買い切り型Officeでも同様になると推定。
※Copilotは現在GPT-3.5/4。より人間らしいGPT-4o Copilotになると推定。

OfficeツールのCopilot活用要旨が下記です。

  1. コンテンツ作成Word/PowerPointは、Copilotでドラフト作成時短
  2. 表作成Excelは、Copilotでデータ可視化と分析時短
  3. Copilotで作成資料の客観フィードバックをかけ、資料品質向上と発想/想像力の幅拡張
  4. 受信メール要約、送信メールドラフト作成、送信前メールのCopilot分析
  5. 貰ったOffice文書のCopilot分析、早期内容理解

AI Copilot処理時間

前章Copilot活用によりOffice生産性や生成資料品質は、上がります。但し、上表にはAI Copilotの処理時間がありません。AI処理が遅ければ、実務には使えません。

つまり、実務でAIを使うには、応答性の速さ:AIレスポンスが重要ということです。前投稿GPT-4oは、正にこのAIトレンド最先端技術です。ライバルのGoogle+Anthropicも対抗技術を開発するでしょう。

そして、応答速さの次は、コスト競争になります。これが、サブスク型Microsoft 365だけでなく、買い切り型Officeと無償Copilotでも、Microsoft 365と同様のAI効果が期待できると推定した根拠です。但し、Copilot出力確度は、有償版が上になるかもしれませんが…。

AI Copilotレスポンスを満たすエッジPC性能

AI普及には、エッジ側AI処理の比重を増やすことが必須です。クラウド側だけでAI処理すると、データセンタの消費電力が膨大になり、また、AIレスポンスも悪くなるからです(AIとクラウド消費電力は、コチラの投稿2章参)。

そこで、Microsoftが想定するエッジAI Copilotレスポンスを満たすPCの要求スペックが下記です。これらは、次期Win12システム要件になる可能性があります。

Copilotレスポンスを満たすエッジAI PCハードウェアスペック
プロセサ 登録済みCPUで、搭載NPUは40TOPS以上
メモリ 16GBのDDR5またはLPDDR5
ストレージ 256GB以上のSSDまたはUFS(Universal Flash Storage)

今年リリース予定のWin11 24H2が、OSコア変更にも関わらずWin12に改名しなかった背景は、上記ハイスペックPCが、簡単に調達できないためでしょう。

今PCを買うなら、このスペック以上にしないと、Win11 TPM 2.0足切りのように、Win12アップグレート不可になるかもしれません。

AI Copilot時代のWindows PC

AI CopilotとWindows結合がもたらすアプリ生産性向上
AI CopilotとWindows結合がもたらすアプリ生産性向上

Microsoft想定のAI PCハードウェアとWindows、Copilot、Officeの組合せは、Summaryで示したようにPCの使い方を根底から変える可能性があります。

コンテンツ作成は、AI Copilot準備ドラフトから着手するため、ユーザは、オリジナリティ豊かな独自コンテンツ生成に集中できます。さらに、生成コンテンツにCopilotで客観フィードバックをかけ、より高品質コンテンツに仕上げることも容易です。

また、大量メールもAI Copilotで事前に振分け、重要メールのみの対応も可能となるでしょう。

つまり、低順位Office業務は、全てCopilotが代行し、高優先業務のみユーザが行うWindows AI Copilot PCへと発展します。これは、本稿で示したOfficeツール例だけに留まりません。

Microsoftが、AI CopilotとWindowsの結合をにすれば、Office同様他のPC業務も、Mac/Linuxよりも高いPC生産性が期待できます。Microsoft製Copilotと他社Mac/Linuxとの結合度が低ければ、Windowsに比べ確度の低いAI出力となるからです。

※Edgeの前のMicrosoft製ブラウザ:Internet ExplorerとWindowsは密結合であった。が、確か独占禁止の点から、IEとWindowsは完全分離となった。CopilotとWindowsもIE同様、分離可能性はある。Microsoftは、Windows AI Copilot PC商用名を「Copilot+ PC」とし対抗気配。

AI普及2アプローチとエネルギー計画

WindowsとOfficeでシェアを持つMicrosoftは、本稿のようにCopilot活用のAI PCアプローチからAI普及を図ります。一方、PixelなどAndroidスマホのシェアを持つGoogleは、写真加工や画像認識、スマホ通話即時翻訳などAIスマホのアプローチからAI普及を図っています。

AI PCかAIスマホか、いずれにせよAIが、次世代の情報機器/通信/電力/半導体製造産業を牽引することは確実です。

現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)
現状のままでは2030年に世界総電力10パーセント程度をデータセンターが占める(出典:NTT STORY)

日本では経済産業省が、これら産業のエネルギー基本計画を策定しています。AI普及や最近の国際状況から、見直し議論も盛んになってきました。今後の動向に要注目です。

Afterword:長文言い訳

日本のエネルギー基本計画なども記述しましたが、筆者が言いたかったことは、Summary章「AI Copilot活用でOffice生産性は上がる」です。中でもOffice資料のCopilot客観フィードバックは、期待度大です。残念ながら本記事は、未だ全て手作業生成ですが…。

日経XTECHの元記事に、生産性向上の詳しい説明があります。この記事は、クラウドAI CopilotとMicrosoft 365を対象とし、クラウドAI Copilotの仕組み利用心得などの関連記事もあります。

ただ、クラウドAI処理は、電力不足懸念からエッジAI処理分散が必須で、この動きにマッチしたMicrosoftの Copilot+ PC登場ストーリとなり長文化しました。


文書作成ツール現状

次期買い切り型Office 2024を、Microsoftが今年後半に提供予定です。
現状Officeと、その対抗無償文書作成ツール:LibreOfficeの現状をまとめました。

Microsoft買い切り型Officeサポート期間

買い切り型Office メインサポート期間 延長サポート期間
Office 2019(2018年9月24日提供) 2023年10月10日 2025年10月14日
Office 2021(2021年10月5日提供) 2026年10月13日 無し
Office 2024(2024年後半提供予定) 2029年(5年推定) 不明

買い切り型Officeのサービスサポート期間を一覧にしました。買い切り型は、サポート期間中は機能変更やセキュリティ更新プログラムが購入ユーザへ提供されます。Office 2019までは、延長サポートがありましたが、Office 2021からは、延長サポートはありません。

従って、現行の買い切り型Officeユーザは、2025/6年10月までのサポート期間中は安心して運用できます。サポート期間後もそのまま使えますが、セキュリティリスクが高まります。

Microsoftは、このサポート期限がある買い切り型Officeサービスの代替として、1年単位サブスクリプション型Office 365(最大5ユーザ、1TB OneDrive付き)を現行Officeユーザへ勧めてきました。
※1ヵ月試用サブスクリプションあり。

サブスクリプション型Office 365は、常に最新機能や更新プログラムが適用されますが、ネットワーク接続が必須です。このネット接続が不可能なデバイスや医療検査機器を対象とした次期Officeが、提供予定のOffice 2024です。

もちろん、買い切り型OfficeユーザがOffice 2024を購入すれば、従来のOffice 2021と同様、ネット経由更新の最新Officeとして利用できると思います。サポート期間は、発売後5年が従来Officeでしたので、2029年と推定しました。

LibreOffice 24.2.1

LibreOffice

Windows/MacOS/Linuxクロスプラットフォーム動作でMicrosoft Officeに対抗できる無償文書作成ツールが、LibreOfficeです。

LibreOfficeには、最新機能を実装した約1ヵ月定期更新のLibreOffice最新版と、最新版へ数回分の更新プログラムを適用した約3ヶ月定期更新のLibreOffice安定版、これら2種類があります。

LibreOffice最新版は、リース年.月へバージョン表記が変わり、自動回復情報保存になりました。また、2024年2月リリースLibreOffice 24.2へ、3月2日、1ヵ月定期更新プログラムが適用されLibreOffice 24.2.1の提供が始まりました。

LibreOffice 24.2.1の詳しい解説は、LibreOffice日本語チームBlogにあります。ISO標準のODF(Open Document Format)形式文書やMicrosoft Office互換形式など、LibreOffice特徴や狙いが判ります。

弊社文書作成ツール状況

2023年10月のOffice 2019メインサポート終了を機に、弊社所有の4PC中3PCをサブスクリプション型Microsoft 365(旧Office 365)へ変更しました。残り1PCは、買い切り型Office 2021を継続使用中です。

クラウドMicrosoft 365と4PCのローカルOfficeアプリ(Microsoft 365とOffice 2021のWord/Excel)使用感に、差はありません。

但し、Microsoft Visioユーザは、買い切り型Visioの方が便利です。Microsoft 365でもVisioは使えますが、閲覧やテキスト編集向きです。本格的な図形編集は、Microsoft 365に別途高価なクラウドVisioを追加購入する必要があります。

弊社は、Visio図形編集には、コストパフォーマンスの良いLibreOfficeのDrawを使っています。Drawでも買い切り型Visioと同等の編集が可能です。

なお、弊社は、LibreOffice最新版DrawとWriterを数年間使用中ですが、特にトラブル無く運用できています。

Summary:文書作成ツール現状

文書作成ツール現状まとめ
文書作成ツール現状まとめ

PC文書作成ツールの買い切り型Microsoft Officeとサブスクリプション型Microsoft 365、これらの対抗無償ソフトウェアのLibreOfficeの現状をまとめました。

サポート期間、ネットワーク要件、サブスクリプション可否、有償/無償、Microsoft形式/ODF形式文書など様々なユーザ選択に応じた文書作成ツールがあります。

Afterword:文書作成ツールと生成AI

生成AI革命で成長するAIを個人教師/秘書的に使えば、従来(本稿)のようなユーザ自らが、1から書き始める文書作成は、オワコン(=流行が終わった過去のやり方)かもしれません。

しかし、ソフトウェア開発のAI関与に比べれば文書作成は、例えAI全盛になっても数少ない人間らしい営みの1つだと思います。

生成AI Copilotとの作業性から評価すると、Microsoft Officeの方がLibreOfficeよりも有利です。MicrosoftがCopilotを急成長させるのは、文書作成ツールを含む全Microsoftシェア拡大にCopilotが強く貢献するからだと思います。


Microsoft 365の2種ユーザインタフェース

Microsoft 365が、2種類のユーザインタフェース(UI)を持つことが判りましたのでレポートします。

メインストリームサービスが今年10月10日に終了したOffice 2019代替アプリとして、Windows 11 23H2クリーンインストのついでにインストしたサブスクアプリOffice 365。OfficeからMicrosoft365アプリ入替作業は、前稿のAfterwordに示しました。

今回は、Microsoft 365をローカルで使う場合と、クラウドで使う場合のUIの違いについて速報します。

ローカル/クラウドで異なるMicrosoft 365ユーザインタフェース

Microsoft 365は、ローカル動作のデスクトップアプリUIと、ブラウザ経由クラウド動作のクラウドアプリUIの異なる2種UIを持ちます。

Microsoft 365 WordデスクトップアプリUIとOffice 2019 Word UI(Office 2019削除のため2021で代用)
Microsoft 365 WordデスクトップアプリUIとOffice 2019 Word UI(Office 2019削除のため2021で代用)
Microsoft 365 WordクラウドアプリUIと無償Officeオンライン Word UI(クリップボードや挿入タブに機能差が見られる)
Microsoft 365 WordクラウドアプリUIと無償Officeオンライン Word UI(クリップボードや挿入タブに機能差が見られる)

365 Wordを例に説明します。デスクトップアプリWordは、見た目/操作/機能ともにOffice 2019 Wordと同じ、クラウドアプリWordは、見た目は無料オンラインWordに近いです。

つまり、Microsoft 365は、使う場所により同じWord文書でも編集UIが異なる訳です。

見た目が無料オンラインに近いクラウドアプリWordは、編集機能的にはデスクトップアプリと同じです。※現時点のMicrosoft 365状況に基づく。

無料オンラインWordは、一部編集機能を削除したOffice 2019/2021サブ機能版です。従って、本格的な文書編集は困難、出先での閲覧程度に筆者は使っていました。

しかし、Microsoft 365クラウドアプリは、デスクトップと同じフル編集機能を備えます。出先での文書編集などにも十分使えます。

但し、生産性を大きく左右するUIがデスクトップアプリと異なるのは、玉に傷ですが…。

無料オンラインOfficeはMicrosoft 365のティザー広告

ティザー広告とは、商品の断片的な情報・機能だけを公開し、ユーザ興味を引くことが目的のプロモーション手法です。新車広告によく用いられます。

次期カムリとして公開されたティザー写真(出典:トヨタ)
次期カムリとして公開されたティザー写真(出典:トヨタ)

無料オンラインOfficeは、Microsoft 365のティザー広告だと思います。無料版でも最低限の文書編集はできますが、通常利用には向いていません。

無料オンラインOfficeの機能不足やストレージ容量不足を感じるユーザは、サブスクMicrosoft 365へ移行すると解決します。

Microsoft 365クラウドアプリUIが、無料オンラインOfficeに似ているのは、この移行をスムーズにするためだと思います。

Summary:Microsoft 365の2種UIとAI生成カスタムリボン

Microsoft 365には、Office 2019/2021と同じUIを持つローカルデスクトップアプリと、無料オンラインOfficeに似たUIを持つクラウドアプリの2種類があります。どちらのアプリも編集機能は同等です。

デスクトップとクラウドでUIが異なるのは、無料オンライン版からクラウドアプリへの移行をスムーズにするためや、Edge/Chrome/Firefoxなど様々なブラウザ経由アクセスのため、だと思います。

UIは異なりますが機能的には同じです。Office文書編集は、外出中でもデスクトップと同じようにクラウド上でも可能です。ローカル文書とクラウドOneDrive文書を常時同期に設定すれば、作成文書の保存・編集が場所やデバイスによらず可能になります。

1TBもの大容量OneDriveを、Microsoft 365が提供するのも、ローカルとの常時同期のためだと思います。文書に加え、様々な素材もOneDriveへ保存可能です。※大容量同期には高速ネットPC接続も必須。

現在UIが異なるのは残念です。話題のAIにより、使用頻度に応じたカスタムリボンを生成し、デスクトップ/クラウド共通UIとして追加、統一化できると、生産性が高く場所/デバイス依存性も無いMicrosoft 365になり嬉しいです。

Afterword:LibreOffice Community(最新版)7.6.3更新

Windows/Mac/Linuxマルチプラットフォーム動作で、Microsoft文書形式はもちろん、ISO標準ODF:Open Document Format形式サポートの無償文書作成ツール、LibreOffice Community(最新版)が7.6.3へ更新されました。

マルチプラットフォーム+ODF形式&Microsoft形式サポート+無料が、LibreOffice特徴です(関連投稿: Windows代替PCのLinux動作が嬉しいLibreOffice)。

Windows/Mac+Microsoft形式&ODF形式サポート+Microsoft Account&OneDrive+サブスクが特徴のMicrosoft 365とLibreOfficeの対比が、今後楽しみです。


Windows 11クリーンインストメモ

Windows 11 22H2をWin11 23H2へアップグレートしたところ、エクスプローラが動作しません。様々な対策でも治りません。結局、Win11 23H2のクリーンインストールで解決しました。

本クリーンインストールで得た情報をメモとして残します。

Summary:Win 11 23H2クリーンインストールメモ

・Win11 23H2クリーンインストは、Win11付属回復ツール、または、Rufusツールを使う2方法あり。

・回復ツールは、個人ファイル保持、アプリ&設定&個人ファイル全削除の2オプションあり。
・回復ツールのWin本体は、クラウド経由ダウンロード、または、PC内から回復。
・回復ツールは、まっさらでクリーンなWindowsを回復。
・クリーンWindowsは、MicrosoftオンラインアカウントとOneDrive利用が前提。
・ネット接続速度が遅い、または、OneDrive同期を使わないユーザには不向き。

・Rufusツールは、Win11アップグレードと同じ方法でクリーンインスト。
・Rufusツールは、個人ファイル保持、アプリ&個人ファイル保持、アプリ&個人ファイル全削除の3オプション。
・クリーンインストのみの回復ツールに対し、Rufusはクリーンインストや既存アプリを残しOS再インスト可能。
・既存アプリを残す場合は、OSトラブル継続の可能性も残る。
・クリーンインスト中のWindowsユーザエクスペリエンスは、アップグレートと同じ要件設定可能。

・Win11 23H2クリーンインスト時間は、回復/Rufusどちらの方法でも丸1日程度必要。
・インスト中は、PCモニタ前から離れ難いので、文庫分などを片手に気長に処理終了を待つ心がけ必要。

筆者は、Rufusツールで個人ファイルのみ保持し、Win11 23H2クリーンインストを行いました。エクスプローラ非動作が治り、現在、安定動作しています。

3年ぶりのWindowsクリーンインストール

弊社は4台のWin11 PCを所有しています。エクスプローラ非動作PCは、2020年Win 10から使ってきました。Win10時代は、何回かOSクリーンインストールをしました。しかし、Win11にアップグレード後は、他の3PCを含めクリーンインストは不要でした。振り返ると3年ぶりのWindowsクリーンインストです。

3PCは、問題なくWin11 23H2へアップグレードし安定動作中です。問題のPCと他PCの搭載アプリケーションは、同じです。原因は、よく言われる相性でしょうか? 相性起因ならクリーンインストしか手は無いことは、過去の経験上知っています。

そこで、ネット上の様々なエクスプローラ非動作対策を試しました。例えば、CCleanerを使う、エクスプローラ非動作レジストリを手動で動作時へ戻す…などなどです。が、結局Microsoftサイト記載のシンプルな対処方法の3番目、Windows再インストに帰着しました😭。

Microsoftサイトのエクスプローラ非動作対処
Microsoftサイトのエクスプローラ非動作対処

Win11 23H2クリーンインストール2方法

Win11 23H2クリーンインストは、Windows付属回復ツールを使う方法とRufusを使う方法の2つあります。お勧めは、Rufus方法です。先ずは、MicrosoftサイトのWindows付属回復ツールの方法を説明します。

Win11付属回復ツールのクリーンインスト

付属回復ツールは、Windowsキー+Iキーで表示されるダイアログの、システム>回復で行います。更に回復は、「個人用ファイルのみ保持」と、「個人用ファイル&アプリ&設定の全てを削除」の2オプションがあります。

Win本体のクリーンインストは、両オプションともクラウド経由ダウンロード、または、動作PCローカルから行う選択肢があります。

Win付属回復ツールは既存アプリや設定は削除
Win付属回復ツールは既存アプリや設定は削除

クラウド経由は、ネット接続速度が遅い場合、Win本体ダウンロードに時間が掛かります。PCローカルから行う方法は、ローカルシステムに損傷などが無いことが絶対条件です。

どの方法でも付属回復ツールは、「既存アプリやOS設定は削除」します。従って、まっさらでクリーンなWindowsが回復します。

また、クリーンインスト後、最初のWin11 23H2起動時に、個人用ファイルとOneDrive同期を自動的に開始します。ネット接続速度が遅い場合、これは問題です。個人用ファイルを削除した場合はもちろん、残した場合でも同期完了までに時間が掛かるからです。

付属回復ツールは、MicrosoftオンラインアカウントとOneDrive利用が前提です。Microsoft推薦Windowsの使い方で、ネット接続速度も速いユーザには適した方法です。

Rufusツールのクリーンインスト

お勧めのRufusを使うクリーンインスト方法は、Win11 23H2アップグレード方法と同じです。

違いは、旧22H2からRufus作成のSetup.exeを実行するか、または、問題発生の23H2からSetup.exeを実行するかのみです。前者がアップグレート、後者がクリーンインストです。

つまり、Rufusは、ダウンロード済みWindowsを、ユーザ設定に基づいてPCへインストするだけです。旧バージョンへ実行すればアップグレート、既存バージョンへ実行すればクリーンインストツールになる訳です。

但し、本PCはエクスプローラが動作しませんので、Windowsキー+Rキーでファイル名指定実行ダイアログを表示し、Rufus作成Setup.exeを参照実行しました。

Rufusの方法は、「個人データのみ保持=アプリは削除」、「アプリ&個人データともに削除」、「アプリ&個人データともに保持」の3オプションがあります。初めの2オプションは、付属回復ツールと同じ、最後がRufus独特のオプションです。

付属回復ツールと同様、まっさらなWindowsにするには、アプリ削除が必要です。

しかし、既存アプリ全ての再インストは手間と時間が掛かります。従って、トラブル原因アプリが明確な場合には、そのアプリのみをクリーンインスト前に手動で削除し、その後、アプリ&個人データ保持で再インストすることもできます。

このように、クリーンインスト自由度が高いことがRufusお勧めの理由です。

付属回復ツールがOS完全クリーンインストのみを行うのに対し、Rufusツールは既存アプリも残しつつOS再インストもできる訳です。従って、トラブル継続の可能性も残りますが、その分アプリ再インスト手間は減ります。

また、ネット接続速度が速いカフェなどで別途Win 11 23H2ダウンロードを行えば、Rufusツールの事前準備は済みますので、付属回復ツールに比べ作業時間が短くなります。Windowsユーザエクスペリエンスも、アップグレード要件回避と同じ設定が使えます。

Rufus 4.3のアップグレード要件回避ダイアログ
Rufus 4.3のアップグレード要件回避ダイアログ

クリーンインストールお役立ちツール

その他、Win11クリーンインスト時に役立つツールを紹介します。

PGLST:既存インストのアプリリスト作成ツール。Win10用だが、Win11でも動作。クリーンインスト後、アプリを再インストする際に役立つ。

Refreflect_home(無償版):SSD/HDDクローン作製ツール。無償期間中でも、他クローンツールにはできない容量減少クローンもできる。クリーンインスト前SSD/HDDは保持し、別SSD/HDDでクリーンインストオプションを試すなどの際に役立つ。

ExploerPatch:Win11タスクバーを、Win10同様の左右サイド配置や透明化も可能にするツール。Win11 23H2でもWin10タスクバー復活が出来るのは嬉しい。但し、OSトラブル確率も高まるらしい。また、タスクバー右サイド配置は、Win 11 Copilotの動作と重なり煩わしい。お勧めはしないが嬉しいツール。

Afterword:ついでにOffice 2019からMicrosoft 365へアプリ変更

アプリクリーンインストのついでに、2023年10月10日にメインストリーム終了のOffice 2019を、年額払いサブスクリプション型Microsoft 365へ替えました。1TBもの巨大クラウドストレージが使えます。

文書作成アプリを、買い切り型Office 2019/2021からサブスクリプション型Microsoft 365へ変えるユーザは、今後増えると思います。そこで、Office 2019からMicrosoft 365へのアプリ変更作業をメモに残します。

・Microsoft 365インスト前に、Office 2019アプリ完全削除必須。専用ツールをMicrosoft用意。
・完全削除ツールは、同時にVisio 2019もPCから削除。個人Officeファイルは残る。
・削除後、新にMicrosoft 365(Word/Excel/PowerPoint/Outlook/OneNote)をPCへインスト。
・現在のMicrosoft 365のWord/Excelは、Office 2019のWord/Excelと見た目、操作同じ。
・個人Office 2019ファイルのMicrosoft 365読込み問題なし。
・Microsoft 365クラウドアプリに筆者がよく使うVisioあり。その他多くのクラウドアプリあり。

Microsoft 365アプリ一覧
Microsoft 365アプリ一覧

・Microsoft 365個人ファイル保存先は、ローカル、クラウドストレージ、両方可能。同期も可能。
・Microsoft 365本体ダウンロードは、直ぐに終わると表示されるが、高速ネット必要。

今後PCには、少なくとも100Mbps以上のネット接続は必要と感じたWin11クリーンインストでした。


Windows 11 23H2アップグレードまとめ

Windows 11 23H2アップグレード通知
Windows 11 23H2アップグレード通知

弊社Windows 11 22H2に、23H2アップグレード通知が届きましたので23H2へ自動更新しました。別のWin11 22H2は、手動で23H2へアップグレートを行いました。

Win11 22H2から23H2へのアップグレードをまとめ、23H2特徴のAI Copilot評価、Windowsの今と今後を分析します。

Summary:Win11 23H2アップグレード2方法

日本時間2023年11月1日、一般提供開始Windows 11 23H2のアップグレード方法は2つあります。

1つが、上図Windows Updateに届く23H2アップグレード通知を待って「自動」で行う方法、もう1つが、MicrosoftサイトからWin11 23H2ディスクイメージ(6.15 GB)をダウンロードし、「手動」で23H2へアップグレードする方法です。

自動方法は、通知後、ダウンロードとインストールをクリックすると、数分で23H2アップグレードが完了します。これは、9月末の更新プログラム(KB5031455)がPCへインストール済みのためです。

既に配布済み更新プログラムの有効化が、ダウンロードとインストールのクリックですので、アップグレードは数分であっけなく終わります。また、従来アップグレードのWindows.oldフォルダも作りません!

但し、23H2アップグレード通知が届くのは、アップグレード要件など様々なチェックをバックグラウンドで行った結果です。従って、いつアップグレード通知が届くか不明な点が欠点です。

一方、手動方法は、Win11 23H2ディスクイメージダウンロードに時間が掛かる欠点があります。しかし、利用者の都合が良い時に、アップグレードを開始できる点、Rufusを使うと自己責任でいくつかのアップグレード要件を回避できるなどの利点があります。

Rufus 4.3のアップグレード要件回避ダイアログ
Rufus 4.3のアップグレード要件回避ダイアログ

弊社は、Win11 23H2へアップグレードを自動、手動の2方法で行い、どちらも成功しました。※万一のトラブルに備えて事前バックアップは忘れずに!

手動方法の詳細は、コチラを参照ください。

Win11 23H2のAI Copilot

Win11 23H2は、22H2比、150以上もの新機能が搭載されました。但し、これら新機能は、制御された段階的機能ロールアウト(Controlled Feature Rollout、CFR)の対象です。簡単に言うと、使える新機能は、PC毎に異なります。

新機能のAI Copilotは、注目度が高く、アップグレードした弊社PCでその実力を試しました。結果は、現時点ではAI回答は未熟だと思います。Microsoft 365とOffice 2019の例で示します。

AI Copilot質問:Microsoft 365はOffice 2019を読み込めますか?

メインストリーム終了Office 2019の代替アプリとして、Microsoft 365を検討中の方は多いと思います。

そこで、Microsoft 365とOffice 2019の互換性、同時インストールの可否などをAI Copilotへ質問しました。

Win11 23H2のAI Copilotは、Win+C、またはタスクバーのCopilotクリックで起動します。すると、右サイドにポップアップ領域が現れ、ここにAIへの質問と回答が、スマホアプリケーションのように表示されます。

縦長エリアに、関連クラウド情報を集め、要約文の形式で回答しています。

AI Copilot質問:Microsoft 365とOffice 2019互換性
AI Copilot質問:Microsoft 365とOffice 2019互換性

ブラウザで別途検索するよりも、効率的に回答が得られる点は、評価できます。また、Microsoft 365とOffice 2019の同時PCインストールについて言及している点も気が利いています。

しかし、Office 2019を使用中で、Microsoft 365を追加インストールする背景を想定していない点は残念です。

AIは、学習経験を経て徐々に賢くなります。半年後、1年後に同じ質問をした時の、回答が楽しみです。

Windowsの今と今後

筆者はWin11 23H2の役目を、Win 10からの決別、Win11の1年延命、Win12のAI Copilot学習教育、これらだと推測します(Win12は、2024年秋発売見込み)。

つまり、Win11 22H2へ、Win12のAI機能を、プレビュー的に追加したのがWin11 23H2です。

仮に、Win11 23H2のAI機能を使わない場合は、22H2と何ら変わらず、メインストリーム期間が1年延びただけです。Win11 23H2が、22H2の小変更版と当初言われたこと、自動アップグレードではWindows.oldフォルダを作らないこととも合致します。

※Windows.oldは、アップグレード前Windowsに戻すための巨大自動生成フォルダ。手動方法は生成。

Windows 11 22H2とWindows 11 23H2のOSビルド番号差は少ない!
Windows 11 22H2とWindows 11 23H2のOSビルド番号差は少ない!

精度良いAI回答には、AIそのものの学習が必要です。Win11 23H2のAIをプレビューとした訳は、このAI学習、調査が主目的だからです。

どのような質問を一般ユーザがAIへ行うか、どのように回答するとユーザが満足するか、AIに適すユーザインタフェースはどのようなものか、などなど本格的AI Copilot実装には様々なAI自身の学習とユーザ調査が不可欠です。

Win11は、Microsoftが最後のWindowsと言っていたWin10とコア共通の中途半端OSと言われ続けてきました。Win11が不人気なのも、この中途半端さが原因です。Microsoftは、2024年新発売AI Win12を中途半端と言われない本格版にしたいのでしょう。

※Win10/11は、CUI/GUIが基本操作の古いタイプのOSです。

新しいAI機能を持つWin12は、AI処理に高性能CPUや高速ネットワーク接続が必要になるかもしれません。古いタイプのOSと異なるAI Win12の要件抽出が、Win11 23H2の役目です。そして実質Win11の最終版になると思います。

Win11 23H2は、150以上あるCFR機能をメインストリーム期間の2年間で小出しにしつつ、AIとユーザレスポンスを基に、古いタイプのOSと抜本的に異なる新しいAI Windows 12へ発展すると分析します。


業界激震:Microsoft 365顧客にAmazon

買い切り型Officeは2026年全サービス終了、サブスクリプション型Office 365(=Microsoft 365)移行が必要と先日投稿しました。これ関連のAmazonがMicrosoft 365顧客になるというクラウド業界激震ニュースが、Business Insiderで10月19日報じられました。

クラウド業界激震:AmazonがMicrosoft 365を巨額契約
クラウド業界激震:AmazonがMicrosoft 365を巨額契約

契約規模

AmazonのMicrosoft 365購入は、100万ライセンス以上、5年間で10億ドル(=1490憶円)を超える規模です。Amazon社員、顧客実務担当者の両方が、このMicrosoft 365を使います。巨額契約です。

契約要因は生成AI

詳細記事は、ImpressクラウドWatchに掲載されています。概要が以下です。

クラウド版Microsoft 365は、Amazon社員のPCへWord/Excel/PowerPoint/Outlookなどの最新Officeツール、Teamsなどの会議ツール、大容量クラウドストレージOneDriveを提供します。Microsoftは、これらツールへ生成AIを活かした機能追加を頻繁に行っています。最新例は、Microsoft EdgeのAI画像生成です。

Amazonが自社会議ツール:Chime、オンラインストレージ:WorkDocsから、競合他社Microsoft 365への変更要因の1つが、生成AIです。AI活用で、更なる生産性向上が見込まれるからだと思います。

AmazonのMicrosoft 365移行は、2024年前半完了の予定です。

CUI、GUIに次ぐPCインタフェース:AI Copilot

PC生産性を下げるのは、CUI/GUI(キャラクタ/グラフィカル ユーザインタフェース)の煩わしい操作です。これを自然言語対応のAI Copilotで代用すれば、生産性は向上します。AI Copilotが、CUI/GUIの次の新しいPCインタフェースと言われるゆえんです。

CUI/GUIベースのPCヘルプは、使い物になりません。これがAIベースヘルプに変れば、最終目的への最短操作や処理を、自動的に行う事も可能になるでしょう。

例えば、会議議事録生成や、長い文書の要約・校正などです。既に一部AIが使われているこれら機能を、もっと手軽に、しかも高精度に活用できれば、ユーザ能力をより高度な処理へ使えます。

Summary:AmazonのMicrosoft 365移行が当然と考えるユーザ進化

AI激震を受ける側か、AI起因テクノロジ変化に追随できる側か
AI激震を受ける側か、AI起因テクノロジ変化に追随できる側か

高精度なAI訓練は、一国の消費電力を超える可能性もあるという記事があります。対策に、電力効率100倍の次世代ネットワークIWONや、生成AI対応済みCPUなども発表されています。

AIは、現在のテクノロジ全てに影響を与え、変化を起こす可能性があります。クラウド業界激震ニュースAmazonのMicrosoft 365移行は、AIによるテクノロジ変化の1つと言えます。

エンドユーザは、今後現れるAI起因テクノロジ激変を注意深く観察し、今回のAmazon Microsoft 365移行が当然と考える側への進化が必要です。

さもないと、AI時代遅れとなり、激震を常に受ける側になりかねません。

Afterword:AI苦手意識薄れる

AIのFuzzyさや、勝手にデータを利用されるのは嫌だ、という感覚がありました。

しかし、最近の技術資料にAI記述の無いものはありません。MCUとAI投稿で書いたように、仕組みよりその効果を活かせれば良い、と思うようになりつつあります。

また、目的取得手段として最初にAIを使うのも時短効果があります。短縮時間をより高度な思考へ繋げれば良いからです。

AIに洗脳された訳ではありません。しかし、筆者のAI苦手意識がだんだん薄れていくこの頃です。