2016年マイコン業界と超速開発

2016年マイコン業界

Qualcomm ← NXP ← Freescale、買収先の企業へ矢印を付けるとこのようになります。
QualcommはSnapdragonなどのスマホチップセットを供給する半導体ベンダーです。車載を得意とするNXPの社名は残りそうですが、買収後のNXP/旧FreescaleのCortex-M系マイコンラインアップは気になります。
さらに、Windows 10がこのQualcommのSoCで動作するというニュースは、IoT向けPCやスマホにMicrosoftが参入し、数多くある無線規格の収束を早めるかもしれません。

先ず2017年3月、開発環境LPCXpressoとKinetis Design Studioが新しいMCUXpressoに統合されます。また、先日発表の2017ロードマップによると、スイッチマトリクスを持つLPC8xxシリーズが充実します。QualcommとのシナジーによりIoT無線規格のIoTマイコン発売が期待できます。

一方、RunesasもSynergyで遅ればせながらARM Cortex-Mマイコン開発に乗り出し、従来からある独自コアを持つRL78の16ビットマイコンやIDE:CS+は肩身が狭くなった気がします。既存マーケットにはRL78、IoTにはSynergyのCortex-M23/M33という住み分けを意識したかのようです。

Cypressは、Spansion買収によりCortex-M0+コアを入手し、PSoC4へ適用し始めました。アナログ技術が豊富なPSoC4/PRoC/PSoC4 BLEマイコンが更に強化されました。私はCortex-M0/M0+開発では、最も使いやすいIDE:PSoC CreatorとPSoC4/PRoC/PSoC4 BLEの組合せがピカ一だと評価しています。Cortex-M23のラインアップ追加が待ち遠しいです。

※上記は、下記個人レベルで準備できる「入手性が良く、低コストマイコン」の選択基準に合致する半導体ベンダーに限定して分析しております。

超速開発環境

顧客が許容するマイコンソフト/ハード開発時間は、ますます短くなります。
顧客側の技術理解レベルが追い付かないのも原因の1つですが、状況変化が激しいので即開発し、市場でのフィードバック、改良などを繰り返しながら製品化が必要なことが大きな要因です。

短い開発時間は、マイコン開発者にプレッシャーや焦りを生じさせます。しかし、焦りは禁物です。
良い成果物を効率的に出力できるワザ、これがマイコン開発者には必要です。

このワザ習得には、時間を気にせずに没頭できる環境、例えば自宅などで、新しいマイコンや現状マイコンを、身銭を使うので低コストで、しかも短時間で習得できる方法が必要です。
技術は、食べ物と同じで自分で習得(食べ物なら消化)してこそ身に付きます。食べ過ぎて消化不良になるのを避ける手段/方法があります。

この習得方法が超速開発環境、マイコン評価ボード(=スターターキット)+拡張ボード(=mbed-Xpresso Baseboard)+そして弊社マイコンテンプレートです。

マイコンテンプレート(税込1000円)は、懇切丁寧な添付資料や多くの(冗長な!?)コメントをソースに付加しています。従って、初心者が陥りがちな初期トラブルを避けることができ、ベンダー提供のサンプルソフトを活用したマルチタスクで、評価ボードと拡張ボードを動かせます。
ソフト担当者は、マイコンを自分で動かせれば、安心して厳しい状況でも開発できます。

また、基板開発時に問題となるアートワーク(配線引き回し)に配慮したIO割付を実ボードで検証できるので、基板化障壁も下がります。
ハードのみの担当者であっても、この超速開発環境はマイコン回りのベンダー推薦配線チェック、アートワークに適したIO割付をソフト開発者へ提案、基板テストプログラム開発時などにも役立ちます。

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販売中のマイコンテンプレート5種
販売中のマイコンテンプレート5種

「入手性が良く、低コストマイコン」という基準で、現在5種マイコンをピックアップし、そのマイコンテンプレートを開発/販売することで、超速開発をサポートするのが本サイトの目的です。ご要望により新たなマイコンを追加する可能性もあります。

サイトに対するご意見、ご要望、追加マイコンなどお気軽にinfo@happytech.jpへお寄せください。

本年もありがとうございました。来年も引き続き弊社サイト、どうぞよろしくお願い申し上げます。