Microsoft Surface が、10月14日のWin10 EOS(サービス終了)に合わせ割引価格で販売中です。
最新Surface Pro 2025年モデルと2024年モデルを比較し、2025年Surfaceの動向を探りました。
AI PC Surface低調原因
Copilot+ PC普及率9%、イノベトピア(2025年7月30日)によると、AI PC全体でのMicrosoft Copilot+ PCのシェアは9%と低調です。原因は、価格の高さ、ARM64コアのビジネスアプリ互換性問題と筆者は思います。
2024年6月のCopilot+ PC発表から1.5年が経過し、多くのビジネスアプリがARM64コアへ対応しました(下図)。また、x86/x64エミュレーションPrismもあり、アプリ互換性問題は解消されつつあります。
9月27日追記:Copilot+ PC向けARMアプリ拡大、Windowsブログ(2025年9月18日)で、ARM64コアネイティブ動作アプリが、分野毎に数多く記載されています。また、アプリ開発者向けに、ARMアドバイザリーサービスも用意されています。
Surface Pro 2025年モデルは低価格化
Surface Pro 2024年モデルは、ARM64コアのQualcomm社Snapdragon X Elite(12コア)やSnapdragon X Plus(10コア)を搭載しました。2025年モデルは、これをSnapdragon X Plus(8コア)へダウングレートしました。
主要諸元差を一覧表にしました。
Surface Pro主要諸元 | 2025 モデル | 2024 モデル |
ARM64コア | Snapdragon X Plus(8コア) | Snapdragon X Elite(12コア) Snapdragon X Plus(10コア) |
NPU | Qualcomm社Hexagon NPU(45 TOPS) | |
ディスプレイ | 12インチ(2196×1464) | 13インチ(2880×1920) |
メモリ・ストレージ | Max 16GB RAM・512GB SSD | Max 64GB RAM・1TB SSD |
Officeアプリ | Microsoft 365 Personal | Office Home&Business |
Win10 EOS割引価格 | ¥130.680~ | ¥207,680~ |
AI処理の要NPU(Neural Processing Unit)を除き、2025年モデルは低価格仕様へ変わっています。
Win10 EOSに合わせた割引価格でSurface Pro 2025年モデルは、x64コアのAI PC普及版とほぼ同じ価格帯になったと思います。
Windows ML提供開始
2025年9月23日、Microsoftは、Windows ML (Machine Learning)の提供を開始しました。Windows MLは、x64/ARMコアに関わらずWindows上で多種多様なローカルAI実行環境を提供します。
つまり、AMD/Intel、QualcommなどCPUベンダに依存しないローカルAI開発が可能です。AI開発のCPUコア依存性は、Windows MLにより無くなりつつあります。
Summary:2025年モデルAI PC Surface動向
Microsoftは、従来x64 CPUに変わる新しいARM64コア採用Copilot+ PCを2024年6月に発表しました。Copilot+ PCは、Windows 11にCopilotキーなどのAIポータル機能を統合しており、製品にはSurface Pro 2024年モデルなどがありました。
この2024年モデルは、高価、従来ビジネスアプリ互換性問題のためAI PC全体に占める割合は低調です。Copilot+ PC発表から1.5年が経過し、ARM64ビジネスアプリも増えてきたことから、新Surface Pro 2025年モデルは、2024年比、低価格化が進んでいます。
さらに、Win10 EOSに合わせSurface普及促進を目的に割引価格で販売中です。Surfaceが気になるユーザは、今が狙い時かもしれません。
Afterword:x64→ARM64背景
Microsoftが、CPUを従来のx64から新しいARM64コアへ変えた理由は、Apple社のMac同様、電力効率の良さです。確かにARM64ノートPCのバッテリー駆動時間は、x64比、少し長いです。この駆動時間が2倍などであれば、ARM64化に弾みが付いたでしょう。電力効率とアプリ互換性バランスの読み違いもSurface低調要因だと思います。
さて、AI開発は2030年まで減速なし、@IT(2025年9月19日)によると、大規模AIインフラ投資によりAI進化は2030年まで継続するそうです。生成AIは、イーサネット出現に匹敵すると筆者は思います。AIに上手く慣れるには、Microsoft Surfaceのような業界標準AI PCの利用が良いかもしれません。