Win10アプリとデータ維持しWin11 24H2アップグレード(Rufus総集編)

Win10ユーザのEOS(サービス終了)対策は、Win11対応PCの新規購入がBestなのは判っています。しかし、最新PCハードウェアであっても急成長クラウドAIに十分対応できるかなど、数年後のローカルエッジPCハード/ソフトの状況は不透明です。

不透明さ対応の1つは、Win10無償延命ツールRufusを使ってWin10アプリとデータを維持したままWin11 24H2へアップグレードすることです。Win11 24H2 EOSは、来年1013日です。また、今秋リリースWin11 25H224H2をアップグレードすれば、更に2027年までの2年間Win10アプリとデータを維持したWin11利用ができます。もちろん、従来Win10ハードウェアを24H2へアップグレードしても今のところ安定動作しています。

本稿は、Win10延命ツールRufusの総集編として過去弊社が投稿した図表を用い24H2アップグレード方法を示します。掲載図は、旧Rufus版のものですが、内容は殆ど同じなのでご理解頂けると思います。

Rufus 24H2アップグレード全体手順

Rufus 4.9Windows 11 24H2アップグレード方法

準備
  1. Win10バックアップ(更新失敗リカバリ対策)
  2. Win11 24H2ディスクイメージダウンロード
  3. Rufusを実行しWin 11 24H2インストールUSB作成
更新
  1. Win10起動状態でインストールUSB setup実行
  2. Win11セットアップダイアログに従い数回クリック
  3. Win11 24H2大型更新完了

準備と更新の手順一覧表です。

先ず、万一の失敗に備え最終版Win10をバックアップしてください。次に、Win11 24H2ディスクイメージをPCデスクトップへダウンロードしてください。

最新Rufus 4.9ダウンロードと実行

最新Rufus 4.9は、コチラからダウンロードします。

Rufus 4.9のダウンロード
Rufus 4.9のダウンロード

PCRufusインストールは不要です。ダウンロードしたexeファイルのクリックで下図(左)のようにRufusが動作します。選択をクリックし、前章Win11 24H2ディスクイメージをブートの種類へ設定します。

8GB以上のUSBメモリをPCへ接続後、スタートをクリックすると、下図(右)のWin11 24H2インストールUSB作成が始まります。USB作成が終われば、Win11 24H2アップグレード準備が完了です。

Rufus 3.21のWindows 11 22H2インストールUSB作成
Rufus 3.21のWindows 11 22H2インストールUSB作成

Win10起動状態でWin11 24H2インストールUSB setup実行

Win10起動状態Win11 24H2インストールUSB内のsetupをクリックします。すると、下図のWin11アップグレード要因回避ダイアログが表示されます。

Windows 11 24H2アップグレード要件回避の設定
Windows 11 24H2アップグレード要件回避の設定

全ての要件を回避した弊社PC例です。ダイアログ表示はありませんが、Win11 24H2サポートCPU条件も同時に回避されます。

従って、Win11 23H2など旧Win11Win11 24H2アップグレードもRufusで可能です。旧Win11ユーザは、本稿Win10記述をお使いの旧Win11へ読み替えれば同じ方法でWin11 24H2アップグレードができます。

今秋リリースWin11 25H2アップグレードは、Win11 24H2が必須条件です。Win10/Win11ユーザは、Rufusを使いPC24H2化し、25H2アップグレード準備を忘れずに!

Win10アプリとデータ維持のままWin11 24H2アップグレード

暫く待つと、下図のWin11セットアップダイアログが表示されます。デフォルトは、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」になっています。「引き継ぐものを変更」クリックでアプリのみやデータのみへの変更も可能です。

デフォルトのままインストールをクリックすれば、Win10アプリとデータを維持したままWin11 24H2アップグレードを開始します。

Windows 11インストール準備完了
Windows 11インストール準備完了

この後は、通常のWin11アップグレードと全く同じです。表示ダイアログに従っていればWin11 24H2アップグレードが完了します。

Win11アップグレード後の注意

アップグレード後は、Win10の見た目や操作性が下図のように変わります。

Windows 10(左)とWindows 11(右)フォルダ比較
Windows 10(左)とWindows 11(右)フォルダ比較

個人的には、Win10ユーザインタフェースの方がWin11よりも優れていると思います。

引き継いだアプリによっては、再インストールやアップデートが必要になるものもあるかもしれません。しかし、弊社の場合は、MCU開発環境なども含め全てのWin10アプリが問題なくWin11 24H2でも動作しました。

Win11 24H2アップグレード後は、過去投稿のお勧め処理Win11 24H2更新状況を参照頂ければ、従来Win10ハードでもWin11 24H2が安定動作することがお判り頂けると思います。

SummaryWin10アプリとデータ維持しWin11 24H2アップグレード

Win10無償延命ツールRufusを使いWin10アプリとデータを維持したままWin11 24H2アップグレード方法を過去投稿図で示しました。最新Rufus 4.9でも図の内容は殆ど同じですので方法をご理解頂けると思います。

Win11対応PCの新規購入が、Win10 EOSBest解です。しかし、Rufusを使えば、Win11 25H2 EOS2027年秋までWin10アプリとデータの延命が可能です。この2年間でローカルエッジPCハード/ソフトのAI状況を見極め、新規AI PC購入を検討するなど低コスト解をRufusが与えます。

Afterword:急成長のクラウドAIとローカルエッジAI PC能力

超知能が数年後に登場2025/09/18(日経XTECH)は、人間知能をはるかに超える「超知能」の23年内実現可能性を否定していません。このAIは、主にクラウドAIです。クラウドAI発展は、ローカルエッジAI不要論もあり得ます。

しかし、ローカルエッジAIもクラウドAIに合わせた発展が必須と筆者は思います。例えば、個人情報保護・漏洩防止の高度エッジセキュリティが備わったローカルエッジAI PCのみが、安全なクラウドAI利用ができるなどです。

最新Copilot+ PCNPUスペックは、40TOPS以上です。これでもローカルエッジAI PCとして現在は十分動作します。数年でこのハードスペックがどう変わるか、AI PC向けOSソフトWin12と合わせウオッチしたいと筆者は考えています。


9月の月例更新プログラムとWin11 25H2準備

9月更新プログラム(KB506526)(26100.6584)のインストール確認
9月更新プログラム(KB506526)(26100.6584)のインストール確認

9月の月例更新プログラム(KB506526)(26100.6584)が配布されました。Win10/11の緊急修正を含みますので、早急な適用が必須です。設定>Windows Update>更新の履歴で、KB506526の正しいインストールを確認し、今秋リリースのWin11 25H2アップグレードへ備えましょう。

20258月のWin10/11シェア

Win10とWin11シェアは、statcounterによると8月時点でも拮抗しており、Win11の人気の無さが判ります。筆者は、TPM 2.0などWin11アップグレード必須要件や、優れたWin10ユーザインタフェースなどが、Win11不人気理由だと思います。

つまり、Win10ユーザには、無理にアップグレードしたいと思わせる新機能がWin11に少なく、魅力の乏しい中途半端なOSだった訳です。

2025年8月のWindows 10と11のシェア(出展: statcounter)
2025年8月のWindows 10と11のシェア(出展: statcounter)

この対策の1つが、20245Microsoft発表の新しいAI対応Copilot+ PCのハードウェアです。

NPUNeural Processing Unit)やMicrosoft Plutonセキュリティプロセサを一体化(SoCSystem on Chip)したAI向けCPUは、効率的でセキュアなAI処理がローカルエッジPCで実行可能です。Microsoftは、このCopilot+ PCハードに最適化した新OSとしてWin12を開発中で、2025年リリース予定だと筆者は思っていました。

AI専用Win12の架け橋Win11 25H2

Win12は、中途半端なWin11から新しいAI専用OSとして登場すると筆者は思います。そして、Win12Copilot+ PCは、従来PC使い方を、全く新しいローカルAIエージェント活用のPC使い方へ激変させると思います。

しかし、Microsoftは、今年10月のWin10サービス終了を前に取り残している多くのWin10ユーザを無視できず、現行Win11AI Win12へ乗換えてもらう必要性を感じます。そこで登場するのが、Win11 25H2です。

今秋リリースWin11 25H2は、Win11 24H2OSコア共有です。簡単に言うと、Win11 25H2の中身はWin11 24H2と同じです。

従って、Win11 25H2へアップグレードしても、24H2からのアプリ移行問題は少ないでしょう。また、Win10延命ツールのRufusを使えば、Win11アップグレード要件の回避も可能で、その回避PCハードでもWin11 24H2が正常に動作します(詳細は下記投稿参照)。

つまり、Win11 25H2の使命は、多くのWin10ユーザ取込み(回収)です。

Win11 25H224H2同様、新Copilot+ PCでない従来PCでも動作します。新旧両PC動作で24H2と同じ中途半端感も残るWin11 25H2ですが、新しいCopilot+ PCの必要性やAI PC生産性の高さをユーザへ実感させ、Copilot+ PC需要喚起やAI専用Win12の架け橋の役目も果たすでしょう。

Win11 25H2アップグレードはWin11 24H2からのみ

Windows 11 25H2更新プロセス(Microsoftブログに加筆)
Windows 11 25H2更新プロセス(Microsoftブログに加筆)

Microsoft公式のWin11 25H2アップグレード要件は、上図で示すWin11 24H2からのみ可能なことには注意が必要です。Win10からでもWin11 23H2からでもありません(Win11 25H2年次更新の詳細:2025/07/11投稿)。

従って、Win11 24H2以外のPCは、25H2アップグレード開始前にWin11 24H2化しておかなければWin11 25H2になりません。

もしかしたら次期Rufusは、Win11 25H2ディスクイメージから要件を満たさないPCでも直接Win11 25H2化できるかもしれません。

しかし、現時点でWin11 25H2アップグレードを行うなら、直ちにRufus 4.9を使ってWin10を24H2にし、Win11 25H2準備は必須です。

Summary9月の月例更新プログラムとWin11 25H2準備

9月の月例更新プログラムが配布されました。Win10/11緊急修正を含みますので、早急な適用必須です。

今秋リリースWin11 25H2アップグレードは、Win11 24H2が開始要件です。Win10サービス終了は10月ですが、Win10延命ツールRufusを使えばWin11アップグレード要件回避も可能で、その回避PCハードでもWin11 24H2が正常動作します。

Win11 25H2リリース前にWin10Win11 24H2以外のPCは、Win11 24H2化しWin11 25H2アップグレード準備必須です。

Win11 25H2事前配布開始か?

「異例」のWin11 24H2累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)が、830日(土曜)に配布されました。この更新プログラムは、今秋リリース予定Win11 25H2の事前配布の一部だと思います。

異例のWin11 24H2累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)配布
異例のWin11 24H2累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)配布

830日「異例」更新プログラム

「通常」のPatch Tuesday 8月例累積更新プログラム配布が、813日、次回9月の例累積更新プログラム配布は、910日の予定です。今回の累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)配布は、8月と9月の中間で、しかもSaturdayの全く「異例」の配布です。なぜこのタイミングか解りません。

そこで、クラウドAIMicrosoft Copilotアクアに質問したところ、4つの理由を得ました。

  1. Copilot +PC向けAI機能強化先行展開
  2. セキュアブート証明書の有効期限問題対応
  3. Patch Tuesday別枠「プレビュー更新」(企業影響を避けるフィードバック取得に週末配布)
  4. (Win11 25H2への)24H2安定性確認フェーズ

筆者は、Win11 25H2 Release Previewリリース記事2025/09/01、窓の杜)から、Win11 25H2事前分散配布だと推測しました。

830日更新プログラムKB5064081入手方法

上記記事では、Insider ProgramRelease Previewチャネル設定により今回の更新プログラムKB5064081入手方法が示されています。

しかし、弊社はWindows Updateで「利用可能になったらすぐに最新更新プログラムを入手」のオン設定で入手しました。もちろん、Insider Program参加は無しです。

8月30日更新プログラム入手方法
8月30日更新プログラム入手方法

KB5064081インストール後、再起動が要求されます。しかし、NPU無しの弊社Win11 24H2に特に変化はありません。

Rufus手動アップグレードWin11 24H225H2化できそう!

Win10延命ツールFlyby11は、Win11 24H2から25H2へのアップグレードができない懸念があるそうです(Win11 25H2が新たな障壁2025/08/06、日経XTECH)。

弊社お勧めRufusも延命ツールの1つです。このRufusを使って弊社は4月から5月にかけてWin11 24H2へ手動アップグレードし、その24H2正常更新状況を、タイムライン風に投稿しました。

手動Windows11 24H2更新タイムライン
手動Windows11 24H2更新タイムライン

今回の事前分散配布プログラム(KB5064081) (26100.5074)のインストール成功は、Win11 25H2アップグレードへの第一歩かもしれません!

今秋Win11 25H2リリースが待ち遠しいです。

SummaryWin11 25H2事前配布開始か?

通常Patch Tuesdayとは異なるWin11 24H2累積更新プログラム(KB5064081) (26100.5074)配布が、830日土曜に行われました。週末配布は、企業影響を最小にするWin11 25H2事前分散配布が狙いでしょう。

Rufus手動アップグレードでWin11 24H2化した弊社PCは、Windows Update最新プログラム入手のオン設定で、このKB5064081インストールに成功しました。

今秋リリース予定Win11 25H2アップグレードへの第一歩だと思います。

AfterwordWin11 25H2ビルド番号は26200番台

MicrosoftサイトのWindows and the shared servicing model v1.2 June 2025に、Win11 24H2/25H2ビルド番号が掲載されました。現行Win11 24H2が、26100番台、次期Win11 25H2は、26200番台です。

Wn11 25H2アップグレードは、Win11 24H2が前提です。10月に迫ったWin10 EOS対策に、RufusによるWin11 24H2更新をお勧めします。

Rufus手動Win11 24H2更新状況

5月のGW中にRufus 4.7を使いWin11 23H2からWin11 24H2へ手動更新した弊社PCの現状を示します。725日現在、非セキュリティ更新も含め更新Win11 24H2は正常動作中です。Win11 24H2へ自動更新できないPCをお持ちのユーザでも、Rufusを使えば安心してWin11 24H2更新・運用ができます。

Win11 24H2手動更新タイムライン

手動Windows11 24H2更新タイムライン
手動Windows11 24H2更新タイムライン

Rufusは、様々なWin11 24H2アップグレード要件を回避しつつ、従来のWin10Win11 23H2から最新のWin11 24H2へ更新ができるツールです。

40TOPS以上のNPUを持つ新しいAI PC買換えが困難なユーザでも、従来Win PCを最新Win11 24H2へ更新し、今秋リリース予定のWin11 25H2準備ができます。Win11 24H2が、Win11 25H2アップグレードの前提ですので24H2更新は重要です(関連投稿:Win11 25H2今秋リリース)。

もちろん、従来PCで非AI PCですのでローカルAI機能、例えばAI検索Recallなどは使えません。しかし、Win11 24H2は、AI PCと従来PCの両方対応OSのため、CopilotGeminiなどのクラウドAI機能は問題なく使えます。

弊社は、過去Rufusでの手動更新を投稿してきました。4月以降のWin11 24H2更新状況をタイムラインで示しました。

Win11 24H2アップグレード要件を満たす本来のWin11 24H2同様、月例更新や724日の8月先行更新も含め、手動Win11 24H2は、全て正常に動作中です。

関連投稿一覧

手動Win11 24H2更新詳細は、下記投稿で判ります。

手動Win11 24H2更新4PCの内、半分の2PCは下図のように「最新の更新プログラム入手をオン」へ設定していますので、724日リリースの先行8月更新(非セキュリティ更新:KB5062660)がインストールされます。先行更新入手のオン/オフ差を検証するためですが、全PCとも差が無く正常動作しています。

最新更新プログラム入手オン設定
最新更新プログラム入手オン設定

SummaryRufus手動Win11 24H2更新状況

20254月以降のRufus手動Win11 24H2更新状況をタイムラインで示しました。掲載PCは、Win11 24H2アップグレード要件を満たさない従来PCですが、要件を満たすPC同様問題なく正常動作中です。

手動Win11 24H2更新に不安を頂いているユーザの方でも、安心してWin11 24H2更新・運用ができます。

Afterword:新PC購入vs. 従来PC更新

日本Windows PC出荷台数が、前年比2.4倍でPC特需到来だそうです。ネットカフェもWin10からWin11へのハードウェア置換えが進行中です。40TOPS以上のNPUを持つCopilot+準拠AI PCは、未だ高価です。しかし、価格は徐々に下がるでしょう。従来PCAI PC両対応の今秋リリースWin11 25H2の終了2027年秋まで話題のエッジAIを待てるユーザは、Rufusによる従来PC手動更新も一案です。


Windows11 25H2年次更新の詳細

79Microsoftは、7月のWin11 24H2月例更新KB5062553を配布しました。この月例更新を使って、今秋リリース予定のWin11 25H2年次更新を詳しく説明します。

7月のWin11 24H2月例更新

今月のWin11 24H2の月例更新KB5062553を、前投稿Win11 25H2年次更新の図を使って示したのが下図です。上側が今月の月例更新、下側がリリース予定のWin11 25H2年次更新です。

Win11 24H2の月例更新(上)とWin11 25H2の更新プロセス(下)比較
Win11 24H2の月例更新(上)とWin11 25H2の更新プロセス(下)比較

月例更新は、KB5062553が有効状態でWin11 24H2へインストールされ、再起動後にWin11 24H2 OSビルド番号が26100.4652へ更新されます。

一方Win11 25H2年次更新の場合は、通常の月例更新時に、25H2新機能が何回かに分けて無効(Disabled)状態で事前に分散配布され、今秋正式リリースの再起動後にこれら配布済み新機能を有効(Enabled)へ変える手間が増えます。しかし、更新プロセスは、実績ある月例更新と全く同じです。

事前分散配布の目的は、Win11 25H2新機能の一回全配布に比べ、年次更新時のダウンロード時間を短くできることです。

Win11 25H2Win11 24H2OSビルド番号は、同じ26100番台で、OSコア共有です。従って、Win11 25H2は、24H2と同じくらい既知の問題が解消された安全・安定なOSとしてインストールされ、アプリ互換性問題も少ないと思います。

Win11 25H2年次更新の特徴

  1. Win11 25H2年次更新は、月例のWin11 24H2更新と同一プロセス
  2. Win11 25H2 OSビルド番号は、26100番台で24H2とOSコア共有
  3. Win11 25H2新機能は、月例更新に事前分散配布され年次更新時間は短い
  4. 今秋25H2リリースまでに、未だ残るWin11 24H2既知の問題は解決

以上から、簡単・安全・安心なWin11 25H2年次更新ができると、Microsoftブログは強調しています。

筆者も、Win10OSビルド:19045)からWin11OSビルド:22621)へ年次更新した時のようなOS起因のトラブル多発は、Win11 25H2では避けられると思います(関連投稿:Win11 OSビルド番号)。

SummaryWin11 25H2年次更新詳細

今秋リリース予定のWin11 25H2年次更新を、今月のWin11 24H2月例更新KB5062553を使って詳しく説明しました。

Win11 25H2新機能は、月例更新時に事前分散配布のため年次更新時間は短く、24H2既知問題は解決済みの安心・安全・簡単なWin11 25H2年次更新になりそうです。

AfterwordWin11 25H22大使命

多くのWin10ユーザ取込みが、Win11 25H2の使命の1つです。このため、OSビルド差が少ないマイナ更新でOS安定性とアプリ互換性を増し、実績ある月例更新プロセスを使い分散配布、年次更新時間も短くします。Win10ユーザへのMicrosoft配慮を感じます。

もう1つの使命が、Win11 25H2新機能によるAI PCユーザの拡大です。AIエージェントCopilotと各種Microsoftツール連携は、更に強力になるでしょう。AI PCが、先行するAIスマホのように進化するか、はたまた、開発者向けの別方向に進化するか、興味津々です。


Windows 11 25H2今秋リリース

628日、MicrosoftブログWindows11 25H2の今秋リリースを発表しました。現行Win11 24H2からの更新方法に特徴があるWin11 25H2を説明します。

Win11 25H2更新方法

Windows 11 25H2更新プロセス(Microsoftブログに加筆)
Windows 11 25H2更新プロセス(Microsoftブログに加筆)

注意が必要なのは、上図が示すWin11 25H2の更新は、Win11 24H2が起点という事です。Win11 23H2でもWin10でもありません。従って、Win11 24H2でないPCは、コチラの関連投稿で示した手動Win11 24H2更新しておく事は必須です。

Win11 25H2は、Win11 24H2OSコア共有です。そこで、Microsoftは、月例24H2の更新プロセス中に今回の年次25H2更新を混合する方法を採用しました。

具体的には、25H2新機能は、無効フラグ状態で月例24H2更新に含まれ、25H2リリースと同時にこの無効フラグを有効にします。その後再起動すれば、新しいWin11 25H2となる訳です。先述のMicrosoftブログは、この移行容易性を強調しています。

Win11 25H2 Pro/Homeのサービス期間は、リリース後2年間。つまり、2027年秋までWin11 25H2を使えます。従来PC40TOPS以上NPU実装のAI PC両方対応のWin11 25H2です。

※両方対応のWin11AI専用Win12については、コチラの関連投稿を参照。

Win12発表なし背景

筆者は、今秋Win12発表を予想していましたが、結果は、Win11 25H2への年次更新でした。

その背景は、コチラの関連投稿で説明したWindowsAIエージェント向け標準プロトコルMCPModel Context Protocol)対応による開発者インパクトの大きさ、下図Win11シェア低迷シェア低迷などがあります。

WIndows 11(青)と10(紫)の2025年6月シェア(出典:statcount)
WIndows 11(青)と10(紫)の2025年6月シェア(出典:statcount)

Win10Win11の世界シェアは、未だ同程度です。Microsoftが思う程Win11移行は進んでいません。やむを得ず今年10月にEOSEnd Of Support)を迎えるWin10ユーザ向けに、セキュリティ延長サポートを実施する程です。

また、Win11シェア内の従来PC比が高く、この状態のままNPU必須のAI専用Win12をリリースした場合、ユーザのWindows離れを招く恐れもあります。

つまり、次期Win12の前に、Win10ユーザ取込みとWin11シェア拡大を目的に、従来PCAI PC両サポートのWin11 25H2リリースに至ったのだと思います。

Win11 25H2メリット

Win11シェア低迷は、Win10Win11の差の少なさです。専門家が強調するWin11メリットを、一般ユーザが感じられないのです。当初、最後のWindowsとしたWin10完成度の高さが原因です。

しかし、競合他社AppleGoogle比、AI関連で先行(と筆者が感じる)Microsoftが、このままAI戦略を続ければ、一般ユーザでも従来PCAI PCの差を実感できます。OfficeツールやブラウザEdgeMicrosoft AIアシスタントCopilotとのシームレスな連携強化によりAI活用メリットが誰でも簡単に判るからです。

クラウドが先行しているAI活用ですが、より強固なセキュリティのローカル(エッジ)AI利用やWin10で満足だったPCゲーマーのAI利用も増加します。Win11 25H2サービス期間中に、全ユーザにAI有用性が浸透すれば、次期AI Win12移行もスムースになるでしょう。

また、AI PC新規購入予定ユーザにとっても、クラウド/ローカルAIサービスをどの程度利用するかを冷静に判断できる期間となります。現在は高価なAI PC価格も低下するでしょう。

今年2025年から2029年の4年間でAGI(汎用人工知能)が実現するとの見解もあります(前投稿参照)。仮にAGI実現の場合、Win12要求仕様も変わる可能性があります。Win11 25H2サービス終了の2027年秋までは、AIが急成長する期間でもあります。

AI激変にはAI専用Win12より新旧サポートWin11 25H2の方が、幅広く対処できる可能性もあります。

SummaryWin11 25H2今秋リリース

Microsoftは、Windows11 25H2今秋リリースを発表しました。Win11 25H2Win11 24H2は、OSコア共有のため、月例の24H2更新時に25H2新機能を無効状態で含めて配布し、25H2リリースと同時に有効にする移行容易性が特徴です。

このWin11 25H2混合配布が、どの月例でどの程度行われるかは不明です。しかし、Win11 24H2が開始点ですので、Win11 25H2に移行するには全PCWin11 24H2化が必須です。

AfterwordRufus 4.7から4.9へ更新

Win11 24H2手動更新ツールRufusが、4.9へ更新されました。4.9更新は、4.8Windows ISOイメージ解析高速化に加え、バグ修正などです。Rufus 4.7のWin11 24H2手動更新方法が、4.9でもそのまま使えると思います。


Windows12発表遅れの考察

2025519日のBuild 2025Microsoftは、AIエージェント向け標準プロトコルのMCPModel Context Protocol)にWindows 11が対応したと発表しました。

このMCPを簡単に説明し、次期Win12の発表が遅れている原因を考察しました。

SummaryWin12発表遅れ考察

AI PCプラットフォームには、AIエージェント向け標準プロトコルMCPは必須です。次期Win12は、この新しいMCPプラットフォームの構築に加え、MCP AIアプリと従来AIサービスの共存、従来アプリの動作を満たすことが求められるでしょう。

つまり、OS自身の構築に加え、上記大規模Winアプリ構造変化にアプリ開発者対応が必須です。これが、Win12発表が遅れている根本原因だと筆者は思います。

MCPModel Context Protocol)とは

3月末投稿Win11 24H2は、従来PCハードウェアとNPUを持つ新しいAI PCハードウェアの両方をサポートする「ハードウェア移行期OS」で、次期Win12は、移行後のAI PC専用OSへ進化と予想しました。

AIエージェント向け標準プロトコル:MCPとは、このAI PCプラットフォームの必須機能です。

AI PCのローカルAIエージェントは、ユーザの要求を複数アプリやファイルシステムと連携しながら処理します。この連携には、AIエージェントとアプリ双方が標準化されたMCPに対応していることが重要です。

これはオンプレミスのサーバー/クライアントに例えると判り易いと思います。端末アプリやファイルシステムは、MCPサーバーとしてその機能を提供し、クライアントのAIエージェントがそれら機能を呼び出すことでエージェント処理が進みます。

AIエージェント向け標準プロトコルMCPの仕組み(出典:Wikipedia)
AIエージェント向け標準プロトコルMCPの仕組み(出典:Wikipedia)

発表されたWin11MCP対応は、従来アプリと新しいMCP AIアプリの両方に対応した「AIアプリ移行期のOS」発表でもあった訳です。もちろん、Win12未発表のため、敢えて従来Win11の名前(Win11 25H2 ?)を使ったと筆者は思います。

今後のWindowsは、MCPプラットフォーム上でのAIアプリ/既存アプリ動作を目指すでしょう。そしてその実現の道のりが、遠く険しいことは、開発者なら判ると思います。

既存AIサービスのMCP影響

例えばClick to Doは、「既存のAIサービス」です。Win11 24H2と特定アプリ連携のため「独自な方法」を用いています。新しい「標準MCP」は、Click to Doのより柔軟で高度なWin機能や他アプリとの連携を可能にします。

つまり、既存AIサービスも、標準MCP活用で更に高度化できる訳です。

Microsoftは、現在一部のパートナー向けにMCPプレビュー版を公開し、フィードバックを募っています。Win12リリース前にAIアプリ関連の問題を洗い出すためです。

既存AIサービスも、MCPの影響は大きいと思います。

次期Win123種アプリ対応

Win12AI OSであることは間違いないでしょう。開発者のみならず一般ユーザでも、AI OS搭載PCを一度使うと、従来のAI無しのPCには戻れないからです。これは、AIスマホと同じです。

例えば、コチラの記事AIエージェント:computer useや、GoogleAI検索などです。AI活用で、従来比、高いPC生産性が期待できます。AIは、それほどPCの使い方、ユーザ生活様式を変える力を持っています。

次期Win12が、AI MCP専用OSか、AI MCPアプリと従来AIサービス混在を許容する新旧AIアプリ対応OSか、あるいは、これらに従来アプリも加えた3種アプリ対応OSかは、今のところ判りません。

筆者は、WindowsユーザのAI化は、Win10/Win11 23H2サービス終了の10月以降、急速に進むと予想します。正式なWin11 24H2対応には、NPUを持つ新しいAI PCハードウェア購入がMicrosoft推薦の王道だからです。

AI PC普及スピードが速ければ、複雑な3種アプリ対応は避け、シンプルなAI MCP専用Win12も有りだと思います(MCP AIアプリの豊富提供が前提ですが…)。

  • MCPは、ARM64搭載Prismのようなエミュレーションツールでは対応できないと思います。
  • 非正式なWin11 24H2アップグレード成功の弊社PCは、Afterword参照。

Afterword:弊社PC Win11 24H2アップグレード完了

弊社Win11 23H2保持4 PCを、5月ゴールデンウイーク以降、1週間に1台のペースでRufus 4.7を使ってWin11 24H2手動アップグレートしました。前回の24H2アップグレード時に発生したLANPC接続トラブルも、何の対処も無しに解決されています。これで、Win11 24H2サービス終了2026年秋まで弊社従来4 PCの1年延命が完了しました。

MCP発表でWin12発表も間もなくの気もします。しかし、開発者フィードバック次第で24H2サービス終了延長、または、Win11 25H2もあり得ます。