NXPからNFC機能搭載LPC8N04発表に続き、新たにLPC802とLPC804がLPC800 MCUファミリに追加されました。従来LPC8xxファミリのLPC810やLPC824から仕様の新しい変化が感じられます。
わずか30秒のLPC802評価ボード、LPC804評価ボードの綺麗な動画を見るだけでもキーポイントが解ります。
LPC80x評価ボード価格(価格は全てDigiKey調べ)
- LPC802評価ボード:OM40000UL(¥1,963)、LEDとポテンショメータ搭載シールド基板1枚付き
- LPC804評価ボード:OM40001UL(¥3,074)、PLDとタッチパッドシールド基板2枚付き
仕様の変化
LPC8xxファミリのラインアップが下記です。
15MHzコア速度
LPC8xxファミリは、32ビット ARM Cortex-M0+コアを用います。Cortex-M0+は、8/16ビットMCUの置換えが目的の低消費電力コアです。従来は最大動作周波数30MHzでしたが、LPC80xはこれが15MHzになっています。
最大動作のスペックで、運用時は必要に応じ消費電力を抑えため動作周波数を下げるのが常套手段ですが、LPC80xではこの最大スペックが初めから15MHzになっています。これは、性能と電力消費のバランスを見直し、32ビットコアならばこのスペックでも8/16ビットMCUに十分対抗できると判断したためと思われます。
8/16ビットMCU市場を32ビットMCUで獲得するには、「従来以上に消費電力の低さが必要」なのです。
EEPROM based Flash
従来はFlashと記述されたユーザプログラム領域が、EEPROM Flashに変わっています。
※LPC8xxファミリは、Flashがユーザプログラム領域、SRAMはユーザデータ領域、ROMはデバイスに始めから実装済みのNXP提供プログラム領域(簡単に言うとライブラリ)です。弊社LPC8xxテンプレートに使用例があります。
※LPC8N04の4KB EEPROMは文字通りデータ保存用のEEPROMデバイスをSoCでMCUへ内蔵したものです。LPC8N04はコチラの投稿を参照してください。
このEEPROM based Flashと明示の意味するところ、従来との差、目的など、現時点ではよく解りません。しかし、明示する訳があるハズです。判明次第、投稿予定です。
Programmable Logic Unit(PLU)内蔵
LPC804ブロック図では、ピンク色のProgrammable Logic Unit(PLU)、ユーザ変更可能なディスクリートロジック機能も内蔵しています(簡単に言うとPLD:Programmable Logic Deviceです)。
このPLUを使うと、WS2812 LEDやDCモータ制御、パターンジェネレータなどが簡単に実装できるようです。
レジスタプログラミング方式のサンプルソフト提供
ARMコアのソフトウェア開発は、CMSIS:Cortex Microcontroller Software Interface Standardで流用性を高める記述が標準的です。しかし、8/16ビットMCUのソフトウェアは、ハードウェアレジスタを直接アクセスするレジスタプログラミングが主流でした。このレジスタプログラミングを好む開発者も多いと聞いています。
LPC80xのサンプルソフトは、このレジスタプログラミング方式のCode Bundleで提供されます。
関連投稿:CMSIS構造や目的は、コチラの投稿の、“CMSIS”章を参照してください。
8/16ビットMCU市場置換えと開発者ニーズへの最適化LPC80xデバイス
8/16ビットMCUの市場置換えとその開発者ニーズを満たすという目的に、従来LPC8xxファミリよりもさらに最適化した32ビットMCU、これがLPC80xだと思います。評価ボードも低価格で提供中です。
また、日本時間、金曜午前0時~午前1時の1時間に、全4回のWebinarが予定されております。本投稿以降は、6月15日(金)と6月22日(金)の午前0時からです。英語ですが、使用スライドは4回全てダウンロードできますので興味がある方は登録し御覧ください。