現行Windows 11 23H2の次期OSは、筆者予測に反し、Windows 12ではなくWindows 11 24H2になりそうです。
次期Windows情報を、簡単にまとめました。
- 次期OSコアは、Win11/10のNickelから、新しいGermaniumへ変わる。
- Win11 24H2は、段階的機能ロールアウト(Controlled Feature Rollout:CFR)大型更新と予想。
- 右側「Ctrl」をAIアシスタント「Copilot」キーへ変更するなど、MicrosoftはAI PCへ注力中。
Windows呼称一覧
Windowsは、商用バージョン名/OSコア/ビルド番号など、様々な名前で呼ばれます。本稿でも用いますので、対応表にしました。
商用バージョン名 | OSコア(原子番号) | ビルド番号 | 備考 |
Windows 11 23H2 | Nickel (28) | 22000番台 | Win11/10は同一OSコア |
Windows 11 24H2 | Germanium (32) | 26000番台 | Win11先行Canary/開発チャネル |
Windows 12 (?) | Dilithium (?) | 27000番台 | Microsoft社内開発チャネル |
※OSコアはMicrosoft社内の開発コード名。周期表を利用中。
※ビルド番号は更新時に増加する番号。ビルド番号が22000番台ならWin11 23H2更新と判る。
※Dilithiumはスタートレック登場の架空物質。Ge (32)の次As (33)は毒物印象が強いため非採用。
Summary:次期WindowsはOSコア刷新大型更新
次期Win11 24H2は、OSコアが現行のNiからGeへ変わります。
Microsoftは、過去、OSコア変更タイミングで商用バージョン数も増やしてきました。バージョン数を増やすと、ユーザに「新OS感」を与える反面、ユーザアプリに関しては「移行リスク」を生みます。
Win11は、Win10と同じNiコアです。操作性も大差ありませんが、Microsoftは商用バージョン数を10から11へ増やしました。但し、同じOSコアなので、Win10ユーザアプリは、リスク無しにWin11へ移行できました。
Win11 24H2は、OSコアが変わります。ユーザアプリ移行は、障壁が高いハズです。Win11 24H2配布が、段階的機能ロールアウトになると筆者が予想したのは、この高いアプリ移行リスクのためです。
今回商用バージョン数を増やさない訳は、Microsoftがユーザの興味を「AI PC」の方へ向けたいからだと思います。
AI PC化は、Windows付属ツールのメモ帳やペイント、ヘルプのAIアシスタント(Copilot)代行など全てのOS操作に及びます。これらAI処理に便利なのが、キーボード右側のCtrlを変更する新しいCopilot専用キーです。
これらAI PC化は、現行コアのWin11 23H2/Win10でも既に進行中です。これは、AI PCにMicrosoftが注力中であることを示しています。
つまり、次期Win11 24H2は、OS付属ツールのAI化と、アプリ「移行リスク」があるNiからGeコア変更、これら両方を同時に行います。
Microsoftは、あえて新しいバージョン名Win12は使わずに、ユーザ興味がAI側へ集中することを狙って、年次更新のWin11 24H2としたのだと思います。
Win11 24H2大型更新時の注意点
Win11 24H2 OSコアのNi➡Ge変更は確かです。今年の大型更新は、従来比、更新リスクがかなり高いと思います。
MicrosoftがCFRで小出しにWin11 24H2へ更新したとしても、ユーザ側もアプリを含む万全なバックアップ準備が必要です。
万一、Win11 24H2でアプリが正常動作しない場合は、OSを旧Win11 23H2へ戻すことも必要です。また、アプリ動作の確認時間も、従来比、長く取る必要があります。
Win11 24H2から23H2に戻しても、商用バージョン名は同じWin11です。23H2でも進行中のAI PC状況からユーザは、古いOSと感じることは少ないと思います。
筆者は、なぜ今MicrosoftがOSコアをGeへ変更するのか判りません。しかし、現行Win11 23H2+CopilotキーによるAI化だけでも、Windowsを開発等に使わないユーザなら、新OS感は十分得られます。AIは、それ程ユーザにインパクトを与えます。
※23H2サポート終了は2025年秋。ゆえにWin11 24H2更新猶予も2025年秋迄。
Afterword:参考資料
ビルド番号27000番台のDilithiumが、Win12になる予測もあります。どれ程のAI機能をPCへ実装し、それにより電力消費がどう変化するか不明な点が、Win12発表遅れ原因の1つ、だと筆者は思います。
ネット側のAI処理も含めると、2001年宇宙の旅:HAL9000のような本格的AI PCはそれ程電力とコストが必要のようです。Win12リリースは、AI半導体の普及を待つのかもしれません。
本稿は、以下資料を参考にしました。詳細は、各資料を参照ください。
・Windows 12まで様子見、2024年2月22日、ZDNET
・次期Windows 11は24H2、2024年2月9日、窓の杜
・Windows 11 24H2とAI PCの実際、2024年2月2日、ITmedia