生成AI革命は、GAFAMと呼ばれる現在のIT企業勢力図を変えそうです。米)The Atlantic分析では、新勢力は、GOMA。2024年2月16日のプレジデント オンライン記事が、「Google+Anthropic」対「Microsoft+OpenAI」と解説しています。
生成AI革命によるIT企業、半導体産業、MCUベンダへのインパクト記事をまとめました(生成AI革命はAfterword1参照)。
※2月23日金曜が天皇誕生日で休日のため、木曜先行投稿します。
Summary:生成AI革命インパクト
生成AI革命は、企業、産業、生活など全てにインパクトを与えそうです。例えば、人々のネット利用は、従来の検索型からChatGPTと生成AIによる会話型へ変わるでしょう。会話型に慣れると、検索型へは戻れないからです(検索/会話型はAfterword2参照)。
このようにChatGPTと生成AIは、人間へ優れたAIとのインタフェースを与えます。しかも、AI進化・学習スピードは、人間の比ではありません。
企業サービス利用者は、このAIを上手く使えるか否か、つまり、AI活用性が重要な選択肢になるでしょう。
一方、サービス提供企業は、利用者のAI活用欲求を満たさないと、企業衰退の可能性があることを本稿の各記事は示しています。
GAFAMからGOMAへ
GOMAは、Google、OpenAI、Microsoft、Anthropicの頭文字です。
米)Anthropicは、2021年設立のAIスタートアップ企業で、当時OpenAI研究担当副社長ダリオ・アモディ氏らが、MicrosoftとOpenAI協業方向の違いから退き設立した会社です。そして、Anthropicの協業先は、Googleです。
GAFAMからGOMAへ変わる理由は、AIの開発・運営費用が、従来の検索型コストの10倍かかるからです。このコストを賄いつつも、AIがどの程度利益を生み出すかは、現状不透明です。
このリスクを承知の上でAIを牽引できるのは、検索大手2社、GoogleとMicrosoftだけです。その結果、The Atlanticは、GAFAMからGOMAへ変わると分析しています。
ChatGPTに無償/有償版があり、生成AIのGPTモデルもGPT-3.5/GPT-4など選択肢が出てきたのは、10倍コストが背景にあります。
Microsoft)Copilot対Google)GeminiのAI活用コストパフォーマンス競争が始まりました。
半導体産業インパクト
米)OpenAI CEO解任/復帰劇があったSam Altman氏は、2024年2月12日~14日、アラブ首長国連邦)ドバイのThe World Governments Summit 2024で、GPT-4の次世代モデルGPT-5に言及しました。
さらにSam Altman氏は、日本GDPの約2倍、最大7兆ドル規模の「AI半導体開発計画」を画策中だそうです。
これは、半導体産業を根本から変える規模の計画です。
IntelやAMDもAI専用プロセサ:NPU内蔵CPUを相次いで新発売し、GAFAM各社も、独自AI向けプロセサを開発中です。生成AI革命には、大量のAI半導体が必要になるのでしょう。
2023年売上が約5270億ドル、2030年には、約1兆ドル見込みの世界半導体売上は、AI関連で占められるかもしれません。
MCUベンダインパクト
半導体生産を担うMCUベンダも、最近、組織再編ニュースが多いです。例えば、STマイクロ、ルネサスなどです。その背景を推測しました。
産業向けMCUに比べ好調な車載向けMCUは、制御系と車載IT系の大きく2に分かれSDV(Software Defined Vehicle)を進化させつつあります。車載IT系は、AIとの親和性が高く、自動運転などのAI化は、MCUベンダ製品系列を大きく変える可能性があります。
MCUベンダの組織再編は、生成AI革命による変化の前兆かもしれません。
Afterword1:生成AI革命とは?
ChatGPTと生成AIの出現は、生成AI革命と呼ばれます。それは、ブラウザ経由(CopilotまたはGemini)で、人間対人間のように会話でAIへ質問し、結果(回答)を引出すことができ、しかも、全分野でAIが回答できるからです。まさに革命的です!
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Afterword2:検索型から会話型へ
ネット利用は、従来、検索が大部分でした。Google)ChromeやMicrosoft)Edgeなどのブラウザは、「キーワード」入力に対する検索出力の正確さ・速さを競いました。
しかし、利用者が本当に知りたいのは、ブラウザ検索出力では無く、検索出力を分析した結果です。この分析は、利用者自身が行いました。つまり、検索型で「結果」を得る方法は、下記でした。
・キーワード入力→検索出力の利用者分析→結果
ところが、ChatGPTと生成AIは、初めから利用者が知りたいことを「質問」としてネットへ入力できます。ネットで会話しながら追加質問もできます。会話型で「結果」を得る方法は、下記です。
・質問入力→結果
検索型よりも知りたい結果が、直接得られます。ネット利用が検索型から会話型へ進化し、AIとの会話に慣れると検索型へ戻れない理由です。