ノートPCからモニタと内蔵バッテリを外した構成のミニPCには、2タイプがあります。各タイプの違いと、同一CPU:Ryzen AI 9 HX 370搭載の最新ミニPC 2機種、2025年版Mac miniを紹介します。
Ryzen AI 9 HX 370
Ryzen AI 9 HX 370は、Ryzen AI 300シリーズの最上位1個下のCPUです。3月7日投稿の弊社選択CPU:Ryzen AI 7 350よりもCPU/GPU強化でNPUは同じ50TOPS版です。
Ryzen AI 300 | Cores / Threads |
Boost5 / Base Frequency |
Cache | Graphics Model | TDP | NPU TOPS |
Ryzen AI 9 HX 375 |
12C/24T | Up to 5.1 / 2.0 GHz | 24 MB | Radeon 890M | 15-54 W | 50 |
Ryzen AI 9 HX 370 |
12C/24T | Up to 5.1 / 2.0 GHz | 24 MB | Radeon 890M | 15-54 W | 50 |
Ryzen AI 9 365 |
10C/20T | Up to 5.0 / 2.0 GHz | 24 MB | Radeon 880M | 15-54W | 50 |
Ryzen AI 7 350 |
8C/16T | Up to 5.0 / 2.0 GHz | 24 MB | Radeon 860M | 15-54W | 50 |
Ryzen AI 5 340 |
6C/12T | Up to 4.8 / 2.0 GHz | 22 MB | Radeon 840M | 15-54W | 50 |
このRyzen AI 9 HX 370搭載の最新ミニPC 2機種の試用レポートが、AI X1 ProとEVO-X1です。どちらも、弊社が求める外付けNPU追加可能なOCuLink付きで、14万円前後です(同一CPU搭載ノートPCより約30%安)。
通常使いのミニAI PCとしては、十分な性能です(詳細は上記試用レポート参)。この2機種は、電源内蔵型とACアダプタ外付け型の2タイプのミニPCですので特徴を説明します。
電源内蔵型とACアダプタ外付け型ミニPC
- 電源内蔵型:Minisforum社AI X1 PRO
- ACアダプタ外付け型:GMKtec社EVO-X1
ノートPCからモニタと内蔵バッテリを外し、その代わりに大型モニタ裏側にあるVESA規格マウントへも設置できる小さな筐体へ入れたPCが、ミニPCです。大型モニタを好む筆者のような年配開発者には、モニタ裏にPC本体を設置でき、別途設置場所が不要なので便利です。
このミニPCは、「電源内蔵型」と「ACアダプタ外付け型」の2タイプがあります。
電源内蔵型ミニPCは、ACケーブルを本体へ接続すればセッティング完了の利点があります。しかし、外付け型と比べ電源を内蔵した分AI X1 PRO本体が約1.4㎏と重くなります。VESAマウント耐重量に注意が必要です。
一方、ACアダプタ型ミニPCは、ノートPCでよく見かける外付けアダプタから電源を供給します。EVO-X1は120Wと容量の大きいACアダプタが付属しますが、PC本体は590gと軽いので、VESAマウント設置や移動に有利です。
ミニPCもノートPCと同様、少し無理すればカバンに入れて持ち運び可能なサイズです。また、本稿のRyzen AI 300シリーズTDPは15-54Wと低いため、本体持ち出しの時、USB PDからの給電も可能です。
これが更に高性能なRyzen AI MaxシリーズになるとTDPも45-120Wとなり、USB PD給電は難しくなります。高いTDPほど高性能ですが、消費電力も大きくなり内蔵バッテリが無いミニPCの電源供給は難しくなります(AI MaxとAI 300の比較は、コチラの投稿1章参)。
以上から、現状のNPUとGPU内蔵AI CPUをミニPCで使う時は、USB PD給電もできるRyzen AI 300シリーズCPUのTDP 54W以下が適すと筆者は思います。
2025年版Mac mini
本稿で説明したWindowsミニPCのレファレンスモデルは、下図筐体サイズ比較から恐らくApple社の「2023年版Mac mini」です。
※2025年3月28日更新:EVO-X1の大きさが間違っていました。お詫びして訂正いたします。
2025年版最新Mac mini搭載CPUのM4 Pro/M4 MaxのTechanaLye社の解析レポートは、とても興味深いので紹介します。驚いたのは、2025年版Mac mini体積や重量が、2023年版比、約40%削減したことです。レポートは、その理由を以下と解析しています。
- トータル開発力:CPUのみでなく周辺チップセットも開発するトータルPC開発
- 基板設計力:3nm製造プロセスなど最新半導体や部品特性を見極めた最適基板設計
- IP利用力:最大限Intellectual Property活用し部品共通化などによる高速効率開発
これらのApple技術の結果、「2025年版Mac mini」本体は、手のひらサイズで小型軽量です。
AIエージェントに関してはGoogleやMicrosoft比、出遅れ感がありますが、寄せ集めWindows PCの一歩先行くApple Mac miniは、エッジAI向き低消費電力で小型高性能PCです。
Win10/11サービス終了やAI普及を機に、Win PCからApple PCへ替えるのも合理的だと思います。
Summary:最新ミニPC
Ryzen AI 9 HX 370搭載最新ミニPCの2タイプ、電源内蔵型:AI X1 PROとACアダプタ外付け型:EVO-X1を紹介し、特性を解説しました。
電源内蔵型は、PCセッティングが簡単ですが本体重量が重くなります。外付け型は、軽量本体なのでVESAマウント設置や移動が容易です。
どちらのミニPCも搭載CPU TDPが15-54Wのため、本体単体の外部持ち出し時、USB PD給電も可能です。より大きなTDP CPU搭載PCの場合は、本体へのUSB PD給電は難しくなります。
従って、可搬性や給電性も考慮すると、Ryzen AI 300シリーズのTDP 54W以下がミニPCに最適なAI CPUだと思います。
2025年版Apple社M4搭載Mac miniは、上記最新ミニPCよりも小型軽量で電力効率も良い先進Apple開発デバイスを使っています。Win10/11サービス終了やAI普及を機に、Win PCからMac miniへ替えるのは合理的です。