Version2のRL78/G1xテンプレートは、4種の市販ボードに対応しますので、テンプレートとボード動作の確認がすぐにできます。今回は、この4種対応ボード以外のボードに、テンプレートを移植する例を示します。本テンプレートを、お客様開発のボードへportingする際に参考になることを狙っています。内容が複雑で分量も多いので、3回に分けて解説します。
移植ボード選定
第1回目は、ボード選定です。RL78/G1xの発売以降、典型的な市販ボードは、テンプレートでサポート済みです。そこで、お客様開発ボードの代わりに選んだボードは、インドNGX Technologies社のBlueBoard-RL78/G13_30pin-Hです。格安で、E1インタフェース、UART、LED、ブザーなどの周辺ハードが実装済みです。日本でも秋月電子通販から2400円で購入できます。このボードを「仮想お客様開発ボード」とし、テンプレートを移植します。
RL78/G14ボードへの移植
今回porting対象に選んだボードのマイコンは、RL78/G13:ROM:48KB_30pinです。因みに、RL78/G14:ROM48KB_30pin実装ボードも同じボード回路で、違いはマイコンのみ、ピン割付も同じです(詳しくは、NGX Technologies社のHPを参照)。従って、テンプレートをBlueBoard-RL78/G14_30pin-Hへ移植する場合も、ここで示す方法がそのまま使えます。
ボード付属ソフトやアプリケーションノートソフトの問題点
市販ボードには、ボードをテストするプログラムが付属しますが、あくまでハードテストが主眼です。また、RL78のサンプルプログラムやアプリケーションノートのプログラムは、動作ボードを特定せず、単一機能の実装例が主眼です。これらに対して、実用プログラムは、複数機能で各機能がシステムとして上手く動作する必要があるので、ボード付属ソフトやアプリケーションノートのソフトを、そのまま実用版へ流用したくても、中途半端で役立ちません。RL78/G1xテンプレートは、この両者の隙間を埋めるのが役目です。実用プログラムとしてそのまま使えるひな型を目指しています(テンプレートに対する皆様のご意見、ご要望などが御座いましたらお気軽にinfo@happytech.jpへお寄せ下さい)。
では次回から、RL78/G1xテンプレートの移植方法を示します。