2024年5月28日、日本Microsoft津坂社長のCopilot活用記事が、PC Watchに掲載されました。メール要約や資料分析、優先タスク振分けなどCopilotを使った活用例は、ビジネスパーソンだけでなく、MCU開発者にとっても参考部分が多々あります。
筆者が特に印象に残ったのは「エンジニアでない津坂社長でも、使い続け、議論を繰り返すことでCopilotを使いこなせる(AI筋トレ)」の部分です。
背景技術の広さ深さは見せず、使い易さを追求したツールは、Copilotだけでなく最近のツール全般に当てはまります。そのCopilotを更に進化させるGPT-4oのAI研究者視点と、MCU開発ツール変化について示します。
謎が多いGPT-4oモデル
2024年5月28日、ビジネス+IT にAI研究者、今井 翔太氏が、研究者視点のGPT-4o評価と謎、GPT-5への伏線を執筆しました。筆者が、ごく簡単にまとめたのが下記です。
“数年前ならAGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)レベルに達したと想定できるGPT-4oは、AI研究者からみると、謎が多いモデルで従来スケーリング則からは不自然。しかし、殆どの人が考えるAGIに相当近づいた。GPT-4延長GPT-4oの次期超高性能モデルGPT-5準備中”
AIを利用する殆どの人、つまり、筆者などMCU開発者は、GPT-4o≒AGIと考えて良いと思います。前章、津坂社長のようにAGI化したCopilotをこき使って(!) 生産性や判断スピートを上げ、その中身や仕組みは知らなくても問題ないからです。
現在Copilotは、GPT-3.5/4でGPT-4oではありません。しかし、CopilotのようなAIツールは、使っているうちにGPT-4o/5などのテクノロジ進化と共にユーザ学習度も深くなり、最後にはユーザ専用アシスタントとなる可能性があります。
このツール自体の進化が、従来に無いAIツールならではの特徴です。
MCU開発ツール変化
MCUのIDE開発ツールは、Eclipse IDEベースが業界標準です。各MCUベンダ固有のAPIコード生成ツールやフラッシュプログラマをEclipse IDEへ機能追加し、MCU開発者へ無償提供されます。
最近、Eclipse IDEベースに代わってMicrosoft製Visual Studio Code(VSC)を使う変化が見られます。
例えば、NXPは、EclipseベースのMCUXpresso IDEの代わりに、VSCベースのMCUXpresso for Visual Studio Codeが使えます。もちろん、無償です。従来EclipseからVSCへ変えるメリットは、筆者には判りません。あえて推測すると、同じMicrosoft製Copilotとの親和性です。
つまり、数年後のAI活用MCU開発時に、EclipseベースよりもVSCの方がCopilotとの協調動作性が良いので、ユーザ能力に合わせた開発ができるかも(?) という訳です。
Summary:MCU開発者のCopilot+ PC
Microsoft発表のCopilot+ PCは、ユーザ検索履歴や能力レベルを、40TOPS以上のエッジAI NPUが学習し、ユーザに即した回答をCopilotが提供します。これは、広く深い知識が求められるMCU開発者にとっても、開発スピートアップやMCU習得の強力な助けになります。
MCU開発者がCopilotを上手く使うには、津坂社長のように使い続け、入出力議論を繰り返すことでエッジAI NPUがユーザを学習し、同時に開発者もCopilotに慣れる「AI筋トレ期間」が必要です。
Visual Studio Code やCopilotに慣れ、エッジAI NPUを使いこなせるよう準備が必要かもしれません。Microsoft製ツール全盛となるのは、いささか気になりますが…。AIアシスタントCopilot影響大ですね。
Afterword:VSC頻繁更新Dislike
筆者は、VSCをWeb制作に使用中です。これは、過去使っていたツールが更新停止となったからです。拡張機能の多さやユーザカスタマイズが容易なVSCですが、その頻繁な更新はあまり好きになれません。
Eclipse IDEでも、エディタは標準以外の別エディタ、例えば、Notepad++変更も可能です。その他カスタマイズ機能も、現時点ではEclipseとVSCに大差無いと思います。
AI全盛時は、もしかしたらIDEで差が出るかも(?) と思ったのが本稿作成理由です。筆者は、未だ自作PC派です。生成AI加速モジュールをPCへ追加しエッジAI性能を上げるか検討中です。