RL78常設セミナテキスト改版

2014年5月30日発行のルネサスサポート情報 vol.197で、ルネサス常設セミナテキストの改版がレポートされました。レポートでは、「新規公開」とありますが、ダウンロードして旧版と比較した結果を示します。

セミナテキスト改版内容

コース名 レポート記事 旧版との比較結果
R8Cマイコンコース テキスト新規公開 2012年3月21日 Rev. 2.20と同じ
RL78マイコンコース テキスト新規公開 2013年12月18日 Rev. 1.30へ改版
RL78コンパイラコース テキスト新規公開 2014年3月13日 Rev. 1.07へ改版
RL78リアルタイムOSコース テキスト新規公開 2014年3月31日 Rev. 1.02へ改版

※R8Cマイコンコーステキストは、改版内容が不明で、公開テキストは前版と同じでした。

テキストの変更履歴がないので、具体的にどこを変更して改版したのかは不明です。しかし、どのテキストも内容が濃く、一読に値します

テキストですので、重要項目を1~10まで記載しています。初心者には、読むだけで大変で、理解にかけられる労力が不足することも多いと思います。そんな時は、各テキストの最重要箇所のみを抽出したコレに先ずザット目を通してください。特に、コンパイラコースのその1~3を理解した後に、テキストに戻ると理解が捗ると思います。

テンプレート活用のマイコン開発

限られた時間で効率的にマイコンを習得するには、手軽に用意できる開発環境と、テンプレートを活用するのも一つの方法です。ワードやパワーポイントには多くのテンプレートが提供されますが、組込みマイコンのテンプレートは少ないようです(サンプルソフトは、あくまでサンプルでテンプレートとは、別物です)。

そんな時は、販売中のRL78/G1xテンプレートを活用下さい。業務に使えて、テキストの重要箇所エッセンスをプログラムへ盛り込んだテンプレートになっています。世界標準のARM 32ビットマイコンLPC8xxテンプレートも販売中です。

入手性の良いマイコン分類図

入手性の良いマイコン一覧(チップワンサイトより抜粋)
入手性の良いマイコン一覧(チップワンサイトより抜粋)

組込みマイコンの分類図を、チップワンストップサイトで見つけました。この図は、チップワンストップで販売中のマイコンですので、「入手性が良いマイコン」と言えるでしょう。新規マイコン開発にあたり、どの機種を選択するかの残りの指標は、「入手価格」と「開発のし易さ」、「将来にわたる入手性」です。緑がARMコアマイコン、青がオリジナルコアマイコンを示しています。

コア差別から周辺回路差別へ

8/16ビットマイコンは、過去、現在と各社からいろいろな機種が発売されてきました。全て青のオリジナルコアマイコンで、開発手法やIDEも各社ハラバラでした。より性能の良いオリジナルコアにより、囲い込み戦略がとられていました。これら従来機の製造は、米)ロチェスター社との連帯により、将来にわたる入手性を保証する方法が、ルネサスなどで取られています。

一方、32ビットマイコンは、緑のARMコアが大半です。米)マイクロチップとオン・セミコンダクターを除く各社が、ARMコアのラインアップを提供しています。マイコンは、従来のコア差別から、周辺回路差別戦略へシフトしているといえます。実際、各社の周辺回路は、(少なくとも見た目は)16ビット機でも32ビット機でも同じものを使っています。米)サイプレス社などは、アナログ周辺回路を実装し、同じARMコア機でありながら十分な差別化も達成しています。

IoT時代の新マイコン

全ての機器がネットに繋がるIoT時代のマイコンには、通信制御は必須で、それなりの能力は必要です。これには、既存8/16ビット機で頑張るよりも、32ビット機が適しています。低消費電力と高速化の両方を追求し、IoT要求にマッチするコストパフォーマンスを満たすコアの解として、ARMコアは優れているのでしょう。また開発環境もほぼ同じなので、開発のし易さも(慣れれば)Betterです。さらにARM社は、32ビット機でありながら、8/16ビット市場を狙う低価格なCortex M0+を投入しましたので、新製品マイコンコアは、ARM独占になる可能性もあります。

ARM対Non ARMを記事へ

ARM派にとっては当たり前のことですが、世界標準と言われるCMSISを使ったアクセスやEclipse IDEなど、Non ARM派にとって「?!」を感じる箇所は多くあります。このブログではこの違和感を記載していきます。Non ARM派がARMを知る時、各自の取得技術側からARMを診ると、より効率的にARM習得ができるからです。

マイコンの長期供給情報を提供開始

2014年1月21日、ルネサスエレクトロニクスは、自動車、産業機器向けの長期安定供給が求められるマイコンなどの製品を対象に、今後10年/15年/20年以上の3パターンで、供給(予定)期間のサイト掲載を始めました。

RL78/G1xの供給期間

本ブログ記載のRL78/G13: R5F100LEAFBは、20年以上、RL78/G14: R5F104LEAFBは、15年の予定に属しています。R8C/25: R5F21256SNFPは、10年です。先日のJake Dyson Products LED照明の37年以上のライフに比べると、短い気もしますが…。大手が独り勝ちする半導体の世界では、会社自体がいつ消えるかも判らない状況ですので、ルネサスエレが存続する限りは、安心して使えそうです。