I2C接続EEPROMの使用シナリオ

前回の記事で問題にしたLPC8xxテンプレートI2CのAPIは、「LPCOpen」と「内蔵ROM」両方を使うことに致しました。UARTはLPCOpneを使うとデバイス最高速度30MHzで動作しますので、これでLPC8xxテンプレート開発を続けます。

 

さて、I2CのAPIを使ってテンプレートにどのような使用例を追加すべきかを検討しました。接続デバイスは、「I2Cインタフェースで最も利用が多いEEPROM、動作は、ページライト/シーケンシャルリード、保持データは、マイコン再起動時に必須となるデータ、例えば、電源断時のスイッチ状態」などとします。

これは、RL78/G1xテンプレートのデータフラッシュ使用例と同じです。RL78/G1xは、4KBのデータフラッシュを内蔵しており、様々な使い方ができます。私は、このデータフラッシュにEEPROM的な使い方を想定し、RL78/G1xテンプレートに実装しました。

LPC8xxには内臓データフラッシュはありませんが、IAP: In-Application Programmingという64バイトのページ(ページについては後で示す)を持つROM書込み/消去の機能があります。これを使うと、EEPROMの代用ができます。が、ROM自体をプログラムで書換えるのは、少し抵抗があります。従って、LPC8xxテンプレートにはIAPを実装しない予定です。代わりに、応用範囲の広いI2CにEEPROMを実装します。

I2C接続のEEPROM仕様

EEPROM仕様
EEPROM仕様

I2C接続の代表的なEEPROM仕様を示します。容量が大きくなると、ページデータ数が16、32、64、128バイトへ増えます。ページとは、纏めてライトする時の単位です。EEPROM書込み保障回数は、10万~100万回ですので、1バイト毎にライトする代わりに、ページ単位にデータを纏めてライトすると、ライト回数を減らせます。しかしその分、ページライト後に待ち時間も発生します。

リードは、最後にライトしたアドレスのデータを読む、カレントアドレスリードが基本です。任意アドレスリードは、ライトデータを0にしたダミーライトを行い、カレントアドレスを再設定した後で通常リードをします。カレントアドレスから、最大アドレスまでのシーケンシャルリードが可能です。

EEPROM使用シナリオ

これらリード/ライト方法や仕様を俯瞰すると、EEPROMに保存するデータは、ページ単位が適していることが判ります。また、使い方は、マイコン起動時、最後にEEPROMにページライトしたデータをリードしマイコン運用、これらデータ更新時に、更新データを一塊のページ単位でEEPROMへライトし、再起動に備えるなどを想定します。そこで、このシナリオでLPC8xxテンプレートに実装します。

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