AI基本のキ:GeminiとNotebookLM、Copilot

開発者のAI利用は、必須になりつつあります。組込み開発基本のキAI版としてAI基本のキをまとめます。第1回は、クラウドAIGoogleGeminiNotebookLMMicrosoftCopilotの現状です。

GoogleMicrosoftAI

GoogleMicrosoftのクラウドAIは、利用開始からその差が判ります。

GeminiとNotebookLMはGoogleアプリの一種
GeminiとNotebookLMはGoogleアプリの一種

Google GeminiNotebookLMは、Chromeブラウザで新しいタブを開き、右上GoogleアプリからGeminiまたはNotebookLMを選択、各初期画面にAIへの質問や要求など明示的な「ユーザ指示(プロンプト入力)」でGoogleクラウドAI利用を開始します(GeminiNotebookLMの差は3章参照)。

GoogleクラウドAIGeminiNotebookLMは、Gmailやドライブと同じ「Googleアプリの一種」という扱いです。

一方、Microsoft Copilotは、Edgeブラウザだけでなく全てのWindowsツールにCopilotアイコンの表示があり、このCopilotクリックでAI利用が始まります。AIへのエントリーポイントがCopilotです。

Copilotアイコンは様々なAIサービスのエントリーポイント
Copilotアイコンは様々なAIサービスのエントリーポイント

例えば、メモ帳のCopilotは、テキスト要約や書き直しなど、テキスト関連のAI処理です。また、ペイントのCopilotは、画像生成や背景消去など画像関連のAI処理で、同じCopilotでもツールに依存したAIサービスが自動的に提供されます。

つまり、MicrosoftAIは、ユーザ操作やWindowsアプリ連動のAIサービスを提供し、「Copilotは様々なMicrosoft AIサービスのエントリーポイント」という扱いです。

ユーザ指示かAIアシスト

Microsoft AIサービスは、ユーザ指示(プロンプト入力)に加え、Windowsと強く結び付き、AIによる自律的で高度な推論に基づいたAIアシスト(AIエージェント)利用のサービスも可能です。一方、Google AIは、ユーザ指示に基づいたAIサービス開始の点でMicrosoftとは異なります。

例えば、NPUを持つAI PCなら、Windowsユーザ操作をバックグラウンドでAIが学習し、ユーザが目指す目的や目標を「AIが自律的に推論」、より効率的な回答や提案の出力も可能です。ユーザ画面を数秒毎にキャプチャし、後に作業内容をユーザが思い出し易くするRecall機能は、このAI推論の一例です。

Google/MicrosoftどちらのAIが便利かは、ユーザや依頼内容に依存するでしょう。プロンプト入力が得意でAI回答に対し微調整もできるユーザはGoogleAIアシスト推論・提案も受入れ、積極的にAIを使いたいユーザはMicrosoftが適すと思います。

AIエージェントは、コチラの関連投稿を参照。

GeminiNotebookLMの差

Gemimiは「汎用的」なAIアシスタント、NotebookLMは「ユーザアップロード資料に基づいた内容分析や理解を行う」AIアシスタントで、目的と情報源が異なります。プロンプト入力画面で違いが判ります。

GeminiとNotebookLMのプロンプト入力画面
GeminiとNotebookLMのプロンプト入力画面

NotebookLMは、PDFやテキスト、YouTube動画などのユーザソースをアップロードすると、それらユーザ情報を基に内容解析・理解・分析を行います。限られた情報源のためハルシネーション抑制もできます。ユーザ資料要約や分析、整理に役立ちます。

Geminiは、ネット全体を情報源とするLLM(大規模言語モデル)で、Google検索補完や情報収集など広範囲で汎用的なAIサービスです。ちなみにNotebookLMLMは、Language Model(言語モデル)を意味し、GeminiLLMを活用しています。

SummaryAI基本のキ:GeminiNotebookLMCopilot

GeminiNotebookLMCopilotをまとめたのが下表です。比較のためCopilotはクラウド版です。

特徴 Gemini NotebookLM クラウド版Copilot
目的・機能 汎用AIアシスタント ユーザ資料理解・分析・整理 汎用AIアシスタント
AI
エントリーポイント
情報源 インターネット全体 ユーザアップロード資料 インターネット全体
得意分野 広範囲情報検索・分析 資料要約、ハルシネーション抑制 広範囲情報検索・分析
利用例 企画書、アイデア創出 長文・長時間動画要約 企画書、アイデア創出

AI自身の進化は激しいため、あくまで現時点の各特徴を示しています。GeminiCopilotは汎用AIサービス、NotebookLMはユーザ情報に基づくAIサービス、CopilotアイコンはMicrosoft AIサービスエントリーポイントも兼ねることを知っておけば良いでしょう。

GoogleアプリのGeminiNotebookLMは、ブラウザ経由の明示的ユーザ指示からのAI利用に対し、Copilotは、ユーザ指示に加え、Windowsツール連動やユーザ動作から自律的な推論や提案などのAIアシストもあり、より積極的にAIを利用できる点が異なります。

AfterwordAI時代開発者の基本のキ

40TOPS以上のNPUを持つWindows PCAIエージェントを活用すれば、開発者の限られた知識や理解範囲を超える多角的でより高度な生産性・目標・開発が可能になります。AI導入を脅威と感じる開発者もいるでしょう。しかし、AI提案の採用可否は、開発者自身が行います。AI利用は、使う側の問題・課題です。AI時代に備えAI基本のキを把握しましょう。