NXPのFreeMASTER

FreeMASTERは、NXP組込みMCUのアプリケーションのリアルタイム変数モニタと、モニタデータの可視化ツールです。関連投稿:STマイクロエレクトロニクスのSTM32CubeMoniterとほぼ同じ機能を提供します。

NXP資料FreeMASTER Run-Time Debugging Tool – Overview を使ってFreeMASTERの特徴を示します。

FreeMASTERとIDEデバッガ機能差

FreeMASTERと、開発者が普段使うIDEデバッガとの差が一目で解る図がP13にあります。

FreeMASTERとデバッガの違い(出典:FreeMASTER Run-Time Debugging Tool – Overview)
FreeMASTERとデバッガの違い(出典:FreeMASTER Run-Time Debugging Tool – Overview)

両者の機能境界が、ソースコードのデバッグ機能です。IDE(MCUXpresso IDE)でも変数ロギングやグラフ化機能はありますが、プログラム開発者向けの最低機能に絞ったものです(limited functionality)。

これに対し、FreeMASTERは、msec分解能のグラフ化と、μsec分解能のデータ取得が可能です。更に取得データを利用し、Field-tune parametersやRemote controlなど多くの機能を持つツールです。データの取得は、MCU実装のUARTやUSB、SWD経由です。

FreeMASTERを使うと、外付け制御パネルの代替やGUIアプリケーションとしても活用できます。例えば、下図のようなモータ制御パネルが、PC上でFreeMASTERソフトウェアのみで実現できる訳です。

FreeMASTERを使ったモータ制御パネル例(出典:FreeMASTER Run-Time Debugging Tool – Overview)
FreeMASTERを使ったモータ制御パネル例(出典:FreeMASTER Run-Time Debugging Tool – Overview)

 FreeMASTER構成

Windows PCにおけるFreeMASTER構成がP20です。詳細は、P21~25に示されています。Linux PCでの構成は、P26に示したFreeMASTER Liteが使われます。

FreeMASTER Windows PC構成(出典:FreeMASTER Run-Time Debugging Tool – Overview)
FreeMASTER Windows PC構成(出典:FreeMASTER Run-Time Debugging Tool – Overview)

MCU開発トレンド:ビジュアル化と脱Windows

組込みアプリケーションのビジュアル化は、最近のMCU開発トレンドです。

MCU本体の性能を使わずに変数データを取出し、そのデータを高性能PCとプラグイン機能を利用し、データ可視化やリモート制御を実現します。本稿で紹介したNXPのFreeMASTERやSTのSTM32CubeMoniterがこのトレンドをけん引する技術です。

また、オープンソースLinux PCへのMCU開発環境移行や各社IDEマルチプラットフォーム化、つまり脱Windowsもトレンドの1つです。

上級開発者向けというイメージが強かったLinux PCですが、一般ユーザへも普及し始めました(Wikipediaより)。筆者も昨年から、MCU開発Main-PCのWindows 10とは別に、Backup-PCにLinux Mintを新規インストールし試用中です。

半年間の試用では、OSインストール、大型/定期更新、セキュリティに関してもLinux Mintの方が、Windows 10より安定感があります。

もはや現状のWindows 10では、信頼性があったWindows 7のレベルにはならない気がします。

既存Windows 10に手を加えるよりも、新OSを開発するほうが、早道で、安心してPCを利用したい一般ユーザ要求も同時に満たせるのではないでしょうか? 商業的理由は、セキュリティ対応強化とすれば、内容不明ながら大多数の納得も得られるでしょう。※あくまで、ソフトウェア開発経験者個人の見解です。

NXP新CEO Kurt Sievers氏

2020年5月28日、蘭)NXPのCEOがリチャード・L・クレマー(Richard L. Clemmer)氏から、カート・シーヴァーズ(Kurt Sievers)氏への交代発表がありました。こちらのEE Times記事に新CEOカート・シーヴァーズ氏の経歴や、米中貿易摩擦下でのNXP中国分析などが示されています。

欧州MCUベンダNXPのアフターCOVID-19への布石、さすがに早いです。

LibreOfficeの使い方(総集編)

2020年10月13日に全サポートを終了するMicrosoft Office 2010代替として、本ブログは、約1年間LibreOfficeを試用してきました。この総集編としてLibreOfficeカテゴリ全投稿(15)の中から、LibreOfficeの使い方ポイントをまとめました(詳細な内容は、リンク先の投稿を参照してください)。

総集編のもくじが下記です。

弊社使用頻度が高いWord代替Writer(文書作成)と、Visio代替Draw(図形描画)の説明に集中していますが、他のCalc(表計算)、Impress(プレゼン作成)、Base(データベース管理)、Math(数式作成)も同様です。

LibreOfficeの使い方(総集編)もくじ

  1. 2パッケージ、Windows USBポータブル、手動更新
  2. セキュリティ
  3. ユーザインタフェース(メニュー/ツールバー/アイコン変更)
  4. Writer/Draw基本設定、弊社無償テンプレート
  5. Office併用の使い方
  6. 発展的LibreOfficeの使い方

2パッケージ、Windows USBポータブル、手動更新

LibreOfficeは、最新機能を盛込んだFresh(最新版)と、Freshリリース後数か月で初期バグがほぼ無くなったStill(安定版)のPCインストール用2パッケージがあります。Freshが1か月、Stillが3か月毎の更新スケジュールです(COVID-19パンデミック前の状況)。

LibreOffice 2パッケージ概要
パッケージ 想定ユーザ 投稿時版数(リリース日) 更新スケジュール
Fresh(最新版) 新しいもの好き、パワーユーザ向け v6.4.2(2020/03/19) 1か月
Still(安定版) ビジネス&法人企業、慎重なユーザ向け v6.3.5(2020/02/20) 3か月

なお、筆者はFreshを1年間試用してきましたが、期間中バグには遭遇しませんでした。

Fresh/Stillともに、Windows USBポータブル版もあります。ポータブル版を使うと、利用PCに一切作業履歴が残らないので、出先のPCやネットカフェなどでもLibreOfficeを気楽に使えます。

LibreOfficeの更新は、更新版を上書きインストールします。各種設定も引き継がれます。更新版は、LibreOfficeヘルプ(H)でLibreOfficeサイトへアクセスし、更新有無を確認、有の時は、更新版を手動ダウンロード&インストールします。

この手動更新を手間と見るか、それともユーザ主体アップデートと見るかは、意見が分かれるところです。

日本語版リリースノートを見てアップデート必要性をユーザが判断し、手動で更新する方が、ブラウザなどと異なるこの手の仕事直結アプリケーションには向いていると思います。勝手にアップデートされ、しかも時々トラブルが発生するOfficeは、ビジネス用途には不安が残ります。

セキュリティ

ツール(T)>オプション(O)>セキュリティの下記2箇所に☑追加がお勧めです。

LibreOfficeセキュリティ対策
LibreOfficeセキュリティ対策。ツール(T)>オプション(O)>セキュリティで信頼された場所ではないドキュメントからのリンクをブロックにチェックをいれる。

ユーザインタフェース(メニュー/ツールバー/アイコン変更)

1年間のLibreOffice試用期間中、最も変更が多かったのが、ユーザインタフェース(UI)です。

具体的には、下図のようにメニュー構成やツールバーのユーザカスタマイズの関連で、Fresh v6.4.2では、アイコンのスタイル変更も可能になりました。

LibreOffice Fresh v6.4.2のアイコンスタイル変更
LibreOffice Fresh v6.4.2のアイコンスタイル変更

変更の目的は、新規LibreOfficeユーザの獲得だと思います。

メニューは誰もが最も目にする場所で、OfficeユーザをLibreOfficeへ惹きつけ、新規にLibreOfficeユーザを増やすのには最適な箇所です。LibreOfficeは無償ですが、運営寄付も歓迎しています。多くのユーザ獲得により、安定運営に繋がります。

それでも、UIをアイコンからリボン形式に勝手に大変更するなどの既存ユーザを悩ます変更は、LibreOfficeではありえません。あくまでユーザ主体の変更です。

お勧めのUIは、ノートPCなど表示エリアが小さくても効率的な作業ができるシングルツールバーで、その他にも6種類ものUIがあります。

初めての方が判りにくいのは、①:表示(V)>ユーザインタフェース(I)でツールバーを選び、②:ツール(T)>オプション(O)>LibreOffice>表示で、①で選んだツールバーのアイコンスタイルや大きさ(自動/小/大/特大)を、更にカスタマイズする2段構成だということです。

UIは、利用PC環境などで好みが変わるので、「汎用的なシングルツールバー」がお勧めとだけコメントします。

Writer/Drawフォント設定、弊社テンプレート

表示フォントも好みの問題です。

但し、OfficeとLibreOfficeを併用する場合には、同一フォントを利用する方が、見た目も文字間隔なども同じになり良いと思います。

たとえフォントを同一にしてもOffice文書をLibreOfficeで読み込むと、レイアウト崩れが生じる時があります。完全互換アプリケーションでは無いためです。しかし、同じOfficeファミリでさえ完全互換は実現できていません

お勧めのフォントは、Writer/Drawどちらもメイリオです。このメイリオフォント設定済み、タイトルや見出しなどのスタイルも設定済みの弊社Draw/Writerテンプレートを無償配布しています。

LibreOffice付属公式テンプレートは、使い勝手が良いとは言えません。弊社Writer/Drawテンプレートを使うと、文書の見た目が出来上がっていますので、内容に注力して作業ができます。

Office併用の使い方

全サービス終了のOffice 2010と完全互換ではないLibreOfficeを、2020年10月13日以降どのように使っていくと便利かを検討した結果が、LibreOffice/Office併用案です。

Office 2010に限らず、既成Office文書も利用しつつLibreOffice環境へ移行する1つの方法です。

発展的LibreOfficeの使い方

LibreOfficeの特徴ポイントが以下です。

  1. 世界標準文書と、新旧Office文書の読取り/書込み能力
  2. Windows/Mac/LinuxマルチOS動作、日本語対応、無償、欧州発ソフトウェア

ポイント1を活用した使い方が、前章で示したLibreOfficeとOffice 2010併用のPC文書環境です。

ポイント2活用の、発展的なLibreOfficeの使い方が以下です。

弊社メインPCのOSは、Windows 10 Pro 64bit版です。ここ数年続くWindows Updateトラブル状況が改善されないので、バックアップPCのOSは、WindowsからLinux Mint 19.3 MATE 64-bit版へ変更し運用中です。OSがLinuxの場合、自作の古いPCでもWindowsよりも軽快に動作するメリットもあります。

ビスネスPCのOSは?
信頼性重視ビスネスPCのOSはWindows、Mac、Unixのどれが良いか?

このように異なるOSが混在するPC文書環境では、Windows/Mac/Linuxで動作する無償LibreOfficeが最適です。

文書を含むユーザデータがPC間で同期済みであれば、万一、Windows Updateでトラブルが発生しても、Linux PCで開発を中断せずに継続できるからです。また、OSが異なるため、メイン/バックアップ同時PCトラブルの発生確率は低くいです。

Linuxには、PC文書アプリケーションとして、初めからLibreOfficeがインストール済みなのも好都合です。

最近は、PCアプリケーションのマルチOS化が進んだので、筆者ビジネスに関しては、Windows/Linuxどちらも同じPCアプリケーションが動作します(逆に日本語対応は、後退しつつある気がします)。唯一異なるアプリケーションが、Officeです。OfficeもMacで動作するようにはなりましたが、Linux動作は困難だ(MSは狙っていない)と思います。

LibreOffice、OfficeどちらもPC文書作成の基本機能は、既に完成の域に達しています。

圧倒的ユーザ数を持つ米国発有償Officeは、Microsoftビジネス戦略に沿った改良や改版が、一方、後発の欧州発(The Document Foundation)無償LibreOfficeは、Officeユーザ獲得やUIを主とする操作性の改良、クラウド対応などが今後も続くと思います。

本ブログで紹介したLibreOffice機能は、そのほんの一部です。例えば、LibreOffice Fresh v6.4.2で追加されたQRコード生成機能は、スマホ主体となったユーザのリンク生成に非常に役立つ機能です。このように、エンドユーザ重視の改良が目立つのもLibreOfficeの特徴と言えるでしょう。

スマホ主体ユーザ向きのQRコード生成機能
スマホ主体ユーザ向きのQRコード生成機能

今後どのようにLibreOfficeを使っていくかは、ユーザ次第です。上記特徴を踏まえ、WindowsとLinux共用メイン文書作成アプリケーションとして徐々に使い方を拡大したいと考えています。

* * *

本稿が、Office 2010サービス終了をきっかけに、代替アプリケーションとしてLibreOfficeを検討中の方や、COVID-19の影響で、自宅PCで職場の文書作成を継続する方法を検討中の方などのご参考になれば幸いです。

STM32CubeIDE更新、文字化け解決

STマイクロエレクトロニクスの統合開発環境:STM32CubeIDEがv1.3.0に更新されました(2月28日、更新自動通知メールにて把握)。デフォルト設定のWindows版STM32CubeIDEは、エディタで追記した日本語コメントに文字化けが発生します。これは、昨年投稿したSTM32CubeIDE v1.1.0v1.2.0と同じで、最新版でも解決されません。

そこで、対策にデフォルト設定を2か所変え、日本語文字化け解決を確認しました。また、Linux Debian版STM32CubeIDEとSW4STM32は、最新環境でもデフォルトで文字化けが無いことも確認しました。

Windows版STM32CubeIDE日本語文字化け発生箇所

2019年4月新登場STマイクロエレクトロニクス統合開発環境:STM32CubeIDE-Winの日本語コメント文字化けは、

  • SW4STM32プロジェクトのSTM32CubeIDEインポート後
  • プラグイン版STM32CubeMXでのコード再生成時

に、エディタでソースコードに追記した日本語コメントに文字化けが発生します。
※Windows版は、Windows 10 Pro 1909の話です。

STM32CubeIDE-Win v1.3.0日本語文字化け対策

数回のメジャー更新を経て登場後約1年のv1.3.0でも、この文字化けはデフォルトのままでは未解決です。そこで、ネット検索したところ、コチラの対策を得ました。

STM32CubeIDEのデフォルト設定を、2か所変更します。

STM32CubeIDEの日本語文字化け2箇所の対策
STM32CubeIDEの日本語文字化け2箇所の対策
  1. フォント設定を、デフォルトConsolasからメイリオなどの日本語文字セットへ変更(ワークスペース毎)
  2. Text file encoding設定を、デフォルトUTF-8からShift-JISへ変更(プロジェクト毎)

※1は、STM32CubeIDEのWindowタブ>Preferenceダイアログ検索窓へ”font”入力>Colors and Font選択>C/C++選択>Editor選択>C/C++ Editor Text Fontを選択し、Edit…クリックで左図表示
※2は、プロジェクト選択>Propertiesクリックで右図表示

右図のようにプルダウンメニューにShift-JIS選択肢が無い時は、Shift-JISと直接入力し、Apply and Closeをクリックします。

1はワークスペース毎、2はプロジェクト毎に設定が必要です。

これら2か所の変更で、SW4STM32プロジェクトインポート後とSTM32CubeMXコード再生成時、どちらもエディタ追記日本語コメント文字化けは解決できました。

以上で、従来のSW4STM32から新しいSTM32CubeIDEへ、日本語コメント文字化け無しにSTM32MCU開発環境を移行できます。

STM32CubeIDE特徴

STM32CubeIDEは、コード生成ツール:STM32CubeMX、開発デバイスファームウェア(弊社ならFW_F0/F1/G0/G4)全てを1パッケージ化し、全て最新版のみを提供する特徴があります。投稿時のSTM32CubeIDE v1.3.0が下図です。

簡単に言うと、開発ソフトウェアが全てSTM32CubeIDEへプラグインされた形式です。

STM32CubeIDE全体構成
STM32CubeIDE全体構成

STM32CubeIDE起動時、またはCheck for Updatesにより、IDEを含めた各プラグイン更新を確認し、常に最新開発環境となります(悪名高いWindows Updateに似ているような…😅)。

これは、プラグイン版STM32CubeMX v5.6.0に、旧ファームウェア選択機能が無いことからも解ります。

最新ファームウェアを使うSTM32CubeMXプラグイン版(左)とファームウェア選択可能なスタンドアロン版(右)
最新ファームウェアを使うSTM32CubeMXプラグイン版(左)とファームウェア選択可能なスタンドアロン版(右)

例えば、顧客先で稼働中ソフトウェアへ変更を加えるなど旧ファームウェアのまま開発希望の場合は、スタンドアロン版STM32CubeMX v5.6.0を使えば、右図のように旧ファームウェア選択も可能です(関連投稿:v1.2.0の開発環境更新リスク、ファームウェア更新リスク回避策の章に背景説明があります)。

純正STM32Cubeツール

STM32MCUソフトウェア開発に使えるIDEは、下図中央のようにIAR:Embedded Workbench、ARM:Keil、AC6:SW4STM32、etc.などサードパーティ製も数多くあります。しかし、純正STM32CubeツールのSTM32CubeIDEが、STマイクロエレクトロニクス一押しの統合開発環境だと思います。

STM32 Software Development Tools(出典:STMサイトに加筆)
STM32 Software Development Tools(出典:STMサイトに加筆)

もちろん、従来からあるSW4STM32もまだ現役(Active)です。ST Communityには、今も多くのSW4STM32事例があります。

そこで、Windows版STM32CubeIDE以外の、SW4STM32とLinux Debian版STM32CubeIDEの現状を調べました。

STM32CubeIDE-DEB

64ビット版のみですが、STM32CubeIDE v1.3.0のLinux Debian版インストーラが、Windows版STM32CubeIDEと同じ純正ソフトウェア入手サイトにあります。

STM32CubeIDE Debian Linux Installer
STM32CubeIDE Debian Linux Installer

筆者は、DebianよりもMintが好きなので、STM32CubeIDE-DEBをLinux Mint 19.3 MATE (64-bit)へインストールし、デフォルト設定でも日本語文字化け無し、評価ボードで正常動作することを確認しました。

STM32CubeIDE-DEBは、デフォルトで日本語文字化けなしで動作
STM32CubeIDE-DEBは、デフォルトで日本語文字化けなしで動作

Mintへのインストール方法が下記です。途中で長いライセンス同意を求められます。

chmod +x st-stm32cubeide_1.3.0….sh
sudo ./st-stm32cubeide_1.3.0….sh、または、sudo bash st-stm32cubeide_1.3.0….sh
※NXP:MCUXpresso IDE v11.1.0のInstallation Guide, Appendix A – Linux Installationを参考にしました。

STM32CubeMXやデバイスファームウェアは、Windows版と同様全てプラグインです。Linux版SW4STM32既成プロジェクトが手元に無いのでインポートは試せませんが、問題無いと思います。

リリースノート:RN0114のLinux動作テスト環境にMintは有りません。自己責任でNXP:MCUXpresso IDE v11.1.0 Linux版ともども、Mint上でSTM32CubeIDE-DEBが正常動作したことをお知らせします。

SW4STM32とスタンドアロン版STM32CubeMX v5.6.0

SW4STM32とスタンドアロン版STM32CubeMX v5.6.0で開発環境を構築する場合は、デフォルトでも日本語文字化けは発生しません。従来環境に慣れた方は、SW4STM32もそのまま使えると思います。

お知らせ:STM32FxテンプレートとSTM32G0xテンプレート改版予定

STM32CubeIDE-Win v1.3.0に加えた本稿2か所変更が、次版以降のSTM32CubeIDEにも必要かは判りません。ただ、いまさらShift-JIS設定?という気はします。WindowsでShift-JIS継続利用の弊害は、コチラの記事がよく解ります。

しかし、懸案であった日本語コメント文字化けが解決、新登場後1年経過しv1.3.0となったこのタイミングで、従来SW4STM32から新しいSTM32CubeIDEへ開発環境を乗換えるのもチャンスだと思います。SW4STM32更新頻度が減ったことや、他の純正STM32Cubeツールとの相性良さも期待できるからです。

そこで、SW4STM32で開発・販売したSTM32FxテンプレートSTM32G0xテンプレートを、STM32CubeIDE-Winを使って再開発に着手し、新にVersion 2として販売する予定です。進行状況などは、本ブログでお知らせします。

Office 2010とLibreOffice運用案

1月29日、LibreOffice Fresh(最新版)が6.4.0へ更新されました。Still(安定版)は、6.3.4です。

LibreOffice版数(2020年2月3日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2020/1/31版数
Fresh(最新版) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.4.0
Still(安定版) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.3.4

Fresh(1か月毎更新)は、新しい6.4系へ、Still(3か月毎更新)は、6.3系のバグ取りがすすんでいます。QRコード生成などFresh 6.4の主な追加機能は、コチラの記事が参考になります。

10月13日、Office 2010全サポート終了

2020年10月13日全てのサポートが終了するOffice 2010の代替アプリケーション候補として、LibreOffice 6.4を試用中です。何回かLibreOffice設定や新規文書作成について、無料Writer/Drawテンプレート配布を含む投稿を行ってきました(関連投稿は、カテゴリ:LibreOfficeを選択してください)。

新規Writer/Draw文書作成に関しては、慣れの問題は除いてLibreOfficeを、Office Word/Visio代替として利用することに問題はありません。機能差はありますが、同等の文書が作成可能です。

残る問題は、LibreOfficeがOffice 100%互換アプリではないことです。

もちろん、新旧Office文書をLibreOfficeで読込み/書込みはできます。但し、100%互換ではないので、場合によっては文字や図形の「レイアウト崩れ」が発生します。フォントの違いに起因しているようですが、それ以外にも色々な要因がありそうです。

これは、同じMicrosoftのOfficeアプリケーション、例えばWord 2003と2010でも100%互換は不可能でレイアウト崩れが生じますので、やむを得ないと思います。

そこで本稿は、これらの状況を踏まえたうえで、Office 2010サポート終了後のOffice 2010とLibreOffice運用に関しての私案を示します。

Office 2010とLibreOffice併用私案

  • 新規文書作成は、全てLibreOffice。Office 2010での新規文書作成は、停止。
  • Office 2010サポート終了後も、PCからOffice 2010のアンインストールはせずLibreOfficeと併用。
  • 既存Office 2010文書は、Office 2010で閲覧。
  • 既存Office文書の改版時は、Officeの内容を新規LibreOfficeへコピー&ペーストし新規作成。
  • 文書配布は、PDF化。

私案説明

2020年10月13日サポート終了後のOffice文書運用私案
2020年10月13日サポート終了後のOffice文書運用私案

アプリケーションが異なれば、レイアウト崩れの発生は当然だと諦めます。Office 2016/2019/365でも2010の100%下位互換性は困難で、Office 2010文書レイアウト崩れが発生します。

10月13日以降もPCからOffice 2010をアンインストールしないのは、PC内に「既に存在するOffice文書閲覧」のためのみです。PC外部から「入手したOffice文書は、LibreOfficeで閲覧」し、必要ならLibreOffice形式で保存します。この2つの方法で、更新されないサポート終了後のOffice 2010セキュリティ対策をします。

既存Office文書は、Office 2010での閲覧なのでレイアウト崩れはありません。この文書を改版する時は、LibreOfficeへ内容をコピー&ペーストし、崩れ無しのオリジナルOffice 2010レイアウトを参照しながら、新たにLibreOffice文書を作成します。

ポイントは、「新なOffice 2010文書作成をしない」ことです。

サポート終了後は、Office 2010セキュリティ対策の更新がないので、10月13日以降の将来、Office 2010に発見される可能性があるセキュリティホールに対しては、新規文書作成をしないことで対処します。もちろん、マクロなどは動作させません。
※Office Viewerという手段もありより安全ですが、2010そのものの方が好みです。

Office 2010をアンインストールし、有料Office 2016/2019/365へ更新しても、私案と「Office 2010の将来セキュリティ」に関する万全さは大差なしと思います。また、Office 2016/2019/365でも、頻度は減るでしょうがレイアウト崩れが発生することを考慮すると、無料LibreOfficeの新旧Office文書読込みとOffice形式での書込み能力は、高く評価できます。

私案では、「追加コストなし」で、既存Office 2010文書閲覧、可能な限りのセキュリティ対策、新規LibreOfficeによるPC文書作成を行います。文書の外部配布は、全てPDF化で対処します。

まとめ

Office 2010サポート終了に伴い、代替アプリケーションとしてクロスプラットフォームでオープンソースのLibreOfficeを昨年の8月から約半年間試用してきました。

その結果、LibreOffice文書の標準保存ファイル形式は、オープンドキュメント形式(ODF)で、国際標準規格であること、また、LibreOfficeで、Office 2010と同等の文書作成が可能であることが判りました。

そこで、今後の文書作成は全てLibreOfficeを使い、Office文書の読込みと書込みができるLibreOffice能力を活かし、Office 2010サポート終了後のOffice 2010とLibreOffice併用私案を示しました。使用頻度の低いバックアップPCなどの文書作成環境としては、効果的だと思います。

この私案は、今後発見される可能性があるOffice 2010セキュリティホールに対して脆弱性があるので、試す方は自己責任で使ってください。また、私案に問題などがございましたらメールでお知らせください😌。

モダンPCとPINコード

本稿が2019年最後の投稿です。

前稿Windows 10 2PCトラブルにもめげず、2020年1月6日発売のCypress PSoC CapSenseテンプレートに向けて急ピッチで開発を進めてます。本稿は、Windows 10トラブルで気になったモダンPCと、公開鍵暗号方式PINコードを紹介します。

モダンPC

創造性と生産性を上げるのがモダンPCで、Windows 10とOffice 365がその要素のようです。

Windows 7サポート終了2020年1月14日を前に、MicrosoftはモダンPCへの移行を呼びかけています(Windows 7稼働予測グラフ有り)。今でもネットカフェで稼働中の多くのWindows 7 PCは、果たして安定性・メンテナンス性に問題あるモダンPCへ移行するのでしょうか?

Windows 7並みの信頼性が無ければ、宣伝文句は良くてもPCのOSとしては、どうかな?と個人的には思います。
2023年までのWindows 7有償再延長サポートも選択肢としてあるので、7を使い続け、開発者よりも一般エンドユーザを重視する次期Windows Xに期待する声も少なくないかもしれません。

筆者は最新OSの最重要機能は、セキュリティだと思います。

OS最重要機能はセキュリティ(出典:Pixabay)
OS最重要機能はセキュリティ(出典:Pixabay)

Windows 10付属セキュリティツールだけで安心しているエンドユーザが、どれ程いるかは解りません。しかし、多くのネットカフェが設定するWindows 7+市販セキュリティソフトとのOSセキュリティ能力差が、どれ程あるかも不明です。

2020年以降のWindows 7稼働予測と、モダンPCへの移行状況が、Microsoftの思惑通りになるか気になります。

PINコード

Windows 10インストールで新たに要求されるPIN(Personal Identification Number)コードは、個人識別番号のことです。普通、数字4桁です。

PINコードは、IDとパスワードの代わりに登場してきたセキュリティ用語で、筆者の理解では、PINコードが公開鍵暗号方式、パスワードは秘密鍵暗号方式です。PINコードとパスワードの解り易い違いは、コチラのP1図です。

通信中の鍵が公開鍵なので、秘密鍵パスワードよりも安全で、公開鍵とペアの秘密鍵は、デバイス(Windows 10/MCUなど)内部保存、開発コストや運用コストが低く、強固なセキュリティが実現できるそうです。ペア秘密鍵がデバイス内なので、なりすまし対策にもなります。

PIN、FIDO(ファイドと読む)で検索すると様々な情報が得られます。iPhoneは少し違うようですが、AndroidスマホではPINコードが標準になりつつあるようです。

筆者のWindows 10は、前投稿トラブル回復直後のため、テンプレート開発以外は、今のところあまり手出し(調査)したくない心境です。簡単、安心、低コスト、セキュリティ強固なPINコードなら、MCUへも実装できるかもしれません。

…以上のように今年最後の本稿は、あいまいな推量となりました。
安心してPCが使えるまでは、最高プライオリティ:CapSenseテンプレート開発を優先したいからです。すいません😌。

本年も本ブログをご覧いただき、まことにありがとうございました。
皆さま、よいお年をお迎えください(Ladies and gentlemen, I wish you a happy New Year)。

Windows 10 1909トラブル回復録

年末年始の忙しい時に限って自作Windows PCにトラブルが発生するのは、日頃の行い、またはマーフィーの法則?

Backup PC(Windows 10 1903)のWindows 10 1909アップデートトラブルに続き、Main PC(Windows 10 1909)にもWindows起動トラブルが発生しました。Backup PCトラブルは、暫く様子見でも良いと考えていましたが、Main PC起動トラブルは、即回復が必要です。

Windows 10トラブル内容

Backup PCは、Windows 10 1903から1909への更新プログラムインストールに失敗するトラブルです(0x800F0922)。1903からの新機能追加も少ない1909への更新は、Backup PCのため急ぐ必要はありません。この更新失敗トラブルは少なくないようで、ネットに多くのトラブル対策があります。更新プログラム直接インストール、クリーンブードも既に試しましたが回復しません。

Main PCは、突然起動NGになりました。きっかけは、複数アプリケーション更新と更新履歴消去です。Boot起因ですので、自動修復やコマンドプロンプト手動修復も試しましたが回復しません。唯一の救いは、1909更新成功直後のシステムバックアップがあることです。

トラブル回復策

Main PCは、11月14日の1909更新直後のシステムリカバリで回復しました。但し、今回の起動トラブル発生までの約1か月間のユーザデータ更新とアプリケーションソフト更新が必要で、このために半日がつぶれます。また、Backup PCは、その症状から「最後の切り札」:1909クリーンインストールが必要かな?と感じていました。

そこで、Main PCでつぶれる半日で並列にBackup PCをクリーンインストールしようと決心した訳です。Main PCのアプリケーション更新時、Backup PCへのインストール必須アプリケーションも明確になります。退屈な回復作業ですが、PCの前から離れる訳にもいきません。2PC同時に回復することで、効率向上も狙えるかなと考えました。

トラブル回復作業と時間

ネットに溢れる回復作業内容よりも、作業に要した時間を示します。

もちろんPC性能やネットワーク環境で分単位精度は変わるでしょう。半年毎に繰返されるWindows 10更新トラブル対応の目安と考えてください。作業時間は、2PC回復トータルで丸1日程度です。が、精神的ダメージはかなりあります。Windows10更新トラブルがこのまま続くなら、Mac PCへの乗換を検討する程のダメージです。

Backup PC Windows 10 1909クリーンインストール作業時間

  1. Windows 1909クリーンインストール:10分(Microsoftアカウントに加え、新たにPINコード入力要求)
  2. クリーンインストール後のセットアップ:5分(OSセキュリティ内容などを設定)
  3. セットアップ後の更新プログラム適用:40分

最新Windows 10 1909クリーンインストール自体は、上記1時間程で完了します。これなら、毎回クリーンインストールしても良いと思える程簡単です。が、この後のアプリケーションインストール、ユーザデータ復活に時間が掛かります。

  1. セキュリティソフト、ブラウザ、FFFTP、圧縮解凍などOS必須ツールインストール:1時間
  2. Officeアプリケーションインストールと更新プログラム適用:3時間
  3. ベンダMCU開発ツールインストール:1時間
  4. ユーザデータ復活:1時間(クラウドストレージ経由ではなく回復Main PCより直接コピー)

合計で7時間~8時間(=丸一日)は、モニタ前で待たされます。並列で行ったMain PC回復作業も、システムリカバリと1か月間のユーザデータ復活で3時間程度です。Office(2010)アプリケーションインストールと更新は、LibreOfficeに比べ時間が掛かります。新しいOffice 2019/2016でも、同様に時間が掛かると思います。

※アプリケーションとユーザデータを引継いだままWindows 10 1909上書きインストールも可能です。しかし、Backup PCは、この上書きインストール(1.5時間)も失敗しました。更新プログラム直接インストール、クリーンブードと同様、「最後の切り札」より前の回復手段は、経験上あてになりません😫。

いろいろある回復手段を試して消費する合計時間と、「最後の切り札」で一発回復する上記8時間のどちらを選ぶかは、トラブル種類と回復作業内容・処理時間、個人の性格に依存します。本稿が参考になれば幸いです。

ビジネスPC要件

今回のトラブルで、筆者のWindows PCには、Mac PCへの乗換を妨げる利用アプリケーションは無いことが明確になりました。利用アプリケーション全てMac OS対応、または同等アプリケーションが有ります。

ビスネスPCのOSは?
信頼性重視ビスネスPCのOSはWindows、Mac、Unixのどれが良いか?

Mac PCの方が高性能なのでWindows PCより高価です。従って、このMac PC対Windows PC差額を払う分だけの信頼性が得られるか、費用対効果が乗換課題です(もちろん、経済的余裕と自作PCの楽しさが消えるのもありますが…)。

Backup PC、Main PCともに自作Windows PCですが、今回のようなOS起因トラブル無しで何年も動作し続けたPCです。ネットを見ると、Backup PCと同じ更新トラブルは、2019年最新WindowsノートPCでも発生しているようです。

以前のOS、特にWindows 7に比べ世間を騒がせるWindows 10更新トラブルは、Windows 10完成度・信頼性が低いとエンドユーザに感じさせるだけでなく、Microsoftの狙いは、OS更新毎に毎回Windowsをクリーンインストールさせ、アプリケーション本体は、Office 365のようにクラウド提供することが目的なのでは、という疑いを生じさせます。
OSクリーンインストールが短時間で簡単に終わり、OfficeアプリケーションのローカルPCインストールと更新にやたら時間が掛かることが根拠です。

ビジネスで使うPCは、Mac PC(Unixも含む)への乗換を考えるべき時期かもしれません。今後、Mac PC/OSのトラブルや回復方法も調べたいです。

LibreOffice Fresh 6.3.2更新

LibreOffice最新版/安定版と呼んでいたパッケージ名を、Fresh/Stillへ変更しました。“Fresh/still”は、公式ブログでは以前から使われていた名称で、今後は本ブログもこのFresh/Stillを使います。

9月26日、LibreOffice Fresh版が6.3.2へ更新されました。Still版は、6.2.7のままです。

LibreOffice版数(2019年9月29日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/9/26版数
Fresh 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.3.1 → 6.3.2
Still ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.2.7 (更新なし)

更新方法

LibreOffice Fresh版は、ヘルプ(H)>更新の確認(C)…の自動更新ができません。公式ダウンロードサイトから、32/64ビットを選択後6.3.2をダウンロードし、PCで実行すれば旧版に上書きインストールされます。

LibreOffice Fresh 6.3.2更新方法
LibreOffice Fresh 6.3.2更新方法

関連投稿

LibreOfficeに関する弊社関連投稿がありますのでご覧ください。また、右側カテゴリで、LibreOfficeをクリックすると、LibreOfficeに関する全投稿がご覧いただけます。

LibreOffice Fresh 6.3系とStill 6.2系の機能差
LibreOffice FreshとMicrosoft Office 2019/365の機能差
LibreOffice Writerの無料テンプレートの4章(テンプレートは、版数が変わっても使えます)
LibreOffice Drawの無料テンプレートの4章(テンプレートは、版数が変わっても使えます)

LibreOfficeセキュリティ重視更新とPotable版

通常LibreOffice更新間隔は、最新版が1か月、安定版は3か月です。今回、最新版/安定版ともに前回8月メジャー更新から1か月後の9月5日、バグ対応とセキュリティ重視の更新が発表されました。
※更新内容は、発表を参照してください。旧版からの設定など特に変更する必要はないと思います。

LibreOffice版数(2019年9月11日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/9/5版数
最新版(stable) 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.3.0 → 6.3.1
安定版(stable) ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.2.6 → 6.2.7

更新方法

旧版でヘルプ(H)>更新の確認(C)…をクリックすると、下記ダイアログが表示されます。

LibreOffice 6.3.0の更新ダイアログ
LibreOffice 6.3.0の更新ダイアログ

自動更新できないため、公式ダウンロードサイトから手動で最新版/安定版のダウンロードとインストールが必要です。ダウンロード(D)クリックで、公式サイトへジャンプします。

LibreOffice Potable版は自動更新可能

USBメモリにインストールするLibreOffice Potable版は、自動更新が可能です。

PCにLibreOfficeをインストールせず使ってみたい方、Officeのように自動更新を希望する方は、Windowsのみ対応中のLibreOffice Potable版をUSBメモリにインストールします。Potable版は、PC版更新から数日遅れで自動的に更新を検出し、常に最新のLibreOffice(最新版/安定版)が利用可能です。

LibreOffice Potable版インストール方法

1) PotableApps.comからマルチ言語/プラットフォーム対応のアプリランチャーをダウンロードし、USBメモリへインストールします(無償、日本語版あり)。

2) インストール後、起動パネルのアプリの管理>もっとアプリケーションを入手する…>カテゴリ順、クリックで下記ダイアログが表示されます。

最新版LibreOffice Potable 6.3.1と安定版LibreOffice Potable 6.2.6 (Still)のダウンロード
最新版LibreOffice Potable 6.3.1と安定版LibreOffice Potable 6.2.6 (Still)のダウンロード

オフィスカテゴリのLibreOfficeに☑を入れると最新版LibreOffice Potable版6.3.1が、LibreOffice Stillの☑を入れると安定版LibreOffice Potable版6.2.6がUSBメモリへインストールされます。

3) アプリランチャーは、起動時にLibreOffice更新を確認し、更新時は自動的にアップデートします(USBメモリなので、更新に多少処理時間が掛かりますが、再インストールの手間は省けます)。

アプリランチャーには、LibreOffice Potable版以外にも、下図に示すように主要ブラウザ、GIMPなど多くのインストールできるアプリケーションがあります。出先のPCでLibreOffice利用や、Office文書編集などに重宝します。

PotableApps.comへインストールできるアプリケーション
PotableApps.comへインストールできるアプリケーション

LibreOffice最新版、安定版メジャー更新

前回投稿の予想通り8月8日にLibreOffice最新版、安定版ともにメジャー更新されました。

LibreOffice版数(2019年8月20日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/8/14版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.5 → 6.3.0
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.6 → 6.2.5 → 6.2.6

※追記:8月14日、6.2系安定版を再改版し、6.2.6となりました。

公式LibreOfficeダウンロードサイトの配布版数は、6.3.0と6.2.6、6.1.6です。6.2系最後の最新版を改版し安定版6.2.6にしました。超安定版を望む方は、6.1系最後の6.1.6もダウンロード可能という構成です。

LibreOffice 6.3系の新機能

初めてのLibreOffice 6.3起動時に、リリースノート(日本語)への誘導と、1日に1回、日替りヒント(英語)が表示されるようになりました。

LibreOffice 6.3のリリースノート通知と日替りヒント
LibreOffice 6.3のリリースノート通知と日替りヒント

また、Writer/Calcは、パフォーマンス向上、Writer/Drawには、ユーザ処理に応じて自動的にツールバーが変わる「状況依存1行」という新ユーザインタフェース(次章参照)が追加されました。

その他、PDF印刷時の墨消し機能追加など多くの機能追加・改善がリリースノートを見ると解ります。

LibreOffice 6.3の墨消しPDF印刷機能
LibreOffice 6.3の墨消しPDF印刷機能(出典:リリースノート)

Writer/Drawの新ツールバー:状況依存1行

ユーザの処理対象が、文書か図形かに応じて表示中の1行ツールバーを動的に変え、表示エリアの有効活用を図るのが、Writer/Drawの新ツールバー:状況依存1行です。

WriterとDrawの新ユーザインタフェース:状況依存1行
WriterとDrawの新ユーザインタフェース:状況依存1行

多くのツールバーを常時表示するよりも編集対象に応じたツールバー表示で編集エリアを広くとれるので、より作業に集中できます。ツールバー履歴を活用し、使用頻度が高いツールバーを表示するようになるかもしれません。数多いツールバー機能を、ユーザへ上手く使ってもらう支援方法としては良くできていると思います。

LibreOffice最新版6.2.5へ更新

LibreOffice版数(2019年7月9日現在)
パッケージ 想定ユーザ 2019/7/4版数
最新版(stable 技術マニア、新しいもの好き、パワーユーザ向け 6.2.4 → 6.2.5
安定版(stable ビジネス組織、法人企業、慎重なユーザ向け 6.1.6(変更なし)

2019年7月4日、パワーユーザ向け新機能を盛り込んだLibreOffice最新版が、6.2.5へマイナー更新されました。安定版は、6.1.6のままです。マイナー更新方法無料テンプレートなどは、リンク先投稿を参照してください。

マイナー更新間隔とメジャー更新予測

マイナー更新実績、下線はメジャー更新予測
パッケージ 更新月日(版数)
最新版 2019/04/19 (6.2.3) → 2019/05/22 (6.2.4) → 2019/07/04 (6.2.5) → 2019/08 (6.3)?
安定版 2019/02/07 (6.1.5) → 2019/05/09 (6.1.6) → 2019/08 (6.2)?

現在LibreOffice提供中のダウンロード版数は、6.2.56.2.4、それと6.1.6です(全て日本語版)。安定版は6.1系のまま、最新版は6.2系で更新中です。

最新版の更新間隔は、おおよそ1か月、安定版は3か月です。最新版は、次回6.3系へのメジャー更新が8月に予定されており、このタイミングで安定版も6.2系へメジャー更新すると思います。

LibreOffice 6.1系と6.2系の差は、こちらの投稿のノートブックバー章を参照してください。

LibreOffice 6.2系の個人評価

筆者は、今年2月からノートブックバーが採用されたLibreOffice最新版6.2系を代々使い続けています。バグにも遭遇せず便利にDraw/WriterをWindows 10 1903で使用中です。

6.3系でどのような機能が追加されるかは分りませんが、個人的にはMicrosoft Office代替としてLibreOfficeはお勧めです。

LibreOffice6.2系とMicrosoft Office 2019/365との機能比較は、こちらの投稿の比較表を参照してください。