新Snapdragon NPUは80TOPS、CPU、GPUも50%以上性能向上

前世代Snapdragon採用Surface ProとSurface Laptop
前世代Snapdragon採用Surface ProとSurface Laptop

Microsoft Surface搭載Snapdragon X Elite 45TOPS NPU)の後継製品、Snapdragon X2 Eliteは、80TOPS NPUCPU/GPU50%以上の大幅性能向上が発表されました(日経XTECH2025年9月23日)。

GoogleクラウドAIGeminiを使ってこのSnapdragon X2 EliteCPU/GPU/NPU総合TOPSを推定したところ、現在最強のRyzen AI Max+ 395126 TOPSと同等かそれ以上と評価しました。

Snapdragon X2 EliteSnapdragon X Elite性能比較

Snapdragon X2 Elite大進化理由PC Watch2025926日)によると、Snapdragon X2 Eliteは、前世代Snapdragon X Eliteより以下の点で大きな進化を遂げています。

  • NPU性能:Snapdragon X Eliteの45TOPSSnapdragon X2 Eliteは80TOPSへ強化
  • 全性能向上:Snapdragon X2 EliteCPU/GPU/NPUどれも50%を超える性能向上実現
  • 製造プロセス:3nmプロセス移行により同一消費電力での性能向上を実現
  • CPUアーキテクチャ:前最大12コア均質構成から、最大18コアヘテロジニアス(不均一)構成(Oryon Primeコア含む)へ刷新
  • メモリアクセス帯域:帯域幅を拡張しAI処理実効性能向上に寄与

これら大幅性能向上は、SurfaceなどのARM64コアCopilot+ PC性能を飛躍的に向上させることが目的です。

Snapdragon X2 Elite総合TOPS推定

Qualcomm社は、Snapdragon CPUGPUAI処理能力をTOPS値で公式発表はしていません。そこで、クラウドAIGemini2.5 Flash)を使って推定した結果が下表です。

コンポーネント 公開値 / 推定値
NPU (Hexagon NPU) 80 TOPS
GPU (Adreno GPU) 20∼40 TOPS (推定)
CPU (Oryon CPU) 5∼10 TOPS (推定)
総合 TOPS (推定) 105∼130 TOPS

各コンポーネントのGemini推定根拠が下記です。

GPUAdreno GPU)GPUNPUに次いでAI演算能力が高いコンポーネントです。高性能なiGPUは数10TOPSAI性能を持つことが知られています。Snapdragon X2 EliteAdreno GPUは大幅に強化されており、性能効率が2.3倍向上していることから、20 TOPS40 TOPS程度のAI演算能力を持つと推定します。

CPU (Oryon CPU)CPUAI演算に使用できますが、NPUと比較するとTOPS値は低めです。競合AMDや高性能x86 CPU傾向を参考にすると、Snapdragon X2 EliteCPU性能は、数TOPSから10TOPS程度と推定します。

Snapdragon X2 Eliteの総合TOPSを、現在最強のRyzen AI Max+ 395のそれと比較したのが下表です。

製品名 総合TOPS (公開値) NPU TOPS (公開値)
Snapdragon X2 Elite 105∼130 TOPS (推定) 80 TOPS
Ryzen AI Max+ 395 126 TOPS 50 TOPS

QualcommSnapdragon X2 Eliteの総合TOPSは、AI演算を効率処理するNPU性能や総合に占める割合が80 TOPSと高いため、競合AMDRyzen AI Max+ 395126 TOPSと同等か、それ以上のAI処理能力になるとGeminiは推定しています。

AI処理性能 vs. 消費電力

AMD/Intel社の従来x64コアから、スマホで有名なQualcomm社の新しいSnapdragon ARM64コアにMicrosoftが変えた理由は、電力効率の良さでした。これは、現行Surfaceの軽量・長時間バッテリー駆動に大きく貢献しています。

Gemini推定どおりSnapdragon X2 Elite126TOPS程度のAI処理性能を持ち、かつ、前世代Snapdragon X Elite同様、同じAI処理能力x64比、電力効率が優れれば、ノートPCCopilot+ PCARM64コア比率を一気に挽回できる可能性はあると思います。

一方で気になるのは、ARM64コアCopilot+ PCの販売価格です。ARM64コアCopilot+ PCへ、Microsoftx64コアCopilot+ PCよりも先行してWin11 AI機能を提供し優遇しています。従来ビジネスアプリのコア依存性は薄まりつつありますが、新Snapdragon採用Copilot+ PC販売価格が、ARM64コア普及の決め手になるでしょう。

Summary:新Snapdragon NPU80TOPSCPU/GPU50%以上性能向上

80TOPSのNPU搭載Snapdragon X2 Elite(出展:日経XTECH)
80TOPSのNPU搭載Snapdragon X2 Elite(出展:日経XTECH)

Microsoft Surface搭載中のARM64コアSnapdragon X Elite後継製品であるSnapdragon X2 Eliteが、80TOPS NPUCPU/GPU50%以上の大幅性能向上であることをQualcomm社が発表しました。

このSnapdragon X2 Eliteの総合TOPSGeminiで推定したところ、現在最強のAMDRyzen AI Max+ 395126 TOPS同等かそれ以上と評価しました。

ノートPC Copilot+ PCの低迷ARM64コア比率を、優れたAI処理性能と消費電力で挽回できる可能性を秘めた新製品がSnapdragon X2 Eliteです。

AfterwordNPU 80TOPSの意味

AMD/Intel/QualcommによるエッジAI SoC CPU提供、第二幕が始まりました。CPU/GPUよりもNPU性能向上が大きいです。これは、関連投稿:America’s AI Action Planで予測した100TOPS以上NPUやメモリ強化とも合致します。AI時代には、エッジAINPU)急成長も必要であることが解ります。

AI開発用ミニPCで、Snapdragon X2 EliteRyzen AI Max+ 395を比べたいです。


2025年モデルAI PC Surface動向

Microsoft Surface が、1014日のWin10 EOS(サービス終了)に合わせ割引価格で販売中です。
最新Surface Pro 2025年モデルと2024年モデルを比較し、2025Surfaceの動向を探りました。

2025/10/19まで割引価格のSurface Pro
2025/10/19まで割引価格のSurface Pro

AI PC Surface低調原因

Copilot+ PC普及率9%、イノベトピア(2025730日)によると、AI PC全体でのMicrosoft Copilot+ PCのシェアは9%と低調です。原因は、価格の高さ、ARM64コアのビジネスアプリ互換性問題と筆者は思います。

20246月のCopilot+ PC発表から1.5年が経過し、多くのビジネスアプリがARM64コアへ対応しました(下図)。また、x86/x64エミュレーションPrismもあり、アプリ互換性問題は解消されつつあります。

ARMネイティブアプリ例(出典:日経Xtech)
ARMネイティブアプリ例(出典:日経Xtech)

9月27日追記:Copilot+ PC向けARMアプリ拡大、Windowsブログ(2025年9月18日)で、ARM64コアネイティブ動作アプリが、分野毎に数多く記載されています。また、アプリ開発者向けに、ARMアドバイザリーサービスも用意されています。

Surface Pro 2025年モデルは低価格化

Surface Pro 2024年モデルは、ARM64コアのQualcommSnapdragon X Elite12コア)やSnapdragon X Plus10コア)を搭載しました。2025年モデルは、これをSnapdragon X Plus8コア)へダウングレートしました。

主要諸元差を一覧表にしました。

Surface Pro主要諸元 2025 モデル 2024 モデル
ARM64コア Snapdragon X Plus8コア) Snapdragon X Elite12コア)
Snapdragon X Plus
10コア)
NPU QualcommHexagon NPU45 TOPS
ディスプレイ 12インチ(2196×1464 13インチ(2880×1920
メモリ・ストレージ Max 16GB RAM512GB SSD Max 64GB RAM1TB SSD
Officeアプリ Microsoft 365 Personal Office HomeBusiness
Win10 EOS割引価格 ¥130.680 ¥207,680

AI処理の要NPUNeural Processing Unit)を除き、2025年モデルは低価格仕様へ変わっています。

Win10 EOSに合わせた割引価格でSurface Pro 2025年モデルは、x64コアのAI PC普及版とほぼ同じ価格帯になったと思います。

Windows ML提供開始

2025923日、Microsoftは、Windows ML (Machine Learning)の提供を開始しました。Windows MLは、x64/ARMコアに関わらずWindows上で多種多様なローカルAI実行環境を提供します。

Windows ML(出展:Microsoftサイト)
Windows ML(出展:Microsoftサイト)

つまり、AMD/IntelQualcommなどCPUベンダに依存しないローカルAI開発が可能です。AI開発のCPUコア依存性は、Windows MLにより無くなりつつあります。

Summary2025年モデルAI PC Surface動向

Microsoftは、従来x64 CPUに変わる新しいARM64コア採用Copilot+ PC20246月に発表しました。Copilot+ PCは、Windows 11CopilotキーなどのAIポータル機能を統合しており、製品にはSurface Pro 2024年モデルなどがありました。

この2024年モデルは、高価、従来ビジネスアプリ互換性問題のためAI PC全体に占める割合は低調です。Copilot+ PC発表から1.5年が経過し、ARM64ビジネスアプリも増えてきたことから、新Surface Pro 2025年モデルは、2024年比、低価格化が進んでいます。

さらに、Win10 EOSに合わせSurface普及促進を目的に割引価格で販売中です。Surfaceが気になるユーザは、今が狙い時かもしれません。

Afterwordx64→ARM64背景

Microsoftが、CPUを従来のx64から新しいARM64コアへ変えた理由は、Apple社のMac同様、電力効率の良さです。確かにARM64ノートPCのバッテリー駆動時間は、x64比、少し長いです。この駆動時間が2倍などであれば、ARM64化に弾みが付いたでしょう。電力効率とアプリ互換性バランスの読み違いもSurface低調要因だと思います。

さて、AI開発は2030年まで減速なし、@IT2025919日)によると、大規模AIインフラ投資によりAI進化は2030年まで継続するそうです。生成AIは、イーサネット出現に匹敵すると筆者は思います。AIに上手く慣れるには、Microsoft Surfaceのような業界標準AI PCの利用が良いかもしれません。


Win10アプリとデータ維持しWin11 24H2アップグレード(Rufus総集編)

Win10ユーザのEOS(サービス終了)対策は、Win11対応PCの新規購入がBestなのは判っています。しかし、最新PCハードウェアであっても急成長クラウドAIに十分対応できるかなど、数年後のローカルエッジPCハード/ソフトの状況は不透明です。

不透明さ対応の1つは、Win10無償延命ツールRufusを使ってWin10アプリとデータを維持したままWin11 24H2へアップグレードすることです。Win11 24H2 EOSは、来年1013日です。また、今秋リリースWin11 25H224H2をアップグレードすれば、更に2027年までの2年間Win10アプリとデータを維持したWin11利用ができます。もちろん、従来Win10ハードウェアを24H2へアップグレードしても今のところ安定動作しています。

本稿は、Win10延命ツールRufusの総集編として過去弊社が投稿した図表を用い24H2アップグレード方法を示します。掲載図は、旧Rufus版のものですが、内容は殆ど同じなのでご理解頂けると思います。

Rufus 24H2アップグレード全体手順

Rufus 4.9Windows 11 24H2アップグレード方法

準備
  1. Win10バックアップ(更新失敗リカバリ対策)
  2. Win11 24H2ディスクイメージダウンロード
  3. Rufusを実行しWin 11 24H2インストールUSB作成
更新
  1. Win10起動状態でインストールUSB setup実行
  2. Win11セットアップダイアログに従い数回クリック
  3. Win11 24H2大型更新完了

準備と更新の手順一覧表です。

先ず、万一の失敗に備え最終版Win10をバックアップしてください。次に、Win11 24H2ディスクイメージをPCデスクトップへダウンロードしてください。

最新Rufus 4.9ダウンロードと実行

最新Rufus 4.9は、コチラからダウンロードします。

Rufus 4.9のダウンロード
Rufus 4.9のダウンロード

PCRufusインストールは不要です。ダウンロードしたexeファイルのクリックで下図(左)のようにRufusが動作します。選択をクリックし、前章Win11 24H2ディスクイメージをブートの種類へ設定します。

8GB以上のUSBメモリをPCへ接続後、スタートをクリックすると、下図(右)のWin11 24H2インストールUSB作成が始まります。USB作成が終われば、Win11 24H2アップグレード準備が完了です。

Rufus 3.21のWindows 11 22H2インストールUSB作成
Rufus 3.21のWindows 11 22H2インストールUSB作成

Win10起動状態でWin11 24H2インストールUSB setup実行

Win10起動状態Win11 24H2インストールUSB内のsetupをクリックします。すると、下図のWin11アップグレード要因回避ダイアログが表示されます。

Windows 11 24H2アップグレード要件回避の設定
Windows 11 24H2アップグレード要件回避の設定

全ての要件を回避した弊社PC例です。ダイアログ表示はありませんが、Win11 24H2サポートCPU条件も同時に回避されます。

従って、Win11 23H2など旧Win11Win11 24H2アップグレードもRufusで可能です。旧Win11ユーザは、本稿Win10記述をお使いの旧Win11へ読み替えれば同じ方法でWin11 24H2アップグレードができます。

今秋リリースWin11 25H2アップグレードは、Win11 24H2が必須条件です。Win10/Win11ユーザは、Rufusを使いPC24H2化し、25H2アップグレード準備を忘れずに!

Win10アプリとデータ維持のままWin11 24H2アップグレード

暫く待つと、下図のWin11セットアップダイアログが表示されます。デフォルトは、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」になっています。「引き継ぐものを変更」クリックでアプリのみやデータのみへの変更も可能です。

デフォルトのままインストールをクリックすれば、Win10アプリとデータを維持したままWin11 24H2アップグレードを開始します。

Windows 11インストール準備完了
Windows 11インストール準備完了

この後は、通常のWin11アップグレードと全く同じです。表示ダイアログに従っていればWin11 24H2アップグレードが完了します。

Win11アップグレード後の注意

アップグレード後は、Win10の見た目や操作性が下図のように変わります。

Windows 10(左)とWindows 11(右)フォルダ比較
Windows 10(左)とWindows 11(右)フォルダ比較

個人的には、Win10ユーザインタフェースの方がWin11よりも優れていると思います。

引き継いだアプリによっては、再インストールやアップデートが必要になるものもあるかもしれません。しかし、弊社の場合は、MCU開発環境なども含め全てのWin10アプリが問題なくWin11 24H2でも動作しました。

Win11 24H2アップグレード後は、過去投稿のお勧め処理Win11 24H2更新状況を参照頂ければ、従来Win10ハードでもWin11 24H2が安定動作することがお判り頂けると思います。

SummaryWin10アプリとデータ維持しWin11 24H2アップグレード

Win10無償延命ツールRufusを使いWin10アプリとデータを維持したままWin11 24H2アップグレード方法を過去投稿図で示しました。最新Rufus 4.9でも図の内容は殆ど同じですので方法をご理解頂けると思います。

Win11対応PCの新規購入が、Win10 EOSBest解です。しかし、Rufusを使えば、Win11 25H2 EOS2027年秋までWin10アプリとデータの延命が可能です。この2年間でローカルエッジPCハード/ソフトのAI状況を見極め、新規AI PC購入を検討するなど低コスト解をRufusが与えます。

Afterword:急成長のクラウドAIとローカルエッジAI PC能力

超知能が数年後に登場2025/09/18(日経XTECH)は、人間知能をはるかに超える「超知能」の23年内実現可能性を否定していません。このAIは、主にクラウドAIです。クラウドAI発展は、ローカルエッジAI不要論もあり得ます。

しかし、ローカルエッジAIもクラウドAIに合わせた発展が必須と筆者は思います。例えば、個人情報保護・漏洩防止の高度エッジセキュリティが備わったローカルエッジAI PCのみが、安全なクラウドAI利用ができるなどです。

最新Copilot+ PCNPUスペックは、40TOPS以上です。これでもローカルエッジAI PCとして現在は十分動作します。数年でこのハードスペックがどう変わるか、AI PC向けOSソフトWin12と合わせウオッチしたいと筆者は考えています。


9月の月例更新プログラムとWin11 25H2準備

9月更新プログラム(KB506526)(26100.6584)のインストール確認
9月更新プログラム(KB506526)(26100.6584)のインストール確認

9月の月例更新プログラム(KB506526)(26100.6584)が配布されました。Win10/11の緊急修正を含みますので、早急な適用が必須です。設定>Windows Update>更新の履歴で、KB506526の正しいインストールを確認し、今秋リリースのWin11 25H2アップグレードへ備えましょう。

20258月のWin10/11シェア

Win10とWin11シェアは、statcounterによると8月時点でも拮抗しており、Win11の人気の無さが判ります。筆者は、TPM 2.0などWin11アップグレード必須要件や、優れたWin10ユーザインタフェースなどが、Win11不人気理由だと思います。

つまり、Win10ユーザには、無理にアップグレードしたいと思わせる新機能がWin11に少なく、魅力の乏しい中途半端なOSだった訳です。

2025年8月のWindows 10と11のシェア(出展: statcounter)
2025年8月のWindows 10と11のシェア(出展: statcounter)

この対策の1つが、20245Microsoft発表の新しいAI対応Copilot+ PCのハードウェアです。

NPUNeural Processing Unit)やMicrosoft Plutonセキュリティプロセサを一体化(SoCSystem on Chip)したAI向けCPUは、効率的でセキュアなAI処理がローカルエッジPCで実行可能です。Microsoftは、このCopilot+ PCハードに最適化した新OSとしてWin12を開発中で、2025年リリース予定だと筆者は思っていました。

AI専用Win12の架け橋Win11 25H2

Win12は、中途半端なWin11から新しいAI専用OSとして登場すると筆者は思います。そして、Win12Copilot+ PCは、従来PC使い方を、全く新しいローカルAIエージェント活用のPC使い方へ激変させると思います。

しかし、Microsoftは、今年10月のWin10サービス終了を前に取り残している多くのWin10ユーザを無視できず、現行Win11AI Win12へ乗換えてもらう必要性を感じます。そこで登場するのが、Win11 25H2です。

今秋リリースWin11 25H2は、Win11 24H2OSコア共有です。簡単に言うと、Win11 25H2の中身はWin11 24H2と同じです。

従って、Win11 25H2へアップグレードしても、24H2からのアプリ移行問題は少ないでしょう。また、Win10延命ツールのRufusを使えば、Win11アップグレード要件の回避も可能で、その回避PCハードでもWin11 24H2が正常に動作します(詳細は下記投稿参照)。

つまり、Win11 25H2の使命は、多くのWin10ユーザ取込み(回収)です。

Win11 25H224H2同様、新Copilot+ PCでない従来PCでも動作します。新旧両PC動作で24H2と同じ中途半端感も残るWin11 25H2ですが、新しいCopilot+ PCの必要性やAI PC生産性の高さをユーザへ実感させ、Copilot+ PC需要喚起やAI専用Win12の架け橋の役目も果たすでしょう。

Win11 25H2アップグレードはWin11 24H2からのみ

Windows 11 25H2更新プロセス(Microsoftブログに加筆)
Windows 11 25H2更新プロセス(Microsoftブログに加筆)

Microsoft公式のWin11 25H2アップグレード要件は、上図で示すWin11 24H2からのみ可能なことには注意が必要です。Win10からでもWin11 23H2からでもありません(Win11 25H2年次更新の詳細:2025/07/11投稿)。

従って、Win11 24H2以外のPCは、25H2アップグレード開始前にWin11 24H2化しておかなければWin11 25H2になりません。

もしかしたら次期Rufusは、Win11 25H2ディスクイメージから要件を満たさないPCでも直接Win11 25H2化できるかもしれません。

しかし、現時点でWin11 25H2アップグレードを行うなら、直ちにRufus 4.9を使ってWin10を24H2にし、Win11 25H2準備は必須です。

Summary9月の月例更新プログラムとWin11 25H2準備

9月の月例更新プログラムが配布されました。Win10/11緊急修正を含みますので、早急な適用必須です。

今秋リリースWin11 25H2アップグレードは、Win11 24H2が開始要件です。Win10サービス終了は10月ですが、Win10延命ツールRufusを使えばWin11アップグレード要件回避も可能で、その回避PCハードでもWin11 24H2が正常動作します。

Win11 25H2リリース前にWin10Win11 24H2以外のPCは、Win11 24H2化しWin11 25H2アップグレード準備必須です。

Win11 25H2事前配布開始か?

「異例」のWin11 24H2累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)が、830日(土曜)に配布されました。この更新プログラムは、今秋リリース予定Win11 25H2の事前配布の一部だと思います。

異例のWin11 24H2累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)配布
異例のWin11 24H2累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)配布

830日「異例」更新プログラム

「通常」のPatch Tuesday 8月例累積更新プログラム配布が、813日、次回9月の例累積更新プログラム配布は、910日の予定です。今回の累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)配布は、8月と9月の中間で、しかもSaturdayの全く「異例」の配布です。なぜこのタイミングか解りません。

そこで、クラウドAIMicrosoft Copilotアクアに質問したところ、4つの理由を得ました。

  1. Copilot +PC向けAI機能強化先行展開
  2. セキュアブート証明書の有効期限問題対応
  3. Patch Tuesday別枠「プレビュー更新」(企業影響を避けるフィードバック取得に週末配布)
  4. (Win11 25H2への)24H2安定性確認フェーズ

筆者は、Win11 25H2 Release Previewリリース記事2025/09/01、窓の杜)から、Win11 25H2事前分散配布だと推測しました。

830日更新プログラムKB5064081入手方法

上記記事では、Insider ProgramRelease Previewチャネル設定により今回の更新プログラムKB5064081入手方法が示されています。

しかし、弊社はWindows Updateで「利用可能になったらすぐに最新更新プログラムを入手」のオン設定で入手しました。もちろん、Insider Program参加は無しです。

8月30日更新プログラム入手方法
8月30日更新プログラム入手方法

KB5064081インストール後、再起動が要求されます。しかし、NPU無しの弊社Win11 24H2に特に変化はありません。

Rufus手動アップグレードWin11 24H225H2化できそう!

Win10延命ツールFlyby11は、Win11 24H2から25H2へのアップグレードができない懸念があるそうです(Win11 25H2が新たな障壁2025/08/06、日経XTECH)。

弊社お勧めRufusも延命ツールの1つです。このRufusを使って弊社は4月から5月にかけてWin11 24H2へ手動アップグレードし、その24H2正常更新状況を、タイムライン風に投稿しました。

手動Windows11 24H2更新タイムライン
手動Windows11 24H2更新タイムライン

今回の事前分散配布プログラム(KB5064081) (26100.5074)のインストール成功は、Win11 25H2アップグレードへの第一歩かもしれません!

今秋Win11 25H2リリースが待ち遠しいです。

SummaryWin11 25H2事前配布開始か?

通常Patch Tuesdayとは異なるWin11 24H2累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)配布が、830日土曜に行われました。週末配布は、企業影響を最小にするWin11 25H2事前分散配布が狙いでしょう。

Rufus手動アップグレードでWin11 24H2化した弊社PCは、Windows Update最新プログラム入手のオン設定で、このKB5064081インストールに成功しました。

今秋リリース予定Win11 25H2アップグレードへの第一歩だと思います。

AfterwordWin11 25H2ビルド番号は26200番台

MicrosoftサイトのWindows and the shared servicing model v1.2 June 2025に、Win11 24H2/25H2ビルド番号が掲載されました。現行Win11 24H2が、26100番台、次期Win11 25H2は、26200番台です。

Wn11 25H2アップグレードは、Win11 24H2が前提です。10月に迫ったWin10 EOS対策に、RufusによるWin11 24H2更新をお勧めします。

AIスマホとAI PC、ローカルAIの使い方は何が違う?

820日発表のGoogle Pixel 10は、スマホAI機能を大幅に強化しています。この最新Pixel 10のローカルAI機能を例に、最新AIスマホと最強AI PCのローカルAIの使い方がどう違うのか考察しました。

最新スマホのローカルAI機能

Google Tensor G5(出展:blog.google)
Google Tensor G5(出展:blog.google)

Google自社開発最新SoCTensor G5搭載Pixel 10は、従来Tensor G4比、CPU 34%高速化、AI処理NPU最大60%高性能化しています。これらによりスマホで下記ローカルAI機能を実現します。

マジックサジェスト:日常的に使うアプリやアクション、コンテキストに基づいたユーザ行動の先回りAI予測の提案機能。フライト情報の自動表示やメッセージ返信例のAI提案など実現。

カメラコーチ:リアルタイムで画像認識しカメラ構図のAI提案、複数写真からベストショット合成など。

マイボイス翻訳AIが生成したユーザの声でリアルタイム翻訳通話。

これらローカルAI機能は、「ユーザが意識せずとも先回りAIアシストが受けられる」ように設計されています。もちろん、全てのAIサービスはローカル端末で完結のためクラウドへの情報漏洩はありません。

フラグシップAI PCのローカルAI機能

AMD Ryzen AI Max+ 395(出展:AMD)
AMD Ryzen AI Max+ 395(出展:AMD)

AI PCは前稿で示したSoCトータル126TOPSを持つ現時点最強 Ryzen AI Max+ 395搭載Beelink GTR9 Proを例にローカルAI機能を示します。

大規模ローカルLLM:大量テキストデータ学習結果から、ユーザが判り易い文章を生成。ユーザとAIのインタフェース役も果たす(関連投稿:NPUとローカルLLM)。

AIエージェント:ユーザに代わり各種PCツール連携処理をAIが代行。学習や適応能力があるため、様々な状況変化にも対応可能。例えば、SNS投稿の感情分析など高度な処理も可能(関連投稿:AIエージェントの魅力)。

CoPilotサービス:ユーザアクションをAIが自動記録、後に自然言語検索・再利用ができるRecallなどの機能。

スマホAI機能に比べると、PC全体の広範囲なローカルAI機能が使えます。現在は、ローカルAI機能を有効にするか否かをユーザが選択可能です。

SummaryAIスマホとAI PC、ローカルAI使い方の違い

AIスマホとAI PC、ローカルAIの使い方差(Gemini作成)
AIスマホとAI PC、ローカルAIの使い方差(Gemini作成)

AIスマホとAI PCのローカルAIは、その対象と提供方法に違いがあります。

AIスマホのローカルAIは、日常タスク効率化とユーザ体験向上にフォーカスしてアシストします。

一方、AI PCのローカルAIは、高度AIモデル実行、操作カスタマイズ、AI開発などPC作業の広範囲アシストが可能です。但しAIアシストの有無は、ユーザが選択します。

スマホ/PCどちらも、クラウドへの情報漏洩無しに高度なローカルAIサービスが利用できる点は同じです。但し、ユーザ無意識なAIサービス提供がAIスマホ、アシスト有無明示のAIサービス提供がAI PCです。

Afterword:ローカルAI移設は必須

ローカルAIは学習・適応能力があるため、使えば使う程ユーザ好みの賢いアシスタントになります。AIスマホやAI PCのハードウェア平均運用年数は数年です。この運用年数を過ぎて新しいエッジ端末へ換えた時、果たして賢いアシスタントも新端末へ移設できるのでしょうか?

ローカルAI情報は、SoC内臓セキュリティチップに蓄えると思います。賢くなったアシスタントも移設必須ですね。


AI Max+ 395搭載GTR9 Pro先行販売

5月の4種ミニAI PC比較時、未発表であった高AI性能、静音性にも優れるRyzen AI Max+ 395搭載BeelinkGTR9 Proが、先行販売されました。今なら$2,399が$1,985¥293,000/2025-8-21換算)で35日以内に発送するそうです。

GTR9 Pro概観とAI処理能力(出展:Beelink)
GTR9 Pro概観とAI処理能力(出展:Beelink)

現在AI向けCPUAPU)プラグシップのAMD Ryzen AI Max+ 395搭載で、実用ローカルLLMが可能な128GB UMA実装済み、America’s AI Action Plan 5年後AI変化予測の100TOPS以上AI処理能力を持ちながら、静音/放熱性に優れ電源内蔵で移動性も優れるGTR9 Proを紹介します。

APUAccelerated Processing UnitCPU/GPU/NPUSoCSystem on Chip)化したAI CPU
※UMA
Unified Memory ArchitectureRAM領域をCPU/GPU/NPUで共有する方式。AMD社やApple社のAI CPUUMA採用中。

AI PC選択要件

ミニAI PC関連の過去投稿とその要点が下記です。

  • ローカルLLM活用はAPUと大容量・高速UMAが重要:2025/05/16投稿
  • APU内蔵Plutonプロセサがセキュリティ保護に重要:2025/06/20投稿
  • ノートAI PC比マルチモニタ接続容易で低価格なミニAI PCAI活用開発に適す:2025/07/18投稿
  • Action Plan発表後5年間のAI PC能力予想:2025/08/08投稿3章)
  • 70B LLMサポートAI PC要件:2025/04/11投稿Afterword

まとめると、AI PCを選ぶ時は、APUUMAによる高速AI処理、大容量メモリ、情報漏洩リスクが低いローカルLLM活用が重要で、更にAI開発向けは、拡張性と複数外部モニタ接続性も必要なためノートAI PCよりもミニAI PCが適すと結論しました。

本稿のBeelinkGTR9 Proは、これら要件を満たすミニAI PC1つです。

GTR9 Pro製品特徴

クラウドAIGoogle Gemini2.5 Flash)を使ってGTR9 Proを調べると、前章AI PC要件を満たすだけでなく様々な製品特徴が判ります。

GTR9 Proの優れた冷却システムと静音性の実現方法(出展:Beelink)
GTR9 Proの優れた冷却システムと静音性の実現方法(出展:Beelink)
  • AI処理性能はCPUGPUNPU合計126TOPS
  • Ryzen AI Max+ 395の高いTDP(45-120W)を低い騒音レベル(32~37dB)で実現
  • 静音デュアルターボファンとベイパーチャンバーが特徴の冷却システム
  • 230W電源内蔵でMac Studio類似の180×180×90.8mmサイズ

筐体は、継ぎ目のないオールメタル製で優れた耐久性と高級感があります。内部設計も、フルアルミニウムのフレームシステム上にマザーボード/ヒートシンク/ファンなどの主要コンポーネントを固定し、ミニPCにありがちな応力によるコンポーネント損傷を排除、耐衝撃性も向上しています。

つまり、ノートAI PC比、ミニAI PCの弱点である移設・移動性も改善されています。GTR9 Proならバックに入れて持ち歩き、接続モニタがあるネットカフェなどでノートAI PC同様に活用できるでしょう(GTR9 Pro重量は投稿時不明)。

ミニAI PC課題

一方、GTR9 Proに限らずミニAI PCならではの課題もあります。

  • はんだ付けオンボードメモリのため容量増加不可
  • ベアボーンモデル選択肢無し
  • AMDハードウェアを最大活用するソフトウェア/ドライバ供給遅延
  • 対中国の米国政策(最新AI半導体やOS提供可否)

AMDの第一世代ハードウェアは、ソフトウェア/ドライバの提供が遅れることはよくあります。暫く待てばよりハードウェア性能を引き出せるソフトウェア/ドライバが提供されると思います。

また、ミニAI PC製造が多い中国へ、最先端のAI半導体やOSを従来通り米国から輸出供給可能かも不透明です。

SummaryAI Max+ 395搭載GTR9 Pro先行販売

5月の4種ミニAI PC比較時、未発表であった高AI性能で静音性にも優れるRyzen AI Max+ 395搭載BeelinkGTR9 Proが先行販売されました。

現在APUプラグシップのAMD Ryzen AI Max+ 395を搭載し、ローカルLLM実用可能な128GB UMA実装済み、America’s AI Action Plan5年後AI変化予測100TOPS以上のAI処理能力を持ちながら、静音/放熱/移動性にも優れた電源内蔵ミニAI PCGTR9 Proを紹介しました。

AfterwordBeelink GTR9 Pro製品動画はコチラ

America’s AI Action Plan

Americas AI Action Plan
Americas AI Action Plan

America’s AI Action Plan」は、AIにおける米国世界優位の確立、維持を目的に20257月発表の戦略計画です。トランプ大統領ビジョンに基づき、AIを経済的繁栄と国家安全保障の鍵と位置づけ、そのための具体行動を3つの柱に分けて提示しています。

これは、America’s AI Action Plan(英文24ページ)をGoogle NotebookLMへアップロードし、得られた日本語概要です。このAmerica’s AI Action Planを題材に、NotebookLMGeminiCopilotTipsを示します(GeminiNotebookLMCopilot特徴は、前回投稿参照)。

ユーザ資料・分析・整理が得意:NotebookLMTips

ユーザ資料に情報源を絞り、ハルシネーション抑制も可能な資料解析・分析は、NotebookLMの得意技です。America’s AI Action PlanNotebookLMへアップすると、冒頭緑で示した概要がそれぞれの母国語で生成されます。3つの柱の説明がこの後に続きます。

しかし、専門用語が多く判り難い感じがします。そんな時のTipsが、プロンプトに「小学生にも判るように」を加えます。すると、

クラウドAI Tips:小学生にも判るようにを追加
クラウドAI Tips:小学生にも判るようにを追加

America’s AI Action Planは、アメリカという国が、AI世界で一番になるための計画だよ。AIって、みんなが使うスマホのアプリとか、未来の車とか、もっとすごいものを作るのに役立つとっても大事な技術。この計画は、AI分野でアメリカが一番になり、他の国に負けないようにするための「地図」みたいなものだよ。

というように、文体が変わり、スマホや未来車を例示、Action Planを地図と言い換える等、特に専門用語は判り易い文章になります。

この小学生プロンプトは、GeminiCopilotの回答が判り難い時にも同じように使えるTipsです。

America’s AI Action Planの影響

America’s AI Action Planにより何がどう変わるかは、202584日、海外ITトピック“米国AI政策の大転換”にまとめられています。要旨を簡単に列記したのが下記です。

  • 従来の規制から全面的な規制撤廃への大転換がAmerica’s AI Action Plan
  • 「建てて、建てて、建てまくれ」がAI関連建設スローガン
  • 次世代エネルギーを推進、再生可能エネルギーは除外
  • 市場原理主義型グローバル覇権追及タイプ
  • 中国ではなく米国企業に各国AIを依存させる戦略
  • 米国に産業革命、情報革命、ルネッサンスを同時に起こす

ざっくり言うとAction Planは、AI供給側体制に大きく変化を与えそうです。

インターネット全体AIアシスタント:Gemini、CopilotTips

America’s AI Action Plan概要とそのAI供給側への影響は、NotebookLMと海外ITトピック記事で判りました。では、この戦略がAIを利用する側の開発者やAI PCCopilot+ PC)へ、どのように影響を与えるかを、インターネット全体を情報源とするクラウドAIGemini/Copilot)を使って予測します。

クラウドAIへ予測や検討を依頼する時のプロンプトTipsが、「AIを専門家に見立て、具体的質問を入力」です。クラウドAIへこれらヒントを与えることで立場、依頼目的が明確になりAI回答精度は向上します。

クラウドAI Tips:AIを専門家に見立て、具体的質問を入力
クラウドAI Tips:AIを専門家に見立て、具体的質問を入力

例えば、「あなた(Gemini/Copilot)は、40TOPS以上のNPU搭載Copilot+ PCを使い組込みソフトウェアやPCソフトウェア開発を行っている開発者です。また、同時に、AI研究者も兼ねた仕事をしています。America’s AI Action Plan発表で、今後5年間に、(1)引き受けるAI開発案件がどのように影響を受けるか、(2) 現トランプ大統領在任中に実現されると言われるAGI実現は影響を受けるか、(3)使用中のCopilot+ PCは、あなたが予想・予測する5年間AI変化に十分対応できるか、の3点を予測・検討して」などです。

America’s AI Action PlanCopilotへアップ後、上記依頼Copilot回答の項目抜粋が下記です。

(1) AI開発案件への影響

  • 規制緩和による開発スピード加速
  • オープンソース・オープンウェイトAI推進
  • 政府調達案件増加とイデオロギー中立要件

(2) AGI実現への影響

  • AGIに向けた基盤技術加速
  • 政策的にはAGIより実用的AI重視

(3) 使用中Copilot+ PCの対応力

  • 現時点は十分な性能
  • 今後のAGI・大規模モデルには限界
  • 拡張性と互換性が鍵

Copilot+ PCは、今後5年間のAI変化予測に対しスタートは十分だが、100TOPS以上のNPUやメモリ強化が進むとCopilotクラウドは予想しました。増設・拡張性に優れるミニAI PCは、ノートAI PCより優位そうです(関連投稿:ノートAI PCとミニAI PC比較)。

Summary:America’s AI Action Plan

米国AI政策の大転換:America’s AI Action Planを、NotebookLMGeminiCopilotTipsと共に入力し、America’s AI Action Plan概要とAI供給側の影響、AI利用側の今後5年間の影響予測を行いました。

現行のCopilot+ PCは、スタートとしては十分ですが、100TOPS以上のNPUやメモリ強化が進むとクラウドAIは予想しました。

Afterword:クラウドAI出力は緑字

NotebookLMCopilot出力は、緑字を使いました。本稿とクラウドAI出力を見た目でも分け、Tipsによる出力変化を示すためです。しかし、本来示したかったのは、America’s AI Action Plan概要と現行Copilot+ PCスペックへの影響です。クラウドAIは、同じプロンプトでも状況により出力が変わりますので本稿出力は一例です。各読者でプロンプトを入力し試してください。

PS:盆休みのため次回815日金曜は、休稿予定です。

AI基本のキ:GeminiとNotebookLM、Copilot

開発者のAI利用は、必須になりつつあります。組込み開発基本のキAI版としてAI基本のキをまとめます。第1回は、クラウドAIGoogleGeminiNotebookLMMicrosoftCopilotの現状です。

GoogleMicrosoftAI

GoogleMicrosoftのクラウドAIは、利用開始からその差が判ります。

GeminiとNotebookLMはGoogleアプリの一種
GeminiとNotebookLMはGoogleアプリの一種

Google GeminiNotebookLMは、Chromeブラウザで新しいタブを開き、右上GoogleアプリからGeminiまたはNotebookLMを選択、各初期画面にAIへの質問や要求など明示的な「ユーザ指示(プロンプト入力)」でGoogleクラウドAI利用を開始します(GeminiNotebookLMの差は3章参照)。

GoogleクラウドAIGeminiNotebookLMは、Gmailやドライブと同じ「Googleアプリの一種」という扱いです。

一方、Microsoft Copilotは、Edgeブラウザだけでなく全てのWindowsツールにCopilotアイコンの表示があり、このCopilotクリックでAI利用が始まります。AIへのエントリーポイントがCopilotです。

Copilotアイコンは様々なAIサービスのエントリーポイント
Copilotアイコンは様々なAIサービスのエントリーポイント

例えば、メモ帳のCopilotは、テキスト要約や書き直しなど、テキスト関連のAI処理です。また、ペイントのCopilotは、画像生成や背景消去など画像関連のAI処理で、同じCopilotでもツールに依存したAIサービスが自動的に提供されます。

つまり、MicrosoftAIは、ユーザ操作やWindowsアプリ連動のAIサービスを提供し、「Copilotは様々なMicrosoft AIサービスのエントリーポイント」という扱いです。

ユーザ指示かAIアシスト

Microsoft AIサービスは、ユーザ指示(プロンプト入力)に加え、Windowsと強く結び付き、AIによる自律的で高度な推論に基づいたAIアシスト(AIエージェント)利用のサービスも可能です。一方、Google AIは、ユーザ指示に基づいたAIサービス開始の点でMicrosoftとは異なります。

例えば、NPUを持つAI PCなら、Windowsユーザ操作をバックグラウンドでAIが学習し、ユーザが目指す目的や目標を「AIが自律的に推論」、より効率的な回答や提案の出力も可能です。ユーザ画面を数秒毎にキャプチャし、後に作業内容をユーザが思い出し易くするRecall機能は、このAI推論の一例です。

Google/MicrosoftどちらのAIが便利かは、ユーザや依頼内容に依存するでしょう。プロンプト入力が得意でAI回答に対し微調整もできるユーザはGoogleAIアシスト推論・提案も受入れ、積極的にAIを使いたいユーザはMicrosoftが適すと思います。

AIエージェントは、コチラの関連投稿を参照。

GeminiNotebookLMの差

Gemimiは「汎用的」なAIアシスタント、NotebookLMは「ユーザアップロード資料に基づいた内容分析や理解を行う」AIアシスタントで、目的と情報源が異なります。プロンプト入力画面で違いが判ります。

GeminiとNotebookLMのプロンプト入力画面
GeminiとNotebookLMのプロンプト入力画面

NotebookLMは、PDFやテキスト、YouTube動画などのユーザソースをアップロードすると、それらユーザ情報を基に内容解析・理解・分析を行います。限られた情報源のためハルシネーション抑制もできます。ユーザ資料要約や分析、整理に役立ちます。

Geminiは、ネット全体を情報源とするLLM(大規模言語モデル)で、Google検索補完や情報収集など広範囲で汎用的なAIサービスです。ちなみにNotebookLMLMは、Language Model(言語モデル)を意味し、GeminiLLMを活用しています。

SummaryAI基本のキ:GeminiNotebookLMCopilot

GeminiNotebookLMCopilotをまとめたのが下表です。比較のためCopilotはクラウド版です。

特徴 Gemini NotebookLM クラウド版Copilot
目的・機能 汎用AIアシスタント ユーザ資料理解・分析・整理 汎用AIアシスタント
AI
エントリーポイント
情報源 インターネット全体 ユーザアップロード資料 インターネット全体
得意分野 広範囲情報検索・分析 資料要約、ハルシネーション抑制 広範囲情報検索・分析
利用例 企画書、アイデア創出 長文・長時間動画要約 企画書、アイデア創出

AI自身の進化は激しいため、あくまで現時点の各特徴を示しています。GeminiCopilotは汎用AIサービス、NotebookLMはユーザ情報に基づくAIサービス、CopilotアイコンはMicrosoft AIサービスエントリーポイントも兼ねることを知っておけば良いでしょう。

GoogleアプリのGeminiNotebookLMは、ブラウザ経由の明示的ユーザ指示からのAI利用に対し、Copilotは、ユーザ指示に加え、Windowsツール連動やユーザ動作から自律的な推論や提案などのAIアシストもあり、より積極的にAIを利用できる点が異なります。

AfterwordAI時代開発者の基本のキ

40TOPS以上のNPUを持つWindows PCAIエージェントを活用すれば、開発者の限られた知識や理解範囲を超える多角的でより高度な生産性・目標・開発が可能になります。AI導入を脅威と感じる開発者もいるでしょう。しかし、AI提案の採用可否は、開発者自身が行います。AI利用は、使う側の問題・課題です。AI時代に備えAI基本のキを把握しましょう。


Rufus手動Win11 24H2更新状況

5月のGW中にRufus 4.7を使いWin11 23H2からWin11 24H2へ手動更新した弊社PCの現状を示します。725日現在、非セキュリティ更新も含め更新Win11 24H2は正常動作中です。Win11 24H2へ自動更新できないPCをお持ちのユーザでも、Rufusを使えば安心してWin11 24H2更新・運用ができます。

Win11 24H2手動更新タイムライン

手動Windows11 24H2更新タイムライン
手動Windows11 24H2更新タイムライン

Rufusは、様々なWin11 24H2アップグレード要件を回避しつつ、従来のWin10Win11 23H2から最新のWin11 24H2へ更新ができるツールです。

40TOPS以上のNPUを持つ新しいAI PC買換えが困難なユーザでも、従来Win PCを最新Win11 24H2へ更新し、今秋リリース予定のWin11 25H2準備ができます。Win11 24H2が、Win11 25H2アップグレードの前提ですので24H2更新は重要です(関連投稿:Win11 25H2今秋リリース)。

もちろん、従来PCで非AI PCですのでローカルAI機能、例えばAI検索Recallなどは使えません。しかし、Win11 24H2は、AI PCと従来PCの両方対応OSのため、CopilotGeminiなどのクラウドAI機能は問題なく使えます。

弊社は、過去Rufusでの手動更新を投稿してきました。4月以降のWin11 24H2更新状況をタイムラインで示しました。

Win11 24H2アップグレード要件を満たす本来のWin11 24H2同様、月例更新や724日の8月先行更新も含め、手動Win11 24H2は、全て正常に動作中です。

関連投稿一覧

手動Win11 24H2更新詳細は、下記投稿で判ります。

手動Win11 24H2更新4PCの内、半分の2PCは下図のように「最新の更新プログラム入手をオン」へ設定していますので、724日リリースの先行8月更新(非セキュリティ更新:KB5062660)がインストールされます。先行更新入手のオン/オフ差を検証するためですが、全PCとも差が無く正常動作しています。

最新更新プログラム入手オン設定
最新更新プログラム入手オン設定

SummaryRufus手動Win11 24H2更新状況

20254月以降のRufus手動Win11 24H2更新状況をタイムラインで示しました。掲載PCは、Win11 24H2アップグレード要件を満たさない従来PCですが、要件を満たすPC同様問題なく正常動作中です。

手動Win11 24H2更新に不安を頂いているユーザの方でも、安心してWin11 24H2更新・運用ができます。

Afterword:新PC購入vs. 従来PC更新

日本Windows PC出荷台数が、前年比2.4倍でPC特需到来だそうです。ネットカフェもWin10からWin11へのハードウェア置換えが進行中です。40TOPS以上のNPUを持つCopilot+準拠AI PCは、未だ高価です。しかし、価格は徐々に下がるでしょう。従来PCAI PC両対応の今秋リリースWin11 25H2の終了2027年秋まで話題のエッジAIを待てるユーザは、Rufusによる従来PC手動更新も一案です。