次期マイコンテンプレートの3候補マイコン、NXP LPC824、Freescale Kinetis L、ルネサスRL78/I1Dのうち、LPC824とmX-BaseBoardとの接続方法について検討します。
IoT向きマイコンの要件
2015年1月~2月の集中調査の結果、IoT向きのマイコンは、以下の要件を持ちます。
・バッテリ駆動可能な動作電圧(1.8~3.6V)
・12ビットADC
・DMA/DTCと省電力動作モード
・低価格(¥500以下目安)
3マイコンは、いずれも要件を満たしており、2015年3月現在のマイコンと評価ボードの価格は下記です。
マイコン (パッケージ) |
価格(入手先) | 評価ボード(価格、入手先) |
LPC824 (32HVQFN) | ¥259(DigiKey) | LPCXpresso824-MAX(¥2800、秋月電子) |
Kinetis L04 (48LQFP) | ¥220(チップワン) | FRDM-KL05Z (¥1747、DigiKey) |
RL78/I1D (48LQFP) | ¥430(マルツオンライン) | RTE5117GC0TGB00000R(価格不明) |
IoT向き省電力マイコンテンプレート開発着手
ルネサスRL78/I1D評価ボードは、現在、個人入手できませんので、価格不明です。
NXPとFreescaleは、合併の結果現状のARM Cortex-M0+マイコンの供給状況が変わる可能性もあり、リスクが少ないRL78/I1Dから着手したいのですが、上記のように評価ボードが入手不可で、同じS3コアのRL78/G14ともピンコンパチではないため基板流用もできません。
そこで、発売日が新しいLPC824から省電力マイコンテンプレート開発に着手します。CPUボードと周辺回路が実装済みのmX-Base Board(後述)の両方が、秋月電子から簡単に入手できることも理由です。
LPCXpresso824-MAXとmX-Base Boardの接続
LPCXpresso824-MAXは、mbedとしても動作するCPUボードです。販売中テンプレートのLPC812やLPC1114では、制御系ボードとするため、mX-Base Boardと接続して動作させましたので、LPC824でもこのmX-Base Boardを使います。
LPCXpresso824-MAXは、BaseBoardとArduinoの両方のコネクタを持っています。しかし、BaseBoardコネクタを使う場合、mX-Base BoardのEthernetコネクタが接触して直接装着ができません。
そこで、もう一方のArduinoコネクタを使いmX-Base Boardと下図のように配線します。
これで、BaseBoard実装のLCD、リセットボタン、外部SW、ブザー、ポテンショメータ、EEPROMをLPCXpresso824-MAXから制御できます。
LPC8xxテンプレートV2.1をメジャーアップデートしV3リリース
従来LPC8xxテンプレートV2.1(2015/01/20更新)に、新たにこのLPCXpresso824-MAX向けの省電力テンプレートを追加し、合わせてLPC8xxテンプレートV3とする予定です。
これにより、NXPのLPC800シリーズマイコンへの弊社LPC8xxテンプレート対応は下表となります。
対象マイコン | 推薦制御系ボード | 対応テンプレート |
LPC824 | LPCXpresso824-MAX + mX Base Board | LPC82xテンプレート(2015/04発売予定) ・シンプルテンプレート ・メニュードリブンテンプレート ・省電力テンプレート |
LPC822 | ||
LPC812 | LPCXpresso812 + mX Base Board | LPC81xテンプレート(2015/01/20 V2.1) ・シンプルテンプレート ・メニュードリブンテンプレート |
LPC811 | ||
LPC810 |
※シンプル/メニュードリブン/省電力テンプレートとは、弊社テンプレートの適用例を示すためのアプリケーションソフトです。
例えば、シンプルテンプレートは、テンプレートにチャタリング対応済みのSW入力とLED出力の2処理を追加した例で、テンプレートの所定位置に、所望処理を追加すれば、だれでも簡単にアプリケーションが完成することを示す目的で作成しております。詳細は、マイコンテンプレートサイトをご覧ください。