Threadは、Wi-FiやBluetoothなどの既存無線通信と異なりメッシュメットワーク構成の2015年7月発表の新しいIoT無線規格です。詳しい記事はコチラ 、またThread詳細はWeb を参照して頂くとして、ここでは記事要旨を示します。
Threadの特徴
Thread System Messaging Model(2016_05_10_ThreadPresentation.pdfより抜粋)
メッシュ網構成 : Wi-FiやBluetoothの1対1(多)のスター網構成に対し、通信堅牢性と通信範囲の確保を目的にメッシュ網で通信。
ネイティブIP通信 :OSIのネットワーク層とトランスポート層の仕様策定が目的で、超低消費電力で短距離通信のIP通信を行うオープン仕様。上下層は、既存レイヤー仕様をそのまま使用。
ネットワーク管理機能と高セキュリティを両立 :ノードトラブルや網障害に対し、自己修復し通信継続。
長期電池駆動が可能 :長期電池駆動が可能なデータ送受方法を採用。
などホームネットワーク要件を全て満たす。
主要参加メンバー
Thread Group Sponsor BoD Members(2016_05_10_ThreadPresentation.pdfより抜粋)
ホームコントロール大手Somfy、ホームセキュリティ大手Tyco、Qualcomm Technologies、照明大手OSRAMなどの企業と、マイコン大手NXP、ARMなどが主要メンバーとして参加。
以上が記事要旨にWebから得られる情報を追加したものです。以下の理由で私はThreadに期待しています。
BLEは重い
BLE: Bluetooth Low Energyは、少量データの送信には理想的ですが、アプリケーション規格などが厳格で、「スマホとウエラブルデバイス間通信」に適しています。
しかし、これをマイコンで「単に土管として無線を使いたい」場合には少し重たい気がします。例えば、マイコンUART入出力をIoTコンピュータ:MPU/SBCへ無線で接続する時などです(BLEとROM量はコチラに記載 )。
※土管として無線を使うとは、例えば、UART over BLEなどです。
莫大な販売量が見込まれるとしてもIoTエンドポイントマイコンは、ROM/RAMが少なく低価格デバイスが向いていると思います。BLE機能を実装するとROM量は64KB超が予想されます。
Threadが、BLEより軽くマイコンへ実装できれば、IoTエンドポイント通信の本命になるかもしれません。