CubeSuite+には、5種類のRL78デバッグツールが使えます。今回は、これらのうち、E1、EZ Emulator、シミュレータの解析機能を比較します。
デバッグツールは、バグ取りが主目的です。これに加えて、ツールタイマを使ってプログラム解析もできます。以下に各ツール接続時の解析内容と、画面右下に表示される各ツールのステータス情報を示します。
解析機能 | E1 | EZ Emulator | Simulator |
制御品質解析(変数やパラメタの時間変化) | あり | あり | あり |
実行性能解析(関数処理の時間割合) | なし | なし | 選択可能 |
パフォーマンス解析(特定区間の実行時間計測) | なし | なし | 選択可能 |
カバレッジ解析(実行網羅率測定) | なし | なし | 選択可能 |
ステータス情報(CubeSuite+画面右下)
E1とEZ Emulatorは、CubeSuite+以外に専用ハードウエアが必要です。シミュレータは、CubeSuite+のみで実行できます。E1とEZ Emulatorの違いは、ありません。シミュレータの解析内容が一番豊富です。シミュレータでは、ステータス情報の足/時計/タイルアイコンクリックで解析機能の“あり/なしの選択も可能”です。RL78のカタログに記載されている実行性能解析は、シミュレータでのみ可能です。
しかし、シミュレータ解析は時間がかかります。専用ハードを使うE1とEZ Emulatorは実時間処理なので、実行時間1秒の間に解析結果が得られます。同じ時間をシミュレータで解析すると、制御品質解析に加えて実行性能/パフォーマンス/カバレッジ解析ができますが、トレースメモリを2Mフレーム使用して、1分以上かかります。シミュレータは、トレース範囲の設定とトレース・メモリ・サイズに注意が必要です。E1/EZ Emulatorとシュミレータの使い分けが必要でしょう。