8月Windowsセキュリティ更新プログラム配布

812日(水曜)、Windows 8月例セキュリティ更新プログラムが配布され、弊社4PCは全て最新Win11 25H226200.9168)へ更新成功しました。Microsoftは、16GB RAMでも問題なく動作するようにWin11軽量化を実施中ですが、今回の配布で迷惑な機能が追加されました。

迷惑な機能追加とは

Update設定で「利用可能になったら直ぐに最新の更新プログラムを入手する」がオンにも関わらず、再度、「全てダウンロードしてインストール」をクリックする必要があります。

ユーザインタフェースの改悪、2度手間のWindows Update
ユーザインタフェースの改悪、2度手間のWindows Update

以前は、入手がオンであれば、自動で最新更新プログラムダウンロードとインストールができました。26200.9168以降は、面倒なことに再度「全てダウンロードしてインストール」クリックが必要です。

2度手間で過去何度も経験したWinユーザインタフェースの改悪です。

PC平均耐用年数

上記のようにユーザ無視で変化するWindowsに対し、新しいAI PC購入を「年単位で待ち続ける弊社」は、現状のPCハードウェアでどの程度Microsoftに追随できるかが気になり「平均耐用年数」を調べました。但し、従来タイプのPCハードウェアの場合です。

対象 平均耐用年数 法定耐用年数 備考
Windows 47 4 ノートPCはバッテリ劣化もありえる
Mac 57 4 Appleシリコン(Mシリーズ)モデルは高耐久
軽自家用車 16 4 走行距離1015Kmの場合
普通自家用車 1314 6 走行距離1015Kmの場合

AI PCとして十分な性能を持つ128GB RAM搭載Winハードウェアは、価格50万円以上で一昔前の軽自動車並みです。平均16年耐用の軽自動車に比べ、AI PCハードウェア価格は、円安影響があるにせよ高すぎます。

※法定耐用年数:減価償却資産が経年劣化により価値を失う法律で定めた使用可能期間。

垂直統合(ハード/ソフト1社提供)のAppleハードウェアは、8GB RAMでも16GB RAM Winより高性能だそうです。現在のメモリ高騰が続けば、「128GB AI Winよりも64GB AI Macの方が、低価格・高性能でAI PC耐用年数も長く」なりそうです。

※高性能・長期耐用Mac要因は、ユニファイドメモリアーキテクチャ

Summary8Windowsセキュリティ更新プログラム配布

円安とメモリ高騰で新しいAI PCを購入できないユーザは、現状のPCハードウェアでMicrosoftAI化、OS軽量化に追随していく必要があります。40TOPS以上NPUハードウェアが要件のMicrosoft Copilot+ PCに対し、Apple Mシリーズ搭載AI Macは、半分のRAMで高性能・長期耐用のローカルAIエージェントになる可能性があります。

次期AI PCハードウェアは、「Copilot+ PCだけでなくAI Macも選択肢」に入れた方が良さそうです。ローカルAIエージェント実装AI PCなら従来Windows優位性は減少するからです。

AfterwordWin10からWin11移行失敗の連想

クラウドAIを活用すれば40TOPS要件を満たさない従来Win PCハードウェアでも数年はAI時代を生き残れます。問題は、ローカルAIエージェント要件を満たすハードウェア価格が高すぎることです。Win11アップグレード要件が高いためWin10から移行に失敗した過去を連想します。



AIの隠れ主役はDRAM:「3つの壁」と新技術

AI進化を支えるDRAMの3つの壁と新技術
AI進化を支えるDRAMの3つの壁と新技術

AI PCの要は、CPU/GPU/NPUなのでその性能を示すTOPS値が注目されます。しかし、AI時代の隠れ主役はDRAMDynamic Random Access Memory)が解る2記事を紹介、簡単にまとめました。

AI時代の隠れ主役はDRAMが解る2記事

  1. DRAMの歴史から最先端、そして未来へ2026/06/15、マイナビニュース
  2. AI学習モデルでメモリが重要な理由2026/07/01、マイナビニュース

記事1は、DRAMの変遷とAI時代におけるDRAMの役割について記述しています。記事2は、AI処理の隠れ主役DRAM3つの壁:容量、速度、帯域と、壁打開の新技術について詳しく説明しています。

著者の白竹 茂氏は、メモリ分野の長い開発経験を持つMicronDRAM部門責任者の方ですので、記事は読み応えがあります。そこで、DRAM3つの壁と打開新技術について次章から簡単にまとめます。

AIモデル肥大化と3つのDRAMメモリ壁

生成AIの進化は、人間の脳を模倣した「パラメータ」の数に依存します。このパラメータ数は数千億から数兆に達し、モデル自体が数百ギガバイトの巨大なデータ塊となります。

この巨大モデルを瞬時に展開し、プロセッサ(CPU/GPU/NPU)が超高速アクセスできなければ、AIは「思考」を始めることすらできません。ここで直面するのが、DRAMの「容量」、「速度」、「帯域」という3つの物理的メモリの壁です。

  1. 容量の壁:AI知識量を決定するワーキングメモリの広さ

AIモデルのパラメータ数が増加するとモデルを単一メモリに収めることが困難になってきます。

例えば、一度に学習するデータ量「バッチサイズ」を大きくすれば、並列処理の効率は上がりますが、その分だけ広大なメモリ容量が必要になります。メモリの容量不足は、モデルを複数メモリに分割配置するなどの高度で複雑な対策を強いることになります。

これらパラメータ調整が、AIの学習プロセスでは絶大な影響を与えます。「広大なワーキングメモリ(=作業机)」があれば、調整が上手くでき最適なAI学習が可能です。

  1. 速度の壁:プロセサ空き時間をゼロにする

プロセサが計算を行う際、上記DRAMの「作業机」からデータを取り出し、書き戻す作業を絶えず繰り返します。このDRAMアクセスの遅延(レイテンシ)が大きいと、超高速なプロセサであってもデータ待ちによる「空き時間」が生じ、処理能力が著しく低下してしまいます。

  1. 帯域の壁:AIシステム性能を決めるデータ転送太さ

たとえプロセッサの計算能力が無限であっても、メモリからデータを供給する「通り道」が狭ければ、深刻な渋滞が発生します。これが帯域の壁です。

特に複数プロセサでモデルパラメータをどう修正すべきかという方向性(勾配情報)を同期する際、このプロセサとメモリ間の帯域不足は、AIシステム全体性能の決定要因となります。

DRAMメモリ壁の打開策

DRAM開発現場では、これらのメモリの壁を「ソフトウェアの工夫」で乗り越える試みが続いています。 例えば、メモリ不足(Out Of Memory)でエラーが出る場合は「勾配累積(Gradient Accumulation」という手法を使います。これは、小さなバッチで計算した結果をメモリ上で足し合わせることで、少ないメモリ容量のまま、実質的に大きなバッチサイズで学習したのと同じ効果を得るテクニックです。

一方、このメモリの壁を「ハードウェア側から打ち破る新技術」:切り札として期待されているのが、HBMHigh Bandwidth Memory)とCXLCompute Express Linkです。

  • HBM: DRAM3次元的に積層し、プロセッサのすぐ隣に配置することで物理的な距離を短縮。最新のHBM4では2TB/sという驚異的なデータ転送を実現しています。
  • CXL: CPUGPUがそれぞれのメモリ空間を共有できるようにする新規格です(ユニファイドメモリアーキテクチャ)。これにより、個別のデバイスに縛られない柔軟な「容量の壁」の突破が可能になります。

SummaryAIの隠れ主役はDRAM:「3つの壁」と新技術

AI時代の隠れ主役DRAM記事を紹介し、AI進化の運命を握る「3つの壁」とこれらを打開する「ハードウェア新技術」を示したのが最初の図です。

DRAMは単なるプロセサの一時記憶装置ではなく、AI思考速度と深さがDRAM性能に直結し、膨大なAIデータをプロセサへ供給する「隠れた主役」です。DRAM性能を理解し、パラメータバランス最適化が、次世代AI開発の成否を分ける鍵となる、とメモリ大手Micronの白竹 茂氏は解説しています。

Afterword:高性能DRAMは引っ張りだこ

メモリ価格高騰の背景は、AIシステムの総合性能を決めるのが容量、速度、帯域の壁を破った高性能DRAMメモリだからです。現在クラウド側は、メモリ高性能化を急速に進めています。エッジ側メモリ価格が落ち着くまでは、暫く時間が必要でしょう。