Copilot+ PC CPU 25年1月現状

20251月時点のCopilot+ PC対応ノートPC搭載Intel x AMD x Qualcomm 3社の現状が良く判るPart1Part2Part3記事を見つけました。

図表が多く判り易いのですが、長文なので前投稿Chrome追加Copilotを使って要約し、Intel x AMD x QualcommAI CPU比較表にまとめました。

SummaryIntel x AMD x Qualcomm AI CPU比較表(20251月編)

高性能AMD、中庸Intel32GB SoCメモリ)、低電力+最新AI動作Qualcommが表に現れています。

20246Copilot+ PC発表直後のMicrosoft Surface Pro40万円に比べれば、20万円前後でAI PC製品価格もこなれてきました。

弊社採用予定ミニPCCPUで考えると、AMD優位は変わらずです。Armネイティブ動作の高度AIアプリベンチマークが、Qualcomm圧勝なら再考ですが、251月時点では見極め困難なためです。

251月現在

Intel
Core Ultra 200

AMD
(Ryzen AI 300)

Qualcomm
(Snapdragon Elite)

CPUSoC

Core Ultra 7 258V Ryzen AI 9 HX 375 Snapdragon X Elite X1E-78-100

x86/x64互換

互換 互換 非互換(Armベース)

NPU

47TOPS 55TOPS 45TOPS

製品実装メモリ

32GBオンチップ 32GBオンボード 16GBオンボード

バッテリー維持

20時間(64Wh 21時間(68Wh) 26時間(59Wh
バッテリー駆動時間圧勝

ベンチマーク

シングルスレッド優位
(
ビジネスアプリ互角)
マルチスレッド圧勝
(
ビジネスアプリ互角)
スコアやや低下だが大勢影響小
(Arm
ネイティブアプリ小)

高度AI機能

未動作 未動作 リアルタイム翻訳など動作

CPU特徴

低発熱性に優れる 性能追及ユーザー向け 長時間バッテリー動作に優れる
  • Copilot+ PC要件を満たすHP(ヒューレットパッカード)14インチノート3製品実装AI CPUを比較
  • 製品差別化のためIntel>AMD>Qualcomm価格差あるが同一価格帯PC
  • x86/x64互換Intel/AMDと非互換Qualcommベンチマーク比較は目安。高度AIアプリはQualcommのみ動作中(24年11月アップデートでIntel/AMDも動作とMicrosoft発表あるが未動作)。
  • 202412Arm対応アプリ一覧はコチラ
  • 2025年後半に次期Lunar LakePanther Lake投入をIntel発表

比較表作成手順

Copilotを利用した本稿AI CPU比較表の作成手順が以下です。

Part1からPart3は、PCの製品紹介も兼ねているので図表が多く判り易い資料です。従って、それぞれをPDF A4出力し結合すると、全46ページにもなります。内容が濃いので、一読をお勧めします。

さて、長文のため結合PDF1500字程度要約をCopilotへ依頼しました。Copilotは、僅か数秒で1673文字の要約を出力しました。要約出力は、とても良い出来です(AfterwordCopilot要約添付)。

Copilot利用AI CPU比較作成手順
Copilot利用AI CPU比較作成手順

筆者がこのCopilot要約を使って結合PDFを再読し、Intel x AMD x QualcommAI CPU性能比較のためにピックアップしたのが、最初の表です。

※「製品ではなくCPU比較表にまとめて」とCopilotへ要求すれば、もっと簡単に答えが得られたかもしれません。しかし、そこまでAI任せにせず、筆者自身が要約を元に最新AI CPU状況を把握した結果を表化しました。

AfterwordCopilot生成要約

このPDFは、IntelAMDQualcomm3つのプラットフォームを搭載した14AI PCの比較を行っています。以下はその要約です。

### 概要

2024年の大きなトピックである「AI PC」に焦点を当て、Microsoftが定義する「Copilot+ PC」の要件を満たす3つのプラットフォーム(IntelAMDQualcomm)を比較しています。これらのPCは、Windows 11で新たに追加された機能を利用可能です。

### 比較対象のモデル

  • **Intel**: HP OmniBook Ultra Flip 14-fh(Core Ultra 7 258V搭載)
  • **AMD**: HP OmniBook Ultra 14-fd(Ryzen AI 9 HX 375搭載)
  • **Qualcomm**: HP OmniBook X 14-fe(Snapdragon X Elite X1E-78-100搭載)

### スペックと特徴

  • **Intelモデル**: 14型有機ELディスプレイ(2880×1800ピクセル)、最大400ニトの高輝度、タッチ操作とペン対応、Thunderbolt 4対応のUSB Type-C端子3基、約900万画素のWebカメラ、クアッドスピーカー、重量約1.34kg。
  • **AMDモデル**: 14型液晶ディスプレイ(2240×1400ピクセル)、最大300ニトの輝度、タッチ操作対応、Thunderbolt 4対応のUSB Type-C端子2基、USB Standard-A端子1基、約900万画素のWebカメラ、クアッドスピーカー、重量約1.57kg。
  • **Qualcommモデル**: 14型液晶ディスプレイ(2240×1400ピクセル)、最大300ニトの輝度、タッチ操作対応、USB4対応のUSB Type-C端子1基、USB 3.2 Gen 2対応のUSB Type-C端子1基、USB Standard-A端子1基、約500万画素のWebカメラ、デュアルスピーカー、重量約1.34kg。

### ベンチマークテスト結果

  • **CINEBENCH 2024**: マルチスレッド性能ではAMDモデルが突出したスコアを記録。シングルスレッド性能ではIntelモデルが優位。
  • **Geekbench 6**: CPUテストではAMDモデルが強く、GPUテストでも優位。
  • **CrystalDiskMark 8.0.6**: ストレージ性能はQualcommモデルがやや劣るが、他の2モデルは公称パフォーマンスを発揮。
  • **3DMark**: IntelモデルとAMDモデルがほぼ互角だが、若干Intelモデルが優勢。
  • **PCMark 10**: 総合的な性能ではAMDモデルが強く、特にクリエイティブ系のテストで優位。

### バッテリー駆動時間と動作音

  • **バッテリー駆動時間**: Qualcommモデルが最も長く、次いでAMDモデル、Intelモデルの順。
  • **動作音**: 高負荷時にはIntelモデルが最も静音で、QualcommモデルとAMDモデルは動作音が大きい。

### 発熱と放熱性能

  • **発熱**: IntelモデルとAMDモデルはヒンジ部からキーボード中央部にかけて熱を帯びるが、パームレスト部までは伝わらない。Qualcommモデルはボディー左奥が中心に発熱。

### AI体験

  • **Qualcommモデル**: Arm版Windows 11が先行しており、イメージスケッチやリアルタイム翻訳字幕などの高度なAI機能を提供。
  • **IntelモデルとAMDモデル**: 近日中に同様のAI機能が実装予定。

### 結論

それぞれのモデルは異なる特徴を持ち、用途に応じて選択が可能です。Intelモデルは省スペース性と低発熱性に優れ、AMDモデルは高性能を求めるユーザーに適しており、Qualcommモデルは長時間駆動とコストパフォーマンスに優れています。

ChromeのCoPilot追加方法とメリット

ブラウザ拡張機能を使ってChromeMicrosoft CoPilotを追加する方法を示します。

ChromeのみでCoPilotGemini両方が使える、LibreOfficeからMicrosoft OfficeAIアシスタントが使える、LinuxMacユーザがCoPilotを使えるメリットがあります。

AIコンシェルジェとAIアシスタント

Google GeminiAIコンシェルジェ使用例がTV CM(1:15)中です。

人気商業設備や地図に強いGoogleは、この分野へAI機能を投入し「AIコンシェルジェ」のGemini普及に積極的です。

一方、Officeで圧倒的なシェアを誇るMicrosoftは、要約(0:30)など文書作成を助ける「AIアシスタント」のCoPilot普及を狙っています。

これらAI機能は、今後誰もが普通に使うAIサービスになると思います。但し、Google/Microsoft共に顧客囲い込みのため、自社ブラウザEdge/Chromeからのサービスとして提供中です。

ブラウザ拡張機能

CoPilot Extensions For Chromeは、ブラウザマーケット世界シェア67%を超えるChromeに、Microsoft CoPilotを追加する拡張機能です。

Chromeに追加」クリックでインストール後、Chrome左上の「拡張機能アイコン」をクリック、インストールしたCoPilot拡張機能横の「ピン」をクリックすると、ツールバーにCoPilotアイコンが固定できます。

Microsoft EdgeのCopilot機能をChomeブラウザへ追加する方法
Microsoft EdgeのCoPilot機能をChomeブラウザへ追加する方法

 

固定したCoPilotアイコンをクリックすると、Microsoft Edgeと同様にChromeからCoPilotが使えます。但し、利用時Microsoftアカウントは必要です。

従ってEdgeChrome2つのプラウザを使用中の方は、この拡張機能はムダに思いえるかもしれません。が、そうでもありません。

現在AI処理は、殆どをクラウド側で行います。ブラウザ経由で吸い上げたユーザ情報を基にクラウドAIが推論します。2つのブラウザを使い分けるよりも、Chromeだけを使う方が、より精度の高いAI推論が期待できるのがその理由です。

また、この拡張方法は、Windows以外のLinuxMacユーザが、Chromeブラウザから話題のMicrosoft AI CoPilot機能を使えるメリットもあります。

LibreOffice最新版24.8.4

Windows/Mac/Linuxマルチプラットフォーム動作で無償のLibreOffice最新版24.8.4が、昨年1219日リリースされました。

公式YouTubeチャネルに多くの使用例があるように、OfficeCoPilotAIアシスタント機能をセットにし、Office+CoPilot(Windows)シェア拡大がMicrosoftの狙いです。

ところが、この文書作成AIアシスタント機能は、LibreOfficeからも使えます。前章のChromeに追加したCoPilotを活用すれば良いのです。

勿論OfficeCoPilotの方が便利です。CoPilot出力がMicrosoft Officeの独自ファイル形式docx/xlsx/pptxだからです。ただこのファイル形式は、LibreOfficeで読書き可能です。

従って、ファイル形式にさえ注意すれば、Officeと同様のCoPilot AIアシスタント機能を、ChromeCoPilot経由でLibreOfficeから利用できます。

SummaryChromeMicrosoft CoPilotを追加する方法とメリット

CoPilot Externtion for Chrome
CoPilot Externtion for Chrome

 

拡張機能を使ってシェア6割を超えるGoogle Chromeブラウザへ、Microsoft AI CoPilot機能を追加する方法と、下記メリットを示しました。

  • ChromeのみでAIコンシェルジェ:GeminiAIアシスタント:CoPilot両方を使える
  • 上記Chrome経由でOffice AIアシスタントCoPilot機能をLibreOfficeでも使える
  • 上記Chrome経由でLinuxMacユーザがMicrosoft CoPilotを使える

Afterword:今年10月はWindows 10/Windows 11 23H2サービス終了

2025年はPCハード/ソフトのAIによる変革期です。10Win10/Win11 23H2サービス終了を機に、従来Win PCから新たにLinuxMacへ乗換え検討中の方も多いでしょう。そんな方に役立つ情報も、Windowsカテゴリに投稿していきます。

本稿は、Microsoft CoPilotGoogle Chromeから使うTipsでした。本年もよろしくお願い致します。


Windows 11 24H2アップグレード回避注意点

Windows 11 24H2アップグレードを止め、Win11 23H2に維持する時の注意点を示します。弊社4PCは、LAN接続トラブルのため20253月末までWin11 23H2運用を決めました。しかし、各PCへ、Microsoftからしばしば鬱陶しいWin11 24H2アップグレード催促があります。

しつこいWin11 24H2アップグレード催促

年末にWin11 24H2アップグレード通知が来る方も多いでしょう。Win11 23H2維持かWin11 24H2アップグレードかは、ユーザが選択可能です。しかし、その選択は間違い易いので注意が必要です。

Win11 23H2は、Win10と同一OSコアで、従来ソフトウェア/アプリと互換性を維持したWin11です。一方、Win11 24H2は、言わばAI対応Copilot+ PC用次期Win12βテスト版、OSコアもWin10から大幅変更したため何かとトラブルが多いWin11です(詳細Win11 24H2目的とWin12参照)。

しかも、多くのAI機能は、Copilot+ PC仕様以上でないと動作しません

弊社はWin11 23H2維持のために、コチラのグループボリシー設定でアップグレードを無効化しました。しかし設定後、数日すると再び下図Win11 24H2アップグレード催促メッセージが出力されます。つまり、手動アップグレード無効化は、Win11 24H2催促回数が減るだけの効果です。

しつこい24H2アップグレード催促メッセージ
しつこい24H2アップグレード催促メッセージ

但し、24H2ダウンロードとインストールをクリックしない、または、オプションの更新プログラムで24H2を選択しなければ、勝手にWin11 24H2へ更新されることはありません。

逆に、どちらかを間違って選択すると、Win11 24H2アップグレードが始まります。間違い易いのは、他の更新プログラムが多数ある場合です。

Win11 23H2セキュリティ更新は通常どおり配布

筆者が、前章の手動アップグレード無効化で気になったのは、手動で固定化したWin11 23H2へ果たして通常どおりWindowsセキュリティ更新が配布されるかでした。

これは、1211日のセキュリティ更新が、固定Win11 23H2へも配布されましたので問題ありません。

つまり、前章のWin11 24H2催促プログラムと、通常のWin11 23H2セキュリティ更新プログラムが多数ある時に、間違わずに23H2を選択すれば、ユーザが望む間はWin11 23H2として運用できます。

2025Windowsセキュリティ更新スケジュール

さて、2025年のWindowsセキュリティ更新スケジュール、いわゆるPatch Tuesday発表されました。日本では、水曜午前3時頃から配布開始されます。

Win11 23H2Win10サポート終了は、20251014日です。この日までにWin11 24H2アップグレードが必須ですのでご注意ください。

2025年予定 Pacific Standard Time (US) 日本時間午前3
1 14日(火曜) 15日(水曜)
2 11日(火曜) 12日(水曜)
3 11日(火曜) 12日(水曜)
4 8日(火曜) 9日(水曜)
5 13日(火曜) 14日(水曜)
6 10月(火曜) 11日(水曜)
7 8日(火曜) 9日(水曜)
8 12日(火曜) 13日(水曜)
9 9日(火曜) 10日(水曜)
10 14日(火曜)

Win11 23H2/Win10サポート終了

15日(水曜)
11 11日(火曜) 12日(水曜)
12 9日(火曜) 10日(水曜)

SummaryWindows 11 23H2維持注意点

Windows 11 24H2アップグレードを止め、Win11 23H2として維持する時の注意点を示しました。

Win11 23H2として維持運用するには、煩わしく出力されるWin11 24H2催促プログラムと、Patch Tuesdayに配布されるWin11 23H2セキュリティ更新プログラムを、間違わずに選択しインストールすることです。

Afterword:来週27日は投稿休み、次回13

今年の金曜投稿は、本稿が最後です。次回は、202513日(金)に投稿します。

皆様、今年も本ブログをご覧頂きありがとうございました。良いお年をお迎えください。


Windows 11 24H2目的とWindows 12

2024年も残すところ2週間。MCU開発者の筆者には、開発基盤Windows 11変化に困惑した年でした。

ソフトウェア開発者の主業務:コーティングは全体の僅か25%程度、これ以外の75%は資料作成やリサーチに費やされるそうです。ハードウェア開発者の主業務:回路設計も同様でしょう。これら全業務にWin11変化が深く関わります。

前投稿で弊社4PC20253月末までWin11 23H2固定に決めたので、年度末までの開発は安定OS環境で行えます(固定後も更新プログラム等は適用されます)。

今年のWin11変化を振返り、次期Win12へのOS大転換期を俯瞰します。

Windows 11シェア低迷要因

WIndows 11(青)と10(紫)のシェア推移(出典:statcount)
WIndows 11(青)と10(紫)のシェア推移(出典:statcount)

202411月のWindowsシェア推移です。Win11は、全体シェアの35%以下、最新Win11 24H2リリースの10月以降、僅かにシェア低下が判ります。逆にWin10は、202510月サービス終了にも関わらず、未だ60%を超えるシェアを維持しています。

Microsoft初の個人向けWin10セキュリティ延長サポートの影響があるのかもしれません。それでも現行Win11のユーザ不人気度を端的に示しています。

この要因は2つ。1つ目が、専門家が強調するようなWin10比、Win11に生産性向上や目新しいUXが無いこと、2つ目がWin11アップグレード要件のTPM必要性がユーザに認識されていないこと、です。

Win11 24H2の(暗黙の)目的は、次期Win12リリース時、上記Win11低迷の2要因を繰返さないことです。

MicrosoftはユーザにWin11アップグレードTPM要件が届かず、今でもその必要性をレポート中。

Windows 11不人気の打開策:生成AI

PCとインターネットが結びつき、マスコミ広告からクラウド広告へと変化しました。クラウド広告は、ユーザ利用のブラウザ経由で提供されます。

ブラウザ検索時、ユーザ情報がクラウドへ吸い上げられ、その結果、ユーザが嗜好する広告が自動的にブラウザへ表示されます。不特定多数のマスコミ広告に比べ、効率的な広告とユーザ利便性が得られます。

このようにインターネットとブラウザ広告が、PC普及に多大な貢献をしました。このインターネットと同様、生成AIWin11不人気の打開策とMicrosoftは考えています。

PCと生成AIが結びつくと、ブラウザを使わなくてもPC上で直接広告が可能です。これで更に高い広告効果、ユーザ利便性向上が期待できます。つまり、ブラウザ広告に代わるAI PC広告です。

WIndows 11不人気の打開策、生成AI
WIndows 11不人気の打開策、生成AI

また生成AIは、ユーザPC操作と結びつくAIアシスタント/コンシェルジェのような新PCサービスも可能にします。一例が、Copilot Visionです。AIアシスタントにより、ユーザは高いPC生産性や新しいUXが得られます。同時に、パーソナルで効率的な消費活動もできます。

但し、実際にAIを利用するには、Win10までの古いPCでは困難です。高性能なNPU/GPU/CPU/高速メモリは必須です。Microsoft Copilot+ PCは、このAI利用の最低限ハードウェア仕様を示したものです。

AIは、ユーザと共に移動するノートPCと相性が良いため、Copilot+ PCはノートPCを最初のターゲットにしました。最低1日のバッテリー駆動能力と軽量薄型化が目標です。

ユーザは、パーソナルAIが利用可能なモバイル軽量薄型Copilot+ ノートPCを使って、高生産性と新UXを実感し、クレカ情報保護/更新などの消費活動からユーザ情報保護重要性も認識します。

つまり生成AIPCへ追加することで、前章で示したWin10からWin11シェア推移が進まなかった2つの失敗要因を同時に解消できる訳です。

Win11 24H2 は次期Win12のプレビュー(βテスト)OS

AIで大転換期を迎えたWindows 11とCopilot+ PC(出典:Microsoft)
AIで大転換期を迎えたWindows 11とCopilot+ PC(出典:Microsoft)

生成AI用のPCハードウェアがCopilot+ PCです。

そのOSは、Win11 24H2で追加中の様々なAI機能、例えば、Recallやフォトアプリ超解像化などが単独・単体で動作します。しかし、次期Win12搭載のAIアシスタントは、これらAI機能を臨機応変に組合せ、ユーザがより使い易いAIサービスへ統合し提供します。

また、Win11 24H2は、Copilot+ PCが求めるバッテリー駆動能力向上や、TPMより強固なユーザ情報保護を行う新セキュリティプロセサプラトン動作のため、Win10から継承してきたWin11 23H2Niコアを、Win11 24H2で新しいGermaniumコアへ変更しました。

過去OSコア変更のアップグレートは、多くのトラブルが発生していました。Win11 24H4は、段階的配布とセーフガードで発生率を下げていますが、トラブルが多いことに変わりはありません。

このようにWin11 24H2は、色々なAI単体機能をユーザで試すこと、古いPCハードウェアではAI処理やセキュリティに限界があり新しいハードウェアが必要なこと、Win12アップグレードトラブルを減らすこと、これらが目的です。実質的には、次期Win12のプレビュー(βテスト)OSです。

Win11 24H2シェアは低くてもそのユーザは先進ツールを好むのでテストできるでしょう。これは、製品版で実質βテストを行う程のWindows大転換期の証とも言えます。

Win11 24H2市場テストの結果、AIサービスとして統合したユーザパーソナルなアシスタント/コンシェルジェが使える新OSとして登場するのが次期Win12です。もちろん、Copilot+ PC以上のハードウェアとセキュリティプロセサプラトンが、ユーザにも認識されアップグレード要件になります。

Win11で失敗したWin12アップグレード要件がユーザにはっきり認識され、しかもユーザパーソナル情報に基づいた各種AIアシストがあるので使い易く大人気OSとなるでしょう。

SummaryWin11 23H224H2Win12へのOS大転換

Windows 11 23H2、24H2、Windows 12へのOS大転換期
Windows 11 23H2、24H2、Windows 12へのOS大転換期

OS大転換期のWindowsをまとめます。

Win11 23H2Win10ハードウェアへTPM 2.0セキュリティ追加のOSWin10ユーザに、TPM必要性、生産性向上、新しいUX(ユーザ体験)が認められず202411月末時点でWin11シェア35%以下の不人気OS

Win11 24H2:生成AI対応の次期Win12βテストOSAI活用は、Win10ハードウェアの大幅強化、新プラトンセキュリティプロセサ実装のMicrosoft Copilot+ PCが最低要件。AI対応Win12アップグレード前に、Win10までの古いPCハードウェア買換え促進も目的。

Win122025年秋Win10サービス終了前後に、AIサービス対応Win12リリース。

Win12は、AIサービスを使い従来比、確実にユーザが判るPC生産性向上、新UXが得られる。しかし、AI活用にはCopilot+ PC以上のハードウェア必須。さらに強固なプラトンセキュリティプロセサによるユーザ情報保護Win10/11無償アップグレート要件。

AfterwordWin12は筆者推定だがAI大転換は変わらず

Win11 23H2/24H2は、事実に基づいて記述しています。が、Win12は、あくまでユーザ筆者の推定です。PCハード/ソフトも含め、世の中、AIによる大転換期です。古い物に固執するつもりはありませんが、MCU開発に悪影響がないことを願っています。

仮にAIを使わない(使いたくない)ユーザは、Win11 24H2サービス終了の202610月までは従来PCで業務ができます。AIにより主業務(コーティング/回路設計)の25%と付随業務75%が、どの程度改善されるかにもよりますが、付随業務比率のAI改善を筆者は期待しています。


Windows 11 24H2アップグレード延期

12月になってWindows11 24H2更新が降ってきた
12月になってWindows11 24H2更新が降ってきた

今年101日にWindows 11 24H2段階的配布が始まって2か月、セーフガードが解除されたためか、ようやく弊社PCにも今週Win11 24H2が降ってきました。

しかしながら弊社は、来年3月末までは弊社4PC全てをWin11 23H2で運用することにしました。本稿は、その理由と今後の24H2アップグレード策を示します。

先行手動アップグレードWin11 24H2で試運用

Rufus 4.6を使って1台のWin11 23H2 PCを、Win11 24H2へ先行手動アップグレードし、主要アプリ互換性BitLockerによるデバイス暗号化注意点が判りました。但し、これらは、Win11 24H2単独運用の結果です。

先行アップグレードしたPCは、主として定期データバックアップ用です。弊社は、このバックアップアプリにFreeFileSyncを使っています。4PCは、プライベートLAN接続です。

Win11 24H2アップグレード後、Win11 23H2同士では何の問題も無かった他PCへのLAN接続ができず、定期データバックアップが出来なくなりました。

つまり、Win11 24H2単独運用では問題が無いものの、複数PCLAN接続に関しては、トラブル発生です。筆者はWindowsネットワークトラブルが、解決しにくいことを経験上知っています。

Win11 24H2先行アップグレート後、2回の月例修正パッチも適用しましたが、LANトラブルは未解決です。

Win11 24H2ネットワークトラブル

12月に入って“Windows 11 24H2 ネットワーク トラブル”でネット検索したところ、1000万件以上がヒットしました。12月の1週間以内に限っても5000件以上のヒットがあり、Win11 24H2 LANトラブルは多発のようです。

検索対策によると、Win11 24H2自身のセキュリティ強化が原因のようです。

Windowsネットワークトラブルはケースバイケース、前述のように解決困難で数件の掲載策を実施しましたが未解決です。

Win11 24H2修正パッチで新バグ発生

コチラの記事によると、Win11 24H2修正パッチ自体が、新たなバグを生むようです。

この原因は、Win11 24H2コアが、旧Win11/10Nickelコアから、新しいGermaniumコアへ変わったからだと思います。過去のWindowsも同様にOSコア変更時は、トラブル連発でした。

さらに、Win11 24H2は、次期Windows 12AI PC)への移行やWin10までの古いPCハードウェアの買換えを促進する役目も担っています。

既に多くのエッジAI PC機能がWin11 24H2に実装中です。しかし、エッジAIを実用に使うには、高性能NPUGPU/CPU、高速メモリが必要で新しいCopilot+ PC購入が必要になると思います。

また、TPM 2.0に代わる新たなセキュリティデバイス:Microsoft Plutonプロセッサが、安全なネットワーク接続に必須になるかもしれません。検索結果のように、TPM 2.0実装PC間でもWin11 24H2 LANトラブルが多発しているからです。

SummaryWindows 11 24H2アップグレード延期理由と対策

先行手動アップグレードWin11 24H210月から12月の2か月試運用の結果、以下が判りました。

  • Win11 24H2単独運用はアプリ互換性OKBitLockerに注意すれば問題なし。
  • Win11 24H2と旧Win11 23H2LAN接続でトラブル継続中。
  • 23H2比、Win11 24H2自身のセキュリティ強化がネットワークトラブル原因か。
  • Win11 24H2修正パッチで新たなバグ発生あり。

これらWin11 24H2トラブル多発の背景は、従来Win11/Win10からのOSコア変更、次期Win12AI PC)への新機能追加にあると推測します。

安全策として、弊社4PCWin11 24H2アップグレードを20253月末まで延期し、それまでは全PCWin11 23H2運用とします。

Win11 24H2多発トラブルが、20253月末までに収束を期待。

Win11 23H2サービス終了202510月半年前の4月に、Win11 24H2トラブル状況を再確認し、Rufus 4.6によるWin11 24H2アップグレードを対策とします。

AfterwordOCuLinkによる外付けGPU追加

OCuLink(データ転送速度最大64GbpsPCI Express 4.0対応)というThunderboltUSB 3よりも高速なインタフェースを使うと外付けGPU追加ができます。ミニPC採用中の新しいインタフェースで、エッジAI能力追加が可能です。

エッジAIとクラウドAI両処理でAIアシスタントを実務に使うには、それなりのハードウェアやインタフェース/回線速度が必要でしょう。高画質でYouTubeを見るには、高性能GPU/モニタと高速ネットワークの全てが必須なのと同じです。どれが欠けてもボトルネックが生じ、期待の高画質再生はできません!

様々なAIサービスがWin11 24H2へ追加中です。しかし、次期AI PCWin12)はこれらが統合され、より使い易いAIアシスタントになると思います。例えば、前投稿最後のイラスト「プレタポルテのMPU開発とオーダーメイドのMCU開発」は、Edge Copilotを使って筆者自ら作成しました。

従来PCからAI PCへ変わる2025年
従来PCからAI PCへ変わる2025年

しかし、投稿文作成中に、Copilotが自発的にこのイラストを使ってはどうですか?などアシスタントアドバイスがあれば、もっと簡単で効率的に記事が作成できます。エッジAI能力は、いくらあっても無駄にはならないと思います。

Afterword2Win11 24H2アップグレート延期方法

Win11 23H2からWin11 24H2自動アップグレートを4ヶ月間止める方法は、いろいろあります。弊社は、コチラWindows 11対策オプション2、グループボリシーから無効化する方法を用いました。



Rufus 4.6でWindows 11 24H2アップグレード成功

2024年10月21日、Rufus 4.6がリリースされました。Rufus 4.5改版の結果、Microsoft公式のCPUリストに掲載が無い古いCPUでもWindows 11 24H2へアップグレードできました。

ダウンロードリンク タイプ プラットフォーム サイズ 日付
rufus-4.6.exe 標準 Windows x64 1.5 MB 2024.10.21
rufus-4.6p.exe Portable Windows x64 1.5 MB 2024.10.21
rufus-4.6_x86.exe 標準 Windows x86 1.6 MB 2024.10.21
rufus-4.6_arm64.exe 標準 Windows ARM64 5.1 MB 2024.10.21

Win11 24H2をWin11 23H2へリカバリし再度Rufus 4.6トライ

CPU要件を回避すべくRufus 4.6が開発中であることは、GitHubに掲載されていました。弊社は、代々Rufusを使ってWin11アップグレードを行ってきたので、今秋の24H2もRufus 4.6でトライします。

そこで、10月11日投稿Afterword章の方法で先行手動Win11 24H2アップグレードしたPCを、元のWin11 23H2へリカバリし、これにRufus 4.6で24H2へ手動アップグレードできるかを試します。

Windows 11 24H2からWindows 11 23H2へリカバリ、Rufus 4.6を試す
Windows 11 24H2からWindows 11 23H2へリカバリ、Rufus 4.6を試す

Rufus 4.6のWin11 24H2アップグレード方法

Rufus 4.6実行ファイルは、リンク先からダウンロードするだけです。PCインストールは不要です。

Rufus 4.6を使ったWin11 24H2アップグレード方法が下表です。Win11 23H2起動状態で24H2インストールUSB setup実行に注意するぐらいで、あとは簡単、ネット速度やPCにも依りますが、準備・更新ともに約1時間で完了します(準備1:23H2バックアップ除く、詳しくは、過去投稿参照)。

Rufus 4.6のWindows 11 24H2手動アップグレード方法
準備 1. Win11 23H2バックアップ(更新失敗リカバリ対策)
2. Win11 24H2ディスクイメージダウンロード
3. Rufusを実行しWin 11 24H2インストールUSB作成
更新 1. Win11 23H2起動状態でインストールUSB setup実行
2. Win11セットアップダイアログに従い数回クリック
3. Win11 24H2大型更新完了

準備3のUSB作成中に表示されるダイアログが、アップグレード要件回避チェックボックスです。Rufus 4.5と全く同じダイアログですが、4.6は古いCPU要件も回避します。これによりRufus 4.5ではNGであったWin11 24H2手動アップグレードは、Rufus 4.6で成功、当該PCの正常動作を確認しました。

Rufus 4.6のアップグレード要件回避チェックボックス
Rufus 4.6のアップグレード要件回避チェックボックス

Rufus 4.6により、Microsoftの段階的ロールアウトを待つことなく、ユーザの好きなタイミングでWin11 24H2アップグレードができます。

Rufus 4.6解説

Rufus 4.6の解説が、コチラの記事にあります。Microsoftが今後導入すると予想される厳しい要件に対しRufus将来性などの懸念が示されています。

しかし、Windows存続・活用にRufusは必須ツール、これが弊社認識です。ウイルスとワクチンに似ています。もちろん、Rufusがワクチンです。

Win11 24H2既知の問題

Win11 24H2アップグレードの既知の問題とMicrosoft対処がコチラの記事にまとめられています。要するに、これら問題が解決するまでは、手動アップグレードは避けた方がBetterということです。

但し、これは元々アップグレード要件を満たす普通のWin11 23H2 PCでの話です。

Win10や古いCPUのWin11 PCにとっては、来年2025年10月のWin10/Win11 23H2サービス終了までに、何もしなければ当該PCの廃棄/Lunix Mint載せ替え/新PC購入などの選択に迫られます。

これら切迫PCに対し、Rufus 4.6はWin11 24H2アップグレードを可能にします。その結果、Win11 24H2サービス期間の2026年10月までの2年間Windowsを使い続けられること、これが何よりも大きいと思います。この延命期間に当該PCの今後を検討できるからです。

PCは、単なる筆記具の置換えから、生成AIを使ったAIアシスタント活用のAI PCへの大変革期です。延命期間と大変革期が重なる次期PCの選び方は、コチラの投稿を参照してください。

Summary:Windows 11 24H2 Rufus 4.6アップグレード成功

Rufus 4.6でWindows 11 24H2アップグレード成功
Rufus 4.6でWindows 11 24H2アップグレード成功

Rufus 4.6を使うと、Microsoft公式IntelAMDリストに掲載無しの古いCPUでも、Windows 11 24H2へ簡単にアップグレードでき、その後、安定動作も確認しました。

24H2アップグレードで得た2026年10月までの2年のサービス期間中に、当該PCをAI PCとして使えるかなど次期PC検討ができます。

Afterword:例年比多いWin11 24H2トラブルとARM64

Win11 24H2既知の問題以外にも、多くのアップデートトラブルが散見されます。原因は、OSコア変更でしょうか、少なくとも弊社利用アプリ互換性は問題無しでした。AI PC大変化期の始まりでMicrosoft対応部門は、トラブルが収束するどころか未だに発散気味、大変でしょう。

また、Rufus 4.6ダウンロードリンクのx86/x64とARM64実行ファイルサイズ差も気になります。処理フローチャートは同じハズ、これ程差が生じる原因も知りたいです。


Windows 11 24H2アプリ互換性

Windows 11 24H2は、23H2のNi OSコア(ビルド番号:22000番台)からGe(26000番台)へ変わりました。そこで、前投稿で24H2へ先行手動アップグレードしたPCを使って、主要アプリの動作確認を行いました。結果、主要アプリ以外も含め、特に問題なく正常動作しています。

互換性確認アプリリスト

同一OSコアアップグレードなら、アプリ動作確認は別途行いません。しかし、今秋の24H2アップグレードは、OSコアが変わりました。コア変更により、アプリ互換性リスクが高まります。

そこで、弊社全PCアップグレードの前に念のため、主要アプリ動作確認を行いました。確認主要アプリが下記です。これら以外の通常使うブラウザ等のアプリも、問題なく正常動作しています。

分類 アプリ名 バージョン Win11 24H2動作
MCU開発環境 e2studio 24.4.0 OK
STM32CubeIDE 1.16.0 OK
Visual Studio Code 1.94.0 OK
エディタ Notepad++ 8.7 (64-bit) OK
文書作成 LibreOffice 24.8.2.1(X86_64) OK
アクセサリ PC Manager 3.14.6.0 OK

MCU開発環境は、23H2ビルドのクリーン後、24H2再ビルドの成功で動作OKとしました。注意点は、API生成ツールなども含めベンダ提供最新版を使用することです。旧版のままビルドすると、エラーが発生する場合もあります。

また、ルネサス)e2studioとSTマイクロ)STM32CubeIDEを表記しましたが、他社EclipseベースIDEも正常動作しています。

Eclipse IDE代替可能性のあるMicrosoft)Visual Studio Codeも当然OKです(サイト開発に弊社使用中)。

24H2アップグレード後、リカバリ用のOld Windowsファイルが削除できないなどのトラブルレポートもありますが、従来から使っているPC Managerの詳細クリーンアップを使うと例年どおり削除できました。

Summary:Windows 11 24H2アプリ互換性問題なし

10月1日のWindows 11 24H2リリース後、2週間が経過しました。弊社3/4 PCは、段階的ロールアウト開始を待っていますが、未だ始まりません。例年に比べ、24H2は既知の問題が多く、段階的配布も遅い気がします。

しかし、本稿結果からWindows 11 24H2 OSコア変更に関しては、アプリ互換性問題は無さそうです。

Afterword:Win11 24H2アップグレード後所感

Win 11 24H2アップグレード後、タスクマネージャーを見ると、ディスクパフォーマンスに結構な処理能力を使っています(関連投稿BitLocker中でないことも要確認)。このため、PCによってはこの処理終了までの数時間、動作が遅くなります。

10月9日、Win11 24H2最初の月例更新プログラムが配布されました。アップグレードトラブル対応かと思いましたが、そうでもないようです。Wi-Fi 7など新機能追加も様々ありますが、目新しいUX(ユーザ体験)は無く、24H2アップグレードタイミングと手動かロールアウト待ちかは、悩ましい問題です。


Windows 11 24H2と次期PC選択

Windows 11 24H2がリリースされました。アップグレードCPU条件が23H2より厳しいためRufusを使っても残念ながら24H2へアップグレードができないWin PCも増えました(対策:Afterword参照)。

来年2025年秋までの1年間は、次期PC選びの重要期間と言えるでしょう。Win11 23H2とWin10サービス終了に加え、従来の紙と筆記具を置換えたPCの使い方が、生成AI活用の新しい使い方へ大きく変わるからです。

新しいPCの使い方と、次期Windows/Apple/Linux PCの選び方を整理します。

新しいAI PCの使い方

従来PCからAI PCへ変わる2025年
従来PCからAI PCへ変わる2025年

生成AI出現によりPCの使い方は変わります。AIをパーソナルで有能な無料アシスタントやコンシェルジュとしても利用できるからです。

現在この生成AI牽引企業は、GOMA(Google、Open AI、Microsoft、Anthropic)です。写真加工や即時翻訳などのAIサービスは、PCよりもGoogle PixelなどのAIスマホが先行しています。AIで出遅れたAppleも、Apple Intelligenceで猛烈に追い上げ中です。Google/AppleのAIスマホが、AIアレルギーやAI一般化に大きく寄与すると思います。つまり、AIサービスが当たり前の機能になる訳です。

従来のPCは、紙と筆記具を置換えたMicrosoft Officeが一般ユーザを獲得してきました。この使い方を根底から変えるのが、AI PCです。ネット情報収集や要約、Office文書下書きや分析などは、AIアシスタントの得意分野です。

PCのAI化により、半分の手間で、より優れたPC資料作成ができるでしょう。さらに、先行するAIスマホとの連携により効果的図表や写真加工なども可能です。

但し、これらローカルPCでのAI処理には、NPUやGPUなどのハードが必要なため、MicrosoftはCopilot+ PCに40 TOPS以上のNPUを要件としています。

AI PCサービスは、AIスマホに比べ発展途上です。それでも、AI PCのハード/ソフト/使い方の大転換期が、2025年秋までの1年間になるでしょう。

MicrosoftはCopilot、AppleはApple IntelligenceでAI PCへ注力中です。OpenソフトウェアLinuxもこれらへ追随すると思います。

次期AI PC選択肢と特徴

新しいAI PCの使い方に対応する次期PC選択肢は、3つあります。

Windows 11 24H2リリースと今後のAI PC選択肢
Windows 11 24H2リリースと今後のAI PC選択肢

Win11 24H2へアップグレード、または、Win11 23H2、Win10を来秋サービス終了まで使う、そして新しいMicrosoft AI Copilot+ PCの購入、これらはWindowsをAI PCとして使い続ける選択肢(青)です。
Windowsから新しいApple Intelligence対応Mac PCへ乗換える選択肢(赤)もあります。
既存WinハードへLinux Mintをインストールし活用するのも選択肢(緑)の1つです。

3選択肢のAIスマホ連携、信頼性、価格面などの特徴が下記です。

選択肢 特徴
Windows Microsoft Officeとの相性は高いが、AIスマホ(Android)連携は模索中。
更新やハード/アプリ相性トラブルが多く、信頼性は3選択中最低。
ユーザ無視更新/設定も多数あるが、トラブル対策やカスタマイズ情報も多い。
Mac Win比、AIスマホ(iPhone)連携に優れる。
Apple1社ハード/ソフト提供のためWin比、トラブル小で高信頼。
3選択肢中価格は一番高いがコスパも高く、クリエイタ/開発者に好評。
Linux(Mint) AIスマホ連携は(デフォルト)少ない。
Win比、低性能ハードでも快適動作、既存Winハード活用メリット大。
Win/Apple比、トラブル情報がプロフェッショナル向けで解り難い。

※筆者が現在Windowsユーザのためこの視点よりの相対評価です。

Summary:Windows 11 24H2と次期PC選択

Win11 24H2の目的は、2025年リリース予定Win12アップグレードCPU選別だと思います。つまり、今秋24H2アップグレードができないPCは、今後Windows PCとして使い続けるのは困難と推測します。

対策は、Linux Mintです。メール送受信や動画再生など主要アプリは、マルチプラットフォームブラウザの上で動作します。OS依存性はありません。また、MintにはLibreOfficeやFirefoxが標準装備(もちろんChrome追加容易)です。MintをOSアプリ専用PCと割り切れば、従来Win同様、問題なく使えます。

但し、AI化やAIスマホ対応がWindows/Apple比、Mintは劣ります。AIから最も離れたOSです。しかし、古いCPUの活かし方としては、追加コスト不要で処理性能も驚くほど高速です。

AI PCが業界趨勢です。AI PCには、使い慣れたWindowsならCopilot+ PC、多くのトラブル回避なら、iPhone連携が良く高信頼でAI化も頑張っているApple Intelligence Macが良いでしょう。

Afterword:Win11 24H2 RufusアップグレードNG対策

Windows 11 24H2情報
Windows 11 24H2情報

過去Rufusを使えば、TPMなどのアップグレード要件を回避しWin11アップグレードができました。しかし、Win11 24H2は、MicrosoftのIntelAMDリストに掲載無しCPUは、24H2アップグレードができません。※23H2リスト表記ですが、24H2で適用を厳格にしたと思います。

対策は、コチラの情報を参照ください。弊社第4世代CPU(Core i7 4800MQ)でも無事Win11 24H2アップグレードができ、正常動作中です。24H2のサービス期間2年、2026年秋まではWin11 24H2が使えると思います。

但し、無理に24H2にする必要は、正直無かったと思っています(設定引継ぎが一部Microsoft推薦に戻るため😠)。この反省が、Summaryに示した古いCPUのWinをAI化と少し距離があるLinux Mintへ変え、OSアプリ専用PCとして活用することです。

Afterword2:従来Intel/AMD 対 新Arm CPU

Rufusから判るx86_x64アプリ対Armアプリ
Rufusから判るx86_x64アプリ対Armアプリ

Rufusダウンロードページで、従来x86/x64アプリと新しいArmアプリ差が判ります。Arm CPU対応Rufusがあるのも面白いのですが、何よりもそのサイズ差が凄いです。Copilot+ PCは、Armネイティブ動作ですが、サイズがこれ程異なるのは、コンパイラや開発環境が従来と異なるからでしょうか?
新しいものやMicrosoft推薦が、全てBetterでは無い一例です。


Windows 11 24H2更新注意点

2024年10月1日、Windows 11 24H2の段階的配布が始まりました。Windows 12配布予定が2025年のため、おそらくWin11最後の大型更新バージョンになると思います。

以前、現行Win11 23H2 OSコアNikelが、24H2ではGermaniumへ変わるなどを投稿しました。しかし、24H2更新に際し、もっと重要な注意点がありますので投稿します。

Summary:Win11 24H2更新注意点:「デバイスの暗号化」確認

デバイスの暗号化(HomeとPro)とドライブの暗号化(Pro以上)の設定(設定>プライバシーとセキュリティ>デバイスの暗号化)
デバイスの暗号化(HomeとPro)とドライブの暗号化(Pro以上)の設定(設定>プライバシーとセキュリティ>デバイスの暗号化)

Win11 24H2更新前に、デバイス暗号化とドライブ暗号化の2機能を行うBitLockerを確認し、必要に応じて設定変更。

確認無しでWin11 24H2更新・運用の場合、OSによるデバイスの暗号化自動設定によりユーザ起動不可能となりクリーンインストールの可能性が高まる。BitLocker On時は、回復キーのユーザ保存必須。

お勧めのWin11 24H2セキュリティレベル設定は下記。

デスクトップPC:BitLockerデバイス暗号化、ドライブ暗号化共にOff設定。
ノートPC:モバイル時、BitLocker On設定。暗号化On/Off変更処理に数時間掛かることも考慮。BitLocker回復キーは、別途保存。

BitLockerの2機能

BitLockerは、2つの対象の暗号化を行います。

  1. デバイスの暗号化:システムデバイスの暗号化(Home/Pro共に自動暗号化あり)
  2. ドライブの暗号化:Dドライブなどシステム以外のドライブ暗号化(Pro以上で手動設定のみ)

暗号化済みの場合は、1/2共に鍵などのパスワード、BitLockerなら48桁の数字回復キーを入力しない限り、OS・ユーザ本人でも中身の読出しができません。ハッカー攻撃やPC紛失などへのセキュリティ対策が目的です。

左:デバイス暗号化回復キーと右:ドライブ暗号化回復キー入力例
左:デバイス暗号化回復キーと右:ドライブ暗号化回復キー入力例

Win11 24H2の新機能

Win11 24H2新機能は、Microsoft公式サイトにあります。英文ですので、ブラウザの日本語翻訳を使ってお読みください。中程にある動画字幕も日本語表示で解り易いです。

BitLockerに加え、ファイル単位ロックなどWin23 H2よりもセキュリティレベルが強化されています。また、NPU(Nural Processing Unit)活用のAI Copilot機能、同時翻訳なども紹介されています。

BitLocker概要サイト中頃のデバイスの暗号化「重要」文章を抜粋します。

重要

Windows 11 バージョン 24H2 以降では、DMA と HSTI/モダン スタンバイの前提条件は削除されます。 その結果、自動および手動のデバイス暗号化の対象となるデバイスが増えます。“

つまり、Win11 23H2までのBitLocker条件が緩和され、Win11 24H2以降は、OSが自動でBitLocker暗号化するデバイスが増える訳です。もっと言うと、Win11 Home/ProシステムCドライブは、ユーザが明示的に設定しない限りデフォルトでデバイスの暗号化はOnになります。

AI Copilot Win12の布石:Win11 24H2セキュリティ強化

AI Copilot Win12は、ノートPCをメインターゲットとするAI PC向けOSです。ユーザのすぐ横で1日中エッジAI PCを使っても、バッテリーが持つ低消費電力と、PCの軽さ・薄さがデバイスの特徴です。モバイル性とAI処理の向上が、セースルポイントです。

このWin12は、万一のPC紛失やハッカー攻撃、AI学習情報漏洩に対し、従来比、より強いセキュリティを与えます。

前章のWin11 24H2新機能で、システムデバイスBitLocker条件緩和と自動暗号化拡大などのセキュリティレベル強化は、Win12への布石だと思います。

「デバイスの暗号化」の功罪

ユーザのWindows 11 24H2セキュリティレベル設定必須
ユーザのWindows 11 24H2セキュリティレベル設定必須

デバイスの暗号化をOnにすると、通常のOS処理前でもデータ複合化、処理後にデータ再暗号化保存が必要です。この暗号化オーバーヘッドは、暗号化無しの場合と比べ3~5%、別情報によると45%ものドライブパフォーマンス低下を招きます。

※PCバックアップソフトとの相性は、間違いなく悪いでしょう。

デバイス紛失対策が暗号化でできるのは大切です。しかし、デスクトップPCや家庭内運用のノートPCならば、ユーザの紛失対策は殆ど不要です。

BitLockerに限らずセキュリティ対策は、OSが安全側動作に自動的に設定することがあります。また、その設定タイミングもユーザには分かりません。

セキュリティの功罪とPC安全性を評価し、OS任せでは無くユーザ自らがセキュリティレベルを設定することが、今後のWindows運用に必須です。

Afterword:暗号化と鍵と生体認証

暗号化に鍵は必須です。Windowsは、この鍵をWin11アップグレード要件TPMへ保存します。TPMには、クレジットカード情報なども保存しますので、セキュリティ上、超重要デバイスです。

このTPMアクセスに、指紋などユーザ本人の生体認証が必要です。面倒ですがセキュリティは、複数対策の重ね合わせでセキュリティレベルを上げます。次世代TPMと言われるMicrosoft Pluton Securityプロセッサは、この面倒さ・判り難さを軽減する仕組みであることを期待します。

本稿は、下記資料を参考に作成しました。詳細は、各資料を参照ください。
Win11 24H2新機能:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1627854.html
Copilot+ PC AI機能:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2409/28/news081.html
BitLocker:https://www.youtube.com/watch?v=XE4KFfRGtWw


生成AI未来予測

AIが人間よりも賢くなるシンギュラリティ、2045年問題
AIが人間よりも賢くなるシンギュラリティ、2045年問題

生成AIの未来予測が良く判る記事を紹介します。弊社は、AIをMCUセキュリティコンサルタントへ活用したいと考えています。この記事のAI自動化が、活用できる確信を与えました。

2つの未来予測

AI未来予測は、2つあります。1つが、今の生成AIはバブルで幻滅期へ入る。もう1つが、生成AIはこのまま加速し、社会を激変、シンギュラリティへ入る。この2つを、発表レポートに基づいて論点整理したのが紹介記事です。

弊社は、後者予測のAI加速、シンギュラリティ実現を信じますので、以下この予測要点をまとめます。

生成AI知能レベルと2027年シンギュラリティ実現

生成AI知能レベル、シンギュラリティ、AI自動化
生成AI知能レベル、シンギュラリティ、AI自動化

記事内の今年6月発表Situation Awarenessレポートが、生成AI知能レベルをまとめています。

2019年:未就学児童
2020年:小学生
2023年:優秀な高校生
2024年:大学生(現在AI知能レベル)
2025か26年:大学院生
2027年:汎用人工知能(AGI)レベルとなりシンギュラリティ実現

※AGI(Artificial General Intelligence)は、人間の考え方、知識の「一部を機能化」した現在のAIの親玉に相当し、人間と同等か最大でも10倍程度の知能レベル。

この予測は、レポート著者Leopold Aschenbrenner⽒個⼈の⾒解ではなくAI研究者、業界の主流意⾒だそうです。今年5月の関連投稿、2045年予測よりもかなり早いです!

この予測の前提は、電力やAI半導体、AI研究者、つまりAI資源が十分に揃うことで、GOMAなどの大手AIプレーヤもAI進化へ注力中のため、Aschenbrenner⽒は2027年末AGI誕生に自信を持っています。

さらに、ソフトバンクはコチラの関連投稿で、AGIの10年後に更に高度なASI:Artificial Super Intelligenceへレベルアップすると予測しています。

AI自動化の仕組み

AGI実現を待つまでもなくAI自身が自分を改良・進化させるAI自動化は、今のAI技術でも可能だというレポートをSakana AI発表しました。そのAI自動化の仕組み(実現ステップ)です。

AI自動化の仕組み(実現ステップ)
AI自動化の仕組み(実現ステップ)
  1. アイデア⽣成:与えられたコードとタスク説明に基づいて、新しい研究アイデアを⽣成。
    ※アイデア⽣成は、⽣成AIの得意分野。
  2. 新規性チェック:そのアイデアに新規性があるかをAIが検索機能を使って調査。
  3. 実験実⾏:他に同様の論⽂が⾒当たらない場合は、そのアイデアを使った実験計画を立案。計画通りにコードを書いて、結果を確認。このような実験を繰返す。
  4. 結果の可視化と論⽂執筆:図表を作り論⽂⽣成。
  5. 論⽂レビューと改善:AIが書いた論⽂をAIが読み返し改善点提案、それを基にAIが論⽂を書き直す。

凄い仕組みです。このAI自動化による論文が既にあるそうです。現在は論文中の図表をAIが正確に読めない課題もありますが、この課題は確実に克服されるそうです。

弊社は、AI自動化によりAIをMCUセキュリティコンサルタントへ利用できると確信しました。セキュリティ全般知識とMCUセキュリティ開発の費用対効果、必要な開発レベル、開発期間などを問い合わせると、自動化AI MCUコンサルタントが、上記ステップを使って回答を出力します。

各ステップの結果を参照することで、AI回答ハルシネーション対策や信憑性確認もできると思います。

Summary:生成AI未来予測

ビジネスのAI利用は賛否あります。生成AI未来予測記事は、賛否両論の主張を整理しています。弊社は、AI進化予測の内容をまとめました。

  • 生成AI知能レベルは、電力、AI半導体、AI研究者が十分に揃い、GOMAなどAIプレーヤのおかげで進化し、2027年にAGIとなり人間知能を超えるシンギュラリティになる。
  • AIが自分自身を改良・進化させるAI自動化は、現在のAI知能レベルでも可能で、既に自動化により数件の論文を生成済み。図表の正確な読取りに課題もあるが、克服される。

Afterword:AI利用で激変するPC作業

生成AI革命がGAFAMからGOMAへ変える
生成AI革命がGAFAMからGOMAへ変える

GOMAの一角Microsoftは、AI(Copilot)のビジネスOffice文書作成にも積極的です。例えば、コチラの記事です。紹介されたCopilot機能は、文書生産性や共同作業性の向上に直結します。もはや文書作成時のCopilot利用は、当たり前で、それをいかに上手く使うかが焦点です。

AIに対する一種のアレルギーは、GeminiのGoogleサービス拡張機能やApple IntelligenceなどのAIスマホ普及により減少し、ユーザは、PCへも更なるAI機能追加を要求すると思います。

AIは、もはやInternetと同レベルの情報機器必須機能へ変化・進化しつつあるのです。