2022年7月29日ZDNet Japan掲載、アイルランドIoT事情についての記事(前編、後編)と、2022年8月1日MONOist掲載、調査結果からみる日本製造業将来と期待の記事を紹介、両国のIoT開発現状を比較します。
アイルランド
北海道 | アイルランド共和国 | |
面積 | 8万3,400㎡km | 7万300㎡km |
人口 | 530万人 | 492万人 |
日本と同じ島国で、面積、人口が北海道より少し小さいアイルランド共和国は、記事によると世界最大の情報通信技術(ICT)サービス輸出国です。
アイルランド国内総生産(GDP)は、世界トップ10にランク(Wikipedia)されます。
アイルランドIoT事情
ごく簡単に記事要旨をまとめます。
アイルランドは、IoTを「データ収集(Collect)」「接続(Connect)」「変換(Transform)」の3カテゴリに分類、さらに3カテゴリをまたぐ形で事業展開する企業をサポート、IoTサービス進化を現実化する研究施設もある。
「IoTビジネスに最適な国」を目指し、行政や大学などの研究機関を整備、世界各国から有力企業とノウハウを集積した結果、2022年経済成長率5.4%、2023年4.4%と予測される高い経済成長に繋がっている。
日本製造業の将来と期待
MONOist日本読者による製造業の将来と期待についてのアンケート結果が、3枚の図にまとめられています。
要旨を簡単にまとめます。
・先が読めないので予想し準備することは不可能。だから、変化に合わせた柔軟性が重要。
・リアル活動制限のコロナ禍、デジタル環境で様々な業務ができることが判明。
・日本製造業将来が明るい/暗い回答はほぼ同数で25%、残り50%はどちらとも言えない。
・AIやロボット、自動運転などの自動車分野、メタバース/ローコード技術に期待。
・日本モノづくりは、世界的に見ると特殊な立ち位置。
最後を除いては、日本に限らずどの国の企業、技術者でもさほど違わないと思います。違いは、日本の国家指針の無さ・見えなさ、変化に対するスピードの遅さだと思います。
まとめ:個人レベルは選択と集中
日本とアイルランドのIoT開発現状を比較しました。
関連分野が広く、しかも、各分野の奥行も深いIoTです。日本の開発者個人にとっては、アイルランドのIoT 3カテゴリ分類は、1つの「指針」になると思います。
例えば、IoTエッジMCU開発者ならば、先ずはデータ収集、次に無線/有線の接続、最後にAI向けのエッジデータ変換というように、アイルランドガテゴリに沿った技術区分と優先順位を付けることができます。
漠然とIoTを捉えるより区分と優先順位があれば、より集中、選択してIoT技術を習得できます。しかも、そのカテゴリ分けは、世界最大のIoTサービス提供実績があるアイルランドカテゴリに基づいているので、「世界的モノづくりへ通用」する可能性も高いです。
ガラバゴス技術の多い日本にいると、自身の技術がはたして世界で通用するかの不安は付きものです。
不安払拭のため、時には開発者個々人が、世界(今回はアイルランド)へと視野を広げ、自身の開発領域へフィードバックをかけ、「選択、集中した技術習得」が効果的なIoTだと思います。