過酷高温のMCU変化

最高気温が35°Cを超える猛暑日が多発しています。IoT MCU装置の動作環境も、過酷な高温になることもあるでしょう。

そこで、過酷な高温環境で、MCUの何が、どのように変わるかをソフトウェア開発者向けにまとめます。

Summary:限界温度以下のMCU運用必須

限界温度以下のMCU運用必須
限界温度以下のMCU運用必須

過酷な高温でMCUが動作すると、半導体MCU自体が部分的に破壊され、常温に復帰しても元に戻りません。その結果、MCU論理やアナログ処理の異常、消費電流過大/過少などの症状が現れることがあります。

ソフトウェア開発者が、これら見つけにくい症状をデバッグするのは困難です。フェールセーフ観点から、ADCでMCU心臓部温度をモニタし、限界温度まで十分な余裕のあるうちに動作停止などのMCU運用が必要でしょう。

参考資料

  1. Notes on RA6E1 Group High-Temperature Operation、2023年7月10日
  2. マイコンの仕様を超える条件で使ったら、何が起きる(前後編)、2022年8月12日、9月2日

RA6E1アプリケーションノート:Notes on RA6E1 Group High-Temperature Operationは、ルネサスRA6E1(Cortex-M33コア、IoT向きMCU)を使った8個のアプリケーションで、信頼性劣化を防ぐMCU心臓部限界温度の実験結果を示しています。

※本稿は、Tj:ジャンクション温度を、MCU心臓部温度と略記します。

何が起きる(前後編)は、STマイクロの技術資料です。高温、高湿、高電圧ストレスが、一般的なMCUに与える影響と、その可逆性(常温で正常に戻るかどうか)を詳しく説明しています。

過酷高温でMCUの何がどう変わるか

どちらの参考資料も、デバイス開発者向けとしては良く出来ています。

特に1は、具体的アプリケーションでの周囲温度(Ta:-40℃~105℃)とMCU動作時ジャンクション温度(Tj)の許容範囲を示しており、2の高温ストレス限界の具体例です。

しかし、ソフトウェア開発者にとっては、そのメカニズムよりも過酷高温動作の結果、MCUの何がどう変わるかをもっと端的に知りたいハズです。

過酷な高温でMCUが動作すると、半導体MCU自体が物理的、部分的に破壊され、常温に復帰しても元に戻りません。その結果、論理処理やアナログ処理の異常、消費電流過大/過少などの症状が現れることがあります。これらは、常に現れる症状ではないと筆者は思います。

ソフトウェア開発者が、通常のソフトウェアバグとは異なるこれら症状をデバッグするのは、困難です。

例えば、高温限界を超えたMCUと新品MCUとを並行動作し、たまに発生する異常症状から間接的に判断する程度でしょう。結局、新品MCUとの交換が必要です。

過酷高温環境のMCU動作がもたらす結果
過酷高温環境のMCU動作がもたらす結果

フェールセーフ

自動車は、制御系が異常を検出するとリンプモード(limp mode)、つまり、エンジン/モータやその他部品などの追加損傷をおさえつつ、最低限の走行で乗員を帰宅させるモードへ移行します。

MCU装置の場合は、先ず過酷な高温場所に設置しないこと、それでもやむを得ず限界高温に近づいた場合は、MCU破壊を避けるため動作停止などのフェールセーフが必要でしょう。

最近のMCUは、温度計を内蔵しています。ADCで自身の温度を測り、「限界温度前の十分な余裕あるうち」にフェールセーフ処理実行が可能です。

ディレーティング、10℃2倍則

高温状態で信頼性が劣化するのは、MCUだけではなく、抵抗、コンデンサ、基板などの装置デバイス全てに及びます。装置内で消費電力が最も大きいMCUに高温影響が顕著に表れ、その異常症状が他のデバイスに比べ検出し易いだけです。

そこで、多くのデバイスから構成される装置を安全に運用するには、各デバイス最大定格の50%以下で使うのが良いとされ、これをディレーティング(derating)と言います。

また、周囲温度が10℃上がると、材料寿命が半分になる10℃2倍則(10℃半減則)もあります。

これらを考慮すると、人間同様IoT MCU装置も、十分な余裕がある適温で運用してこそ本来の機能を発揮し、かつ、装置寿命も保てると言えます。適温とは、参考資料1 Table 4.1 No.3の最も厳しいTj≤85℃の50%、つまり45℃~50℃位でしょうか?

筆者は、Windowsタスクマネージャーのパフォーマンスモニタで、半導体CPU/GPU温度が50℃を超えると、処理負荷を減らすかシャットダウンするようPC運用を心がけています。



RA用FSP v4.5.0リリース

2023年6月28日、RA用FSP v4.5.0同梱e2 studio 2023-04がリリースされました。FSPのみがv4.4.0からv4.5.0へ更新され、e2 studioは、前回更新2023-04と同じです。FSP追加機能が下記です。

FSP v4.5.0追加機能
FSP v4.5.0追加機能

Reality AIサポート

API自動生成ツール:FSP v4.5.0追加機能で目新しいのが、Reality AIサポートです。

Reality AIは、ルネサスRAファミリ用のAI開発ツールで、AI処理にはCortex-M7クラスMPUが必要と思われていたのを、低コスト、低消費電力なMCUでも人物検出やモータ故障検出などのAI処理を実現できる特徴があります。

関連投稿:AI MCU

e2 studio 2023-04

IDE本体:e2 studio 2023-04は、更新無しです。

従って、前回更新で驚かされたユーザインタフェース:「消えたプロジェクト選択リスト」も不変です。下記の通りFSP v4.5.0インストール直後のダイアログで全ての内容に✅を入れて確認しました。

e2 studioインストール直後のアクション
e2 studioインストール直後のアクション

FSP v4.5.0 AI Data Collector/Shipper API

FSP v4.5.0 User’s Manual(英文)は、コチラからダウンロードできます。FSP v4.5.0追加Reality AI機能は、AI Data Collector/Shipperの2個のミドルウェアAPIです。

FSPのNew Stackを展開すると、新たにData Collector/Shipperの2個Stackが追加されました。Arm CMCIS5 NN Library Sourceは、前版からありました。

FSP v4.5.0.で追加されたAI Statck
FSP v4.5.0.で追加されたAI Statck

具体的にこのミドルウェアAPIとAI関連StackでどうやってAI処理を実現するかは、e2 studio FSP Summaryタグのフクロウアイコンクリックで表示されるData Shipper Basic ExampleやData Collector Basic Exampleを見ても筆者には、良く判りません。

Summaryフクロウアイコンで示されるBasic Examples
Summaryフクロウアイコンで示されるBasic Examples

FSPの極簡単な利用方法は、1)Stack配置、2)Property設定、3)Generate Project Content、4)Basic Example流用です。しかし、AI処理は、この方法では判らないAI学習などがありそうです。別途アプリケーションノート参照が必要でしょう。

だた、これらAI関連は、現在未発売のRAファミリ最上位RA8シリーズ(Cortex-M85+Helium)用の先行サポートだと筆者は思います。

Summary:RA2/4/6プロジェクトFSP v4.5.0アップグレードOK

RA用FSP v4.5.0同梱e2 studio 2023-04がリリースされました。FSP のみv4.4.0からv4.5.0へ更新、e2 studioは2023-04のままです。

FSP v4.5.0追加機能は、最初に図示したReality AIなどですので、RA2/4/6シリーズには当面無関係、今後発売されるRA8シリーズ用だと思います。

従って、旧FSP開発RA2/4/6プロジェクトをFSP v4.5.0へ更新すると、下記ワーニング表示がありますが、問題なくビルド、デバッグができます。

FSPアップグレードワーニング
FSPアップグレードワーニング



ルネサスArduinoボードへRA4M1供給

Renesas RA4M1搭載Arduino UNO R4 Minimaボード(出展:スイッチサイエンスサイト)
Renesas RA4M1搭載Arduino UNO R4 Minimaボード(出展:スイッチサイエンスサイト)

ルネサスが、Arduinoへ出資後、初めてのArduino最新版UNO R4仕様RA4M1(Cortex-M4/48MHz、Flash/256KB、RAM/32KB)搭載Arduinoボード:Arduino UNO R4 Minima販売が始まりました(2023年6月27日)。

ルネサスArduino出資

ルネサスが、Arduinoへ出資したのは1年前の2022年6月14日。出資額は、10百万⽶ドル(1⽶ドル130円換算で約13億円)です。

その狙いは、オープンソースハードウェアArduinoボードへのルネサスMCU搭載です。

最新Arduino UNO R4仕様

Arduino UNO R4コネクタ(出展:スイッチサイエンス)
Arduino UNO R4コネクタ(出展:スイッチサイエンス)

最新Arduino UNO R4と普及版UNO R3仕様の比較は、Arduino UNO R4 Minima販売元:スイッチサイエンスの動画や、販売サイトに判り易く解説されています。

UNO R4は、UNO R3と上位互換性があり、最大24Vのボード電源入力へ拡張、ボード処理性能もRA4M1(R7FA4M1AB3CFM、Cortex-M4/48MHz、Flash/256KB、RAM/32KB)搭載で、R3比かなりの向上が見込まれます。

Arduino UNO R4コネクタ供給電圧は、UNO R3と同じ5V/3.3Vですので、殆どの既存Arduinoシールドがそのまま搭載できると思います。より高性能Arduinoボードを求めるユーザには、歓迎されるかもしれません。

関連投稿:Arduinoコネクタを持つMCU評価ボードが多い理由

ルネサスRA4M1

RA4M1ブロックダイアグラム(出展:ルネサス)
RA4M1ブロックダイアグラム(出展:ルネサス)

ルネサスRA4は、RAファミリRA2/4/6シリーズの真中性能に位置し、RA2の低消費電力性とRA6のパフォーマンス性を兼ね備えたシリーズです。RA4M1は、静電容量タッチセンサやLCDコントローラのHMIが搭載済みです。

関連投稿:RAファミリ発表

筆者は、5Vトレラントポートが多いRA2シリーズ(Cortex-M23/48MHz)がArduino UNO R4ボードに適すと思っていました。しかしこの予想は外れ、Cortex-M33/100MHz採用が多いRA4シリーズでは異質のCortex-M4搭載RA4M1でした。

Cortex-M4搭載のRA4は、RA4M1以外にRA4W1(Bluetooth 5.0)があります。このRA4W1が、無線対応Arduino UNO R4 WiFiボードになると思います。

RAファミリは、新Arduino仕様向けCortex-M4と、IoTエッジMCU向けセキュリティ強化Cortex-M33/M23の2種コアから構成されています。どちらも狙う市場は、IoTネットワーク末端コンシューマMCUです。

Summary:全方位供給ルネサス

普及版Arduino UNO R3のMCUは、16ビット以下、ここに32ビットCortex-M4のRA4M1を搭載し、最新版UNO R4仕様として発表したルネサスの狙いが成功するかは、少し時間が必要と思います。RA4M1ソフトウェア開発は、UNO R3のそれとかなり異なるからです。

従来ルネサスビジネスとは異なる動向であることは、コチラの記事が明らかにしています。筆者も、記事と同感です。

ルネサスが、従来ビジネスに拘らずArduinoやRISC-Vなど、全方位でMCUを供給しようとする体制へ変化しつつある兆しだと思います。



ニッポン固執Change

“Change before you have to” 、Jack Welch氏(米GE:CEO、1981年から2001年)の名言です。日本スマホメーカ破綻とRapidus記事、グローバル市場必須の日本製造業と技術者の今をJack Welch氏の名言から考えてみました。

Rapidus記事

Rapidusロゴ

2023年6月12日から始まった日経クロステック「半導体立国ニッポンの逆襲」、Rapidus特集記事の昨日までの目次です。

第1回:日本で先端半導体をつくるだって?! 突然の記者会見、6月12日
第2回:20年前にラピダスの原点、小池社長の苦い過去、6月13日
第3回:ラピダス設立に動いた経産省の青写真、6月14日
第4回:ラピダス設立に透ける米国の影、6月15日
第5回:IBMからの電話で始まったラピダスへの道、6月16日
第6回:難関とともに終わったラピダス設立会見、6月19日
第7回:ニッポン半導体再起動へ、3つのラストチャンス、6月20日
第8回:⽇本半導体復活戦略の出発点「熊本」、6月21日
第9回:経産省が⽬指す半導体復活への3ステップ、6月22日

毎日追記され、各2000文字前後の文字数です。気分転換や隙間時間に読むのに適した量ですので、是非ご自身でお読みください。

AI要約ではありませんが、筆者が昨日迄の全記事をまとめたのが下記です。

全体トーンは、経産省主導Beyond 2nmを目指す次世代半導体会社Rapidus成功に懐疑的。2030年市場規模100兆円達成には、人材確保・育成や製造・量産ノウハウなど課題クリア必須。過去の政府主導失敗経験を活かしたのは、半導体ユーザ製造業(トヨタ、NTT、Sonyなど)を加えた点。但し、政府700億円拠出に対し、ユーザ10億円以下で温度差あり。Rapidus成功の道は険しいが、半導体立国ニッポン最後で最大のチャンス。

関連投稿:Rapidus(ラピダス)

日本スマホメーカ破綻

中高年やデジタル弱者に人気のある「らくらくスマホ」(出展:FCNTサイト)
中高年やデジタル弱者に人気のある「らくらくスマホ」(出展:FCNTサイト)

デジタル弱者、特に中高年層に人気があり販売実績数も多い「らくらくスマートフォン」メーカのFCNTが、経営破綻しました。

破綻要因は、半導体不足による調達価格高騰、スマホ不況など色々あると思います。言えるのは、ニッポンに拘った製品は、日本市場Shrinkと共に消える可能性大と言うことです。もはや、日本市場だけで存続できる製造業はあるのでしょうか?

例えば、前章Rapidus出資のトヨタ、Sonyは、グローバル市場でも稼いでいます。NTTもKDDIとタッグを組んでIWON(Innovative Optical and Wireless Network)を研究開発し、狙いはワールドワイド通信キャリア市場です。

関連投稿:世界規模の宇宙センシングIOWN

つまり、日本製造業が生残るには、ニッポン国内の稼ぎだけでは少なすぎる訳です。この対策の1つが、かつてのライバルKDDIと共同で光電融合デバイスを開発するNTTの動きにも現れています。

民間企業だけでなく、人口減少が進む地方自治体でさえ、従来のやり方では破綻危機が予想されています。

Summary:Change Now

Change before you have to

日本製造業は、高性能、高品質、低価格なニッポン製品を世界中へ輸出、販売し稼いできました。この稼ぎ方は、製品性能を左右する高性能半導体や円安が前提です。円安は、逆に海外製半導体の購入には不利です。

※円安=輸出日本製品が、海外で比較的安く買える

Rapidusが、次世代半導体のニッポン製造に拘る理由は、円安・円高の為替相場に依存しない高性能半導体の国内安定・安価提供が目的だからです。

同様の動きは、欧州半導体法米国CHIPS法にも見られます。ローカライゼーション動向に見えますが、これら諸法に後押しされる欧米製造業は、元々グローバル市場が狙いの猛者たちです(←誉め言葉です)。

日本製造業と日本技術者が生残るには、Rapidus成功・失敗にかかわらず、グローバル市場への “Change before you have to” が今必要、と名言は警鐘を鳴らしていると思います。

Afterword:弊社Change

WordPressの本サイトは、多言語対応済みです。しかし、MCUテンプレートサイトは、日本語のみ、ここも多言語化したいと考えています。

それにしても、本稿投稿のきっかけになった、ガラパゴス携帯に続く人口比多数派中高年対応らくらくスマホ破綻、単にスマホ不況だけでは考えられません。日本≠弱者≠ビジネス切捨対象なら良いのですが…。
Change必要です!



LibreOffice テンプレートとギャラリー

2023年6月8日、LibreOffice Community(最新版)が7.5.4へ更新されました。

PCを使って効率的な文書作成と利用者の思考をまとめるのが、LibreOfficeやMicrosoft Officeなどの文書作成ツールです。これら文書作成ツールの生産性を高める最新版LibreOffice付属文書テンプレートと図形ギャラリーを説明します。

文書テンプレート

話題のChatGPTなど生成AIを使った文書作成、つまりAI回答をコピーする文書作成も可能です。しかし本稿では、利用者が自分自身で文書を作成する時に効率的な方法として文書テンプレートを紹介します。

LibreOffice文書テンプレート(7.5.4の例)
LibreOffice文書テンプレート(7.5.4の例)

LibreOffice Community(最新版)7.5.4のファイル>テンプレート>テンプレートの管理で表示されるテンプレートダイアログです。Writer起動中なら、文書ドキュメントフィルターが自動的に適用されるため、すべてのアプリケーションへフィルターを変更しています。

文書、図形描画、プレゼンテーションを新規作成する際に役立つテンプレート、つまり雛形が多数準備されています。例えば履歴書は、ほぼ決まった書式や記述項目です。履歴書(英文)を使うと、雛形の項目内容を修正しさえすれば、標準的な英文職務経歴書が短時間で作成できます。

また、グレーエレガントのプレゼンテーションテンプレートの例を示すと、プレゼン資料の背景、効果的な図が挿入済みのスライド、スライド1枚に表示できる最適な文字数や大きさなども判る雛形が用意されています。

これら雛形を利用すれば、あやふやな思考がまとまり、最も手間と時間が掛かる初版文書や初版プレゼン資料を短時間で作成可能です。

初版完成後は、最終版への更新、つまり本来の利用者独自の内容編集に集中できます。

図形ギャラリー

文書を補足説明するには、図形が効果的です。

LibreOfficeで使える汎用図形は、ギャラリーとしてメイン画面右側に表示されます。ギャラリー非表示の時は、LibreOfficeの表示>ギャラリーで表示できます。

LibreOffice図形ギャラリー(7.5.4の例)
LibreOffice図形ギャラリー(7.5.4の例)

図形ギャラリーは、ダイヤグラム(上図)、矢印などカテゴリー毎に分類されています。多くのカテゴリーや図形から文章説明に適した標準的な図形を選択、文章へ挿入できます。

文書生産性を高めるテンプレートとギャラリー

文書テンプレートや図形ギャラリーは、適用範囲を広げるため汎用性を重視しています。それでも、これらを使うと0から文書作成するよりも早く、かつ項目などの抜けが無い初版文書を簡単に作成できるメリットがあります。

つまり、文書の全体構成や補足説明図形が、汎用の雛形として提供済みのため、利用者は、それらを組み合わせた初版文書を短時間で作成できる訳です。その結果、思考の整理やまとめができ、初版へ利用者の創意工夫を加えたオリジナル文書の仕上げ時間が十分に作れます。

文書テンプレートや図形ギャラリーは、本来のオリジナル文書内容編集に集中するためのツールと言えます。

Summary:LibreOffice 文書テンプレートと図形ギャラリー

早期オリジナル文書作成を可能にする文書テンプレートと図形ギャラリー
早期オリジナル文書作成を可能にする文書テンプレートと図形ギャラリー

LibreOfficeの汎用文書テンプレートには、用途に応じた一般的な書き方や段落構成、見栄えが良いプレゼンテーション背景などが用意されています。また、図形ギャラリーには、これら文書やプレゼンテーションに補足説明を加える汎用図形が準備済みです。

これら汎用文書テンプレートと汎用図形ギャラリーを利用し思考をまとめ初版文書を作成、この初版に利用者の創意工夫を加えれば、より早く完成度の高い最終版オリジナル文書が作成できます。

Afterword:MCU開発生産性を高める弊社テンプレート

文書作成ツールと同様、MCU開発も効率性を重視します。このため、ベンダ各社のMCU開発ツールは、汎用的なソースコードを自動生成します。しかし、あまりにも汎用、標準的すぎる欠点があります。

弊社テンプレートは、ベンダ開発ツールが生成したソースコードに、MCU開発で利用頻度が高いADC入力やUART出力など複数サンプルコードが並列動作する工夫を加え、より実用的なMCUアプリケーションに近い形でベアメタルテンプレート9種(各1000円)、FreeRTOSテンプレート1種(2000円)のMCUテンプレートを販売中です。

Summaryの図で示すと、ADCやUARTなどの並列処理をベンダ生成ソースコードへ追加したピラミッド中段(黄色領域)から始まるMCUテンプレートです。

汎用MCU向けテンプレートですので、掲載MCU以外への各ベンダMCU応用も容易です。テンプレート付属説明資料は、一部無料ダウンロードも可能です。

文書テンプレート同様、MCU開発生産性を高めるのに役立ちます。ご購入は、コチラから可能です。


STM32 Developer Zone

STマイクロが、STM32 MCU/MPU開発者向け総合ポータルサイトSTM32 Developer Zoneを開設しました(2023年6月)。ベテラン/初心者ともに開発に役立つページリンクが多数集約されています。

ポータルサイトのリンク構成を解かり易くするため、フォルダ形式の一覧表示にしました。

STM32 MCU Developer Zone

STM32 MCU Zone (Home) MCUプロジェクトを開始
1-MCU製品ポートフォリオ
2-開発ボード&ハードウェアツール
3-ソフトウェア開発ツール
4-組込みソフトウェア
5-ソリューション
6-開発リソース
アプリケーション別ソリューション AIソリューション
ワイアレス&コネクティビティ
セキュリティフレームワーク
コミュニティ&サポート STコミュニティ
ナレッジ共有
パートナ設計サービス
オンラインサポート(要ログイン)

下図マイクロプロセッサ:MPU(STM32MP1/Cortex-A7+Cortex-M4)以外の全マイコン:MCU情報が、このSTM32 MCU Developer Zoneに集約されています。

STM32 MCUとMPU境界(出展:STM32C0シリーズセミナ資料に加筆)
STM32 MCUとMPU境界(出展:STM32C0シリーズセミナ資料に加筆)

MPUに比べ、AIソリューション等のアプリケーション別ソリューション情報も豊富です(関連投稿:AI MCU)。

また、初心者向きMCUプロジェクト開始リンクがあり、Step1で評価ボード選択、Step2でSTM32CubeIDEを使ったMCU開発手順の説明もあります。

STM32 MPU Developer Zone

STM32 MPU Zone (Home) MPU組込みソフトウェアツールの詳細
1-MPU製品ポートフォリオ
2-開発ボード&ハードウェアツール
3-組込みソフトウェア
4-ソフトウェア開発ツール
5-ソリューション
6-開発リソース
コミュニティ&サポート STコミュニティ
ナレッジ共有
パートナ設計サービス
オンラインサポート(要ログイン)

高度なHMIや複雑処理向けのCortex-A7搭載MPUは、現在STM32MP1シリーズだけです。従って、STM32 MPU Developer Zoneサイト構成は、MCU比シンプルです。

2023年第4四半期にこのSTM32MP1に加え、Cortex-A35、Cortex-M33搭載でセキュアIndustry 4.0、およびエッジ・コンピューティング・アプリケーション向けSTM32MP2シリーズが追加予定です。

ポータルサイトHTMLとリンク構成

ウェブサイトの図や文字、ハイパーリンクの表示には、HTMLが使われます。HTMLで記述したリンク集約ポータルサイトは、肝心のリンク構成が読者に解り難い欠点があります。モニタで一度に表示できる領域が限られるため、リンク構成は、読者がサイト全体を把握した後になるからです。

そこで、本稿は、誰でも見慣れたフォルダ形式で、STM32 MCU/MPU Developer Zoneのリンク構成を示しました。

ポータルサイトは随時更新されますが、リンク構成を把握していれば、常に所望最新リンクへのアクセスも容易です。

注)本稿は、2023年6月9日現在のリンク先を示しています。最新リンクへは、MCU/MPU Developer Zoneホームからアクセスしてください。

Afterword:European Chips Act(欧州半導体法)

欧州半導体法は、EU内の製造活動強化、欧州設計エコシステム刺激、バリューチェーン全体スケールアップとイノベーションを支援するもので、これによりEUは、世界市場シェアを2030年に20%倍増させるという目標を目指しています。

STマイクロとGlobalFoundriesは、2023年6月5日、フランス・クロルで両社共同運用の300mmウエハー工場新設計画の合意を締結と発表しました。総投資額は75億ユーロの見込みで、フランス政府が最大29億ユーロを援助します。

生産だけでなく、より開発し易いMCU/MPUへ向けたオランダ)STマイクロの活用、今後も注目が必要です。



RA用FSP v4.4.0同梱e2 studio 2023-04

RAファミリ用FSP v4.4.0同梱e2 studio 2023-04
RAファミリ用FSP v4.4.0同梱e2 studio 2023-04

2023年5月26日、RAファミリ最新版FSP v4.4.0を含むe2 studio 2023-04が公開されました。今回の2023-04から、ビルド、デバッグ対象を事前設定していたプロジェクト選択プルダウンリストが無くなりました。

消えたプロジェクト選択リスト

e2 studio 2023-01までは、プロジェクト選択プルダウンリスト(下図、太枠)で、ビルド、デバッグの対象プロジェクトを設定し、その後、🔨、🐞アイコンのクリックで対象ビルド、または、デバッグする手順でした。事前の選択リスト設定をうっかり忘れ、別プロジェクトをビルドした方も多かったと思います。

e2 studio 2023-04からは、このプロジェクト選択ダウンリストが無くなりました。

e2 studio 2023-04はプロジェクト選択リストが消えた
e2 studio 2023-04はプロジェクト選択リストが消えた

その代わり、Project Explorerでアクティブプロジェクトを選択するだけで、🔨、🐞アイコンも連動してアクティブに変わります。競合他社Eclipse IDEと同様の操作になった訳です。こちらの方が直接的で間違いも無いでしょう。

注)リリースノートには、本変更が記載されていません。e2 studio 2023-04を初めて起動した時、筆者は、このユーザインタフェース変更に驚き、リリースノートを改めて確認した程です。

e2 studioインストール後のアクション

e2 studio 2023-04インストールは、従来方法と同じ、ダイアログに従って操作すれば終了します。

""Preferences></p

e2 studioインストール最後のダイアログは、リリースノートやWhat’s Newに、起動マーク✅がデフォルトで付いています。筆者は、これら✅を外し、Launch e2 studio?を✅に変えます。

通常、What’s New等は読まないためです。今回は、それぞれに目を通して印象に残った点を示します。

What’s New in “RA” e2 studio 2023-04

e2 studio 2023-04がサポートするルネサスMCUファミリは、RAファミリ以外にも6種あり、What’s Newには、これら各ファミリの変更内容が混合表記されています。この混合表記を止めるのが、What’s New冒頭のファミリアイコンです。

New in ”RA” e2 studio 2023-04
New in ”RA” e2 studio 2023-04

RAをクリックすると、RAのみの内容が抜粋されます。このWhat’s New in “RA” e2 studio 2023-04の中で印象的だったのが、Darkテーマ改善です。

Darkテーマへの変更は、e2 studioのWindows>Preferences>General>AppearanceでThemaプルダウンリストをデフォルトClassicからDarkへ変更し、Applyクリックです。Darkテーマが気に入ったら、Restartクリックで設定完了です。

元のClassicに戻すことも簡単です。Dark/Classic、お好みのテーマでe2 studioを使えば良いと思います。

Release NoteのLinux環境充実

久しぶりに見たリリースノートの中で印象に残ったのは、Linux環境へのインストール方法(English日本語)充実です。4Kなど高解像度モニタでのアイコン表示なども記載されています。

MCUクロス開発環境が、マルチプラットフォーム化しつつあるのを実感しました。

Afterword:変化へ順応

従来e2 studio利用のコツだったビルド、デバッグ手順の変更、突然でした。コツ不要になったので、👍と評価します。使い慣れたツールでも、今回のようにHMIが突然変わることがあります👎。

順応のため、通常あまりチェックしないリリースノートやWhat’s Newを見ました。その結果、得られた事柄もあり、プラスマイナス0とします。



IoT MCUスキル習得方法

MCU開発に英語は必須です。どうすれば英語を学習できるのか?について、良い記事を見つけましたので紹介します。

ツール前提の新しい英語学習方法

米国で生活して実感した「英語学習」のオワコン化、2023年5月11日、日経XTECH

要旨

  • 求められるのは、日本で学習できる英文法や英会話ではない
  • 世の中に出回る便利ツールを知り、それを使いこなす能力、技術進化を素直に受け入れる姿勢必須
  • 技術進化の急激な領域は、ツール進化を前提に新しい英語学習方法が必要

英語学習便利ツール

  • Google翻訳/Googleレンズ翻訳
  • YouTube日本語字幕
  • DeepL機械翻訳
  • Grammarly英文法チェック
  • ChatGPT AIヘルプ

実体験に基づいた迫力ある記事です。是非読んで、英語学習、MCU開発に活かしてください。

従来学習・習得方法の限界

暮らしに英語が必要なのは、昔から変わりません。むしろ、世界に於ける日本地盤低下に伴い、英語の重要性は、益々高まりつつあります。

しかし、英語の学習・習得方法は、旧態依然です。この旧態依然傾向は、日本教育界だけでなく年齢を重ねるにつれて強くなります。年と共に頑固になる傾向が人間にあるからです。

その結果、日本人は英語が苦手です。

さて、このオワコン化した日本の英語学習とMCU開発は、同じ状況です。

英語学習オワコン化と現状MCU開発は同じ状況
英語学習オワコン化と現状MCU開発は同じ状況

従来のベアメタル開発に集中できた時代は終わり、AI、セキュリティ、RTOSなど様々な新しい技術が開発に必要です。しかも、各新技術の進化、発展が激しいIoT MCU時代へ変わりつつあります。

従来の学習、習得方法では、新技術の進化、発展へ追随するのは、非効率です。但し現代は、非効率さを改善する新しいツールが必ず生まれます。

重要なのは、この新しいツールを知り、使い、ツール活用による新技術学習・習得の結果です。習得順番や従来方法へこだわっていると、世界のIoT MCU開発に遅れる状況になります。

Summary:IoT MCUスキル習得方法

学問に王道なし。

学びに基礎が重要なのは、どの時代でも変わりません。基礎が無いと、上層技術の積み重ねが困難だからです。MCUならベアメタル開発です。記事の英語で言えば、英文法や英会話でしょうか?

これら基礎は、基礎ゆえに不変で、いつでも学び直すことができます。

各種ツールを使い上層技術を経験した後で、基礎技術不足を感じた場合は、その時点で基礎を再学習しても遅くはありません。

王道の歩み方は、各種ツール利用で柔軟に変化しても良い訳です。

IoT MCU技術進化のスピードは、基礎だけでは立ち行かない状況になりつつあります。求められるのは、上層新技術対応ツールとツール利用能力、上層技術から基礎を俯瞰できる能力です。

俯瞰の結果、不足基礎技術の補強を行えば、ツール利用で得た新技術が、身に着いた本当のスキルに変わると思います。

関連投稿:AI MCU、新しいMCUソフトウェアハードウェアの学び方、MCU開発ChatGPTの使い方



AI MCU

AI機能搭載の最新MCUを一覧表にまとめました。人物検出や機器異常検出などのAIアルゴリズム処理には、従来Cortex-M7クラスの高性能MPU(Micro Processor Unit)が必要でした。MPU比、低コストで低消費電力なAI MCUによるエッジAIメリットを示します。

Summary:AI MCUまとめ

AI機能搭載の最新MCU一覧
ベンダ AI MCU、コア AI特徴、AIアプリケーション AI開発ツール
STマイクロ STM32シリーズ
Cortex-M0+他コア対応
コア対応機械学習ライブラリ生成
ポンプ異常検出
NanoEdge AI Studio(専用)
NXP MCX Nシリーズ
Cortex-M33 x2(+NPU)
AI専用NPU処理
顔検出
MCUXpresso IDE(汎用)
ルネサス RAファミリ
Cortex-M85(+Helium)
汎用ベクタ演算Helium処理
人物検知/モータ故障検出
Reality AI(専用)

マイコンでAI」、STマイクロNXPルネサスが競演、2023年5月12日、MONOist記事をまとめたのが上表です。

記事によると、MCU大手3ベンダが、第7回AI・人工知能EXPO(春)2023年5月10~12日、東京ビックサイト会場で、表掲載AI MCUを使って、エッジAI実働デモ展示を行っています。

ChatGPTなどAI利用が一般化し始めました。組込み分野のMCUへもAI搭載の高機能化が始まります。

AI MCUアプローチ

STマイクロは、ソフトウェアでのAI処理、NXPは、専用ハードウェアNPU(Neural Processing Unit)でのAI処理、ルネサスは、汎用ベクタ演算ハードウェアHeliumによるAI処理と、3社3様のAI MCUアプローチです。

また、AI処理開発に、ソフトウェアアプローチのSTマイクロは、STM32コアに応じた専用機械学習ライブラリ生成ツール:NanoEdge AI Studioを使用、同じハードウェアアプローチですが、NXPは、汎用MCUXpresso IDEを使用、ルネサスは、専用Reality AIツール使用、などAI開発ツールも異なります。

NanoEdge AI Studioは、MCU開発者にAI専門知識が無くてもMCUコア性能に合わせたAI実装ができるそうです。

エッジAI MCUアプリケーションとメリット

Cortex-M85搭載RAファミリによるAI人物検出デモ(出展:ルネサス)
Cortex-M85搭載RAファミリによるAI人物検出デモ(出展:ルネサス)

各社のAI実働デモから、上図のような人物・顔検出と機器異常検出が、エッジAI MCUのターゲットアプリケーションのようです(関連投稿:RAファミリ最新情報)。

これらAI処理にMPUは使わず、小パッケージ、低コストの本稿AI MCUを使い、家電や機器内の既存MCUを置換えることで「装置構成はそのままに様々なAI機能を追加実装できる」これが、AI MCUのメリット、更に革命と言われる理由です。

Afterword:新たなMCU開発方法

実装AI機能により、求められるAI MCUコア性能もCortex-M0+からCortex-M85など様々です。それでも、MPUやGPU(Graphics Processing Unit)利用よりは、低コストエッジAIが実現できそうです。

従来MCUの置換えメリットだけでなく、AI MCUを使った新しい装置開発も面白いと思います。

各社AI MCUは、セキュリティ対応も強化されています。AI、IoTセキュリティ、RTOS…などなど、従来のCortex-M系ベアメタルMCU開発に加え、多くの新知識と追加開発がAI MCUに必要です。正直、食傷気味です😣。

従って、専門知識が無くてもAI実装できるツールなどは、大歓迎です。新しいMCUには、各種ツール活用の新しい開発方法を、拘りなく使える柔軟性も必要です(関連投稿:新しいMCUハードソフトの学び方)。

ツールを使っているうちに、専門知識や関連知識は、自ずと身についてくるハズです。



情報の受け手と情報量

ChatGPT懸念の情報が多い昨今です。一方、ChatGPT期待情報もあります。8対2ぐらいの割合でしょうか?

これらChatGPT騒動を例に、情報の受け手と情報量について筆者の思うところを記載します。

Summary:ポイントは適切な受け手想定と情報量

受け手に伝わって、初めて情報と言えます。送り手は、信頼性を高めるため、付加資料や文献出所などの情報量を加えます。

意味ある情報と受け手が判断するには、送り手の「受け手感度の想定と適切な情報量」が大切です。送受双方の感度が上手く合致し、かつ、適切な情報量(ページ数)の時に、人のあいだに意味ある情報として伝わると思います。

注)本稿では、意識、観点、主観など個人判断の基準となる感性全般を「感度」と記述します。

開発依頼者へMCU情報開示する際は、依頼者感度を想定、適切な量の資料作成が必須
開発依頼者へMCU情報開示する際は、依頼者感度を想定、適切な量の資料作成が必須

この伝わり方は、MCU開発者と開発依頼者間でも同じです。

MCU開発者が、依頼者へ情報提供する際は、依頼者感度を想定し、何を、どの程度伝えるか、適切な量の資料を作成すべきと思います。

受け手への情報量

ChatGPT騒動の記事には、技術的な参考資料や文献出所を記事途中に多く掲載するものもあります。

しかし、受け手が、一度に理解できる情報量や集中できる時間は、有限です。実例や簡潔な説明の方が、忙しい受け手や素人には、判り易いのも事実です。受け手の感度を想定した「情報量(ページ数)は、内容と同じぐらい重要」です。

つまり、過多な情報量は、受け手の内容理解の妨げになることもある訳です。

例えば、上司への報告書。忙しい上司から「報告書は1枚以内で提出」と言われた方も多いと思います。ページ数が多いと、上司は、初めから読まないことを暗に示しています。

最終章の「AIで記事を要約する(β)」ボタンでAIが自動生成する要約は、この人間特性も十分認識したうえで、適切な量の要約を作成します。

情報過多は、受け手の内容理解の妨げとなる
情報過多は、受け手の内容理解の妨げとなる

ChatGPT懸念情報

  • ChatGPTの安易な利用は禁物、2023年5月9日、日経XTECH
  • ChatGPTに懸念の声(英原文)、CIO Dive、2023年5月1日、IT Media(和訳)

ネガティブな情報の方が、ポジティブな情報よりもネット拡散し易く、印象に残り易いのかもしれません。ChatGPTのような革新的技術、AI関連技術に関しては、ネガティブ情報が圧倒的に多い気がします。

記事の書き手=送り手は、読者=受け手に読んでもらうことが目的です。ネガティブ記事タイトルの方が、読者や閲覧数が多い場合は、当然、ネガティブ記事が増えます。

ChatGPT期待情報

  • ChatGPTで人はもっと創造的になる、2023年5月9日、日経ビジネス

最近は、「AIで記事を要約する(β)」ボタンがある記事が増えました(実例、最終章参)。このボタンをクリックすると、記事内容が判り易く、しかも、適切な情報量で要約されます。

また、関連投稿でMCU分野FSPについてBingで質問したところ、正確で適切量のAI回答が得られました。

上記の使い方では、ChatGPTやAIは有益だと思います。ChatGPTを使うことでより創造的な時間が得られるという日経ビジネス記事に、筆者は賛同します。

ChatGPT利用は個人判断

厚生労働省は、2023年3月13日以降、COVID-19対策マスク着用の考え方を個人判断へ変えました。

国家機関がわざわざ個人判断を指示すること自体、欧米人は、奇妙に感じると思います。日本人特有の同調意識、他人と同じ感度を指向するからです。

マスク着用同様、ChatGPT利用も個人判断とすべきと思います。

ChatGPTやAI利用は個人判断とすべき
ChatGPTやAI利用は個人判断とすべき

判断のための情報収集は必要ですが、主体は個人、自分です。先ず、自分、つまり受け手のChatGPTやAIの使い方や感度を決めた上で、巷に溢れるChatGPTの情報を取集しないと、書き手、送り手の意見に左右されるだけになります。

筆者は、IoT MCU開発に使えるか否かという感度でChatGPT情報を収集しその結果、不明確なIoT MCU用語の質問に、ChatGPT利用は使えると判断しました。

Afterword:Bard日本語対応開始

2023年5月11日、Googleは会話型AIサービス、Bardの日本語対応を開始しました。これで、メジャーブラウザ、Microsoft Edge BingとGoogle Chrome Bard共に日本語でのAI回答の利用が容易になりました。

AIが適切な情報量で記事を要約するボタン
AIが適切な情報量で記事を要約するボタン

上記開始記事内に「AIで記事を要約する(β)」ボタンもあります(一回のみボタン押下げ可能)。各自で試してみてください。

本稿Summary内容が、具体的にご理解頂けると思います。

なお、BingとBardのAI回答の違いについては、コチラの記事が参考になります。