6月の本ブログは、ThreadやBluetooth 5など、マイコン:MCUとIoTコンピュータ:MPU/SCB間の無線通信規格に関する記載が多くなりました。モノをインターネットへ接続するIoTの要となる無線インタフェースが、今変動中であることが解ります。
私は、コスト重視のMCUは、最終的にはどれか1つの規格(Threadが良いと思います)になり、カバー範囲重視のMPU/SBCは、複数規格(Wi-Fiは必須で、BluetoothやThread…)を実装すると思います。
このMCUとMPU/SCB間の無線規格の現状を考えた面白い記事を見つけたので紹介します。
IPアドレスとの親和性
記事によると、無線規格の要件として、よく言われる低消費電力動作の必要性以外にも、既に出来上がったWi-Fi世界との親和性が重要だとしています。IEEEでもこの線に沿った「Wi-Fi Halow」と「Passive Wi-Fi」規格検討が進んでいるそうです。
かつて私も有線通信:ATMの研究開発にたずさわったので多少解りますが、IEEE(アイトリプルイー)の規格化が済むと、直ぐに商用製品が発売され、Businessに裏打ちされた規格が開発される場、それがIEEEです。そして、MCUとMPU/SCB間の無線技術を含む多くの通信課題が解決される場でもあります。
確かに、IPアドレスとの親和性が高いと、NIC: Network Interface Cardのハードやソフトが流用でき、これらを実装したMCUでのパケット化処理(UART over IP)も簡単になるかもしれません。
MCUとMPU/SCB間の無線技術
UART、つまりSCIを実装しないMCUはありません。
SCI入出力を簡単に無線化できるソフト/ハード技術、これがIoT MCU無線規格の本命になると思います。今日時点の内容は以下ですが、この技術の一覧表を固定ページに追加しました。固定ページは、適宜、内容を更新します。
無線規格 | 特徴 | 備考 |
Bluetooth 4.2 | 128ビットAES対応など従来比セキュア機能拡張 | スマホへ普及中 |
Bluetooth 5 | 4.2比通信速度、通信距離、ブロードキャスト容量拡大 | 2017年初めリリース予定 |
Thread | メッシュ網構成 | |
Wi-Fi Halow | Wi-Fiとの親和性高く、室内外40m、屋外1㎞通信 | IEEE 802.11ah |
Passive Wi-Fi | IEEE 802.bベース、超低消費電力(電池駆動10年)目標 |