CubeSuite+「コード生成」の使い方

開発環境CubeSuite+の「コード生成」を使うと、周辺機能変更やマイコン機種変更が生じても追加コードをそのまま使え、しかも、初期設定も自動生成します。そこで、このコード生成の使い方を解説します。

CubeSuite+コード生成出力
CubeSuite+コード生成出力

ポイント1:出力ソースの、/* Start user code… */から/* End user code… */間にのみ、追加コードを記述すること。それ以外は、周辺機能パラメタ変更や機種変更時、「コード生成」が自動生成し、上書きするからです。

ポイント2:5か所ある、/* Start user code… */から/* End user code… */使い方ガイドラインは、

  • ①:#pragama指令を追加するエリア(通常、ほとんど無いでしょう)
  • ②:追加関数のプロトタイプ宣言エリア(コード生成出力の関数プロトタイプは、周辺名.hで宣言済み)
  • ③:定数、グローバル変数、追加関数の記述エリア(このエリア内なら、自由に記述可能です)
  • ④:コード生成出力関数に追加記述するエリア(関数名は自動生成されるので、追加分の中身を記述)
  • ⑤:機能は③と同じ(③と⑤のどちらか一方を使う方が良いでしょう)

どこに何を記述すべきかのガイドラインがあると、ソース解読が判りやすくなります。

RL78/G13の選定理由

RL78/G13は、R8C/2xの後継機であり、価格、性能、開発環境が向上しました(R8C/25の直系後継機は、RL78/G14ですが、より早くリリースされ、低価格のG13をここでは選びました)。

評価項目 解:RL78/G1352ピン、10×10mm0.65ピッチ 従来R8C/25

入手性の良さと低価格

DigiKeyにて¥350前後で販売中

(2012年4月現在)

22%価格改善

高性能で大容量

32MHz動作

ROM/RAM/データフラッシュ=64KB/4KB/4KB

160%性能向上

200%容量増大

無償開発環境の良さ

統合開発環境 CubeSuite+

コード自動生成機能追加

汎用性と拡張性

IOピン数が程ほどで、手実装も容易

同左

特筆すべきは、開発環境のCubeSuite+。初期設定を自動生成するので、アプリ開発にすぐ着手できます。従来は、ハードウエアマニュアルを読み、初期設定を自作していました。ソフト処理や手順を文章で記述すると、簡単な事でも冗長になるので、結構厄介でした。アプリ開発に着手したいのに、前段階でつまずく事もしばしばあり、ここが改善されたのは効果大です。

R8C/25の選定理由

評価項目
入手性の良さと低価格 秋月通商で¥450にて販売中
高性能で大容量 20MHz動作、ROM/RAM/データフラッシュ=32KB/2KB/2KB
無償開発環境の良さ 統合開発環境HEW
汎用性と拡張性 IOピン数が程ほどで、手実装も容易

電池駆動用に超低消費電力などの突出性能マイコンもありますが、全項目をバランス良く満たし、使い易い汎用マイコンは、R8C/25:54ピン□10×10mmです。

複数種のマイコンと、DSPやパソコンソフト開発を十数年経験して、マイコンハード単体の能力不足を感じた事は、幸運な事に一度もありません。対象製品がユーザインタフェース処理や、普通の計算能力で十分なためでしょう。

むしろ違和感というか、抵抗を感じたのは、ソフト開発環境です。初期設定と無限ループから構成されるマイコンソフトの生産性を上げる工夫は様々です。最近は、初期設定を自動生成する新タイプの環境も多くあります。

残念ながらR8Cマイコンは、次期製品RL78マイコンへの移行が決まっており、このような新タイプ環境ではありません。が、古いタイプの開発環境マイコンの中では優れた汎用マイコンです。

Tips:サンプルコードのデータベース化

RL78関連の情報は、Runesasサンプルコードで集めます。サイト掲載のサンプルコードを簡単にデータベース化する方法を示します。

  1. コード検索後、検索部分のみをマウスで全部選択
  2. 空のExcelBookへ貼り付け(←Excel2010で動作確認)

これで簡単にExcel化できます。リンクも自動的に張られますので、ダウンロードも簡単です。Excel化してあるので、独自コメントなども追加できます。

サンプルコードは、宝の山です。これらを効果的に活用するには、簡単に作成できる独自データベースも有効手段です。

カテゴリーの概要

ここでは、初級終了から中級レベルの読者を対象に、R8C/25とRL78/G13マイコンについて、Tipsを掲載します。

マイコン関連情報を5段階評価すると、初心者向けの第1段階と、上級者向けの4~5段階の情報はあります。しかし、初級終了から中級レベルの2~3段階向け情報は少ないです。この段階は、OJTや自助努力で力を伸ばすのでしょう。でも、ここを効果的に終了すれば、より早く高みに登れる事は、間違いありません。このニーズのために、私が得意な2つのマイコンで記事を記載します。中級レベルの読者であれば、他マイコンへの応用も容易であると思います。