RAファミリFSP生成のBare Metal Blinkyサンプルコードの書き方が、筆者のCコード書き方と違っていて驚いた点を示します(FSP:Flexible Software Packageとは何かは、コチラの関連投稿を参照)。
変数宣言位置
筆者のC変数宣言は、関数の冒頭、実行文の前に全ての変数宣言を行います。しかし、Bare Metal Blinkyサンプルコードは、変数が必要になった直前で変数宣言をしています。こちらの方が、コードが読み易いですね。
これは、使うC言語規格が異なるからです。筆者は、古いC90(1990年版)、FSPは、C99(1999年版)以降の規格、書き方を採用しています(参考文献:C言語の仕様)。
C言語規格も改良や改版が進み最新規格は、C11(2011年版)です。更に、C17やC2xなどへ進化中だそうです。下位(旧版)互換性は、コンパイラが賢いので保たれています。エッジAIが導入されると、古い書き方は止めなさいとアドバイスが出たりするかもしれません😅。
IoT MCU開発では、従来比、他者が開発したコードやライブラリを読み、理解・利用する機会も格段に増えます。
独立行政法人情報処理推進機構から、組込みソフトウェア開発向けコーディング作法ガイド[C言語版]ESCR Ver. 3.0(2018年)のPDF版がダウンロード可能です。
ガイド想定利用者は、プログラマやレビュー者(P3参照)とありますので、本ブログ読者は目を通しておくのも良いと思います。
新しい規格に縛られる必要は、コンパイラのおかげでありません。しかし、FSP生成サンプルコードに習い、今後はC99以降の書き方を採用します。
いわゆるLチカサンプルコードであっても、なおざりにできない例です。そこで、基になったFSP生成のBare Metal BlinkyとMinimalスケルトン(骨格)の差をまとめます。
Bare Metal Blinky生成方法
各種周辺回路サンプルコードは、FSPとは別に評価ボード毎に提供されます。しかし、Bare Metal Blinkyだけは、FSPで生成可能です(FSPと評価ボード毎の周辺回路サンプルコードは、コチラの関連投稿を参照)。
その狙いは、筆者のような古いC記述者へ新しい記述法を知らせる、または、Blinkyと周辺回路無しのMinimalなスケルトンとの差分を知らせる、などが考えられます。
FSP生成Bare Metal Blinkyは、通常の新規プロジェクト作成方法と同じ、ファイル>新規>Renesas C/C++ Project>Renesas RAクリックが最初の手順です。ダイアログに従って手順を勧めると、最後にBare Metal – BlinkyかMinimalかの選択が可能です。
Blinky選択とFinishクリックで、g_ioport I/O Portスタックだけが配置済みの[Blinky]FSP Configurationパースペクティブが開きます。
念のため、Generate Project Contentをクリック後、src>hal_entry.cを開くと、1章で示したC99以降の書き方で記述したBlinkyサンプルコードが生成されます。
Bare Metal BlinkyとMinimalの差分
BlinkyとMinimalスケルトンの差は、hal_entry()のTODO: add your own code hereの下にBlinkyコードが有るか無いかだけです。FSP Configurationも全く同じです。
つまり、IOPORT未使用のアプリケーションは無いので、例えMinimalと言えデフォルトでg_ioport I/O Portスタックは配置済みで、そのスタック利用例がBlinkyという訳です。
FSP生成Bare Metal Blinkyに習い、筆者も今後はC99以降の新しい書き方でCソースコード記述をしていきます。