STマイクロの日本語トレーニングサイト内に、9個の組込みAI資料を見つけたので紹介します。日本語のMCU AI資料は嬉しいです。STマイクロへのログインが必要ですが、どなたでも閲覧(PDFダウンロード)可能です。
MCU AIトレーニング資料8個の内容
トレーニング資料8個の内容です。1~8の内容に加えて10月3日に行われたウェビナー資料:コンピュータ・ビジョン編の計9個MCU AI資料が公開中です。
AI解説(Page 2)記載の8トレーニング資料の説明範囲:「AI基本概念には触れるが、AI、深層学習、Pythonプログラミングの詳細解説はしない」は、Edge AI/MLツールを利用しMCU開発を行う者に最適な内容だと思います(MCU AI現状と対策、1章:Edge MCI AI課題数参照)。
1~8資料は、読者のお好きな時間に読んでください。
本稿は、9個目のウェビナー資料:コンピュータ・ビジョン編から筆者印象に残った点をピックアップします。
コンピュータ・ビジョン編もくじ
ピックアップしたコンピュータ・ビジョン編のもくじです。コンピュータ・ビジョンとは、MCUが、AIを使って画像、動画、その他入力データから目的とする情報を抽出する手法です。
印象点が以下です。
- Edge AI/ML MCU(Tiny ML Devices)は、2030年に25億台と予測(P4)
- Edge AI/ML MCUは、クラウド接続無しで低レイテンシ(P9)
- STM32MCUのAI開発ツールは、STM32Cube.AIとNanoEdgeStudioの2種類あり(P12)
- 主要STM32汎用MCUは、AI開発ツール2種類両方が使える(P13)
- STM32Cube.AIは、深層学習アプリケーションを簡単実現(P18)
- ※NanoEdgeStudioは、前回投稿に記載中
- ※深層学習とは、ニューラルネットワークによる機械学習手法
つまり、MCU開発者は、2030年の数年前までに、ソフトウェアで他社差別化できるEdge AI/ML(組込みAI)知識獲得と開発が必要と言えます。
Summary:STM32Cube.AIとNanoEdgeStudio差は継続調査
Edge AI/ML MCUが、クラウド接続不要でスタンドアロン動作であることは、大歓迎です。RTOSや高度セキュリティTrustZoneなどのネットワーク技術の必要性が低いからです。
従って、Edge AI/ML MCU開発は、ベアメタル開発の延長線上にあると言えます。25億台/2030年予測の内、Edge AI/ML MCU比率がどの程度かは不明です。しかし、RTOS/TrustZone MCU比率より多いことを筆者は期待します。
前回投稿のMCU AI開発ツール:NanoEdgeStudioと本稿のSTM32Cube.AIの特性差が何かは、現在不明です。もう少しAI/ML知識を獲得すれば、判ってくると思います。継続調査項目とします。
Afterword:判り難さは、馴染み無い用語起因
RTOS/TrustZone MCUよりもEdge AI/ML MCUの方が開発簡単とは言いません。
しかし、ベアメタル開発に近いのはEdge AI/ML MCU開発です。IoT MCUに必須なRTOS/TrustZoneは、AI/MLよりも馴染みが薄い用語が多く、しかも開発にその詳細理解も必須です。
一方、AI/MLは、AI解説編が示すようにAI/ML詳細理解よりMCU AIツールの効率的活用で十分開発できそうなことも理由です。
※望むらくは、AI/ML同様、RTOS/TrustZone開発支援ツールがあると嬉しいですね!
この意味でSTマイクロの組込みAI日本語資料は、MCU開発者に非常に役立ちます。是非一読(何度も読むこと)をお勧めします。馴染み無いAI/ML用語が、だんだん身近なります!
10月2日発表のWindows AI/CopilotもMCU AI/ML普及の追い風になるハズです。